特許第5688910号(P5688910)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5688910
(24)【登録日】2015年2月6日
(45)【発行日】2015年3月25日
(54)【発明の名称】溶接用チップ
(51)【国際特許分類】
   B23K 9/26 20060101AFI20150305BHJP
【FI】
   B23K9/26 D
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2010-41876(P2010-41876)
(22)【出願日】2010年2月26日
(65)【公開番号】特開2011-177721(P2011-177721A)
(43)【公開日】2011年9月15日
【審査請求日】2012年2月22日
【審判番号】不服2013-24556(P2013-24556/J1)
【審判請求日】2013年12月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001236
【氏名又は名称】株式会社小松製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】新樹グローバル・アイピー特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】有藤 慎平
【合議体】
【審判長】 石川 好文
【審判官】 久保 克彦
【審判官】 長屋 陽二郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭63−80978(JP,A)
【文献】 特開2001−219276(JP,A)
【文献】 特開昭61−86082(JP,A)
【文献】 特開平7−266049(JP,A)
【文献】 特開昭59−183985(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 9/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶接トーチに取り付けられる溶接用チップであって、
前記溶接トーチからの溶接ワイヤが挿通され軸線が直線状である第1の貫通孔が設けられており、通電性を有する材料で形成されたチップ本体と、
前記第1の貫通孔に連通し軸線が直線状である第2の貫通孔が設けられており、絶縁性を有する材料で形成されたガイド部と、
を備え、
前記第2の貫通孔は、前記第1の貫通孔に隣接しており前記第1の貫通孔の内径より大きな内径を有する大径部と、前記大径部の先端側に位置しており先端側ほど内径が小さくなるテーパ部と、を有し、
前記第1の貫通孔の軸線は、前記第2の貫通孔の軸線に対して傾斜しており、
前記第1の貫通孔の軸線は、前記チップ本体の中心軸に対して傾斜しており、
前記第1の貫通孔の先端側の端部での縁部は、前記チップ本体の先端側の端面の中心と一致しており、
前記第1の貫通孔の中心軸は、前記第1の貫通孔の基端側の端部において、前記チップ本体の中心軸と交差し、
前記第1の貫通孔の基端側の端部の中心と前記第2の貫通孔の先端側の端部の中心とは、前記チップ本体の中心軸上に位置する、
溶接用チップ。
【請求項2】
前記第2の貫通孔は、前記テーパ部の先端側に位置しており前記大径部の内径より小さな内径を有する直線状の小径部をさらに有する、
請求項1に記載の溶接用チップ。
【請求項3】
前記大径部と前記テーパ部との境界部は曲面で構成されている、
請求項1又は2に記載の溶接用チップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶接トーチの先端に取り付けられる溶接用チップに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、溶接トーチの先端に取り付けられる通電チップが用いられている。通電チップは貫通孔を有しており、溶接トーチから送られる溶接ワイヤがこの貫通孔に通される。溶接ワイヤは、貫通孔の内面との接触部(以下、「通電点」と呼ぶ)を介して電力を供給される。
一方、アーク溶接では、通電点から溶接ワイヤの先端までの長さを長くすることにより、発熱量を増大させることができる。これにより、溶接ワイヤの溶融効率が向上する。そのためには、溶接ワイヤの突き出し長さを長くする必要がある。ここで、溶接ワイヤの突き出し長さとは、溶接ワイヤのうち通電チップの先端から突き出している部分の長さである。しかし、溶接ワイヤが巻癖を有する場合には、突き出し長さが長くなると、溶接ワイヤの先端を所定の溶接位置に精度よく送ることが困難になる。このため、従来、通電チップの先端に取り付けられるチップガイドが用いられている(特許文献1参照)。チップガイドは、セラミックなどの絶縁性材料で形成されており、通電チップの貫通孔と連通する貫通孔を有している。溶接ワイヤは、溶接トーチから通電チップの貫通孔及びチップガイドの貫通孔を通り、チップガイドの先端から繰り出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−1419号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したように溶接ワイヤは、通電チップに接触することによって電力を供給される。従って、溶接ワイヤが通電チップに接触しない状態では、電力を供給されることができない。このため、図6に示すような従来の通電チップ100及びチップガイド200では、溶接ワイヤWが直線状である場合には、溶接ワイヤWは通電チップ100の狙いとする位置に接触し難い。また、図7に示すように、溶接ワイヤWが曲線状である場合でも、溶接ワイヤWがチップガイド200にのみ接触して(図7の接触点P0参照)、通電チップ100には接触しないことがある。これらのような状況では、溶接ワイヤに安定的に通電することができない。本発明の課題は、通電点から溶接ワイヤの先端までの長さを一定に保ちながら通電することができる溶接用チップを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の態様に係る溶接用チップは、溶接トーチに取り付けられる溶接用チップであって、チップ本体とガイド部とを備える。チップ本体には、溶接トーチからの溶接ワイヤが挿通される第1の貫通孔が設けられている。第1の貫通孔の軸線は直線状である。チップ本体は、通電性を有する材料で形成される。ガイド部には、第1の貫通孔に連通する第2の貫通孔が設けられている。第2の貫通孔の軸線は直線状である。ガイド部は、絶縁性を有する材料で形成される。第2の貫通孔は、大径部とテーパ部とを有する。大径部は、第1の貫通孔に隣接しており、第1の貫通孔の内径より大きな内径を有する。テーパ部は、大径部の先端側に位置している。テーパ部の内径は先端側ほど小さくなる。また、第1の貫通孔の軸線は、第2の貫通孔の軸線に対して傾斜している。第1の貫通孔の軸線は、チップ本体の中心軸に対して傾斜している。第1の貫通孔の先端側の端部での縁部は、チップ本体の先端側の端面の中心と一致している。第1の貫通孔の中心軸は、第1の貫通孔の基端側の端部において、チップ本体の中心軸と交差している。第1の貫通孔の基端側の端部の中心と第2の貫通孔の先端側の端部の中心とは、チップ本体の中心軸上に位置する。
【0006】
本発明の第2の態様に係る溶接用チップは、第1の態様に係る溶接用チップであって、第2の貫通孔は、直線状の小径部をさらに有する。小径部は、テーパ部の先端側に位置しており、大径部の内径より小さな内径を有する。
【0007】
本発明の第3の態様に係る溶接用チップは、第1又は第2の態様に係る溶接用チップであって、大径部とテーパ部との境界部は曲面で構成されている。
【発明の効果】
【0008】
本発明の第1の態様に係る溶接用チップでは、第1の貫通孔の軸線が第2の貫通孔の軸線に対して傾斜している。このため、溶接ワイヤが直線状である場合でも、溶接ワイヤがチップ本体に接触し易い。また、第1の貫通孔に隣接する第2の貫通孔の大径部の内径が、第1の貫通孔の内径よりも大きい。従って、溶接ワイヤが湾曲している場合でも、溶接ワイヤが第2の貫通孔の内面に接触し難い。このため、溶接ワイヤがチップ本体に接触し易い。このように、通電点から溶接ワイヤの先端までの距離が一定となるように溶接ワイヤとチップ本体とを安定的に接触させることができるので、溶接ワイヤに安定的に通電することができる。また、第1の貫通孔の軸線がチップ本体の中心軸に対して傾斜しているため、チップ本体とガイド部とが直線状に組み合わされても、第1の貫通孔の軸線を第2の貫通孔の軸線に対して傾斜させることができる。従って、チップ本体とガイド部との製造が容易になる。また、チップ本体の中心軸方向に関して溶接ワイヤが接触する位置を安定させることができる。これにより、通電点から溶接ワイヤの先端までの距離を一定に維持することができる。また、チップ本体の先端側の部分で溶接ワイヤとチップ本体とを安定的に接触させることができる。
【0009】
本発明の第2の態様に係る溶接用チップでは、テーパ部の先端側に小径部が設けられているので、溶接ワイヤを狙いの位置に精度よく送ることができる。
【0010】
本発明の第3の態様に係る溶接用チップでは、大径部とテーパ部との境界部が曲面で構成されるので、溶接ワイヤの送給を円滑に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態に係る溶接用チップの断面図。
図2】溶接用チップに溶接ワイヤが通されている状態を示す図。
図3】溶接用チップに溶接ワイヤが通されている状態を示す図。
図4】本発明の他の実施形態に係る溶接用チップの断面図。
図5】本発明の参考例に係る溶接用チップの断面図。
図6】従来技術に係る溶接用チップに溶接ワイヤが通されている状態を示す図。
図7】従来技術に係る溶接用チップに溶接ワイヤが通されている状態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の一実施形態に係る溶接用チップ1を図1に示す。この溶接用チップ1は、溶接トーチの先端に取り付けられ、溶接トーチからの溶接ワイヤを案内する。なお、以下の説明では、溶接用チップ1の溶接トーチに取り付けられる側(図1における上側)を「基端側」と呼ぶ。また、基端側の反対側(図1における下側)を「先端側」と呼ぶ。溶接用チップ1は、チップ本体20と、ガイド部30とを備える。
【0013】
チップ本体20は、溶接トーチに取り付けられる部材であり、概ね円筒状の形状を有している。チップ本体20は、銅などの通電性を有する材料で形成されている。チップ本体20には、溶接トーチからの溶接ワイヤが挿通される第1の貫通孔21が設けられている。第1の貫通孔21の軸線X1は直線であり、第1の貫通孔21は直線状の形状を有している。第1の貫通孔21の基端側の端部での中心は、チップ本体20の基端側の端面20aの中心と概ね一致している。また、第1の貫通孔21の先端側の端部での中心は、チップ本体20の先端側の端面20bの中心から偏心している。従って、第1の貫通孔21の軸線X1は、チップ本体20の中心軸Y1に対して傾斜している。より詳細には、第1の貫通孔21の先端側の端部での縁部20cが、チップ本体20の先端側の端面20bの中心と概ね一致している。また、後述するように、第1の貫通孔21の軸線X1は、ガイド部30の第2の貫通孔31の軸線X2に対して傾斜している。第1の貫通孔21の基端側の端部には、テーパ部22が設けられている。テーパ部22は、基端側ほど内径が大きくなる形状を有している。
【0014】
チップ本体20は、第1取付部23と、フランジ部24と、第2取付部25とを有する。第1取付部23は、円筒状の外形を有しており、溶接トーチに取り付けられる部分である。第1取付部23は、チップ本体20において最も基端側に位置している。フランジ部24は、第1取付部23の先端側に位置しており、第1取付部23に繋がっている。フランジ部24は円筒状の外形を有している。フランジ部24の外径は、第1取付部23の外径よりも大きい。従って、フランジ部24は、第1取付部23の側面から径方向に突出する第1段部26を構成している。第1取付部23が溶接トーチに取り付けられるときには、溶接トーチがこの第1段部26に当接することにより、チップ本体20が位置決めされる。第2取付部25は、フランジ部24の先端側に位置しており、フランジ部24と繋がっている。第2取付部25は、チップ本体20において最も先端側に位置している。第2取付部25は、ガイド部30に取り付けられる部分である。第2取付部25は円筒状の外形を有しており、第2取付部25の側面にはネジが設けられている。第2取付部25の外径は、フランジ部24の外径よりも小さい。従って、フランジ部24は、第2取付部25の側面から径方向に突出する第2段部27を構成している。第2取付部25がガイド部30に取り付けられるときには、ガイド部30の基端側の端面30aがこの第2段部27に当接することにより、ガイド部30が位置決めされる。なお、第1取付部23とフランジ部24と第2取付部25とは、一体的に形成されており、一部品で構成されている。
【0015】
ガイド部30は、チップ本体20に取り付けられる部材であり、チップ本体20とは別部品である。ガイド部30は、概ね円筒状の形状を有している。ガイド部30は、コージェライト・セラミックスなどの絶縁性を有する材料で形成されている。ガイド部30には第2の貫通孔31が設けられている。第2の貫通孔31は、ガイド部30がチップ本体20に取り付けられた状態で第1の貫通孔21に連通する。第2の貫通孔31の軸線X2は直線であり、第2の貫通孔31は直線状の形状を有する。第2の貫通孔31は、ガイド部30の中心軸Y2に沿って設けられており、第2の貫通孔31の軸線X2はガイド部30の中心軸Y2と一致している。また、ガイド部30はチップ本体20と同心に配置される。すなわち、ガイド部30の中心軸Y2とチップ本体20の中心軸Y1とは一致している。上述したように、第1の貫通孔21の軸線X1は、チップ本体20の中心軸Y1に対して傾斜している。このため、第1の貫通孔21の軸線X1は、第2の貫通孔31の軸線X2に対して傾斜している。
【0016】
第2の貫通孔31は、第3取付部32と大径部33とテーパ部34と小径部35とを有する。第3取付部32は、ガイド部30において最も基端側に位置している。第3取付部32は、チップ本体20に取り付けられる部分である。より詳細には、第3取付部32には、上述した第2取付部25が挿入される。このため、第3取付部32の側面には、上述した第2取付部25の側面のネジと螺合するネジが設けられている。大径部33は、第3取付部32の先端側に位置しており、第3取付部32と繋がっている。大径部33は、第1の貫通孔21の先端側の端部に隣接している。大径部33は、第1の貫通孔21の内径より大きな内径を有する。大径部33の軸方向寸法は、第3取付部32の軸方向寸法よりも長い。また、大径部33の軸方向寸法は、小径部35の軸方向寸法よりも長い。テーパ部34は、大径部33の先端側に位置しており、大径部33に繋がっている。テーパ部34の内径は、先端側ほど小さくなっている。小径部35は、テーパ部34の先端側に位置しており、テーパ部34と繋がっている。小径部35は、ガイド部30において最も先端側に位置している。小径部35の内径は、大径部33の内径より小さい。なお、第3取付部32と大径部33とテーパ部34と小径部35とは一体的に形成されており、一部品で構成されている。
【0017】
本実施形態に係る溶接用チップ1では、第1の貫通孔21の軸線X1が第2の貫通孔31の軸線X2に対して傾斜している。このため、図2に示すように、溶接ワイヤWが直線状である場合でも、溶接ワイヤWがチップ本体20の先端側の部分に接触し易い(通電点P1参照)。これにより、溶接ワイヤWの先端と通電点との距離Dを一定に保ちながら、溶接ワイヤWに安定的に通電することができる。また、第1の貫通孔21に隣接する第2の貫通孔31の大径部33の内径が、第1の貫通孔21の内径よりも大きい。従って、図3に示すように、溶接ワイヤWが湾曲している場合でも、溶接ワイヤWが第2の貫通孔31の内面に接触し難い。このため、溶接ワイヤWがチップ本体20の先端側の部分に接触し易い(通電点P2参照)。これにより、溶接ワイヤWの先端と通電点との距離Dを一定に保ちながら、溶接ワイヤWに安定的に通電することができる。また、溶接ワイヤWの湾曲が第2の貫通孔31の内面によって無理に抑えられるという状態が生じ難いので、溶接ワイヤWの送給を円滑に行うことができる。
【0018】
また、大径部33の先端側にテーパ部34が設けられているので、溶接ワイヤWを狙いの位置に精度よく送ることができる。さらに、テーパ部34の先端側に小径部35が設けられているので、溶接ワイヤWを狙いの位置に、さらに精度よく送ることができる。
【0019】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0020】
例えば、図4に示すように、大径部33とテーパ部34との境界部36が曲面で構成されてもよい。また、テーパ部34と小径部35との境界部37が曲面で構成されてもよい。これにより、溶接ワイヤWの送給をより円滑に行うことができる。
【0021】
上記の実施形態では、チップ本体20の中心軸Y1に対して第1の貫通孔21の軸線X1が傾斜している。すなわち、第1の貫通孔21はチップ本体20を斜めに貫通するように形成されている。図5に示す参考例にかかる溶接用チップ1では、第1の貫通孔21の軸線X1が第2の貫通孔31の軸線X2に対して傾斜するように、チップ本体20とガイド部30とが取り付けられる。図5に示す溶接用チップ1では、第1の貫通孔21の軸線X1は、チップ本体20の中心軸Y1と一致している。また、第2の貫通孔31の軸線X2は、ガイド部30の中心軸Y2と一致している。ただし、チップ本体20の中心軸Y1がガイド部30の中心軸Y2に対して傾斜するように、チップ本体20とガイド部30とが取り付けられている。これにより、第1の貫通孔21の軸線X1が第2の貫通孔31の軸線X2に対して傾斜している。
【0022】
チップ本体20の外形は必ずしも円筒状に限られない。ガイド部30の外形も必ずしも円筒状に限られない。また、上記の説明において、チップ本体20の中心軸Y1は、チップ本体20の中心軸Y1と平行な線、或いは、チップ本体20の長手方向に沿った線に置き換えられてもよい。また、ガイド部30の中心軸Y2は、ガイド部30の中心軸Y2と平行な線、或いは、ガイド部30の長手方向に沿った線に置き換えられてもよい。
【0023】
チップ本体20とガイド部30との取付手段は、上記のようなネジではなく、嵌め合い等の他の手段であってもよい。
【0024】
ガイド部30において小径部35が設けられなくてもよい。すなわち、第2の貫通孔31において、テーパ部34が最も先端側に位置してもよい。
【0025】
チップ本体20を構成する材料としては、銅に限らず他の通電性材料が用いられてもよい。また、ガイド部30を構成する材料としては、コージェライトに限らずアルミナなどの他のセラミックスが用いられてもよい。また、セラミック以外の絶縁性材料が用いられてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明は、溶接ワイヤに安定的に通電することができる効果を有する。従って、本発明は溶接用チップとして有用である。
【符号の説明】
【0027】
1 溶接用チップ
21 第1の貫通孔
20 チップ本体
31 第2の貫通孔
30 ガイド部
33 大径部
34 テーパ部
35 小径部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7