(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
現在のテナントビルの中には空調用機器や照明機器など多くの電気機器が取り付けられているが、各空調機器等の使用料金はそのテナントを借りている借主の負担となる場合がほとんどである。このため、各テナントに設置されている空調装置等についてはそれぞれに電力量計を設置して、あるテナントの空調機器がどの程度の電力量を使用したかを検出し、その結果によって各テナントに対して電力使用料の請求を行うようにすることが多い。ところが、電力量計と空調機器との対応が適切でなく配線が間違っている場合、異なるテナントの空調設備の電気料金が請求されてしまうという問題があった。
【0005】
一方、空調設備と電力量計とが接続されていない場合と異なり、空調設備と電力量計との間に誤接続があっても誤接続された他の空調機器が動作していた場合には電力量計も動作するので誤接続を発見することが難しいという問題があった。特に、ビルに多くの空調機器を備えている大きなテナントビルでは、誤接続の検出が難しいという問題があった。
【0006】
本発明は、簡便な方法でビル設備と電力量計との誤接続を検出することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のビル設備管理システムは、複数のビル設備の管理を行うビル設備管理システムであって、各ビル設備に供給する電力量を検出する電力量計と、各電力量計からのデータを取得し、各ビル設備のオンオフを行う制御部と、を備え、制御部は、一群のビル設備を一旦全て停止させる停止手段と、一群のビル設備の内の1のビル設備を始動して所定の時間運転し、1のビル設備に対応する1の電力量計からのデータを積算電力量として取得するデータ取得手段と、取得した積算電力量と1のビル設備の基準積算電力量との電力量の差が所定の値よりも大きい場合には、1の電力量計は、他のビル設備に接続されていると判断する誤接続判断手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
本発明のビル設備管理システムにおいて、一群のビル設備は、各階の同一領域に設置されているビル設備で構成されていること、としても好適である。
【0009】
本発明のビル設備管理システムにおいて、誤接続判断手段は、取得した積算電力量と1のビル設備の基準積算電力量との電力量の差が所定の値よりも大きいと複数回検出した場合に、1の電力量計は、他のビル設備に接続されていると判断し、取得した積算電力量と1のビル設備の基準積算電力量との電力量の差が所定の値よりも大きくないと複数回検出した場合に、1の電力量計は、1のビル設備に接続されていると判断すること、としても好適である。
【0010】
本発明のビル設備
管理システムの動作方法は、
複数のビル設備それぞれに供給する電力量を検出する複数の電力量計と、前記各電力量計からのデータを取得し、前記各ビル設備のオンオフを行う制御部とを備え、前記各ビル設備と各ビル設備に供給する電力量を検出する各電力量計との間の誤接続を検出するビル設備
管理システムの動作方法であって、一群のビル設備を一旦全て停止させる停止工程と、一群のビル設備の内の1のビル設備を始動して所定の時間運転し、運転している1のビル設備に対応する1の電力量計からのデータを積算電力量として取得するデータ取得工程と、取得した積算電力量と1のビル設備の基準積算電力量との電力量の差が所定の値よりも大きい場合には、1の電力量計は、他のビル設備に接続されていると判断する誤接続判断工程と、を
実行することを特徴とする。
【0011】
本発明のビル設備
管理システムの動作方法において、複数のビル設備を複数のビル設備群に分割し、各群についてそれぞれ停止工程と、データ取得工程と、誤接続判断工程と、を平行して実行すること、としても好適である。
【0012】
本発明のビル設備
管理システムの動作方法において、誤接続判断工程は、取得した積算電力量と1のビル設備の基準積算電力量との電力量の差が所定の値よりも大きいと複数回検出した場合に、1の電力量計は、他のビル設備に接続されていると判断し、取得した積算電力量と1のビル設備の基準積算電力量との電力量の差が所定の値よりも大きくないと複数回検出した場合に、1の電力量計は、1のビル設備に接続されていると判断すること、としても好適であるし、各群のビル設備は、各階の同一領域に設置されているビル設備によって構成されていること、としても好適である。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、簡便な方法でビル設備と電力量計との誤接続を検出することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。以下の実施形態では、ビルの複数の空調機に供給する電力量或いは各空調機が消費する電力量を検出する積算電力量計の誤接続を検出する場合について説明する。
図1に示すように、本発明の実施形態のビル設備管理システム50が設置されているビル500は、4階建てであり、各階のフロアは4つの第1ブロック100から第4ブロック400に4分割されている。各ブロック100から400は、各階の同一の領域を1階から4階まで積層したものである。
【0016】
図1に示すように、ビル500の第1ブロック100の各階には、それぞれ室内側の空調機11a〜11dと、各空調機11a〜11dに接続されて各空調機11a〜11dのオンオフを行うコントローラ12a〜12dとが設置されている。第1ブロック100の各空調機11a〜11dは、請求項に記載の一群のビル設備である。第1ブロック100の一階には分電盤31が設けられ、外部の電源線30から入力された電力を第1ブロック100の各空調機11a〜11dに分配している。分電盤31からは各空調機11a〜11dに電力を供給する各給電線14a〜14dが各階を貫通して各空調機11a〜11dに伸びている。また、分電盤31の中には各空調機11a〜11dに供給される電力量を検出する各積算電力量計13a〜13dが配置されている。
【0017】
また、屋上には各空調機11a〜11dに共通の冷媒供給装置20が設置されている。冷媒供給装置20は内部に空調機11a〜11dから戻った冷媒を圧縮する圧縮機と、圧縮された冷媒を冷却する冷却器を備えており、各空調機11a〜11dに圧縮された低温の冷媒を供給する。冷媒は第1ブロック100の各階を貫通して配置される共通の配管15によって各階の空調機11a〜11dに供給される。また、各階の空調機11a〜11dから排出された冷媒は図示しない共通の各階の床を貫通する配管によって冷媒供給装置20に回収される。
【0018】
図1に示すように、各空調機11a〜11dのオンオフを行う各コントローラ12a〜12dは、各階を貫通する配管16の中を通る信号線17によって一階に設置されている制御部10に接続されている。また、各階の各積算電力量計13a〜13dもそれぞれ信号線17を介して制御部10に接続されている。また、制御部10には各種情報を表示するディスプレイ21が接続されている。各コントローラ12a〜12dは、制御部10の指令によって各空調機11a〜11dをオンオフできるとともに、表面に設けられた手動スイッチによっても各空調機11a〜11dをオンオフすることができる。
【0019】
以上、
図1を参照しながら第1ブロック100の構成について説明したが、第2〜第4ブロック200〜400の構成も第1ブロック100の構成と同様である。第2から第4ブロック200〜400も各ブロックの一階にはそれぞれ各ブロック200〜400の各空調機に電力を供給する分電盤が独立して配置され、その中の各ブロックの空調機への供給される電力量を検出する各積算電力量計が格納され、それぞれ独立の信号線で制御部10に接続されている。従って、各ブロック100〜400の間では、積算電力量計の誤配線は起こりにくくなっている。
【0020】
図2に示すように、本実施形態のビル設備管理システム50の制御部10は、内部にCPU22と、メモリ23と、記憶部24と、これらを接続するデータバス29とを含むコンピュータであり、記憶部24には、後で説明する未接続確認プログラム24a、停止プログラム24b、データ取得プログラム24c、誤接続判断プログラム24dを格納している。また、データバス29には外部の機器のデータを取り込んだり、外部の機器に信号を発信したりするインターフェース28が接続されている。
図2に示すように、各コントローラ12a〜12d、各積算電力量計13a〜13dはそれぞれ信号線17を介してインターフェース28に接続されている。また、ディスプレイ21もインターフェース28に接続されている。
【0021】
また、
図2に示すように、外部の電源線30は分電盤31の中に配置されている端子台32に接続され、端子台32からは各空調機11a〜11dに向って各給電線14a〜14dが伸びている。各給電線14a〜14dには各給電線に流れる電流を検出するために各クランプ18a〜18dが取り付けられ、各クランプ18a〜18dは各積算電力量計13a〜13dに接続されている。なお、
図2は、
図1に示す第1ブロック100に含まれる各空調機11a〜11d、コントローラ12a〜12d、積算電力量計13a〜13d、クランプ18a〜18dを示しているが、他の各ブロック200〜400の系統構成も同様である。
【0022】
以上のように構成された本実施形態のビル設備管理システム50の動作について
図3を参照しながら説明する。先に説明したように、各ブロック100から400の間では、積算電力量計の誤配線は起こりにくくなっているので、制御部10は、ブロック毎に
図3に示した動作を行う。
【0023】
ビル設備管理システム50は、各空調機11a〜11dと各積算電力量計13a〜13dとの間の接続が正しく行われているかどうかの判定を行う前に、未接続確認プログラム24aを実行し、各積算電力量計13a〜13dがいずれかの空調機11a〜11dと物理的に接続されているかどうかを確認する動作を行う(未接続確認工程)。
【0024】
図3のステップS101に示すように、制御部10のCPU22は、全ての空調機11a〜11dを始動する指令を出力する。この指令によって、制御部10のインターフェース28から各コントローラ12a〜12dに全空調機11a〜11dを始動する信号が出力される。各コントローラ12a〜12dは、この信号が入力されたら、各空調機11a〜11dを全て運転状態とする。そして、
図3のステップS102に示すように、制御部10は、所定の時間、例えば、積算電力量計13a〜13dから一定の出力が出る程度の時間だけ全空調機11a〜11dを運転する。そして、制御部10は、
図3のステップS103に示すように、各積算電力量計13a〜13dから積算電力量を取得し、メモリ23に格納する。
【0025】
制御部10は
図3のステップS104に示すように、各積算電力量計13a〜13dから所定の値より大きい積算電力量が検出されている場合には、各積算電力量計13a〜13dは物理的に接続されて、積算電力を検出していると判断する。一方、積算電力量計13a〜13dのうち、積算電力量の出力にゼロ或いは所定の値よりも小さい値のものがある場合には、その積算電力量計は、各空調機11a〜11dのうちのいずれにも接続させていないと判断し、例えば、その積算電力量計の番号などをディスプレイ21に表示する。この表示により、
図3のステップS105に示す様に、例えば、作業員がその積算電力量計の未接続を確認し、接続が外れていた場合には接続作業を行う。制御部10は、全ての積算電力量計13a〜13dから所定の値以上の電力量が検出されるまでこの動作を行う。そして、
図3のステップS104にて、全ての積算電力量計13a〜13dから出力される積算電力量の値が所定の値より大きくなったら、未接続の積算電力量計が無いと判断して未接続確認工程を終了する。
【0026】
なお、上記のような積算電力量計13a〜13dの物理的な未接続確認は、例えば、ビルの建設の際あるいは、設備導入の際に確認される場合が多いので、ビル設備管理システム50の導入の前にその接続が明らかであれば、未接続確認工程を省略してもよい。その場合には、次の誤接続有無の検出作業に先立ち、制御部10に各積算電力量計13a〜13dの物理的接続は確認されていることを入力しておく。
【0027】
次に、制御部10は、各積算電力量計13a〜13dの誤接続の検出を行う。
図3のステップS106に示すように、制御部10のCPU22は、
図2に示す停止プログラム24bを実行して各空調機11a〜11dを停止する指令を出力する。この指令によって、制御部10のインターフェース28から各コントローラ12a〜12dに各空調機11a〜11dを停止する信号が出力される。各コントローラ12a〜12dは、この信号が入力されたら、各空調機11a〜11dが運転されている場合は、運転を停止する。そして、コントローラ12a〜12dが居住者等によって手動で運転状態とされないように、オンスイッチをロックするとともに、ディスプレイの「点検中、運転できません」等のメッセージを出力する(停止工程)。
【0028】
次に制御部10は、
図3のステップS107に示すように、第1ブロック100の空調機の台数を示す整数nを1にセットする。n=1であるので、制御部10のCPU22は、
図2に示すデータ取得プログラム24cを実行して
図3のステップS108に示すように、最初の空調機11aを始動する。そして、
図3のステップS109に示すように所定の時間が経過するまで待機する。この間、他の各空調機11b〜11dは停止状態を保っている。また、この間、積算電力量計13aには空調機11aに電力を供給する配線に設置されているクランプ18aによって検出された電流値が入力され、電力量が積算されていく。そして、
図3のステップS109に示すように、所定の時間が経過したら、制御部10は、
図3のステップS110に示すように積算電力量計13aから空調機11aが運転状態の間に積算電力量計13aによって取得した積算電力を取得し、メモリ23に格納する(データ取得工程)。
【0029】
制御部10のCPU22は
図2に示す誤接続判断プログラム24dを実行し、
図3のステップS111に示すように、メモリ23に格納した積算電力量計13aから取得した積算電力値と空調機11aの基準積算電力量との差を計算し、その差と所定の閾値とを比較する。ここで、基準積算電力量とは、空調機11aが上記の所定の時間だけ運転された場合に使用する積算電力量の予想値である。従って、積算電力量計13aが正しく空調機11aに供給或いは使用される電力量を検出している場合には、積算電力量計13aによって取得された積算電力量の値と基準積算電力量とは同一或いは極めて近い数値となり、その差は略ゼロとなる。一方、積算電力量計13aが正しく空調機11aに供給される電力量を検出していない場合には、例えば、第1ブロック100の他の空調機11bに供給される電力量を検出している場合には、空調機11bは停止していることから積算電力量計13aの検出した積算電力量の値は略ゼロとなるので、積算電力量計13aによって取得された積算電力量の値と基準積算電力量には大きな差ができる。そして、制御部10は、
図3のステップS111に示すように、この差が所定の値よりも大きい場合には、積算電力量計13aは、空調機11aへの供給電力を正確に検出していないと判断し、この差が所定の値よりも大きくない場合には、積算電力量計13aは、空調機11aへの供給電力を正確に検出しており、積算電力量計13aは空調機11aに良好に接続されていると判断する。
【0030】
また、制御部10は、ステップS111で積算電力量計13aは空調機11aに良好に接続されていると判断した場合には、
図3のステップS112、ステップS116に示すように、第1ブロック100の空調機の台数を示す整数nを1だけインクリメントして
図3のステップS108に戻り、次の空調機11bを始動し、同様に対応する積算電力量計13bの接続が適切かを確認する。
【0031】
一方、制御部10は、積算電力量計13aは、空調機11aへの供給電力を正確に検出していないと判断した場合には、
図3のステップS113に示すように、この判断が初回のかどうかを判断する。そして、この判断が初回である場合には、
図3のステップS114に示すように、空調機11aを一旦停止し、
図3に示すステップS108に戻って再度空調機11aを始動し、
図3のステップS109に示すように所定時間だけ運転し、
図3のステップS110に示すようにその間に積算電力量計13aが検出した積算電力量の値を取得し、再度
図3のステップS111に示すように、その値と基準積算電力量との差を計算する。そして、その差が所定の閾値より大きい場合には、再び
図3のステップS113に示すようにその差が所定の閾値より大きくなる回数を確認し、2回目の場合には、積算電力量計13aは空調機11aに供給される電力量を検出しておらず、誤接続されていると判断する(誤接続判断工程)。この場合、制御部10は、
図3のステップS115に示すように誤接続があることをディスプレイ21に表示する。
【0032】
そして、制御部10は、
図3のステップS112に示すように第1ブロック100に含まれる空調機11a〜11dの全てに対応する積算電力量計13a〜13dの接続確認をしたかどうかを判断し、まだ第1ブロック100の全ての空調機11a〜11dに対応する積算電力量計13a〜13dの接続確認ができていないと判断した場合には、
図3のステップS116に示すように、第1ブロック100の空調機の台数を示す整数nを1だけインクリメントして
図3のステップS108に戻り、次の空調機11bを始動し、同様に対応する積算電力量計13bの接続が適切かを確認する。そして、
図3のステップS112で全ての積算電力量計13a〜13dの接続を確認したら第1ブロック100の各積算電力量計13a〜13dの誤接続の確認を終了する。
【0033】
制御部10は、第1ブロック100の各積算電力量計の誤接続の確認が終了したら、同様のステップで第2ブロック200〜第4ブロック400の各積算電力量計の誤接続の確認を行っていく。
【0034】
次に、
図4を参照しながら、本実施形態のビル設備管理システム50の他の動作について説明する。
図3を参照して説明した動作と同様の動作については説明を省略する。
図3を参照して説明した動作では、制御部10は、積算電力量計によって取得した電力量と基準積算電力量との差が所定の値よりも大きくない場合には、積算電力量計は良好に接続されていると判断することとして説明したが、制御部10からの指令によって、各コントローラ12a〜12dから各空調機11a〜11dの手動による始動ができないようにロックをかけることができない場合、或いは、空調機11a〜11dの設定温度の変更のみしかロックできない場合には、利用者が手動によって誤接続の検出を行っている空調機を始動させてしまう場合がある。この場合には、積算電力量計13a〜13dと空調機11aから11dとの接続に誤りがあっても見かけ上、積算電力量計から基準電力量に近い消費電力量が検出されてしまい、正確な誤接続の検出ができないことがある。
【0035】
そこで、
図4に示す動作では、制御部10は、積算電力量計によって取得した電力量と基準積算電力量との差が所定の値とよりも大きくない場合が一回認識されたのみでは接続が良好と判断せず、2回検出された場合に初めて接続が良好であると判断するようにしたものである。
図4の動作のステップS201からステップS210、及びステップS212からステップS216までの動作はそれぞれ
図3のステップS101からステップS110、ステップS112からステップS116までの動作と同様である。
【0036】
制御部10は、
図4のステップS211に示すように、積算電力量計によって取得した積算電力量と基準積算電力量との差が所定の値よりも大きくないと判断した場合には、
図4のステップS217に示すように、その差が所定の値よりも大きくなかったのは1回かどうかを判断する。そして、その差が所定の値よりも大きくなかったのが1回であった場合には、
図4のステップS218に示すように、一旦、接続確認を行っている空調機を停止させて
図4のステップS208に戻り、再度その空調機を始動させ、
図4のステップS209に示すように所定時間だけ運転し、
図4のステップS210に示すようにその間に積算電力量計が検出した積算電力量の値を取得し、再度、
図4のステップS211に示すように、その値と基準積算電力量との差を計算する。そして、その差が所定の値よりも大きくない場合には、
図4のステップS217に示すようにその差が所定の値よりも大きくない回数を確認し、2回目の場合には、その積算電力量計は正しい空調機に供給される電力量を検出していると判断する。この場合、制御部10は、
図4のステップS219に示すように接続が良好であることをディスプレイ21に表示する。
【0037】
図4に示した動作のように、積算電力量計によって取得した電力量と基準積算電力量との差の判断を複数回行った上、接続が良好であるとの判断をすることにより、制御部10からの指令によって、各コントローラ12a〜12dの手動操作によって各空調機11a〜11dの始動ができないようにロックをかけることができない場合、或いは、空調機11a〜11dの設定温度の変更のみしかロックできない場合でも、利用者の手動操作による検出誤差を排除してより正確に積算電力量計13a〜13dの誤接続の検出を行うことができる。なお、
図4のステップS218の空調機の停止から
図4のステップS208に示す空調機の再始動までの時間は、ビルの運用に合わせ、利用者が手動で空調機を始動することができないような時期となるように適宜選択すればよい。
【0038】
以上説明した各実施形態では、ブロックの中の1つの空調機のみを運転し、他の空調機を停止するので、簡単に積算電力量計の誤接続を確認することができる。また、ビルの規模が大きい場合には、各ブロックの積算電力量計の誤接続の検出を平行して行うことにより短時間に多くのビル設備の誤接続の確認を行うことができる。
【0039】
以上説明した各実施形態は、空調機へ供給する電力量を検出する積算電力量計の誤接続を検出する場合について説明したが、本発明は、電気で駆動されるビル設備であれば例えば照明装置などの他のビル設備へ供給する電力量を検出する積算電力量計の誤接続を検出する場合にも適用できる。また、本実施形態では、積算電力量計13a〜13dは積算した電力量の値を出力することとして説明したが、たとえば、所定の電力量を検出したらパルス信号を発信するような構成とし、制御部10は所定時間の間にそのパルス数をカウントし、そのパルスの数から所定時間の間に空調機に供給された積算電力量を計算、取得するようにしてもよい。