(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5690350
(24)【登録日】2015年2月6日
(45)【発行日】2015年3月25日
(54)【発明の名称】多色画像化システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
G01N 21/27 20060101AFI20150305BHJP
H04N 5/225 20060101ALI20150305BHJP
G01J 3/46 20060101ALI20150305BHJP
【FI】
G01N21/27 A
H04N5/225 Z
G01J3/46 Z
【請求項の数】45
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2012-539405(P2012-539405)
(86)(22)【出願日】2010年11月17日
(65)【公表番号】特表2013-511052(P2013-511052A)
(43)【公表日】2013年3月28日
(86)【国際出願番号】GB2010002118
(87)【国際公開番号】WO2011061490
(87)【国際公開日】20110526
【審査請求日】2012年10月26日
(31)【優先権主張番号】0920177.3
(32)【優先日】2009年11月17日
(33)【優先権主張国】GB
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】509174163
【氏名又は名称】ビューラー ソーテックス リミテッド
【氏名又は名称原語表記】BUHLER SORTEX LTD
(74)【代理人】
【識別番号】100064539
【弁理士】
【氏名又は名称】右田 登志男
(72)【発明者】
【氏名】ミルズ、スチュアート
【審査官】
高橋 亨
(56)【参考文献】
【文献】
特開2009−240876(JP,A)
【文献】
特開2006−275972(JP,A)
【文献】
特開2008−302314(JP,A)
【文献】
特表平10−508532(JP,A)
【文献】
特開2008−180742(JP,A)
【文献】
特開2003−205269(JP,A)
【文献】
特開2009−018310(JP,A)
【文献】
特開2006−247490(JP,A)
【文献】
特開2000−009446(JP,A)
【文献】
特開2006−110516(JP,A)
【文献】
米国特許第06078018(US,A)
【文献】
米国特許出願公開第2009/0079970(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/00−21/958
G01J 3/46
H04N 5/225
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品フローにおける製品を画像化するための画像化システムであって、
前記製品フローにおける製品を、第1および第2の異なる波長または異なる波長範囲の照明で照射するための照明ユニットと、
それぞれ複数の画素素子を備え、前記製品フローの幅全体にわたるラインとして延在し、一方のラインが他方のラインの下流側にあり、それによって、第1のラインアレイ検出器の画素素子を通過する製品が第2のラインアレイ検出器の対応する画素素子を通過する前記第1および第2のラインアレイ検出器を備える、前記製品フローにおける製品からの反射照明を検出するための検出ユニットと、
前記照明ユニットをトリガして前記製品フローの流速に対応する走査速度で第1および第2の照明を順次に点滅させるための制御ユニットと、
前記第1および第2のラインアレイ検出器の前記画素ラインを連続して読み取り、前記各照明波長または各照明波長範囲における前記製品の画像を構築するための画像処理ユニットと
を備える、システム。
【請求項2】
前記照明ユニットが細長いユニットである、請求項1に記載の画像化システム。
【請求項3】
前記照明ユニットが、第1および第2の異なる波長または異なる波長範囲の照明をそれぞれ提供するための第1および第2の照明光源を備える、請求項1または2に記載の画像化システム。
【請求項4】
前記照明光源が半導体照明光源を備える、請求項3に記載の画像化システム。
【請求項5】
前記照明光源が列として配置されたLEDを備える、請求項4に記載の画像化システム。
【請求項6】
前記製品フローを基準背景照明で照射するための別の照明ユニットをさらに備える、請求項1〜5のいずれかに記載の画像化システム。
【請求項7】
前記別の照明ユニットが固定された波長または波長範囲の背景照明を提供する、請求項6に記載の画像化システム。
【請求項8】
前記別の照明ユニットが、第1および第2の異なる波長または異なる波長範囲の背景照明を提供するための第1および第2の照明光源を備え、前記第1および第2の背景照明光源が前記制御ユニットによって順次にトリガされて前記走査速度で点滅する、請求項6に記載の画像化システム。
【請求項9】
前記第1および第2のラインアレイ検出器が並置されている、請求項1〜8のいずれかに記載の画像化システム。
【請求項10】
前記第1および第2のラインアレイ検出器が間隔をおいて配置されている、請求項1〜8のいずれかに記載の画像化システム。
【請求項11】
前記第1および第2のラインアレイ検出器がフィルタリングされないラインアレイ検出器である、請求項1〜10のいずれかに記載の画像化システム。
【請求項12】
前記第1および第2のラインアレイ検出器が単一の共通レンズを通して反射光を受ける、請求項11に記載の画像化システム。
【請求項13】
前記第1および第2のラインアレイ検出器のうちの少なくとも1つがリニアCCDアレイ検出器を備える、請求項1〜12のいずれかに記載の画像化システム。
【請求項14】
前記第1および第2のラインアレイ検出器のうちの少なくとも1つがInGaAsアレイ検出器を備える、請求項1〜13のいずれかに記載の画像化システム。
【請求項15】
前記照明波長のうちの少なくとも1つがUV検出を可能にする、請求項1〜14のいずれかに記載の画像化システム。
【請求項16】
前記照明波長のうちの少なくとも1つが可視光検出を可能にする、請求項1〜15のいずれかに記載の画像化システム。
【請求項17】
前記照明波長のうちの少なくとも1つが赤外線(IR)検出を可能にする、請求項1〜16のいずれかに記載の画像化システム。
【請求項18】
前記制御ユニットが、製品が前記第1のラインアレイ検出器から前記第2のラインアレイ検出器まで通過する期間を検出することによって前記製品フローの流速を決定し、前記走査速度をしかるべく設定するように動作する、請求項1〜17のいずれかに記載の画像化システム。
【請求項19】
前記制御ユニットが、前記製品フローの流速を決定するための速度センサを含み、前記走査速度をしかるべく設定するように動作する、請求項1〜17のいずれかに記載の画像化システム。
【請求項20】
前記走査速度が、前記製品フローの流速の事前の決定に基づいて事前設定される、請求項1〜17のいずれかに記載の画像化システム。
【請求項21】
画像化ユニットが、前記第1および第2の異なる波長または異なる波長範囲についての色の反射の強度の比に基づいて製品を特徴付けるように動作する、請求項1〜20のいずれかに記載の画像化システム。
【請求項22】
前記照明ユニットが、3つの異なる波長または異なる波長範囲の照明を提供するための第1、第2および第3の照明光源を備え、前記検出ユニットが、前記製品フローの幅全体にわたる3本の隣接するラインとして配置された第1、第2および第3のラインアレイ検出器を備え、前記制御ユニットが、前記第1、第2および第3の照明光源を走査速度で順次にトリガし、前記画像化ユニットが、前記第1、第2および第3のラインアレイ検出器の前記画素ラインを連続して読み取り、前記各照明波長または各照明波長範囲における前記製品の画像を構築する、請求項1〜21のいずれかに記載の画像化システム。
【請求項23】
製品フローにおける製品を画像化するための画像化システムであって、
前記製品フローにおける製品を、第1および第2の異なる波長または異なる波長範囲の照明で照射するための照明ユニットと、
それぞれ複数の画素素子を備え、前記製品フローの幅全体にわたるラインとして延在し、一方のラインが他方のラインの下流側にあり、それによって、第1のラインアレイ検出器の画素素子を通過する製品が第2のラインアレイ検出器の対応する画素素子を通過する前記第1および第2のラインアレイ検出器を備える、前記製品フローにおける製品からの反射照明を検出するための検出ユニットと、
前記照明ユニットをトリガして前記製品フローの流速に対応する走査速度で第1および第2の照明を順次に点滅させるための制御ユニットと、
前記第1および第2のラインアレイ検出器の前記画素ラインを連続して読み取って、前記各照明波長または各照明波長範囲における前記製品の特徴付けを提供するための画像処理ユニットと
を備える、システム。
【請求項24】
製品フローにおける製品を画像化する方法であって、
前記製品フローにおける製品を、前記製品フローの流速に対応する走査速度で、第1および第2の異なる波長または異なる波長範囲の照明で順次に照射するステップと、
それぞれ複数の画素素子を備え、前記製品フローの幅全体にわたるラインとして延在し、一方のラインが他方のラインの下流側にあり、それによって、第1のラインアレイ検出器の画素素子を通過する製品が第2のラインアレイ検出器の対応する画素素子を通過する前記第1および第2のラインアレイ検出器によって検出される前記製品フローにおける製品からの反射照明を検出するステップと、
前記第1および第2のラインアレイ検出器の前記画素ラインを連続して読み取り、前記各照明波長または各照明波長範囲における前記製品の画像を構築するステップと
を含む、方法。
【請求項25】
前記照明が細長い照明である、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
異なる波長または異なる波長範囲の前記照明が半導体照明光源によって提供される、請求項24または25に記載の方法。
【請求項27】
前記照明光源が列として配置されたLEDを備える、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記製品フローを別の基準背景照明で照射するステップをさらに含む、請求項24〜27のいずれかに記載の方法。
【請求項29】
前記背景照明が固定された波長または波長範囲で提供される、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記背景照明のステップが、
前記製品フローを、前記走査速度で順次に、第1および第2の異なる波長または異なる波長範囲の別の基準背景照明で照射するステップ
を含む、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
前記ラインアレイ検出器が並置されている、請求項24〜30のいずれかに記載の方法。
【請求項32】
前記ラインアレイ検出器が間隔をおいて配置されている、請求項24〜30のいずれかに記載の方法。
【請求項33】
前記ラインアレイ検出器がフィルタリングされないラインアレイ検出器である、請求項24〜32のいずれかに記載の方法。
【請求項34】
前記ラインアレイ検出器が単一の共通レンズを通して反射光を受ける、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記ラインアレイ検出器のうちの少なくとも1つがリニアCCDアレイ検出器を備える、請求項24〜34のいずれかに記載の方法。
【請求項36】
前記ラインアレイ検出器のうちの少なくとも1つがInGaAsアレイ検出器を備える、請求項24〜34のいずれかに記載の方法。
【請求項37】
前記照明波長のうちの少なくとも1つがUV検出を可能にする、請求項24〜36のいずれかに記載の方法。
【請求項38】
前記照明波長のうちの少なくとも1つが可視光検出を可能にする、請求項24〜37のいずれかに記載の方法。
【請求項39】
前記照明波長のうちの少なくとも1つが赤外線(IR)検出を可能にする、請求項24〜38のいずれかに記載の方法。
【請求項40】
製品が前記ラインアレイ検出器間を通過する期間を検出することによって前記製品フローの流速を決定するステップと、
前記決定された流速に従って前記走査速度を設定するステップと
をさらに含む、請求項24〜39のいずれかに記載の方法。
【請求項41】
速度センサを使用して前記製品フローの流速を決定するステップと、
前記決定された流速に従って前記走査速度を設定するステップと
をさらに含む、請求項24〜39のいずれかに記載の方法。
【請求項42】
前記走査速度が前記製品フローの流速の事前の決定に基づいて事前設定される、請求項24〜39のいずれかに記載の方法。
【請求項43】
前記第1および第2の異なる波長または異なる波長範囲についての色の反射の強度の比に基づいて製品を特徴付けるステップ
をさらに含む、請求項24〜42のいずれかに記載の方法。
【請求項44】
前記製品フローにおける製品を照射する前記ステップが、
前記製品フローにおける製品を、前記製品フローの流速に対応する走査速度で、第1、第2および第3の異なる波長または異なる波長範囲の照明で順次に照射するステップ
を含み、
反射照明を検出する前記ステップが、
それぞれ複数の画素素子を備え、前記製品フローの幅全体にわたるラインとして延在し、一方のラインが他方のラインの下流側にあり、それによって、第1のラインアレイ検出器の画素素子を通過する製品が、第2のラインアレイ検出器の対応する画素素子と、第3のラインアレイ検出器の対応する画素素子とを通過する前記第1、第2および第3のラインアレイ検出器によって検出される前記製品フローにおける製品からの反射照明を検出するステップ
を含み、
前記画素ラインを連続して読み取る前記ステップが、
前記第1、第2および第3のラインアレイ検出器の前記画素ラインを連続して読み取って、前記各照明波長または各照明波長範囲における前記製品の画像の構築を行うステップ
を含む、請求項24〜43のいずれかに記載の方法。
【請求項45】
製品フローにおける製品を画像化する方法であって、
前記製品フローにおける製品を、前記製品フローの流速に対応する走査速度で、第1および第2の異なる波長または異なる波長範囲の照明で順次に照射するステップと、
それぞれ複数の画素素子を備え、前記製品フローの幅全体にわたるラインとして延在し、一方のラインが他方のラインの下流側にあり、それによって、第1のラインアレイ検出器の画素素子を通過する製品が第2のラインアレイ検出器の対応する画素素子を通過する前記第1および第2のラインアレイ検出器によって検出される前記製品フローにおける製品からの反射照明を検出するステップと、
前記第1および第2のラインアレイ検出器の前記画素ラインを連続して読み取って、前記各照明波長または各照明波長範囲における前記製品の特徴付けを提供するステップと
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製品フローにおける、特に、食料品やプラスチックペレットなどのプラスチック構成材のフロー(流れ、flow)といったバルク(bulk)選別における製品の多色画像化(multi−chromatic imaging)のための多色画像化システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多色画像化は、複数の特徴に基づく製品の特徴付けを提供する際に、単色画像化と比べて改善された製品の検出を可能にする。また、色の反射(chromatic reflection)の強度の比を利用する多色画像化は、単一の測定強度を利用する単色画像化と比べて、特にエッジに関して入射角による影響を受けにくいという点でも有利である。
【0003】
製品フローにおける製品の多色画像化のための画像化システムが存在する。単一の光検出器を使用した複数の波長の検出を可能にするそのような画像化システムの1つが、米国特許出願公開第2009/0079970号明細書に開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、好ましくは低コストの、複数のラインアレイ検出器を使用する製品の多色画像化のための多色画像化システムおよび方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様において、本発明は、製品フローにおける製品を画像化するための画像化システムであって、製品フローにおける製品を、第1および第2の異なる波長または異なる波長範囲の照明で照射するための照明ユニットと、それぞれ複数の画素素子を備え、製品フローの幅全体にわたるラインとして延在し、一方のラインが他方のラインの下流側にあり、それによって、第1のラインアレイ検出器の画素素子を通過する製品が第2のラインアレイ検出器の対応する画素素子を通過する第1および第2のラインアレイ検出器を備える、製品フローにおける製品からの反射照明を検出するための検出ユニットと、第1および第2の照明光源をトリガして製品フローの流速(flow rate)に対応する走査速度で順次に点滅させるための制御ユニットと、第1および第2のラインアレイ検出器の画素ラインを連続して読み取り、各照明波長または各照明波長範囲における製品の画像を構築するための画像処理ユニットとを備えるシステムを提供する。
【0006】
別の態様において、本発明は、製品フローにおける製品を画像化するための画像化システムであって、製品フローにおける製品を、第1および第2の異なる波長または異なる波長範囲の照明で照射するための照明ユニットと、それぞれ複数の画素素子を備え、製品フローの幅全体にわたる(製品フローの幅を横切る)ラインとして延在し、一方のラインが他方のラインの下流側にあり、それによって、第1のラインアレイ検出器の画素素子を通過する製品が第2のラインアレイ検出器の対応する画素素子を通過する第1および第2のラインアレイ検出器を備える、製品フローにおける製品からの反射照明を検出するための検出ユニットと、第1および第2の照明光源をトリガして製品フローの流速に対応する走査速度で順次に点滅させるための制御ユニットと、第1および第2のラインアレイ検出器の画素ラインを連続して読み取って、各照明波長または各照明波長範囲における製品の特徴付けを提供するための画像処理ユニットとを備えるシステムを提供する。
【0007】
別の態様において、本発明は、製品フローにおける製品を画像化する方法であって、製品フローにおける製品を、製品フローの流速に対応する走査速度で、第1および第2の異なる波長または異なる波長範囲の照明で順次に照射するステップと、それぞれ複数の画素素子を備え、製品フローの幅全体にわたるラインとして延在し、一方のラインが他方のラインの下流側にあり、それによって、第1のラインアレイ検出器の画素素子を通過する製品が第2のラインアレイ検出器の対応する画素素子を通過する第1および第2のラインアレイ検出器によって検出される製品フローにおける製品からの反射照明を検出するステップと、第1および第2のラインアレイ検出器の画素ラインを連続して読み取り、各照明波長または各照明波長範囲における製品の画像を構築するステップとを含む方法を提供する。
【0008】
別の態様において、本発明は、製品フローにおける製品を画像化する方法であって、製品フローにおける製品を、製品フローの流速に対応する走査速度で、第1および第2の異なる波長または異なる波長範囲の照明で順次に照射するステップと、それぞれ複数の画素素子を備え、製品フローの幅全体にわたるラインとして延在し、一方のラインが他方のラインの下流側にあり、それによって、第1のラインアレイ検出器の画素素子を通過する製品が第2のラインアレイ検出器の対応する画素素子を通過する第1および第2のラインアレイ検出器によって検出される製品フローにおける製品からの反射照明を検出するステップと、第1および第2のラインアレイ検出器の画素ラインを連続して読み取って、各照明波長または各照明波長範囲における製品の特徴付けを提供するステップとを含む方法を提供する。
【0009】
好ましい実施形態では、単一のレンズを通して反射光を受ける複数のフィルタリングされないラインアレイ検出器が利用される。
【0010】
以下で、例として挙げるに過ぎないが、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の第1の実施形態による2色画像化システムを概略的に表す図である。
【
図2(a)】製品が第1の波長の照明で照射される、第1の画像化段階における
図1の画像化システムを示す図である。
【
図2(b)】製品が第2の異なる波長の照明で照射される、第2の画像化段階における
図1の画像化システムを示す図である。
【
図3】製品フローにおいて
図1の画像化システムの第1および第2のラインアレイ検出器を通過する製品を概略的に示す図である。
【
図4(a)】製品が製品フローにおいて
図1の画像化システムの第1および第2のラインアレイ検出器を通過する際の連続する走査期間(走査期間1)を示す図である。
【
図4(b)】製品が製品フローにおいて
図1の画像化システムの第1および第2のラインアレイ検出器を通過する際の連続する走査期間(走査期間2)を示す図である。
【
図4(c)】製品が製品フローにおいて
図1の画像化システムの第1および第2のラインアレイ検出器を通過する際の連続する走査期間(走査期間3)を示す図である。
【
図4(d)】製品が製品フローにおいて
図1の画像化システムの第1および第2のラインアレイ検出器を通過する際の連続する走査期間(走査期間4)を示す図である。
【
図5】
図4(a)〜(d)の走査期間(走査期間1〜4)についての累積された画像シーケンスを概略的に表す図である。
【
図6】本発明の第2の実施形態による3色画像化システムを概略的に表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
画像化システムは、第1および第2の異なる波長または異なる波長範囲の照明で製品フローFにおける製品Pを照射するための、第1の前景照明ユニット(foreground illumination unit)3、この実施形態では細長いユニット(装置)を備える。
【0013】
この実施形態では、前景照明ユニット3は、第1および第2の異なる波長または異なる波長範囲の照明をそれぞれ提供するための第1および第2の照明光源5a、5b、この実施形態では細長い照明光源を備える。以下でより詳細に説明するように、第1および第2の照明光源5a、5bは順次にトリガされて走査速度で点滅する。
【0014】
この実施形態では、照明光源5a、5bは、半導体照明光源、この場合は列として配置されたLEDを備える。
【0015】
第1および第2の波長は、例えば赤と緑の光など、異なる色の波長とすることができ、波長または波長のスペクトルは検出されるべき製品Pの特徴によって決定される。
【0016】
画像化システムは、基準背景照明で製品フローFを照射するための第2の背景照明ユニット(background illumination unit)11をさらに備える。
【0017】
この実施形態では、背景照明ユニット11は、固定された波長または波長範囲の背景照明を提供する。
【0018】
別の実施形態では、背景照明ユニット11は、第1および第2の背景照明光源が順次にトリガされて走査速度で点滅する、第1および第2の異なる波長または異なる波長範囲の背景照明を提供するための第1および第2の背景照明光源を備えることもできる。この構成では、背景照明を前景検出照明との関連で強度空間(intensity space)において移動させることができ、これにより状況次第で検出が改善される場合もある。
【0019】
画像化システムは、製品フローFにおける製品Pからの反射照明を検出するための、この実施形態では第1および第2のラインアレイ検出器17a、17bを備える検出ユニット15をさらに備える。
【0020】
この実施形態では、ラインアレイ検出器17a、17bは、それぞれ、複数の画素素子を備え、製品フローFの幅全体にわたって延在する。
【0021】
第1および第2のラインアレイ検出器17a、17bは、一方が他方の下流側になるように位置し、製品フローF全体にわたって延在するラインL1、L2として配置され、それによって、第1のラインアレイ検出器17aの画素素子を通過する製品Pは、第2のラインアレイ検出器17bの対応する画素素子を通過する。
【0022】
この実施形態では、第1および第2のラインアレイ検出器17a、17bは並置されている。
【0023】
別の実施形態では、第1および第2のラインアレイ検出器17a、17bは、間隔をおいて配置することもできる。
【0024】
この実施形態では、第1および第2のラインアレイ検出器17a、17bはリニアCCDアレイ検出器を備え、この検出器は、UV、可視光、および赤外線(IR)の検出を可能にする。
【0025】
この実施形態では、第1および第2のラインアレイ検出器17a、17bは、単一の共通レンズを通して反射光を受けるフィルタリングされないラインアレイ検出器である。
【0026】
別の実施形態では、第1および第2のラインアレイ検出器17a、17bの一方または両方がInGaAsアレイ検出器を備えることもでき、この検出器は、赤外線(IR)およびより長い波長の検出を可能にする。
【0027】
画像化システムは、第1および第2の照明光源5a、5bをトリガして、製品フローFの流速に対応する走査速度で、すなわち、製品Pが第1のラインアレイ検出器17aの中央から第2のラインアレイ検出器17bの中央まで通過する時間間隔で順次に点滅させるための制御ユニット21をさらに備え、それによって、製品Pが第1のラインアレイ検出器17aに隣接して位置するときに第1の照明光源5aが点滅され、製品Pが第2のラインアレイ検出器17bに隣接して位置するときに第2の照明光源5bが点滅される。
【0028】
この実施形態では、制御ユニット21は、製品Pが第1のラインアレイ検出器17aから第2のラインアレイ検出器17bまで通過する期間を検出することによって製品フローFの流速を決定し、走査速度をしかるべく設定するように動作する。製品フローFの流速を動作中に検出することにより、照明光源5a、5bの点滅と関連した第1および第2のラインアレイ検出器17a、17bに対する製品Pの位置決めの改善を実現することができる。
【0029】
別の実施形態では、別個の速度センサを用いて製品フローFの流速を決定し、走査速度をしかるべく設定することもできる。
【0030】
別の実施形態では、走査速度は、製品フローFの流速の事前決定に基づいて事前設定することもできる。
【0031】
画像化システムは、第1および第2のラインアレイ検出器17a、17bの画素ラインを連続して読み取り、照明波長ごとの完全な画像を提供するための画像処理ユニット25をさらに備える。
【0032】
図3に、製品フローFにおいて第1および第2のラインアレイ検出器17a、17bを通過する、画素素子A〜Iとして表されている、この場合は不規則な形状の製品Pを概略的に示す。
【0033】
図4(a)〜(d)に、連続する走査の照明が、図では色Aと色Bで例示される第1と第2の波長または波長範囲に切り換わる、製品Pが製品フローFにおいて第1および第2のラインアレイ検出器17a、17bを通過する際の連続する走査期間(走査期間1〜4)を示す。
【0034】
図5に、
図4(a)〜(d)の走査期間(走査期間1〜4)についての累積された画像シーケンスを概略的に表す。
【0035】
この実施形態では、照明の波長または波長範囲ごとに、第1および第2のラインアレイ検出器17a、17bの画素ラインL1、L2が組み合わされて、単一の完全な波長画像が提供され、第1の波長の照明についての画像は反復L1、L2、L1、…を含み、第2の波長の照明についての画像は反復L2、L1、L2、…を含む。
【0036】
最後に、本発明は、その好ましい実施形態において説明されており、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲を逸脱することなく、多くの異なるやり方で変更され得ることが理解されるであろう。
【0037】
例えば、ある別の実施形態では、前景照明ユニット3は、第1のおよび第2の異なる波長の照明を選択的に提供する、単一の照明光源5、この場合は細長い照明光源を備えることもできる。この実施形態では、照明光源5は、半導体照明光源、この場合は列として配置された多波長LEDを備えることもできる。
【0038】
別の改変形態では、
図6に示すように、画像化システムは、3色画像化またはnを3より大とするn色画像化を提供することもできる。この3色の実施形態では、照明ユニット3は、3つの異なる波長または波長範囲の照明を提供するための3つの照明光源5a、5b、5cを備え、検出ユニット15は、製品フローFの幅全体にわたる3本の隣接するラインL1、L2、L3として配置された3つのラインアレイ検出器17a、17b、17cを備える。この実施形態では、照明の波長または波長範囲ごとに、第1、第2、および第3のラインアレイ検出器17a、17b、17cの画素ラインL1、L2、L3が組み合わされて、単一の完全な波長画像が提供され、第1の波長の照明についての画像は反復L1、L2、L3、L1、…を含み、第2の波長の照明についての画像は反復L2、L1、L2、L3、…を含み、第3の波長の照明についての画像は反復L3、L1、L2、L3、…を含む。