【実施例1】
【0013】
生体光計測装置は、近赤外光を被検体22内に照射し、被検体22の表面近傍から反射或いは被検体22内を通過した光(以下、単に通過光という)を検出する装置である。この生体光計測装置は、
図1に示すように、主に、近赤外光を照射する光源部10と、通過光を計測し、電気信号に変換する光計測部12と、光源部10及び光計測部12の駆動を制御する制御部14と、表示部36等を備えている。
【0014】
光源部10は、所定の波長の光を放射する半導体レーザ16と、半導体レーザ16が発生する光を複数の異なる周波数で変調するための変調器を備えた複数の光モジュール18とを備え、各光モジュール18の出力光はそれぞれ照射用光ファイバ20を介して被検体22の所定の計測位置に照射される。なお、プローブホルダ23は被検体22に取り付けられており、複数の照射用光ファイバ20と検出用光ファイバ26はプローブホルダ23の各設置位置(穴部)に着脱可能に設置されている。なお、照射用光ファイバ20は照射用光伝達部と称し、検出用光ファイバ26は検出用光伝達部と称すこともできる。光ファイバを光伝達部と称すこともできる。
【0015】
光源部10は、n個(nは自然数)の光モジュール18を備える。光の波長は被検体22内の注目物質の分光特性によるが、酸素化ヘモグロビンと脱酸素化ヘモグロビンの濃度から酸素飽和度や血液量を計測する場合には600nm〜1400nmの波長範囲の光の中から1あるいは複数の波長を選択して用いる。具体的には、光源部10は、2種類の波長、例えば780nm及び830nmの光を発生するように構成され、これら2波長の光は合成され1つの照射位置から照射される。
【0016】
光計測部12は、被検体22の複数の計測位置から検出用光ファイバ26を介して誘導された通過光をそれぞれ光量に対応する電気量に変換するフォトダイオード等の光電変換素子28と、光電変換素子28からの電気信号を入力し、光照射位置に対応した変調信号を選択的に検出するロックインアンプ30と、ロックインアンプ30の出力信号をデジタル信号に変換するA/D変換器32とからなる。ロックインアンプ30は、光照射位置とこれら2波長に対応した変調信号を選択的に検出する。
【0017】
また、生体光計測装置は、デジタル信号に変換されたヘモグロビン量変化信号を処理し、チャンネル毎にグラフや、それぞれのヘモグロビン量変化信号をチャンネル毎に補間した2次元画像若しくは3次元画像の濃淡画像を作成する信号処理部34と、被検体22の頭表画像、脳表画像、計測点などを作成する参照画像作成部42と、信号処理部34の処理結果や、頭表画像、脳表画像、計測点などを表示する表示部36と、信号処理部34や参照画像作成部42の処理に必要なデータや処理結果を記憶するための記憶部38と、装置の動作に必要な種々の指令を入力するための入出力部40を備えている。
【0018】
さらに、生体光計測装置は、各光ファイバ20、26を設置するプローブホルダ23の光ファイバ設置位置を確認するための磁気ユニット50(位置センサユニット)を備えている。磁気ユニット50は、制御部14に接続されている。光ファイバ設置位置を光伝達部設置位置と称すこともできる。
【0019】
図2は磁気ユニット50の構成を示し、
図3は磁気ユニット50の使用形態を示す。磁気ユニット50は、磁気ソース51と基準磁気センサ52と移動型磁気センサ53(移動型位置センサ)とからなる。移動型磁気センサ53は、3次元空間内で移動可能であり、3次元空間における空間位置を検出する移動型位置センサである。磁気ソース51と基準磁気センサ52と移動型磁気センサ53は、それぞれ制御部14に接続されている。なお、プローブホルダ23には、光ファイバ設置位置となる穴部230が複数設置されている。
図3では、プローブホルダ23には9つの穴部230が設置されている。
【0020】
磁気ソース51は、磁場発生コイルからなり、3次元空間内に3軸直交系の磁場を発生させるものである。磁気ソース51は、例えば、生体光計測装置の近辺に固定される。生体光計測装置の近辺とは、磁気ソース51からの磁場を基準磁気センサ52と移動型磁気センサ53が受信できる位置である。
【0021】
基準磁気センサ52は、磁気ソース51により発生した磁場空間内に設置するセンサであり、移動型磁気センサ53の基準位置となるセンサである。具体的には、
図3に示すように、基準磁気センサ52は、被検体に22に取り付けられたプローブホルダ23に設置されている。
【0022】
移動型磁気センサ53は、基準磁気センサ52の基準位置に対する相対位置(空間位置)を検出し、制御部14を介して、移動型磁気センサ53の空間位置を表示部36に表示させたり、移動型磁気センサ53の空間位置を記憶部38に記憶したりできる移動型位置センサである。
【0023】
移動型磁気センサ53は、スタイラスペンと呼ばれるペン型のセンサであり、磁気ソース51により発生した磁場空間内(3次元空間内)を検者は手に持って自由に動かすことが可能なセンサである。そして、移動型磁気センサ53には、ペン先の空間位置を記憶部38に記憶させる記憶ボタン(図示しない。)が設置されている。検者が、移動型磁気センサ53の記憶ボタンを押すと、制御部14は、記憶ボタンを押した時の移動型磁気センサ53の空間位置を記憶部38に記憶させることができる。
【0024】
図4は、信号処理部34と参照画像作成部42の構成を示す。
【0025】
信号処理部34は、A/D変換器32でデジタル信号に変換されたヘモグロビン量変化信号を処理し、酸素化ヘモグロビン濃度変化、脱酸素化ヘモグロビン濃度変化、全ヘモグロビン濃度変化などをチャンネル毎にグラフを作成するグラフ作成部35と、ヘモグロビン量変化信号をチャンネル毎に補間した2次元画像若しくは3次元画像の濃淡画像を作成する画像作成部37とからなる。このチャンネルは計測位置に該当するものである。
【0026】
また、被検体22の頭部に該当する3次元ワイヤーフレーム又は3次元形態画像の頭表画像と、MRI装置やX線CT装置などの3次元画像診断装置を用いて得られた被検体22の3次元画像である脳表画像と、過去に計測したときのプローブホルダ23の光ファイバ設置位置(穴部)の空間位置を記憶部38に予め記憶している。
【0027】
参照画像作成部42は、記憶部38に記憶された頭表画像を読み出し、被検体22の頭表における空間位置に基づいて、被検体22の頭部の大きさや形に対応する頭表画像を作成する頭表画像作成部43と、記憶部38に記憶された被検体22に対応する脳表画像を読み出し、脳表画像を作成する脳表画像作成部44と、移動型磁気センサ53によって指定されたポイントに対応する被検体22の頭表の空間位置を頭表ポイントとして頭表画像上に作成する頭表ポイント作成部45と、移動型磁気センサ53によって指定されたポイントに対応する被検体22の脳表の空間位置を脳表ポイントとして脳表画像上に作成する脳表ポイント作成部46と、過去に計測したときの光ファイバ設置位置(穴部)に対応する光ファイバ設置点の空間位置を記憶部38から読み出し、光ファイバ設置点を頭表画像又は脳表画像上に作成する光ファイバ設置点作成部47と、光ファイバ設置点の中点に当たる計測位置に対応する計測点を頭表画像又は脳表画像上に作成する計測点作成部48とからなる。光ファイバ設置点を光ファイバ設置点を光伝達部設置点と称すこともできる。
【0028】
ここで、過去に計測したときの光ファイバ設置位置(穴部)に対応する光ファイバ設置点又は計測点と、移動型磁気センサ53の空間位置に対応する頭表ポイントとを頭表画像上に表示する形態について説明する。
【0029】
まず、初期設定として、移動型磁気センサ53を用いて被検体22の頭部を測定する。移動型磁気センサ53で記憶する第1点目、第2点目・・・は、基準磁気センサ52の基準位置の空間位置を基準にして、相対座標が計測され、第1点目、第2点目・・・の空間位置をそれぞれ得る。そして、記憶部38は、第1点目、第2点目・・・の空間位置を記憶する。
【0030】
具体的には、
図5に示すように、第1点目、第2点目、第3点目を、国際10-20法によるナジオン(鼻根)63、右耳の上端部61、左耳の上端部62として記憶部38に記憶する。
【0031】
そして、参照画像作成部42は、ナジオン63から右耳上端部61と左耳上端部62間に引かれる直線上におろした垂線との交点を基準点60とする。基準点60は、被検体22の頭表から求められる基準点である。第4点目以降に記憶した計測点は、基準点60を原点とし、それぞれ空間位置が算出される。
【0032】
なお、本実施例では、移動型磁気センサ53の基準位置となるセンサとして基準磁気センサ52を用いたが、磁気ソース51に対する移動型磁気センサ53の空間位置が正確に取得できれば、基準磁気センサ52は必ずしも必要ではない。また、磁気ユニット50を用いる例を説明したが、磁気ユニット50の代わりに、3次元空間内を自由に動かすことが可能な移動型光学センサの空間位置を検出できる光学ユニットなどを用いてもよい。つまり、移動型光学センサは、3次元空間内で移動可能であり、3次元空間における空間位置を検出する移動型位置センサである。
【0033】
図6は、過去に計測したときの光ファイバ設置位置(穴部)に対応する光ファイバ設置点80又は計測点81と、算出された移動型磁気センサ53の空間位置に対応する頭表ポイント65とを頭表画像70上に表示した表示形態を示すものである。
【0034】
頭表画像作成部43は、まず、被検体22の計測部位である頭部の大きさや形状を計測した空間位置に基づいて3次元ワイヤーフレーム又は3次元形態画像による頭表画像70を作成する。具体的には、
図5にて記憶した3点(ナジオン(鼻根)63、右耳上端部61、左耳上端部62)の空間位置を用いて、放物線近似を行うことによって、被検体22の頭部の大きさや形状に対応した3次元ワイヤーフレーム画像又は3次元形態画像を頭表画像として作成する。
【0035】
頭表ポイント作成部45は、頭表画像作成部43で作成された頭表画像70全体の空間位置を把握し、移動型磁気センサ53の空間位置を頭表画像70の空間位置に対応付ける。そして、頭表ポイント作成部45は、移動型磁気センサ53に対応する頭表ポイント65を頭表画像70上に作成する。
【0036】
光ファイバ設置点作成部47は、頭表画像作成部43で作成された頭表画像70全体の空間位置を把握し、過去に計測したときの光ファイバ設置位置(穴部)に対応する光ファイバ設置点80を頭表画像70上に作成する。具体的には、光ファイバ設置点作成部47は、過去に計測したときの光ファイバ設置位置(穴部)の空間位置を記憶部38から読み出す。そして、光ファイバ設置点作成部47は、頭表画像作成部43で作成された頭表画像70全体の空間位置を把握し、読み出された光ファイバ設置位置(穴部)の空間位置に該当する光ファイバ設置点80を作成する。
【0037】
また、計測点作成部48は、光ファイバ設置点作成部47によって作成された光ファイバ設置点80の中点の空間位置を算出し、算出された中点の空間位置、すなわち計測位置に対応する計測点81を頭表画像70上に作成する。
【0038】
そして、表示部36は、頭表画像作成部43、頭表ポイント作成部45、光ファイバ設置点作成部47、計測点作成部48の出力に基づいて、頭表ポイント65と、光ファイバ設置点80又は計測点81とをそれぞれ頭表画像70上に表示する。
【0039】
表示部36は、例えば、過去に計測したときの光ファイバ設置点80又は計測点81と、移動型磁気センサ53に対応する頭表ポイント65とを頭表画像70上に表示することができる。よって、検者は、被検体22に取り付けられたプローブホルダ23の光ファイバ設置位置(穴部)にスタイラスペンと呼ばれるペン型の移動型磁気センサ53を当接することにより、表示部36は、過去に計測したときの光ファイバ設置点80又は計測点81を移動型磁気センサ53の空間位置に対応する頭表ポイント65とともに頭表画像70上に表示することができる。
【0040】
よって、検者は、今回設置した光ファイバの設置位置(穴部)をリアルタイムに確認することができる。また、今回設置した光ファイバの設置位置(穴部)が過去に計測したときの光ファイバ設置点80又は計測点81に対応しているかどうかをリアルタイムに確認することができる。
【0041】
また、参照画像作成部42は、過去に計測したときの光ファイバ設置点80又は計測点81の空間位置からプローブホルダ23の外周に相当するホルダ枠82を作成し、表示部36にホルダ枠82を頭表画像70上に表示させることができる。過去に計測したときの複数の光ファイバ設置点80を全て覆うように、矩形状のホルダ枠82が形成される。検者は、頭表画像70に対するホルダ枠82の位置からプローブホルダ23全体の装着位置を確認することができる。
【0042】
さらに、頭表ポイント作成部45は、頭表画像作成部43で作成された頭表画像70全体の空間位置を把握し、移動型磁気センサ53の空間位置に対応する頭表ポイント65の移動軌跡83を頭表画像70上に作成することができる。頭表ポイント65の移動軌跡83は、頭表ポイント65が移動したタイミングから所定時間(例えば1秒間)表示される。検者は、頭表ポイント65の移動軌跡から移動型磁気センサ53の移動軌跡を確認することができる。
【0043】
以上、実施例1によれば、検者は各光ファイバを設置するプローブホルダ23の光ファイバ設置位置をリアルタイムに確認することができる。
【0044】
なお、本実施例では、複数の照射用光ファイバ(照射用光伝達部)20と検出用光ファイバ(検出用光伝達部)26を用いて説明したが、照射用光ファイバ20は2波長の光を被検体22に照射することができる発光ダイオード(LED)に置き換えられ、検出用光ファイバ26は被検体22に照射された光を検出し電気信号を出力するフォトダイオードに置き換えられてもよい。このとき、光源部10は発光ダイオードに電気信号を送って光を発光させる動作を行い、光計測部12はフォトダイオードからの電気信号を処理して信号処理部34に送る。
【実施例2】
【0045】
ここで、実施例2について主に
図7を用いて説明する。実施例1と異なる点は、過去に計測したときの光ファイバ設置点80の空間位置と、複数記憶された登録ポイント90の空間位置とを容易に比較することができる点である。
【0046】
図7(a)は、プローブホルダ23の装着位置の調整前を示すものであり、
図7(b)は、プローブホルダ23の装着位置の調整後を示すものである。
【0047】
図7(a)には、実施例1で説明した手法により、過去に計測したときの光ファイバ設置点80が頭表画像70上に表示されている。プローブホルダ23の光ファイバ設置位置(穴部)少なくとも3箇所に移動型磁気センサ53を当接させ、移動型磁気センサ53の空間位置をそれぞれ記憶部38に3箇所記憶する。記憶部38は、例えば、プローブホルダ23の隅の光ファイバ設置位置(穴部)に該当する3箇所の点の空間位置を記憶する。記憶された3箇所の空間位置は、登録ポイント90として表示部36に表示される。
【0048】
そして、参照画像作成部42は、記憶部38に記憶された、過去に計測したときの光ファイバ設置点80の空間位置と、記憶された登録ポイント90の空間位置を比較する。比較する対象は、登録ポイント90(3箇所)の空間位置と、登録ポイント90の位置に対応する光ファイバ設置点80(3箇所)の空間位置である。参照画像作成部42は、光ファイバ設置点80と登録ポイント90の空間位置に誤差がある場合、その誤差に相当する距離と方向を示すマーク(矢印91)を作成して、表示部36に表示させる。
【0049】
検者は、表示されたマーク(矢印91)を参考にして、プローブホルダ23の装着位置を調整する。プローブホルダ23の装着位置の調整後は、
図7(b)に示すように、光ファイバ設置点80と登録ポイント90が一致している。この時、誤差に相当する距離と方向を示すマーク(矢印91)は、表示部36に表示されない。
【0050】
以上、実施例2によれば、検者は、登録ポイント90やマーク(矢印91)を認識することにより、過去に計測したときのプローブホルダ23の装着位置と、今回計測するプローブホルダ23の装着位置とが合っているかどうかを把握することができる。
【実施例3】
【0051】
ここで、実施例3について
図8、9を用いて説明する。実施例1、2と異なる点は、頭表画像上に表示される頭表ポイントに対応する脳表ポイントを脳表画像上に表示する点である。
【0052】
図8に示すように、脳表ポイント作成部46は、移動型磁気センサ53の頭表ポイント65に対応する被検体22の脳表の空間位置を脳表ポイント66として脳表画像71上に作成する。
【0053】
具体的には、MRI装置やX線CT装置などの3次元画像診断装置を用いて得られた被検体22の3次元画像である脳表画像71を記憶部38に予め記憶しておき、脳表ポイント作成部46は、被検体22の脳表画像71を記憶部38から取り込む。そして、表示部36は、被検体22の脳表画像71を表示する。
頭表画像70と脳表画像71とを表示する際、表示部36は、記憶した3点(ナジオン(鼻根)63、右耳の上端部61、左耳の上端部62)で算出される基準点60の空間位置等を用いて、頭表画像70と脳表画像71のそれぞれの位置を合わせて表示する。そして、表示部36は、頭表画像70を半透明表示にして、脳表画像71が確認できるように表示する。
【0054】
検者は、被検体22の頭表に移動型磁気センサ53のペン先を当接する。頭表ポイント作成部45は、移動型磁気センサ53の空間位置に対応する被検体22の頭表の空間位置を頭表ポイント65として頭表画像70上に作成する。
【0055】
脳表ポイント作成部46は、
図8に示すように、基準点(原点)60と、移動型磁気センサ53の空間位置として算出された頭表ポイント65の空間位置とから、基準点(原点)60と頭表ポイント65を通過する直線67を算出する。
【0056】
そして、脳表ポイント作成部46は、算出された直線67と脳表画像71が交差する点を脳表ポイント66として算出する。脳表ポイント作成部46は、解剖学上、脳表は頭表から2cm程度の深さにあるため、例えば、頭表と脳表の間の距離を2cmと設定し、頭表ポイント65から2cm分だけ基準点60に近づいた直線67上の点を脳表ポイント66として算出する。表示部36は、算出した脳表ポイント66の空間位置に基づいて脳表画像71上に脳表ポイント66を表示する。なお、入出力部40を用いて、頭表と脳表の間の距離を任意に設定し、脳表ポイント作成部46は、頭表ポイント65から任意距離分だけ基準点60に近づいた直線67上の点を脳表ポイント66として算出してもよい。
【0057】
さらに表示部36は、移動型磁気センサ53の動き(空間位置の変化)に合わせて、脳表ポイント66の空間位置を算出し、移動型磁気センサ53の動きに対応した脳表ポイント66を脳表画像71上にリアルタイムに表示することができる。
【0058】
図8では、頭表ポイント65が付与された頭表画像70と脳表ポイント66が付与された脳表画像71を重ね合わせて表示したが、
図9に示すように、表示部36は、頭表ポイント65が付与された頭表画像70と脳表ポイント66が付与された脳表画像71を別々に同一画面に表示させてもよい。
【0059】
画像作成部37は、酸素化ヘモグロビン濃度変化、脱酸素化ヘモグロビン濃度変化、全ヘモグロビン濃度変化に基づく3次元画像を作成し、基準点60の空間位置を用いて、作成した3次元画像の空間位置と、頭表画像70及び脳表画像71の空間位置とを合わせる。表示部36は、3次元画像の濃淡画像100を頭表画像70上に表示させ、3次元画像の濃淡画像101を脳表画像71上に表示させる。ヘモグロビン濃度変化に基づく3次元画像の濃淡画像100を透過して脳表画像71上にマッピングすれば、検者は、脳のどの部位が活動しているというのをより具体的に把握することができる。
【0060】
また、実施例1及び実施例2の手法を用いて、表示部36は、頭表ポイント65を頭表画像70上に表示させ、脳表ポイント66を脳表画像71上に表示させることができる。
【0061】
以上、実施例3によれば、検者は、移動型磁気センサ53のペン先を被検体22の頭表に当接させることにより表示される頭表ポイント65と脳表ポイント66を別々の画像で確認することにより、各光ファイバ20,26を固定するプローブホルダ23の光ファイバ20,26の設置位置をリアルタイムに確認することができる。