特許第5690046号(P5690046)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5690046
(24)【登録日】2015年2月6日
(45)【発行日】2015年3月25日
(54)【発明の名称】セラミックスハニカム構造体
(51)【国際特許分類】
   B01D 39/20 20060101AFI20150305BHJP
   B28B 3/20 20060101ALI20150305BHJP
   F01N 3/022 20060101ALI20150305BHJP
【FI】
   B01D39/20 D
   B28B3/20 E
   F01N3/02 301C
【請求項の数】9
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2008-322182(P2008-322182)
(22)【出願日】2008年12月18日
(65)【公開番号】特開2010-142724(P2010-142724A)
(43)【公開日】2010年7月1日
【審査請求日】2011年11月8日
【審判番号】不服2013-24288(P2013-24288/J1)
【審判請求日】2013年12月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000220767
【氏名又は名称】東京窯業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100081776
【弁理士】
【氏名又は名称】大川 宏
(72)【発明者】
【氏名】松平 靖
(72)【発明者】
【氏名】高木 修
(72)【発明者】
【氏名】常吉 孝治
(72)【発明者】
【氏名】岩元 孝史
(72)【発明者】
【氏名】大塚 浩吏
【合議体】
【審判長】 鈴木 正紀
【審判官】 井上 猛
【審判官】 松嶋 秀忠
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2008/117545(WO,A1)
【文献】 特開2001−170426(JP,A)
【文献】 特開2008−272731(JP,A)
【文献】 特開2005−7360(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D39/00-41/04
B01D46/00-46/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
隔壁により区画された軸方向に貫通する多数のセルと、該セルを一方または他方の端部で目封止する封止材と、を有するセラミックスハニカム構造体において、
それぞれが複数の該セルを区画している少なくとも二つのセグメント部と、
隣接する少なくとも二つの該セグメント部のそれぞれと一体に形成され、隣接する少なくとも二つの各該セグメント部を架橋して連結する連結部と、
を有し、
該セラミックスハニカム構造体を形成するセラミックスは、SiCよりなるセラミックス粉末と、Si粉末と、C粉末と、が混合した状態で2000〜2100℃で熱処理が施されてなるものであって、SiCよりなる該セラミックス粉末と、該セラミックス粉末を構成するSiC粒子同士を結合するSiCよりなる結合材と、を有し、
軸方向の一方の端部における開口率が、他方の端部における開口率よりも高いことを特徴とするセラミックスハニカム構造体。
【請求項2】
前記一方の端部が排気ガスの流れ方向での上流側に位置する請求項1記載のセラミックスハニカム構造体。
【請求項3】
多数の前記セルは、軸方向に垂直な断面において、その断面積が異なる少なくとも2種類のセルよりなる請求項1〜2のいずれかに記載のセラミックスハニカム構造体。
【請求項4】
多数の前記セルは、軸方向に垂直な断面形状が8角形のセルと、断面形状が4角形のセルと、を有する請求項3記載のセラミックスハニカム構造体。
【請求項5】
前記隔壁は、その交点がR面取りまたはC面取りされている請求項1〜4のいずれかに記載のセラミックスハニカム構造体。
【請求項6】
前記面取りは0.2mm以上なされている請求項5記載のセラミックスハニカム構造体。
【請求項7】
前記開口率は、流入側の開口率が流出側の開口率よりも5%以上大きい請求項1〜6のいずれかに記載のセラミックスハニカム構造体。
【請求項8】
多孔質の炭化珪素よりなる請求項1〜7のいずれかに記載のセラミックスハニカム構造体。
【請求項9】
原料となるセラミックスを有する粘土を押出成形で所定形状の成形体に成形する成形工程と、
該成形体を所定の温度での熱処理する熱処理工程と、
を施してなる請求項1〜8のいずれかに記載のセラミックスハニカム構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セラミックスハニカム構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の環境問題に関する意識の高まりから、車両においては二酸化炭素の排出量の低減が求められてきている。この要求にともなって、ディーゼルエンジンの需要が高まってきている。ディーゼルエンジンからは、大量のスス(粒子状物質,PM)を含む排気ガスが排出されることが知られている。このディーゼルエンジンからのススは、DPF(ディーゼルパティキュレートフィルタ)と呼ばれるセラミックスフィルタで捕集されている。
【0003】
ディーセルエンジンからのPMを捕集するDPFには、PMの捕集性能だけでなく、捕集したPMを分解除去したときに発生するAsh(灰分)に起因するフィルタの有効面積の低減を抑えることが求められている。
【0004】
このような課題に対して、特許文献1のように、排気ガスが流入する流入側での開口率を、流出側での開口率よりも大きくすることが知られている。また、流入側の開口率と流出側の開口率とが異なるセラミックスフィルタには、断面形状(断面積)が異なる複数のセルを組み合わせることも検討されている。
【0005】
そして、DPFに用いられるセラミックスフィルタにおいては、断面略方形状の複数のセグメントと、セグメントの外周面の間で両者を接合する接合材層と、を有する構成が知られている。このとき、隣接するセグメントと接合されるセグメントの外周面が、平面をなすことが知られている。このような構成のフィルタは、熱衝撃時のセグメントの体積変化による応力を接合材層が緩衝してDPF(フィルタ)の損傷が防止される。
【0006】
断面形状が異なるセルを組み合わせた構造で外周面に平面をもつセグメントを形成する場合には、最外周部に位置するセルの形状が、途中で途切れた形状となる。セルが途切れた形状となると、セグメントの外周面を区画するセル壁とそれ以外のセル壁とが接続する角度が変化し、DPFとして使用した時にこの交点に応力が集中することとなる。応力が集中すると、クラックの起点となる等のフィルタの損傷が引き起こされやすくなる。
【0007】
このようなセル壁の交点における応力の集中を防止するために、セグメントの外周面を、途切れていないセルを区画するセル壁により区画するようにすると、セグメントの外周面が、セルの形状に対応した凹凸形状を持つこととなる。外周面に凹凸を持つセグメントは、その製造を簡単に行うことができないという問題があった。具体的には、セグメントは、粘土状の原料を所定のセル形状を持つ成形型を用いて押出成形により成形したのちに焼成して製造される。そして、セグメントの外周面が凹凸状に形成された場合には、成形直後にセグメントの外周面の凹凸が、自重によりつぶれるという問題があった。この問題に対して、セグメントの外周面を平面状としていたが、上記のように、応力が集中するという問題が発生していた。
【特許文献1】特許3130587号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記実状に鑑みてなされたものであり、高い耐熱衝撃性と耐熱性に優れ、かつ高いPMの捕集性をもつセラミックスハニカム構造体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために本発明者等はセラミックスハニカム構造体の構成について検討を重ねた結果、本発明をなすに至った。
【0010】
本発明のセラミックスハニカム構造体は、隔壁により区画された軸方向に貫通する多数のセルと、セルを一方または他方の端部で目封止する封止材と、を有するセラミックスハニカム構造体において、それぞれが複数のセルを区画している少なくとも二つのセグメント部と、隣接する少なくとも二つのセグメント部のそれぞれと一体に形成され、隣接する少なくとも二つの各セグメント部を架橋して連結する連結部と、を有し、セラミックスハニカム構造体を形成するセラミックスは、SiCよりなるセラミックス粉末と、Si粉末と、C粉末と、が混合した状態で2000〜2100℃で熱処理が施されてなるものであって、SiCよりなるセラミックス粉末と、セラミックス粉末を構成するSiC粒子同士を結合するSiCよりなる結合材と、を有し、軸方向の一方の端部における開口率が、他方の端部における開口率よりも高いことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明のセラミックスハニカム構造体は、両端部における開口率が異なるように形成されたセグメント部を連結部が連結した構造をもつ一体型のセラミックスハニカム構造体となっている。本発明のセラミックスハニカム構造体は、連結部が、セグメント部間の強度を調整する構成となっている。この結果、セグメント部が熱膨張を生じても、連結部(及び充填部)が適度に破壊されてセグメント部の破壊を阻止できるものとなっている。この結果、本発明のセラミックスハニカム構造体は、高い耐熱衝撃性を発揮できるものとなっている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明のセラミックスハニカム構造体は、隔壁により区画された軸方向に貫通する多数のセルと、セルを一方または他方の端部で目封止する封止材と、を有するセラミックスハニカム構造体である。
【0013】
そして、それぞれが複数のセルを区画している少なくとも二つのセグメント部と、隣接する少なくとも二つのセグメント部のそれぞれと一体に形成され、隣接する少なくとも二つの各セグメント部を架橋して連結する連結部と、を有し、軸方向の一方の端部における開口率が、他方の端部における開口率よりも高い。
【0014】
本発明のセラミックスハニカム構造体は、連結部がセグメント部を連結している。ここで、連結部は、セグメント部を連結するものであり、セグメント部の外周に位置するセルの数よりも、その数が少なくなっている。このような構成では、連結部の強度がセグメント部よりも低下している。この結果、セグメント部の体積変化を連結部が緩衝することができ、ハニカム構造体の耐熱衝撃性が向上する。ここで、連結部の数が比較されるセルの数とは、連結部が連結するセグメント部であって、連結部が接続したセグメント部の辺に区画されたセルの数である。
【0015】
具体的には、本発明のセラミックスハニカム構造体は、連結部の数がセグメント部のセルの数よりも少なくなっている。このような構成では、セグメント部に生じた体積変化の変化量のうち、連結部に加わる変化量が大きくなる。つまり、ひとつの連結部に加わる力が大きくなり、連結部に破壊が生じやすくなる。そして、連結部に破壊が生じると、破壊により更にセグメント部の体積変化を緩衝することが可能となる。つまり、連結部が破壊されると、連結部がセグメント部の体積変化を規制できなくなる。これにより、セグメント部の体積変化がより進行する。この結果、セグメント部自身が損傷を生じなくなり、セルを区画するセル壁の損傷に起因するハニカム構造体全体の損傷が抑えられる。つまり、連結部に損傷(クラックの発生)を生じても、その損傷がセグメント部に影響を及ぼさないため、セラミックスハニカム構造体自身の機能(たとえば、DPFのフィルタ機能)が維持される。このように、本発明のセラミックスハニカム構造体は、熱衝撃により体積変化が生じてもハニカム構造体が損傷を生じないことから、高い耐熱衝撃性を有するものとなっている。
【0016】
本発明のセラミックスハニカム構造体は、セグメント部よりも強度の低い連結部がセグメント部の体積変化を緩衝(吸収)するため、連結部の数が多くなるほどひとつの連結部に加わる力が小さくなる。つまり、セグメント部を架橋する連結部の数が少なくなるほど、一つの連結部に加わるセグメント部の体積変化に基づく応力がより集中する。
【0017】
セグメント部の連結部の数は、連結部が連結するセグメント部のセル数の2〜90%であることが好ましい。より好ましくは、4〜60%であり、更に好ましくは5〜30%である。
【0018】
また、二つの連結部同士の距離が2mm以上であることが好ましい。隣接する少なくとも二つの連結部間からススが漏れるのを防ぐために、連結部の隙間に充填材を充填させることが好ましいが、この充填材の充填方法としては、液体状あるいは粘体状の充填材を流し込む、あるいは注入した後に固化させる事で充填できる。この際に、連結部間の距離が短いと流し込む事などが難しくなる。更に好ましくは、5〜20mmである。連結部間の距離が長くなりすぎると、前述のように強度的に問題となる。
【0019】
そして、本発明のセラミックスハニカム構造体は、セラミックスハニカム構造体を形成するセラミックスが、SiCよりなるセラミックス粉末と、Si粉末と、C粉末と、が混合した状態で2000〜2100℃で熱処理が施されてなるものであって、SiCよりなるセラミックス粉末と、セラミックス粉末を構成するSiC粒子同士を結合するSiCよりなる結合材と、を有する。
また、本発明のセラミックスハニカム構造体は、軸方向の一方の端部における開口率が、他方の端部における開口率よりも高くなっている。このような構成となることで、セラミックスハニカム構造体をDPFに用いたときに、流入側の開口率と流出側の開口率とが異なる構造とすることができる。
【0020】
一方の端部が排気ガスの流れ方向での上流側に位置することが好ましい。上流側の開口率が下流側の開口率よりも大きくなることで、DPFとして用いたときに、より多くのPMを捕集することが可能となる。
【0021】
本発明のセラミックスハニカム構造体は、軸方向の両方の端部のそれぞれでの開口率が異なるように形成されているが、端部における開口率を調節する方法は、限定されるものではない。たとえば、セグメント部に形成されたセルの全ての軸方向に垂直な断面積(あるいは断面形状)が同じ場合には、セルを封止する封止材の数を変化させることで開口率を調節できる。このとき、セルの形状(断面形状)は限定されるものではなく、このような構成のセルの形状としては、断面正方形のセル形状、断面正三角形のセル形状、断面正六角形のセル形状、等の断面多角形のセル形状、をあげることができる。
【0022】
また、別の方法としては、セグメント部に形成されたセルを、軸方向に垂直な断面積が異なる複数種のセルとし、それぞれのセルを封止材で目封止することで開口率を調節できる。
【0023】
多数のセルは、軸方向に垂直な断面において、その断面積が異なる少なくとも2種類のセルよりなることが好ましい。多数のセルが断面積の異なるセルよりなることで、一方の端部と他方の端部とで開口率の異なるハニカム構造体を簡単に構成することができる。具体的には、多数のセルが断面積の異なる2種類のセルよりなるときに、断面積の小さなセルの一方の端部と、断面積の大きなセルの他方の端部と、のそれぞれを封止することで、両端部での開口率が異なるセラミックスハニカム構造体となる。さらに、セルを区画する隔壁が軸方向に垂直な断面においてなす形状が、軸方向での位相により異ならなくてもよくなり、セラミックスハニカム構造体の成形に押し出し成形を用いることができる。
【0024】
本発明のセラミックスハニカム構造体において、セルの形状(断面形状及び断面積)は限定されるものではなく、たとえば、多数のセルが、軸方向に垂直な断面形状が8角形のセルと断面形状が4角形のセルとが隣接した形状、軸方向に垂直な断面形状が6角形のセルと断面形状が3角形のセルとが隣接した形状、軸方向に垂直な断面形状が略円形のセルと断面形状が略4角形のセルとが隣接した形状、をあげることができる。これらのうち、軸方向に垂直な断面形状が8角形のセルと断面形状が4角形のセルとが隣接した構造が最も好ましい。
【0025】
隔壁は、その交点がR面取りまたはC面取りされていることが好ましい。隔壁が交わる交点は、ハニカム構造体が熱衝撃により体積変化を生じたときに、隔壁の応力が集中する場所であり、この交点が面取りがなされていることにより応力が集中しなくなる。
【0026】
面取りは0.2mm以上なされていることが好ましい。この0.2mm以上の面取りの長さは、R面取りにおいては曲率半径が面取りの長さであり、C面取りにおいては交差する面部分をカットして形成された面部分の長さである。なお、0.2mm未満の面取りでは十分な面取りの効果が得られなくなる。
【0027】
開口率は、流入側の開口率が流出側の開口率よりも5%以上大きいことが好ましい。開口率の差が5%未満であると開口率に差をもうけて耐Ash性を向上させる効果が十分に得られなくなる。
【0028】
本発明のセラミックスハニカム構造体において、セグメント部及び連結部は、一体に形成されていればその材質が特に限定されるものではなく、従来のセラミックスフィルタに使用された材質を用いることができる。
【0029】
本発明のセラミックスハニカム構造体の材質としては、耐熱性・耐熱衝撃性に優れている素材であればコージェライトやチタン酸アルミニウム、窒化珪素などをあげることができるが、特に耐熱性・耐熱衝撃性の観点から炭化珪素(SiC)であることがより好ましい。セラミックスハニカム構造体がこれらの材質(セラミックス)よりなるときには、これらの材質(セラミックス)を主成分としている場合を含む。なお、主成分とは、セラミックスハニカム構造体を構成する材質のうち最も割合が高い材質である場合、または質量で50mass%以上を占める場合を示す。SiCは耐火温度が高く、再生時の溶損なども起こりにくい。また、強度的にも他のセラミックスフィルタよりも優れた特性を示す。
【0030】
また、本発明のセラミックスハニカム構造体において、SiCセラミックスの細孔径(平均細孔径)や気孔率は、特に限定されるものではない。
【0031】
そして、本発明のセラミックスハニカム構造体において、SiCセラミックスが、SiCよりなるセラミックス粉末と、セラミックス粉末を構成するSiC粒子同士を結合するSiCよりなる結合材と、を有する。このSiCセラミックスは、隣接するSiC粒子が結合材で固定された構成となっている。このような構成となっていることにより、多孔質セラミックスにおける細孔設計の自由度が向上している。つまり、細孔となるセラミックス粒子間のすき間の大きさ及び分布を容易に制御できる。そして、この細孔を均一な状態でもつ多孔質セラミックスを得ることができる。
【0032】
このSiCセラミックスは、SiC粉末(粒子)をSiC結合材で結合している。すなわち、粒子と結合材とが同じ材質となっており、SiC粒子と結合材との界面での剥離が生じにくくなり、接合性が向上している。すなわち、ハニカム分体を構成する多孔質のセラミックス自身の強度が向上し、耐熱衝撃性に優れたものとなっている。
【0033】
さらに、このSiCセラミックスは、多数の微細な細孔を有しており、この細孔がハニカム構造体の熱膨張(収縮)時の体積変化を緩衝する。これにより、さらに、セラミックス粒子の体積変化を緩衝することができる。
【0034】
このSiCセラミックスは、SiC粉末と、Si粉末と、C粉末と、が混合した状態で熱処理を施して形成される。Si粉末のSiとC粉末のCとが熱処理の熱により反応を生じ、結合材となるSiCを生成する。
【0035】
各粉末の混合粉末の熱処理温度は限定されるものではないが、SiCが焼結する温度(2300℃)よりも低い温度であることが好ましく、この熱処理温度は、2000℃以上であることが好ましい。そして、本発明の熱処理温度は、2000〜2100℃である。熱処理温度が低くなるほどSiCの生成反応が進行しなくなり、熱処理温度が高くなるほどSiC粉末の焼結が進行しやすくなる。
【0036】
本発明のセラミックスハニカム構造体において、各セグメント部及び連結部は、同じ材質からなることが好ましい。同じ材質よりなることで、一度に一体に両部を形成できる。この結果、セグメント部及び連結部の接続部の強度をハニカム構造体として求められる強度に保持できる。
【0037】
本発明のセラミックスハニカム構造体において、連結部で接続されたセグメント部を少なくとも4つ有することが好ましい。4つ以上のセグメント部が連結部で架橋されることで熱応力が分散しやすく、応力の緩和が行いやすくなる。この結果、ハニカム構造体の耐熱衝撃性が向上する。より好ましくは、16のセグメント部を有する場合である。
【0038】
セグメント部は、軸方向に垂直な断面積が100cm以下、またはセグメント部の最長径が10cm以下であることが好ましい。セグメント部の断面積や外形がこれらの数値以下となることで、セグメント部の体積変化の変化量が大きくなりすぎなくなる。この結果、連結部でセグメント部の熱応力を緩衝することができ、ハニカム構造体の耐熱衝撃性が向上する。
【0039】
本発明のセラミックスハニカム構造体において、軸方向に垂直な断面での外周形状が円あるいは楕円形状であることが好ましい。このような形状をなすことで、応力が部分的に集中することを防止でき、ハニカム構造体の耐熱衝撃性が向上する効果を発揮する。
【0040】
本発明のセラミックスハニカム構造体において、セグメント部の形状は特に限定されるものではないが、従来のセラミックスハニカム構造体のセグメントと同様に、軸方向に垂直な断面での外形が略方形状をなすことが好ましい。より好ましくは、略正方形状である。
【0041】
また、セグメント部の外周形状は、セグメント部の最外周に位置するセルを区画するセル壁により形成されることが好ましい。つまり、セグメント部は、その外周面が、セグメント部の最外周に位置するセルの形状と略一致する形状となる。このような構成となることで、それぞれのセグメント部の外周面からセル壁が突出しなくなる。
【0042】
本発明のセラミックスハニカム構造体において、径方向での最外周に位置するセグメント部の径方向の外周は、ハニカム構造体の外周と略一致する形状に形成されたことが好ましい。
【0043】
また、本発明のセラミックスハニカム構造体は、全てのセグメント部が別のセグメント部のいずれかに連結部で連結されていても、いくつかのセグメント部が連結部で連結されてなる連結体が接合材で接合されていても、いずれでもよい。
【0044】
更に、本発明のセラミックスハニカム構造体において、従来公知のセラミックスハニカム構造体と同様に、周方向の外周面上に外周材層を有することが好ましい。外周材層を有することで、ハニカム構造体が外周方向に変形することを規制することができる。
【0045】
本発明のセラミックスハニカム構造体は、その製造方法が限定されるものではなく、たとえば、原料となるセラミックスを有する粘土を押出成形でセグメント部と連結部とを有する所定形状の成形体に成形した後に、所定の温度での熱処理(焼成)して形成する方法や、原料となるセラミックスを有する粘土を押出成形でセグメント部の成形体を成形し、この成形体を連結部となる粘土で連結し、所定の温度での熱処理(焼成)して形成する方法等の方法をあげることができる。
【0046】
本発明のセラミックスハニカム構造体は、原料となるセラミックスを有する粘土を押出成形で所定形状の成形体に成形する成形工程と、成形体を所定の温度での熱処理する熱処理工程と、を施してなることが好ましい。所定形状の成形体は、セグメント部が連結部で連結されたセラミックスハニカム構造体の形状である。押出成形の際にセグメント部間をつなぐ連結部が予め形成されるような金型を用いることにより、複数のセグメント部が連結部によって予め連結された成形体を得ることができる。これにより接着層を介して接合する工程が無くなり、接合層の厚さのムラによる製品のバラツキの無いハニカム構造体が得られる。
【0047】
また、一体型のハニカム構造体の成形体は、異なるセル形状をもつハニカム体でありながら、一体型の成形体であるため、セグメント部の外周面が凹凸形状を有していても、成形直後に載置してもつぶれなくなっている。すなわち、所定の形状のセラミックスハニカム構造体を、精度良く製造できる。このように、一体型のハニカム構造体の成形体を成型することは、異なるセル形状をもつハニカム体において、特に効果を発揮する。
【0048】
押出成形は、成形体を鉛直方向に押し出すように行われることが好ましい。鉛直方向に成形体を押し出すことで、押し出された成形体の形状が維持できる。押し出された直後(乾燥前)の成形体は、保形性が低く、変形を生じやすくなっている。そして、たとえば、水平方向に押し出すと、自重により成形体が径方向(鉛直方向)に変形する。これに対し、鉛直方向に押し出された成形体では、重力がかかる鉛直方向に成形体(を形成する粘土)が存在するため、変形を抑えることができる。なお、鉛直方向に押出成形を行ったときには、押し出された成形体を所定の長さで切断し、軸方向が鉛直方向となっている状態で乾燥させる。
【0049】
さらに、押出成形で、ハニカム構造体と略一致する形状の成形体を成形すると、焼成後の外周形状の成形等のその後の製造工程での工数を大幅に低減できる効果を発揮する。
【0050】
本発明のセラミックスハニカム構造体は、その使用方法が特に限定されるものではないが、フィルタ触媒に用いることが好ましく、ディーゼルエンジンからの排気ガスの浄化に用いられるDPFとして使用することが好ましい。本発明のセラミックスハニカム構造体はをDPFとして用いるときには、開口率の大きな一方の端部側を、排ガスの流れ方向の上流側に位置した状態で使用することが好ましい。
【実施例】
【0051】
以下、実施例を用いて本発明を説明する。
【0052】
本発明の実施例として、セラミックスハニカム構造体を製造した。
【0053】
(実施例1)
まず、平均粒径12μmのSiC粉末75質量部、平均粒径10μmのSi粉末20質量部、平均粒径15μmのC粉末5質量部を秤量し、有機バインダーとしてメチルセルロースを加えたものに水を加えて適度の粘性にしたものに界面活性剤を加えて混合、混練した。得られた粘土を、金型を用いて押出成形法にてハニカム状に成形し、乾燥してハニカム基材に用いた原料で交互目封止をした後2100℃で熱処理して焼成体を得た。
【0054】
この焼成体のセグメント部と連結部の間の空隙を、充填材にて充填し、乾燥した後に円筒研削機にて加工して外周材を塗布した後に950℃で熱処理して本実施例のセラミックスハニカム構造体が製造された。
【0055】
充填材は、アルミナ・シリカファイバーを1mm以下に粉砕し、平均粒径20μmのSiC粗粒と平均粒径1μmのSiC微粒、バインダーとして1.26wt%のCMC溶液及び分散材としてカチオン系分散材を適量、結合剤としてコロイダルシリカを加えて調整されたスラリーを用いた。
【0056】
外周材は、平均粒径20μmのSiC粉末、平均粒径1μmの球状シリカ粉末、バインダーとしてl.26wt%のCMC溶液及び分散材としてアニオン系分散材を適量、結合剤としてコロイダルシリ力を加えて調整されたスラリーを用いた。
【0057】
本実施例のセラミックスハニカム構造体1は、φ14.38cm(5.66inch)、軸方向の長さ15.24cm(6.00inch)の円柱状の外周形状を有している。
【0058】
本実施例のセラミックスハニカム構造体1は、図1〜3に示したように、16個のセグメント部2と、隣接するセグメント部2同士を架橋する連結部3と、を有する。本実施例のセラミックスハニカム構造体1は、一辺が3.7cmの略正方形の断面をもつ2×2個で配列した内周側セグメント部20と、内周側セグメント部20の外周側に位置するとともに径方向の外周面が円弧状に形成された外周側セグメント部21と、を有する。また、セグメント部2間の距離は、約1mmであった。
【0059】
本実施例のセラミックスハニカム構造体1において、セグメント部2には、ハニカム構造体1の径方向の最外周に位置するセルを除いて、一辺が1.1mmの断面正方形のセル22と、1.3mmと1.1mmの直線を組み合わせた断面8角形のセル23と、を有している。セグメント部2において各セルを区画するセル壁24の厚さは0.3mmであった。また、内周側セグメント部20には、21個のセル22が区画されている。
【0060】
本実施例のセラミックスハニカム構造体1において、各セル22,23は、その断面形状が直線を組み合わせて形成された形状であり、各セル22,23を区画するセル壁24における直線の交点は、0.2mm以上の面取りがなされている。
【0061】
内周側セグメント部20同士及び内周側セグメント部20と外周側セグメント部21は、図4に示したように、それぞれのセグメント部20,21の外周を形成するセル22,23のうち、断面8角形のセル23と、断面正方形のセル22と、が対向した状態で(互い違いの状態で)配置されている。なお、図4は、図2の軸心部近傍の拡大図である。
【0062】
また、内周側セグメント部20と外周側セグメント部21のそれぞれは、その対向面で連結部3により架橋されている。連結部3は、連結される二つのセグメント部20,20において、互いに対向した位置にある、一方のセグメント部20aの断面正方形のセル22の中央部と、他方のセグメント部20bの断面8角形のセル23の中央部と、を連結するようにもうけられている。
【0063】
連結部3は、ハニカム構造体1の軸方向の全体にわたってセグメント部2同士を架橋している。連結部3は、厚さが0.3mmの平板状を有している。
【0064】
連結部3は、連結する断面正方形のセル22と断面8角形のセル23の二つの面がそれぞれ平行にもうけられており、二つの面に対して垂直な方向にのびるように形成されている。さらに、連結部3は、セル壁24の延長線上に位置しない状態で形成されている。
【0065】
本実施例のセラミックスハニカム構造体1は、図3に示したように、セグメント部2に区画されたセル22,23は、一方または他方のいずれか端部に封止材40で封止されている。この封止材40は、上記したように、セル壁24と同様な材質よりなる。
【0066】
本実施例のセラミックスハニカム構造体1においては、セル22は一方の端部が封止され、セル23は他方の端部が封止されている。そして、一方の端部における開口率(端部の面積に占める開口面積)と他方の端部における開口率の差は、33%であった。
【0067】
本実施例のセラミックスハニカム構造体1のセグメント部2同士と連結部3とに区画された空間には、充填材スラリーから形成された充填材5が充填されている。この充填材5は、区画された空間の端部を塞ぐのみではなく、空間の全体を充填している。
【0068】
充填材5は、気孔率が20%の多孔質のセラミックスよりなる。
【0069】
(実施例2)
本実施例は、セグメント部2を架橋する連結部3の形態が異なる以外は、実施例1と同様なハニカム構造体である。本実施例のセラミックスハニカム構造体の連結部3近傍を図5に示した。なお、図5は、図4と同様な図である。
【0070】
図5に示したように、本実施例のセラミックスハニカム構造体1は、連結部3に連結されるセグメント部20,21において、それぞれのセグメント部20,21の外周を形成するセル22,23のうち、断面8角形のセル23(断面正方形のセル22)同士が対向した状態で位置し、対向した断面8角形のセル23同士を連結部3が連結している。
【0071】
(比較例)
本比較例は、実施例1の内周側セグメント部20と同様な略正方形状の断面形状のセグメント7を、実施例1の時と同様にして製造した。製造されたセグメント7は、実施例1の時と同様に、封止材40がセルの端部を封止している。なお、本比較例においては、セグメント7は、その外周面を区画するセル壁25により、最外周に位置するセルが途切れた形状に形成されている。セル壁25により区画されるセグメント7の外周面は、平面状をなしている。
【0072】
このセグメント7を、実施例1において調製された外周材スラリーを接合材として用いて接合した。詳しくは、セグメント7の外周面に塗布し、別のセグメント7をこの面にすりあわせて接合した。この接合を繰り返して、全体の外周形状が正方形をなすように16個のセグメント7を接合し、80℃で乾燥した。接合体の端面を図6〜7に示した。なお、図7は、図6の軸心部近傍の拡大図である。
【0073】
図6〜7に示したように、比較例のセラミックスハニカム構造体1は、セグメント7が接合材8で接合された構成を有している。また、比較例のセラミックスハニカム構造体1では、最外周の途切れたセル同士を区画するセル壁24は、セル接合材8で接合される外周面を区画するセル壁25に対して略垂直な角度で交わるように形成されている。
【0074】
そして、この接合体を円筒研削機で研削して外周形状を円筒状に成形した。
【0075】
その後、実施例1の時と同様にして外周材層を形成した。これにより、本比較例のセラミックスハニカム構造体が製造できた。
【0076】
なお、本比較例のセラミックスハニカム構造体は、特に限定されない材質や大きさは、実施例1のセラミックスハニカム構造体と同様である。なお、セグメント間の距離(接合材層の厚さ)は、1.5mmであった。
【0077】
(評価)
(耐熱衝撃性)
各実施例及び比較例のセラミックスハニカム構造体の評価として、ヒートショック試験を施して耐熱衝撃性を測定した。具体的な試験方法を以下に示す。
【0078】
まず、内部の温度を調節できる加熱炉を準備し、炉内温度を400℃以上で50℃ごとの所定の温度に加熱し保持する。炉内温度が所定の温度に保持されたことが確認できたら、試験が施されるハニカム構造体を炉内に配置し、20分間保持する。
【0079】
20分間保持した後に、炉内からハニカム構造体を取り出し、室温に保持して急冷した。
【0080】
この急冷持に、セラミックスハニカム構造体の温度が十分に低下するまで観察した。観察結果を表1に示した。表1においては、セラミックスハニカム構造体1にひび割れが確認できない場合には○で、ひび割れが確認できた場合には×で示した。
【0081】
【表1】
【0082】
表1に示したように、各実施例のセラミックスハニカム構造体は、比較例2ハニカム構造体においてクラックが確認された600℃においても、クラックが確認できなかった。
【0083】
ここで、比較例のハニカム構造体においては、最外周の途切れたセル同士を区画するセル壁24が外周面を区画するセル壁25と交差する交点(図7中に、交点として示した部分)においてクラックが確認された。各実施例においては、このようにセル壁が交差する交点が無いため、比較例においてクラックが発生した温度でも、クラックが発生しなかった。
【0084】
上記のように、各実施例のセラミックスハニカム構造体は、比較例のセラミックスハニカム構造体よりも耐熱衝撃性に優れたものとなっている。すなわち、セグメント部2を連結部3で架橋した構成となることで、耐熱衝撃性が向上することが確認できた。
【0085】
(耐熱性)
つづいて、各実施例及び比較例のセラミックスハニカム構造体の耐熱性試験を施した。
【0086】
耐熱性試験は、それぞれのセラミックスハニカム構造体に10.0g/LのPMを堆積させて、燃焼試験を行い、試験後の状態を確認することで行った。
【0087】
まず、セラミックスハニカム構造体に、所定量のPMを堆積させた。このPMの堆積は、断面正方形のセル22が封止された端部を上流側に、断面8角形のセル23が封止された端部を下流側に位置した状態で行われた。その後、日産キャラバン(3.153Lエンジン)の排気系にPMが堆積したセラミックスハニカム構造体を組み付け、エンジンを稼働して堆積したPMを燃焼させた。セラミックスハニカム構造体の組付けは、断面8角形のセル23が封止された端部を下流側に位置した状態でなされた。つまり、排気ガスの流れ方向の上流側の端部の開口率が下流側の端部の開口率よりも大きくなるように組み付けられた。燃焼試験後に取り出したハニカム構造体を観察したところ、比較例では外周部と軸心部にわずかにクラックの発生が確認されたが、各実施例では外見上も内部でもクラックは発生していなかった。ここで、軸心部の破損はハニカム構造体を切断することにより観察した。
【0088】
上記のように、各実施例のセラミックスハニカム構造体は、耐熱衝撃性及び耐熱性に優れたものとなっている。また、耐熱衝撃性とPMの捕集性に優れたDPFを得られることが確認された。
【0089】
さらに、各実施例のハニカム構造体は、排気ガスの流れ方向の上流側に位置する端部の開口率が下流側に位置する端部の開口率よりも大きく形成されている。これは、上流側が開口した断面8角形のセル23と、下流側が開口した断面四角形のセル22の形状及び断面積の違いによる。セル23は、広い表面積を備えている。そして、この広い表面積により、捕集したPMを燃焼してAshが生成しても、セル23の有効面積の減少割合が小さく抑えられている。すなわち、各実施例のハニカム構造体は、耐Ash性に優れたものとなっている。
【0090】
上記のように、各実施例のハニカム構造体は、セグメント部2に区画されたセル22,23の形状及び断面積が異なることで、両端部におけるセルの開口率が異なるように形成されている。そして、排ガスの流れ方向の上流側の開口率を下流側の開口率よりも大きくなるように配置して使用することで、耐Ash性に優れたフィルタ触媒(DPF)となる効果を発揮する。
【0091】
また、各実施例のハニカム構造体は、セグメント部2を連結部3で連結した構成となっており、フィルタ触媒(DPF)として使用したときに、応力が集中してクラックが発生する場合には、連結部3がクラックの起点となる。つまり、連結部3にクラックが発生しても、その損傷がセグメント部2に影響を及ぼさないため、ハニカム構造体自身の機能(DPFのフィルタ機能)が維持される。つまり、高い耐熱衝撃性を発揮する。
【0092】
さらに、各実施例のハニカム構造体は、形状及び断面積の異なる2種類のセル22,23を備えたセグメント部2が連結部3に連結された状態で、押出成形で一度に成形されることで、成形後の成形体の変形が抑えられる。この結果、各実施例のハニカム構造体は、所定の特性を持つハニカム構造体を精度良く製造できる。
【0093】
(変形形態)
上記の各実施例においては、セグメント部20,21は、断面8角形のセル23と断面正方形のセル22とからなる例を示したが、この形状以外の断面形状であってもよい。
【0094】
変形形態のセル形状としては、たとえば、断面正方形のセル形状(図8)、断面正三角形のセル形状(図9)、断面正六角形のセル形状、等の断面多角形のセル形状、軸方向に垂直な断面形状が6角形のセルと断面形状が3角形のセルとが隣接した形状(図10)、軸方向に垂直な断面形状が略円形のセルと断面形状が略星形(略4角形)のセルとが隣接した形状(図11)、等のセル形状(及びセル断面積)の異なるセルを組み合わせた形状、をあげることができる。また、実施例のセル形状やこれらのセル形状を組み合わせた形状としてもよい。変形形態のセル形状を示した図8〜11においては、セル形状を示すために、セルを区画するセル壁24のみを示した。
【0095】
また、上記の各実施例においては、連結部3は、セル22,23の外周面に垂直にのびるように形成されているが、この形態のみに限定されない。つまり、湾曲していても、セル22,23の外周面に90度未満の角度で交差していてもよい。
【0096】
さらに、上記の各実施例においては、連結部3は、セグメント部20の外周面に位置する全てのセル23にもうけられているが、これに限られるものではない。つまり、一つおき等の所定の間隔のセル23にもうけてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0097】
図1】実施例1のセラミックスハニカム構造体を示した斜視図である。
図2】実施例1のセラミックスハニカム構造体の端面を示した図である。
図3】実施例1のセラミックスハニカム構造体の端面の断面図である。
図4】実施例1のセラミックスハニカム構造体の端面の部分拡大図である。
図5】実施例2のセラミックスハニカム構造体の端面の拡大図である。
図6】比較例のセラミックスハニカム構造体の端面を示した図である。
図7】比較例のセラミックスハニカム構造体の端面の部分拡大図である。
図8】変形形態のセラミックスハニカム構造体のセル形状を示した端面の部分拡大図である。
図9】変形形態のセラミックスハニカム構造体のセル形状を示した端面の部分拡大図である。
図10】変形形態のセラミックスハニカム構造体のセル形状を示した端面の部分拡大図である。
図11】変形形態のセラミックスハニカム構造体のセル形状を示した端面の部分拡大図である。
【符号の説明】
【0098】
1:ハニカム構造体
2:セグメント部
3:連結部
40:封止材
5:充填部
6:外周材層
7:セグメント
8:接合材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11