【実施例】
【0116】
以下、本発明の同期再生装置の実施例を説明する。なお、以下の説明及び図面においては、同一又は同等の要素については同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0117】
[第1実施例]
まず、本発明の同期再生装置の第1実施例について、
図3〜
図9を主に参照して説明する。
<構成>
図3には、第1実施例に係る同期再生装置100Aの概略的な構成が示されている。なお、同期再生装置100Aは、上述した第1実施形態の同期再生装置700A(
図1参照)の一態様となっている。
【0118】
図3に示されるように、同期再生装置100Aは、取得手段720A、生成手段730A、表示制御手段740及び音出力制御手段760Aとしての制御ユニット110Aと、再生用情報記憶部735としての記憶ユニット120とを備えている。また、同期再生装置100は、音源データ部750としての音源ユニット130、音出力部765としての音出力ユニット140と、表示手段746としての投影ユニット150
1と、表示手段747としての投影ユニット150
2とを備えている。さらに、同期再生装置100Aは、情報表示ユニット160と、入力手段770としての操作入力ユニット170と、撮影手段710としての撮影ユニット180とを備えている。
【0119】
上記の制御ユニット110Aは、同期再生装置100Aの全体を統括制御するとともに、様々な処理を実行する。この制御ユニット110Aについては、後述する。
【0120】
上記の記憶ユニット120は、不揮発性の記憶装置であるハードディスク装置等から構成される。記憶ユニット120は、再生用情報RDAを記憶する。この再生用情報RDAの内容については、後述する。
【0121】
上記の音源ユニット130は、不揮発性の記憶素子を備えて構成される。この音源ユニットは、様々な楽曲に関する楽曲コンテンツ情報MCDを記憶する。
【0122】
上記の音出力ユニット140は、スピーカを備えて構成される。この音出力ユニット140は、制御ユニット110Aから送られた出力音(本第1実施例では、再生楽曲音)データを受ける。そして、音出力ユニット140は、制御ユニット110Aによる制御のもとで、当該出力音データに対応する出力音を再生出力する。
【0123】
上記の投影ユニット150
1は、映像プロジェクタを備えて構成される。この投影ユニット150
1は、制御ユニット110Aから送られた同期映像データを受ける。そして、投影ユニット150
1は、制御ユニット110Aによる制御のもとで、同期映像データに対応する同期映像を、スクリーン又は壁面に投影表示する。
【0124】
上記の投影ユニット150
2は、上記の投影ユニット150
1と同様に、映像プロジェクタを備えて構成される。この投影ユニット150
2は、制御ユニット110Aから送られたリアルタイム映像データを受ける。そして、投影ユニット150
2は、制御ユニット110Aによる制御のもとで、リアルタイム映像データに対応するリアルタイム映像を、スクリーン又は壁面に投影表示する。
【0125】
上記の情報表示ユニット160は、液晶パネル等の表示デバイスを備えて構成される。この情報表示ユニット160は、制御ユニット110Aから送られた情報表示データを受ける。そして、情報表示ユニット160は、情報表示データに対応する画像を表示する。この情報表示ユニット160は、制御ユニット110Aによる制御のもとで、同期再生装置100Aの動作状態情報、操作ガイダンス情報等を表示する。
【0126】
上記の操作入力ユニット170は、同期再生装置100Aの本体部に設けられたキー部、及び/又はキー部を備えるリモート入力装置等により構成される。ここで、本体部に設けられたキー部としては、情報表示ユニット160の表示デバイスに設けられたタッチパネルを用いることができる。なお、キー部を有する構成に代えて、又は併用して音声認識技術を利用して音声にて入力する構成を採用することもできる。また、カメラによる撮影画像についての画像認識や、モーションキャプチャによる動作認識を操作入力に際して利用することもできる。
【0127】
この操作入力ユニット170を利用者が操作することにより、同期再生装置100Aの動作内容の設定や動作指令の入力が行われる。こうした動作指定には、取得動作の開始指令及び終了指令、再生同期情報の生成指令、楽曲音再生の開始指令及び終了指令、同期再生の開始指令及び終了指令、再生同期情報編集の開始指令及び終了指令、並びに、同期映像切換指令が、含まれている。操作入力ユニット170への入力内容は、操作入力データとして、制御ユニット110Aへ送られる。
【0128】
上記の撮影ユニット180は、撮影カメラを備えて構成されている。この撮影ユニット180は、制御ユニット110Aによる制御のもとで、周辺映像を撮影する。撮影ユニット180による撮影結果は、映像データとして、制御ユニット110Aへ送られる。
【0129】
次に、上記の制御ユニット110Aについて説明する。この制御ユニット110Aは、中央処理装置(CPU)及びその周辺回路を備えて構成されている。制御ユニット110Aが様々なプログラムを実行することにより、上述した取得手段720A、生成手段730A、表示制御手段740及び音出力制御手段760Aとしての機能が実現されるようになっている。かかる制御ユニット110Aが実行する処理の詳細については、後述する。
【0130】
なお、制御ユニット110Aは、操作入力ユニット170から送られた楽曲音再生の開始指令を受けると、楽曲再生処理を開始する。かかる楽曲再生処理では、楽曲音再生の開始指令において指定されている楽曲コンテンツのデータを音源ユニット130から順次読み取る。そして、制御ユニット110Aは、読み取られた楽曲コンテンツのデータに基づいて、再生楽曲音データを生成し、音出力ユニット140へ送る。この結果、音出力ユニット140から、当該再生楽曲音データに対応する再生楽曲音が再生出力される。
【0131】
次いで、上記の記憶ユニット120内に記憶される再生用情報RDAの内容について、説明する。
図4に示されるように、再生用情報RDAは、同期再生用情報と、編集再生用情報とから構成されている。ここで、同期再生用情報は、個別同期再生用情報#1、個別同期再生用情報#2、…を含むことができるようになっている。かかる個別同期再生用情報#j(j=1,2,…)のそれぞれは、再生用映像データ#jと、再生同期情報#jとから構成される。また、編集再生用情報は、編集同期情報#1、編集同期情報#2、…を含むことができるようになっている。
【0132】
[動作]
次に、上記のように構成された同期再生装置100Aの動作について、再生同期情報の生成処理、同期再生処理及び編集同期情報の生成処理に際しての制御ユニット110Aの処理に主に着目して説明する。
【0133】
《再生同期情報の生成処理》
再生同期情報の生成処理に際しては、
図5に示されるように、まず、ステップS11において、制御ユニット110Aが、再生同期情報の生成指令を受けたか否かを判定する。この判定の結果が否定的であった場合(ステップS11:N)には、ステップS11の処理が繰り返される。
【0134】
ステップS11の処理の繰り返し中に、利用者が、再生同期情報の生成指令の入力操作を操作入力ユニット170に対して行うと、再生同期情報の生成指令が、操作入力ユニット170から制御ユニット110Aへ送られる。この再生同期情報の生成指令を受け、ステップS11における判定の結果が肯定的となると(ステップS11:Y)、処理はステップS12へ進む。
【0135】
なお、ステップS11の処理の繰り返し中に、楽曲音再生又は同期再生の開始指令を受けた場合には、制御ユニット110Aは、その後における再生同期情報の生成のための準備として、楽曲音再生又は同期再生の開始指令に応じて行われる再生楽曲音の再生の進行状況を監視する。
【0136】
ステップS12では、制御ユニット110Aが、取得動作の終了指令を受けるまでの期間における取得動作の開始指令及び終了指令、並びに、楽曲音再生又は同期再生の開始指令及び終了指令の受信の監視を行い、それぞれの受信時刻を検出する。また、制御ユニット110Aは、記憶ユニット120を利用して、取得動作の開始指令の受信から終了指令の受信までの取得期間に撮影ユニット180から送られた映像データのバッファリング処理を行う。
【0137】
次に、ステップS13において、制御ユニット110Aが、取得動作の終了指令を受けたか否かを判定する。この判定の結果が否定的であった場合(ステップS13:N)には、処理はステップS12へ戻る。そして、指令受信時刻の検出、及び、映像データのバッファリング処理が継続される。
【0138】
ステップS12,S13の処理の繰り返し中に、利用者が、取得動作の終了指令の入力操作を操作入力ユニット170に対して行うと、取得動作の終了指令が、操作入力ユニット170から制御ユニット110Aへ送られる。この取得動作の終了指令を受け、ステップS13における判定の結果が肯定的となると(ステップS13:Y)、処理はステップS14へ進む。
【0139】
ステップS14では、制御ユニット110Aが、バッファリングしている映像データを、新たな再生用映像データとして、記憶ユニット120に格納する。引き続き、制御ユニット110Aが、楽曲音再生又は同期再生の開始指令の受信時刻の検出結果、又は、上述した再生同期情報の生成処理前の監視結果に基づいて、今回の取得期間中に音出力ユニット140から出力される再生楽曲音の再生開始時刻を基準時刻として、取得動作の開始指令の受信時刻、取得動作の終了指令の受信時刻、楽曲音再生又は同期再生の終了指令の受信時刻の当該基準時刻に対する相対時刻情報を算出する。
【0140】
なお、再生同期情報の生成指令の受信から、取得動作の終了指令の受信までの間に、楽曲音再生又は同期再生の終了指令の受信時刻は、検出される場合もあるし、検出されない場合もある。このため、楽曲音再生又は同期再生の終了指令の受信時刻が検出されている場合には、楽曲音再生又は同期再生の終了指令の受信時刻の相対時刻情報が算出されるが、楽曲音再生又は同期再生の終了指令の受信時刻が検出されていない場合には、楽曲音再生又は同期再生の終了指令の受信時刻の相対時刻情報は算出されない。
【0141】
次に、制御ユニット110Aは、算出された相対時刻情報に、今回取得された再生用映像データ、及び、楽曲音再生又は同期再生の開始指令で指定された楽曲コンテンツの指定情報を加えて、再生同期情報を生成する。そして、制御ユニット110Aは、生成された再生同期情報を、新たな再生同期情報として記憶ユニット120内に格納する。この後、制御ユニット110Aは、再生同期情報の生成処理を終了する。
【0142】
上述した新たな再生用映像データと、新たな再生同期情報とから、新たな個別同期再生用情報が構成されることになる。
【0143】
《同期再生処理》
同期再生処理としては、同期映像表示処理と同期音出力処理とが並行して実行される。
【0144】
同期映像表示処理に際しては、
図6に示されるように、まず、ステップS21において、制御ユニット110Aが、同期再生の開始指令を受けたか否かを判定する。この判定の結果が否定的であった場合には(ステップS21:N)、ステップS21の処理が繰り返される。
【0145】
ステップS21の処理の繰り返し中に、利用者が、同期再生の開始指令の入力操作を操作入力ユニット170に対して行うと、同期再生の開始指令が、操作入力ユニット170から制御ユニット110Aへ送られる。この同期再生の開始指令を受け、ステップS21における判定の結果が肯定的となると(ステップS21:Y)、処理はステップS22へ進む。
【0146】
ステップS22では、制御ユニット110Aが、同期再生の開始指令において指定された再生同期情報又は編集同期情報で示されている再生楽曲音との同期関係に従って、各時点において再生すべき再生用映像データの部分のデータを、逐次、記憶ユニット120から読み取る。引き続き、制御ユニット110Aは、読み取られたデータに基づいて、同期映像データを生成する。そして、制御ユニット110Aは、生成された同期映像データを投影ユニット150
1へ送る。この結果、投影ユニット150
1により、スクリーン又は壁面に、同期映像が投影表示される。
【0147】
また、制御ユニット110Aは、同期再生の開始指令において同時表示有が指定されている場合には、撮影ユニット180から送られている映像データに基づいて、撮影中の映像をリアルタイムで表示するためのリアルタイム映像データを生成する。そして、制御ユニット110Aは、生成されたリアルタイム映像データを投影ユニット150
2へ送る。この結果、投影ユニット150
1による同期映像の投影表示と同時に、投影ユニット150
2によるリアルタイム映像の投影表示が行われる。
【0148】
次に、ステップS23において、制御ユニット110Aが、同期再生の終了指令を受けたか否かを判定する。この判定の結果が否定的であった場合(ステップS23:N)には、処理はステップS22へ戻る。そして、同期映像表示処理が継続される。
【0149】
ステップS22,S23の処理の繰り返し中に、利用者が、同期再生の終了指令の入力操作を操作入力ユニット170に対して行うと、同期再生の終了指令が、操作入力ユニット170から制御ユニット110Aへ送られる。この同期再生の終了指令を受け、ステップS23における判定の結果が肯定的となると(ステップS23:Y)、制御ユニット110Aは、同期映像表示処理を終了する。
【0150】
同期音出力処理に際しては、
図7に示されるように、まず、ステップS31において、制御ユニット110Aが、同期再生の開始指令を受けたか否かを判定する。この判定の結果が否定的であった場合には(ステップS31:N)、ステップS31の処理が繰り返される。
【0151】
ステップS31の処理の繰り返し中に、利用者が、同期再生の開始指令の入力操作を操作入力ユニット170に対して行うと、同期再生の開始指令が、操作入力ユニットから制御ユニット110Aへ送られる。この同期再生の開始指令を受け、ステップS31における判定の結果が肯定的となると(ステップS31:Y)、処理はステップS32へ進む。
【0152】
ステップS32では、制御ユニット110Aが、当該同期再生の開始指令で指定された再生同期情報又は編集同期情報を参照し、各時点において再生すべき楽曲コンテンツの部分のデータを、逐次、音源ユニット130から読み取る。引き続き、制御ユニット110Aは、読み取られたデータに基づいて再生楽曲音データを生成する。そして、制御ユニット110Aは、生成された再生楽曲音データを音出力ユニット140へ送る。この結果、音出力ユニット140から、再生楽曲音が再生出力される。
【0153】
次に、ステップS33において、制御ユニット110Aが、同期再生の終了指令を受けたか否かを判定する。この判定の結果が否定的であった場合(ステップS33:N)には、処理はステップS32へ戻る。そして、同期音出力処理が継続される。
【0154】
ステップS32,S33の処理の繰り返し中に、利用者が、同期再生の終了指令の入力操作を操作入力ユニット170に対して行うと、同期再生の終了指令が、操作入力ユニット170から制御ユニット110Aへ送られる。この同期再生の終了指令を受け、ステップS33における判定の結果が肯定的となると(ステップS33:Y)、制御ユニット110Aは、同期音出力処理を終了する。
【0155】
《編集同期情報の生成処理》
編集同期情報の生成処理に際しては、
図8に示されるように、まず、ステップS41において、制御ユニット110Aが、再生同期情報編集の開始指令を受けたか否かを判定する。この判定の結果が否定的であった場合には(ステップS41:N)、ステップS41の処理が繰り返される。
【0156】
ステップS41の処理の繰り返し中に、利用者が、再生同期情報編集の開始指令の入力操作を操作入力ユニット170に対して行うと、再生同期情報編集の開始指令が、操作入力ユニット170から制御ユニット110Aへ送られる。この再生同期情報編集の開始指令を受け、ステップS41における判定の結果が肯定的となると(ステップS41:Y)、処理はステップS42へ進む。
【0157】
ステップS42では、制御ユニット110Aが、再生同期情報編集の開始指令において指定された再生同期情報又は編集同期情報を特定する。そして、制御ユニット110Aは、特定された同期情報を、暫定編集同期情報として記憶ユニット120から読み取る。
【0158】
次に、ステップS43において、制御ユニット110Aが、再生同期情報編集の終了指令を受けたか否かを判定する。この判定の結果が否定的であった場合には(ステップS43:N)、処理はステップS44へ進む。
【0159】
ステップS44では、制御ユニット110Aが、同期映像切換指令を受けたか否かを判定する。この判定の結果が否定的であった場合には(ステップS44:N)、処理はステップS43へ戻る。
【0160】
ステップS43,S44の処理の繰り返し中に、利用者が、同期映像切換指令の入力操作を操作入力ユニット170に対して行うと、同期映像切換指令が、操作入力ユニット170から制御ユニット110Aへ送られる。この同期映像切換指令を受け、ステップS44における判定の結果が肯定的となると(ステップS44:Y)、処理はステップS45へ進む。
【0161】
ステップS45では、制御ユニット110Aが、今回の編集同期情報の生成処理中における同期再生処理に関する基準時刻に対応する時刻(再生楽曲音出力の開始時刻)に対する現在時刻の相対時刻を特定する。引き続き、制御ユニット110Aは、当該特定された相対時刻の情報、及び、同期映像切換指令において指定された再生用映像データの特定情報を追加することにより、その時点における暫定編集同期情報を更新する。そして、処理はステップS43へ戻る。
【0162】
なお、再生同期情報編集の開始時に読み取った暫定編集同期情報が編集同期情報であった場合には、制御ユニット110Aは、その後に最初の同期映像切換指令を受けると、当該最初の同期映像切換指令の受信時刻が対応する相対時刻以降における暫定編集同期情報を消去する。
【0163】
ステップS43〜S45の繰り返し中に、利用者が、再生同期情報編集の終了指令の入力操作を操作入力ユニット170に対して行うと、再生同期情報編集の終了指令が、操作入力ユニット170から制御ユニット110Aへ送られる。この再生同期情報編集の終了指令を受け、ステップS43における判定の結果が肯定的となると(ステップS43:Y)、処理はステップS46へ進む。
【0164】
ステップS46では、制御ユニット110Aが、同期映像切換指令の受信に伴う暫定編集同期情報の更新があったか否かを判定する。この判定の結果が否定的であった場合(ステップS46:N)には、制御ユニット110Aは、直ちに、編集同期情報の生成処理を終了する。
【0165】
一方、ステップS46における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS46:Y)には、処理はステップS47へ進む。このステップS47では、制御ユニット110Aが、その時点における暫定編集同期情報を、新たな編集同期情報に確定する。そして、制御ユニット110Aは、新たな編集同期情報を記憶ユニット120内に格納する。この後、制御ユニット110Aは、編集同期情報の生成処理を終了する。
【0166】
なお、制御ユニット110Aは、上述した編集同期情報の生成処理と並行して、同期映像の切換表示処理及び同期音出力処理を実行する。
【0167】
同期映像の切換表示処理及び同期音出力処理に際しては、
図9に示されるように、まず、ステップS51において、制御ユニット110Aが、再生同期情報編集の開始指令を受けたか否かを判定する。この判定の結果が否定的であった場合には(ステップS51:N)、ステップS51の処理が繰り返される。
【0168】
ステップS51の処理の繰り返し中に、利用者が、再生同期情報編集の開始指令の入力操作を操作入力ユニット170に対して行うと、再生同期情報編集の開始指令が、操作入力ユニット170から制御ユニット110Aへ送られる。この再生同期情報編集の開始指令を受け、ステップS51における判定の結果が肯定的となると(ステップS51:Y)、処理はステップS52へ進む。
【0169】
ステップS52では、制御ユニット110Aが、当該再生同期情報編集の開始指令で指定された再生同期情報又は編集同期情報を参照して、上述した同期再生処理の場合と同様にして、同期映像表示処理及び同期音出力処理を行う。
【0170】
次に、ステップS53において、制御ユニット110Aが、再生同期情報編集の終了指令を受けたか否かを判定する。この判定の結果が否定的であった場合には(ステップS53:N)、処理はステップS54へ進む。
【0171】
ステップS54では、制御ユニット110Aが、同期映像切換指令を受けたか否かを判定する。この判定の結果が否定的であった場合には(ステップS54:N)、処理はステップS53へ戻る。
【0172】
ステップS53,S54の処理の繰り返し中に、利用者が、同期映像切換指令の入力操作を操作入力ユニット170に対して行うと、同期映像切換指令が、操作入力ユニット170から制御ユニット110Aへ送られる。この同期映像切換指令を受け、ステップS54における判定の結果が肯定的となると(ステップS54:Y)、処理はステップS55へ進む。
【0173】
ステップS55では、制御ユニット110Aが、同期映像切換指令で指定された映像データに対応する再生同期情報を参照し、それまでの再生楽曲音の再生タイミングとの同期を維持しつつ、映像切換後に再生すべき当該指定された映像データの部分を特定する。引き続き、制御ユニット110Aは、特定された映像データの部分のデータを順次読み取り、同期映像データを生成する。そして、制御ユニット110Aは、生成された同期映像データを投影ユニット150
1へ送る。この結果、投影ユニット150
1により投影表示される同期映像が切り換わる。この後、処理はステップS53へ戻る。
【0174】
ステップS53〜S55の繰り返し中に、利用者が、再生同期情報編集の終了指令の入力操作を操作入力ユニット170に対して行うと、再生同期情報編集の終了指令が、操作入力ユニット170から制御ユニット110Aへ送られる。この再生同期情報編集の終了指令を受け、ステップS53における判定の結果が肯定的となると(ステップS53:Y)、制御ユニット110Aは、同期映像の切換表示処理及び同期音出力処理を終了する。
【0175】
以上説明したように、本第1実施例では、制御ユニット110Aが、撮影ユニット180が撮影した再生楽曲音に同期した映像データを取得する。引き続き、制御ユニット110Aが、撮影時における再生楽曲音の再生タイミングと、当該取得された映像データに基づく再生映像の再生タイミングとの同期関係を、撮影時における再生楽曲音と映像との同期関係と同一とするための再生同期情報を生成する。こうして生成された再生同期情報を参照して、制御ユニット110Aが、当該取得された映像データに基づく同期映像を投影ユニット150
1に投影表示させるとともに、再生楽曲音を音出力ユニット140から出力させる。
【0176】
したがって、本第1実施例によれば、撮影時における再生楽曲音と映像との同期関係と同一の同期関係で、撮影後に、当該再生楽曲音と、撮影された映像とを再生することができる。
【0177】
また、本第1実施例では、同期再生指令において同時再生表示が指定された場合には、制御ユニット110Aが、同期映像を投影ユニット150
1により投影表示させつつ、撮影ユニット180により撮影されているリアルタイム映像を投影ユニット150
2により投影表示させる。このため、同じ再生楽曲音に同期している過去の映像と現在の映像とを同時に表示することができる。
【0178】
また、本第1実施例では、編集同期情報の生成に際しての同期再生中に同期映像切換指令を受けるたびに、制御ユニット110Aが、再生出力中の再生楽曲音の進行に同期して、同期映像切換指令において指定された同期映像に切り換えるための編集同期情報を生成する。また、編集同期情報の生成に際しての同期再生中に同期映像切換指令を受けると、制御ユニット110Aは、同期映像切換指令において指定された映像に切り換えて、投影ユニット150
1により投影表示させる。このため、同じ再生楽曲音に同期している過去の映像のいわゆるタイムライン編集を、簡易に行うことができる。
【0179】
[第2実施例]
次に、本発明に係る第2実施例を、
図10から
図14を主に参照して説明する。
【0180】
図10には、第2実施例に係る同期再生装置100Bの概略的な構成が示されている。なお、同期再生装置100Bは、上述した第2実施形態の同期再生装置700B(
図2参照)の一態様となっている。
【0181】
図10に示されるように、同期再生装置100Bは、上述した第1実施例の同期再生装置100Aと比べて、制御ユニット110Aに代えて制御ユニット110Bを備える点、収音ユニット190を更に備える点、記憶ユニット120は、取得情報記憶部725としても機能し、記憶ユニット120には取得情報AQD及び再生用情報RDBが記憶される点が、異なっている。以下、これらの相違点に主に着目して、説明する。
【0182】
制御ユニット110Bは、上述した制御ユニット110Aと同様に、中央処理装置及びその周辺回路を備えて構成されている。制御ユニット110Bが様々なプログラムを実行することにより、上述した取得手段720B、生成手段730B、表示制御手段740及び音出力制御手段760Bとしての機能が実現されるようになっている。かかる制御ユニット110Bが実行する処理の詳細については、後述する。
【0183】
上記の収音ユニット190は、マイクロフォンを備えて構成される。この収音ユニット190は、制御ユニット110Bによる制御のもとで、周囲音を収音する。収音ユニット190による収音結果は、収音データとして制御ユニット110Bへ送る。
【0184】
上記の取得情報AQDは、
図11に示されるように、取得映像データと、取得楽曲音データと、取得残余音データとから構成される。また、上記の再生用情報RDBは、
図12に示されるように、上述した第1実施例における再生用情報RDA(
図4参照)と比べて、個別同期再生用情報#j(j=1,2,…)が、再生用残余音データ#jを更に含む点のみが異なっている。
【0185】
<動作>
次に、上記のように構成された同期再生装置100Bの動作について、取得動作、再生同期情報の生成処理、同期再生処理及び編集同期情報の生成処理に際しての制御ユニット110Bの処理に主に着目して説明する。
【0186】
《取得処理》
取得処理に際しては、
図13に示されるように、まず、ステップS61において、制御ユニット110Bが、取得動作の開始指令を受けたか否かを判定する。この判定の結果が否定的であった場合(ステップS61:N)には、ステップS61の処理が繰り返される。
【0187】
ステップS61の処理の繰り返し中に、利用者が、取得動作の開始指令の入力操作を操作入力ユニット170に対して行うと、取得動作の開始指令が、操作入力ユニット170から制御ユニット110Bへ送られる。この取得動作の開始指令を受け、ステップS61における判定の結果が肯定的となると(ステップS61:Y)、処理はステップS62へ進む。
【0188】
ステップS62では、制御ユニット110Bが、取得動作の終了指令を受けるまでの取得期間に撮影ユニット180から送られた映像データ、及び、収音ユニット190から送られた収音データを受け、記憶ユニット120を利用したバッファリングを行う。引き続き、ステップS63において、制御ユニット110Bが、取得動作の終了指令を受けたか否かを判定する。この判定の結果が否定的であった場合(ステップS63:N)には、処理はステップS62へ戻る。そして、映像データ及び収音データのバッファリング処理が継続される。
【0189】
ステップS62,S63の処理の繰り返し中に、利用者が、取得動作の終了指令の入力操作を操作入力ユニット170に対して行うと、取得動作の終了指令が、操作入力ユニット170から制御ユニット110Bへ送られる。この取得動作の終了指令を受け、ステップS63における判定の結果が肯定的となると(ステップS63:Y)、処理はステップS64へ進む。
【0190】
ステップS64では、制御ユニット110Bが、記憶ユニット120内にバッファリングされている収音データを解析して、楽曲音と、楽曲以外の残余音とを識別し、楽曲音データと残余音データとに分離する。そして、制御ユニット110Bは、記憶ユニット120内にバッファリングされている映像データ、並びに、当該分離された楽曲音データ及び残余音データを、取得映像データ、取得楽曲音データ及び取得残余音データとして、記憶ユニット120内に格納する。この後、制御ユニット110Bは、取得処理を終了する。
【0191】
《再生同期情報の生成処理》
再生同期情報の生成処理に際しては、
図14に示されるように、まず、ステップS71において、制御ユニット110Bが、再生同期情報の生成指令を受けたか否かを判定する。この判定の結果が否定的であった場合(ステップS71:N)には、ステップS71の処理が繰り返される。
【0192】
ステップS71の処理の繰り返し中に、利用者が、再生同期情報の生成指令の入力操作を操作入力ユニット170に対して行うと、再生同期情報の生成指令が、操作入力ユニット170から制御ユニット110Bへ送られる。この再生同期情報の生成指令を受け、ステップS71における判定の結果が肯定的となると(ステップS71:Y)、処理はステップS72へ進む。
【0193】
ステップS72では、制御ユニット110Bが、楽曲音の特定を行う。かかる楽曲音の特定に際して、まず、制御ユニット110Bは、記憶ユニット120から取得楽曲音データを読み取る。引き続き、制御ユニット110B、取得楽曲音データを解析して、取得楽曲音データに対応する楽曲音の特徴を示すメタデータを抽出する。そして、制御ユニット110Bは、当該メタデータに対応する音源ユニット130内の楽曲コンテンツを特定する。
【0194】
次に、ステップS73において、制御ユニット110Bは、特定された楽曲コンテンツにおける取得楽曲音データの部分を特定する。そして、特定された楽曲コンテンツにおける取得楽曲音データの部分、及び、特定された楽曲コンテンツの識別情報に基づいて、第1実施例で生成された再生同期情報と同等な再生同期情報を生成する。引き続き、制御ユニット110Bは、記憶ユニット120から取得映像データ及び取得残余音データを読み取って、新たな再生用映像データ及び再生用残余音データとして、記憶ユニット120内に格納するとともに、生成された再生同期情報を、新たな再生同期情報として、記憶ユニット120内に格納する。この結果、記憶ユニット120内には、新たな再生用映像データ、再生用残余音データ及び再生同期情報が追加される。
【0195】
次に、制御ユニット110Bは、当該新たな再生用映像データ、再生用残余音データ及び再生同期情報の生成のために利用した取得映像データ、取得楽曲音データ及び取得残余音データを、記憶ユニット120内から消去する。この後、制御ユニット110Bは、再生同期情報の生成処理を終了する。
【0196】
《同期再生処理及び編集同期情報の生成処理》
本第2実施例の同期再生処理における同期映像表示処理は、制御ユニット110Bが、上述した第1実施例における制御ユニット110Aによる同期映像表示処理と同様の処理を実行することにより、行われる。
【0197】
また、本第2実施例の同期再生処理における同期音出力処理は、同期再生の開始指令において残余音の同時再生無の指定がされている場合には、制御ユニット110Bが、上述した第1実施例における制御ユニット110Aによる同期音出力処理と同様の処理を実行することにより行われる。一方、同期再生の開始指令において残余音の同時再生有の指定がされている場合には、次のようにして、制御ユニット110Bが、同期音出力処理を実行する。
【0198】
かかる残余音の同時再生有の指定がされている場合の同期音出力処理に際して、制御ユニット110Bは、同期再生の開始指令で指定された再生同期情報又は編集同期情報を参照し、各時点において再生すべき楽曲音に対応する楽曲コンテンツの部分のデータを、逐次、音源ユニット130からから読み取るとともに、各時点において再生すべき再生用残余音データの部分のデータを、逐次、記憶ユニット120から読み取る。
【0199】
引き続き、制御ユニット110Bは、読み取られた2種類のデータに基づいて、再生楽曲音と残余音との合成音に対応する同期出力音データを生成する。そして、制御ユニット110Bは、生成された同期出力音データを、音出力ユニット140へ送る。この結果、音出力ユニット140からは、再生楽曲音と残余音との合成音が再生出力される。
【0200】
なお、同期再生の開始指令において残余音の同時再生の有無の指定がいずれであっても、同期再生の終了指令を受けると、制御ユニット110Bは、同期音出力処理を終了する。
【0201】
本第2実施例における編集同期情報の生成は、制御ユニット110Bが、上述した第1実施例における制御ユニット110Aによる編集同期情報の生成処理と同様の処理を実行することにより、行われる。
【0202】
以上説明したように、本第2実施例では、制御ユニット110Bが、撮影ユニット180により撮影された楽曲音に同期した映像データ、及び、収音ユニット190により収音された音声のデータ受ける。引き続き、制御ユニット110Bが、当該収音された音声のデータを解析して、楽曲音と、楽曲以外の残余音とを識別し、楽曲音データと残余音データとに分離する。そして、制御ユニット110Bは、取得動作の開始指令を受けてから取得動作の終了指令を受けるまでの期間における映像データ、楽曲音データ及び残余音データを取得する。
【0203】
次に、制御ユニット110Bが、撮影時における楽曲音の再生タイミングと、当該取得された映像データに基づく再生映像の再生タイミング、及び、当該取得された残余音データに基づく再生映像の再生タイミングとの同期関係を、撮影時における楽曲音と、映像及び残余音との同期関係と同一とするための再生同期情報を生成する。こうして生成された再生同期情報を参照して、制御ユニット110Bが、当該取得された映像データに基づく同期映像を投影ユニット150
1により投影表示させるとともに、再生楽曲音と残余音との合成音を音出力ユニット140から出力させる。
【0204】
したがって、本第2実施例によれば、撮影時における再生楽曲音と、映像及び残余音との同期関係と同一の同期関係で、撮影後に、当該再生楽曲音と、撮影された映像と残余音とを再生することができる。
【0205】
また、本第2実施例では、第1実施例の場合と同様に、同期再生指令において同時再生表示が指定された場合には、制御ユニット110Bが、同期映像を投影ユニット150
1により投影表示させつつ、撮影ユニット180により撮影されているリアルタイム映像を投影ユニット150
2により投影表示させる。このため、同じ再生楽曲音に同期している過去の映像と現在の映像とを同時に表示することができる。
【0206】
また、本第2実施例では、第1実施例の場合と同様に、編集同期情報の生成に際しての同期再生中に同期映像切換指令を受けるたびに、制御ユニット110Bが、再生出力中の再生楽曲音の進行に同期して、同期映像切換指令において指定された同期映像に切り換えるための編集同期情報を生成する。また、編集同期情報の生成に際しての同期再生中に同期映像切換指令を受けると、制御ユニット110Bは、同期映像切換指令において指定された映像を切り換えて、投影ユニット150
1により投影表示させる。このため、同じ再生楽曲音に同期している過去の映像のいわゆるタイムライン編集を、簡易に行うことができる。
【0207】
[実施例の変形]
本発明は、上記の第1及び第2実施例に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
【0208】
例えば、上記の第1及び第2実施例では、同期映像及びリアルタイム映像のために、投影プロジェクタを備える投影ユニットを採用したが、液晶ディスプレイパネル等の表示デバイスを備える表示ユニットを採用してもよい。
【0209】
また、上述した第1及び第2実施形態について説明した変形を、上記の第1及び第2実施例に適用してもよい。
【0210】
なお、上記の実施例では、制御ユニット110A,110Bのよるプログラムの実行により、同期再生のための処理を行うようにしたが、当該同期再生のための処理の全部又は一部を、専用のLSI(Large Scale Integrated circuit)等を用いたハードウェアにより行うようにしてもよい。