特許第5687570号(P5687570)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5687570
(24)【登録日】2015年1月30日
(45)【発行日】2015年3月18日
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20150226BHJP
   G02F 1/1333 20060101ALI20150226BHJP
【FI】
   G09F9/00 348Z
   G02F1/1333
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2011-130000(P2011-130000)
(22)【出願日】2011年6月10日
(65)【公開番号】特開2012-255971(P2012-255971A)
(43)【公開日】2012年12月27日
【審査請求日】2013年12月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】特許業務法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大平 栄治
【審査官】 佐竹 政彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−002553(JP,A)
【文献】 特開2010−212466(JP,A)
【文献】 特開2007−279768(JP,A)
【文献】 特開2006−018179(JP,A)
【文献】 特開2007−292826(JP,A)
【文献】 特開2008−151981(JP,A)
【文献】 特開2007−298699(JP,A)
【文献】 特開昭56−121018(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00−9/46
G02F 1/133−1/1334
G06F 3/03−3/047
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インターフェース端子群を有する第1フレキシブル配線基板と、
前記第1フレキシブル配線基板に接合されて前記インターフェース端子群の少なくとも1つの端子に電気的に接続された第2フレキシブル配線基板と、
前記第1フレキシブル配線基板に電気的に接続されて接合された表示パネルと、
前記表示パネルの上に重なって、前記第2フレキシブル配線基板に電気的に接続されて接合されたサブパネルと、
を有し、
前記第1フレキシブル配線基板は、前記表示パネルの端部から側方に延びて戻る方向に屈曲して前記表示パネルの下方に延び、
前記第2フレキシブル配線基板は、前記第1フレキシブル配線基板の上方で前記サブパネルの端部から側方に延びる上側端部と、前記上側端部から戻る方向に屈曲する外側屈曲部と、前記外側屈曲部から前記第1フレキシブル配線基板の下方で前記第1フレキシブル配線基板との電気的接続部を通り越すように延びる中間部と、前記中間部から前記電気的接続部の方向に戻るように屈曲する内側屈曲部と、前記内側屈曲部から前記電気的接続部に至る下側端部と、を含むことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載された表示装置において、
前記外側屈曲部と前記内側屈曲は、屈曲の凸側が相互に反対を向くように位置し、
前記中間部は、前記電気的接続部との重複を避けるように、前記電気的接続部からずれた位置を延び、
前記下側端部は、前記中間部が延びる方向に対して交差する方向に延びる部分を有することを特徴とする表示装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載された表示装置において、
前記内側屈曲部は、前記下側端部から前記中間部に向けて、前記表示パネルから離れる側に屈曲することを特徴とする表示装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載された表示装置において、
前記第1フレキシブル配線基板に搭載されて前記インターフェース端子群の少なくとも1つの端子に電気的に接続されたコネクタを有し、
前記コネクタが前記電気的接続部であることを特徴とする表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サブパネルを備える表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
表示装置にFPC(Flexible Printed Circuits)を使用する例が知られている。特許文献1には、液晶表示パネルとの電気的接続用のFPCと、タッチパネルとの電気的接続用のFPCが使用される例が開示されている。また、装置の小型化の要求から、FPCをバックライトの背面側に曲げることも知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-85923号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数のFPCは、一方のFPCを他方のFPCに接続すれば、インターフェース端子群を1個所に集約することができ、コネクタを減らし、取り付け工程も減らすことができる。しかし、その場合、複数のFPCを重ねてバックライトの背面に曲げようとすると、FPCの曲げ半径の違いから、屈曲外側のFPCに引っ張り応力が生じる。これを避けるため、曲げ半径の違いに応じて、屈曲外側のFPCを長くしておくことも考えられるが、その場合、屈曲前にすでにFPCが曲がった状態になっており、パネルとFPCの接合部にせん断力が生じてしまう。
【0005】
本発明は、応力による悪影響を減らしてインターフェース端子群を1個所に集約することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明に係る表示装置は、インターフェース端子群を有する第1フレキシブル配線基板と、前記第1フレキシブル配線基板に接合されて前記インターフェース端子群の少なくとも1つの端子に電気的に接続された第2フレキシブル配線基板と、前記第1フレキシブル配線基板に電気的に接続されて接合された表示パネルと、前記表示パネルの上に重なって、前記第2フレキシブル配線基板に電気的に接続されて接合されたサブパネルと、を有し、前記第1フレキシブル配線基板は、前記表示パネルの端部から側方に延びて戻る方向に屈曲して前記表示パネルの下方に延び、前記第2フレキシブル配線基板は、前記第1フレキシブル配線基板の上方で前記サブパネルの端部から側方に延びる上側端部と、前記上側端部から戻る方向に屈曲する外側屈曲部と、前記外側屈曲部から前記第1フレキシブル配線基板の下方で前記第1フレキシブル配線基板との電気的接続部を通り越すように延びる中間部と、前記中間部から前記電気的接続部の方向に戻るように屈曲する内側屈曲部と、前記内側屈曲部から前記電気的接続部に至る下側端部と、を含むことを特徴とする。本発明によれば、第2フレキシブル配線基板は、サブパネルに近い側に外側屈曲部を有し、サブパネルから離れた側(電気的接合部に近い側)に内側屈曲部を有している。したがって、第1フレキシブル配線基板を曲げる前のまっすぐの状態で、内側屈曲部は屈曲しているが、外側屈曲部はまっすぐに伸ばすことができる。これにより、サブパネルと第2フレキシブル配線基板との接合部のせん断力の発生を抑え、応力による悪影響を減らして、インターフェース端子群を1個所に集約することができる。
【0007】
(2)(1)に記載された表示装置において、前記外側屈曲部と前記内側屈曲は、屈曲の凸側が相互に反対を向くように位置し、前記中間部は、前記電気的接続部との重複を避けるように、前記電気的接続部からずれた位置を延び、前記下側端部は、前記中間部が延びる方向に対して交差する方向に延びる部分を有することを特徴としてもよい。
【0008】
(3)(1)又は(2)に記載された表示装置において、前記内側屈曲部は、前記下側端部から前記中間部に向けて、前記表示パネルから離れる側に屈曲することを特徴としてもよい。
【0009】
(4)(1)から(3)のいずれか1項に記載された表示装置において、前記第1フレキシブル配線基板に搭載されて前記インターフェース端子群の少なくとも1つの端子に電気的に接続されたコネクタを有し、前記コネクタが前記電気的接続部であることを特徴としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態に係る表示装置を示す断面図である。
図2】屈曲前の第1フレキシブル配線基板及び第2フレキシブル配線基板を有する表示装置を示す平面図である。
図3図2に示す表示装置の概略を示す斜視図である。
図4】液晶表示パネル及びこれに接合された屈曲前の第1フレキシブル配線基板を示す図である。
図5】視差バリア用液晶パネル及びこれに接合された屈曲前の第2フレキシブル配線基板を示す図である。
図6図2に示す表示装置の変形例を説明する平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態に係る表示装置を示す断面図である。表示装置は、液晶表示パネル10を有する。液晶表示パネル10は表示パネルの一例であり、有機EL(Electro Luminescence)表示パネルなどその他の表示パネルに置き換えてもよい。
【0012】
液晶表示パネル10は、TN(Twisted Nematic)型、STN(Super Twisted Nematic)型、VA(Vertical Alignment)方式、IPS(In-Plane Switching)方式など、構造や方式に限定されない。液晶表示パネル10は、ガラスなどからなる透明の一対の基板12,14を有し、両者間に図示しない液晶が挟まれている。一方の基板12はTFT(Thin Film Transistor)基板であり、他方の基板14はカラーフィルタ基板である。基板12には、集積回路チップ16が搭載されている。基板12,14(少なくとも画像が表示される表示面)には偏光板18が貼り付けられている。液晶表示パネル10は、樹脂などからなるフレーム20に支持されている。
【0013】
本実施形態に係る液晶表示装置は、立体画像表示を可能にするものである。詳しくは、人の左右の目に異なる二次元画像を認識させ、その二つの二次元画像を基に、脳が三次元空間を構築する。そのため、液晶表示パネル10には、左眼画像と右眼画像が表示される。また、表示装置は、視差バリア液晶パネル22を有する。視差バリア液晶パネル22はサブパネルの一例であり、タッチパネルなどその他のサブパネルに置き換えてもよい。
【0014】
視差バリア液晶パネル22は、視差バリア方式(パララックスバリア方式)によって、液晶表示パネル10に表示された左眼画像と右眼画像を分離して裸眼立体視を可能にするためのものである。視差バリア方式(パララックスバリア方式)とは、画像の表示面に縦縞状のフィルタ(視差バリア)を重ねることで、左目には左目用の映像だけが、右目には右目用の映像だけが映るようにする方式である。
【0015】
視差バリア液晶パネル22も、TN(Twisted Nematic)型、STN(Super Twisted Nematic)型、VA(Vertical Alignment)方式、IPS(In-Plane Switching)方式など、構造や方式に限定されない。視差バリア液晶パネル22も、ガラスなどからなる透明の一対の基板24,26を有し、両者間に図示しない液晶が挟まれている。一方の基板24はTFT(Thin Film Transistor)基板である。
【0016】
サブパネルの一例である視差バリア液晶パネル22は、表示パネルの一例である液晶表示パネル10の上(詳しくは表示面側)に重ねられている。視差バリア液晶パネル22と液晶表示パネル10は接着層28を介して接着されている。接着層28は光透過性であり透明であることが好ましい。
【0017】
視差バリア液晶パネル22の液晶表示パネル10とは反対側の基板26には偏光板30が貼り付けられている。これに対して、視差バリア液晶パネル22の液晶表示パネル10側の基板24には、接着層28が密着している。接着層28は、液晶表示パネル10の視差バリア液晶パネル22側の偏光板18に密着している。この偏光板18は、液晶表示パネル10の視差バリア液晶パネル22側の偏光板であるとともに、視差バリア液晶パネル22の液晶表示パネル10側の偏光板でもある。つまり、1つの偏光板18が共用されている。
【0018】
図1に示すように、表示装置は、それぞれ屈曲した第1フレキシブル配線基板32及び第2フレキシブル配線基板34を有する。第1フレキシブル配線基板32は、液晶表示パネル10の端部から側方に延び、戻る方向に屈曲して、液晶表示パネル10の下方に延びている。図2は、屈曲前の第1フレキシブル配線基板32及び第2フレキシブル配線基板34を有する表示装置を示す平面図である。図3は、図2に示す表示装置の概略を示す斜視図である。
【0019】
図4は、液晶表示パネル10及びこれに接合された第1フレキシブル配線基板32を示す図である。第1フレキシブル配線基板32はインターフェース端子群36を有する。表示パネルの一例である液晶表示パネル10は、第1フレキシブル配線基板32に電気的に接続されている。第1フレキシブル配線基板32に形成された図示しない配線パターンを介して、液晶表示パネル10はインターフェース端子群36の少なくとも1つの端子に電気的に接続されている。
【0020】
第1フレキシブル配線基板32には、コネクタ38を含む種々の電子部品が搭載されている。コネクタ38は、インターフェース端子群36の少なくとも1つの端子に電気的に接続されている。インターフェース端子群36の少なくとも1つの端子とコネクタ38の電気的接続のために、図示しない配線パターンが第1フレキシブル配線基板32に形成されている。
【0021】
図5は、視差バリア液晶パネル22及びこれに接合された第2フレキシブル配線基板34を示す図である。サブパネルの一例である視差バリア液晶パネル22は、第2フレキシブル配線基板34(図示しない配線パターン)に電気的に接続されて接合されている。
【0022】
図3に示すように、第2フレキシブル配線基板34は、第1フレキシブル配線基板32に接合されている。そして、第2フレキシブル配線基板34は、第1フレキシブル配線基板32のインターフェース端子群36の少なくとも1つの端子に電気的に接続されている。その電気的接続のために、第2フレキシブル配線基板34にも図示しない配線パターンが形成されている。第1フレキシブル配線基板32の図示しない配線パターンと第2フレキシブル配線基板34の図示しない配線パターンとが電気的に接続される。第2フレキシブル配線基板34と第1フレキシブル配線基板32の電気的接続は、コネクタ38を介してなされている。つまり、コネクタ38が電気的接続部である。なお、変形例として、半田によって両者を電気的に接続してもよい。
【0023】
図1に示すように、第2フレキシブル配線基板34は、視差バリア液晶パネル22から離れる方向の順に、上側端部40、外側屈曲部42、中間部44、内側屈曲部46及び下側端部48を有する。
【0024】
上側端部40は、第1フレキシブル配線基板32の上方で、視差バリア液晶パネル22の端部から側方に延びる部分である。外側屈曲部42は、上側端部40から戻る方向に屈曲する部分である。中間部44は、外側屈曲部42から第1フレキシブル配線基板32の下方でコネクタ38を通り越すように延びる部分である。中間部44は、図2に示すように、電気的接続部との重複を避けるように、コネクタ38からずれた位置を延びる。内側屈曲部46は、中間部44から電気的接続部の方向に戻るように屈曲する部分である。外側屈曲部42と内側屈曲部46は、屈曲の凸側が相互に反対を向くように位置している。下側端部48は、図3に示すように、内側屈曲部46からコネクタ38に至る部分である。下側端部48は、中間部44が延びる方向に対して交差する方向に延びる部分を有する。内側屈曲部46は、図1に示すように、下側端部48から中間部44に向けて、液晶表示パネル10から離れる側に屈曲する。
【0025】
本実施形態によれば、第2フレキシブル配線基板34は、サブパネルの一例である視差バリア液晶パネル22に近い側に外側屈曲部42を有し、視差バリア液晶パネル22から離れた側(電気的接続部に近い側)に内側屈曲部46を有している。したがって、第1フレキシブル配線基板32を曲げる前のまっすぐの状態(図3参照)で、内側屈曲部46は屈曲しているが、外側屈曲部42はまっすぐに伸ばすことができる。これにより、視差バリア液晶パネル22と第2フレキシブル配線基板34との接合部のせん断力の発生を抑え、応力による悪影響を減らして、インターフェース端子群36を1個所に集約することができる。
【0026】
図6は、本発明の実施形態に係る表示装置の変形例を説明する平面図である。図6では、図2と同様に、第1フレキシブル配線基板132及び第2フレキシブル配線基板134を伸ばした状態で示してある。
【0027】
この変形例では、表示パネルの上に複数のサブパネルが重なっている。すなわち、液晶表示パネル110(表示パネル)の上に視差バリア液晶パネル122(サブパネル)が重ねられ、その上にさらにタッチパネル(サブパネル)150が重なっている。タッチパネル150の詳細は周知であるため説明を省略する。
【0028】
液晶表示パネル110及びこれに接合された第1フレキシブル配線基板132並びに視差バリア液晶パネル122及びこれに接合された第2フレキシブル配線基板134の詳細は、上述した液晶表示パネル10、第1フレキシブル配線基板32、視差バリア液晶パネル22及び第2フレキシブル配線基板34の内容が該当する。
【0029】
タッチパネル150には、別の第2フレキシブル配線基板234が接合されている。この第2フレキシブル配線基板234の形状、機能及び屈曲位置などの詳細は、視差バリア液晶パネル122に接合された第2フレキシブル配線基板134の内容が該当する。つまり、第2フレキシブル配線基板234も、上述した上側端部40、外側屈曲部42、中間部44、内側屈曲部46及び下側端部48と同じ構造を含む。
【0030】
第1フレキシブル配線基板132には複数のコネクタ138,238が搭載されている。そして、複数の第2フレキシブル配線基板134,234が複数のコネクタ138,238にそれぞれ接続されている。なお、第2フレキシブル配線基板234には、タッチパネル150を制御するための集積回路チップ152が搭載されている。
【0031】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能である。例えば、実施形態で説明した構成は、実質的に同一の構成、同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成で置き換えることができる。
【符号の説明】
【0032】
10 液晶表示パネル、12 基板、14 基板、16 集積回路チップ、18 偏光板、20 フレーム、22 視差バリア液晶パネル、24 基板、26 基板、28 接着層、30 偏光板、32 第1フレキシブル配線基板、34 第2フレキシブル配線基板、36 インターフェース端子群、38 コネクタ、40 上側端部、42 外側屈曲部、44 中間部、46 内側屈曲部、48 下側端部、110 液晶表示パネル、122 視差バリア液晶パネル、132 第1フレキシブル配線基板、134 第2フレキシブル配線基板、138 コネクタ、150 タッチパネル、152 集積回路チップ、234 第2フレキシブル配線基板、238 コネクタ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6