(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数の表示素子が表示を行う表示期間において、一方向に延在するように並設された複数の画像信号線を介して前記複数の表示素子に画素信号を印加し、走査信号線を介して前記複数の表示素子に走査信号を印加し、走査信号線に交差するように並設された複数の共通駆動電極に同時に表示駆動信号を印加することにより、前記複数の表示素子に表示を行わせ、
外部近接物体のタッチ検出を行う、前記表示期間とは異なるタッチ検出期間において、前記複数の共通駆動電極にタッチ駆動信号を順次印加する
駆動方法。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.静電容量式タッチ検出の基本原理
2.第1の実施の形態
3.第2の実施の形態
4.第3の実施の形態
5.適用例
【0022】
<1.静電容量型タッチ検出の基本原理>
まず最初に、
図1〜
図3を参照して、本発明のタッチ検出機能付き表示装置におけるタッチ検出の基本原理について説明する。このタッチ検出方式は、静電容量型のタッチセンサとして具現化されるものであり、例えば
図1(A)に示したように、誘電体Dを挟んで互いに対向配置された一対の電極(駆動電極E1およびタッチ検出電極E2)を用い、容量素子を構成する。この構造は、
図1(B)に示した等価回路として表される。駆動電極E1、タッチ検出電極E2および誘電体Dによって、容量素子C1が構成される。容量素子C1は、その一端が交流信号源(駆動信号源)Sに接続され、他端Pは抵抗器Rを介して接地されると共に、電圧検出器(タッチ検出回路)DETに接続される。交流信号源Sから駆動電極E1(容量素子C1の一端)に所定の周波数(例えば数kHz〜十数kHz程度)の交流矩形波Sg(
図3(B))を印加すると、タッチ検出電極E2(容量素子C1の他端P)に、
図3(A)に示したような出力波形(タッチ検出信号Vdet)が現れる。なお、この交流矩形波Sgは、後述する駆動信号Vcomに相当するものである。
【0023】
指が接触(または近接)していない状態では、
図1に示したように、容量素子C1に対する充放電に伴って、容量素子C1の容量値に応じた電流I0が流れる。このときの容量素子C1の他端Pの電位波形は、例えば
図3(A)の波形V0のようになり、これが電圧検出器DETによって検出される。
【0024】
一方、指が接触(または近接)した状態では、
図2に示したように、指によって形成される容量素子C2が容量素子C1に直列に追加された形となる。この状態では、容量素子C1、C2に対する充放電に伴って、それぞれ電流I1、I2が流れる。このときの容量素子C1の他端Pの電位波形は、例えば
図3(A)の波形V1のようになり、これが電圧検出器DETによって検出される。このとき、点Pの電位は、容量素子C1、C2を流れる電流I1、I2の値によって定まる分圧電位となる。このため、波形V1は、非接触状態での波形V0よりも小さい値となる。電圧検出器DETは、検出した電圧を所定のしきい値電圧Vthと比較し、このしきい値電圧以上であれば非接触状態と判断する一方、しきい値電圧未満であれば接触状態と判断する。このようにして、タッチ検出が可能となる。
【0025】
<2.第1の実施の形態>
[構成例]
(全体構成例)
図4は、本発明の第1の実施の形態に係るタッチ検出機能付き表示装置の一構成例を表すものである。尚、本発明の実施の形態に係る駆動方式は、本実施の形態により具現化されるので、併せて説明する。このタッチ検出機能付き表示装置は、表示素子として液晶表示素子を用いており、その液晶表示素子により構成される液晶表示デバイスと静電容量型のタッチ検出デバイスとを一体化した、いわゆるインセルタイプの装置である。
【0026】
このタッチ検出機能付き表示装置1は、タッチ検出機能付き表示デバイス10と、制御部11と、ゲートドライバ12と、ソースドライバ13と、駆動電極ドライバ14と、
タッチ検出回路40とを備えている。
【0027】
タッチ検出機能付き表示デバイス10は、タッチ検出機能を内蔵した表示デバイスであり、例えば、いわゆるランドスケープ型(横長)のデバイスである。タッチ検出機能付き表示デバイス10は、液晶表示デバイス20と、タッチ検出デバイス30とを有する。液晶表示デバイス20は、後述するように、ゲートドライバ12から供給されるゲート信号に従って、1水平ラインずつ順次走査して表示を行うデバイスである。タッチ検出デバイス30は、上述した静電容量型タッチ検出の基本原理に基づいて動作し、タッチ検出信号Vdetを出力するものである。このタッチ検出デバイス30は、後述するように、駆動電極ドライバ14に従って、1検出ラインずつ順次走査してタッチ検出を行うようになっている。タッチ検出機能付き表示デバイス10では、後述するように、表示動作として1水平ラインずつ順次走査する方向と、タッチ検出動作として1検出ラインずつ順次走査する方向とが異なるようになっている。
【0028】
制御部11は、外部より供給された映像信号Vdispに基づいて、ゲートドライバ12、ソースドライバ13、駆動電極ドライバ14、およびタッチ検出回路40に対してそれぞれ制御信号を供給し、これらがお互いに同期して動作するように制御する回路である。
【0029】
ゲートドライバ12は、制御部11から供給される制御信号に基づいて、液晶表示デバイス20の表示駆動の対象となる1水平ラインを順次選択する機能を有している。具体的には、ゲートドライバ12は、後述するように、走査信号Vscanを、走査信号線GCLを介して、画素PixのTFT素子Trのゲート(後述)に印加することにより、液晶表示デバイス20にマトリックス状に形成されている画素Pixのうちの1行(1水平ライン)を表示駆動の対象として順次選択するようになっている。
【0030】
ソースドライバ13は、制御部11から供給される制御信号に基づいて、液晶表示デバイス20内の各画素Pixに画素信号Vpixを供給する回路である。具体的には、ソースドライバ13は、後述するように、画素信号Vpixを、画素信号線SGLを介して、ゲートドライバ12により順次選択される1水平ラインを構成する各画素Pixにそれぞれ供給するものである。そして、これらの画素Pixでは、供給される画素信号Vpixに応じて、1水平ラインの表示が行われるようになっている。
【0031】
駆動電極ドライバ14は、制御部11から供給される制御信号に基づいて、タッチ検出機能付き表示デバイス10の駆動電極COMLに駆動信号Vcomを供給する回路である。具体的には、駆動電極ドライバ14は、タッチ検出機能付き表示デバイス10が表示を行う期間(表示期間)では、タッチ検出機能付き表示デバイス10の全ての駆動電極COMLに対して、駆動信号Vcomとして表示駆動信号を印加する。一方、タッチ検出を行う期間(タッチ検出期間)では、タッチ検出機能付き表示デバイス10の駆動電極COMLに対して、駆動信号Vcomとしてパルス状のタッチ駆動信号を順次印加することにより、タッチ検出デバイス30のタッチ検出の対象となる1検出ラインを順次選択する。そして、タッチ検出デバイス30は、複数のタッチ検出電極TDL(後述)から、1検出ラインごとにタッチ検出信号Vdetを出力し、タッチ検出回路40に供給するようになっている。この例では、後述するように、表示期間では、駆動信号Vcom(表示駆動信号)は0Vの直流信号であり、お互いに隣接する画素Pixでは、画素信号Vpixの極性が互いに反転するようになっている。つまり、この例では、液晶表示デバイス20は、いわゆるドット反転駆動により駆動されるものである。
【0032】
タッチ検出回路40は、制御部11から供給される制御信号と、タッチ検出デバイス30から供給されたタッチ検出信号Vdetに基づいて、タッチ検出デバイス30に対するタッチの有無を検出し、タッチパネル上におけるその座標などを求める回路である。このタッチ検出回路40は、アナログLPF(Low Pass Filter)部42と、A/D変換部43と、信号処理部44と、座標抽出部45と、検出タイミング制御部46とを有している。アナログLPF部42は、タッチ検出デバイス3から供給されたタッチ検出信号Vdetを入力とし、タッチ検出信号Vdetに含まれる高い周波数成分(ノイズ成分)を除去し、タッチ成分を取り出してそれぞれ出力する低域通過アナログフィルタである。アナログLPF部42の入力端子のそれぞれと接地との間には、直流電位(0V)を与えるための抵抗Rが接続されている。なお、この抵抗Rに代えて、例えばスイッチを設け、所定の時間にこのスイッチをオン状態にすることにより直流電位(0V)を与えるようにしてもよい。A/D変換部43は、アナログLPF部42から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換する回路である。信号処理部44は、A/D変換部43の出力信号に基づいて、タッチ検出デバイス30に対するタッチの有無を検出する論理回路である。座標抽出部45は、信号処理部44においてタッチ検出がなされたときに、そのタッチパネル座標を求める論理回路である。検出タイミング制御部46は、これらの回路が同期して動作するように制御するようになっている。
【0033】
図5は、タッチ検出機能付き表示装置1のモジュールへの実装を模式的に表すものであり、(A)はガラス基板上に駆動電極ドライバ14を形成する場合を示し、(B)は、COG(Chip On Glass)に駆動電極ドライバ14を内蔵する場合を示す。
【0034】
図5(A)では、モジュールは、タッチ検出機能付き表示デバイス10と、駆動電極ドライバ14と、COG(Chip On Glass)19Aとを有している。この例では、タッチ検出機能付き表示デバイス10は、いわゆるランドスケープ型(横長)のものである。このタッチ検出機能付き表示デバイス10の図は、駆動電極COMLと、駆動電極COMLと交差するように形成されたタッチ検出電極TDLとを模式的に示している。つまり、駆動電極COMLは、タッチ検出機能付き表示デバイス10の短辺方向に形成されており、タッチ検出電極TDLは、タッチ検出機能付き表示デバイス10の長辺方向に形成されている。タッチ検出電極TDLの出力端子は、タッチ検出機能付き表示デバイス10の短辺側に設けられ、フレキシブル基板などにより構成された端子部Tを介して、このモジュールの外部に実装されたタッチ検出回路40と接続されている。駆動電極ドライバ14は、ガラス基板であるTFT基板21に形成されている。COG19Aは、TFT基板21に実装されたチップであり、
図4に示した制御部11、ゲートドライバ12、ソースドライバ13など、表示動作に必要な各回路を内蔵したものである。
図5(B)では、モジュールはCOG19Bを有している。COG19Bは、上述した表示動作に必要な各回路に加え、駆動電極ドライバ14をさらに内蔵したものである。
【0035】
タッチ検出機能付き表示装置1では、後述するように、表示動作の際には、1水平ラインずつ線順次走査がおこなわれる。つまり、タッチ検出機能付き表示装置1では、表示走査は、タッチ検出機能付き表示デバイス10の短辺方向(
図5の縦方向)に向かって行われる。一方、タッチ検出動作の際には、駆動電極COMLに駆動信号Vcomを順次印加することにより、1検出ラインずつ線順次走査が行われる。つまり、タッチ検出機能付き表示装置1では、タッチ検出走査は、タッチ検出機能付き表示デバイス10の長辺方向(
図5の横方向)に向かって行われるようになっている。
【0036】
タッチ検出機能付き表示装置1では、タッチ検出信号Vdetは、タッチ検出機能付き表示デバイス10の短辺側から出力される。これにより、タッチ検出機能付き表示装置1は、タッチ検出電極TDLの本数を少なくすることができ、端子部Tを介してタッチ検出回路40に接続する際の配線の引き回しが容易になる。
【0037】
(タッチ検出機能付き表示デバイス10)
次に、タッチ検出機能付き表示デバイス10の構成例を詳細に説明する。
【0038】
図6は、タッチ検出機能付き表示デバイス10の要部断面構造の例を表すものである。このタッチ検出機能付き表示デバイス10は、画素基板2と、この画素基板2に対向して配置された対向基板3と、画素基板2と対向基板3との間に挿設された液晶層6とを備えている。
【0039】
画素基板2は、回路基板としてのTFT基板21と、このTFT基板21上にマトリックス状に配設された複数の画素電極22とを有する。TFT基板21には、図示していないものの、各画素の薄膜トランジスタ(TFT;Thin Film Transistor)や、各画素電極22に画像信号Vpixを供給する画素信号線SGL、各TFTを駆動する走査信号線GCL等の配線が形成されている。
【0040】
対向基板3は、ガラス基板31と、このガラス基板31の一方の面に形成されたカラーフィルタ32と、このカラーフィルタ32の上に形成された複数の駆動電極COMLとを有する。カラーフィルタ32は、例えば赤(R)、緑(G)、青(B)の3色のカラーフィルタ層を周期的に配列して構成したもので、各表示画素にR、G、Bの3色が1組として対応付けられている。駆動電極COMLは、液晶表示デバイス20の共通駆動電極として機能するとともに、タッチ検出デバイス30の駆動電極としても機能するものである。駆動電極COMLは、図示しないコンタクト導電柱によってTFT基板21と連結され、このコンタクト導電柱を介して、TFT基板21から駆動電極COMLに交流矩形波形の駆動信号Vcomが印加されるようになっている。なお、この図では、駆動電極COMLは2つの画素電極22に対応するようになっているが、これに限定されるものではなく、例えば、1つの画素電極22に対応するようにしてもよく、3以上の画素電極22に対応するようにしてもよい。ガラス基板31の他方の面には、タッチ検出デバイス30の検出電極であるタッチ検出電極TDLが形成され、さらに、このタッチ検出電極TDLの上には、偏光板35が配設されている。
【0041】
液晶層6は、電界の状態に応じてそこを通過する光を変調するものであり、例えば、TN(ツイステッドネマティック)、VA(垂直配向)、ECB(電界制御複屈折)等の各種モードの液晶が用いられる。
【0042】
なお、液晶層6と画素基板2との間、および液晶層6と対向基板3との間には、それぞれ配向膜が配設され、また、画素基板2の下面側には入射側偏光板が配置されるが、ここでは図示を省略している。
【0043】
図7は、液晶表示デバイス20における画素構造の構成例を表すものである。液晶表示デバイス20は、マトリックス状に配列した複数の画素Pixを有している。画素Pixは、TFT素子Trおよび液晶素子LCを有している。TFT素子Trは、薄膜トランジスタにより構成されるものであり、この例では、nチャネルのMOS(Metal Oxide Semiconductor)型のTFTで構成されている。TFT素子Trのソースは画素信号線SGLに接続され、ゲートは走査信号線GCLに接続され、ドレインは液晶素子LCの一端に接続されている。液晶素子LCは、一端がTFT素子Trのドレインに接続され、他端が駆動電極COMLに接続されている。
【0044】
画素Pixは、走査信号線GCLにより、液晶表示デバイス20の同じ行に属する他の画素Pixと互いに接続されている。走査信号線GCLは、ゲートドライバ12と接続され、ゲートドライバ12より走査信号Vscanが供給される。画素Pixは、画素信号線SGLにより、液晶表示デバイス20の同じ列に属する他の画素Pixと互いに接続されている。画素信号線SGLは、ソースドライバ13と接続され、ソースドライバ13より画素信号Vpixが供給される。
【0045】
さらに、画素Pixは、駆動電極COMLにより、液晶表示デバイス20の同じ列に属する他の画素Pixと互いに接続されている。駆動電極COMLは、駆動電極ドライバ14と接続され、駆動電極ドライバ14より駆動信号Vcomが供給される。つまり、この例では、駆動電極COMLは、画素信号線SGLと同じ方向に延伸するように形成され、同じ一列に属する複数の画素Pixが、一本の駆動電極COMLを共有するようになっている。なお、
図6に示したように、複数の列(
図6では2行)に属する複数の画素Pixが一本の駆動電極COMLを共有するようにしてもよい。
【0046】
この構成により、液晶表示デバイス20では、ゲートドライバ12が走査信号線GCLを時分割的に線順次走査するように駆動することにより、1水平ラインが順次選択され、その1水平ラインに属する画素Pixに対して、ソースドライバ13が画素信号Vpixを供給することにより、1水平ラインずつ表示が行われるようになっている。この表示動作を行う際、駆動電極ドライバ14は、全ての駆動電極COMLに対して共通の電圧(この例では0V)を印加するようになっている。
【0047】
図8は、タッチ検出デバイス30の一構成例を斜視的に表すものである。タッチ検出デバイス30は、対向基板3に設けられた、駆動電極COMLおよびタッチ検出電極TDLにより構成されている。駆動電極COMLは、図の左右方向に延在する複数のストライプ状の電極パターンに分割されている。タッチ検出期間では、各電極パターンには、駆動電極ドライバ14によって駆動信号Vcomが順次供給され、後述するように時分割的に線順次走査駆動が行われるようになっている。タッチ検出電極TDLは、駆動電極COMLの電極パターンの延在方向と直交する方向に延びる複数のストライプ状の電極パターンから構成されている。タッチ検出電極TDLの各電極パターンは、タッチ検出回路40のアナログLPF部42の入力に接続されている。駆動電極COMLとタッチ検出電極TDLにより互いに交差した電極パターンは、その交差部分に静電容量を形成している。
【0048】
この構成により、タッチ検出デバイス30では、タッチ検出期間において、駆動電極ドライバ14が駆動電極COMLを時分割的に線順次走査するように駆動することにより、1検出ラインが順次選択され、タッチ検出電極TDLからタッチ検出信号Vdetを出力することにより、1検出ラインのタッチ検出が行われるようになっている。つまり、駆動電極COMLは、
図1〜
図3に示したタッチ検出の基本原理における駆動電極E1に対応し、タッチ検出電極TDLは、タッチ検出電極E2に対応するものであり、タッチ検出デバイス30はこの基本原理に従ってタッチを検出するようになっている。
図8に示したように、互いに交差した電極パターンは、静電容量式タッチセンサをマトリックス状に構成している。よって、外部近接物体の接触または近接が生じた位置の検出も可能となっている。
【0049】
ここで、信号線SGLは、本発明における「信号線」の一具体例に対応する。駆動電極COMLは、本発明における「共通駆動電極」の一具体例に対応する。液晶素子LCは、本発明における「表示素子」の一具体例に対応する。ソースドライバ13および駆動電極ドライバ14は、本発明における「駆動部」の一具体例に対応する。タッチ検出回路40は、本発明における「検出処理部」の一具体例に対応する。
【0050】
[動作および作用]
続いて、本実施の形態のタッチ検出機能付き表示装置1の動作および作用について説明する。
【0051】
(全体動作概要)
制御部41は、外部より供給された映像信号Vdispに基づいて、ゲートドライバ12、ソースドライバ13、駆動電極ドライバ14、およびタッチ検出回路40に対してそれぞれ制御信号を供給し、これらがお互いに同期して動作するように制御する。ゲートドライバ12は、制御部41から供給される制御信号に基づいて、液晶表示デバイス20に走査信号Vscanを供給し、表示駆動の対象となる1水平ラインを順次選択する。ソースドライバ13は、制御部41から供給される制御信号に基づいて、ゲートドライバ12により選択された、1水平ラインを構成する各画素Pixに、画素信号Vpixを供給する。駆動電極ドライバ14は、制御部41から供給される制御信号に基づいて、表示期間では、全ての駆動電極COMLに対して、駆動信号Vcomとして表示駆動信号(0Vの直流信号)を印加し、タッチ検出期間では、駆動電極COMLに対して、駆動信号Vcomとしてパルス状のタッチ駆動信号を順次印加することにより、1検出ラインを順次選択する。タッチ検出機能付き表示デバイス10は、表示期間では、ゲートドライバ12、ソースドライバ13、および駆動電極ドライバ14により供給された信号に基づいて表示動作を行い、タッチ検出期間では、駆動電極ドライバ14により供給された信号に基づいてタッチ検出動作を行い、タッチ検出電極TDLからタッチ検出信号Vdetを出力する。アナログLPF部42は、タッチ検出信号Vdetの高い周波数成分を除去して出力する。A/D変換部43は、アナログLPF部42から出力されるアナログ信号をデジダル信号に変換する。信号処理部44は、A/D変換部43の出力信号に基づいて、タッチ検出デバイス30に対するタッチの有無を検出する。座標抽出部45は、信号処理部44においてタッチ検出がなされたときに、そのタッチパネル座標を求める。検出タイミング制御部46は、アナログLPF部42、A/D変換部43、信号処理部44、座標抽出部45が同期して動作するように制御する。
【0052】
(詳細動作例)
図9は、タッチ検出機能付き表示装置1の詳細動作例を表すものである。
図9において、(A)は走査信号Vscanの波形を示し、(B)は駆動信号Vcomの波形を示し、(C)は画素信号Vpixの波形を示し、(D)はタッチ検出信号Vdetの波形を示す。ここで、
図9(A)に示した走査信号Vscanは、走査信号線GCLのうちの、隣接する(n−1)行目、n行目、(n+1)行目の走査信号線GCLに着目したものである。同様に、
図9(B)に示した駆動信号Vcomは、共通電極COMLのうちの、隣接する(m−1)列目、m列目、(m+1)列目の共通電極COMLに着目したものである。
【0053】
タッチ検出機能付き表示装置1では、1表示水平期間(1H)ごとに、タッチ検出動作(タッチ検出期間A)と表示動作(表示期間B)を時分割的に行う。タッチ検出動作では、1表示水平期間(1H)ごとに、異なる駆動電極COMLを選択して駆動信号Vcomを印加することにより、タッチ検出の走査を行う。以下に、その動作を詳細に説明する。
【0054】
まず、ゲートドライバ12が、(n−1)行目の走査信号線GCLに対して走査信号Vscanを印加し、走査信号Vscan(n−1)が低レベルから高レベルに変化する(
図9(A))。これにより、1表示水平期間(1H)が開始する。
【0055】
次に、タッチ検出期間Aにおいて、駆動電極ドライバ14が、(m−1)列目の駆動電極COMLに対して駆動信号Vcomを印加し、駆動信号Vcom(m−1)が低レベルから高レベルに変化する(
図9(B))。この駆動信号Vcom(m−1)は、静電容量を介してタッチ検出電極TDLに伝わり、タッチ検出信号Vdetが変化する(
図9(D))。次に、駆動信号Vcom(m−1)が高レベルから低レベルに変化すると(
図9(B))、タッチ検出信号Vdetは同様に変化する(
図9(D))。このタッチ検出期間Aにおけるタッチ検出信号Vdetの波形は、上述したタッチ検出の基本原理における、タッチ検出信号Vdet(
図3(A))に対応するものである。A/D変換部43は、このタッチ検出期間Aにおけるタッチ検出信号VdetをA/D変換することによりタッチ検出を行う。これにより、タッチ検出機能付き表示装置1では、1検出ラインのタッチ検出が行われる。
【0056】
次に、表示期間Bにおいて、ソースドライバ13が、画素信号線SGLに対して画素信号Vpixを印加し(
図9(C))、1水平ラインに対する表示を行う。なお、
図9(D)に示したように、この画素信号Vpixの変化が、寄生容量を介してタッチ検出電極TDLに伝わり、タッチ検出信号Vdetが変化し得るが、表示期間BではA/D変換部43がA/D変換を行わないようにすることにより、この画素信号Vpixの変化のタッチ検出に対する影響を抑えることができる。ソースドライバ13による画素信号Vpixの供給が終了したのち、ゲートドライバ12が、(n−1)行目の走査信号線GCLの走査信号Vscan(n−1)を高レベルから低レベルに変化させ(
図9(A))、1表示水平期間が終了する。
【0057】
次に、ゲートドライバ12は、先ほどとは異なるn行目の走査信号線GCLに対して走査信号Vscanを印加し、走査信号Vscan(n)が低レベルから高レベルに変化する(
図9(A))。これにより、次の1表示水平期間が開始する。
【0058】
次に、タッチ検出期間Aにおいて、駆動電極ドライバ14が、先ほどとは異なるm列目の駆動電極COMLに対して駆動信号Vcomを印加する(
図9(B))。これに伴うタッチ検出信号Vdetの変化(
図9(D))を、A/D変換部43がA/D変換することにより、この1検出ラインのタッチ検出が行われる。
【0059】
次に、表示期間Bにおいて、ソースドライバ13が、画素信号線SGLに対して画素信号Vpixを印加し(
図9(C))、1水平ラインに対する表示を行う。なお、この例では、タッチ検出機能付き表示装置1はドット反転駆動を行うため、ソースドライバ13が印加する画素信号Vpixは、前の1表示水平期間のものと比べて、その極性が反転している。この表示期間Bが終了した後、この1表示水平期間が終了する。
【0060】
これ以降、上述した動作を繰り返すことにより、タッチ検出機能付き表示装置1は、表示面全面にわたる走査により表示動作を行うとともに、タッチ検出面全面にわたる走査によりタッチ検出動作を行う。
【0061】
上述したように、タッチ検出機能付き表示装置1では、表示走査を行う方向とタッチ検出走査を行う方向とが異なるように動作する。このことは、ある1表示水平期間(1H)において、必ず、ある画素Pixにおいて、表示動作とタッチ検出動作の両方が行われることを意味している。タッチ検出機能付き表示装置1では、1表示水平期間(1H)において、タッチ検出動作はタッチ検出期間Aに行い、表示動作は表示期間Bに行うようにしている。このように、タッチ検出動作と表示動作とを別々の期間に行うようにしたので、同じ1表示水平期間において表示動作とタッチ検出動作の両方を行うことができるとともに、表示動作のタッチ検出に対する影響を抑えることができる。
【0062】
(TFT素子Trの耐圧およびリーク)
上述したように、タッチ検出期間Aにおけるタッチ検出信号Vdetは、駆動信号Vcomに応じて生成される。つまり、駆動信号Vcomの振幅が大きいほど、タッチ検出期間Aにおけるタッチ検出信号Vdetも大きくすることができ、例えば、タッチパネルの高感度化を実現することが可能となる。
【0063】
駆動信号Vcomの振幅を大きくした場合、TFT素子Trの耐圧およびリークに注意する必要がある。
図7において、駆動電極COMLに、大きな振幅ΔVの駆動信号Vcomが印加されると、オフ状態になっているTFT素子Trのドレイン(液晶素子LCと接続されている端子)はフローティング状態のため、駆動信号Vcomの変化が液晶素子LCに並列に存在する寄生容量(図示せず)を介してTFT素子Trのドレインに伝わり、その電圧が大きく変化する。具体的には、駆動信号Vcomが0Vのときに、TFT素子Trのドレインが画素信号Vpixの電位に保持されていた場合、駆動信号VcomがΔVになるとともに、TFT素子Trのドレインの電位は例えばVpix+ΔVとなる。よって、このときのドレインの電位がTFT素子Trの耐圧を超えないように、振幅ΔVなどを設定する必要がある。
【0064】
また、
図9では、駆動信号Vcomを正の極性のパルスとしたが、変形例として後述するように、駆動信号Vcomを負の極性のパルスとすることも可能である。この場合には、TFT素子Trのドレインの電位はVpix―ΔVとなる。このときは、上述したTFT素子Trの耐圧に加え、リークについても注意する必要がある。すなわち、オフ状態になっているn型のTFT素子Trのドレインに過渡的に負の電圧が印加され、TFT素子Trがオン状態になると、TFT素子Trを介して電荷が移動(リーク)することにより、保持されていた画素信号Vpixの電位が変化してしまい、画像品質を劣化させてしまうおそれがある。よって、この場合には、リークが生じないようにオフ状態になっているTFT素子Trのゲート電位を低く設定する必要がある。
【0065】
一方、
図9に示したように、駆動信号Vcomを正のみの極性のパルスとした場合には、駆動信号Vcomの振幅を大きくしてもリーク等の問題がないことから、タッチ検出機能がない従来の液晶表示デバイスに対して、大きな変更をすることなくタッチ検出機能を追加することができる。
【0066】
(比較例)
次に、比較例に係るタッチ検出機能付き表示装置について説明する。本比較例は、特許文献1に開示された従来のタッチ検出機能付き表示装置を示すものである。本比較例は、タッチ検出走査の方向が、上記第1の実施の形態とは異なるものである。すなわち、上記第1の実施の形態(
図5)では、タッチ検出走査の方向は表示走査の方向と異なるようにしたが、これに代えて、本比較例では、タッチ検出走査の方向と表示走査の方向が同じになるようにしている。その他の構成は、上記第1の実施の形態(
図5)と同様である。
【0067】
図10は、比較例に係るタッチ検出機能付き表示装置1Rのモジュールへの実装を模式的に表すものである。このモジュールは、タッチ検出機能付き表示デバイス10Rを有している。本比較例に係るタッチ検出機能付き表示デバイス10Rでは、上記第1の実施の形態に係るタッチ検出機能付き表示デバイス10とは異なり、駆動電極COMLは、タッチ検出機能付き表示デバイス10Rの長辺方向に形成されており、タッチ検出電極TDLは、タッチ検出機能付き表示デバイス10Rの短辺方向に形成されている。
【0068】
この構成により、本比較例に係るタッチ検出機能付き表示装置1Rでは、上記第1の実施の形態に係るタッチ検出機能付き表示装置1とは異なり、タッチ検出走査は、タッチ検出機能付き表示デバイス10Rの短辺方向(
図10の縦方向)に向かって行われるようになっている。そして、タッチ検出信号Vdetは、タッチ検出機能付き表示デバイス10Rの長辺側から出力される。これにより、タッチ検出機能付き表示装置1Rは、タッチ検出電極TDLの本数が多くなり、端子部Tを介してタッチ検出回路40に接続する際の配線の引き回しが難しくなり、タッチ検出機能付き表示装置1Rの長辺側に広い額縁領域が必要となってしまう。
【0069】
一方、上記第1の実施の形態に係るタッチ検出機能付き表示装置1では、タッチ検出信号Vdetは、タッチ検出機能付き表示デバイス10の短辺側から出力されるため、タッチ検出機能付き表示装置1の長辺側の額縁領域の増大を抑えることができる。
【0070】
また、タッチ検出信号Vdetは、特に、タッチ検出機能付き表示装置に対するタッチの感度を高くしたい場合などには、雑音に対してセンシティブになることが多い。よって、タッチ検出信号Vdetを伝える配線は、できるだけ短くし、雑音の影響を受けにくくすることが望ましい。タッチ検出機能付き表示装置1では、ランドスケープ型の場合には、タッチ検出電極TDLの本数を少なくすることができるため、タッチ検出回路40に接続する際の配線の引き回しが容易になり、配線を短くすることができ、雑音の影響を受けにくくすることができる。
【0071】
[効果]
以上のように本実施の形態では、ランドスケープ型のタッチ検出機能付き表示デバイスの短辺方向に延伸するように駆動電極を形成したので、タッチ検出信号Vdetをタッチ検出機能付き表示デバイスの短辺側から取り出すことができ、タッチ検出機能付き表示装置の長辺方向の額縁領域の増大を抑えることができる。
【0072】
本実施の形態では、1表示水平期間内において、タッチ検出動作と表示動作とを別々の期間に行うようにしたので、同じ1表示水平期間において表示動作とタッチ検出動作の両方を行うことができるとともに、表示動作のタッチ検出に対する影響を抑えることができる。
【0073】
本実施の形態では、駆動信号を正の極性を持つパルスにしたので、画像品質を劣化させることなく、タッチ検出感度を高めることができる。
【0074】
[変形例1−1]
上記実施の形態では、駆動信号Vcomは正のみの極性をもつパルスとしたが、これに限定されるものではない。例えば、負のみの極性をもつパルスにしてもよいし、正負両方の極性をもつパルスにしてもよい。以下にその詳細を説明する。
【0075】
図11は、駆動信号Vcomを負の極性を持つパルスにしたときの詳細動作例を表すものである。
図11(B)に示したように、駆動電極ドライバ14は、駆動信号Vcomとして、負の極性をもつパルスを駆動電極COMLに印加している。その際、駆動信号Vcomの振幅は、上述したように、TFT素子Trがオン状態にならない範囲で設定するのが望ましい。この駆動信号Vcomの電圧変化に伴い、タッチ検出電極TDLには、タッチ検出期間Aにおいて、負の極性のタッチ検出信号Vdetが発生する。この場合でも、A/D変換部43が、タッチ検出期間Aにおける、この負の極性のタッチ検出信号VdetをA/D変換することにより、タッチ検出を行うことができる。
【0076】
図12は、駆動信号Vcomを正負両方の極性を持つパルスにしたときの詳細動作例を表すものである。
図12(B)に示したように、駆動電極ドライバ14は、駆動信号Vcomとして、正負両方の極性を持つパルスを駆動電極COMLに印加している。この例では、このパルス波形の時間平均は0Vになっている。これにより、例えば、液晶素子LCの両端間に電位差の時間平均値も0Vにすることができ、液晶素子LCに焼きつきなどの特性劣化がある場合には、その劣化を最小限にすることができる。この場合、A/D変換部43は、
図12に示したタッチ検出期間Aにおける、負の極性のタッチ検出信号VdetをA/D変換することにより、タッチ検出を行うようにしてもよいし、これに代えて、正の極性のタッチ検出信号VdetをA/D変換することにより、タッチ検出を行うようにしてもよい。
【0077】
[変形例1−2]
上記実施の形態では、駆動電極COMLを一本ずつ選択して順次走査するようにしたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば複数本ずつ選択して順次走査するようにしてもよい。
図13は、駆動電極COMLを2本ずつ選択した場合の詳細動作例を表すものである。
図13(B)に示したように、駆動電極ドライバ14は、1表示水平期間において、2本の駆動電極COMLに対して、同時に駆動信号Vcomを印加している。この場合でも、A/D変換部43が、タッチ検出期間Aにおけるタッチ検出信号VdetをA/D変換することにより、タッチ検出を行うことができる。
【0078】
<3.第2の実施の形態>
次に、本発明の第2の実施の形態に係るタッチ検出機能付き表示装置について説明する。本実施の形態は、タッチ検出動作の際の駆動電極を駆動する方法が、上記第1の実施の形態と異なるものである。すなわち、上記第1の実施の形態(
図4)では、駆動電極ドライバ14が駆動電極COMLを駆動するようにしたが、これに代えて、本実施の形態では、ソースドライバ13が、画素信号線SGLと駆動電極COMLとの間の寄生容量を介して駆動電極COMLを駆動するようにしている。その他の構成は、上記第1の実施の形態(
図4)と同様である。なお、上記第1の実施の形態に係るタッチ検出機能付き表示装置1と実質的に同一の構成部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0079】
図14は、液晶表示デバイス20における、画素信号線SGLと駆動電極COMLとの間の寄生容量を表すものである。画素信号SGLは、対応する駆動電極COMLとの間に、寄生容量Cpを有している。寄生容量Cpは、
図6に示したように、TFT基板21に形成された画素信号線SGLと、ガラス基板31に形成された駆動電極COMLとの間に、液晶層6を介して形成されるものである。つまり、
図14では、説明の便宜上、寄生容量Cpが各画素Pixに存在するように示したが、実際には、寄生容量Cpは、画素信号線SGLと駆動電極COMLとの間に分布して存在するものである。
【0080】
図15は、本実施の形態に係るタッチ検出機能付き表示装置の詳細動作例を表すものである。
図15において、(A)は走査信号Vscanの波形を示し、(B)は駆動信号Vcomの波形を示し、(C)は画素信号Vpixの波形を示し、(D)はタッチ検出信号Vdetの波形を示す。
【0081】
本実施の形態に係るタッチ検出機能付き表示装置では、タッチ検出期間Aにおいて、まず、駆動電極ドライバ14が、タッチ検出に係る駆動電極COMLをフローティング状態(フローティングF)にする(
図15(B))。そして、ソースドライバ13が、その駆動電極COMLに対応する画素信号線SGLに対して、パルス状のタッチ駆動信号を印加する(
図15(C))。このとき、画素信号線SGLに印加されたタッチ駆動信号は、寄生容量Cpを介して、駆動電極COMLに伝わる(
図15(B))。つまり、ソースドライバ13は、画素信号線SGLと駆動電極COMLとの間の寄生容量Cpを介して、間接的に駆動電極COMLを駆動する。その後の動作は上記第1の実施の形態と同様である。すなわち、駆動電極COMLの駆動信号が、静電容量を介してタッチ検出信号Vdetとしてタッチ検出電極TDLに伝わり(
図15(D))、A/D変換部42が、このタッチ検出信号VdetをA/D変換することにより、1検出ラインのタッチ検出を行う。なお、表示期間Bの動作については、上記第1の実施の形態と同様である。
【0082】
上述したように本実施の形態におけるタッチ検出機能付き表示装置では、タッチ検出動作の際には、駆動電極ドライバ14は、駆動電極COMLをフローティング状態に設定する。また、表示動作の際には、ドット反転駆動の場合は、駆動電極ドライバ14は表示動作の為の駆動信号(この場合は0Vの直流電位)を出力する。つまり、この例では、駆動電極ドライバ14は、駆動電極COMLに対して、表示動作で用いる駆動信号以外の電圧の印加を行わないため、多くの電圧レベルを生成し出力する必要がない。これにより、駆動電極ドライバの回路構成をシンプルにすることができる。
【0083】
以上のように本実施の形態では、ソースドライバが駆動電極COMLを駆動するようにしたので、駆動電極ドライバとソースドライバの回路構成の一部または大部分を共有することができる。その他の効果は、上記第1の実施の形態の場合と同様である。
【0084】
<4.第3の実施の形態>
次に、本発明の第3の実施の形態に係るタッチ検出機能付き表示装置について説明する。本実施の形態では、画素信号線SGLと駆動電極COMLを接続するスイッチ部を新たに設け、タッチ検出期間Aにおいて、ソースドライバがこのスイッチを介して駆動電極COMLを駆動するようにしている。その他の構成は、上記第1および第2の実施の形態と同様である。なお、上記第1および第2の実施の形態に係るタッチ検出機能付き表示装置と実質的に同一の構成部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0085】
図16は、本発明の第3の実施の形態に係るタッチ検出機能付き表示装置8の一構成例を表すものである。タッチ検出機能付き表示装置8は、スイッチ部50を備えている。スイッチ部50は、ソースドライバ13に接続された画素信号線SGLと、駆動電極ドライバ14に接続された駆動電極COMLとの間をオンオフ制御するものである。スイッチ部50は、タッチ検出期間Aにおいてオン状態となり、それ以外の期間にはオフ状態となるように、制御部15により制御される。
【0086】
ここで、スイッチ部50は、本発明における「スイッチ」の一具体例に対応する。
【0087】
本実施の形態におけるタッチ検出機能付き表示装置8では、タッチ検出期間Aにおいて、まず、駆動電極ドライバ14が、全ての駆動電極COMLをフローティング状態にする。もしくは、タッチ検出に係る駆動電極COMLのみフローティング状態にしてもよい。そして、ソースドライバ13が、タッチ検出動作を行う駆動電極COMLに対応する画素信号線SGLに対して、パルス状のタッチ駆動信号を印加する。これにより、タッチ検出動作を行う駆動電極COMLには、スイッチを介してタッチ駆動信号を印加される。その後の動作は、上記第1および第2の実施の形態と同様である。すなわち、駆動電極COMLの駆動信号が、静電容量を介してタッチ検出信号Vdetとしてタッチ検出電極TDLに伝わり、A/D変換部42が、このタッチ検出信号VdetをA/D変換することにより、1検出ラインのタッチ検出を行う。なお、表示期間Bの動作については、上記第1の実施の形態と同様である。
【0088】
第2の実施の形態と同様に、本実施の形態におけるタッチ検出機能付き表示装置8では、駆動電極ドライバ14は、駆動電極COMLに対して、表示動作で用いる駆動信号以外の電圧の印加を行わない。これにより、駆動電極ドライバの回路構成をシンプルにすることができる。
【0089】
また、ソースドライバ13は、スイッチを介して駆動電極COMLに対してタッチ駆動信号を印加するようにしたので、駆動電極COMLに対して確実に信号を伝えることができる。
【0090】
以上のように本実施の形態では、ソースドライバがスイッチを介して駆動電極を駆動するようにしたので、駆動電極に対して確実に信号を伝えることができる。その他の効果は、上記第1および第2の実施の形態の場合と同様である。
【0091】
<5.適用例>
次に、
図17〜
図21を参照して、上記実施の形態および変形例で説明したタッチ検出機能付き表示装置の適用例について説明する。上記実施の形態等のタッチ検出機能付き表示装置は、テレビジョン装置、デジタルカメラ、ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話等の携帯端末装置あるいはビデオカメラなどのあらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。言い換えると、上記実施の形態等のタッチ検出機能付き表示装置は、外部から入力された映像信号あるいは内部で生成した映像信号を、画像あるいは映像として表示するあらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。
【0092】
(適用例1)
図17は、上記実施の形態等のタッチ検出機能付き表示装置が適用されるテレビジョン装置の外観を表すものである。このテレビジョン装置は、例えば、フロントパネル511およびフィルターガラス512を含む映像表示画面部510を有しており、この映像表示画面部510は、上記実施の形態等に係るタッチ検出機能付き表示装置により構成されている。
【0093】
(適用例2)
図18は、上記実施の形態等のタッチ検出機能付き表示装置が適用されるデジタルカメラの外観を表すものである。このデジタルカメラは、例えば、フラッシュ用の発光部521、表示部522、メニュースイッチ523およびシャッターボタン524を有しており、その表示部522は、上記実施の形態等に係るタッチ検出機能付き表示装置により構成されている。
【0094】
(適用例3)
図19は、上記実施の形態等のタッチ検出機能付き表示装置が適用されるノート型パーソナルコンピュータの外観を表すものである。このノート型パーソナルコンピュータは、例えば、本体531、文字等の入力操作のためのキーボード532および画像を表示する表示部533を有しており、その表示部533は、上記実施の形態等に係るタッチ検出機能付き表示装置により構成されている。
【0095】
(適用例4)
図20は、上記実施の形態等のタッチ検出機能付き表示装置が適用されるビデオカメラの外観を表すものである。このビデオカメラは、例えば、本体部541、この本体部541の前方側面に設けられた被写体撮影用のレンズ542、撮影時のスタート/ストップスイッチ543および表示部544を有している。そして、その表示部544は、上記実施の形態等に係るタッチ検出機能付き表示装置により構成されている。
【0096】
(適用例5)
図21は、上記実施の形態等のタッチ検出機能付き表示装置が適用される携帯電話機の外観を表すものである。この携帯電話機は、例えば、上側筐体710と下側筐体720とを連結部(ヒンジ部)730で連結したものであり、ディスプレイ740、サブディスプレイ750、ピクチャーライト760およびカメラ770を有している。そのディスプレイ740またはサブディスプレイ750は、上記実施の形態等に係るタッチ検出機能付き表示装置により構成されている。
【0097】
以上、いくつかの実施の形態および変形例、ならびに電子機器への適用例を挙げて本発明を説明したが、本発明はこれらの実施の形態等には限定されず、種々の変形が可能である。
【0098】
上記実施の形態では、液晶表示デバイスの表示駆動方式は、ドットごとに画素信号の極性を反転するドット反転駆動としたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、ラインごとに画素信号の極性を反転する、いわゆるライン反転駆動にしてもよいし、フレームごとに画素信号の極性を反転する、いわゆるフレーム反転駆動にしてもよい。
【0099】
上記実施の形態では、表示駆動信号は0Vの直流信号としたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、他の電圧の直流信号としても良いし、交流信号であってもよい。表示駆動信号が交流信号である場合には、液晶表示デバイスは、いわゆる交流駆動により駆動される。
【0100】
上記実施の形態では、1表示水平期間(1H)において、タッチ検出期間Aの後に表示期間Bを設けるようにしたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、表示期間Bの後にタッチ検出期間Aを設けるようにしてもよい。
【0101】
上記実施の形態では、TNやVA、ECB等の各種モードの液晶を用いた液晶表示デバイス20とタッチ検出デバイス30とを一体化してタッチ検出機能付き表示デバイス10を構成したが、これに代えて、FFS(フリンジフィールドスイッチング)やIPS(インプレーンスイッチング)等の横電界モードの液晶を用いた液晶表示デバイスとタッチ検出デバイスとを一体化しても良い。例えば、横電界モードの液晶を用いた場合には、タッチ検出機能付き表示デバイス60を、
図22に示したように構成可能である。この図は、タッチ検出機能付き表示デバイス60の要部断面構造の一例を表すものであり、画素基板2Bと対向基板3Bとの間に液晶層6Bを挟持された状態を示している。その他の各部の名称や機能等は
図6の場合と同様なので、説明を省略する。この例では、
図6の場合とは異なり、表示用とタッチ検出用の双方に兼用される駆動電極COMLは、TFT基板21の直ぐ上に形成され、画素基板2Bの一部を構成する。駆動電極COMLの上方には、絶縁層23を介して画素電極22が配置される。この場合、駆動電極COMLとタッチ検出電極TDLとの間の、液晶層6Bをも含むすべての誘電体が容量C1の形成に寄与する。