【実施例1】
【0016】
図2(a)は、実施例1の半導体記憶装置全体のチップ配置を示すブロック図である。
図2(a)の半導体記憶装置10はDRAM(ダイナミックランダムアクセスメモリ)であり、半導体記憶装置10の全体の構成は、制御回路(CNTL)11と、入出力回路(DQC)12とメモリバンク(BANK)20とに大きく分けられる。また、それらの外側の半導体チップの周辺には、外周部13が設けられる。
【0017】
制御回路(CNTL)11には、クロック、アドレス、制御信号が半導体記憶装置10外から入力され、半導体記憶装置10全体の動作モードの決定やアドレスのプリデコード等が行われる。
【0018】
入出力回路(DQC)12は、入出力バッファ等を備え、半導体記憶装置10外部からライトデータが入力され、半導体記憶装置10外部へリードデータを出力する。
【0019】
メモリバンク(BANK)20には、
図2(b)に示すように複数のメモリセルアレイ部30がマトリクス状に配置される。後で詳しく説明するようにメモリセルアレイ部30には、メモリセルアレイそのものの他、メモリセルアレイ毎に設けられるサブワード線デコーダ、サブワード線安定化回路、センスアンプ部、クロスエリア等の周辺回路が含まれる。メモリバンク20内にマトリクス状に設けるメモリセルアレイ部30の行と列の数については、必要なメモリ容量に合わせて必要なだけの数の行と列が設けられる。
【0020】
また、メモリバンク(BANK)20内のY方向(横軸方向)の外周部には、Xデコーダ(行デコーダ)及びアクセス制御回路(XDEC、ACC)21が設けられる。Xデコーダ及びアクセス制御回路21から各Y方向に配置された複数のメモリセルアレイ部30へ複数のメインワード線24が配線されている。
図2(b)には、一部のメインワード線のみを図示している。Xデコーダ及びアクセス制御回路21は、外部から与えられたロウアドレスに基づいて、複数のメインワード線24の中から選択されたメインワード線を活性化する。また、メインワード線24の活性化は、アクセス制御回路の制御の基に行われる。
【0021】
また、メモリバンク(BANK)20内のX方向(縦軸方向)の外周部には、列デコーダ(YDEC)22及びメインアンプ列(MAA)23が設けられる。列デコーダ(YDEC)22は外部から与えられたカラムアドレスに基づいて、選択されたメモリバンクとの間でデータのリードライトを制御する。また、メインアンプ列は、外部からメモリセルアレイ部30にライトするデータを増幅してメモリセルアレイ部30に伝えると共に、メモリセルアレイ部30から読み出したデータを増幅して外部へ出力する。
【0022】
次に、
図1を用いて、メモリセルアレイ部30の内部の構成と動作について説明する。各メモリセルアレイ部30は、メモリセルアレイ31とその周辺回路により構成される。周辺回路には、メモリセルアレイ31のY方向(横軸方向)の両脇に配置されたサブワード線ドライバ部32L、32Rと、サブワード線電位安定化回路33L、33Rと、X方向(縦軸方向)の両脇に配置されたセンスアンプ部34U、34Dが含まれる。さらに、周辺回路には、Y方向に配置されたサブワード線ドライバ部32L、32R及びサブワード線電位安定化部33L、33Rと、X方向に配置されたセンスアンプ部34U、34Dに挟まれたコーナーには、クロスエリア36が含まれる。なお、センスアンプ部34U、34Dは、マトリクス状に配置された複数のメモリセルアレイ部のうち、当該センスアンプ部を挟んでX方向に隣接して配置された他のメモリセルアレイ部と共有される。
【0023】
メモリセルアレイ31内にはY方向に複数のサブワード線SWLX、SWL0〜SWL4が配線されている。また、各サブワード線と交差するX方向には、複数のビット線Bk−2〜Bk+3が配線されている。1つのメモリセルアレイ当たりのサブワード線の数とビット線の数は、必要とするメモリ容量に合わせて決めることができる。
図1には、一部のサブワード線と一部のビット線のみを図示する。
【0024】
この複数のサブワード線SWLX、SWL0〜SWL4と複数のビット線Bk−2〜Bk+3との交点には、セルトランジスタ41a〜41dとセル容量42a〜42dから構成されるDRAMセルがそれぞれ接続されている。各メモリセルトランジスタ41a〜41dのソースドレイン端の一端は、対応するビット線に接続され、ソースドレイン端の他端は、一端が基準電位に接続されたセル容量の他端に接続される。また、各メモリセルトランジスタ41a〜41dのゲートは対応するサブワード線に接続される。なお、実際には、各サブワード線SWLX、SWL0〜SWL4等と各ビット線Bk−2〜Bk+3等との各交点に対応してDRAMセルが設けられるが、
図1では、サブワード線SWL1、SWL2と、ビット線Bk、Bk+1との交点にそれぞれ対応して設けられる4つのDRAMセルのみを記載し、その他のサブワード線とビット線との交点に対応して設けられるDRAMセルは記載を省略している。
【0025】
メモリセルアレイ31のY方向の両脇には、サブワード線ドライバ部32L、32Rが設けられる。メモリセルアレイ31に配線された複数のサブワード線SWLX、SWL0〜SWL4は、一本ずつ交互にサブワード線ドライバ部32Lまたは32Rに接続される。したがって、サブワード線ドライバ部32Lに接続されたサブワード線(例えばSWL2)に隣接して配置されたサブワード線(例えばSWL1とSWL3)はサブワード線ドライバ部32Lには接続されず、サブワード線ドライバ部32Rに接続される。同様に、サブワード線ドライバ部32Rに接続されたサブワード線(例えばSWL1)に隣接して配置されたサブワード線(例えばSWL0とSWL2)はサブワード線ドライバ部32Lには接続されず、サブワード線ドライバ部32Rに接続される。
【0026】
サブワード線ドライバ部32L、32Rは、それぞれサブワード線毎に設けられたサブワード線ドライバを備えている。
図1には、サブワード線SWL2に接続されるサブワード線ドライバと、サブワード線SWL1に接続されるサブワード線ドライバのみを図示する。サブワード線ドライバ内部の回路構成をサブワード線SWL2に接続されたサブワード線ドライバを例に説明すると、ゲートが反転メインワード線MWLBに、ソースがサブワード選択線FX2に、ドレインがサブワード線SWL2に接続されたP型MOSトランジスタ51Lと、ゲートが反転メインワード線MWLBにソースが電源VKKにドレインがサブワード線SWL2に接続されたN型MOSトランジスタ52Lと、ゲートがサブワード選択線FX2Bにソースが電源VKKにドレインがサブワード線SWL2に接続されたN型MOSトランジスタ53Lにより構成される。なお、サブワード選択線FX2Bは、サブワード選択線FX2の反転信号である。また、反転メインワード線MWLBは選択されたときにロウレベルとなり非選択のときハイレベルとなるメインワード線である。このサブワード線ドライバは、反転メインワード線MWLBがロウレベルでサブワード選択線FX2がハイレベルのときにサブワード線SWL2を活性化してハイレベルにする。それ以外のときは、サブワード線SWL2をVKKレベルに非活性化する。なお、VKKは、外部から与えられる電源である低電源電圧VSSよりさらに低い電圧の電源(たとえば、−0.4V)であり、半導体記憶装置10の内部で生成される電源である。
【0027】
また、サブワード線ドライバ部32Rに配置されたサブワード線SWL1を駆動するサブワード線ドライバも上記サブワード線SWL2を駆動するサブワード線ドライバと同様な構成である。サブワード線ドライバ部32Lと32Rが駆動する複数のサブワード線には、それぞれサブワード線SWLX、SWL0〜SWL4等に対応してそれぞれサブワード線ドライバが設けられる。その回路構成はすべて同一であるが、各サブワード線ドライバは、反転メインワード線MWLBまたは、サブワード選択線(FX1、FX2等)のどちらの入力信号がそれぞれ異なっており、1つのメモリセルアレイ31に対して設けられた複数のサブワード線ドライバ(サブワード線ドライバ部32Lまたは32R内のサブワード線ドライバ)のうち、同時に活性化するのは、一つのサブワード線トライバであり、同時に選択されるサブワード線は、1本である。
【0028】
また、メモリセルアレイ31とサブワード線ドライバ部32L及び32Rの間には、サブワード線電位安定化回路33L、33Rが設けられている。サブワード線ドライバ32Lに一端が接続されたサブワード線の末端はメモリアレイ31を横切ってサブワード線電位安定化回路33Rまで延びており、サブワード線電位安定化回路33R内に設けられたサブワード線電位安定化トランジスタのドレインに接続されている。例えば、サブワード線ドライバ部32Lに接続されたサブワード線SWL2は、メモリセルアレイ31を横切ってサブワード線電位安定化回路33Rまで延び、サブワード線電位安定化トランジスタ54Rのドレインに接続されている。サブワード線電位安定化トランジスタ54Rのソースは、電源VKKに接続され、ゲートは、クロスエリア36に配置された安定化回路制御信号生成回路55Rが出力する制御信号PDEに接続される。サブワード線電位安定化トランジスタ54RはN型MOSトランジスタであり、制御信号PDEがハイレベルのとき、導通し、対応するサブワード線SWL2を電源VKKにプルダウンする。サブワード線電位安定化トランジスタ54Rは制御信号PDEがロウレベルのときは非導通となる。
【0029】
同様に、サブワード線ドライバ32Rに一端が接続されたサブワード線の末端はメモリアレイ31を横切ってサブワード線電位安定化回路33Lまで延びており、サブワード線電位安定化回路33L内に設けられたサブワード線電位安定化トランジスタのドレインに接続されている。例えば、サブワード線ドライバ部32Rに接続されたサブワード線SWL1は、メモリセルアレイ31を横切ってサブワード線電位安定化回路33Lまで延び、サブワード線電位安定化トランジスタ54Lのドレインに接続されている。サブワード線電位安定化トランジスタ54Lのソースは、電源VKKに接続され、ゲートは、クロスエリア36に配置された安定化回路制御信号生成回路55Lが出力する制御信号PDOに接続される。サブワード線電位安定化トランジスタ54LはN型MOSトランジスタであり、制御信号PDOがハイレベルのとき、導通し、対応するサブワード線SWL1を電源VKKにプルダウンする。サブワード線電位安定化トランジスタ54Lは制御信号PDOがロウレベルのときは非導通となる。
【0030】
メモリセルアレイ31のビット線方向(X方向)の端には、それぞれセンスアンプ部34U、34Dが設けられている。センスアンプ部34U、34Dには、それぞれ対応するビット線Bk−2〜Bk+3等に接続された複数のセンスアンプを備えている。
図1では、ビット線Bk+1に接続されたセンスアンプ35Uとビット線Bkに接続されたセンスアンプ35Dのみを図示する。なお、各ビット線Bk−2〜Bk+3は1本毎に交互にビット線方向の両端に設けられたセンスアンプ部34Uと34Dに設けられたセンスアンプ(35U、35D等)に接続されている。
【0031】
センスアンプ35Uは、メモリセルアレイ31のビット線Bk+1以外にセンスアンプ部34Uを挟んでメモリセルアレイ31とは反対型に配置された別のメモリセルアレイのビット線BUにも接続されている。同様に、センスアンプ35Dは、メモリセルアレイ31のビット線Bk以外にセンスアンプ部34Dを挟んでメモリセルアレイ31とは反対型に配置された別のメモリセルアレイのビット線BDにも接続されている。
【0032】
クロスエリア36には、サブワード線電位安定化回路33L、33Rをそれぞれ制御する安定化回路制御信号生成回路55L、55Rが設けられる。安定化回路制御信号生成回路55Lは、サブワード線ドライバ部32Lに入力されるサブワード選択線(FX2等)、メインワード線等をデコードし、サブワード線ドライバ部32Lがいずれかのサブワード線を活性化するときに制御信号PDOとしてハイレベルを出力し、サブワード線ドライバ部32Lがいずれのサブワード線も活性化しないときは、制御信号PDOとしてロウレベル(VKKレベル)を出力する。すなわち、サブワード線ドライバ部32Lがいずれかのサブワード線を活性化させるときに、活性化されるサブワード線に隣接して配置されるサブワード線を含めて、サブワード線ドライバ部32Lとはメモリセルアレイ31を間に挟んで反対側に配置されているサブワード線ドライバ部32Rに接続されている複数のサブワード線(SWLX、SWL1、SWL3等)の末端を一斉にプルダウンするようにサブワード線電位安定化回路33Lを制御する。
【0033】
同様に、安定化回路制御信号生成回路55Rは、サブワード線ドライバ部32Rに入力されるサブワード選択線(FX1等)、メインワード線等をデコードし、サブワード線ドライバ部32Rがいずれかのサブワード線を活性化するときに制御信号PDEとしてハイレベルを出力し、サブワード線ドライバ部32Rがいずれのサブワード線も活性化しないときは、制御信号PDEとしてロウレベル(VKKレベル)を出力する。すなわち、サブワード線ドライバ部32Rがいずれかのサブワード線を活性化させるときに、活性化されるサブワード線に隣接して配置されるサブワード線を含めて、サブワード線ドライバ部32Rとはメモリセルアレイ31を間に挟んで反対側に配置されているサブワード線ドライバ部32Lに接続されている複数のサブワード線(SWL0、SWL2、SWL4等)の末端を一斉にプルダウンするようにサブワード線電位安定化回路33Rを制御する。
【0034】
次に、
図1のメモリセルアレイ部30の動作について説明する。外部からロウアドレスが与えられる前は、メモリセルアレイ31のすべてのサブワード線は非選択となり、電源VKKと同一電圧に設定される。この状態では、メモリセルアレイ31の各メモリセルの容量に蓄えられた電荷は保持される。
【0035】
外部から与えられるロウアドレスが確定し、特定のサブワード線(たとえばSWL2)がサブワード線ドライバ部32R、32Lにより選択されたとする。そうすると選択されたサブワード線(SWL2)が活性化しハイレベルを出力する。このとき、サブワード線安定化回路を設けない場合は、活性化されるサブワード線(SWL2)に隣接するサブワード線(SWL1とSWL3)はサブワード線間の寄生容量により、選択されたサブワード線(SWL2)の活性化に伴いサブワード線の電位が浮き上がる。
【0036】
しかし、サブワード線安定化回路33L、33Rを設けることにより、サブワード線安定化回路33L、33Rは、活性化するザブワード線(SWL2)に隣接するサブワード線(SWL1、SWL3)の末端の電位をVKK電位に固定する。なお、実施例1では、サブワード線安定化回路33L、33Rの回路を簡単化するため、安定化回路制御信号生成回路55L、55Rにより、サブワード線トライバ部32Lがいずれかのサブワード線を活性化する場合には、安定化回路制御信号生成回路55Lは、制御信号PDOを活性化し、サブワード線の末端がサブワード線安定化回路33Lに接続されている複数のサブワード線を一斉にVKK電位に固定する。また、逆に、サブワード線トライバ部32Rがいずれかのサブワード線を活性化する場合には、安定化回路制御信号生成回路55Rは、制御信号PDEを活性化し、サブワード線の末端がサブワード線安定化回路33Rに接続されているサブワード線を一斉にVKK電位に固定する。上記制御によれば、活性化するサブワード線に隣接しないサブワード線の末端もVKK電位に固定されるが、元々活性化するサブワード線以外のサブワード線の電位はVKKであるので、特に問題は生じない。上記回路構成により、比較的簡単な回路の追加で、選択サブワード線に隣接する非選択サブワード線の(サブワード線ドライバから最も離れた)末端の電位を固定化する。
【0037】
図3(a)は、サブワード電位安定化回路33Lの一部の回路配置を示すレイアウト図である。また、
図3(b)はその等価回路図である。
図3(a)において、サブワード線SWL0〜SWL7に沿って図の範囲外の右側には、メモリセルアレイ31が配置され、図の範囲外の左側には、サブワード線ドライバ32Lが配置され、サブワード線電位安定化回路33Lは、メモリセルアレイ31とサブワード線ドライバ32Lとの間に配置されている。サブワード線SW0〜SWL7はそれぞれメモリセルアレイ31に接続される。また、順番に配線されたサブワード線SW0〜SWL7のうち、1個おきのSWL0、SWL2、SWL4、SWL6は図示しないサブワード線ドライバ32Lに接続されている。残りのサブワード線SWL1、SWL3、SWL5、SWL7はメモリセルアレイ31
を挟んで反対側に配置されるサブワード線ドライバ32Rに接続されている
【0038】
サブワード線SWL0〜SWL7と交差する方向にワード線電位安定化トランジスタ制御信号線PDOa、PDOb及び電源配線VKKが配線されている。制御信号線PDOaとPDObは、共に安定化回路制御信号生成回路55Lが出力する同電位の信号線である。また、この制御信号線PDOa、PDOb及び電源配線VKKはゲート電極と同一配線層の配線である。
【0039】
また、制御信号線PDObとサブワード線SWL1とSWL5とが交差する周辺の半導体基板の表面、制御信号線PDOaとサブワード線SWL3とSWL7とが交差する周辺の半導体基板の表面には、N型の相対的に高濃度な拡散層であるN+拡散層が形成されている。
【0040】
さらにサブワード線SWL1及びSWL5と交差する制御信号線PDObの直下には、トランジスタT1とT5のチャンネルが形成されている。同様に、サブワード線SWL3及びSWL7と交差する制御信号線PDOaの直下には、トランジスタT3とT7のチャンネルが形成されている。上記N+拡散層のうち、制御信号線PDObよりメモリセルアレイ31側の領域61Rには、トランジスタT1とT5のそれぞれドレイン領域が形成され、制御信号線PDOaと電源配線VKKに挟まれる領域61Lには、トランジスタT3とT7のそれぞれドレイン領域が形成されている。さらに、制御信号線PDOaと制御信号線PDObとの間の領域62は、トランジスタT1、T3、T5、T7のソース領域62が形成されている。ソース領域62とVKK配線は、コンタクト63と配線を介して接続されている。また、メモリセルアレイ31方向から配線されるサブワード線SWL1、SWL3、SWL5、SWL7の末端は、コンタクト63を介してそれぞれトランジスタT1、T3、T5、T7のドレインへと接続されている。なお、安定化制御信号生成回路55Lの構成によっては、制御信号線PDOa、PDObが、それぞれ別な制御信号線であってもよい。
【0041】
図4は、実施例1によるメモリセルアレイ31の一部の領域を示す平面図であり、
図5(a)はそのA−A断面図であり、
図5(b)はそのB−B断面図である。実施例1のDRAMセルの構造について、
図4と
図5を用いて説明する。P型半導体基板71に、埋め込みビット線73が形成されている。埋め込みビット線73は熱酸化膜74によりP型半導体基板71とは絶縁して形成されている。P型半導体基板の表面には一部が突出した半導体ピラーが設けられ、その先端は図示しない容量電極へと接続されている。また、埋め込みビット線73と半導体ピラー71Pとの間にはシリサイドからなる埋め込みビット線接続部77が設けられ、半導体ピラー71Pを対応する埋め込みビット線73に接続している。埋め込みビット線の表面にはHDPからなる絶縁膜78が形成されている。さらに、絶縁膜78のさらに上部の半導体ピラー71Pの側壁にはゲート酸化膜を隔ててセルトランジスタのゲート電極となるサブワード線79U、79Dが配線されている。
【0042】
上記DRAMセルは、ビット線間及びワード線間が最小間隔2Fで配置することが可能ないわゆる4F2セルの構造である。上記構成によれば、各半導体ピラーの側壁に形成されるサブワード線79U、79Dは短い間隔を置いて(
図4、
図5(b)のdを参照。)並走するので、サブワード線間にセルコンタクトを配置する従来の6F2セルや8F2セルのレイアウト構造と比べるサブワード線間の距離は小さい。したがって、サブワード線間の寄生容量が大きくなることは避けられない。たとえば、表1に示すように、6F2セルを用いたレイアウトでは、サブワード線の寄生容量全体のうちで隣接するサブワード線との寄生容量の比率が1%以下であるのに対して、実施例1のように4F2セルを用いたレイアウトでは、サブワード線の寄生容量全体のうちで隣接するサブワード線との寄生容量の比率が15〜20%にも及ぶ。
【0043】
【表1】
【0044】
したがって、実施例1のように4F2構造のDRAMセルを用いてレイアウトする場合には、面積が小さくなる4F2セルを用いるレイアウトの利点を生かしたまま、隣接するサブワード線による影響を効果的に抑制する効果が得られる。
【0045】
次に実施例1の効果について説明する。
図6は、
図4、
図5のような4F2のDRAMセルを用いた場合において、サブワード線電位安定化トランジスタを設けない場合と、実施例1のようにサブワード線電位安定化トランジスタを設けた場合の選択サブワード線に隣接するサブワード線電位のシミュレーション波形の比較図である。
図6に示すとおり、安定化トランジスタを設けない場合は、選択サブワード線が活性化すると、選択サブワード線に隣接する非選択サブワード線の電位は、ピーク値で約254mV、VKK電位(−0.4V)から浮き上がる。それに対して、実施例1のようにサブワード線電位安定化トランジスタを設けることにより、選択サブワード線に隣接する非選択サブワード線の電位のVKK電位からの浮き上がりを、ピーク値で約109mVに抑えることができる。これにより、非選択ワード線の浮き上がりによるセル容量のリーク電流を抑制することができ、メモリセルのデータ保持時間、リフレッシュ特性を改善することができる。
【0046】
なお、実施例1では、半導体記憶装置10の内部に複数のメモリバンク20を設け、各メモリバンクがマトリクス状に構成された複数のメモリセルアレイ部30により構成されている記憶容量の大きな半導体記憶装置の例を示したが、たとえば、全体でメモリセルアレイが一つしかない小容量の半導体記憶装置に適用することも可能である。その場合、メモリセルアレイ毎にメインワード線をサブワード線に分割する必要はないので、実施例1のサブワード線をそのままワード線に適用することができる。