(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5689641
(24)【登録日】2015年2月6日
(45)【発行日】2015年3月25日
(54)【発明の名称】冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
F25D 11/02 20060101AFI20150305BHJP
F25C 5/18 20060101ALI20150305BHJP
【FI】
F25D11/02 C
F25C5/18 401
【請求項の数】7
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2010-226716(P2010-226716)
(22)【出願日】2010年10月6日
(65)【公開番号】特開2012-78078(P2012-78078A)
(43)【公開日】2012年4月19日
【審査請求日】2013年8月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100100712
【弁理士】
【氏名又は名称】岩▲崎▼ 幸邦
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】野口 好文
(72)【発明者】
【氏名】真下 拓也
(72)【発明者】
【氏名】谷口 一寿
【審査官】
鈴木 充
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2006/0090496(US,A1)
【文献】
特開2002−115963(JP,A)
【文献】
特開2009−222257(JP,A)
【文献】
特開2006−214615(JP,A)
【文献】
特開平08−094227(JP,A)
【文献】
特開2001−201249(JP,A)
【文献】
特開2002−048452(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25C 1/24
F25C 5/18
F25D 11/02,11/04
F25D 23/06,23/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
製氷された氷を貯蔵するアイスボックスを収容する製氷室と、
前記製氷室の下方に位置する貯蔵室と、
前記製氷室と貯蔵室とを仕切る仕切部とを備え、
前記仕切部には、前記製氷室から落下してきた氷を前記貯蔵室に落とし込む連通部を設け、
前記製氷室は、水を凍らせて製氷するための製氷皿と前記製氷皿で製氷された氷を受ける前記アイスボックスを備え、
前記アイスボックスは、当該冷蔵庫の前側から引き出し、押し込みスライドさせることができるものであり、
前記アイスボックスは、前側の壁部よりも後ろ側の壁部の方が低く形成されており、
前記連通部は、前記アイスボックスの後部下方に位置する部位に形成されていることを特徴とする冷蔵庫。
【請求項2】
前記仕切部の連通部の周囲に、当該連通部に向けて傾斜して氷を当該連通部に滑り込むようにガイドするガイド部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項3】
前記製氷室の下部に、前記アイスボックスのスライドを支持する補強板を設け、当該補強板の後端に、前記連通部に通じる開口を形成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の冷蔵庫。
【請求項4】
前記ガイド部は、前記開口の端部に対応する位置から前記連通部に向かい下降する傾斜部として形成したことを特徴とする請求項3に記載の冷蔵庫。
【請求項5】
前記仕切部には、前記連通部に達するように下降傾斜する形状の膨出部を形成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の冷蔵庫。
【請求項6】
前記貯蔵室は、上冷凍ケースと下冷凍ケースとに区切られた冷凍室であり、
前記連通部は、前記上冷凍ケースに対応する位置に形成したことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の冷蔵庫。
【請求項7】
前記貯蔵室は、冷凍室であり、
前記仕切部には、前記冷凍室に向けて冷気を噴き出す冷気ガイドダクト部を形成したことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施の形態は、冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、冷凍室の大容量化が要望されており、冷凍室、冷蔵室を共に備えた冷蔵庫では、貯蔵室を水平な仕切部材によって上下2段に区分し、上貯蔵室、下貯蔵室共に個別にドアを設けている。
【0003】
このような冷蔵庫では、冷凍室の内部を上下に区画する水平な仕切を設け、下貯蔵室の後方に設けられた冷気ダクトから下貯蔵室に冷気を吹き出すようにした構成の冷蔵庫が知られている。
【0004】
このような冷蔵庫の場合、上貯蔵室の一方の側に製氷室が区画して設けられるので、製氷室内のアイスボックスから落下した氷がその下方の仕切板の上に留まる。そのため、製氷室からアイスボックスを引き出したり、引き出したアイスボックスを製氷室の奥に押し込んだりする際に、仕切板の上に留まっている氷が邪魔をしてアイスボックスを円滑に出し入れできなくなるとか、アイスボックスを奥まで押し込めなくなり、製氷室扉が完全に閉まりきらないといった問題が起こり得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−46455号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたもので、製氷室内のアイスボックスの出し入れ操作が円滑に行えるようにした冷蔵庫を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施の形態の冷蔵庫は、製氷された氷を貯蔵するアイスボックスを収容する製氷室と、前記製氷室の下方に位置する貯蔵室と、前記製氷室と貯蔵室とを仕切る仕切部とを備え、前記仕切部には、
その後方の位置に前記製氷室から落下してきた氷を前記貯蔵室に落とし込む連通部を設け
、前記製氷室は、水を凍らせて製氷するための製氷皿と前記製氷皿で製氷された氷を受ける前記アイスボックスを備え、前記アイスボックスは、当該冷蔵庫の前側から引き出し、押し込みスライドさせることができるものであり、前記アイスボックスは、前側の壁部よりも後ろ側の壁部の方が低く形成されており、前記連通部は、前記アイスボックスの後部下方に位置する部位に形成されていることを特徴とするものである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】1つの実施の形態の冷蔵庫の観音開き式扉を開き、他の扉を引き出した状態の斜視図。
【
図3】1つの実施の形態の冷蔵庫の背部から見た斜視図。
【
図4】1つの実施の形態の冷蔵庫の貯蔵空間の断面図。
【
図7】1つの実施の形態の冷蔵庫の主冷凍室に収容する副冷凍ケース、主冷凍ケース、その背部の冷気ダクト及び冷凍冷却器の斜視図。
【
図8】1つの実施の形態の冷蔵庫の貯蔵空間の仕切部材、冷気ダクト、その背部の冷気ダクト及び冷凍冷却器の下から見た斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施の形態を図に基づいて詳説する。
【0010】
図1〜
図3に示すように、実施の形態の冷蔵庫1は、上約半分を観音開き式に開閉する2枚の扉11,12にて閉塞される冷蔵室2とし、その下に野菜室3、その下に製氷室4と上貯蔵室としての上冷凍室5、さらにその下に下貯蔵室としての主冷凍室6を区分して設けている。野菜室3には野菜ケース3A、製氷室4にはアイスボックス4A、上冷凍室5には上ケースとしての上冷凍室ケース5A、主冷凍室6には下ケースとしての主冷凍室ケース6Aとその上でスライドする副ケースとしての箱状の上方が開口する急速冷凍用副冷凍ケース6Bを、それぞれ引き出し式に収容している。そして野菜ケース3A、アイスボックス4A、上冷凍室ケース5A、主冷凍室ケース6Aそれぞれには扉3B,4B,5B,6Cが取り付けてある。
【0011】
冷蔵室2の前面開口部には、該開口部を幅方向に区分し、冷蔵本体の左右両側に設けたヒンジ21,22で回動自在に枢支した観音開き式の(向かって左の)左扉11および(向かって右の)右扉12が設けられており、両扉11,12により閉塞されるように構成されている。両扉11,12の裏面周縁部それぞれには、マグネット(図示せず)を備えたガスケット141,142それぞれが全周にわたって取り付けられている。また一方の扉、
図1、
図2では左扉11の自由端の裏面にはガスケット141と共に、縦方向のほぼ全長に亘る長さの縦仕切部材15が軸支してある。
【0012】
両扉11,12を同時に開いてから閉じる時、あるいはいずれか一方を開いてから閉じる時、この縦仕切部材15とガスケット141,142により冷蔵室2を密閉する動作は、次の通りである。縦仕切部材15が扉表面に略垂直な姿勢にある開扉状態から左扉11を閉じると、バネ作用により扉表面にほぼ平行な姿勢まで縦仕切部材15が回動し、これにより、縦仕切部材15の表側面の左半分が左扉11の自由端部の裏側面に対向し、縦仕切部材15の表側面の右半分が右扉12の自由端部の裏側に対向する。そして、ガスケット141,142の内部に挿入してある磁石が縦仕切部材15の表面の鉄板に吸着し、ガスケット141,142が縦仕切部材15の表面に密着し、冷蔵室2を密閉する。
【0013】
図3に示すように、冷蔵庫1の外箱は発泡ウレタンの充填された断熱パネルにて構成されているが、本体の両側面には真空断熱パネル30を配置することにより断熱性を高め、断熱パネルの厚みを薄くし、内容積を広く確保しながらも外容積のコンパクト化を図っている。また、冷蔵庫1の側面、天面、前面の断熱パネル内には放熱パイプ31を巡らし、冷却器の熱の放散と共に各部が低温状態のまま外気と接することによる露付きの防止を図っている。
【0014】
図4〜
図8を参照しつつ、貯蔵空間40の構造について説明する。
図4〜
図6の断面図に詳しいように、冷蔵庫1における野菜室3よりも下方は断熱仕切板41により仕切り、貯蔵空間40を形成している。そして、この貯蔵空間40は、上冷凍室5とその下の主冷凍室6とに仕切部材42にて仕切っている。仕切部材42の前面内部には前述した放熱パイプ43を通してあり、この仕切部材42を加熱することによりその表面に外気が接して結露することをある程度抑制するようにしている。
【0015】
特に
図5、
図6に詳しく示すように、製氷室4には、その上側に製氷皿401が設置してあり、その下側に製氷皿401にて製氷された氷を貯蔵するアイスボックス4Aが設置してある。このアイスボックス4Aには製氷室扉4Bが取り付けてある。アイスボックス4Aの下方には補強板402が設けてあり、アイスボックス4Aを前後スライドできるように支持している。この補強板402は製氷室4の奥行きの途中までの長さであり、それよりも奥側には開口403が形成されている。
【0016】
上冷凍室5には、上冷凍室扉5Bを前面に取り付けた上冷凍室ケース5Aが引き出し式に収容してある。主冷凍室6にも、主冷凍室扉6Cを前面に取り付けた主冷凍室ケース6Aが引き出し式に収容してある。この主冷凍室ケース6Aの後部には、切欠によって冷気進入口6Aaが形成してある。主冷凍室ケース6Aの上側には急速冷凍用の副冷凍ケース6Bがスライド可能に設けてある。
【0017】
貯蔵空間40の背部には、冷凍冷却器44を設置した冷気ダクト45が形成してある。この冷気ダクト45の下端部には、主冷凍室6に開口する冷気吸込口45Aが形成してある。庫内冷気をこの冷気吸込口45Aから冷気ダクト45に取り込み、冷凍冷却器44を下から上に通過させて冷凍温度になるように冷却し、上冷凍室5にその背部からこの冷却された冷気を吹出し、同時に、主冷凍室6の上部及び中間部それぞれの位置に形成した冷気吹出口46,47からも冷気を吹出すように循環させる。この冷気の強制循環は、冷気ダクト45の上部に設置された冷気ファン(図示せず)により行う。
【0018】
貯蔵空間40を上下に仕切る仕切部材42の水平後方部分は、上冷凍室5と主冷凍室6とを分ける小空間48となっており、この小空間48の位置に冷気吹出用ダクト49が設置してある。
図7、
図8の外観図に詳しいように、この冷気吹出用ダクト49は、後部が幅広、前部が幅狭となる扁平な筒体の冷気ガイドダクト部49Aと、このダクト部49Aの周面に一体になった蓋部49Bで構成されている。さらに、蓋部49Bにおいて、アイスボックス4Aの後部下方に位置する部位(
図7において左後方の部分)には連通部49Cが形成してあり、また連通部49Cの前側の孔縁部には、連通部49Cに近づくほど低くなる傾斜リブ49Dが複数、ガイド部として形成してある。さらに、冷気ガイドダクト部49Aにおいて、前述の連通部49Cの側方の孔縁部に対応する部分には、連通部49Cに近づくほど低くなる傾斜部49Eがダクト部49Aの他の部分よりも膨出した膨出部として形成してある。
【0019】
尚、連通部49Cについては、本実施の形態の場合には、冷気吹出用ダクト49の蓋部49Bの一部を切り欠くことにより形成しているが、蓋部49Bの該当部分に孔を開け、その孔を連通部49Cとすることも可能である。
【0020】
この冷気吹出用ダクト49における冷気ガイドダクト部49Aの前端部の下面に、冷気吹出口50が下向きに開口するように形成してある。そして冷気ガイドダクト部49Aの後端開口部51は広幅となると同時に上下にも広幅に形成してある。この後端開口部51は、冷気ダクト45の上側の冷気吹出口46の周囲に嵌合させて固定してある。
図7に点線で示すように、冷気ガイドダクト部49Aの内部空間には前後方向に補強リブ52が設けてある。
【0021】
この冷気吹出用ダクト49における冷気ガイドダクト部49Aは、その冷気吹出口50が小空間48の前後方向の中間位置に位置する長さである。これにより、冷気ダクト45の冷気吹出口46から前方に吹出す冷気が、冷気吹出用ダクト49の冷気ガイドダクト部49A内に吹出され、さらにこの冷気ガイドダクト部49A内を前方に進み、その前端下面の冷気吹出口50から下方に吹出し、主冷凍室6内の上側の副冷凍ケース6Bに収容されている食品類を、吹出した冷気によって急速冷凍する。特に後端を広幅にしているため、冷気ダクト45の冷気を多量に取り込むことができ、ダクト49Aの先端の中央に位置させる冷気吹出口50に冷気を集めることで副冷凍ケース6B中央に吹き出すことができる。そして、
図4に鎖線にて描いたように、副冷凍ケース6Bの底部にアルミプレート54をセットすることにより、アルミプレート54を通してこの副冷凍ケース6B内の空間全体に冷気を拡散させ、ケース6B内を均等に冷凍冷却できることになる。
【0022】
主冷凍ケース6Aに対しては、冷気ダクト45から背部中間位置の冷気吹出口47を通じて吹出される冷気により冷却する。副冷凍ケース6Bは冷気吹出用ダクト49の蓋部49Bにて覆っているので、上冷凍室5と主冷凍室6を区画することができると共に、副冷凍ケース6Bをほぼ密閉状態にすることができ、急速に冷凍冷却できる。また、主冷凍ケース6Aに比して副冷凍ケース6Bは貯蔵容量を小さく構成すると共にアルミプレート54を設置しているため、より急速に冷凍冷却することができる。さらに、仕切部材42の下面と同じ高さにしたため、引き出し時に冷凍する食品が仕切部材42に引掛って引き出せなくなることを防止することができる。また、主冷凍ケース6Aの部分は、上冷凍室55を冷却した冷気も副冷凍ケース6Bの側方を通過して下降してきて冷却するので、効果的に冷却できる。
【0023】
このように、冷気吹出用ダクト49を仕切部材42の水平後方部分の小空間48内に設置することにより、本来、食品の収容に供されない空間を冷気吹出用ダクト49の設置に利用することができ、食品収容スペースを減ずることなく所定の吹出位置まで冷気をガイドでき、主冷凍室を均一に冷却できる利点がある。
【0024】
同時に、小空間48の前後中間位置において、冷気ガイドダクト部49Aの前端下面の冷気吹出口50から下方に冷気を吹出させるので、主冷凍室6の上方中央から全体に均一に冷やすことができる。さらに、アルミプレート54が置かれているので、プレートの中央から外に向かって冷気を伝熱させることができる。その上、小空間48の前方に位置する仕切部材42に冷気が背後から直接に当たることがなく、そのためにこの仕切部材42が過剰に冷やされてその表側に接触する外気により結露することが効果的に抑制できる。そして、本実施の形態の場合、この仕切部材42の内部に放熱パイプ43を通しているので、この放熱パイプ43による熱と相まって、仕切部材42への結露を確実に防止できる。
【0025】
さらに、冷気ダクト45から主冷凍室6に冷気吹出口50と下側の冷気吹出口47の2カ所を通じて冷気を主冷凍室6内に吹出すようにしているので、主冷凍室6内の副冷凍ケース6Bの部分とその下の主冷凍ケース6Aの部分を同時に並行して効果的に冷却できる。特に上側の冷気吹出口50からの冷気吹出によって副冷凍ケース6Bを急速に冷凍冷却することができると共に、その下方に位置する主冷凍ケース6Aにも冷気を送ることができ、急速に冷凍したい食品はこの副冷凍ケース6Bに収容するというように目的別に食品を分けて収容できる。同時に、副冷凍ケース6Bの下面後方から前方に向かって冷気が吹き出されるように冷気吹出口47を配置しているので、副冷凍ケース6Bの底面もこの冷気吹出口47から吹き出した冷気によって冷やすことができ、アルミプレート54による冷却性能をいっそう向上させることができ、同時に、その冷気が主冷凍ケース6Aに入るように主冷凍ケース6Aの後方を切り欠いて冷気進入口6Aaを設けたことによって、冷気を主冷凍ケース6Aで再利用することができる。また、冷気進入口6Aaの後端を後方に延出させてあり、冷気ダクト45の下方に位置し、庫内の冷気を吸い込む冷気吸込口45Aの上端に沿って配置したから、下側の冷気吹出口47からの冷気が冷気吸込口45Aに直接に吸い込まれて無駄にショートカットされるのを防ぎ、冷気を冷凍室の冷却に有効に利用させることができる。
【0026】
また、小空間48の位置に冷気吹出用ダクト49を設置し、副冷凍ケース6Bは冷気吹出用ダクト49の蓋部49Bにて覆っているので、小空間48の上方の上冷凍室5にその背部から吹出した冷気が主冷凍室6の上側の副冷凍ケース6Bの中には入らずに、その両側を下側に通過して主冷凍ケース6A内に流れ込むことになり、副冷凍ケース6Bの部分を周囲からも冷却することができることになる。
【0027】
さらに、冷気吹出用ダクト49の蓋部49Bにおいて、アイスボックス4Aの後部下方の位置に連通部49Cを設け、またこの連通部49Cに近づくほどに低くなる傾斜リブ49Dと傾斜部49Eを連通部49Cの孔縁部に形成したことにより、次のような効果を奏する。
【0028】
製氷皿401にて製氷された氷は自動的にアイスボックス4Aに貯蔵される。連通部49Cや傾斜リブ49D、傾斜部49Eが形成されていない場合、このアイスボックス4Aに貯蔵された氷が満杯になれば、さらに製氷され製氷皿401から落とされてくる氷はアイスボックス4Aからあふれてアイスボックス4Aと製氷室4との間の隙間に引掛ったままになることがある。また、アイスボックス4Aに氷がほぼ満杯状態にあるときに、利用者がアイスボックス4Aを引き出して氷を取り出し、その後にアイスボックス4Aを製氷室4内に押し込む操作をすると、その勢いでアイスボックス4A内の氷がやはりあふれ出て、アイスボックス4Aと製氷室4との間の隙間に引掛ったままになることがある。このような場合、アイスボックス4Aを円滑に引き出し、押し込む操作ができなくなることがある。
【0029】
これに対して、本実施の形態の場合、連通部49Cが形成されているので、このアイスボックス4Aに貯蔵された氷が満杯になれば、さらに製氷され製氷皿401から落とされてくる氷はアイスボックス4Aからあふれても、補強板43の後方の開口403を通して連通部49Cの部分に落下し、さらに連通部49Cを通ってその下方の下貯蔵室に至ることになり、途中で引掛ることはない。
【0030】
また、傾斜リブ49Dと傾斜部49Eが孔縁に隣接して形成してあるので、連通部49Cの周りに落下してくる氷もこれら傾斜リブ49Dと傾斜部49Eがスライドガイドとなって、連通部49Cに落ち込むようにガイドし、連通部49Cを通ってその下方の下貯蔵室に至ることになり、途中で引掛ることはない。
【0031】
また、貯蔵室である主冷凍室6を上下に区分けし、上側には副冷凍ケース6Bを設置し、下側には主冷凍ケース6Aを設置し、連通部49Cは上側の副冷凍ケース6Bに連通するように形成しているので、製氷室40から連通部49Cを通って落下する氷を上側の副冷凍ケース6Bに留めることができ、落下してきた氷の除去がしやすい利点がある。
【0032】
このために、本実施の形態によれば、製氷室4にて製氷され、貯蔵される氷がアイスボックス4Aと製氷室4との間の隙間に引掛ったままになることがなく、アイスボックス4Aの引き出し、押し込み操作を常に円滑に行えるようにできる。このため、アイスボックス4Aがあふれた氷に邪魔されて製氷室4の途中で引掛り、製氷室扉4Bが完全に閉まりきらない状態になることがない。そのため、氷が利用者の知らないうちに溶け出すということもなく、省エネにも寄与することになる。
【符号の説明】
【0033】
1 冷蔵庫
2 冷蔵室
3 野菜室
4 製氷室
4A アイスボックス
4B 製氷室扉
5 上冷凍室
5A 上冷凍ケース
5B 扉
6 主冷凍室
6A 主冷凍ケース
6Aa 冷気進入口
6B 副冷凍ケース
6C 扉
30 断熱パネル
31 真空断熱パネル
40 貯蔵空間
41 断熱仕切板
42 仕切部材
43 放熱パイプ
44 冷凍冷却器
45 冷気ダクト
45A 冷気吸込口
46 (上側の)冷気吹出口
47 (下側の)冷気吹出口
48 小空間
49 冷気吹出用ダクト
49A 冷気ガイドダクト部
49B 蓋部
49C 連通部
49D 傾斜リブ
49E 傾斜部
50 (下向きの)冷気吹出口
51 後端開口部
52 リブ
54 アルミプレート
401 製氷皿
402 補強板
403 開口