【課題を解決するための手段】
【0010】
(1) 上記目的を達成する本発明の傘袋は、
細長袋状体を備えてなる傘袋であって、
前記細長袋状体の長手方向の基端部に挿入口部を有し、
前記細長袋状体の長手方向の先端部は、開口可能な閉塞部であり、
前記先端部の内側に吸水材料からなる先端側吸水部が形成され、
前記細長袋状体の内側における前記挿入口部と先端部の間には吸水材料からなる吸水部を有しないものである。
【0011】
傘袋の細長袋状体内に、傘の先端部より、細長袋状体の基端部の挿入口部を通じて傘を挿入して収容することができ、それにより、自他の衣類やその他の物を濡れ傘で濡らすことを防ぐことができる。
【0012】
雨で濡れた傘を収容した場合、細長袋状体の先端部を下側、挿入口部側を上側にすることにより、収容した傘に随伴する雨水が、下側に位置する先端部、すなわち閉塞部へと流下することとなる。
【0013】
閉塞部に水が溜まると、傘を収容した状態で先端部からの水漏れを引き起こすことや、傘を使用するために傘を抜き出して、傘袋をバッグに収容する等して携帯するために細長袋状体を折り畳んだ場合に、閉塞部に溜まった水が挿入口部へ逆流して漏れ出すことが生じ得る。
【0014】
ところが、先端部の内側に吸水材料からなる先端側吸水部が形成されているため、収容した傘に随伴し、下方の先端部へ流下した雨水が、先端側吸水部に吸収されるので、傘を収容した状態で持ち運んで先端部からの水漏れを引き起こすことや、傘を使用するために傘を抜き出して、傘袋をバッグに収容する等して携帯するために細長袋状体を折り畳んだ場合に、閉塞部に溜まった水が挿入口部へ逆流して漏れ出すことが効果的に防がれる。
【0015】
閉塞部は開口可能であるため、傘袋の使用後は、閉塞部を開口することにより、次の使用に備えて先端側吸水部を容易に乾燥させることができる。
【0016】
また、細長袋状体の内側における前記挿入口部と先端部の間には吸水材料からなる吸水部を有しないので、傘袋を折り畳んだ場合に吸水材料により嵩張ることが防がれ、できるだけコンパクト化して携帯や収納を行うことができる。
【0017】
(2) また本発明の傘袋は、
細長袋状体を備えてなる傘袋であって、
前記細長袋状体の長手方向の基端部に挿入口部を有し、
前記細長袋状体の長手方向の先端部は、開口可能な閉塞部であり、
前記先端部の内側に吸水材料からなる先端側吸水部が形成され、
前記細長袋状体の内側における前記挿入口部と先端部の間の何れかの部分の内側に吸水材料からなる中間吸水部が形成され、
前記細長袋状体に、前記中間吸水部を外部に開放可能な中間開閉部を有するものとすることができる。
【0018】
この場合、前記(1)の場合と異なり、細長袋状体の内側における前記挿入口部と先端部の間の何れかの部分の内側に吸水材料からなる中間吸水部が形成されているので、傘袋を折り畳んだ場合に吸水材料により嵩張ることをできるだけ防ぎつつ、全体としての吸水容量を増大させることができる。
【0019】
細長袋状体における中間開閉部により、中間吸水部を外部に開放可能であるため、傘袋の使用後は、中間吸水部を外部に開放することにより、次の使用に備えて中間吸水部を容易に乾燥させることができる。
【0020】
この傘袋は、上記中間吸水部の先端側の位置である中間折曲位置において前記細長袋状体が折り畳まれた状態で保持する中間折畳保持部を有するものとすることができる。
【0021】
この場合、中間折畳保持部により、中間折曲位置において細長袋状体が折り畳まれた状態で保持することにより、細長袋状体の全長程度では長すぎるような折り畳み傘に対応するように全長を短縮した状態として、基端部の挿入口部を通じて傘を挿入して収容することができる。
【0022】
このように折り畳まれた状態の細長袋状体の中間折曲位置付近の内側には、吸水材料からなる中間吸水部が位置するため、収容した傘に随伴し、下方へ流下した雨水が、中間吸水部に吸収されるので、傘を収容した状態で中間折曲位置付近からの水漏れを引き起こすことや、傘を使用するために傘を抜き出して、傘袋をバッグに収容する等して携帯するために細長袋状体を更に折り畳んだ場合に、中間折曲位置付近に溜まった水が挿入口部へ逆流して漏れ出すことが効果的に防がれる。
【0023】
(3) 上記(1)又は(2)の傘袋は、
上記細長袋状体の先端に先端開口部を有し、
その先端開口部よりも基端側の位置である先端折曲位置において前記細長袋状体の先端部が折り畳まれた状態で保持する先端折畳保持部を有し、
前記先端折曲位置において細長袋状体の先端部が折り畳まれた状態が前記先端折畳保持部により保持されることにより、細長袋状体の先端部に上記閉塞部が形成されているものとすることができる。
【0024】
この場合、先端折曲位置において細長袋状体の先端部が折り畳まれた状態が先端折畳保持部により保持されることにより、細長袋状体の先端部に閉塞部が形成され、先端折畳保持部による保持を解除することにより、先端折曲位置において細長袋状体の先端部が折り畳まれていない状態にして先端開口部を開口させることができる。
【0025】
そのため、先端部における閉塞部形成による漏水防止と、先端開口部の開口による先端側吸水部の乾燥を効果的に実現し得る。
【0026】
この傘袋は、上記細長袋状体の内側のうち、先端部における先端折曲位置よりも基端側の内側に先端側吸水部が形成されているものとすることができる。
【0027】
この場合、先端側吸水部が、細長袋状体の内側のうち、先端部における先端折曲位置よりも基端側の内側に形成されているので、細長袋状体の先端部が折り畳まれて閉塞部が形成された状態において先端部が嵩張ることが防がれる。
【0028】
またこの傘袋は、上記先端部が折り畳まれていない状態における上記先端開口部から先端側吸水部にわたり、先端側切込状部が1以上設けられており、
前記先端側切込状部は、少なくとも上記先端折曲位置よりも基部側を開閉し得るものでとすることができる。
【0029】
この場合、傘袋の使用後に先端折畳保持部による保持を解除して先端部が折り畳まれていない状態とし、先端側切込状部を開くことにより閉塞部をできるだけ大きく開口し、先端側吸水部を外部に開放して効率的に乾燥させることができる。
【0030】
傘袋を使用する場合は、先端側切込状部のうち少なくとも上記先端折曲位置よりも基部側を閉じ、先端折曲位置において細長袋状体の先端部を折り畳み、その状態を先端折畳保持部により保持して閉塞部を形成する。
【0031】
(4) 上記(1)、(2)又は(3)の傘袋は、
上記挿入口部の内側に吸水材料からなる挿入口吸水部が形成されているものとすることができる。
【0032】
この場合、傘袋の細長袋状体内に傘を挿入する際に、入り口である挿入口部の内側に形成されている挿入口吸水部により、傘に随伴する雨水をある程度吸収することができるので、傘袋を折り畳んだ場合に吸水材料により嵩張ることをできるだけ防ぎつつ、全体としての吸水容量を増大させることができる。
【0033】
挿入口吸水部は挿入口部の内側に形成されているので、傘袋の使用後は、挿入口部内をできるだけ外部に開放することにより、次の使用に備えて挿入口吸水部を容易に乾燥させることができる。