(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記プローブホルダ及び各プローブのいずれか一方は、さらに、前方又は後方に突出する凸部を備え、前記プローブホルダ及び各プローブの他方は、さらに、前記凸部が当接する当接部を備える、請求項1から2のいずれか1項に記載のプローブ装置。
前記プローブホルダは、下方及び後方に開放しかつ左右方向に間隔をおいて前後方向へ延びる複数の第1のスリットであって、前記針前部領域の少なくとも一部が受け入れられた複数の第1のスリットと、該第1のスリットより後方に間隔をおいた位置にあって、前方及び下方に開放しかつ左右方向に間隔をおいて前後方向へ延びる複数の第2のスリットであって、前記針後部領域の少なくとも一部が受け入れられた複数の第2のスリットとを有する、請求項1に記載のプローブ装置。
前記プローブホルダは、さらに、後方に開放しかつ左右方向に間隔をおいて上下方向へ延びる複数の第3のスリットであって、前記針中央領域の前端部の少なくとも一部を受け入れた複数の第3のスリットを有する、請求項1に記載のプローブ装置。
前記プローブホルダは、さらに、前記第3のスリットより後方に間隔をおいた位置にあって、前方に開放しかつ左右方向に間隔をおいて上下方向へ延びる複数の第4のスリットであって、前記針中央領域の後端部の少なくとも一部を受け入れた複数の第4のスリット(142)を有する、請求項7に記載のプローブ装置。
前記プローブ組立体は、さらに、前記プローブの前記針中央領域を貫通して左右方向へ延びる少なくとも1つのバー部材と、前記プローブホルダの左右方向における各側部に取り外し可能に組み付けられて、前記バー部材をその端部において前記プローブホルダに支持させる板状のカバーとを備える、請求項1から8のいずれか1項に記載のプローブ装置。
さらに、支持ブロックと、該支持ブロックの下側に配置された結合ブロックであって、前記プローブ組立体が下側に組み付けられた結合ブロックと、該結合ブロックを前記支持ブロックの下側に組み付ける組み付け装置とを含み、
前記組み付け装置は、前記結合ブロック及び前記支持ブロックのいずれか一方に形成された凹所と、該凹所に嵌合された連結部材と、該連結部材を前記結合ブロック又は前記支持ブロックに組み付ける第1のねじ部材と、前記連結部材を上下方向に貫通して、前記結合ブロック及び前記支持ブロックの他方に螺合された第2のねじ部材とを備える、請求項1から9のいずれか1項に記載のプローブ装置。
前記結合ブロックの下側にあって前記プローブ組立体よりも後方の箇所に配置された配線シートであって、左右方向に間隔をおいた複数の接続部を下面に備える配線シートとを含み、
前記プローブ組立体は、前記プローブの後部側の針先が前記接続部に接触された状態に、前記結合ブロックの下側に組み付けられている、請求項10に記載のプローブ装置。
【背景技術】
【0002】
液晶表示パネルのような平板状の被検査体は、一般に、プローブユニット、プローブブロックのようなプローブ装置を用いる検査装置、すなわち試験装置により検査、すなわち試験をされる。そのようなプローブ装置の1つとして、特許文献1に記載されたものがある。
【0003】
特許文献1に記載されたプローブ装置は、試験装置の本体フレームに取り付けられる板状のプローブベースと、プローブベースに取り付けられた連結ブロックと、高さ位置を調整可能に
連結ブロックに懸架された支持ブロックと、複数のプローブをプローブホルダに支持させたプローブブロック(プローブ組立体)であって、支持ブロックに組み付けられたプローブブロックとを含む。
【0004】
プローブホルダは、該プローブホルダから上方に突出する凸部がスライドブロックに形成された凹部に差し込まれた状態に、一対のねじ部材により連結ブロックに取り付けられている。これにより、プローブブロックは支持ブロックに対し解除可能に維持されている。
【0005】
各プローブは、板状の針中央領域と、該針中央領域から前方へ一体的に延びる針前部領域と、該針前部領域から下方へ延びる先端針先と、針中央領域から後方へ一体的に延びる針後部領域と、該針後部領域から
上方へ延びる後端針先とを有する。そのようなプローブは、針中央領域を対向させた状態に、プローブホルダに配置され、支持されている。
【0006】
プローブ組立体は、プローブ及びプローブホルダの他に、針中央領域をその厚さ方向に貫通して延びて、両端部においてプローブホルダに支持されたガイドバーと、針前部領域を受け入れるべく左右方向に間隔をおいた複数のスリットを有しかつプローブホルダに支持された前側スリットバーと、針後部領域を受け入れるべく左右方向に間隔をおいた複数のスリットを有しかつプローブホルダに支持された後側スリットバーとを備える。
【0007】
特許文献1に記載されたプローブ装置において、プローブは、ガイドバーによりプローブホルダに支持されており、また先端針先及び後端針先をそれぞれ対応するスリットバーのスリットから前方及び後方へ突出させている。そのようなプローブ装置においては、先端針先及び後端針先がそれぞれ被検査体の電極及びタブのような配線シートの接続部に押圧されて、オーバードライブが各プローブに作用すると、プローブホルダに対する前後方向及び上下方向のプローブの変位量が各プローブとガイドバーとの間に存在するギャップの大きさに応じて異なる。
【0008】
上記のようなギャップがプローブとガイドバーとの間に形成されることは、設計上及び加工上許される公差により、避けることができない。その結果、先端針先と被検査体の電極との間の接触、及び後端針先と配線シートの接続部との間の電気的な接触が不安定になり、正しい試験が行われない。
【0009】
上記の課題を解決するために、特許文献2に記載されたプローブ装置においては、上記のガイドバーを位置決めピンとし、また前方に向けて開放するコ字状の第1及び第2の凹所をそれぞれ各プローブの針中央領域の前端部及び後端部に設け、後方に突出されて第1及び第2の凹部に嵌合された第1及び第2の凸部をそれぞれ先端側スリットバー、及びブロック片の後端部に設けた荷重受けバーに設けている。
【0010】
特許文献2に記載されたプローブ装置においては、ガイドバーを位置決めピンとしたこと、並びに第1の凹部及び第1の凸部が嵌合されていること、並びに第2の凹部及び第2の凸部が嵌合されていることにより、オーバードライブが各プローブに作用したときのブロック片に対するプローブの変位量の差を低減している。
【0011】
しかし、上記のようにしても、ピン部材とプローブとの嵌合部、第1の凹部と第1の凸部との嵌合部、及び第2の凹部と第2の凸部との嵌合部のギャップは、設計上及び加工上許されていることであり、またそのようなギャップをゼロにすることは、加工上及び組み立て作業上、困難である。
【0012】
上記の結果、特許文献2に記載されたプローブ装置においては、オーバードライブが各プローブに作用したときのプローブホルダ(特に、ブロック片)に対するプローブの変位量の差をある程度小さくすることができるにすぎない。このため、特許文献2に記載されたプローブ装置では、先端針先と被検査体の電極との間の接触、及び後端針先と配線シートの接続部との間の接触が不安定になり、正しい試験をすることができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、プローブホルダに対するプローブの変位量の差を可能な限り小さくして、正しい試験を可能にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明に係るプローブ装置は、針中央領域を有する複数のプローブと、該プローブが前記針中央領域を対向させて、左右方向に間隔をおいて配置されたプローブホルダとを備えるプローブ組立体を含む。前記プローブホルダ及び各プローブのいずれか一方は、下向きの第1の部位と、前向きの第2の部位とを備える。前記プローブホルダ及び各プローブの他方は、前記第1の部位に当接可能の上向きの第3の部位と、前記第2の部位に当接可能の後向きの第4の部位とを備える。
また、前記プローブホルダ及び各プローブの前記一方は、さらに、後向きの第5の部位を前記第1の部位から上方に間隔をおいた箇所に備えることができる。また、前記プローブホルダ及び各プローブの他方は、さらに、前記第5の部位に当接可能の前向きの第6の部位を前記第3の部位から上方に間隔をおいた箇所に備える。
【0016】
前記第2及び第4の部位は、それぞれ、前記第1及び第3の部位から上下方向に離間されていてもよい。
【0017】
前記針中央領域は
上下方向及び前後方向へ延びる板の形状を有することができる。また、各プローブは、さらに、前記針中央領域の前端部から前方へ延びる針前部領域と、該針前部領域の前端部から下方へ延びる先端針先と、前記針中央領域の後端部から後方へ延びる針後部領域と、該針後部領域の後端部から上方へ延びる後端針先とを有することができる。
【0018】
前記第1及び第2の部位は前記プローブホルダに備えられていてもよい。また、前記第3及び第4の部位は前記プローブの前記針中央領域の前端部に備えられていてもよい。さらに、前記プローブは前記針中央領域を対向させていてもよい。
【0019】
前記第5の部位は前記プローブホルダに備えられていてもよい。また、前記第6の部位は前記プローブの前記針中央領域の前端部に備えられていてもよい。
【0020】
前記プローブホルダ及び各プローブの
いずれか一方は、さらに、前方又は後方に突出する凸部を備えることができる。また、前記プローブホルダ及び各プローブの他方は、さらに、前記凸部が当接する当接部を備えることができる。
【0021】
各プローブの後端針先は、前記針後部領域から該針後部領域の延在方向に対し上方へ直角に延びていてもよい。
【0022】
左右方向に隣り合う前記後端針先は、前記針後部領域の側の部位を対向させていると共に、前記プローブの後部側の針先を前後方向に変位させていてもよい。
【0023】
前記プローブホルダは、下方及び後方に開放しかつ左右方向に間隔をおいて前後方向へ延びる複数の第1のスリットであって、前記プローブの針前部領域の少なくとも一部が受け入れられた複数の第1のスリットと、該第1の
スリットより後方に間隔をおいた位置にあって、前方及び下方に開放しかつ左右方向に間隔をおいて前後方向へ延びる複数の第2のスリットであって、前記プローブの針後部領域の少なくとも一部が受け入れられた複数の第2のスリットとを有することができる。
【0024】
前記プローブホルダは、さらに、後方に開放しかつ左右方向に間隔をおいて上下方向へ延びる複数の第3のスリットであって、前記針中央領域の前端部の少なくとも一部を受け入れた複数の第3のスリットを有することができる。
【0025】
前記プローブホルダは、さらに、前記第3のスリットより後方に間隔をおいた位置にあって、前方に開放しかつ左右方向に間隔をおいて上下方向へ延びる複数の第4のスリットであって、前記針中央領域の後端部の少なくとも一部を受け入れた複数の第4のスリットを有することができる。
【0026】
前記プローブ組立体は、さらに、前記プローブの前記針中央領域を貫通して左右方向へ延びる少なくとも1つのバー部材と、前記プローブホルダの左右方向における各側部に取り外し可能に組み付けられて、前記バー部材をその端部において前記
プローブホルダに支持させる板状のカバーとを備えることができる。
【0027】
プローブ装置は、さらに、支持ブロックと、該支持ブロックの下側に配置された結合ブロックであって、前記プローブ組み立て体が下側に組み付けられた結合ブロックと、該結合ブロックを前記支持ブロックの下側に組み付ける組み付け装置とを含むことができる。また、前記組み付け装置は、前記結合ブロック及び前記支持ブロックのいずれか一方に形成された凹所と、該凹所に嵌合された連結部材と、該連結部材を前記結合ブロック又は前記支持ブロックに組み付ける第1のねじ部材と、前記連結部材を上下方向に貫通して、前記結合ブロック及び前記支持ブロックの他方に螺合された第2のねじ部材とを備えることができる。
【0028】
前記結合ブロックの下側にあって前記プローブ組立体よりも後方の箇所に配置された配線シートであって、左右方向に間隔をおいた複数の接続部を下面に備える配線シートとを含むことができる。また、前記プローブ組立体は、前記プローブの後部側の針先が前記接続部に接触された状態に、前記
結合ブロックの下側に組み付けられていてもよい。
【発明の効果】
【0029】
プローブ組立体は、各プローブの後端針先が配線シートの接続部に押圧された状態に、支持手段の下側に組み付けられている。このため、各プローブの後端針先は、各プローブにオーバードライブが作用しているか否かに関わりなく、配線シートの対応する接続部に確実に電気的に接続される。
【0030】
また、プローブの後端針先が配線シートの接続部に押圧されると、後端針先と接続部との接触部を支点としてプローブを回転させる力がプローブに作用する。これにより、後端針先と接続部とが押圧された状態に維持されると、プローブホルダと各プローブとは、第1及び第2の部位がそれぞれ第3及び第4の部位に押圧された状態に維持される。
【0031】
上記のように、本発明に係るプローブ装置においては、互いに押圧されるプローブホルダと各プローブとは、両者の間に設計上及び加工上の公差に起因するギャップが存在していても、各プローブの後端針先が配線シートの接続部に押圧された状態に維持されていることにより、プローブホルダに対するプローブの、左右方向、前後方向及び上下方向における位置が安定する。
【0032】
上記の結果、本発明に係るプローブ装置によれば、プローブホルダに対するプローブの変位量の差が著しく小さくなり、正しい試験をすることができる。
【0033】
プローブホルダが後方に開放しかつ左右方向に間隔をおいて上下方向へ延びる複数の第3のスリットを有し、針中央領域の前端部の少なくとも一部が第3のスリットに受け入れていると、プローブをその長手方向(前後方向)へ延びる仮想軸線の周りに角度的に回転させる力がプローブに作用しても、そのような角度的回転は針中央領域の前端部の一部が第3のスリットに受け入れていることにより阻止される。
【0034】
同様に、プローブホルダが前方に開放しかつ左右方向に間隔をおいて上下方向へ延びる複数の第4のスリットを有し、針中央領域の後端部の少なくとも一部が第4のスリットに受け入れていると、プローブを上記のように角度的に回転させる力がプローブに作用しても、それにともなう角度的回転は針中央領域の後端部の一部が第4のスリットに受け入れていることにより阻止される。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本発明においては、
図1において、上下方向を上下方向又はZ方向といい、左右方向を左右方向又はX方向といい、紙背方向を前後方向又はY方向という。しかし、それらの方向は、ワークテーブルのようなパネル受けに受けられた被検査体の姿勢に応じて異なる。
【0038】
それゆえに、本発明に係るプローブ装置は、本発明でいう上下方向(Z方向)が、実際に、上下方向となる状態、上下逆となる状態、斜めの方向となる状態等、いずれかの方向となる状態に試験装置に取り付けられて、使用される。
【0040】
図1から
図6を参照するに、プローブ装置10は、一部を
図2,4,5及び6に示す液晶表示パネルを被検査体12とし、被検査体12の点灯検査に用いられる。被検査体12は、長方形の形状を有しており、また複数の電極14(
図10参照)を少なくとも長方形の隣り合う2つの辺に対応する縁部に該縁部の長手方向に間隔をおいて所定のピッチで形成している。各電極14は、これが配置された縁部と直交する方向(X方向又はY方向)へ延びる帯状の形状を有している。
【0041】
図1から
図6を参照するに、プローブ装置10は、プローブ組立体16と、プローブ組立体16を支持する支持ブロック18と、支持ブロック18が連結される連結ブロック20と、支持ブロック18の下側(Z方向におけるいずれか一方の側)に支持された結合ブロック22と、結合ブロック22を支持ブロック18の下側に組み付ける組み付け装置24と、結合ブロック22の下側に支持された配線シート26と、支持ブロック18の下側にあって前記プローブ組立体より後方に配置された接続ブロック28とを含む。
【0042】
プローブ装置10は、試験装置の本体フレーム(図示せず)に取り付けられる平板状のプローブベース30に連結ブロック20が組み付けられることにより、試験装置にその一部として組み立てられる。
【0043】
図9から
図11を参照するに、プローブ組立体16は、導電性材料により製作された複数のプローブ32を、ブロック片34の下面に前後方向に間隔をおいて組み付けられた一対のスリットバー36に、左右方向に間隔をおいて前後方向に延びる状態に配置し、円形の横断面形状を有するバー部材38をプローブ32に貫通させ、バー部材38の各端部をカバー40によりブロック片34に組み付けている。
【0044】
各プローブ32は、
図11〜
図14に示すように、矩形をした板状の針中央領域32aと、針中央領域32aの前端下部から前方へ一体的に延びる片持ち梁状の針前部領域32bと、針中央領域32aの後端上部から後方へ一体的に延びる片持ち梁状の針後部領域32cと、針前部領域32bの先端から下方へ延びる先端針先32dと、針後部領域32cの後端から上方へ延びる後端針先を32eとを備えるブレードタイプの針とされている。
【0045】
図示の例では、針前部領域32及び針後部領域32cは、それぞれ、針中央領域32aから前方及び後方へ延びる長い板の形状を有する。また、先端針先32d及び後端針先32eは、それぞれ、針前部領域32b及び針後部領域32cから針前部領域32b及び針後部領域32cの延在方向に対しほぼ直角に下方及び上方へ延びている。
【0046】
ブロック片34及び各スリットバー36は、いずれも、電気絶縁性を有するセラミック、合成樹脂等により、左右方向に長い角柱状の形状を有する。
【0047】
各スリットバー36は、ブロック片34の前部下面又は後部下面に左右方向へ延びる状態に接着、ねじ止めのような適宜な手法により装着されており、また
図9から
図14に示すように、これの長手方向(左右方向)に一定の間隔をおいて前後方向へ延びる複数のスリット42を下面に有する。各スリット42は、下方、前方及び後方に開放している。
【0048】
バー部材38は、図示の例では円形の断面形状を有しており、またセラミックのような硬質の電気絶縁性の材料により形成されている。各バー部材38は、プローブ32の針中央領域32aを貫通している。しかし、バー部材38は、導電性の材料を電気絶縁性の材料で被覆したものであってもよく、また矩形、六角形等の多角形のような他の横断面形状を有していてもよい。
【0049】
各プローブ32は、針中央領域32aの厚さ方向を左右方向としかつ
先端針先32d及び後端針先32eをそれぞれブロック片34から前方及び後方へ突出させた状態に、スリットバー36に並列的に配置されており、さらに針前部領域32b及び針後部領域32cをスリットバー36のスリット42に嵌合させている。
【0050】
各プローブ32の針前
部領域32bは、オーバードライブがプローブ32に作用したとき、針前部領域32bが僅かに弾性変形して撓むことを許すように、対応するスリット42の奥底面から下方に離間されている。
【0051】
各カバー40は、
図1及び9に示すように、内側に位置された板状のカバー部材40aと、その外側に位置された板状のカバー部材40bとにより形成されている。
【0052】
各カバー40は、
図2,9及び10に示すように、カバー部材40a,40bを貫通して、ブロック片34の左右方向における端部に螺合された複数のねじ部材44により、ブロック片34の左右方向における側面(端面)に取り外し可能に取り付けられている。
【0053】
各カバー40は、また、複数の位置決めピン46により、ブロック片34に対し三次元的に位置決められている。各位置決めピン46は、ブロック片34の左右方向における端部に、該端部から左右方向へ突出する状態に取り付けられており、また両カバー部材40a,40bに差し込まれている。
【0054】
内側の各カバー部材40aは、バー部材38の端部を受け入れる穴48(
図9参照)を有する。これにより、バー部材38は、カバー部材40a及び40bと共に、ねじ部材44及び位置決めピン46により、ブロック片34に取り付けられて、位置決めされている。
【0055】
図11及び12に示すように、前側のスリットバー36は、下向き面50aを下部に有すると共に、前向き面50bを上部に有している。前側スリットバー36は、また、下向き面50a及び
前向き面50bの間の中間部の後面の一部を当接面すなわち後向き面50cとしている。
【0056】
図示の例では、下向き面50aは前側のスリットバー36の下面に形成された下向き段部の1つの面であり、前向き面50bは前側のスリットバー36の上部から後方へ突出する突部に形成された下方に開口するコ字状の溝50dを形成している前向き面である。
【0057】
各プローブ32は、下向き面50aに当接可能に対向する上向き部52aを針中央領域32aの前端側の下部に有すると共に、前向き面50bに当接可能に対向する後向き部52bを針中央領域32aの前端側の上部に有しており、さらに後向き面50cに当接可能に対向する凸部すなわち前向き部52cを上向き部52a及び後向き部52bの中間部に有している。
【0058】
図示の例では、上向き部52aは針中央領域32aの前端側の下部に形成された上向きの凸部の上面であり、後向き部52bは針中央領域32aの上端部に形成された上方に開口するコ字状の溝52dの後向き面であり、前向き部52cは上向き部52a及び後向き部52bの中間部に形成された前向きの凸部の前面である。
【0059】
各針中央領域32aは、前側スリットバー36の後端下部の隅角部を逃がす凹所52eを上向き部52aと前向き部52cとの間に有する。前記隅角部、
下向き面50a、前向き面50b、後向き面50c及び溝50dは、スリットバー36の長手方向に連続して延びている。
【0060】
下向き面50a、前向き面50b及び後向き面50cを各プローブ32の針中央
領域32aに形成し、
上向き
部52a、後向き部52b及び前向き部52cを前側のスリットバー36に形成してもよい。
【0061】
プローブ組立体16は、また、左右方向に間隔をおいた複数の位置決めピン54(
図1参照)を含む。各位置決めピン54は、ブロック片34に取り付けられており、またブロック片34から上方へ延びている。各位置決めピン54は、さらに、結合ブロック22に設けられた位置決め穴(図示せず)に嵌合されて、その位置決め穴と共に、プローブ組立体16を結合ブロック22に対して位置決めている。
【0062】
上記とは逆に、位置決めピン54を結合ブロック22に設け、位置決め穴をブロック片34に設けてもよい。
【0063】
各プローブ32は、針前部領域32b及び針後部領域32cが対応するスリットバー36のスリット42に受け入れられた状態に、両スリットバー36に配置されており、またバー部材38及びカバー40によりブロック片34に組み付けられて、ブロック片34に支持されている。このため、図示の例では、ブロック片34と両スリットバー36は、プローブを保持するプローブホルダとして作用する。
【0064】
図示の例では、前側のスリットバー36は、
図11〜13に示すように、前端下部を左右方向全体にわたって前方へ突出させている。また、前側のスリットバー36の各スリット42は、そのスリットバー36の下端から前端下部の突出部の高さ位置のやや上方の位置まで深さ寸法を有する。
【0065】
このため、前側スリットバー36のスリット42を形成している壁部36aは、スリット
42が形成されていない残部36bより前方に突出されて、スリット42の先端部を上方に開放させている。各プローブ32の針前部領域32bの前端はスリット42の先端部に位置されている。
【0066】
各プローブ32の後端針先32eは、後側のスリットバー36の後端の直後を上方へ延びている。左右方向に隣り合うプローブ32の後端針先32eは、
図14に示すように、針後部領域32cの側の部位を対向させており、またその対向部分に電気絶縁膜32fを有しており、さらに後端針先32eを前後方向に変位させている。
【0067】
結合ブロック22は、
図5,6及び8に示すように、プローブ組立体16が配置された下向き段部56を有する。下向き段部56は、結合ブロック22の下部の前端部を左右方向へ延びている。
【0068】
プローブ組立体16は、
図1〜3、
図5〜6に示すように、結合ブロック22の貫通穴57を上方から下方に貫通して、ブロック片34に設けられた雌ねじ穴58に螺合された頭付きのねじ部材60により、位置決めピン54が前記した図示しない位置決め穴に挿入された状態に、下向き段部56に維持されている。
【0069】
図においては、隣り合うプローブ32が左右方向に大きく間隔をおいているように示しているが、実際にはプローブ32の配列ピッチは小さい。プローブ32の数、厚さ寸法及び配列ピッチ、並びに、スリットバー36のスリット42の数、配置ピッチ及び幅寸法は、被検査体12の種類、特に電極の配置ピッチと幅寸法とに応じて異なる。
【0070】
プローブ組立体16は、両スリットバー36を上記した状態にブロック片34に取り付けた状態で、各プローブ32の両端部をスリットバー36のスリット42に挿し込むと共に、バー部材38をプローブ32とカバー部材40aとに挿し通し、その後各カバー40をねじ部材44及び位置決めピン46でブロック片34に取り付けることにより、組み立てることができる。
【0071】
一方のカバー40は、両スリットバー36をブロック片34に取り付けた後に、ブロック片34に取り付けてもよい。
【0072】
プローブ組立体16の分解は、上記と逆の作業を実行することにより、行うことができる。プローブ32の交換は、上記と逆の作業を実行して、元のプローブを新たなプローブに変更した後、上記と同様の作業を実行することにより、行うことができる。
【0073】
結合ブロック22へのプローブ組立体16の組み付けは、位置決めピン54(
図1及び6参照)を結合ブロック22の前記した位置決め穴に差し込んだ状態で、ねじ部材60を、結合ブロック22の貫通穴57に上方から下方に通して、ブロック片34の前記した雌ねじ穴に螺合させることにより、行うことができる。
【0074】
結合ブロック22からのプローブ組立体16の取り外しは、上記と逆の作業を実行することにより、行うことができる。
【0075】
この実施例においては、ブロック片34とスリットバー36とは、複数のプローブ32を左右方向に間隔をおいて並列的に配置したプローブホルダを構成している。
【0076】
図1,2,3,5,6を参照するに、支持ブロック18は、板状の2つ支持部18a及び18bによりL字状の横断面形状に製作されている。連結ブロック20は、プローブベース30に取り付けられる主体部20aと、主体部20aの上部から前方へ延びる延長部20bとにより、逆L字状の形状を有する。
【0077】
図示の例では、支持ブロック18は結合ブロック22と共に支持体を形成しており、またねじ部材60はプローブ組立体16を結合ブロック22に組み付ける組み付け具として作用する。
【0078】
支持ブロック18は、左右方向に間隔をおいて上下方向へ延びる一対のガイドレール62と、両ガイドレール62の間を上下方向へ延びるガイド64とにより連結ブロック20の主体部20aの前面に上下方向へ移動可能に連結されていると共に、ボルト66により連結ブロック20の延長部20bに上下方向の位置を調整可能に連結されている。
【0079】
両ガイドレール62は、支持ブロック18の支持部18aの後端面に取り付けられている。これに対し、ガイド64は、左右方向における両ガイドレール62の間に配置されており、また両ガイドレール62により上下方向へ移動可能に案内されるように、連結ブロック20の主体部20aの前端面に取り付けられている。
【0080】
ボルト66は、連結ブロック20の延長部20bを上方から下方へ貫通しており、また支持ブロック18に形成されたねじ穴68に螺合されている。支持ブロック18は、
図1に示すように、左右方向に間隔をおいて配置された一対の圧縮コイルばね70により下方に付勢されている。
【0081】
各圧縮コイルばね70は、連結ブロック20の延長部20bの上に複数のねじ部材71(
図3及び5参照)により取り付けられた板状のばね押え72と、支持ブロック18との間に、連結ブロック20の延長部20bを上下方向に貫通する状態に、配置されている。これにより、ねじ穴68へのボルト66のねじ込み量を調整することにより、支持ブロック18ひいてはプローブ組立体16の高さ位置を調整することができる。
【0082】
ばね押え72は、ドライバーのような工具の先端部を上方から差し込んで、ボルト66の回転量を調整する貫通穴72aを有する。これにより、ばね押え72を連結ブロック20から取り外すことなく、支持ブロック18ひいてはプローブ組立体16の高さ位置の調整を行うことができるから、そのような高さ位置の調整が容易になる。
【0083】
連結ブロック20は、
図5に示すように、連結ブロック20を上方から下方に貫通してプローブベースに螺合された複数のボルト76によりプローブベース30に取り外し可能に取り付けられている。各ボルト76は、連結ブロック20の主体部20aを上方から下方に貫通しており、またプローブベース30に形成されたねじ穴78に螺合されている。
【0084】
図5〜8に詳細に示すように、組み付け装置24は、結合ブロック22に形成された凹所80(
図6及び8参照)と、凹所80に嵌合された連結部材82と、連結部材82を支持ブロック18の下側に組み付けて支持ブロック18に支持させる複数のねじ部材84(
図3及び7参照)と、連結部材82の貫通穴85を上下方向に貫通して、結合ブロック22のねじ穴88に螺合されたねじ部材86とを含む。
【0085】
凹所80及び連結部材82は円形の横断面形状を有している。また、ねじ部材84は、
図3及び7に示すように、支持ブロック18の支持部18bを上方から下方に貫通して、連結部材82の雌ねじ穴83(
図7及び8参照)に螺合されている。さらに、ねじ部材86の下端部は、結合ブロック22に設けられた雌ねじ穴88に螺合されている。
【0086】
図示の例では、雌ねじ穴88は、
図6に示すように、結合ブロック22の主体部22aに変位不能に組み付けられたナット22bであるが、
図8に示すように主体部22aに直接形成してもよい。
【0087】
組み付け装置24は、連結部材82がねじ部材84により支持ブロック18に取り付けられ、ねじ部材86が、連結部材82を上下方向に貫通して、雌ねじ穴88に螺合されることにより、結合ブロック22を支持ブロック18の支持部18bの下側に組み付けている。
【0088】
組み付け装置24は、また、凹所80と連結部材82が勘合されていることにより、結合ブロック22を支持ブロック18に対し、左右方向及び前後方向により形成されるXY面内における所定の位置に維持している。
【0089】
図示の例では、組み付け装置24は、さらに、結合ブロック22に形成され、XY面内を延びて、凹所80に連通された凹所90と、連結部材82からXY面内を延び、かつ凹所90に受け入られたピン部材92と、支持ブロック18の支持部18bの下面に形成され、かつ連結部材82の側に開放する一対の凹所94と、連結部材82上方に延びて、凹所94に受け入られた一対のピン部材96とを備える。
【0090】
凹所90及びピン部材92は、XY面内においてねじ部材86より前方の位置を一方向(図示の例では、X方向)に延びている。これに対し、両凹所94及び両ピン部材96のそれぞれは、凹所90及びピン部材92が延びる方向と交差する方向、好ましくは直行する方向(図示の例では、Y方向)に離間されている。
【0091】
組み付け装置24は、上記凹所90,94及びピン部材92,96により、結合ブロック22を支持ブロック18に対し、左右方向及び前後方向における所定の位置に維持していると共に、上下方向に延びるθ軸線の周りにおける所定の角度位置に維持している。
【0092】
凹所80を支持ブロック18に設け、連結部材82を結合ブロック22にねじ止めしてもよい。また、凹所90,94と、ピン部材92,96とを上記と逆の部材に設けてもよい。
【0093】
支持ブロック18への結合ブロック22の組み付けは、ピン部材96を対応する凹所94に位置させた状態で、連結部材82をねじ部材84により支持ブロック18の下側に取り付け、次いで連結部材82を凹所80に勘合させて、ピン部材92を対応する凹所90に位置させた状態で、
ねじ部材86を結合ブロック22の雌ねじ穴88に螺合することにより、行うことができる。
【0094】
支持ブロック18からの結合ブロック22の取り外しは、上記と逆の作業を実行することにより、行うことができる。
【0095】
図2,5及び6に示すように、配線シート26は、フレキシブル印刷配線回路(FPC)により形成された前部領域26aと、前部領域26aの後端部に続くタブ(TAB)により形成された中間領域26bと、中間領域26bの後端部に続くフレキシブル印刷配線回路(FPC)により形成された後部領域26cとを有する複合回路シートとされている。
【0096】
図2,5,6及び8に示すように、配線シート26は、固定板100により結合ブロック22の下側に位置されており、また被検査体12を駆動する集積回路102を中間領域26bに配置している。
【0097】
配線シート26の前部領域26aは、左右方向に間隔をおいて前後方向へ並列的に延びる複数の配線106(
図8参照)を下面に備える。それらの配線106は、中間領域26bの前側配線(図示せず)を介して、集積回路102の出力側に接続されている。集積回路102の入力側は、中間領域26bの後側配線(図示せず)及び後部領域26cの配線(図示せず)を介して、試験装置の電気回路に接続されている。
【0098】
図2,5及び6に示すように、接続ブロック28は、支持ブロック18の下側を左右方向へ延びており、また結合ブロック22の後端部と支持ブロック18との間に位置されている。接続ブロック28は、左右方向に間隔をおいた複数のねじ部材110と、前後方向に間隔をおいた複数の位置決めピン112とにより支持ブロック18の下側に分離可能に取り付けられている。
【0099】
各ねじ部材110は、接続ブロック28を下方から上方へ貫通して、支持ブロック18に螺合されている。各位置決めピン112は、接続ブロック28及び支持ブロック18のいずれか一方に上下方向へ延びる状態に固定されて、接続ブロック28及び支持ブロック18の他方に設けられた位置決め穴に勘合されている。
【0100】
図2,5及び6に示すように、プローブ装置10は、さらに、接続ブロック28から後方へ延びる状態に先端部において接続ブロック28の下側に装着された接続シート114と、接続ブロックの下側に装着されたエラストマ116とを含む。
【0101】
接続シート114は、左右方向に間隔をおいて前後方向へ延びる複数の配線(図示せず)を有する。それらの各配線の少なくとも先端部は、接続シート114の下面に露出されて、配線シート26の上方に折り返された配線に接触されている。
【0102】
接続シート114の配線は、プローブ装置10が試験装置に組み付けられた状態において、試験装置の電気回路に接続される。このため、各プローブ32は、配線シート26の配線、集積回路102、及び接続シート114の配線を介して試験装置の電気回路に接続される。
【0103】
エラストマ116は、接続ブロック28の下側にあって、配線シート26の配線及び接続シート114の配線の接触部に対応する箇所に配置されている。このため、エラストマ116、配線シート26の配線及び接続シート114の配線は、結合ブロック22及び接続ブロック28が支持ブロック18に組み付けられた状態において、圧縮変形される。これにより、配線シート26の配線及び接続シート114の配線は、強く押圧されて、確実に接触する。
【0104】
支持ブロック18への結合ブロック22の取り付けは、ねじ部材86を連結部材82に通した状態で連結部材82を支持ブロック18に取り付け、プローブ組立体16を結合ブロック22に取り付け、接続ブロック28を支持ブロック18に取り付けた後、ねじ部材86を結合ブロック22の雌ねじ穴88にねじ込むことにより、行われる。
【0105】
支持ブロック18への結合ブロック22の取り外しは、雌ねじ穴88へのねじ部材86の螺合を解除することにより行うことができる。
【0106】
このため、プローブ組立体
16及び配線シート26の交換は、結合ブロック22を支持ブロック18から分離した状態で行うことができる。また、プローブ32の交換は、結合ブロック22を支持ブロック18から分離し、プローブ組立体16を結合ブロック22から分離した状態で行うことができる。さらに、接続シート114の交換は、結合ブロック22を支持ブロック18から分離し、接続ブロック28を支持ブロック18から分離した状態で行うことができる。
【0107】
上記の結果として、プローブ装置10によれば、従来技術に比べ、組み付け装置24の形状及び構造が簡略化すると共に、プローブ32を含む消耗品の交換作業が容易になる。
【0108】
被検査体を試験する試験装置においては、上記のような形状構造を有する複数のプローブ装置10をプローブベース30に配置した複数のプローブユニットが用いられる。
【0109】
試験装置に組み付けられた状態において、プローブ装置10は、各プローブ32の後端針先32eが配線シート26の接続部に正しく接触しているか否かをプローブ組立体
16下方から確認される。プローブ装置10においては、後端針先32eが後側スリットバー36の直後を針後部領域32cの延在方向に対し直角に上方へ延びているから、プローブ32の後端針先32eと配線シート26の接続部とが正しく接触しているか否かを容易にかつ確実に確認することができる。
【0110】
結合ブロック22及びプローブ組立体
16が上記のように支持ブロック18に組み付けられると、各プローブ32の後端針先32eは、前部領域26aの配線の前端部(すなわち、接続ランド)に押圧される。接続ランドへの後端針先32eの押圧力は、各プローブ32に以下のように作用する。
【0111】
図11に示すように、先端針先32dが上方へ変位するように、時計周りの方向への回転力を受けて、上向き部52a及び後向き部52bが、それぞれ、前側スリットバー36の下向き面50a及び前向き面50bに押圧される。
【0112】
これにより、互いに押圧されるそれらの面及び部位に、及びバー部材
38と各プローブ32との間に、押圧前において設計上及び加工上の公差に起因するギャップが存在していても、先端針先32dの高さ位置は、それらの面が押圧された状態の位置に維持される。その結果、プローブホルダ(特に、前側スリットバー36)に対するプローブ32の針先高さ位置の変位量の差が著しく小さくなり、正しい試験をすることができる。
【0113】
また、プローブ32の先端針先32
dが上方へ変位するようにプローブ32が回転変位するとき、凹所52eが前側スリットバー36の後端下部の隅角部の逃げ空間として作用し、しかも前向き面
部52cが前側スリットバー36の後向き面50cに押圧される。これにより、プローブ32は、スリットバー36に押圧されて、左右方向への変位、左右方向へ倒れるような変位等、不規則な変位を防止される。
【0114】
被検査体12の電気的試験時、プローブ装置10は、各プローブ32の先端針先32dの先端を被検査体12の電極に押圧される。この際、針前部領域32bが前側スリットバー36のスリット42内に位置されているから、先端針先32
dが左右方向へ倒れることを壁部36aにより防止される。
【0115】
被検査体12の電気的試験に先だって、各プローブ32の先端針先32dが被検査体12の電極に正しく接触しているか否かがプローブ組立体
16の上方から確認される。プローブ装置10によれば、前側スリットバー36のスリット42の前端部が上方に開放されており、
プローブ32がそのように開放されたスリット前端部内に位置されているから、各プローブ32の先端針先32dと被検査体12の電極との位置関係を容易にかつ正確に確認することができる。
【0116】
プローブ装置10が図示のように組み立てられた状態において、各プローブ32の後端針先32eが被検査体12の電極に正しく接触した状態に維持するために、左右方向に長いフィルム状または板状のガイド120(
図10,11,14,15参照)を
配線シート26の前部領域26aの先端部下面に配置することが望ましい。
【0117】
ガイド120は、
図15に示すように、プローブ32の後端針先32eが貫通してその先端が前記接続部の接触することを許すべく上下に開放しかつ前後方向に間隔をおいた複数のガイド穴122を有する。
【0118】
前記複数のガイド穴122は、ジグザグに配置されて、前後方向に間隔をおいた2つの穴グループを形成している。各穴グループに属する複数のガイド穴122は、左右方向に離間されている。
【0119】
図示の例では、各ガイド穴122は、
前後方向へ延びるスロットである。ガイド120は、ポリイミド樹脂のような樹脂で製作されたシート状を呈していてもよいし、セラミックのようなある程度の強度を有する板状を呈していてもよい。
【0120】
ガイド120は、これがフィルム状の形状を呈する場合、ポリイミド樹脂のような樹脂フィルムとすることができる。しかし、ガイド120が板の形状を呈する場合、ガイド120をセラミック製とすることにより、微少な多数のガイド穴をダイサにより高密度に及び高精度に形成することができる。
【0121】
左右方向に隣り合うプローブ32の後端針先32eは、
図11及び14に示すように針先を前後方向に変位させることなく、
図16に示すように後端針先32eの前範囲にわたって対向させてもよい。この場合、後端針先32eの位置を安定化するためのガイドとして、
図17及び18に示すように、左右方向に間隔をおいた複数のガイド穴126を一列に有するものを用いることができる。
【0122】
図17及び18に示すガイド124は、セラミックで製作されており、また複数のガイド穴126は、左右方向に間隔をおいて前後方向へ延びると共に下方に開放する複数の第1の溝126aと、第1の溝126aの長手方向における中央部を左右方向に延びて、第1の溝126aを上方に開放させる第2の溝126bとを有する。
【0123】
上記のようなガイド124は、各第1の溝126aと第2の溝126bとをセラミックの薄板にダイサを用いて形成することにより製作することができる。
【0124】
図15に示すガイド
120も、ガイド124のように、第1の溝と第2の溝とをダイサによりセラミックの薄板に穴グループ毎の形成することにより、ガイド穴122を形成してもよい。
【0125】
[プローブ組立体の第2及び第3の実施例]
【0126】
図19を参照するに、プローブ組立体130は、さらに、後方に開放しかつ左右方向に間隔をおいて上下方向へ延びる複数の第3のスリット132を有する。各第3のスリット132は、プローブ32の針中央領域32aの前端部の一部を受け入れている。
【0127】
図示の例では、スリット132は、前側のスリットバー36の長手方向へ延びる状態に取り付けられた第3のスリットバー134に形成されている。しかし、スリット132を前側のスリットバー36に直接形成してもよい。スリットバー134は、下向き面50aを形成する
段部に取り付けられて、プローブホルダを形成する部材として作用する。
【0128】
図20を参照するに、プローブ組立体140は、さらに、前方に開放しかつ左右方向に間隔をおいて上下方向へ延びる複数の第4のスリット142を有する。各第4のスリット142は、プローブ32の針中央領域32aの後端部の一部を受け入れている。図示の例では、各スリット142は、針中央領域32aの後端部に形成されて上方に突出する針0132
gを受け入れている。
【0129】
図示の例では、スリット142は、後側のスリットバー36の長手方向へ延びる状態に取り付けられた第4のスリットバー144に形成されている。しかし、スリット142を後側のスリットバー36に直接形成してもよい。スリットバー144は、後側スリットバー36の前面に取り付けられて、プローブホルダを形成する部材として作用する。
【0130】
一般に、先端針先32dが被検査体12に押圧されたときに、プローブ32がその長手方向(前後方向)へ延びる仮想軸線の周りに角度的に回転する力(すなわち、プローブ32を傾斜させる傾斜力)がプローブに作用することがある。この場合、先端針先32d及び後端針先32eが、それぞれ、被検査体12の電極14及び配線シート26の配線106に対して変位し、その結果
、電極14及び配線106に対する先端針先32d及び後端針先32eが不安定になる。
【0131】
そのような角度的回転は、プローブ組立体130によれば、プローブ32の針中央領域32aの前端部の一部がスリット132に受け入れていることにより阻止され、またプローブ組立体140によれば、プローブ32の針中央領域32aの後端部の一部がスリット142に受け入れていることにより阻止される。その結果、より正しい試験をすることができる。