(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
透光材支持枠の枠内側に設けられた背面側支承壁と押縁の間の溝に透光材が配置され、前記溝に弾性シール材を充填して透光材を透光材支持枠に取り付けるようにした透光性遮音パネルにおいて、
前記透光材支持枠の枠内側面には、背面側支承壁と、その背面側支承壁に間隔をおいた位置に設けられた押縁用係止溝と、前記背面側支承壁から離れる方向で前記押縁用係止溝に間隔をおいて対向する位置に押縁からの風圧力の荷重を受ける押縁支承受部とが設けられ、
前記押縁は、透光材支持枠の押縁用係止溝と係合される係止用凸部と、透光材支持枠の押縁支承受部と係合される基端側外面と、基端側外面に隣接する凹部とを備え、
前記押縁と前記透光材支持枠には、透光材支持枠の押縁用係止溝に係合された係止用凸部を中心軸として、前記押縁が回転されて透光材支持枠の枠内側面に固定された上で、透光材が取り付けられており、
押縁における前記凹部は、押縁が回転する際に、押縁支承受部と干渉しないように凹んでいることを特徴とする透光性遮音パネル。
前記透光材支持枠は、上下に間隔をおいた横枠材と左右に間隔をおいた縦枠材とを備え、前記各横枠材又は各縦枠材のいずれか一方又は両方の枠内側に、押縁用係止溝を備えて枠内側に突出する係止溝壁と、その押縁用係止溝に間隔をおいて対向するように押縁からの風圧力の荷重を受ける押縁支承受部が突出するように設けられていることを特徴とする請求項1に記載の透光性遮音パネル。
透光材支持枠は、対向する横枠材を備えていると共に、各横枠材の中間部に立設された方立を備えており、前記方立の左右両側に、押縁用係止溝を備え枠内側に突出する係止溝壁と、前記押縁用係止溝に間隔をおいて対向するように押縁からの風圧力の荷重を受ける押縁支承受部が突出するように設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の透光性遮音パネル。
請求項1〜請求項3のいずれかに記載の透光性遮音パネルに設置される押縁であって、前記押縁は、透光材支持枠の内側面に配置される基端側底部と、その基端側底部における透光材側の一端部から立ち上がる荷重受用面板と、前記基端側底部の他端側から立ち上がる外側面板と、前記荷重受用面板と外側面板とを接続する接続板を備え、
前記荷重受用面板における基端側底部寄りには係止用凸部が設けられ、
前記基端側底部における外側面板寄りには凹部が設けられ、
前記接続板と基端側底部には、間隔をおいてビス挿通孔が対向するように設けられていることを特徴とする押縁。
請求項1又は2に記載の透光性遮音パネルが、道路又は鉄道軌道に沿って間隔をおいて設置された隣り合う支柱の溝に渡って嵌合配置されて設置されていることを特徴とする透光性遮音壁。
【背景技術】
【0002】
従来、
図12に示すように、合わせガラス板或は合成樹脂製板等の透光材40を透光材支持枠41に設置する場合に、押縁42を用いる場合がある。前記のように押縁42を使用する場合には、ガラス等の透光材40が破損して、前記透光材支持枠41から取り外す場合に、押縁42を透光材支持枠41から取り外すことにより、押縁42側の片面を開放し、容易にガラス板等の透光材40の交換が容易になる利点がある。
【0003】
前記のような押縁42を用いた場合、透光材40に作用する風圧力等の荷重は、透光材40の周縁部を弾性材料製のシール材43等を介して、押縁42に作用するようになる。
前記のような押縁42を透光材40に平行に配置され押縁42を貫通して透光材支持枠41にねじ込むビス44により、透光材支持枠41側の枠材45に固定する技術がある(例えば、特許文献1,2,3参照)。
【0004】
風圧力等の荷重が作用する透光材40を支承する押縁42をビス44により固定するようにした場合には、押縁42に作用する風圧力等の荷重による荷重作用方向に直角に、ビス44を配置して、押縁42を透光性防音パネルの透光材支持枠における横枠材等の枠材45に固定した場合には、ビス44に繰り返しせん断力が作用するようになる。
【0005】
また、
図13に示すように、押縁46を回動するようにして、枠材45に装着するようにする技術も知られている(例えば、特許文献4参照)。
【0006】
また、
図13に示すように、枠材45に弧状支持溝47を設けて、その弧状支持溝47に、透光材40に対して遠い側に位置する弧状脚部48を有する押縁46における前記弧状脚部48を差し込むと共に、前記押縁46における透光材押え側端部を透光材40に向って接近するように押縁46を回動して設置するようにすると共に、透光材押え側端部49の先端板を透光材側に係止させる押縁取り付け構造も知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
図12に示すように、押縁42をビス44により固定するようにした場合で、例えば、透光材40に対して直角な平坦面50に押縁42を設置した場合には、風圧力等による荷重によりビス44に大きなせん断力が作用するため、細いビスを使用した場合には、破断する恐れがあると共に、ビス44のねじ接合部の緩みを生じる恐れがあり、ビス44が抜け出た場合には、押縁42の脱落の恐れ、透光材40の脱落の恐れが高くなる。
【0009】
図13に示すように、枠材45の弧状支持溝47に弧状脚部を有する押縁を組み合わせる構造の場合は、弧状支持溝47の加工が複雑になり、加工コストが高くなるという問題がある。また、矢印の向きに風圧力が生じ、透光材40から押縁46側に向って風圧力が作用した場合には、押縁を押し込むように回動する方向と逆方向の風圧力による曲げ力が、押縁46に作用するようになるために、透光材押え側端部49の先端板を長く設けて、透光材40側に係止する必要があるという問題がある。
本発明は、押縁を固定するビスに風圧力等によりせん断力を作用させることなく押縁を介して枠材にせん断力を伝達可能な構造とした透光性遮音パネル及び押縁並びに透光性遮音壁を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1発明の透光性遮音パネルにおいては、透光材支持枠の枠内側に設けられた背面側支承壁と押縁の間の溝に透光材が配置され、前記溝に弾性シール材を充填して透光材を透光材支持枠に取り付けるようにした透光性遮音パネルにおいて、前記透光材支持枠の枠内側面には、背面側支承壁と、その背面側支承壁に間隔をおいた位置に設けられた押縁用係止溝と、前記背面側支承壁から離れる方向で前記押縁用係止溝に間隔をおいて対向する位置に押縁からの風圧力の荷重を受ける押縁支承受部とが設けられ、前記押縁は、透光材支持枠の押縁用係止溝と係合される係止用凸部と、透光材支持枠の押縁支承受部と係合される基端側外面と、基端側外面に隣接する凹部とを備え、前記押縁と前記透光材支持枠には、透光材支持枠の押縁用係止溝に係合された係止用凸部を中心軸として、前記押縁が回転されて透光材支持枠の枠内側面に固定された上で、透光材が取り付けられており、押縁における前記凹部は、押縁が回転する際に、押縁支承受部と干渉しないように凹んでいることを特徴とする。
【0011】
第2発明では、第1発明の透光性遮音パネルにおいて、前記透光材支持枠は、上下に間隔をおいた横枠材と左右に間隔をおいた縦枠材とを備え、前記各横枠材又は各縦枠材のいずれか一方又は両方の枠内側に、押縁用係止溝を備えて枠内側に突出する係止溝壁と、前記押縁用係止溝に間隔をおいて対向するように押縁からの風圧力の荷重を受ける押縁支承受部が突出するように設けられていることを特徴とする。
【0012】
第3発明では、第1発明又は第2発明の透光性遮音パネルにおいて、透光材支持枠は、対向する横枠材を備えていると共に、各横枠材の中間部に立設された方立を備えており、前記方立の左右両側に、押縁用係止溝を備え枠内側に突出する係止溝壁と、前記押縁用係止溝に間隔をおいて対向するように押縁からの風圧力の荷重を受ける押縁支承受部が突出するように設けられていることを特徴とする。
【0013】
第4発明の押縁では、第1発明〜第3のいずれか透光性遮音パネルに設置される押縁であって、前記押縁は、透光材支持枠の内側面に配置される基端側底部と、その基端側底部における透光材側の一端部から立ち上がる荷重受用面板と、前記基端側底部の他端側から立ち上がる外側面板と、前記荷重受用面板と外側面板とを接続する接続板を備え、
前記荷重受用面板における基端側底部寄りには係止用凸部が設けられ、
前記基端側底部における外側面板寄りには凹部が設けられ、
前記接続板と基端側底部には、間隔をおいてビス挿通孔が対向するように設けられていることを特徴とする。
【0014】
第5発明では、第4発明の押縁において、前記基端側底部又はその基端側底部と外側面板とに渡って、ナット挿通用の孔が設けられていることを特徴とする請求項4に記載の。
【0015】
第6発明の透光性遮音壁においては、第1発明〜第3発明のいずれかの透光性遮音パネルが、道路又は鉄道軌道に沿って間隔をおいて設置された隣り合う支柱の溝に渡って嵌合配置されて設置されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
第1発明によると、透光板に作用する風圧力等の荷重により押縁に押圧力或は曲げ力(曲げモーメント)が作用しても、押縁から枠材側に合理的に応力を伝達させることができ、また、押縁を、例えば、押縁の固定手段としてビスにより固定する場合には、ビスにせん断力が作用することはないから、ビスがせん断力により破断する恐れはなく、しかも、ビスのねじ部がゆるむ恐れがなく、そのため、ビスの脱落による押縁の脱落の恐れがない透光性防音パネルとすることができる。また、押縁における基端側底部には凹部を設けていることで、押縁を装着する場合に枠材側の押縁支承受部と干渉することなく、押縁を枠材側の押縁用係止溝に係止させると共に押縁支承受部に係合するように、押縁における係止用凸部を中心軸として機能させて回動して設置することができ、押縁の設置作業も容易である等の効果が得られる。
【0017】
第2発明によると、第1発明において、透光材支持枠は、上下に間隔をおいた横枠材と左右に間隔をおいた縦枠材とを備え、前記各横枠材又は各縦枠材のいずれか一方又は両方の枠内側に、押縁用係止溝を備えて枠内側に突出する係止溝壁と、前記押縁用係止溝に間隔をおいて対向するように押縁からの風圧力の荷重を受ける押縁支承受部が突出するように設けられているので、押縁における係止用凸部を係止させると共に外側面板を押縁支承受部に支承させて、透光材に作用する風圧力等の荷重を押縁から枠材側に確実に伝達することができる等の効果が得られる。
【0018】
第3発明によると、透光材支持枠は、対向する横枠材を備えていると共に、各横枠材の中間部に立設された方立を備えており、前記方立の左右両側に、押縁用係止溝を備え枠内側に突出する係止溝壁と前記押縁用係止溝に間隔をおいて対向するように押縁からの風圧力の荷重を受ける押縁支承受部が突出するように設けられているので、前記と同様に、透光材に作用する風圧力等の荷重を押縁を介して方立及び枠材側に確実に伝達することができ、押縁を方立に固定しているビスに、従来のようにせん断力を作用させることなく、押縁を方立にビスにより固定することができる等の効果が得られる。
【0019】
第4発明によると、第1発明〜第3発明のいずれかの透光性遮音パネルに設置される押縁であって、前記押縁は、透光材支持枠の内側面に配置される基端側底部と、その基端側底部における透光材側の一端部から立ち上がる荷重受用面板と、前記基端側底部の他端側から立ち上がる外側面板と、前記荷重受用面板と外側面板とを接続する接続板を備え、前記荷重受用面板における基端側底部寄りには係止用凸部が設けられ、前記基端側底部における外側面板寄りには凹部が設けられ、前記接続板と基端側底部には、間隔をおいてビス挿通孔が対向するように設けられているので、簡単な構造の押縁とすることができ、また、ビスにせん断力を作用させないようにした押縁とすることができる等の効果が得られる。
【0020】
第5発明によると、前記基端側底部又はその基端側底部と外側面板とに渡って、ナット挿通用の孔が設けられているので、枠材側にアイボルト等を固定するナットが押縁側に突出するように設けられていても、これに干渉することなく、押縁を枠材に設置することができる等の効果が得られる。
【0021】
第6発明によると、第1発明又は第2発明の透光性遮音パネルが、道路又は鉄道軌道に沿って間隔をおいて設置された隣り合う支柱の溝に渡って嵌合配置されて設置されているので、押縁を固定しているビス等の締結部材にせん断力が作用することがなく、押縁を固定しているビス等の締結部材のせん断破壊の恐れのない、また、押縁の脱落する恐れのない透光性遮音壁とすることができる等の効果が得られる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
次に、本発明を図示の実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0024】
先ず、
図1及び
図2並びに
図3を参照して、本発明の押縁1の構造について説明する。
押縁1は、例えば、アルミ合金又は樹脂の押出し成形により製造された型材に孔明け加工が施される。前記押縁1は、例えば、全体としてほぼ断面中空矩形状の断面形態とされる。
【0025】
前記の押縁1は、透光性防音パネル21(
図3参照)における透光材支持枠22を構成する縦枠材23又は横枠材24或は方立25(
図10参照)等の枠材側寄りに配置される基端側底部2と、その基端側底部2における巾方向一端側(透光材40側寄り)から立ち上がり透光材40と対向するように内側に配置され、風圧力等の荷重が入力される荷重受用面板3と、その荷重受用面板3に間隔をおいて平行に配置され、基端側底部2の巾方向他端側から立ち上がる外側面板4と、前記荷重受用面板3と荷重受用面板3とを一体に接続する接続板5とを備えている。
【0026】
前記の荷重受用面板3の基端側(基端側底部2寄り側)の外側には、係止用凸部6を備え、前記荷重受用面板3の中間部外側面は、シール材支承部7とされている。
前記の係止用凸部6は、透光材40側に突出する凸部とされ、荷重受用面板3の外側面から直角に立ち上がる平坦な係止面8と、前記係止面8に略鋭角に接続する先端面9と、その先端面9から基端側底部2の外側面10に滑らかに接続する断面円弧状外面11とを備えている。前記の係止用凸部6は、押縁1の長手方向に連続して設けられていることから、透光材支持枠側の押縁用係止溝に係合された状態で、連続している係止用凸部6を中心軸として機能させて、押縁を必要とされる角度、回動又は回転させて、枠材側に設置することができる。このような場合に、前記断面円弧状外面11であると、滑らかに押縁1を作業員により回動させることができる。
【0027】
前記の係止面8は、基端側底部2の外側面10と平行に設けられている。
前記の先端面9から基端側底部2の外側面10に滑らかに接続する断面円弧状外面11とされているので、押縁1を枠材側の押縁用係止溝28(
図6)に係止する場合に、押縁1を回動又は透光材40側にずらしながら回動して係止する場合に、係止用凸部6をスムースに押縁用係止溝28に係止可能にされている。
【0028】
前記の断面円弧状外面11は、先端面9から直線状に基端側底部2に接続する傾斜面としてもよいが、前記のように、押縁1を回動させながら係止する場合には、前記のように断面円弧状外面11とするほうが、スムースに押縁1を装着することができる。
【0029】
前記の基端側底部2における外側面板4寄りの部分は、接続板5側に凹むように湾曲して外側面板4に接続する湾曲接続部13が形成されて、その湾曲接続部13の外面により凹部14が形成されている。前記の凹部14を備えていることにより、透光材支持枠22側の枠材側に設けられている押縁支承受部30に向って回動する場合に、基端側底部2と外側面板4との接続隅部が、透光材支持枠22における枠材側の押縁支承受部30(
図6参照)に干渉しないようにされている。
【0030】
前記の湾曲接続部13に接続して、外側面板4の基端側外面15により、透光材40から弾性シール材31等を介して押縁1に作用する風圧力等の荷重を、透光材支持枠22側の枠材(23〜25)に伝達するための荷重伝達面とされている。前記の基端側外面15は、荷重受用面板3と平行に設けられ、基端側底部2に対し垂直に設けられている。
前記の外側面板4には、前記の基端側外面15に接続する係合面16を有するストッパー部17が設けられている。
【0031】
前記の湾曲接続部13及びその凹部14、係止用凸部6、ストッパー部17は、押縁1の部材長手方向に連続するように設けられている。押縁1は、全体として断面略矩形状に凹部と凸部を形成した形態を呈しており、押し出し加工により製作され、アルミ合金等あるいは樹脂製等の材料により製作することができる。耐久性、耐候性の面では、アルミ合金製とするのがよい。
【0032】
また、間隔をおいて平行に対向するように設けられている基端側底部2と接続板5には、これらの面に直角に貫通するように、ボルト軸部よりも僅かに大きいビス挿通孔18,19が設けられている。
また、基端側底部2の部分又は基端側底部2と湾曲接続部13とにかけて、透光材支持枠22側の縦枠材23等に設けられる、アイボルト32を取り付けるためのナット33(
図7参照)及びアイボルト32のボルト軸部34を挿通するための大径孔35(
図7参照)が適宜設けられる。なお、前記のアイボルト32は、透光性防音パネル21の落下を防止するためにロープ36等を配置するために、縦枠材23の少なくとも1箇所に設けられる。
【0033】
なお、透光性防音パネル21は、その両側部が、道路又は鉄道等軌道に沿って間隔をおいて立設される隣り合う支柱56(
図7参照)の溝57に嵌合されて、バネ鋼等の固定部材(固定金具58)等により保持される。
【0034】
前記の荷重受用面板3に作用した荷重P(
図7等に矢印で示す。)は、基端側底部2及び外側面板4における基端側外面15及び係合面16から、透光材支持枠22側に伝達されるようにされている。
また、前記の荷重受用面板3に作用した曲げ荷重(
図7等に矢印で示す。)は、接続板5から外側面板4を介して、透光材支持枠22側に伝達可能にされている。
【0035】
前記のように構成されている押縁1では、前記の荷重伝達面としての基端側外面15から枠材側に荷重を伝達するようにして、押縁1がビス44により取り付けられるので、風圧力等による荷重によるせん断力が作用しない構成とされ、ビス44が、せん断力により破断しないようにされている。また、ビス44には、大きなせん断力が作用せず、ビス44を取り付けるためのねじ部(ビス雄ねじ軸部及びビス雌ねじ孔の雌ねじ部)に繰り返し荷重が作用しないために、ビス雌ねじ部の緩みがない構成とされている。
【0036】
前記の係止用凸部6の係止面8とストッパー部17の係合面16とは、平行な面とされ、係止面8と係合面16との基端側底部2からの距離差は、透光材支持枠22側の平行な押縁用係止溝28を有する係止溝壁29の外側面と、押縁支承受部30の外側面との枠材本体側からの距離差と略等しくされていることで、基端側外面15及び係合面16並びに基端側底部2の外側面10から透光材支持枠22側に応力を伝達可能にされている。
【0037】
前記のストッパー部17を備えていることで、押縁1を装着する時に、押縁1を透光材支持枠22を構成している横枠材24及び縦枠材23又は方立25に対して、所定の位置に設置可能にされている。
【0038】
次に、
図6を参照して前記のような押縁1を装着する透光材支持枠22の枠材の構成について説明する。
押縁1を装着する透光材支持枠22側の枠材としては、縦枠材23のみ、或は横枠材24のみ、或は、縦枠材23と横枠材24の両方、方立25(
図10参照)がある場合には、方立25に設ける必要がある場合には、方立25にも、押縁1を装着可能にしてもよい。
【0039】
図6に示す形態は、縦枠材23に設けるようにした形態で、透光材支持枠22を構成している縦枠材23には、透光材支持枠22の背面側に位置する枠内側部分に、支承壁部26が、透光材支持枠22の枠内側に突出するように設けられている。
支承壁部26に接続している縦枠材本体(枠材本体)27には、前記の支承壁部26から間隔をおいて、支承壁部26と反対側の前面側に向って開口する押縁用係止溝28を有する係止溝壁29が枠内側に突出するように設けられ、また、その係止溝壁29に間隔をおいて押縁支承受部30が設けられている。
【0040】
図6に示す場合の押縁支承受部30は、溝57を有する押縁支承受部30とされ、前記の係止溝壁29と間隔をおいて対向するように設けられている。前記の溝57は省略して、段部からなる押縁支承受部30としてもよい。
透光材支持枠22における各縦枠材23に係止溝壁29と押縁支承受部30を設けたり、各横枠材24に係止溝壁29と押縁支承受部30を設けたり、以下同様に、各縦枠材23と各横枠材24に設けたり、各縦枠材23と方立25に設けたり、各縦枠材23及び横枠材24と方立25とに設けたりする。
【0041】
次に、
図3〜
図7を参照して、透光材支持枠22に対して透光材40及び押縁1並びに弾性シール材31を設けて、透光性遮音パネル21とした一形態を説明する。
【0042】
間隔をおいて対向するように上部及び下部の一対の横枠材24,24及び左右の一対の縦枠材23を配置して、それらにより形成される隅角部を適宜接合金具(図示を省略した)等により接合して、透光材支持枠22を形成している。
【0043】
図4及びその一部を拡大して示す
図5に示すように、上下の各横枠材24,24には、枠内側に突出するように背面側支承壁37と、これに間隔をおいて内向き突出する前面側支承壁38が設けられ、これらの支承壁間により、透光材40の周縁部における上下部を遊嵌状態で嵌合配置するための透光材嵌合溝39が形成され、透光材40の上下部は、前記透光材嵌合溝39に遊嵌状態で嵌合配置されて、弾性シール材31により横枠材24と透光材40が固定されている。
なお、透光性防音パネル21を上下に積み重ねできるように、上部の横枠材24の上端部には、前面側に下向きに傾斜した傾斜支承部51が設けられ、また、背面側に段部52が設けられている。また、下部の横枠材24の下端側には、前面側に下向きに傾斜した載置面53と、係止板54が設けられ、上下の透光性防音パネル21の前後方向の位置決めをして、透光性防音パネル21を同面状に配置可能にされている。
【0044】
図6に左右の縦枠材における一方(右側の縦枠材23)を示すように、左右の各縦枠材23の枠材本体には、一体に枠内側に突出するように背面側支承壁37を備えており、前記の背面側支承壁37に間隔をおいて、押縁用係止溝28を備え枠内側に突出する係止溝壁29が設けられている。
前記の係止溝壁29は、各縦枠材23のほぼ全長に渡って上下方向に連続するように設けられている。
【0045】
また、前記の押縁用係止溝28を備えた係止溝壁29に間隔をおいて対向するように、押縁支承受部30が設けられている。押縁用係止溝28を備えた係止溝壁29と押縁支承受部30との間の巾寸法は、押縁1における荷重受用面板3とこれに平行な基端側外面15との間平行面間の寸法よりも僅かに大きくされ、荷重支承用受面3側の係止用凸部6の先端面9と、ストッパー部17先端との間の寸法よりも小さくされている。
押縁用係止溝28の溝高さは、押縁1における基端側底部2の外側面と係止面8との間の寸法よりも僅かに大きくされている。また、押縁用係止溝28を有する係止溝壁29の突出寸法は、押縁1における荷重支承用面板3から先端面9までの突出寸法よりも大きくされている。
【0046】
また、各縦枠材23には、上下方向に間隔をおいて、雌ねじ孔55が複数設けられている。
図10及び
図11に示すように、方立25に押縁1を設置する場合は、方立25の左右両側に上下方向に間隔をおいて前記の雌ねじ孔55を設ける。又、図示を省略するが、横枠材24に押縁用係止溝28を備えた係止溝壁29及び押縁支承受部30を設ける場合には、横枠材24にも前記の雌ねじ孔55を設ける。
【0047】
前記の縦枠材23及び横枠材24における背面側支承壁37の前面側に合わせガラス等の透光材40を配置する。また、
図8(a)(b)(c)に示すように、押縁1における荷重受用面板3に接続している係止用凸部6の断面円弧状外面11を、押縁用係止溝28に嵌合するように、押縁1の接続板5側を透光材40に近づけるように押縁1を傾斜配置して、押縁1を透光材40に向ってスライド移動させ、また、押縁1を回動させて、押縁1の係止用凸部6を縦枠材23側の押縁用係止溝28に係止し、さらに、
図9に(e)(f)(g)に示すように、断面円弧状外面11を利用して、押縁1を透光材40に向ってスライド移動させ、押縁1の係止用凸部6を、押縁用係止溝28の奥に押し込んで、十分係合させて、その状態で、
図9(f)(g)に示すように、前記の断面円弧状外面11を利用して、スムースに押縁1を押縁支承受部30に向って回動して、また、湾曲接続部13の凹部14により、押縁支承受部30に干渉しない状態で、ストッパー部17の係合面16を押縁支承受部30の枠内側面59に当接させ、また、押縁1を前面側に僅かに移動させて外側面板4の基端側外面15を、押縁支承受部30の背面60に面接触するように配置する。
なお、
図7に示すように、押縁1には、枠材側に固定のアイボルト32のボルト軸部34とナット33とを回避するための大径孔35が、設けられているために、縦枠材23から枠内側に突出していても、容易に押縁1を設置することができる。
その状態で、
図6に示すように、押縁1における接続板5と基端側底部2にビス44を挿通して、枠材側の雌ねじ孔55にねじ込んで、押縁1を枠材(縦枠材23)に固定する。
また、各縦枠材23及び横枠材24における背面側支承壁37及び押縁1との間にバックアップ材(図示を省略)と弾性シール材31を充填して、透光性遮音パネル21を構成する。なお、ビス44を取り外して、弾性シール材31等を撤去し、押縁1を前記と逆に動作させて取り外すことで、透光材40の交換もできる。
【0048】
なお、図示を省略するが、横枠材24にも係止溝壁29及び押縁支承受部30を前記と同様に設けている場合には、押縁1を横枠材24にも前記と同様に取り付けて、バックアップ材と弾性シール材31を設ける。
【0049】
図10及び
図11は、横枠材24に渡って方立25が設置されている形態の透光性防音パネル21の場合が示されている。
この形態では、方立本体61の背面側の左右両側に背面側支承壁37が設けられ、各支承壁の前面側に間隔をおいて、押縁用係止溝28を有する係止溝壁29が設けられていると共に、さらに前面側には、左右両側に突出するようにフランジからなる押縁支承受部30が設けられている形態の方立25とされている。
【0050】
このような方立25を備えている透光材支持枠22である場合も、方立25の左右両側を縦枠材と同様に取り扱って、方立25の片側(右側)と右側の縦枠材23と、上下の横枠材24の右側とに、透光材40を配置し、前記と同様に、方立25の右側と、右側の縦枠材23の左側にそれぞれ押縁1を設置して複数のビス44により方立25及び縦枠材23に固定し、前記と同様に適宜バックアップ材及び弾性材料性のシール材43を設けて、透光材40を設置する。また、同様に方立25の左側にも同様に透光材40を配置すると共に、押縁1を配置し、方立25の左側の雌ねじ孔にビス44を用いて固定すると共に、バックアップ材及び弾性シール材31を設け、透光材40を所定の位置に設置する。
【0051】
前記の弾性シール材31としては、シリコーン樹脂等が用いられ、また、前記のバックアップ材としては、発泡ポリエチレン製の材料等を用いてもよい。
【0052】
前記のように固定されている透光材40は、
図7及び
図11に示すように、矢印方向の風圧力等の荷重が作用した場合には、弾性シール材43から押縁1における荷重受用面板3作用する押圧力は、基端側底部2の基端側外面15から押縁支承受部30に押圧力が伝達される。また、押縁1には、透光材40から弾性シール材31を介して回転力が作用するが、押縁用係止溝28を有する係止溝壁29に、荷重受用面板3側の係止用凸部6が係止されており、押縁支承受部30にストッパー部17における係合面16が係合することで、回転が防止されている。
【0053】
前記のような透光性防音パネル21は、その両側部が、道路又は鉄道等軌道に沿って間隔をおいて立設される隣り合う支柱56(
図7参照)の溝57に落とし込み等により嵌合配置されて、支柱56のフランジと透光材支持枠22との間に、バネ鋼等の固定部材(固定金具58)が配置されてガタ防止された状態で設置され、必要に応じ複数段に透光性防音パネル21が積まれて、透光性遮音壁62が形成される。
【0054】
本発明を実施する場合、透光材支持枠に複数の方立25を設けるようにしてもよい。
また、前記実施形態においては、ビスにより押縁を透光材支持枠側に固定するようにしている形態を示したが、本発明を実施する場合に、ビスに代えて、ボルトやリベットなどの接合手段(締結部材)であってもよい。