特許第5689114号(P5689114)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5689114LTE/TDDシステムにおけるダウンリンク/アップリンク割り当て比の動的調整のための方法およびシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5689114
(24)【登録日】2015年2月6日
(45)【発行日】2015年3月25日
(54)【発明の名称】LTE/TDDシステムにおけるダウンリンク/アップリンク割り当て比の動的調整のための方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/12 20090101AFI20150305BHJP
   H04W 72/04 20090101ALI20150305BHJP
【FI】
   H04W72/12 150
   H04W72/04 131
【請求項の数】10
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2012-508600(P2012-508600)
(86)(22)【出願日】2010年4月27日
(65)【公表番号】特表2012-525781(P2012-525781A)
(43)【公表日】2012年10月22日
(86)【国際出願番号】US2010032602
(87)【国際公開番号】WO2010129295
(87)【国際公開日】20101111
【審査請求日】2013年4月26日
(31)【優先権主張番号】61/173,535
(32)【優先日】2009年4月28日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511030954
【氏名又は名称】ゼットティーイー(ユーエスエー) インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100062409
【弁理士】
【氏名又は名称】安村 高明
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】チャン, ウェンフェン
(72)【発明者】
【氏名】ドワン, ユホン
(72)【発明者】
【氏名】フー, チアン
(72)【発明者】
【氏名】マー, チフェン
(72)【発明者】
【氏名】ドゥ, チョンダ
(72)【発明者】
【氏名】ユー, ビン
【審査官】 阿部 圭子
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2008/114694(WO,A1)
【文献】 特表2006−523075(JP,A)
【文献】 Support to Live-Change of Downlink-Uplink Allocation Ratio in LTE/TDD,3GPP TSG RAN WG1 Meeting #52b, R1-081415,2008年 4月 4日
【文献】 Alcatel Shanghai Bell, Alcatel-Lucent,Support to co-existence of different DL/UL allocations for LTE TDD,3GPP TSG-RAN WG1#53b, R1-082498,2008年 7月 4日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 − 7/26
H04W 4/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長期進化(LTE)時分割複信(TDD)システムにおけるダウンリンク/アップリンクリソース割り当て比の動的調整の方法であって、
異なるTDD割り当てパターンを有する少なくとも2つのエリアを分離する地理的保護エリア内において、サブフレームパターンにおける少なくとも1つのアップリンクサブフレームを、ミュートサブフレームおよびミュートアップリンクパイロットタイムスロット(UpPTS)のうちの少なくとも1つと置換することと、
該ミュートサブフレームおよびミュートUpPTSのうちの少なくとも1つが使用されないように、少なくとも1つのモバイル端末からのアップリンク伝送をスケジューリングすることであって、該サブフレームパターンが該ミュートサブフレームおよび該ミュートUpPTSのうちの少なくとも1つを含む場合に、TDD構成指数置換解決法がアップリンク伝送を制御する、こと
TDD割り当て
【数38】

からミュートサブフレームを含むTDD割り当て
【数39】

への機能構成を適用する場合に、TDD構成指標置換
【数40】

を実行することであって、該置換マッピング
【数41】

は、
【数42】

によって決定され、ルックアップテーブルによって決定される、ことと
を含む、方法。
【請求項2】
前記TDD構成指標置換解決法は、ダウンリンクHARQ伝送内におけるACK/NAKタイミングを決定するために使用される、請求項に記載の方法。
【請求項3】
前記TDD構成指標置換解決法は、時間領域におけるランダムアクセスプリアンブル伝送リソースを決定するために使用される、請求項に記載の方法。
【請求項4】
長期進化(LTE)時分割複信(TDD)システムにおけるダウンリンク/アップリンクリソース割り当て比の動的調整のために構成された局であって、
異なるTDD割り当てパターンを有する少なくとも2つのエリアを分離する地理的保護エリア内において、サブフレームパターンにおける少なくとも1つのアップリンクサブフレームを、ミュートサブフレームおよびミュートアップリンクパイロットタイムスロット(UpPTS)のうちの少なくとも1つと置換するように構成されたプロセッサと、
該ミュートサブフレームおよびミュートUpPTSのうちの少なくとも1つが使用されないように、少なくとも1つのモバイル端末からのアップリンク伝送をスケジューリングするように構成されたスケジューラであって、該サブフレームパターンが該ミュートサブフレームおよび該ミュートUpPTSのうちの少なくとも1つを含む場合に、TDD構成指数置換解決法がアップリンク伝送を制御する、スケジューラ
TDD割り当て
【数38】

からミュートサブフレームを含むTDD割り当て
【数39】

への機能構成を適用する場合に、TDD構成指標置換
【数40】

を実行するように構成されたプロセッサであって、該置換マッピング
【数41】

は、
【数42】

によって決定され、ルックアップテーブルによって決定される、プロセッサと
を備えている、局。
【請求項5】
前記TDD構成指標置換解決法は、ダウンリンクHARQ伝送内におけるACK/NAKタイミングを決定するために使用される、請求項に記載の局。
【請求項6】
前記TDD構成指標置換解決法は、時間領域におけるランダムアクセスプリアンブル伝送リソースを決定するために使用される、請求項に記載の局。
【請求項7】
前記局は、基地局である、請求項に記載の局。
【請求項8】
プロセッサによって実行されると、長期進化(LTE)時分割複信(TDD)システムにおけるダウンリンク/アップリンクリソース割り当て比の動的調整の方法を実行する命令を格納したコンピュータ読み取り可能な媒体であって、該方法は、
異なるTDD割り当てパターンを有する少なくとも2つのエリアを分離する地理的保護エリア内において、サブフレームパターンにおける少なくとも1つのアップリンクサブフレームを、ミュートサブフレームおよびミュートアップリンクパイロットタイムスロット(UpPTS)のうちの少なくとも1つと置換することと、
該ミュートサブフレームおよびミュートUpPTSのうちの少なくとも1つが使用されないように、少なくとも1つのモバイル端末からのアップリンク伝送をスケジューリングすることであって、該サブフレームパターンが該ミュートサブフレームおよび該ミュートUpPTSのうちの少なくとも1つを含む場合に、TDD構成指数置換解決法がアップリンク伝送を制御する、こと
TDD割り当て
【数38】

からミュートサブフレームを含むTDD割り当て
【数39】

への機能構成を適用する場合に、TDD構成指標置換
【数40】

を実行することであって、該置換マッピング
【数41】

は、
【数42】

によって決定され、ルックアップテーブルによって決定される、ことと
を含む、コンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項9】
前記TDD構成指標置換解決法は、ダウンリンクHARQ伝送内におけるACK/NAKタイミングを決定するために使用される、請求項に記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項10】
前記TDD構成指標置換解決法は、時間領域におけるランダムアクセスプリアンブル伝送リソースを決定するために使用される、請求項に記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の引用)
本願は、米国仮特許出願第61/173,535号(2009年4月28日出願、名称「Method for Live−Change of Downlink/Uplink Allocation Ratio in LTE/TDD System」)に基づく優先権を主張する。該出願の内容は、その全体が参照により本明細書に引用される。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、概して、動的リソース割り当てに関し、より具体的には、長期進化(LTE)時分割複信(TDD)システムにおけるダウンリンク−アップリンク割り当て比の動的調整のための方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
TDDシステムは、非ペア周波数帯域における帯域幅割り当ての柔軟性と、ダウンリンクとアップリンクとのリソース割り当て比(本明細書において「D/U比」と呼ばれる)に関する選択の柔軟性とを含む。後者は、新たなトラフィックサービス型およびトラフィック量乱流の両方が広範囲のD/U比をもたらすことから、魅力的である。一方、システム全体の同期化の必要性は、従来から、TDDシステムの主な欠点である。この必要性に基づき、全ての基地局または全てのユーザ装置は、システム全体におけるダウンリンク信号とアップリンク信号との間の重複を回避するために、同一のシステムタイミングに従って送信機を停止させなければならない。
【0004】
タイミングの必要性によって、D/U比の柔軟性に関するTDDの特長が弱まり得る。第1に、全ての基地局およびユーザ装置が同期化されるため、システム全体ベースで搬送波周波数につきDU比が1つだけしか存在することができない。第2に、システムのD/U比が一旦決定されると、D/U比を他の値に変更することは、D/U比を同期的に変更する前に全ての送信機が同時に伝送を停止しなければならなくなるため、費用が掛かり得る。このような「コールド再始動」に払われる代償として、膨大なシステム容量の損失およびユーザトラフィックの中断が挙げられる。加えて、システム全体における未完了トラフィックの監視および管理は、費用が掛かり、かつ多大な時間を要する。
【0005】
過去の発明の1つは、以下の2つの目標を達成するために系統的方法を提供する。
i.一方の値から別の値へのシステム全体のD/U比のライブ変更(コールド再始動を含まない)、および
ii.特定の配置エリア内のD/U比の周囲エリアにおけるD/U比とは異なる値へのライブ変更(コールド再始動を含まない)。
【0006】
いくつかのLTE TDDシステムにおける、例示的ダウンリンク−アップリンク割り当てについて表1に明記する。
【0007】
【表1】
LTE−TDDにおけるサブフレームは、ダウンリンクサブフレーム(D)、アップリンクサブフレーム(U)、およびスペシャルサブフレーム(S)であることができ、スペシャルフレームは、3つのフィールド、つまり、ダウンリンクパイロットタイムスロット(DwPTS)、ガードピリオド(GP)、およびアップリンクパイロットタイムスロット(UpPTS)を含む。
【0008】
過去の発明によって、第4のサブフレーム型であるミュートサブフレームMを特定することが提案されている。ミュートサブフレームMは、その全サブフレーム期間中にダウンリンク信号もアップリンク信号も持たないスペシャルサブフレームである。システムが一定のダウンリンクサブフレームをアップリンクサブフレームに変換することを計画する場合、またはその逆の変換を計画する場合、システムは、まずサブフレームをミュートサブフレームMとしてマークしなければならない。ダウンリンクサブフレームまたはアップリンクサブフレームがミュートサブフレームMとしてマークされると、そのサブフレームは、ダウンリンクサブフレームまたはアップリンクサブフレームのいずれかとして再びマークされるまで、いかなる伝送にも使用されることはない。システムは、本来ダウンリンク(または、アップリンク)サブフレームであるミュートサブフレームを、アップリンク(または、ダウンリンク)サブフレームとして使用するように割り当てることができる。ミュートサブフレームMの作成によって、ネットワークは、システム全体で、または一定の配置エリアについてのみ、D/U比を変更することができるようになる。
【0009】
i番目のD/U比に基づくフレーム割り当て構成を、表1において
【0010】
【数1】
として示し、式中、
【0011】
【数2】
は、SIBにおけるTDD割り当て指数ブロードキャストであり、
【0012】
【数3】
は、k番目のサブフレーム
【0013】
【数4】
の割り当て属性(ダウンリンク、アップリンク、またはスペシャルサブフレーム)を表わす。ゆえに、
【0014】
【数5】
であり、式中、D、U、およびSは、それぞれ、表1に示すように、ダウンリンクサブフレーム、アップリンクサブフレーム、およびスペシャルサブフレームを表わす。ダウンリンクとアップリンクとの間のTDD帯域内干渉なしに2つのTDD割り当て構成
【0015】
【数6】
および
【0016】
【数7】
を交換するために、過去の発明の1つは、特別なTDD割り当てパターン
【0017】
【数8】
を作成することを提案しており、任意の
【0018】
【数9】
では、
【0019】
【数10】
である場合、
【0020】
【数11】
であり、
【0021】
【数12】
の場合、
【0022】
【数13】
であり、式中、文字Mは、ミュートされたサブフレームを表わし、
【0023】
【数14】
であり、式中、
【0024】
【数15】
は、割り当てAにおける全てのミュートされた期間をアップリンクチャネルに変換することによって得た割り当てを表わし、同様に、
【0025】
【数16】
は、割り当て
【0026】
【数17】
における全てのミュートされた期間をダウンリンクチャネルに変換することによって得た割り当てを表わす。
【0027】
ミュートインターバルを有するこれらの特別な割り当てパターンは、異なるD/U比を有するエリアを分離する地理的保護帯域に適用される。以下の説明では、両方の表記CおよびCiが使用され、これらは、同一の割り当てパターンを指し、AおよびAiも同様である。
【0028】
LTEシステムにおいて2つのTDD割り当て比変更が提案されており、それぞれ図3および図4に示される。図3は、恐らくは1つまたはそれ以上の他の中間割り当て比にまず変更することによって、任意の他の割り当て比への任意のTDD割り当て比変更を可能にし、一方、図4は、同一の切り替え点周期性を有する別の割り当て比への割り当て比変更のみを可能にする。したがって、図3は、TDD割り当て比が変化するためのより大きな範囲を提供する。しかしながら、LTE標準化団体は、DwPTSを含むサブフレームの任意のダウンリンク部分がミュート不可能であることを確認する。ゆえに、図3におけるA2を置換するために新しい割り当てパターンを定義するべきである。
【0029】
D/U割り当て変更は、ランダムアクセスプリアンブル伝送、セル固有サウンディング参照信号(SRS)伝送、およびダウンリンク/アップリンクハイブリッド自動再送要求(HARQ)プロセス等の、いくつかの物理層機能に対してタイミング影響を及ぼす。
【0030】
ランダムアクセスプリアンブルは、競合ベースのリソース要求を始動するために、モバイル端末によってアップリンク上で伝送される。プリアンブルは、時間において種々のフォーマット長さを有し、
【0031】
【数18】
個の連続アップリンクサブフレームに適合することができる。
【0032】
また、セル固有SRSも、基地局がチャネル品質を測定するために参照信号を提供するように、セル固有アップリンクリソース内においてモバイル端末によって伝送される。各SRS伝送は、1つのサブフレームのみにおいて発生し、複数のサブフレームを横断しない。
【0033】
HARQは、逆の通信リンク上でACK/NAK信号伝達を送信する受信機端によってトラフィック伝送が受信確認されるプロセスであり、トラフィック再伝送は、否受信確認(NAK)時にトリガされ得る。トラフィック(再)伝送と受信確認フィードバック(ACK/NAK)との間の遅延は、標準仕様において既定されている。ミュートサブフレームを実装するダウンリンクおよびアップリンクHARQプロセスについて前述したが、標準仕様および製品実装についていくつかの代替解決法がより単純かつ容易であり得ることが分かる(例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2009年3月24日に出願された、名称が「Dynamic Adjustment and Signaling of Downlink/Uplink Allocation Ratio in LTE/TDD systems」である米国特許出願第12/410,350号参照)。加えて、ミュートサブフレームを有するダウンリンクおよびアップリンクHARQプロセスは、割り当てA2について決して特定されず、ランダムアクセスプリアンブル伝送およびセル固有SRS伝送の両方は、従来技術には見られない。
【0034】
LTE仕様によると、ユーザ装置(UE)は、サブフレームn−kにおける物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)において、トラフィック伝送に対してアップリンクサブフレームnでACK/NAKを伝送し、式中、
【0035】
【数19】
および
【0036】
【数20】
(表2において定義される)は、サブフレームnおよびUL−DL構成に依存するM個の要素
【0037】
【数21】
からなるダウンリンクアソシエーション指数集合と呼ばれる。TDD ACK/NAKバンドリングおよび多重化は、複数のダウンリンクサブフレームにわたるHARQパケット(ACK/NAKバンドリング)、または単一のダウンリンクサブフレームのHARQパケットに対応する、全ての個々のACK/NAKの論理AND演算によって実行される。
【0038】
LTE仕様によると、UEは、ダウンリンクサブフレームnにおけるスケジューリングコマンドまたは否ACK/NAKに基づいて、サブフレームn+kPUSCHにおいて物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)上で新しいデータパケットを伝送するか、または古いデータパケットを再伝送し、UEは、サブフレームnにおけるPUSCH上のトラフィック(再)伝送に対するダウンリンクサブフレームn+kPHICHにおける物理HARQインジケーションチャネル(PHICH)上のACK/NAKを待つ。kPUSCHおよびkPHICHは表3に定義される(米国特許出願第12/410,350号も参照)。
【0039】
【表2】
【0040】
【表3】
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0041】
ここで開示される実施形態は、先行技術で提示される問題のうちの1つ以上に関する問題を解決すること、ならびに添付の図面とともに考慮される時、以下の詳細説明を参照することによって容易に明らかとなる、追加の特長を提供することを目的とする。
【0042】
一実施形態は、長期進化(LTE)時分割複信(TDD)システムにおけるダウンリンク/アップリンクリソース割り当て比の動的調整のための方法およびシステムを対象とする。本方法は、異なるTDD割り当てパターンを有する少なくとも2つのエリアを分離する地理的保護エリア内において、サブフレームパターンにおける少なくとも1つのアップリンクサブフレームを、ミュートサブフレームおよびミュートアップリンクパイロットタイムスロット(UpPTS)のうちの少なくとも1つと置換することを含む。種々の実施形態によると、本方法は、ミュートサブフレームおよび/またはミュートUpPTSのうちの少なくとも1つが使用されないように、少なくとも1つのモバイル端末からのアップリンク伝送をスケジューリングすることをさらに含む。
【0043】
一実施形態によると、単純な解決法もしくはTDD構成指数置換解決法、またはそれらの任意の組み合わせを使用して、ミュートサブフレームまたはミュートUpPTSを伴うアップリンク伝送を制御し得る。
【0044】
別の実施形態は、LTE TDDシステムにおいてダウンリンク/アップリンクリソース割り当て比の動的調整のために構成された局を対象とする。局は、異なるTDD割り当てパターンを有する少なくとも2つのエリアを分離する地理的保護エリア内において、サブフレームパターンにおける少なくとも1つのアップリンクサブフレームを、ミュートサブフレームおよびミュートアップリンクパイロットタイムスロット(UpPTS)のうちの少なくとも1つと置換するように構成されたプロセッサを含む。種々の実施形態によると、局は、ミュートサブフレームおよび/またはミュートUpPTSのうちの少なくとも1つが使用されないように、少なくとも1つのモバイル端末からのアップリンク伝送をスケジューリングするように構成されたスケジューラをさらに含み得る。
【0045】
一定の実施形態によると、単純な解決法もしくはTDD構成指数置換解決法、またはそれらの任意の組み合わせを使用して、ミュートサブフレームまたはミュートUpPTSを伴うアップリンク伝送を制御し得る。
【0046】
さらに別の実施形態は、LTE TDDシステムにおいてダウンリンク/アップリンクリソース割り当て比の動的調整のための方法を実行する命令をそこに格納するコンピュータ可読媒体を対象とする。本方法は、異なるTDD割り当てパターンを有する少なくとも2つのエリアを分離する地理的保護エリア内において、サブフレームパターンにおける少なくとも1つのアップリンクサブフレームを、ミュートサブフレームおよびミュートUpPTSのうちの少なくとも1つと置換することを含み得る。種々の実施形態によると、本方法は、ミュートサブフレームおよび/またはミュートUpPTSのうちの少なくとも1つが使用されないように、少なくとも1つのモバイル端末からのアップリンク伝送をスケジューリングすることをさらに含む。
例えば、本願発明は以下の項目を提供する。
(項目1)
長期進化(LTE)時分割複信(TDD)システムにおけるダウンリンク/アップリンクリソース割り当て比の動的調整の方法であって、
異なるTDD割り当てパターンを有する少なくとも2つのエリアを分離する地理的保護エリア内において、サブフレームパターンにおける少なくとも1つのアップリンクサブフレームを、ミュートサブフレームおよびミュートアップリンクパイロットタイムスロット(UpPTS)のうちの少なくとも1つと置換することと、
該ミュートサブフレームおよびミュートUpPTSのうちの少なくとも1つが使用されないように、少なくとも1つのモバイル端末からのアップリンク伝送をスケジューリングすることと
を含む、方法。
(項目2)
前記サブフレームパターンが前記ミュートサブフレームおよびミュートUpPTSのうちの少なくとも1つを含む場合に、単純停止解決法がアップリンク伝送を制御する、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記少なくとも1つのモバイル端末が、前記ミュートサブフレームおよびミュートUpPTSのうちの少なくとも1つの間、前記アップリンク伝送を回避するように、該ミュートサブフレームおよびミュートUpPTSのうちの少なくとも1つの存在を、前記少なくとも1つのモバイル端末に信号伝達することをさらに含む、項目2に記載の方法。
(項目4)
N個のサブフレームを占有し、かつサブフレーム{t,t+1,・・・,t+N−1}に適合するランダムアクセスプリアンブルを伝送する必要があり、該N個のサブフレームのうちの少なくとも1つがミュートされている場合に、前記モバイル端末が、プリアンブル伝送全体をキャンセルするか、または該サブフレーム{t,t+1,・・・,t+N−2}内においてより短いプリアンブルを伝送することをさらに含む、項目3に記載の方法。
(項目5)
前記プリアンブル伝送全体をキャンセルすること、または前記サブフレーム{t,t+1,・・・,t+N−2}内においてより短いプリアンブルを伝送することについて基地局に報告することをさらに含む、項目4に記載の方法。
(項目6)
前記モバイル端末がその中でセル固有サウンディング参照信号(SRS)を伝送することを可能にされる複数のアップリンクサブフレームが、ミュートサブフレームを含む場合に、該ミュートされたサブフレームにおけるSRS伝送を回避し、他の複数のアップリンクサブフレームのうちの1つ以上において通常のSRS伝送を実行することとをさらに含む、項目3に記載の方法。
(項目7)
アップリンク伝送は、ミュートアップリンクサブフレームに受信確認/否受信確認(ACK/NAK)信号を有するサブフレームにおいてスケジューリングされず、移動局および基地局は、肯定ACKが伝送されたかのように挙動する、項目3に記載の方法。
(項目8)
前記モバイル端末は、1つのアップリンクHARQ初期伝送または再伝送を、その初期伝送または再伝送がミュートされたアップリンクサブフレームに入る場合には送信せず、基地局および該モバイル端末は、その伝送が該モバイル端末によって送信されたが、基地局側で受信失敗をもたらしたかのように挙動する、項目3に記載の方法。
(項目9)
前記サブフレームパターンが前記ミュートサブフレームおよびミュートUpPTSのうちの少なくとも1つを含む場合に、TDD構成指標置換解決法がアップリンク伝送を制御する、項目1に記載の方法。
(項目10)
TDD割り当て
【数38】

からミュートサブフレームを含むTDD割り当て
【数39】

への機能構成を適用する場合に、TDD構成指標置換
【数40】

を実行することをさらに含み、該置換マッピング
【数41】

は、
【数42】

によって決定され、ルックアップテーブルによって決定される、項目9に記載の方法。
(項目11)
前記TDD構成指標置換解決法は、ダウンリンクHARQ伝送内におけるACK/NAKタイミングを決定するために使用される、項目10に記載の方法。
(項目12)
前記TDD構成指標置換解決法は、時間領域におけるランダムアクセスプリアンブル伝送リソースを決定するために使用される、項目10に記載の方法。
(項目13)
長期進化(LTE)時分割複信(TDD)システムにおけるダウンリンク/アップリンクリソース割り当て比の動的調整のために構成された局であって、
異なるTDD割り当てパターンを有する少なくとも2つのエリアを分離する地理的保護エリア内において、サブフレームパターンにおける少なくとも1つのアップリンクサブフレームを、ミュートサブフレームおよびミュートアップリンクパイロットタイムスロット(UpPTS)のうちの少なくとも1つと置換するように構成されたプロセッサと、
該ミュートサブフレームおよびミュートUpPTSのうちの少なくとも1つが使用されないように、少なくとも1つのモバイル端末からのアップリンク伝送をスケジューリングするように構成されたスケジューラと
を備えている、局。
(項目14)
前記サブフレームパターンが前記ミュートサブフレームおよびミュートUpPTSのうちの少なくとも1つを含む場合に、単純停止解決法がアップリンク伝送を制御する、項目13に記載の局。
(項目15)
前記少なくとも1つのモバイル端末が、前記ミュートサブフレームおよびミュートUpPTSのうちの少なくとも1つの間、前記アップリンク伝送を回避するように、該ミュートサブフレームおよびミュートUpPTSのうちの少なくとも1つの存在を、該少なくとも1つのモバイル端末に報告するように構成された送受信機をさらに備えている、項目14に記載の局。
(項目16)
前記モバイル端末が、N個のサブフレームを占有し、かつサブフレーム{t,t+1,・・・,t+N−1}に適合するランダムアクセスプリアンブルを伝送する必要があり、該N個のサブフレームのうちの少なくとも1つがミュートされている場合に、プリアンブル伝送全体をキャンセルするか、または該サブフレーム{t,t+1,・・・,t+N−2}内においてより短いプリアンブルを伝送するように構成されたプロセッサをさらに備えている、項目15に記載の局。
(項目17)
前記プリアンブル伝送全体をキャンセルすること、または前記サブフレーム{t,t+1,・・・,t+N−2}内においてより短いプリアンブルを伝送することについて基地局に報告するように構成された送受信機をさらに備えている、項目16に記載の局。
(項目18)
前記モバイル端末がその中でセル固有サウンディング参照信号(SRS)を伝送することを可能にされる複数のアップリンクサブフレームが、ミュートサブフレームを含む場合、該ミュートされたサブフレームにおけるSRS伝送を回避し、他の複数のアップリンクサブフレームのうちの1つ以上における通常のSRS伝送を実行するように構成された送受信機をさらに備えている、項目15に記載の局。
(項目19)
アップリンク伝送は、ミュートアップリンクサブフレームに受信確認/否受信確認(ACK/NAK)信号を有するサブフレームにおいてスケジューリングされず、移動局および基地局は、肯定ACKが伝送されたかのように挙動する、項目16に記載の局。
(項目20)
前記モバイル端末は、1つのアップリンクHARQ初期伝送または再伝送を、その初期伝送または再伝送がミュートされたアップリンクサブフレームに入る場合に送信せず、基地局および前記モバイル端末は、その伝送が該モバイル端末によって送信されたが、基地局側で受信失敗をもたらしたかのように挙動する、項目15に記載の局。
(項目21)
前記サブフレームパターンが前記ミュートサブフレームおよび前記ミュートUpPTSのうちの少なくとも1つを含む場合に、TDD構成指標置換解決法がアップリンク伝送を制御する、項目13に記載の局。
(項目22)
TDD割り当て
【数43】

からミュートサブフレームを含むTDD割り当て
【数44】

への機能構成を適用する場合に、TDD構成指標置換
【数45】

を実行するように構成されたプロセッサをさらに備え、該置換マッピング
【数46】

は、
【数47】

によって決定され、ルックアップテーブルによって決定される、項目21に記載の局。
(項目23)
前記TDD構成指標置換解決法は、ダウンリンクHARQ伝送内におけるACK/NAKタイミングを決定するために使用される、項目22に記載の局。
(項目24)
前記TDD構成指標置換解決法は、時間領域におけるランダムアクセスプリアンブル伝送リソースを決定するために使用される、項目22に記載の局。
(項目25)
前記局は、基地局である、項目13に記載の局。
(項目26)
プロセッサによって実行されると、長期進化(LTE)時分割複信(TDD)システムにおけるダウンリンク/アップリンクリソース割り当て比の動的調整の方法を実行する命令を格納したコンピュータ可読媒体であって、該方法は、
異なるTDD割り当てパターンを有する少なくとも2つのエリアを分離する地理的保護エリア内において、サブフレームパターンにおける少なくとも1つのアップリンクサブフレームを、ミュートサブフレームおよびミュートアップリンクパイロットタイムスロット(UpPTS)のうちの少なくとも1つと置換することと、
該ミュートサブフレームおよびミュートUpPTSのうちの少なくとも1つが使用されないように、少なくとも1つのモバイル端末からのアップリンク伝送をスケジューリングすることと
を含む、コンピュータ可読媒体。
(項目27)
前記サブフレームパターンが前記ミュートサブフレームおよびミュートUpPTSのうちの少なくとも1つを含む場合に、単純停止解決法がアップリンク伝送を制御する、項目26に記載のコンピュータ可読媒体。
(項目28)
前記方法は、前記少なくとも1つのモバイル端末が、前記ミュートサブフレームおよびミュートUpPTSのうちの少なくとも1つの間、前記アップリンク伝送を回避するように、該ミュートサブフレームおよびミュートUpPTSのうちの少なくとも1つの存在を、該少なくとも1つのモバイル端末に報告することをさらに含む、項目27に記載のコンピュータ可読媒体。
(項目29)
前記方法は、前記モバイル端末が、N個のサブフレームを占有し、かつサブフレーム{t,t+1,・・・,t+N−1}に適合するランダムアクセスプリアンブルを伝送する必要があり、該N個のサブフレームのうちの少なくとも1つがミュートされている場合に、プリアンブル伝送全体をキャンセルするか、またはサブフレーム{t,t+1,・・・,t+N−2}内においてより短いプリアンブルを伝送することをさらに含む、項目28に記載のコンピュータ可読媒体。
(項目30)
前記方法は、前記プリアンブル伝送全体を前記キャンセルすること、または前記サブフレーム{t,t+1,・・・,t+N−2}内においてより短いプリアンブルを伝送することについて基地局に報告することをさらに含む、項目29に記載のコンピュータ可読媒体。
(項目31)
前記方法は、前記モバイル端末がその中でセル固有サウンディング参照信号(SRS)を伝送することを可能にされる複数のアップリンクサブフレームが、ミュートサブフレームを含む場合に、該ミュートされたサブフレームにおけるSRS伝送を回避し、他の複数のアップリンクサブフレームのうちの1つ以上において通常のSRS伝送を実行することをさらに含む、項目28に記載のコンピュータ可読媒体。
(項目329
アップリンク伝送は、ミュートアップリンクサブフレームに受信確認/否受信確認(ACK/NAK)信号を有するサブフレームにおいてスケジューリングされず、移動局および基地局は、肯定ACKが伝送されたかのように挙動する、項目28に記載のコンピュータ可読媒体。
(項目33)
前記モバイル端末は、1つのアップリンクHARQ初期伝送または再伝送を、その初期伝送または再伝送がミュートされたアップリンクサブフレームに入る場合に送信せず、基地局および該モバイル端末は、その伝送が該モバイル端末によって送信されたが、基地局側で受信失敗をもたらしたかのように挙動する、項目28に記載のコンピュータ可読媒体。
(項目34)
前記サブフレームパターンが前記ミュートサブフレームおよびミュートUpPTSのうちの少なくとも1つを含む場合に、TDD構成指標置換解決法がアップリンク伝送を制御する、項目26に記載のコンピュータ可読媒体。
(項目35)
前記方法は、TDD割り当て
【数48】

からミュートサブフレームを含むTDD割り当て
【数49】

への機能構成を適用する場合に、TDD構成指標置換
【数50】

を実行することをさらに含み、該置換マッピング
【数51】

は、
【数52】

によって決定され、ルックアップテーブルによって決定される、項目34に記載のコンピュータ可読媒体。
(項目36)
前記TDD構成指標置換解決法は、ダウンリンクHARQ伝送内におけるACK/NAKタイミングを決定するために使用される、項目35に記載のコンピュータ可読媒体。
(項目37)
前記TDD構成指標置換解決法は、時間領域におけるランダムアクセスプリアンブル伝送リソースを決定するために使用される、項目35に記載のコンピュータ可読媒体。
【0047】
本開示のさらなる特徴および利点、ならびに本開示の種々の実施形態の構造および動作について、添付の図面を参照して以下に詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0048】
1つ以上の種々の実施形態に従う本開示について、以下の図面を参照して詳細に説明する。図面は、図説のみを目的として提供され、本開示の例示的実施形態を表すに過ぎない。これらの図面は、読者の本開示に対する理解を促進するために提供され、本開示の広さ、範囲、または適用性を制限すると考えられてはならない。図説の明確化および容易性のため、これらの図面は必ずしも一定の縮尺ではないことに留意されたい。
図1図1は、一実施形態に従う、伝送を送信および受信するための例示的無線通信システムを示す。
図2図2は、一実施形態に従う、地理的保護帯域およびミュートサブフレームを活用する、異なるTDD割り当てパターンの例示的共存を示す。
図3図3は、一実施形態に従う、LTE TDDシステムにおけるダウンリンク−アップリンク割り当て比変更を示す。
図4図4は、一実施形態に従う、LTE TDDシステムにおけるダウンリンク−アップリンク割り当て比変更を示す。
図5図5は、一実施形態に従う、LTE TDDシステムにおけるダウンリンク−アップリンク割り当て比変更シナリオを示す。
図6図6は、一実施形態に従う、LTE TDDシステムにおけるダウンリンク/アップリンクリソース割り当て比の動的調整のための方法を図示するフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
以下の説明は、当業者が本発明を作製および使用することを可能にするように提示される。特定の機器、技法、および用途の説明は例としてのみ提供される。本明細書に説明する例に対する種々の修正は、当業者には容易に明らかになると考えられ、本明細書に説明する一般的な原則は、本発明の精神および範囲を逸脱することなく、他の例および用途に適用され得る。このように、本発明は、本明細書に説明および図示する例に限定されることを意図せず、請求項に従う範囲に合致するものである。
【0050】
本明細書では、「例示的」という用語は、「例または説明として機能すること」を意味するように使用される。本明細書において「例示的」として説明される一切の局面または設計は、必ずしも他の局面または設計より好ましいまたは有利であるものとして解釈されるべきではない。
【0051】
ここで、対象となる技術の局面を詳細に参照することになるが、これらの例は添付の図面に示され、その中で、同様な参照番号は、図面全体で同様な要素を参照する。
【0052】
本明細書に開示するプロセスにおけるステップの特定の順序または階層が、例示的手法の例であることを理解されたい。設計の好ましさに基づいて、プロセスにおけるステップの特定の順序または階層が、本開示の範囲内にとどまる上で再配置され得ることが理解される。添付の方法の請求項は、実例の順序における種々のステップの要素を提示し、提示される特定の順序または階層に限定されることを意図しない。
【0053】
図1は、本開示の一実施形態に従う、伝送を送信および受信するための例示的な無線通信システム100を示す。システム100は、本明細書において詳細に説明する必要のない周知または従来の動作特徴に対応するように構成される構成要素および要素を含み得る。システム100は、概して、基地局送受信機モジュール103、基地局アンテナ106、基地局プロセッサモジュール116、および基地局メモリモジュール118を含む基地局102を備えている。システム100は、概して、移動局送受信機モジュール108、移動局アンテナ112、移動局プロセッサモジュール122、および移動局メモリモジュール120を含む移動局104と、ネットワーク通信モジュール126とを備えている。当然ながら、基地局102および移動局104の両方は、本発明の範囲から逸脱することなく、追加または代替のモジュールを含み得る。さらに、例示的システム100に示されるのは1つの基地局102および1つの移動局104だけであるが、任意の数の基地局102および移動局104が含まれ得る。
【0054】
システム100のこれらの要素および他の要素は、データ通信バス(例えば、128、130)、または任意の適切な相互接続配置を使用して、共に相互接続され得る。このような相互接続によって、無線システム200の種々の要素間の通信が促進される。本明細書に開示する実施形態に関連して説明する種々の例証的なブロック、モジュール、回路、および処理論理が、ハードウェア、コンピュータ可読ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の実用的な組み合わせで実装され得ることを、当業者は理解する。ハードウェア、ファームウェア、およびソフトウェアのこの相互交換性および互換性を明確に示すため、種々の例証的な構成要素、ブロック、モジュール、回路、およびステップは、概して、これらの機能性に関して説明される。このような機能性がハードウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとして実装されるか否かは、システム全体に課される、特定の用途および設計制約に依存する。本明細書に説明する概念に精通する者は、各特定の用途に適切な様式においてこのような機能性を実装することができるが、このような実装の決定は、本発明の範囲からの逸脱を生じるものとして解釈されてはならない。
【0055】
例示的システム100では、基地局送受信機103および移動局送受信機108の各々は、送信機モジュールおよび受信機モジュール(図示せず)を備えている。加えて、この図には示されないが、当業者は、送信機が、2台以上の受信機へ送信し得、複数の送信機が、同じ受信機へ送信し得ることを認識するであろう。TDDシステムでは、送信および受信タイミングのギャップは、送信から受信への移行に対し保護するための、およびその逆のための保護帯域として存在する。
【0056】
図1に示す特定の実施例1システムにおいて、「アップリンク」送受信機108は、アップリンク受信機とアンテナを共有する送信機を含む。二重スイッチは、時間多重の様式で、アップリンク送信機または受信機を交替でアップリンクのアンテナに連結し得る。同様に、「ダウンリンク」送受信機103は、ダウンリンクアンテナをダウンリンク送信機と共有する受信機を含む。ダウンリンク二重スイッチは、時間多重の様式で、ダウンリンク送信機または受信機を交替でダウンリンクのアンテナに連結し得る。
【0057】
移動局送受信機108および基地局送受信機103は、無線データ通信リンク114を介して通信するように構成される。移動局送受信機108および基地局送受信機102は、特定の無線通信プロトコルおよび変調スキームに対応可能である適切に構成されたRFアンテナ配置106/112と連携する。例示的実施形態では、移動局送受信機108および基地局送受信機102は、第3世代パートナーシッププロジェクト長期進化(3GPP LTE)、第3世代パートナーシッププロジェクト2ウルトラモバイルブロードバンド(3Gpp2 UMB)、時分割同期コード分割複数アクセス(TD−SCDMA)、およびマイクロ波アクセスのためのワイヤレス相互運用(WiMAX)等の業界標準に対応するように構成される。移動局送受信機108および基地局送受信機102は、802.16e、802.16m等、IEEE802.16の将来のバージョンを含む、代替、または追加の無線データ通信プロトコルに対応するように構成され得る。
【0058】
一定の実施形態によると、基地局102は、無線リソースの割り当ておよび配分を制御し、移動局104は、配分プロトコルを復号し、解釈するように構成される。例えば、このような実施形態は、1つの基地局102が制御する同じ無線チャネルを複数の移動局104が共有するシステムにおいて用いられ得る。しかしながら、代替実施形態では、移動局104は、特定のリンクの無線リソースの割り当てを制御し、本明細書に説明するように、無線リソースの制御器または配分器の役割を実装し得る。
【0059】
プロセッサモジュール116/122は、本明細書に説明する機能を実施するように設計される、汎用プロセッサ、コンテンツアドレス可能メモリ、デジタル信号プロセッサ、用途特定集積回路、フィールドプログラム可能ゲートアレイ、任意の適切なプログラム可能論理デバイス、個別ゲートもしくはトランジスタ論理、個別ハードウェア構成要素、またはそれらの任意の組み合わせを用いて、実装または実現され得る。この様式において、プロセッサは、マイクロプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、状態機械、またはその同等物として実現され得る。プロセッサはまた、例えば、デジタル信号プロセッサおよびマイクロプロセッサ、複数のプロセッサ、デジタル信号プロセッサコアを併せ持つ1つ以上のマイクロプロセッサ、または任意の他のこのような構成等の、コンピューティング機器の組み合わせとして実装され得る。プロセッサモジュール116/122は、システム100の動作に関連付けられる機能、技法、および処理タスクを実行するように構成される処理論理を備えている。具体的には、処理論理は、本明細書に説明するフレーム構造パラメータに対応するように構成される。実用的な実施形態では、処理論理は、基地局の中に存在し得、および/または基地局送受信機103と通信するネットワークアーキテクチャの一部であり得る。
【0060】
本明細書に開示する実施形態に関して説明する方法またはアルゴリズムのステップは、ハードウェア、ファームウェア、プロセッサモジュール116/122によって実行されるソフトウェアモジュール、またはこれらの任意の実用的な組み合わせにおいて直接具現化され得る。ソフトウェアモジュールは、メモリモジュール118/120に存在し得、メモリモジュール118/120は、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD−ROM、または当技術分野において既知である任意の他の形式のストレージ媒体として実現され得る。これに関し、メモリモジュール118/120は、プロセッサモジュール116/120がメモリモジュール118/120から情報を読み出し、メモリモジュール118/120に情報を書き込むことができるように、それぞれ、プロセッサモジュール118/122に連結され得る。例として、プロセッサモジュール116およびメモリモジュール118、プロセッサモジュール122およびメモリモジュール120は、そのそれぞれのASICに存在し得る。また、メモリモジュール118/120は、プロセッサモジュール116/120に一体型であり得る。ある実施形態では、メモリモジュール118/220は、プロセッサモジュール116/222により実行される命令の実行中に、一時的な変数または他の中間情報を格納するためのキャッシュメモリを含み得る。また、メモリモジュール118/120は、プロセッサモジュール116/120により実行される命令を格納するための不揮発性メモリも含み得る。
【0061】
本発明の例示的実施形態によると、メモリモジュール118/120は、フレーム構造データベース(図示せず)を含み得る。フレーム構造パラメータデータベースは、以下に説明する様式で、システム100の機能に対応するように、必要に応じて、データを格納、維持、および提供するように構成され得る。さらに、フレーム構造データベースは、プロセッサ116/122に連結されるローカルデータベースであり得、または、遠隔データベース、例えば、中央ネットワークデータベースおよびその同等物であり得る。フレーム構造データベースは、以下に説明するように、これに限定されず、フレーム構造パラメータを維持するように構成され得る。この様式において、フレーム構造データベースは、フレーム構造パラメータを格納する目的のルックアップテーブルを含み得る。
【0062】
ネットワーク通信モジュール126は、概して、基地局送受信機103と、基地局送受信機103が接続されるネットワーク構成要素との間の双方向通信を可能にする、システム100のハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、処理論理、および/または他の構成要素を表す。例えば、ネットワーク通信モジュール126は、インターネットまたはWiMAXトラフィックに対応するように構成され得る。典型的な配備において、これに制限されず、ネットワーク通信モジュール126は、802.3イーサネット(登録商標)インターフェースを提供するので、基地局送受信機103は、従来のイーサネット(登録商標)ベースのコンピュータネットワークと通信することができる。この様式において、ネットワーク通信モジュール126は、コンピュータネットワーク(例えば、移動交換センター(MSC))への接続のための物理的インターフェースを含み得る。
【0063】
ダウンリンクおよびアップリンクの両方において、経時的な無線信号伝送は、周期的フレーム(または、サブフレーム、スロット等)に分割される。各無線フレームは、データシンボル(DS)および参照シンボル(RS)を含む複数の時間シンボルを含む。データシンボルは、データ情報を搬送し、一方、参照シンボルは、送信機および受信機の両方において既知であり、チャネル推定目的に使用される。本開示に説明する機能を、基地局102または移動局104のいずれかが実行し得ることに留意されたい。移動局104は、携帯電話機等のユーザ機器であり得、また、移動局は、ユーザ装置(UE)とも呼ばれ得る。
【0064】
本明細書に開示する実施形態は、第4世代無線システムの候補の1つである長期進化(LTE)システムに限定されない特定の用途を有する。LTEシステムでは、例えば、移動局104から基地局102に伝送する必要のある2つのアップリンク制御メッセージが存在し得る。これらのうちの1つは、ACK/NACK信号伝達であり、これは、ダウンリンクHARQ伝送に対する受信確認としての役割を果たす。1ビットのACK/NACKは、1つのダウンリンクHARQチャネルに対応し、そのダウンリンクHARQチャネル上の最新パケットの受信を成功したか否かを標示する。ACKは、ダウンリンクHARQパケットの成功受信時に送信され、成功しない場合、NACKが送信される。LTEシステムにおいて、ACK/NACKメッセージ毎に、1ビットの(NACK=1)または2ビットの(NACK=2)ACK/NACKが存在することができる。
【0065】
上述のように、LTEシステムにおいて2つのTDD割り当て比変更が提案されており、図3および図4にそれぞれ示される。図3は、恐らくは1つまたはそれ以上の他の中間割り当て比にまず変更することによって、任意の他の割り当て比への任意のTDD割り当て比変更を可能にし、一方、図4は、同一の切り替え点周期性を有する別の割り当て比への割り当て比変更のみを可能にする。したがって、図3は、TDD割り当て比が変化するためのより大きな範囲を提供する。しかしながら、LTE標準化団体は、DwPTSを含むサブフレームの任意のダウンリンク部分がミュート不可能であることを確認する。ゆえに、図3におけるA2を置換するために新しい割り当てパターンを定義するべきである。
【0066】
図5は、一実施形態に従う、LTE TDDシステムにおけるダウンリンク−アップリンク割り当て比変更シナリオを示す。比率交換毎の無線フレーム当たりのミュートサブフームの数が最小であるという例示的基準に基づいて、提案されるTDD割り当て比調整シナリオと、ミュートサブフレーム(Mで示される)を含む割り当てパターンとが図5に示される。図5における新しい提案が、その割り当てパターンA2について図3および図4とは異なることに留意されたい。割り当てパターンA2のサブフレーム割り当てパターンは、「DSUDDDSMDD」であり、ここで、Sは、UpPTS部分がミュートされるスペシャルサブフレームを表わす。
【0067】
表4は、割り当て比(すなわち、動的割り当て比)のライブ変更に対応するミュートサブフレームを有する例示的ダウンリンク−アップリンク割り当てを提供し、既存の割り当てと、ミュートサブフレームを有する新しい割り当てとの間の関係を示し、ここで、「Ui」は、無線フレームにおける1番目のサブフレームをサブフレーム0と見なすことによって、サブフレームオフセットがiであるアップリンクサブフレームを指す。
【0068】
【表4】
例えば、ダウンリンク/アップリンクHARQプロセス、ランダムアクセスプリアンブル伝送、およびセル固有SRS伝送等の物理層機能がミュートサブフレームと連携するように支援するために、2つの解決法、つまり「単純停止」解決法と、「TDD構成指標置換」解決法とが存在し得る。
【0069】
(単純停止解決法)
モバイル端末が、ミュートサブフレームの存在について、上位層信号伝達によって報告を受ける場合、モバイル端末は、ミュートされたサブフレームまたはミュートされたUpPTSの間にその伝送を単に停止することができる。このような挙動は、基地局側で予測可能であるため、基地局は、ミュートされたサブフレームまたはミュートされたUpPTSにおいてモバイル端末から任意のアップリンク信号を受信することを試みない。
【0070】
ランダムアクセスプリアンブル伝送における「単純停止」によると、適合する
【0071】
【数22】
個の連続アップリンクサブフレームを必要とする所定のプリアンブルフォーマットに対し、その伝送が、サブフレーム{t,t+1,・・・,t+N−1}において実行されることが想定される。このプリアンブルの伝送が、ミュートされたアップリンクサブフレームに遭遇する場合、そのミュートサブフレームは、ミュートされたアップリンクサブフレームには別のアップリンクサブフレームの後続がないことから、サブフレームt+N−1であり得る。ゆえに、モバイル端末は、この長さNのプリアンブルを全く送信することができないか、N>1である場合にアップリンクサブフレーム{t,t+1,・・・,t+N−2}に適合するより短いプリアンブルを送信することができる。いずれの場合でも、モバイル端末の挙動は、基準により規定され得るため、基地局に既知である。
【0072】
セル固有SRS伝送における「単純停止」によると、その中においてモバイル端末がSRSを伝送することを可能にする複数のアップリンクサブフレームが、ミュートサブフレームを含む場合、モバイル端末は、これらのミュートサブフレームにおけるSRS伝送を回避し得るが、他の可能なアップリンクサブフレームにおいてSRS伝送を実行し得る。
【0073】
ダウンリンクHARQプロセスにおける「単純停止」によると、モバイル端末は、そのACK/NAKがミュートされたアップリンクサブフレームに入る場合に、ACK/NAKを送信しないことがある。基地局およびモバイル端末の両方は、一定の実施形態によると、このACK/NAK信号伝達に対する肯定的ACKが送信されたかのように挙動することができる。
【0074】
アップリンクHARQプロセスにおける「単純停止」によると、モバイル端末が、1つのHARQ初期伝送または再伝送がミュートされたアップリンクサブフレームに入り得ることを予測する場合、モバイル端末は、種々の実施形態によると、単に、初期伝送または再伝送を全く送信しないことがあり、基地局およびモバイル端末の両方は、その伝送がモバイル端末によって実行されたが、基地局側で受信失敗をもたらしたかのように挙動することができる。
【0075】
(TDD構成指標置換解決法)
任意の新しい割り当てパターン
【0076】
【数23】
に対して
【0077】
【数24】
であるような1つの通常のTDD割り当て
【0078】
【数25】
が存在し得、これは、
【0079】
【数26】
としての「アクティブ」アップリンクサブフレームの同じ集合を有する通常のTDD割り当て
【0080】
【数27】
が存在し得ることを意味する。ゆえに、基地局およびモバイル端末は、性能が「アクティブ」アップリンクサブフレームに大幅に依存するこれらの物理層に対して、割り当て
【0081】
【数28】
から割り当て
【0082】
【数29】
への対応するタイミング関係を借用することができる。言い換えると、モバイル端末は、割り当て
【0083】
【数30】
に対して機能構成を適用する場合に、TDD構成指標置換
【0084】
【数31】
を実行するべきである。全ての
【0085】
【数32】
に対する完全なTDD構成指標置換は、以下の表5に提供される。指標置換の本概念は、ダウンリンクHARQおよびl={0,1,3,4,6}に当てはまる。本明細書に説明する実施形態によると、指標置換は、ランダムアクセスプリアンブル伝送およびl=2に対しても機能する。
【0086】
【表5】
「単純停止」解決策は、既存のモバイル端末および新しくリリースされるモバイル端末の両方に対して、割り当て
【0087】
【数33】
におけるTDD割り当て
【0088】
【数34】
に対してここで定義された単一のタイミング関係を維持する。しかしながら、ダウンリンクHARQプロセスのACK/NAK信号伝達の停止によって、深刻な性能劣化が引き起こされ得る。一方、「TDD構成指標置換」解決法は、最大数の通常のダウンリンクHARQプロセスを遂行するが、2つの異なるACK/NAKタイミング(一方のタイミングは既存のモバイル端末のためのものであり、別のタイミングは、新しくリリースされるモバイル端末のものである)の共存を含む。実際は、これらの2つの解決法は、異なる機能について使用することができ、例えば、「TDD構成指標置換」をダウンリンクHARQプロセスにおいて使用して、トラフィック性能を保証することができ、一方、「単純停止」解決法を、ランダムアクセスプリアンブル伝送、セル固有SRS伝送、およびアップリンクHARQ伝送等の他の機能に使用することができる。当然ながら、これは、単に、解決法の例示的組み合わせであり、種々の他の組み合わせが当業者に明白であるだろう。
【0089】
実装において、一定の実施形態によると、上述の機構およびその変形例は、コンピュータソフトウェア命令またはファームウェア命令として実装され得る。このような命令は、図1に関して上述したように、1つ以上のコンピュータまたはデジタル信号プロセッサおよびマイクロプロセッサ等のデジタルプロセッサに接続された1つ以上の機械可読ストレージ機器を備えている物品に格納され得る。通信システムにおいて、TDD割り当て比調整およびそのプロセスは、送信機またはその送信制御器におけるプロセッサによる実行のためのソフトウェア命令またはファームウェア命令の形式で、実装され得る。動作の際、命令は、1つ以上のプロセッサによって実行されて、送信機またはその送信制御器および受信機または受信機制御器に、上述の機能および動作を実行させる。
【0090】
図6は、一実施形態に従う、LTE TDDシステムにおけるダウンリンク/アップリンクリソース割り当て比の動的調整のための方法を図示するフロー図である。図6を参照すると、動作600のように、プロセッサモジュール116または122は、例えば、異なるTDD割り当てパターンを有する少なくとも2つのエリアを分離する地理的保護エリア内において、サブフレームパターンにおける少なくとも1つのアップリンクサブフレームを、ミュートサブフレームおよびミュートUpPTSのうちの少なくとも1つと置換する。
【0091】
再び図5を参照すると、割り当てパターンA2は、そのサブフレーム割り当てパターンが「DSUDDDSMDD」である。ここでSは、UpPTS部分がミュートされるスペシャルサブフレームを表わす。表4(例えば、ルックアップテーブル)は、メモリモジュール118および/または120に格納され、プロセッサモジュール116および/または122によってアクセス可能であり得る。表4は、割り当て比(すなわち、動的割り当て比)のライブ変更に対応するために、ミュートサブフレームを有する例示的ダウンリンク−アップリンク割り当てを提供し、既存の割り当てと、ミュートサブフレームを有する新しい割り当てとの間の関係を示し、ここで、「Ui」は、無線フレームにおける1番目のサブフレームをサブフレーム0と見なすことによって、サブフレームオフセットがiであるアップリンクサブフレームを指す。
【0092】
動作600から、プロセスは、動作610〜620に継続し、動作610〜620において、プロセッサモジュール116および/または122の一部としてのスケジューラは、ミュートサブフレームおよびミュートUpPTSのうちの少なくとも1つが使用されないように、少なくとも1つのモバイル端末からのアップリンク伝送をスケジューリングする。
【0093】
アップリンク伝送は、単純停止解決法(動作610)および/またはTDD構成指標置換解決法(動作620)を使用してスケジューリングされ得る。2つの解決法は、伝送中に、排他的に使用されてもよく、または任意の組み合わせおよび任意の順番で使用され得る。単純停止解決法610によると、モバイル端末104が、ミュートサブフレームの存在について、上位層信号伝達によって報告を受ける場合、モバイル端末104は、ミュートされたサブフレームまたはミュートされたUpPTSの間にその伝送を単に停止することができる。このような挙動は、基地局側で予測可能であるため、基地局102は、ミュートされたサブフレームまたはミュートされたUpPTS内のモバイル端末から任意のアップリンク信号を受信することを試みない。
【0094】
TDD構成指標置換解決法によると、モバイル端末104は、例えば、割り当て
【0095】
【数35】
に対して機能構成を適用する場合に、TDD構成指標置換
【0096】
【数36】
を実行することができる。全ての
【0097】
【数37】
の完全なTDD構成指標置換は、ルックアップテーブル(例えば、表5)に提供され、ルックアップテーブルは、メモリモジュール118および/または120に格納され、プロセッサモジュール116および/または122によってアクセス可能であり得る。
【0098】
本プロセスは、ミュートサブフレームMおよびミュートUpPTSのうちの少なくとも1つの存在をモバイル端末104に信号伝達(あるいは、標示)する動作630をさらに含み得る。結果として、単純停止解決法では、例えば、モバイル端末104は、この長さNのプリアンブルを全く送信することができないか、または例えば、N>1である場合にアップリンクサブフレーム{t,t+1,・・・,t+N−2}に適合するより短いプリアンブルを送信することができる。
【0099】
上述のように、これらの2つの解決法は、異なる機能について使用することができ、例えば、TDD構成指標置換解決法をダウンリンクHARQプロセスにおいて使用して、トラフィック性能を保証することができ、一方、「単純停止」解決法を、ランダムアクセスプリアンブル伝送、セル固有SRS伝送、およびアップリンクHARQ伝送等の他の機能に使用することができる。当然ながら、これは、単に、解決法の例示的組み合わせであり、種々の他の組み合わせが当業者に明白であるだろう。
【0100】
本発明の種々の実施形態について上記に説明したが、これらはほんの例として提示されており、制限する目的で提示されていないことを理解されたい。同様に、種々の図面は、開示のための例示的アーキテクチャまたは他の構成を表し得、これは、本開示に含まれ得る特徴および機能を理解する際に支援となるよう行われる。本開示は、図説される例示的基本設計概念または構成に限定されず、多様な代替アーキテクチャおよび構成を使用して実装され得る。加えて、本開示は、種々の例示的実施形態および実装の観点から上記に説明されるが、個々の実施形態のうちの1つ以上で説明される種々の特徴および機能が、その適用性において、説明される特定の実施形態に限定されないことを理解されたい。代わりに、これらは、実施形態の一部であるとして提示されるようにこのような実施形態が説明されるか否かにかかわらず、およびこのような特徴が提示されるか否かにかかわらず、単独またはいくつかの組み合わせにおいて、本開示の他の実施形態のうちの1つ以上に適用することができる。このように、本開示の広さおよび範囲は、上述の例示的実施形態のいずれによっても制限されてはならない。
【0101】
本書において、ここで使用される「モジュール」という用語は、本明細書に説明する関連機能を実施するための、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、およびこれらの要素の任意の組み合わせを指す。加えて、説明目的のために、種々のモジュールは別個のモジュールとして説明されるが、当業者には明らかであるように、本発明の実施形態による関連機能を実施する単一モジュールを形成するように、2つ以上のモジュールが組み合わされ得る。
【0102】
本書では、「コンピュータプログラム製品」、「コンピュータ可読媒体」、およびその同等物等の用語は、概して、メモリストレージ機器、またはストレージユニット等の媒体を指すために使用され得る。これらの形式および他の形式のコンピュータ可読媒体は、プロセッサに特定の動作を実施させるように、プロセッサによって使用されるための1つ以上の命令を格納することに関連し得る。このような命令は、概して、実行時にコンピューティングシステムを有効にする、「コンピュータプログラムコード」(コンピュータプログラムまたは他のグループの形式にグループ化され得る)と称される。
【0103】
明確化の目的のために、上記の説明は、異なる機能ユニットおよびプロセッサを参照して本発明の実施形態について説明したことを理解されたい。しかしながら、異なる機能ユニット、プロセッサ、またはドメインの間での任意の適切な分配を、本発明を逸脱することなく使用し得ることを理解されたい。例えば、個別のプロセッサまたは制御器によって実施されるように示される機能は、同じプロセッサ、または制御器によって実施され得る。したがって、特定の機能ユニットへの参照は、厳密な論理または物理構造または編成を示すものではなく、説明された機能を提供するための適切な手段への参照に過ぎないと考えられる。
【0104】
本書に使用する用語および語句およびその変形は、他に特に明記されない限り、制限とは対照的に無制限として解釈されるべきである。前述の例として、「含む」という用語は、「制限なく、含む」等と意味するとして解釈されるべきであり、「例」という用語は、論じられる項目の例示的事例を提供するために使用され、その排除または制限のリストではなく、「従来の」、「伝統的な」、「正常な」、「通常の」、「周知の」等の形容詞、および類似の意味の用語は、所与の期間に説明される項目、または所与の時点で使用可能な項目に制限するとして解釈されてはならない。しかし代わりに、これらの用語は、現在、または将来の任意の時点で、使用可能で、周知であり得る、従来、伝統的、通常の、または通常の技術に及ぶものとして解釈されるべきである。同様に、「および」の接続詞で連結される項目グループは、これらの項目のうちの各々およびあらゆるものがグループに存在することを要求するとして解釈されてはならず、他に明示的に記載されない限り、「および/または」として解釈されるべきである。同様に、「または」の接続詞で連結される項目グループは、そのグループの中で相互に排他的であることを要求するとして解釈されてはならず、その他明示的に記載されない限り、「および/または」として解釈されるべきである。さらに、本開示の項目、要素、または構成要素は、単数形で説明または請求される場合があるが、単数形への制限が明示的に記載されない限り、複数形がその範囲内であると考えられる。いくつかの場合における「1つ以上」、「少なくとも」、「しかしこれらに制限されず」、または同様な語句等の拡大する単語および語句の存在は、そのような拡大語句が存在しない場合の事例において、より狭義の事例が意図される、または要求されることを意味すると解釈されてはならない。
【0105】
加えて、記憶装置または他のストレージ、ならびに通信構成要素は、本発明の実施形態に採用され得る。明確化の目的のために、上記の説明が、異なる機能ユニットおよびプロセッサを参照して本発明の実施形態について説明したことを理解されたい。しかしながら、異なる機能ユニット、処理論理要素、またはドメインの間での任意の適切な分散を、本発明を逸脱することなく使用し得ることを理解されたい。例えば、個別の処理論理要素、または制御器によって実施されると図説される機能は、同じ処理論理要素、または制御器によって実施され得る。したがって、特定の機能ユニットへの参照は、厳密な論理または物理構造または編成を示すものではなく、説明された機能を提供するための適切な手段への参照に過ぎないと考えられる。
【0106】
さらに、個別に挙げられるが、複数の手段、要素、または方法のステップは、例えば、単一のユニットまたは処理論理要素によって実装され得る。加えて、個別の特徴は異なる請求項に含まれ得るが、これらは、可能性として有利に組み合わされ得る。異なる請求項に含まれていることは、特徴の組み合わせが実現可能および/または有利ではないことを暗示しない。また、請求項の1つの区分に1つの特徴を含むことは、この区分に対する制限を暗示するものではなく、特徴は、必要に応じて、他の請求区分へ等しく適用可能であり得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6