特許第5690344号(P5690344)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5690344
(24)【登録日】2015年2月6日
(45)【発行日】2015年3月25日
(54)【発明の名称】セル間協調のための通信システム
(51)【国際特許分類】
   H04W 52/24 20090101AFI20150305BHJP
   H04W 16/08 20090101ALI20150305BHJP
   H04W 16/28 20090101ALI20150305BHJP
   H04W 16/32 20090101ALI20150305BHJP
   H04W 84/10 20090101ALI20150305BHJP
【FI】
   H04W52/24
   H04W16/08
   H04W16/28
   H04W16/32
   H04W84/10
【請求項の数】15
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2012-535104(P2012-535104)
(86)(22)【出願日】2010年7月23日
(65)【公表番号】特表2013-509071(P2013-509071A)
(43)【公表日】2013年3月7日
(86)【国際出願番号】KR2010004838
(87)【国際公開番号】WO2011049287
(87)【国際公開日】20110428
【審査請求日】2013年6月21日
(31)【優先権主張番号】10-2009-0101222
(32)【優先日】2009年10月23日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】503447036
【氏名又は名称】サムスン エレクトロニクス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】特許業務法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クォン, テ スウ
(72)【発明者】
【氏名】ノウ, ウォン ジョン
(72)【発明者】
【氏名】シン, チャン ヨン
【審査官】 青木 健
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2009/122778(WO,A1)
【文献】 特開2007−129405(JP,A)
【文献】 特開2000−287250(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00 − 99/00
H04B 7/24 − 7/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基地局の送信電力制御方法であって、
マクロ基地局からマクロ端末のサウンド信号情報を受信するステップと、
前記マクロ端末のサウンド信号に関する情報を用いて前記マクロ端末から送信された前記サウンド信号を検出するステップと、
前記サウンド信号に基づいて前記マクロ端末と前記基地局との間のチャネルを推定するステップと、
前記基地局の送信電力制御のために前記推定されたチャネルに関する情報を処理するステップと、を有することを特徴とする基地局の送信電力制御方法。
【請求項2】
前記マクロ基地局に前記サウンド信号情報を要請するステップを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の基地局の送信電力制御方法。
【請求項3】
前記サウンド信号情報を受信したことを示す確認メッセージを前記マクロ基地局に送信するステップを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の基地局の送信電力制御方法。
【請求項4】
前記検出されたサウンド信号は、
前記マクロ端末であることを示す情報、前記マクロ端末によって利用される無線リソースに関する情報、及び前記マクロ端末のサービス品質(QoS)に関する情報のうちの少なくとも1つを示すことを特徴とする請求項1に記載の基地局の送信電力制御方法。
【請求項5】
前記マクロ端末のサウンド信号情報は、
前記サウンド信号のパターンに関する情報、前記サウンド信号のための無線リソースに関する情報、及び前記サウンド信号の送信周期に関する情報のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1に記載の基地局の送信電力制御方法。
【請求項6】
前記推定されたチャネルに関する情報を処理するステップは、
前記マクロ基地局及び前記基地局の送信電力制御のために前記マクロ基地局に前記推定されたチャネルに関する情報を送信するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の基地局の送信電力制御方法。
【請求項7】
前記推定されたチャネルに関する情報を処理するステップは、
前記推定されたチャネルに関する情報に基づいて前記基地局の送信電力を決定するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の基地局の送信電力制御方法。
【請求項8】
前記マクロ基地局から前記基地局の制御された送信電力に関する情報を受信するステップを更に含むことを特徴とする請求項6に記載の基地局の送信電力制御方法。
【請求項9】
基地局の送信電力制御方法であって、
マクロ基地局からマクロ端末のサウンド信号情報を受信するステップと、
前記マクロ端末のサウンド信号に関する情報を用いて前記マクロ端末から送信された前記サウンド信号を検出するステップと、
前記サウンド信号に基づいて前記基地局の送信電力を調節するステップと、を有することを特徴とする基地局の送信電力制御方法。
【請求項10】
前記基地局の送信電力を調節するステップは、
前記検出されたサウンド信号のパワーを少なくとも1つの比較値と比較するステップと、
前記比較結果に基づいて前記送信電力を増加又は減少させるステップと、を含むことを特徴とする請求項9に記載の基地局の送信電力制御方法。
【請求項11】
基地局の送信電力制御方法であって、
マクロ基地局からマクロ端末のサウンド信号情報を受信するステップと、
前記マクロ端末のサウンド信号に関する情報を用いて前記マクロ端末から送信された前記サウンド信号を検出するステップと、
前記サウンド信号に基づいて前記マクロ端末と前記基地局との間のチャネルを推定し、該推定されたチャネルに基づいてフェムト端末のためのビームフォーミングベクトルを生成するステップ、又は、
前記サウンド信号の検出に応答して前記マクロ端末から前記マクロ端末と前記基地局との間のチャネルに関する情報を受信し、該受信したチャネルに関する情報に基づいて前記フェムト端末のための前記ビームフォーミングベクトルを生成するステップと、を有することを特徴とする基地局の送信電力制御方法。
【請求項12】
前記サウンド信号の検出に応答して、前記マクロ端末と前記基地局との間のチャネルに関する情報を前記マクロ端末に要請するステップを更に含むことを特徴とする請求項11に記載の基地局の送信電力制御方法。
【請求項13】
マクロ端末の送信電力制御方法であって、
マクロ基地局からサウンド信号の送信要請を受信するステップと、
前記サウンド信号を基地局に送信するステップと、を有し、
前記サウンド信号は、
前記マクロ端末であることを示す情報、前記マクロ端末のための無線リソースに関する情報、及び前記マクロ端末のサービス品質(QoS)に関する情報のうちの少なくとも1つを示し、
前記サウンド信号のパターンに関する情報、前記サウンド信号のための無線リソースに関する情報、及び前記サウンド信号の送信周期に関する情報のうちの少なくとも1つを含むサウンド信号情報は、前記マクロ基地局から前記基地局に予め提供されることを特徴とするマクロ端末の送信電力制御方法。
【請求項14】
請求項1の方法を実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項15】
請求項13の方法を実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フェムト基地局及びマクロ基地局を含む階層(hierarchical)セル通信システムに関し、より詳細には、階層セル通信システムにおいてフェムト基地局がマクロ端末を認知するか、又はフェムト基地局とマクロ端末との間のチャネルを認知するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
移動通信システムの容量を増大するために、フェムトセル、マクロセル、及び1つ以上の移動端末を含む階層セル通信システムに関する技術が注目されている。階層セル通信システムにおいて、フェムトセルからマクロセルへの干渉は解決しなければならない重要な問題である。
【0003】
各種規格では、セル間の干渉による問題を解決するために協調(coordinated)ビームフォーミングなどの技術を提案している。但し、協調ビームフォーミングなどの技術は、リアルタイムでセル間におけるチャネル情報を交換/共有することを要求するが、フェムトセルを含む階層セル通信システムにおいて、セルがチャネル情報をリアルタイムで交換/共有することは困難な場合がある。なぜなら、フェムトセルは、マクロセルと直接接続されずに、インターネットを介してマクロセルと接続されるため、フェムトセルとマクロセルとの間で送信/受信される情報は、相対的に大きな遅延を有するためである。
【0004】
従って、フェムトセルからマクロセロの干渉(特に、フェムト基地局からマクロ端末への干渉)による問題を解決しながらも、フェムトセル及びマクロセルがチャネル情報をリアルタイムで共有できる技術が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、基地局及びマクロ端末の送信電力制御方法並びにこれらの方法を実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様による基地局の送信電力制御方法は、マクロ基地局からマクロ端末のサウンド信号情報を受信するステップと、前記受信したサウンド信号情報に基づいて前記マクロ端末から送信された前記サウンド信号を検出するステップと、前記検出されたサウンド信号に基づいて前記マクロ端末と前記基地局との間のチャネルを推定するステップと、前記マクロ基地局及び前記基地局の送信電力制御のために前記推定されたチャネルに関する情報を処理するステップと、を有する。
【0007】
前記方法は、前記マクロ基地局に前記サウンド信号情報を要請するステップを更に含んでもよい。
前記方法は、前記サウンド信号情報を受信したことを示す確認メッセージを前記マクロ基地局に送信するステップを更に含んでもよい。
前記検出されたサウンド信号は、前記マクロ端末であることを示す情報、前記マクロ端末によって利用される無線リソースに関する情報、及び前記マクロ端末のサービス品質(Quality of Service:QoS)に関する情報のうちの少なくとも1つを示すことができる。
前記マクロ端末のサウンド信号情報は、前記サウンド信号のパターンに関する情報、前記サウンド信号のための無線リソースに関する情報、及び前記サウンド信号の送信周期に関する情報のうちの少なくとも1つを含むことができる。
前記推定されたチャネルに関する情報を処理するステップは、前記マクロ基地局及び前記基地局の送信電力制御のために前記マクロ基地局に前記推定されたチャネルに関する情報を送信するステップを含んでもよい。
前記推定されたチャネルに関する情報を処理するステップは、前記推定されたチャネルに関する情報に基づいて前記基地局の送信電力を決定するステップを含んでもよい。
前記方法は、前記マクロ基地局から前記基地局の制御された送信電力に関する情報を受信するステップを更に含んでもよい。
【0008】
上記目的を達成するためになされた本発明の他の態様による基地局の送信電力制御方法は、マクロ基地局からマクロ端末のサウンド信号情報を受信するステップと、前記マクロ端末から受信したサウンド信号情報に基づいて前記マクロ端末から送信された前記サウンド信号を検出するステップと、前記検出されたサウンド信号のパワーに基づいて前記基地局の送信電力を調節するステップと、を有する。
【0009】
前記フェムト基地局の送信電力を調節するステップは、前記検出されたサウンド信号のパワーを少なくとも1つの比較値と比較するステップと、前記比較結果に基づいて前記送信電力を増加又は減少させるステップと、を含んでもよい。
【0010】
上記目的を達成するためになされた本発明の他の態様による基地局の送信電力制御方法は、マクロ基地局からマクロ端末のサウンド信号情報を受信するステップと、前記マクロ端末から受信したサウンド信号情報に基づいて前記マクロ端末から送信された前記サウンド信号を検出するステップと、前記サウンド信号に基づいて前記マクロ端末と前記基地局との間のチャネルを推定し、該推定されたチャネルに基づいてフェムト端末のためのビームフォーミングベクトルを生成するステップ、又は、前記サウンド信号の検出に応答して前記マクロ端末から前記マクロ端末と前記基地局との間のチャネルに関する情報を受信し、該受信したチャネルに関する情報に基づいて前記フェムト端末のための前記ビームフォーミングベクトルを生成するステップと、を有する。
【0011】
前記方法は、前記サウンド信号の検出に応答して、前記マクロ端末と前記基地局との間のチャネルに関する情報を前記マクロ端末に要請するステップを更に含んでもよい。
【0012】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様によるマクロ端末の送信電力制御方法は、マクロ基地局からサウンド信号の送信要請を受信するステップと、前記サウンド信号を基地局に送信するステップと、を有し、前記サウンド信号は、前記マクロ端末であることを示す情報、前記マクロ端末のための無線リソースに関する情報、及び前記マクロ端末のサービス品質(QoS)に関する情報のうちの少なくとも1つを示し、前記サウンド信号のパターンに関する情報、前記サウンド信号のための無線リソースに関する情報、及び前記サウンド信号の送信周期に関する情報のうちの少なくとも1つを含むサウンド信号情報は、前記マクロ基地局から前記基地局に予め提供される。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、マクロ基地局がフェムト基地局にサウンド信号のパターンに関する情報、サウンド信号のための無線リソースに関する情報などを提供することによって、フェムト基地局は確実にマクロ端末から送信されたサウンド信号を受信することができる。従って、フェムト基地局は、マクロ端末とフェムト基地局との間のチャネルを容易に推定でき、マクロ端末の存在を認知することができ、マクロ基地局からマクロ端末に送信されるデータ間の干渉を減少することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】部分的周波数再利用(Fractional Frequency Reuse:FFR)方式に基づくマクロセル通信システムの従来例を示す図である。
図2】部分的周波数再利用方式に基づく階層セル通信システムの従来例を示す図である。
図3】リアルタイムで情報共有することが困難な階層セル通信システムの従来例を示す図である。
図4】複数のフェムト基地局を含む階層セル通信システムの従来例を示す図である。
図5】本発明の一実施形態による階層セル通信システムの手順を示す図である。
図6】マクロ端末の移動に伴うマクロ基地局及びフェムト基地局の送信電力の変化の一例を示す図である。
図7】本発明の一実施形態によるロングターム動的スペクトル管理(Dynamic Spectrum Management)方式を適用する階層セル通信システムの手順を示す図である。
図8】自発的動的スペクトル管理方式を適用する階層セル通信システムにおけるフェムト基地局の動作方法の一例を示すフローチャートである。
図9】leakage−basedビームフォーミングの一例を示す図である。
図10】leakage−basedビームフォーミングを適用する階層セル通信システムにおけるフェムト基地局の動作方法の一例を示すフローチャートである。
図11】本発明の一実施形態によるleakage−basedビームフォーミングを適用する階層セル通信システムの手順を示す図である。
図12】本発明の一実施形態によるleakage−basedビームフォーミングを適用する階層セル通信システムの他の手順を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための形態の具体例を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0016】
本明細書で記述するフェムトセル、フェムト基地局は、小型基地局の一例である。本発明の実施形態は、フェムトセル、フェムト基地局だけではなく多様な種類の小型基地局を含む通信システムに適用することができる。ここで、小型基地局は、ヘテロジニアスネットワーク(heterogeneous network)でリレー、RRH(Radio Remote Head)を含み、フェムト基地局、ピコ基地局、ホーム基地局(home eNode B)等を含む。
【0017】
図1は、部分的周波数再利用(Fractional Frequency Reuse:FFR)方式に基づくマクロセル通信システムの従来例を示す図である。
【0018】
図1を参照すると、マクロ基地局を含むマクロセル通信システムは、部分的周波数再利用方式により内部セル(inner cell)のための周波数リソースF1+F2と外郭セル(outer cell)のための周波数リソースF3を別に管理する。内部セル(inner cell)のための周波数リソースF1+F2は、隣接したセルによって再利用され得、外郭セル(outer cell)のための周波数リソースF3は、隣接したセルによって利用されない。部分的周波数再利用方式は、内部セル(inner cell)のための周波数リソースF1+F2を再利用することによって無線リソースの利用効率を上げるだけでなく、隣接セルから干渉を受けないように外郭セルのための周波数リソースF3を割り当てることによって、外郭セルにあるユーザの容量を向上させることができる。即ち、部分的周波数再利用方式によると、マクロ基地局は、図1の送信電力のグラフに示すように、外郭セルのための周波数リソースF3でも高い送信電力を割り当てることができる。
【0019】
マクロセルの隣接セルが異なるマクロセルである場合、2つのマクロセルはリアルタイムでチャネル情報を共有することができる。しかし、隣接セルがフェムトセルである場合、フェムトセルはインターネットと接続されているため、マクロセルとフェムトセルがリアルタイムでチャネル情報を共有することは難しい。また、マクロセルの位置は固定されている一方、フェムトセルの位置は自由に変わり得る。従って、FFRを用いる場合、フェムトセルからマクロ端末への干渉を確実に防止することができない。結局、マクロセル及びフェムトセルを含む階層セル通信システムで、FFRに基づいてリアルタイムにデータを共有することは最適化されたソリューションではない。
【0020】
図2は、部分的周波数再利用方式に基づく階層セル通信システムの従来例を示す図である。
【0021】
図2を参照すると、階層セル通信システムは、マクロ基地局、マクロ端末、及びフェムト基地局を含む。また、階層セル通信システムは、FFRを用いるため、内部セル(inner cell)のための周波数リソースF1+F2と外郭セル(outer cell)のための周波数リソースF3は互いに区別される。
【0022】
マクロ端末とフェムト基地局が互いに遠くに離れている場合、フェムト基地局からマクロ端末への干渉は略ないものと予測される。しかし、マクロ端末がフェムト基地局に近づくほどその干渉は増加し、フェムト基地局の位置もまた変わり得るため、単純にFFRを用いることではフェムト基地局からマクロ端末への干渉を解決することはできない。
【0023】
それだけでなく、フェムト基地局からマクロ端末への干渉を制御するためには、マクロ基地局及びフェムト基地局がフェムト基地局からマクロ端末へのチャネルに関する情報をリアルタイムで共有しなければならない。しかし、フェムト基地局はマクロ基地局と直接接続されず、インターネットを介して接続されるため、その情報をリアルタイムで共有することができない。それだけでなく、フェムト基地局は、マクロ端末の信号がどのようなパターンを有するのか、どのような無線リソースを用いて送信されるかが分からないため、フェムト基地局からマクロ端末へのチャネルを把握することさえ困難である。
【0024】
図3は、リアルタイムで情報共有することが困難な階層セル通信システムの従来例を示す図である。
【0025】
図3を参照すると、多重セル通信システム310は、マクロ基地局A及びマクロ基地局Bのように2つのマクロ基地局を含む。マクロ基地局は、光ファイバーケーブルを介して接続されるか、又は既知のX2インターフェースを介して接続される。このような例では、マクロ基地局A及びマクロ基地局Bは、小さい遅延時間を有してリアルタイムでチャネル情報を共有することができる。
【0026】
階層セル通信システム320の例において、マクロ基地局がインターネットを介してフェムト基地局に接続される場合、マクロ基地局及びフェムト基地局は、相対的に大きな遅延時間を有してチャネル情報を共有する。従って、階層セル通信システムは、3GPP LTE_advanced標準、又はIEEE 802.16m標準で議論される協調(coordinated)ビームフォーミングなどを用いることも難しい。
【0027】
図4は、複数のフェムト基地局を含む階層セル通信システムの従来例を示す図である。
【0028】
図4を参照すると、階層セル通信システムが2以上のフェムト基地局を含む場合、マクロ端末が干渉チャネル(h1、h2)を測定する方案が考えられる。即ち、マクロ端末は、フェムト基地局1、2をスキャニングし、干渉チャネル(h1、h2)を測定して、その干渉チャネルに関する情報をマクロ基地局に報告することができる。
【0029】
しかし、マクロ端末の電力は制限され、特に複数のフェムト基地局からの干渉チャネルを個別に測定するためには、端末で多くの量の電力が消耗される。また、マクロ端末がマクロ基地局で干渉チャネルに関する情報を報告する場合には、追加的な無線リソースを必要とする。
【0030】
図5は、本発明の一実施形態による階層セル通信システムの手順を示す図である。
【0031】
図5を参照すると、フェムト基地局は、マクロ端末のサウンド信号に関連する情報を得るために、有線又は無線バックホールを介してマクロ基地局にメッセージ「Macro_Info_Request」を送信する(510)。この例では、フェムト基地局がマクロ基地局から情報を受信する。マクロ端末のサウンド信号は、所定のパターンを有する信号又は所定のビットを有する信号を含み、3GPPの「サウンド信号」に限定されるものではない。
【0032】
マクロ基地局は、フェムト基地局が認証されたものである場合、マクロ基地局によってサービスされるマクロ端末のサウンド信号に関連する情報をフェムト基地局に送信する(520)。この例で、マクロ端末のサウンド信号に関連する情報は、マクロ基地局からメッセージ「Macro_Info」として送信される。
【0033】
例えば、マクロ端末のサウンド信号に関連する情報は、サウンド信号のパターンに関する情報、サウンド信号のための無線リソースに関する情報、又はサウンド信号の送信周期に関する情報などを含んでもよい。従って、フェムト基地局は、マクロ端末から送信されるサウンド信号のパターン、サウンド信号のために割り当てられた無線リソース(周波数リソース及び時間リソース)、サウンド信号がいつ送信されるかなどを把握することができる。
【0034】
フェムト基地局は、メッセージ「Macro_Info」の成功的な受信に応答して確認メッセージ「Macro_Info ACK」をマクロ基地局に送信する(530)。例えば、マクロ基地局は、フェムト基地局が割り当てられた無線リソースを介してマクロ端末からサウンド信号を受信する準備を完了したことをマクロ端末に報告する。
【0035】
また、マクロ基地局は、フェムト基地局がマクロ端末からサウンド信号を受信できる位置にあることを無線で確認し、マクロ端末に、指定されたパターン、割り当てられた無線リソース、指定された送信周期などの少なくとも1つに基づいて、サウンド信号の送信を命令する(540)。
【0036】
マクロ端末は、上述したように、指定されたパターン、割り当てられた無線リソース、指定された送信周期などに基づいて、サウンド信号を送信する(550)。
【0037】
ここで、サウンド信号は、マクロ端末によって送信される信号であり、フェムト基地局が、例えばマクロ端末の存在の有無や干渉量を判断したり、マクロ端末とフェムト基地局との間のチャネルを推定したりすることに用いられる信号を意味する。サウンド信号は、マクロ端末であることを示す情報、マクロ端末のための無線リソースに関する情報、マクロ端末のサービス品質(QoS)などに関する情報を含むことができる。
【0038】
サウンド信号のパターンは、例えばマクロ端末のための無線リソースの割当パターン、マクロ端末のサービス品質(QoS)に基づいて異なるように決定することができる。フェムト基地局は、サウンド信号のパターンに基づいて、マクロ端末のための無線リソースの割当パターン、マクロ端末のサービス品質(QoS)を把握することができる。実施形態として、サウンド信号は、フェムト基地局が上述した機能を行うために多様であり得る。
【0039】
フェムト基地局は、サウンド信号に基づいて、フェムト基地局とマクロ端末との間のチャネルを推定するか、又はマクロ端末の存在の有無を確認することができる。例えば、時間分割二重化(Time Division Duplex)システムにおいて、フェムト基地局は、サウンド信号に基づいてマクロ端末からフェムト基地局へのチャネルを推定し、フェムト基地局からマクロ端末へのチャネルを把握することができる。そして、フェムト基地局はサウンド信号に基づいてマクロ端末の存在の有無を確認することができる。マクロ基地局は、フェムト基地局又はマクロ端末に、チャネルに関する情報(例えば、マクロ端末で受信されたフェムト基地局の信号のパワーに関する情報)のフィードバックを要請することができる。
【0040】
従って、マクロ基地局及びフェムト基地局は、フェムト基地局とマクロ端末との間のチャネルに関する情報を共有することができ、その共有情報に基づいて、送信電力制御又はビームフォーミングのような干渉制御を行うことができる。下記では、送信電力制御の例としてロングターム動的スペクトル管理方式、自発的動的スペクトル管理方式を具体的に説明し、ビームフォーミングの例としてleakage−basedビームフォーミングについて説明する。また、共有情報は、セル間ハンドオーバーなどに用いることができる。
【0041】
<ロングターム動的スペクトル管理>
【0042】
図6は、マクロ端末の移動に伴うマクロ基地局及びフェムト基地局の送信電力の変化の一例を示す図である。
【0043】
図6を参照すると、この例では、マクロセルがFFRを用いる環境においてマクロ端末がフェムト基地局に次第に近づいている。図面符号610及び620に示すように、マクロ基地局の送信電力は変更されないまま、外郭セルのための周波数リソースF3におけるフェムト基地局の送信電力だけが減少する。
【0044】
例えば、外郭セルにフェムト基地局が存在する場合、フェムト基地局はマクロ端末によって利用されない無線リソースを自由に用いることができる。また、フェムト基地局は、マクロ端末によって要求されるサービス品質(例えば、平均SINR)を知ることができ、サービス品質が保障されるという前提に基づき、経路損失(path loss)又はシャドーイング(shadowing)のようなロングタームチャネルゲインに基づいてマクロ端末によって利用される無線リソースを制限的に用いることができる。
【0045】
フェムト基地局は、マクロ端末が存在しないと判断した場合、マクロ基地局の可能な全ての無線リソースを利用することができ、周辺にマクロ端末が存在する場合にも、マクロ端末がフェムト基地局からの干渉なしに通信することを保障しながら、無線リソースを効率的に利用することができる。
【0046】
図7は、本発明の一実施形態によるロングターム動的スペクトル管理(Dynamic Spectrum Management)方式を適用する階層セル通信システムの手順を示す図である。
【0047】
図7を参照すると、フェムト基地局は、マクロ端末のサウンド信号に関連する情報を得るためにバックホールを介してマクロ基地局にメッセージ「Macro_Info_Request」を送信する(710)。
【0048】
実施形態として、フェムト基地局及びマクロ基地局は認証処理を行い得る。マクロ基地局は、マクロ基地局によって保存されるマクロ端末のサウンド信号情報を保存し更新することができる。マクロ基地局は、フェムト基地局が認証されたものである場合、マクロ端末のサウンド信号に関連する情報をフェムト基地局に送信する(720)。この例で、マクロ端末のサウンド信号に関連する情報は、メッセージ「Macro_Info」の形態で送信される。
【0049】
フェムト基地局は、メッセージ「Macro_Info」の成功的な受信に応答して確認メッセージ「Macro_Info ACK」をマクロ基地局に送信する(730)。
【0050】
例えば、マクロ基地局は、フェムト基地局が割り当てられた無線リソースを介してマクロ端末からサウンド信号を受信する準備を完了したことをマクロ端末に報告する。
【0051】
マクロ基地局は、マクロ端末がフェムト基地局のシグナリング距離内にあることを確認する。即ち、マクロ基地局は、フェムト基地局がマクロ端末からサウンド信号を受信できることを確認し、マクロ端末に、例えば指定されたパターン、割り当てられた無線リソース、指定された送信周期などに基づいて、サウンド信号の送信を命令する(740)。
【0052】
マクロ端末は、例えば指定されたパターン、割り当てられた無線リソース、及び指定された送信周期などに基づいて、サウンド信号を送信する(750)。
【0053】
フェムト基地局は、フェムト基地局からマクロ端末へのチャネルを推定又は予測する(760)。
【0054】
フェムト基地局は、マクロ端末からフェムト基地局へのロングタームチャネルゲインを推定することができ、それによってフェムト基地局からマクロ端末へのロングタームチャネルゲインを予測することができる。例えば、TDDシステムにおいて、チャネル相互依存(reciprocity)が成立する場合、マクロ端末からフェムト基地局へのチャネルゲインとフェムト基地局からマクロ端末へのチャネルゲインとは、同一なものと見なすことができる。
【0055】
例えば、マクロ端末が頻繁にサウンド信号を送信する場合、フェムト基地局は、測定されたチャネルゲインを平均化することによってロングタームチャネルゲインを推定することができ、例えばマクロ端末が頻繁にサウンド信号を送信しなくても、測定したチャネルゲインに適切なフェーディングマージンを加えることによってロングタームチャネルゲインを推定することができる。
【0056】
フェムト基地局は、得られたロングタームチャネルゲインをメッセージ「Channel Info Report」の形態でマクロ基地局に送信する(770)。フェムト基地局は、ロングタームチャネルゲインを送信するために有線バックボーン又は無線バックボーンを用いることができる。
【0057】
マクロ基地局は、ロングタームチャネルゲインに基づき、送信電力制御に従ってフェムト基地局の各々及び周波数リソース(サブバンド)の各々の送信電力を算出する(780)。そして、算出された送信電力に関する情報は、フェムト基地局の各々に送信される(790)。
【0058】
図7に示したものとは異なり、実施形態として、送信電力はマクロ基地局の代わりにフェムト基地局によって算出され得、フェムト基地局が算出された送信電力を他のフェムト基地局やマクロ基地局に送信してもよい。
【0059】
ロングタームチャネルゲインとマクロ基地局で一般的に使用可能な情報とに基づく送信電力制御は、次のようなアルゴリズムに基づいて行うことができる。
【0060】
【0061】
この例で、
はフェムト基地局jの現在の送信パワーを表し、
はマクロ端末iへのマクロ基地局の現在の送信パワーを表わし、
はフェムト基地局jの送信パワーの変化を表わし、
はフェムト基地局jからマクロ端末iへのチャネルゲインを表わし、
はマクロ基地局からマクロ端末iへのチャネルゲインを表わし、
はマクロ端末iのロングタームSINRを表わし、
はマクロ端末iのロングタームターゲットSINRを表わし、
はマクロ端末iのバックグラウンド雑音を表わす。
【0062】
更に、
は、フェムト基地局がマクロ端末のサウンド信号を測定した後に、マクロ基地局に報告される。
【0063】
1.フェムト基地局の個数がマクロ端末の個数より多い場合
【0064】
フェムト基地局の個数がマクロ端末の個数より多い場合、アルゴリズムはフェムト基地局の送信電力「x」の変化を最小化することを考慮し、マクロ端末のターゲットロングタームSINRを満足することを制約(constraint)として考慮してもよい。例えば、アルゴリズムは、次のように表現することができる。
【0065】
【0066】
2.フェムト基地局の個数がマクロ端末の個数より小さいか同じである場合
【0067】
フェムト基地局の個数がマクロ端末の個数より小さいか同じである場合、アルゴリズムはマクロ端末の効率低下を最小化することを考慮する。例えば、アルゴリズムは、次のように表現することができる。
【0068】
【0069】
<自発的動的スペクトル管理>
【0070】
ロングターム動的スペクトル管理(DSM)に基づいて、マクロ基地局及びフェムト基地局は最適な送信電力制御のために互いに関連する情報を交換する。但し、自発的動的スペクトル管理に従い、マクロ基地局及びフェムト基地局のうちの1つ以上は、自発的に自体の送信電力を制御してもよい。
【0071】
図8は、自発的動的スペクトル管理(DSM)方式を適用する階層セル通信システムにおけるフェムト基地局の動作方法の一例を示すフローチャートである。
【0072】
図8を参照すると、フェムト基地局は予め設定された周期(例えば、送信周期)に基づいてマクロ端末のサウンド信号をモニタリングする(810)。
【0073】
フェムト基地局は、マクロ端末のサウンド信号が検出されたか否かを判断する(820)。
【0074】
マクロ端末のサウンド信号が検出されない場合、ステップ810を再び繰り返し、マクロ端末のサウンド信号が検出されると、フェムト基地局は検出されたサウンド信号のパワー(ロングタームゲイン)がαより大きいか否かを判断する(830)。検出されたサウンド信号のパワーがαより大きい場合、マクロ端末とフェムト基地局との間の干渉が相対的に大きいものと判断されるため、フェムト基地局は送信電力を減少する(850)。反対に、検出されたサウンド信号のパワーがαより小さいか同じである場合、フェムト基地局は検出されたサウンド信号のパワーがβより小さいか否かを判断する(840)。この例で、βはαより小さい実数である。
【0075】
検出されたサウンド信号のパワーがβより小さい場合、フェムト基地局とマクロ端末との間の干渉は相対的に小さいものと判断されるため、フェムト基地局は送信電力を増加する(860)。この例で、送信電力の増加又は減少はマクロ端末によって利用される周波数帯域における送信電力の増加又は減少を意味する。
【0076】
<leakage−basedビームフォーミング>
【0077】
自発的動的スペクトル管理及びロングターム動的スペクトル管理は、ロングタームチャネルゲインに基づく。但し、実施形態として、マルチパスフェーディングのようなショートタームチャネルゲインに基づいて干渉制御を行ってもよい。
【0078】
マクロ端末がサウンド信号を送信する場合、フェムト基地局はフェムト基地局とマクロ端末との間のチャネルを推定することができる。また、複数のフェムト基地局が存在する場合、マクロ基地局がフェムト基地局の各々に無線リソースを割り当てる例と比較して、フェムト基地局の各々がマクロ基地局に基づいて自体の無線リソースを割り当てることが効率的なこともある。
【0079】
図9は、leakage−basedビームフォーミングの一例を示す図である。
【0080】
図9を参照すると、フェムト基地局1、2、3の各々は、フェムト端末A、B、Cの各々のためにビームA、B、Cの各々を形成する。この例で、ビームA、B、Cはマクロ端末に干渉を与えないように生成されるため、フェムト基地局1、2、3の各々はマクロ端末によって利用される無線リソースを共に用いることができる。
【0081】
フェムト基地局1、2、3の各々は、次のような数式に基づいてleakage−basedビームフォーミングベクトルを生成することができる。
【0082】
【0083】
この例で、
はフェムトセルjにあるフェムト基地局の送信アンテナの個数を表わし、
はフェムトセルjにあるフェムト端末kの受信アンテナの個数を表わし、
はマクロ端末iの受信アンテナの個数を表わし、
はフェムト基地局jからフェムト端末kへのチャネルマトリックスを表わし、
の次元を有し、
はフェムト基地局jからマクロ端末iへのチャネルマトリックスを表わし、
の次元を有し、
はフェムト端末kのためのフェムト基地局jのビームフォーミングベクトルを表わし、
はフェムトセルjにあるフェムト端末kのバックグラウンド雑音パワーを表わす。
【0084】
図10は、leakage−basedビームフォーミングを適用する階層セル通信システムにおけるフェムト基地局の動作方法の一例を示すフローチャートである。
【0085】
図10を参照すると、フェムト基地局はマクロ端末のサウンド信号を受信する(1010)。サウンド信号はチャネル情報を含む。フェムト基地局は、フェムト基地局からマクロ端末へのチャネル、例えばショートタームチャネルゲインを推定し、マクロ端末から報告された情報に基づいて、フェムト基地局とマクロ端末との間のチャネルを判断する(1020)。
【0086】
フェムト基地局は、1つ以上のユーザ選択アルゴリズム、例えば比例公平スケジューリング(proportional fairness scheduling)方式を用いて、サービスしようとする少なくとも1つのユーザ(フェムト端末)を選択する(1030)。
【0087】
フェムト基地局は、上述した数式に基づいて適切なleakage−basedビームフォーミングベクトルを生成する(1040)。
【0088】
図11は、本発明の一実施形態によるleakage−basedビームフォーミングを適用する階層セル通信システムの手順を示す図である。
【0089】
図11を参照すると、フェムト基地局は、マクロ端末のサウンド信号に関連する情報を要請するためにバックホールを介してマクロ基地局にメッセージ「Macro_Info_Request」を送信する(1110)。
【0090】
マクロ基地局は、マクロ基地局によってサービスされるマクロ端末のサウンド信号に関連する情報をフェムト基地局に送信する(1120)。
【0091】
フェムト基地局は、メッセージ「Macro_Info」の成功的な受信に応答して確認メッセージ「Macro_Info ACK」をマクロ基地局に送信する(1130)。
【0092】
マクロ基地局は、フェムト基地局がマクロ端末からサウンド信号を受信できることを無線で確認し、マクロ端末に、例えば指定されたパターン、割り当てられた無線リソース、指定された送信周期などに基づいて、サウンド信号の送信を命令する(1140)。
【0093】
マクロ端末は、マクロ基地局による命令としてサウンド信号を送信する(1150)。
【0094】
フェムト基地局は、受信されたサウンド信号に基づいて、フェムト基地局からマクロ端末へのチャネル、例えばショートタームチャネルゲインを含むチャネルを推定し、適切なleakage−basedビームフォーミングベクトルを算出する(1160)。
【0095】
図11に示したものとは異なり、チャネル相互依存(reciprocity)が成立しない場合、フェムト基地局からマクロ端末へのチャネルに関する情報は、マクロ端末からフェムト基地局に提供してもよい。これについては、図12を参照して説明する。
【0096】
図12は、本発明の一実施形態によるleakage−basedビームフォーミングを適用する階層セル通信システムの他の手順を示す図である。
【0097】
図12を参照すると、手順1210〜1250は、図11の手順1110〜1150と同様に行われるので、これらの手順の説明は省略する。
【0098】
手順1210〜1250が行われた後、フェムト基地局は、マクロ端末の存在の有無を認知し、マクロ端末がフェムト基地局に及ぼす影響を認知する(1260)。
【0099】
フェムト基地局は、フェムト基地局とマクロ端末との間のチャネルに関する情報をマクロ基地局に要請し(1270)、マクロ基地局はその要請に対して応答する(1280)。マクロ基地局は、マクロ端末に、フェムト基地局とマクロ端末との間のチャネルに関する情報をフェムト基地局にフィードバックすることを命令する(1290)。マクロ端末はフェムト基地局とマクロ端末との間のチャネルに関する情報をフェムト基地局にフィードバックする(1291)。実施形態として、マクロ端末とフェムト基地局との間の通信のための初期化過程が選択的に行われてもよい。
【0100】
フェムト基地局からマクロ端末へのチャネルに関する情報がフェムト基地局に提供されると、フェムト基地局は適切なleakage−basedビームフォーミングベクトルを生成する(1292)。
【0101】
本発明による方法は、多様なコンピュータ手段によって行われるプログラム命令形態で実現され、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録することができる。記録媒体は、プログラム命令、データファイル、データ構造などを単独又は組み合わせたものを含んでもよい。記録媒体及びプログラム命令は、本発明の目的のために特別に設計されて構成されたものでもよく、コンピュータソフトウェア分野の技術を有する当業者にとって公知のものであり使用可能なものであってもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体の例としては、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク及び磁気テープのような磁気媒体、CD−ROM、DVDのような光記録媒体、フロプティカルディスクのような磁気−光媒体、及びROM、RAM、フラッシュメモリなどのようなプログラム命令を保存して実行するように特別に構成されたハードウェア装置が含まれてもよい。プログラム命令の例としては、コンパイラによって生成されるような機械語コードだけでなく、インタプリタなどを用いてコンピュータによって実行され得る高級言語コードを含む。上記ハードウェア装置は、本発明の動作を行うために1つ以上のソフトウェアモジュールとして作動するように構成されてもよい。
【0102】
上述したように本発明をいくつかの実施形態と図面によって説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明が属する分野における通常の知識を有する者であれば、このような実施形態から多様な修正及び変形が可能である。従って、本発明の範囲は、開示された実施形態に限定されて定められるものではなく、特許請求の範囲及び特許請求の範囲と均等なものなどによって定められるものである。
【符号の説明】
【0103】
310 多重セル通信システム
320 階層セル通信システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12