特許第5686987号(P5686987)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5686987二酸化炭素化学吸収設備を備えた排ガス処理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5686987
(24)【登録日】2015年1月30日
(45)【発行日】2015年3月18日
(54)【発明の名称】二酸化炭素化学吸収設備を備えた排ガス処理システム
(51)【国際特許分類】
   B01D 53/62 20060101AFI20150226BHJP
   B01D 53/14 20060101ALI20150226BHJP
   F23J 15/00 20060101ALI20150226BHJP
【FI】
   B01D53/34 135Z
   B01D53/14 CZAB
   B01D53/14 103
   F23J15/00 Z
【請求項の数】3
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2010-96844(P2010-96844)
(22)【出願日】2010年4月20日
(65)【公開番号】特開2011-224472(P2011-224472A)
(43)【公開日】2011年11月10日
【審査請求日】2012年11月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】514030104
【氏名又は名称】三菱日立パワーシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109508
【弁理士】
【氏名又は名称】菊間 忠之
(74)【代理人】
【識別番号】100076587
【弁理士】
【氏名又は名称】川北 武長
(72)【発明者】
【氏名】小西 智之
(72)【発明者】
【氏名】中本 隆則
(72)【発明者】
【氏名】尾田 直己
(72)【発明者】
【氏名】森本 信夫
【審査官】 山本 吾一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−247932(JP,A)
【文献】 特開平07−031834(JP,A)
【文献】 特開2010−085078(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 53/14
B01D 53/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボイラから排出される排ガスから排熱を回収する熱回収器と、
排ガスをアミン吸収液と接触させて排ガス中の二酸化炭素(CO2)をアミン吸収液に吸収させるCO2吸収塔と
該CO2を吸収したアミン吸収液を加熱してCO2を放出させるCO2再生塔と
CO2放出後のアミン吸収液を昇温するスチーム加熱式リボイラと、
CO2放出後のアミン吸収液をCO2吸収塔に循環させる手段と、
前記熱回収器で回収された熱を、CO2再生塔からスチーム加熱式リボイラへ送られるアミン吸収液に与える熱交換手段
を有する、CO2化学吸収設備を備えた排ガス処理システム。
【請求項2】
前記熱交換手段は、
アミン吸収液を前記CO2再生塔からスチーム加熱式リボイラへ送るための配管に設けられる熱交換器と、
該熱交換器と前記熱回収器とを連通する熱媒の循環手段と
を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記熱交換手段は、
アミン吸収液を、前記CO2再生塔から前記熱回収器へ送って熱交換させ、次いで該熱回収器からスチーム加熱式リボイラへ送るための配管
を有する、請求項1に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二酸化炭素化学吸収設備を備えた排ガス処理システムに係り、特に排ガスから回収された熱を二酸化炭素(CO2)化学吸収設備で有効に利用する排ガス処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、石炭焚きボイラ等から排出される排ガス中には窒素酸化物、硫黄酸化物および煤塵その他重金属などが含まれているため、前記石炭焚きボイラ等の下流側に排煙処理装置を設置し、排ガス中の前記有害物質を除去した後、クリーンなガスとして大気に放出している。
【0003】
図4は、従来の排煙処理システムの一例を示す説明図である。ボイラ1から排出される燃焼排ガスは脱硝装置2で窒素酸化物を除去した後、空気予熱器3で熱交換され、例えば120〜170℃に冷却される。空気予熱器3を通過した排ガスは熱回収器4で熱媒により熱を奪われ、例えば75℃〜110℃に冷却された後、集塵装置5で排ガス中の煤塵が除去され、さらに誘引ファン6で昇圧された後、湿式脱硫装置7で硫黄酸化物が除去される。前記湿式排煙脱硫装置を通過した排ガスは、通常、40〜60℃程度まで温度が低下して水分飽和状態となっており、この排ガスをそのまま煙突から大気中へ放出すると、白煙が発生するため、再加熱器18で露点以上に昇温され、脱硫ファン10を介して煙突11から排出される。この場合、熱回収器4と再加熱器18の間には、伝熱管による熱媒循環ライン12が設けられ、熱媒循環ポンプ13により熱回収器4と再加熱器18との間に伝熱管を介して熱媒が循環されるようになっている。このシステムによれば、熱回収器4で排ガス温度を低減し、排ガス中の灰にSO3や重金属を吸着させ、集塵装置5で灰と共に除去することができ、また熱回収器4で回収された熱は、煙突11からの白煙防止のため、湿式脱硫装置7出口の水分飽和ガスの再加熱に利用することができる特許文献1。
【0004】
一方、CO2排出量削減を目的として、近年、排煙処理システムにCO2回収設備を設置することが計画され、研究開発が進められている。CO2回収設備の1つとして、アルカノールアミン等のようなアミン化合物の水溶液を吸収液としてCO2を回収するCO2化学吸収設備が提案されている例えば、特許文献2。図5は、従来のアミン吸収液によるCO2化学吸収設備の一例を示す説明図である。ブロワ8によって昇圧された排ガスは吸収塔25の下部に導入され、吸収塔充填層40において上部の吸収塔アミン供給配管41から供給されるアミン吸収液との接触によりCO2が除去された後、吸収塔水洗部42で水洗水循環ライン45から供給される水洗水により洗浄され、同時にガスに同伴される吸収液のミストが除去され、脱CO2ガス27として外部に排出される。吸収塔水洗部42を流下した水洗水は、吸収塔水洗ポンプ43により吸収塔外に抜き出され、冷却器44を経由した後、水洗水循環ライン45を経て吸収塔に循環される。一方、CO2を吸収したアミン吸収液は、吸収塔25の底部に溜められた後、吸収液循環ポンプ28aによりアミン熱交換器46に導入され、例えば40℃から100℃に昇温された後、再生塔アミン供給配管47から再生塔26に導入される。再生塔26では、再生塔アミン供給配管47より供給されたCO2をリッチに含むアミン吸収液が再生塔充填層48に供給される。一方、充填層48下部には、リボイラ30から再生塔供給蒸気配管33を通って蒸気が供給される。再生塔充填層48では、CO2をリッチに含むアミン吸収液が蒸気と気液接触することにより、CO2が気相中に脱離する。脱離したCO2ガスは上部の再生塔水洗部49で同伴するアミン吸収液のミストが除去される。再生塔出口ガス51は、再生塔冷却器52にて40℃に冷却され、凝縮した水ドレンがドラム53により分離され、再生塔水洗水ポンプ54により再生塔水洗部の洗浄水50として再生塔26に供給される。一方、CO2を脱離したCO2リーン吸収液は再生塔下部のトレイ55に一度溜められた後、リボイラ給液配管35を通り、リボイラ30下部よりリボイラ内に供給される。リボイラ30には図に示していない伝熱管が設けられており、スチーム32が伝熱管を通ることにより、吸収液が例えば120℃〜140℃に加熱される。加熱された吸収液は蒸気を発生し、この蒸気は再生塔供給蒸気33として再生塔26に供給される。また、リボイラ30には仕切板56が設けられており、該仕切板56をオーバーフローした液は、再生塔給液配管57を通って再生塔26の底部に溜められ、アミン吸収液循環ポンプ28bにより抜き出され、アミン熱交換器46により、例えば40℃程度に減温された後、吸収塔アミン供給配管41を通り、吸収塔充填層40に供給される。
【0005】
上記のようなアミン吸収液によるCO2化学吸収法は、スチームなどの莫大な熱を必要とし、運転コストが非常に大きくなることが懸念され、そのため、CO2化学吸収設備に必要な熱を低減する手段として、ボイラ装置で熱回収した熱や加熱媒体を利用し、再生塔から吸収塔へ供給するアミン吸収液を予熱する方法が提案されている例えば、特許文献3および4。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】再公表特許 WO2004/023040
【特許文献2】特開2002-126439
【特許文献3】特許第3486220号
【特許文献4】特開2004-292298
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記アミン吸収液によるCO2化学吸収設備においては、アミン吸収液の再生に莫大な熱エネルギーが必要であり、運転コストが著しく大きくなるという課題がある。これを解決するため、前述のようにボイラ排ガスの熱や加熱媒体を利用し、再生塔に供給するアミン吸収液を加熱させる方法が知られているが、本発明者らの知見によれば、CO2吸収塔から抜出したアミン吸収液を昇温し過ぎると、再生塔内でアミン吸収液が下部タンクまで落下せず、循環が困難になる現象を生じ、このため、熱の供給が制限され、ボイラ排ガスから回収した熱を効率的に利用できなくなるという問題があることが判った。
【0008】
本発明の課題は、膨大な熱エネルギーが必要なCO2化学吸収設備において、排ガスから回収した熱をCO2化学吸収設備で何ら制限なく、効率的に利用し、CO2化学吸収設備の運転コストを低減することができる排ガス処理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を達成するため、本願で特許請求される発明は以下のとおりである。
(1)ボイラから排出される排ガスから排熱を回収する熱回収器と、排ガスを二酸化炭素(CO2)吸収塔内でアミン吸収液と接触させて排ガス中のCO2を吸収し、該CO2を吸収した吸収液を加熱してCO2再生塔内でCO2を放出させ、CO2放出後の吸収液をリボイラを介して昇温したのち、CO2吸収塔に循環するCO2化学吸収設備とを備えた排ガス処理システムであって、前記熱回収器で回収する熱を、前記CO2化学吸収設備のCO2再生塔からリボイラへ送られる吸収液に与える熱交換手段を有していることを特徴とするCO2化学吸収設備を備えた排ガス処理システム。
(2)前記熱交換手段は、CO2再生塔からリボイラへ送られる吸収液配管に設けられる熱交換器と、該熱交換器と前記ボイラの熱回収器とを連通する熱媒の循環手段とを有する(1)に記載のシステム。
(3)前記CO2再生塔からリボイラへ送られる吸収液を前記熱回収器で熱交換した後、リボイラに送るように吸収液配管を構成し、熱回収器で回収する熱を前記CO2化学吸収設備のCO2再生塔からリボイラへ送られる吸収液に与えることを特徴とする(1)に記載のシステム。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ボイラから排出される排ガスの熱を回収する熱回収器を設け、その熱をアミン吸収液によるCO2化学吸収設備へ供給し、再生塔からリボイラへ供給する再生用アミン吸収液の予熱用熱源として利用することにより、再生用アミン吸収液の温度が上昇し、リボイラへ供給するスチーム量を低減することができる。また上記熱源をCO2吸収塔から抜出したアミン吸収液の加熱用として用いないため、再生塔内で吸収液が落下せず、液の循環が困難になる問題は生じない。リボイラでは、排ガスから回収した熱エネルギーを大幅に上回るエネルギーを必要とするため、予熱用に回収熱供給する上で制限が生じない。これにより、従来よりも熱効率の高い排ガス処理システムを構成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施例のCO2化学吸収設備を設けた排ガス処理システムの説明図。
図2】本発明の他の実施例のCO2化学吸収設備を設けた排ガス処理システムの説明図。
図3】本発明の比較例のCO2化学吸収設備を設けた排ガス処理システムの説明図。
図4】従来の排ガス処理システムの説明図。
図5】従来のアミン吸収液によるCO2化学吸収設備の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施の形態を図面に示す実施例に基づいて説明する。なお、各実施例において排煙処理システムとして、脱硝装置2、空気予熱器3、集塵装置5、誘引ファン6、湿式脱硫装置7、ブロワ8を備えたものを示しているが、必ずしもそれら全ての装置および配列は必須ではなく、ファンやブロワは排ガス流路上に加除されてもよく、一部の装置がバイパスされる系統を有するものでもよい。また装置の形式についても特に限定されず、例えば、湿式脱硫装置については、乾式脱硫装置等、他の形式に代えてもよい。
【実施例】
【0013】
図1は、本発明の排ガス処理システムの一実施例を示す説明図である。図4、5に示す従来のシステムと異なる点は、リボイラ30の給液配管35に熱媒ヒータ36を設け、ボイラ1の空気予熱器3出口の熱回収器4と、上記熱媒ヒータ36との間に、熱媒が通る伝熱管が構成される熱媒循環ライン高温側12a、熱媒循環ライン低温側12b、および熱媒循環ポンプ13を設け、熱回収器4と熱媒ヒータ36の間に伝熱管を介して熱媒を循環させるようにした点である。
【0014】
このようなシステムにおいて、ボイラ1からの排ガスは脱硝装置2に導入され、窒素酸化物が除去された後、空気予熱器3でボイラ1で使用される燃焼用空気が排ガスにより加熱される。次いで空気予熱器3から排出された排ガスは熱回収器4に導入され、熱回収器内を循環している熱媒により熱を回収され、冷却される。熱回収器4から排出された排ガス中の煤塵は集塵装置5で捕集され、集塵装置5から排出された排ガスは誘引ファン6で昇圧され、湿式脱硫装置7に導入される。湿式脱硫装置7で硫黄酸化物が除去された後、排ガスはブロワ8で昇圧され、CO2化学吸収設備に送られる。すなわち、ブロワ8によって昇圧された排ガスはCO2化学吸収設備の吸収塔25の下部に導入され、吸収塔充填層40において上部の吸収塔アミン供給配管から供給されるアミン吸収液との接触によりCO2が除去された後、吸収塔水洗部42で水洗水循環ライン45から供給される水洗水により洗浄され、さらにガスに同伴される吸収液のミストが除去され、脱CO2ガス27としてファン10により煙突11から排出される。吸収塔水洗部42には、吸収塔水洗ポンプ43によって水洗水が循環される。一方、CO2を吸収したアミン吸収液は吸収塔25の底部に溜められた後、吸収液循環ポンプ28aによりアミン熱交換器46に導入され、例えば40℃から100℃に昇温された後、再生塔アミン供給配管47から再生塔26に導入される。再生塔26では、再生塔アミン供給配管47より供給されたCO2をリッチに含むアミン吸収液が再生塔充填層48に供給される。一方、再生塔充填層48下部には、リボイラ30から再生塔供給蒸気配管33を通って蒸気が供給される。再生塔充填層48では、CO2をリッチに含むアミン吸収液が蒸気と気液接触することにより、CO2が気相中に脱離する。脱離したCO2ガスは、再生塔上部の水洗部49で同伴するアミン吸収液のミストが除去される。再生塔出口ガス51は再生塔冷却器52で、例えば40℃に冷却され、凝縮した水ドレンがドラム53で分離された後、再生塔水洗水ポンプ54により再生塔水洗部49の洗浄水として供給される。一方、CO2を脱離したCO2リーン吸収液は、再生塔下部のトレイ55に一度溜められた後、リボイラ給液配管35を通り、リボイラ下部よりリボイラ30内部に供給される。リボイラ30には、図に示していない伝熱管が設けられており、スチーム32が伝熱管を通ることにより、吸収液が、例えば120℃〜140℃に加熱される。加熱された吸収液は蒸気を発生し、蒸気は再生塔供給蒸気33として再生塔に供給される。リボイラ30には仕切板56が設けられており、仕切板をオーバーフローした液は再生塔給液配管57を通って再生塔26の底部に溜められ、アミン吸収液循環ポンプ28bにより抜き出され、アミン熱交換器46により、例えば40℃程度に減温された後、吸収塔アミン供給配管41を通り、吸収塔充填層40に供給される。
【0015】
本実施例では、リボイラ給液配管35に設けられた熱媒ヒータ36と熱回収器4との間を熱媒循環ライン12a、bを通って熱媒循環ポンプ13により熱媒が循環され、熱回収器4で熱交換して温度上昇した熱媒により、リボイラ給液配管35を通る再生アミン液が加熱される。このようにリボイラ30に供給する再生アミン吸収液35を熱回収器4の熱を回収した熱媒を使用して予熱することにより、リボイラ30に必要なスチーム量を低減することが可能となり、運転コストが低減できる。
【0016】
本発明の他の実施例を図2に示す。図2の基本構成は図1と同様であるが、図2では、ボイラ1からの排ガスで熱回収する熱回収器4に、再生塔26の下部に設けたトレイ55に溜められた吸収液が熱媒循環ライン低温側12bに設けた再生用アミン吸収液循環ポンプ15により熱回収器4に送られ、熱回収して高温になった吸収液が熱媒循環ライン12aを介してリボイラ30に送液される構成となっている。この実施例によれば、リボイラ30に供給する再生アミン吸収液35を、熱回収器4の熱を使用して直接予熱することにより、リボイラ30に必要なスチーム量を低減することができ、運転コストが低減できると共に、図1のような熱媒ヒータ36を設ける必要がないので、装置の設置コストも低減できる。
[比較例]
図1および2の実施例に対する比較例を図3に示す。図3のシステムの基本構成は図1および図2と同様であるが、図3では、再生塔26の塔底から抜き出されたアミン吸収液は循環ポンプ28bにより、ボイラ1からの排ガスで熱回収する熱回収器4を経由した後、アミン液熱交換器46に送られ、吸収塔25に供給されるアミン吸収液が予熱される構成となっている。
【0017】
この構成では、再生塔26から吸収塔25に供給するアミン吸収液を昇温し過ぎると、このアミン吸収液で熱交換している吸収塔25から再生塔26へ供給するアミン吸収液を90℃から100℃程度の適温に保持することができず、再生塔26に供給した高温のアミン吸収液は下部タンクへ落下せず、循環が困難になるといった現象が発生することから、熱回収器4でのアミン吸収液の予熱に制限を設ける必要があり、ボイラ排ガスからの熱を効率的に利用できないという不都合を生じる。
【0018】
しかし、本発明の図1図2の実施例では、再生塔26からリボイラ30に供給する再生アミン吸収液35を予熱することから、再生塔26に供給するアミン吸収液の温度に影響を与えないため、熱回収器4でのアミン吸収液の予熱に制限を設ける必要がなく、ボイラ排ガスからの熱を効率的に利用することができる。
【0019】
本発明によれば、排ガスからの回収熱をCO2回収設備およびシステムに効率的に利用することが可能となるため、C O2回収に必要な莫大な熱エネルギーを削減することができ、運用コストを削減することが可能である。
【符号の説明】
【0020】
1‥ボイラ、2‥脱硝装置、3‥空気予熱器、4‥熱回収器、5‥集塵装置、6‥誘引ファン、7‥湿式脱硫装置、12a‥熱媒循環ライン(高温側)、12b‥ 熱媒循環ライン(低温側)、15‥再生用アミン吸収液循環ポンプ、25‥吸収塔、26‥再生塔、30‥リボイラ、36‥熱媒ヒータ、46‥アミン熱交換器、57‥再生塔給液配管
図1
図2
図3
図4
図5