【文献】
日曜日のお楽しみ - 楽天ブログ,[online],2009年 8月 8日,URL,http://plaza.rakuten.co.jp/sundaygoods/
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ユーザにより登録された取引対象に関する取引対象情報への参照を保持する参照リストに登録されている取引対象の前記取引対象情報を表示させる操作を、前記参照リストに登録されていない取引対象の前記取引対象情報を表示させる操作よりも購入意欲が高い操作として検出する検出手段と、
前記検出手段により前記操作が検出されたとき、前記検出された操作の対象とされる取引対象を前記ユーザが購入することを条件として前記ユーザに付与される特典に関する特典情報を取得し提示させる提示手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、情報処理システムに対して本発明を適用した場合の実施形態である。
【0029】
[1.第1実施形態]
[1−1.情報処理システムの構成及び機能概要]
先ず、本実施形態に係る情報処理システムSの構成について、
図1を用いて説明する。
図1は、本実施形態に係る情報処理システムSの概要構成の一例を示す図である。
【0030】
図1に示すように、情報処理システムSは、電子商店街サーバ1と、ウェブ検索サーバ2と、複数の店舗端末3と、複数のユーザ端末4と、を含んで構成されている。そして、電子商店街サーバ1及びウェブ検索サーバ2と、各店舗端末3及び各ユーザ端末4とは、ネットワークNWを介して、例えば、通信プロトコルにTCP/IP等を用いて相互にデータの送受信が可能になっている。なお、ネットワークNWは、例えば、インターネット、専用通信回線(例えば、CATV(Community Antenna Television)回線)、移動体通信網(基地局等を含む)、及びゲートウェイ等により構築されている。
【0031】
電子商店街サーバ1は、商品の購入が可能な電子商店街に関する各種処理を実行するサーバ装置である。電子商店街サーバ1は、本発明における情報処理装置の一例である。電子商店街は、本発明における取引サイトの一例である。ユーザは、電子商店街を利用することにより、所望の店舗から所望の商品を購入することができる。電子商店街サーバ1は、ユーザ端末4からのリクエストに応じて、例えば、電子商店街のウェブページを送信したり、商品の検索や購入等に関する処理を行ったりする。
【0032】
ウェブ検索サーバ2は、ウェブページを検索するウェブ検索サイトに関する各種処理を実行するサーバ装置である。ウェブ検索サイトは、本発明において取引サイトとは異なるサイトの一例である。ウェブ検索サーバ2は、ユーザ端末4からのリクエストに応じて、ユーザにより指定されたキーワードに合致するウェブページを検索する。そして、ウェブ検索サーバ2は、検索結果をユーザ端末4へ送信する。ウェブ検索サイトの運営者と電子商店街の運営者とは同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0033】
店舗端末3は、電子商店街に出店している店舗の従業員等により利用される端末装置である。店舗端末3は、従業員等からの操作に基づいて電子商店街サーバ1等のサーバ装置にアクセスする。これにより、店舗端末3は、サーバ装置からウェブページを受信して表示する。店舗端末3には、ブラウザや電子メールクライアント等のソフトウェアが組み込まれている。従業員は、店舗端末3を利用することにより、例えば、販売する商品の情報を電子商店街に登録したり、商品の注文内容を確認したりする。
【0034】
ユーザ端末4は、電子商店街を利用するユーザの端末装置である。ユーザ端末4は、ユーザからの操作に基づいて電子商店街サーバ1にアクセスすることにより、電子商店街サーバ1からウェブページを受信して表示する。ユーザ端末4には、ブラウザや電子メールクライアント等のソフトウェアが組み込まれている。ユーザ端末4としては、例えば、パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistant)、スマートフォン等の携帯情報端末、携帯電話機等が用いられる。
【0035】
[1−2.商品購入の手順]
次に、電子商店街における商品購入の手順を、
図2を用いて説明する。
図2は、電子商店街におけるウェブページの遷移の一例を示す図である。
【0036】
ユーザがブラウザに対して電子商店街のURL(Uniform Resource Locator)を指定すると、
図2に示すように、ユーザ端末4の画面には、トップページが表示される(
図2(1))。トップページは、電子商店街の最上位にあるウェブページである。トップページには、商品を検索するためのウィジェット、各種ページに遷移するためにリンク等が表示される。
【0037】
トップページにおいてユーザが検索条件を指定する。検索条件としては、例えば、キーワードや商品のジャンル等を指定可能である。そして、ユーザが、検索するためのボタンを選択すると、画面には、検索結果ページが表示される(
図2(2))。なお、トップページ以外の所定のウェブページにおいても、商品を検索する操作が可能である。検索結果ページは、検索された商品の一覧が表示されるウェブページである。例えば、検索結果ページには、商品名、商品の画像、商品価格、店舗名等が、商品ごとに表示される。
【0038】
検索結果ページにおいてユーザが任意の商品を選択すると、画面には、選択された商品の商品ページが表示される(
図2(3))。商品ページは、1つの商品に関する詳細な情報が表示されるウェブページである。例えば、商品ページには、商品名、商品の画像、商品価格、店舗名、商品の説明、購入代金の支払い方法、商品の配送方法、お気に入り登録ボタン、買い物かご登録ボタン等が表示される。商品ページは、本発明における取引対象情報の一例である。
【0039】
お気に入り登録ボタンは、商品をユーザのお気に入りに登録するためのボタンである。電子商店街においては、お気に入り機能が提供されている。お気に入り機能とは、電子商店街で販売されている商品をユーザのお気に入りとして登録することにより、商品ページへの参照をお気に入りのリストに保持しておき、お気に入りの商品の商品ページをユーザが容易に閲覧することができるようにする機能である。買い物かご登録ボタンは、商品を買い物かごに入れるためのボタンである。買い物かごは、購入しようとする対象としてユーザが選択した商品が入れられる仮想的な入れ物である。また、買い物かごは、ユーザが選択している商品が登録されるリストである。ユーザは、買い物かごに入れられている商品の中から商品を購入することができる。商品を買い物かごに入れる操作は、商品を購入するために必要な操作である。なお、お気に入りは、本発明における参照リストの一例である。また、買い物かごは、本発明における購入リストの一例である。
【0040】
商品ページにおいてユーザがお気に入り登録ボタンを選択すると、表示されている商品ページに対応する商品がお気に入りに登録される。ユーザは、お気に入りに登録された商品を、お気に入りブックマークページで確認することができる。お気に入りブックマークページは、お気に入りに登録されている商品の一覧が表示されるウェブページであり、ユーザごとに専用のウェブページである。電子商店街における様々なウェブページには、お気に入りブックマークページへのハイパーリンク(以下、「リンク」という)が埋め込まれている。ユーザがこのリンクを選択すると、画面には、お気に入りブックマークページが表示される(
図2(4))。お気に入りブックマークページには、お気に入りに登録された商品の商品ページへのリンクが埋め込まれている。お気に入りブックマークページにおいて、ユーザが任意の商品のリンクを選択すると、画面には、選択された商品の商品ページが表示される(
図2(3))。また、お気に入りブックマークページにおいて、ユーザは、不要な商品をお気に入りから削除することができる。
【0041】
商品ページにおいてユーザが買い物かご登録ボタンを選択すると、表示されている商品ページに対応する商品が買い物かごに入れられる。そして、画面には、買い物かごページが表示される(
図2(5))。買い物かごページは、ユーザが買い物かごに入れている商品の一覧を表示するウェブページである。電子商店街における様々なウェブページには、買い物かごページへのリンクが埋め込まれている。ユーザがこのリンクを選択した場合にも、買い物かごページが表示される。買い物かごページにおいて、ユーザは、買い物かごに入れられている商品を買い物かごから削除することができる。また、買い物かごページには、購入手続ボタンが表示される。購入手続ボタンは、買い物かごに入れられている商品の購入手続を行うためのボタンである。ユーザは、購入手続を店舗ごとに行う必要がある。
【0042】
買い物かごページにおいてユーザが購入手続ボタンを選択すると、画面には、注文者情報入力ページが表示される(
図2(6))。注文者情報入力ページは、商品を購入するユーザに関する注文者情報を入力するためのウェブページである。注文者情報は、ユーザID及びパスワードを含む。注文者情報入力ページにおいてユーザが注文者情報を入力すると、画面には、支払い方法・配送方法選択ページが表示される(
図2(7))。支払い方法・配送方法選択ページは、商品の購入代金の支払い方法及び商品の配送方法を選択するためのウェブページである。支払い方法・配送方法選択ページにおいて、ユーザが支払い方法及び配送方法を選択すると、画面には、注文内容確認ページが表示される(
図2(8))。注文内容確認ページは、購入する商品の注文内容が表示されるウェブページである。また、注文内容確認ページには、注文確定ボタンが表示される。ユーザは、注文内容確認ページで注文内容が正しいか否かを確認する。そして、ユーザは、注文確定ボタンを選択すると、商品の注文が確定する。そして、画面には、注文完了ページが表示される(
図2(9))。注文完了ページは、注文が完了したことを示すメッセージが表示されるウェブページである。こうして、ユーザは、商品を購入することができる。
【0043】
[1−3.特典の表示]
電子商店街は、商品の購入を促進するため、或る条件を満たす購入者に対して特典を付与する。特典の種類としては、例えば、価格の割り引き、ポイントの付与、商品の配送料の無料化、プレゼントの付与等が挙げられる。ここで、ポイントとは、ユーザが電子商店街で商品を購入するときに、金銭と同等の価値を有するものとして購入代金に充てることができるものである。例えば、1ポイントが1円に換算される。通常、購入者に対しては、購入された商品の価格に対して予め定められた割合の金額に相当するポイントが付与される。特典として付与されるポイントは、購入者に対して通常付与されるポイントとは別のポイントである。なお、以降においては、特典の代表として、商品の価格を割り引く場合について主に説明する。
【0044】
特典を付与することで商品の購入を促進するためには、特典が付与されるということを商品の購入前にユーザに知らしめる必要がある。特典が付与されることをユーザが知ることによって、ユーザの購入意欲が高められる。そこで、電子商店街サーバ1は、ユーザ端末4によりユーザへ特典情報を提示させる。具体的に、電子商店街サーバ1は、ユーザ端末4の画面に特典情報を表示させる。特典情報は、特典に関する情報である。しかしながら、特典情報が表示されるタイミングによっては、商品の購入を促す効果が低い場合がある。例えば、ユーザが特定の商品に対して購入意欲が全くない場合である。購入意欲が全くない商品を購入することでユーザが特典を獲得することができると分かったとしても、通常、ユーザは商品を購入しない。また、ユーザが特定の商品に対して若干の興味を持っている段階で特典情報が表示されても、ユーザが商品を購入する蓋然性は低いと考えられる。特典情報が表示されることで、ユーザの購入意欲は、若干の興味があるという程度からは上がるかもしれない。しかしながら、単に興味があるという程度の購入意欲と、ユーザが商品を購入しようと決める程度の購入意欲とでは、差が大きい。そのため、ユーザの購入意欲を商品を購入しようと決める状態にまで高めることは容易ではない。
【0045】
商品を購入しようと決める状態にまで購入意欲を高めるため、電子商店街サーバ1は、ユーザの購入意欲が、特定の商品に対して単に興味があるという程度を超えているとみなされる操作を検出する。この操作を、「特典付与対象操作」という。特典付与対象操作は、本発明における予め定められた操作の一例である。電子商店街サーバ1は、特典付与対象操作を行ったことを条件として付与される特典に関する特典情報を、特典付与対象操作を検出したタイミングで初めて表示させる。ユーザの購入意欲が、特定の商品に対して単に興味があるという程度を超えている場合、単に興味があるという程度の購入意欲と比較して、ユーザが商品を購入しようと決める程度の購入意欲との差が小さい。この段階で特典情報が表示されることで、ユーザの購入意欲を、商品を購入しようと決める状態にまで上がる蓋然性を高めることができる。
【0046】
購入者に対して特典を付与する条件は、特典付与対象操作を行うことである。ユーザが特典付与対象操作を行わなくても特典を獲得することが可能であるとすると、特典付与対象操作が検出されたタイミングで特典情報を初めて表示する必要がない。例えば、商品ページに特典情報が表示されてもよい。また、特典を付与するための条件がない場合、特典付与対象操作が検出されたタイミングで特典情報を表示させることが、別のタイミングで特典情報を表示させる場合よりも、購入意欲を高める効果があるとはいえない。
【0047】
例えば、特典付与対象操作を検出する前の段階で、特典付与対象操作を行うことによって特典が付与されることを示すような特典情報が表示されると仮定する。すると、ユーザが特典付与対象操作を行う前に、特典付与対象操作を行うことで特典を獲得することができることをユーザが知ることになる。この場合、実際の購入意欲の有無にかかわらず、ユーザが、特典だけでも確保しておこうと考えて、特典付与対象操作を行うことが推測される。すると、特典付与対象操作を行ったときのユーザの購入意欲が、特定の商品に対して単に興味があるという程度を超えていない場合が増加する。そのため、特典情報を表示することによる商品の購入を促す効果が薄れる。特典付与対象操作を行ったことを条件として付与される特典の情報が、特典付与対象操作が検出されたタイミングで初めて表示されることで、商品の購入を促すことができる。
【0048】
特典付与対象操作であるか否かは、ユーザの購入意欲が、特定の商品に対して単に興味があるという程度であるとみなされる操作を基準として決められる。単に興味があるという程度の購入意欲があるとみなされる操作として、商品ページを表示させる操作が挙げられる。例えば、検索結果ページにおいて、ユーザは、興味を持った商品を選択して、商品ページを表示させる。ところが、商品ページが表示された商品のうち多くの商品は最終的には購入されない。その理由として、ユーザが商品ページで商品の情報を確認しても、購入意欲が、単なる興味があるという程度から購入しようと決める状態にまでに高められないことが一例として挙げられる。また、ユーザが商品ページで商品の情報を確認した結果、ユーザが購入意欲を失う場合もある。ユーザが商品ページを表示させる操作を行うとき、ユーザの購入意欲の実際の高さは様々である。しかしながら、商品ページが表示された段階で、ユーザの購入意欲の高さを判定することは難しい。商品ページを表示させる操作を行った段階でユーザが最低限有すると考えられる購入意欲は、単に興味があるという程度の購入意欲である。そのため、商品ページを表示させる操作は、単に興味があるという程度の購入意欲がある操作とみなされる。
【0049】
例えば、トップページや検索結果ページを表示させる操作は、商品ページを表示させる操作よりも購入意欲が高い操作であるとはみなされない。これらの操作が行われるとき、特定の商品に対してユーザに購入意欲がある蓋然性が低いからである。
【0050】
商品ページが表示された商品を購入するために必要な操作は、商品ページを表示させる操作よりも購入意欲が高い操作である。しかしながら、商品を購入するために必要な操作は、特典付与対象操作とはみなされない。その理由は、ユーザが商品を購入しようと決めたからこそ、ユーザは、商品を購入するために必要な操作を行うからである。ユーザが商品を購入しようと決めているときに、ユーザの購入意欲を更に高める必要はない。また、商品を購入するために必要な操作を特典付与対象操作に含めた場合、商品の購入者に対して特典を付与する条件は、商品を購入するために必要な操作を行うという条件になる。しかしながら、この条件は、商品を購入するという条件と実質的に同じである。従って、特典を付与する条件として、商品を購入するために必要な操作を行うという条件は適さない。
【0051】
商品を購入するために必要な操作としては、商品ページにおける買い物かご登録ボタンの選択、買い物かごページにおける購入手続ボタンの選択、注文者情報ページにおける注文者情報の入力、支払い方法・配送方法選択ページにおける支払い方法及び配送方法の入力、注文内容確認ページにおける注文確定ボタンの選択が挙げられる。なお、特典付与対象操作が検出されたタイミングで表示された特典情報と同じ内容の情報が、買い物かごページ、注文者情報ページ、支払い方法・配送方法選択ページ、注文内容確認ページ、または、注文完了ページに表示されてもよい。特典情報が初めて表示されるタイミングが重要である。
【0052】
本実施形態において、電子商店街サーバ1は、特典付与対象操作の一例として、商品をお気に入りに登録する操作を検出したときに、特典情報を表示させる。ユーザは、商品ページで商品の情報を確認した結果、例えば、購入候補とした商品、購入するか否かを迷った商品等をお気に入りに登録する。このときのユーザの購入意欲は、単に興味があるという程度の購入意欲よりも高まっているといえる。一度高まった購入意欲は、時間が経過するにつれて低下する場合がある。そこで、ユーザが商品をお気に入りに登録したタイミングで特典情報が表示されることで、商品の購入を促すことができる。
【0053】
図3は、商品ページの表示例である。また、
図4(a)及び
図4(b)は、特典情報の表示例である。
図4(a)及び
図4(b)において、
図3と同様の要素については、同様の符号が付されている。
図3に示すように、商品名が「ノートパソコン XX−XXXXXXXX」である商品Xの商品ページが表示されている。商品ページには、買い物かご登録ボタン110、お気に入り登録ボタン120等が表示される。商品ページにおいてユーザがお気に入り登録ボタン120を選択したとする。
図3において、符号Pは、マウスポインタである。すると、
図4(a)に示すように、商品ページには、お気に入り登録完了表示領域130が表示される。お気に入り登録完了表示領域130には、お気に入りへの登録が完了したことを示すメッセージが表示される。また、お気に入り登録完了表示領域130には、特典情報131及び買い物かご登録ボタン132が表示される。特典情報131として、例えば、「今買い物かごに入れて注文を完了すればXX%割引!」と表示される。本実施形態において、特典情報は、特典を獲得するために今後必要な操作、特典の種類及び特典の価値を示す情報を含む。ここで、ユーザが買い物かご登録ボタン132を選択したとする。すると、商品Xが買い物かごに入れられて、買い物かごページが表示される。そして、ユーザが商品Xの購入手続を完了させると、ユーザに対して特典が付与される。ユーザは、本来の価格が10万円である商品Xを9万円で購入することができる。
【0054】
ユーザは、お気に入り登録完了表示領域130を商品ページから消去させることができる。また、商品ページが画面から別のウェブページに遷移した後、同一の商品ページが再度表示された場合、お気に入り登録完了表示領域130は表示されない。ユーザが商品Xをお気に入りに登録した後、お気に入り登録完了表示領域130が表示されていない状態で、買い物かご登録ボタン110を選択したとする。この場合も商品Xが買い物かごに入れられる。この場合、ユーザが商品Xの購入手続を完了させても、ユーザに対して特典は付与されない。特典情報を表示する目的は、特典情報を見ることによって商品を購入しようと決める状態に購入意欲を高めることである。ユーザが買い物かご登録ボタン132を選択しなかった場合には、特典情報を見ることによって商品を購入しようと決める状態にまで購入意欲が高まっていない蓋然性がある。その後、ユーザは、商品を購入しようと決めたことによって、買い物かご登録ボタン110を選択する。しかしながら、この場合、商品を購入しようと決める状態に購入意欲が高めた理由が、特典情報を見たこと以外の理由である蓋然性がある。従って、この場合、ユーザに対して特典を付与する必要はない。なお、特典情報131が表示されている状態でユーザが買い物かご登録ボタン110を選択した場合に特典を付与するか否かは、電子商店街の運営者の任意である。
【0055】
また、ユーザは、特典情報を見ることにより商品を購入しようと決めても、購入を決めた商品を後で買い物かごに入れる場合がある。そのため、例えば、特典情報が表示されてから予め設定された期間内に購入手続が完了した場合に特典が付与されるように、電子商店街サーバ1が処理してもよい。この場合、
図4(b)に示すように、お気に入り登録完了表示領域130には、例えば、「○○以内に注文を完了すればXX%割引!」という特典情報131が表示される。「○○」は、購入期限に相当する時間、日数等を示す。ユーザは、お気に入り登録完了表示領域130が消去された後であっても、買い物かご登録ボタン110を選択して購入期限までに購入手続きを完了させることで、特典を獲得することができる。この場合、お気に入り登録完了表示領域130に買い物かご登録ボタン132を表示させるか否かは、運営者の任意である。
【0056】
店舗は、特典を付与するか否かを商品ごとに設定することができる。従って、特典を付与すると設定された商品についてのみ、特典情報が表示される。また、店舗は、付与する特典の価値を商品ごとに設定することができる。なお、店舗単位で、特典を付与するか否かが設定可能とされてもよい。また、電子商店街で販売される全ての商品が、特典の付与の対象となっていてもよい。
【0057】
特典が商品価格の割り引きである場合、特典の価値は、割引率または割引価格である。特典がポイントである場合、特典の価値は、ポイントの付与率またはポイントの数である。ポイントの付与率とは、商品価格に対して付与されるポイントの割合である。特典がプレゼントである場合、特典の価値は、プレゼントされる物の価値、及び、プレゼントされる物の数の少なくとも何れか一方である。
【0058】
電子商店街サーバ1は、商品の在庫数が少ないとき、商品の購入者に対して特典が付与されないように処理してもよい。商品の在庫数が少ない場合、その商品は売れ行きが良い商品である蓋然性がある。従って、購入者に特典を付与しなくても、商品が売れることを期待することができるからである。この場合、電子商店街サーバ1は、特典情報を表示させない。また、特典を付与する在庫数の最小値を、店舗が設定することができるようになっていてもよい。在庫数は、本発明における取引対象の残数の一例である。
【0059】
ところで、特典付与対象操作を行うことで特典を獲得することができることを知ったユーザが、特典を獲得することを目的として特典付与対象操作を行う場合がある。例えば、ユーザは、商品を購入することを決めているにもかかわらず、特典付与対象操作を行った上で、商品の購入手続を行う場合である。この場合、特典情報を表示することが、ユーザの購入意欲を高めるという効果を生じさせていない。つまり、特典情報を表示する目的が果たされていない。このようなユーザは、商品を購入するたびに、特典付与対象操作を行ってから商品の購入手続を行うと考えられる。そのため、ユーザは何回も特典を獲得する。そこで、電子商店街サーバ1は、過去の予め設定された設定期間内にユーザに付与された特典の量に基づいて、特典の付与及び特典情報の表示を制御する。付与された特典の量を、「特典の付与量」という。特典の付与量は、特典が付与された回数、及び、付与された特典の価値の合計の少なくとも何れか一方である。
【0060】
具体的に、電子商店街サーバ1は、付与量が予め設定された設定量以上である場合には、特典を付与せず、特典情報を表示させなくてもよい。また、電子商店街サーバ1は、付与量が多いほど付与する特典の価値を低くし、特典の価値に応じた特典情報を表示させてもよい。また、電子商店街サーバ1は、付与量が設定量未満である場合には、特典の価値を一定とし、付与量が設定量以上である場合には、特典の量が多いほど付与する特典の価値を低くしてもよい。また、電子商店街サーバ1は、付与量が設定量以上である場合には、特典を付与せず、付与量が設定量未満である場合には、特典の量が多いほど付与する特典の価値を低くしてもよい。このような処理によって、特典を獲得することを目的としてユーザが特典付与対象操作を行うことを抑制することができる。また、特典を獲得することを目的として行われる特典付与対象操作は、本来は不要な操作である。ユーザが不要な操作を行うごとにユーザ端末4が電子商店街サーバ1へリクエストを送信すると、電子商店街サーバ1の処理負荷が増大する。しかしながら、不要な操作が行われることが抑制されるので、電子商店街サーバ1の処理負荷が増大することを抑制することができる。
【0061】
[1−4.電子商店街サーバの構成]
次に、電子商店街サーバ1の構成について、
図5及び
図6を用いて説明する。
【0062】
図5は、本実施形態に係る電子商店街サーバ1の概要構成の一例を示すブロック図である。
図5に示すように、電子商店街サーバ1は、通信部11と、記憶部12と、入出力インターフェース13と、システム制御部14と、を備えている。そして、システム制御部14と入出力インターフェース13とは、システムバス15を介して接続されている。
【0063】
通信部11は、ネットワークNWに接続して、店舗端末3やユーザ端末4等との通信状態を制御するようになっている。
【0064】
記憶部12は、例えば、ハードディスクドライブ等により構成されている。この記憶部12には、会員情報DB12a、商品情報DB12b、お気に入り情報DB12c、操作履歴DB12d、表示特典情報DB12e、買い物かご情報DB12f、購入履歴DB12g等のデータベースが構築されている。「DB」は、データベースの略語である。
【0065】
図6(a)は、会員情報DB12aに登録される内容の一例を示す図である。会員情報DB12aには、情報処理システムSに会員登録しているユーザに関する会員情報が登録される。具体的に、会員情報DB12aには、ユーザID、パスワード、ニックネーム、氏名、生年月日、性別、郵便番号、住所、電話番号、電子メールアドレス、保有ポイント数等のユーザの属性が、ユーザごとに対応付けて登録される。保有ポイント数は、ユーザが保有しているポイントの数である。
【0066】
図6(b)は、商品情報DB12bに登録される内容の一例を示す図である。商品情報DB12bには、電子商店街で販売されている商品に関する商品情報が登録される。商品情報は、店舗により登録される情報である。具体的に、商品情報DB12bには、店舗ID、商品ID、商品コード、ジャンルID、商品名、商品画像のURL、商品説明、商品価格、送料情報、ポイント付与率、在庫数、特典フラグ、特典付与在庫数、割引率等の商品の属性値が、店舗が販売する商品ごとに対応付けて登録される。店舗IDは、商品の販売元の店舗の識別情報である。商品IDは、店舗が、販売する商品を管理するための商品の識別情報である。店舗IDと商品IDとの組み合わせは、商品ページと一対一で対応する。商品コードは、商品を識別するコード番号である。複数の店舗で同一の商品が販売される場合、同一の商品コードがそれぞれの商品に対して付与される。商品コードとしては、例えば、JAN(Japanese Article Number Code)コードがある。ジャンルIDは、商品が属するジャンルの識別情報である。商品名は、店舗が付けた商品の名称である。そのため、この商品名は、商品の正式な名称とは異なる場合がある。送料情報は、商品の送料を計算するために用いられる情報である。例えば、送料情報には、商品の送付先となる都道府県ごとに、対応する送料が設定されている。特典フラグは、特典付与対象操作を行ったユーザに対して特典を付与するか否かを示す情報である。特典フラグには、ONまたはOFFが設定される。ONは、特典が付与されることを示す。OFFは、特典が付与されないことを示す。特典付与在庫数は、特典を付与する在庫数の最低値を示す。割引率は、特典付与対象操作を行ったユーザに対する商品価格の最大の割引率である。商品情報に設定された割引率以下の範囲内で、実際の割引率が決定される。商品情報に含まれる商品ID、商品名、商品説明、商品価格等は、商品ページに表示される情報である。
【0067】
図6(c)は、お気に入り情報DB12cに登録される内容の一例を示す図である。お気に入り情報DB12cには、ユーザのお気に入りに関するお気に入り情報が登録される。具体的に、お気に入り情報DB12cには、ユーザID、店舗ID、商品ID、登録日時等が、お気に入りに登録されている商品ごとに対応付けて登録される。ユーザIDは、お気に入りへの登録を行ったユーザを示す。店舗IDは、お気に入りに登録された商品の販売元を示す。商品IDは、お気に入りに登録された商品を示す。また、店舗ID及び商品IDは、お気に入りに登録された商品の商品ページへの参照に相当する情報である。商品ページへの実際の参照の情報はURLであるが、商品ページのURLは、店舗ID及び商品IDから特定することが可能である。なお、商品ページのURLが、店舗ID及び商品IDとともに、または、店舗ID及び商品IDの代わりにお気に入り情報DB12cに登録されてもよい。登録日時は、お気に入りへの登録が行われた日時を示す。
【0068】
図6(d)は、操作履歴DB12dに登録される内容の一例を示す図である。操作履歴DB12dには、ユーザによる電子商店街における操作履歴が登録される。具体的に、操作履歴DB12dには、ユーザID、操作日時、URL等が登録される。操作履歴は、ユーザの操作によってユーザ端末4から送信されるリクエストを電子商店街サーバ1が受信するごとに登録される。ユーザIDは、操作を行ったユーザを示す。操作日時は、操作が行われた日時を示す。URLは、ユーザ端末4から送信されるリクエストに設定されたURLである。電子商店街サーバ1は、リクエストに設定されたURLから、ユーザが行った操作や、操作の対象とされた商品等を特定することができる。
【0069】
図6(e)は、表示特典情報DB12eに登録される内容の一例を示す図である。表示特典情報DB12eには、ユーザ端末4の画面に特典情報が表示された特典に関する表示特典情報が登録される。具体的に、表示特典情報DB12eには、表示特典ID、表示日時、ユーザID、店舗ID、商品ID及び適用割引率が、特典情報が表示されるごとに表示される。表示特典IDは、特典情報が表示されるごとに発行される特典の識別情報である。表示日時は、特典情報が表示された日時を示す。ユーザIDは、特典の付与対象とされるユーザを示す。店舗IDは、特典の対象とされる商品の販売元を示す。商品IDは、特典の対象とされる商品を示す。適用割引率は、商品が購入された場合に特典として適用される割引率である。
【0070】
図6(f)は、買い物かご情報DB12fに登録される内容の一例を示す図である。買い物かご情報DB12fには、買い物かごに関する買い物かご情報が登録される。具体的に、買い物かご情報DB12fには、ユーザID、店舗ID、商品ID、登録個数、特典適用フラグ及び適用割引率が、買い物かごに入れられている商品ごとに登録される。ユーザIDは、商品を買い物かごに入れたユーザを示す。店舗IDは、買い物かごに入れられた商品の販売元の店舗を示す。商品IDは、買い物かごに入れられた商品を示す。登録個数は、買い物かごに入れられた商品の個数を示す。特典適用フラグは、買い物かごに入れられた商品が特典の対象であるか否かを示す情報である。特典適用フラグには、ONまたはOFFが設定される。ONは、商品が特典の対象であることを示す。OFFは、商品が特典の対象ではないことを示す。適用割引率は、買い物かごに入れられた商品が購入された場合に特典として適用される割引率である。
【0071】
図6(g)は、購入履歴DB12gに登録される内容の一例を示す図である。購入履歴DB12gには、ユーザによる商品の購入履歴が登録される。具体的に、購入履歴DB12gには、注文コード、購入日時、ユーザID、店舗ID、商品ID、商品コード、購入数、購入価格、特典付与フラグ、適用割引率、送料、合計額、獲得ポイント数等が、商品の購入ごとに対応付けて登録される。注文コードは、商品の注文が行われるたびに付与される注文の識別情報である。ユーザIDは、購入者を示す。店舗IDは、購入先の店舗を示す。商品ID及び商品コードは、購入された商品を示す。購入数は、購入された商品の個数を示す。購入価格は、購入者が支払う商品価格分の金額を示す。割引の特典が付与される場合、購入価格は、割引後の価格である。特典付与フラグは、購入された商品が特典の対象であるか否かを示す情報である。特典付与フラグには、ONまたはOFFが設定される。ONは、商品が特典の対象であることを示す。OFFは、商品が特典の対象ではないことを示す。適用割引率は、特典として適用される割引率である。同一店舗で互いに異なる複数の商品が購入された場合、商品ID、商品コード、購入数、購入価格、特典付与フラグ及び適用割引率は、商品ごとに設定される。合計額は、購入価格と送料の合計である。獲得ポイント数は、商品の購入によって購入者が獲得するポイントの数を示す。
【0072】
次に、記憶部12に記憶されるその他の情報について説明する。記憶部12には、ウェブページを表示するためのHTML(HyperText Markup Language)文書、XML(Extensible Markup Language)文書、画像データ、テキストデータ、電子文書等の各種データが記憶されている。また、記憶部12には、各種の設定値が記憶されている。
【0073】
また、記憶部12には、オペレーティングシステム、WWW(World Wide Web)サーバプログラム、DBMS(Database Management System)、電子商取引管理プログラム等の各種プログラムが記憶されている。電子商取引管理プログラムは、電子商取引に関する各種の処理を実行するためのプログラムである。電子商取引管理プログラムは、本発明における情報処理プログラムの一例である。なお、各種プログラムは、例えば、他のサーバ装置等からネットワークNWを介して取得されるようにしてもよいし、DVD(Digital Versatile Disc)等の記録媒体に記録されてドライブ装置を介して読み込まれるようにしてもよい。
【0074】
入出力インターフェース13は、通信部11及び記憶部12とシステム制御部14との間のインターフェース処理を行うようになっている。
【0075】
システム制御部14は、CPU14a、ROM(Read Only Memory)14b、RAM(Random Access Memory)14c等により構成されている。そして、システム制御部14は、CPU14aが、各種プログラムを読み出し実行することにより、本発明における検出手段及び提示手段として機能するようになっている。
【0076】
なお、電子商店街サーバ1が、複数のサーバ装置で構成されてもよい。例えば、電子商店街において商品の検索や注文等の処理を行うサーバ装置、ユーザ端末4からのリクエストに応じてウェブページを送信するサーバ装置、及びデータベースを管理するサーバ装置等が、互いにLAN等で接続されてもよい。
【0077】
[1−5.情報処理システムの動作]
次に、情報処理システムSの動作について、
図7乃至
図9を用いて説明する。以降の説明において、「操作ユーザ」とは、操作を行ったユーザを示す。また、「対象商品」とは、ユーザによる操作の対象とされた商品を示す。また、以下に説明する動作例は、ユーザが買い物かご登録ボタン132を選択することによって商品を購入した場合にのみ特典を付与する場合の動作例である。また、以下に説明する動作例は、設定期間内における特典の付与量として、特典が付与された回数を適用した場合の動作例である。また、以下に説明する動作例は、特典が付与された回数を、特典を付与するか否かの判定及び付与する特典の価値の決定の両方に用いた場合の動作例である。
【0078】
図7乃至
図9は、本実施形態に係る電子商店街サーバ1のシステム制御部14のリクエスト受信時処理における処理例を示すフローチャートである。リクエスト受信時処理は、電子商店街サーバ1がユーザ端末4からリクエストを受信するごとに実行される。電子商店街サーバ1は、受信したリクエストに設定されたURLに基づいて、ユーザによる操作の内容を判定する。そして、電子商店街サーバ1は、判定した操作の内容に応じた処理を実行する。
【0079】
図7に示すように、システム制御部14は、お気に入り登録ボタンを選択する操作が行われたか否かを判定する(ステップS1)。このとき、システム制御部14は、検出手段として、お気に入り登録ボタンを選択する操作が行われたと判定した場合には(ステップS1:YES)、お気に入り情報を登録する(ステップS2)。例えば、電子商店街サーバ1は、ユーザによる情報処理システムSへのログイン時に、ユーザ端末4からユーザIDを受信し、受信したユーザIDをクッキーとしてユーザ端末4に保存させている。そのため、ユーザがログインしている場合、ユーザ端末4から電子商店街サーバ1へ送信されるリクエストには、操作ユーザのユーザIDを含むクッキーが付加されている。そこで、システム制御部14は、リクエストから、操作ユーザのユーザIDを取得する。また、お気に入り登録ボタンを選択する操作の場合、お気に入りに登録される商品が対象商品である。ユーザがお気に入り登録ボタンを選択した場合、ユーザ端末4は、画面に表示されている商品ページに対応する商品の店舗ID及び商品IDを含むURLを設定したリクエストを送信する。そこで、システム制御部14は、リクエストから、対象商品の店舗ID及び商品IDを取得する。システム制御部14は、取得したユーザID、店舗ID及び商品IDを含むお気に入り情報を、お気に入り情報DB12cに登録する。
【0080】
次いで、システム制御部14は、対象商品の店舗ID及び商品IDを含む商品情報を、商品情報DB12bから取得する。そして、システム制御部14は、対象商品の特典フラグがONであるか否かを判定する(ステップS3)。このとき、システム制御部14は、特典フラグがOFFであると判定した場合には(ステップS3:NO)、リクエストに対する応答として、お気に入り登録完了表示指令を、リクエストの送信元のユーザ端末4へ送信する(ステップS4)。お気に入り登録完了表示指令は、お気に入り登録完了表示領域130を表示させる指令を示すメッセージである。このとき、システム制御部14は、お気に入り登録完了表示指令に、特典情報及び表示特典IDを含めない。つまり、システム制御部14は、ユーザ端末4に特典情報を表示させない。次いで、システム制御部14は、ステップS12に移行する。
【0081】
一方、システム制御部14は、特典フラグがONであると判定した場合には(ステップS3:YES)、対象商品の現在の在庫数が、対象商品の特典付与在庫数以上であるか否かを判定する(ステップS5)。このとき、システム制御部14は、在庫数が特典付与在庫数未満であると判定した場合には(ステップS5:NO)、ステップS4に移行する。
【0082】
一方、システム制御部14は、在庫数が特典付与在庫数以上であると判定した場合には(ステップS5:YES)、設定期間内において操作ユーザに対して特典が付与された回数を計算する(ステップS6)。具体的に、システム制御部14は、購入履歴DB12gから、操作ユーザのユーザIDを含む購入履歴のうち、予め設定された日数前(予め設定された時間前または月数前であってもよい)から現時点までの期間内に購入日時が含まれる購入履歴を検索する。次いで、システム制御部14は、検索した各購入履歴に含まれる特典付与フラグがONに設定されているか否かを判定する。そして、システム制御部14は、特典付与フラグがONに設定されている数を、特典が付与された回数として数える。
【0083】
次いで、システム制御部14は、特典が付与された回数が、記憶部12に記憶された設定回数未満であるか否かを判定する(ステップS7)。このとき、システム制御部14は、特典が付与された回数が設定回数以上であると判定した場合には(ステップS7:NO)、ステップS4に移行する。一方、システム制御部14は、特典が付与された回数が設定回数未満であると判定した場合には(ステップS7:YES)、適用割引率を計算する(ステップS8)。例えば、システム制御部14は、下記の式を計算する。
適用割引率=対象商品の割引率×(設定回数−特典が付与された回数)÷設定回数
なお、システム制御部14は、特典が付与された回数が多いほど、適用割引率が低くなるように計算を行えばよい。
【0084】
次いで、システム制御部14は、新しい表示特典IDを生成する。次いで、システム制御部14は、現在日時を表示日時として取得する。そして、システム制御部14は、表示特典ID、表示日時、操作ユーザのユーザID、対象商品の店舗IDと商品ID、及び適用割引率を含む表示特典情報を、表示特典情報DB12eに登録する(ステップS9)。
【0085】
次いで、システム制御部14は、適用割引率に基づいて、特典情報を生成する(ステップS10)。具体的に、システム制御部14は、適用割引率が示す割引率で商品の購入価格が割り引かれることを示す特典情報を生成する。次いで、システム制御部14は、特典情報及び表示特典IDを含むお気に入り登録完了表示指令を、リクエストの送信元のユーザ端末4へ送信する(ステップS11)。この処理により、システム制御部14は、提示手段として、ユーザ端末4に特典情報を表示させる。次いで、システム制御部14は、ステップS12に移行する。
【0086】
ステップS12において、システム制御部14は、操作履歴を登録する。具体的に、システム制御部14は、受信したリクエストからURLを取得する。また、システム制御部14は、現在日時を操作日時として取得する。そして、システム制御部14は、操作ユーザのユーザID、操作日時及びURLを含む操作履歴を、操作履歴DB12dに登録する。システム制御部14は、ステップS12の処理を終えると、リクエスト受信時処理を終了させる。
【0087】
電子商店街サーバ1からお気に入り登録完了表示指令を受信したユーザ端末4は、お気に入り登録完了表示領域130を画面に表示させる。お気に入り登録完了表示指令に特典情報が含まれている場合、ユーザ端末4は、
図4(a)に示すように、お気に入り登録完了表示領域130内に特典情報131及び買い物かご登録ボタン132を表示させる。
【0088】
ステップS1において、システム制御部14は、お気に入りボタンを選択する操作が行われていないと判定した場合には(ステップS1:NO)、
図8に示すように、買い物かご登録ボタンを選択する操作が行われたか否かを判定する(ステップS21)。このとき、システム制御部14は、買い物かご登録ボタンを選択する操作が行われたと判定した場合には(ステップS21:YES)、買い物かご登録ボタン110及び132のうち、買い物かご登録ボタン132の方が選択されたか否かを判定する(ステップS22)。ユーザが買い物かご登録ボタン132を選択すると、ユーザ端末4は、お気に入り登録完了表示領域130を表示したときに受信したお気に入り登録完了表示指令から表示特典IDを取得する。そして、ユーザ端末4は、表示特典IDを含むURLを設定したリクエストを送信する。一方、ユーザが買い物かご登録ボタン110を選択した場合、ユーザ端末4は、表示特典IDを含まないURLを設定したリクエストを送信する。そのため、システム制御部14は、リクエストに設定されたURLに表示特典IDが含まれているか否かを判定することにより、選択された買い物かご登録ボタンが買い物かご登録ボタン132であるか否かを判定することができる。
【0089】
システム制御部14は、ユーザが買い物かご登録ボタン110を選択したと判定した場合には(ステップS22:NO)、買い物かご情報を登録する(ステップS23)。買い物かご登録ボタンを選択する操作の場合、買い物かごに登録される商品が対象商品である。ユーザが買い物かご登録ボタンを選択した場合、ユーザ端末4は、画面に表示されている商品ページに対応する商品の商品ID及び店舗IDを含むURLを設定したリクエストを送信する。そこで、システム制御部14は、リクエストから、対象商品の商品ID及び店舗IDを取得する。また、システム制御部14は、特典適用フラグにOFFを設定する。つまり、システム制御部14は、買い物かごに登録される商品に対して特典を適用しない。そして、システム制御部14は、操作ユーザのユーザID、対象商品の商品IDと店舗ID、及び特典適用フラグを含む買い物かご情報を、買い物かご情報DB12fに登録する。システム制御部14は、この処理を終えると、ステップS27に移行する。
【0090】
一方、システム制御部14は、ユーザが買い物かご登録ボタン132を選択したと判定した場合には(ステップS22:YES)、受信したリクエストから表示特典IDを取得する。そして、システム制御部14は、表示特典情報DB12eから、表示特典IDを含む表示特典情報を取得する(ステップS24)。次いで、システム制御部14は、買い物かご情報を登録する(ステップS25)。具体的に、システム制御部14は、表示特典情報から適用割引率を取得する。また、システム制御部14は、特典適用フラグにONを設定する。つまり、システム制御部14は、買い物かごに登録される商品に対して特典を適用する。そして、システム制御部14は、操作ユーザのユーザID、対象商品の商品IDと店舗ID、特典適用フラグ及び適用割引率を含む買い物かご情報を、買い物かご情報DB12fに登録する。
【0091】
次いで、システム制御部14は、取得した表示特典情報を、表示特典情報DB12eから削除する(ステップS26)。システム制御部14は、この処理を終えると、ステップS27に移行する。
【0092】
ステップS27において、システム制御部14は、買い物かごページのHTML文書を、リクエストの送信元のユーザ端末4へ送信する。具体的に、システム制御部14は、買い物かご情報DB12fから、操作ユーザのユーザIDを含む買い物かご情報を検索する。次いで、システム制御部14は、検索した買い物かご情報に基づいて、買い物かごページのHTML文書を生成する。そして、システム制御部14は、生成したHTML文書を送信する。システム制御部14は、この処理を終えると、ステップS12に移行する。
【0093】
ステップS21において、システム制御部14は、買い物かご登録ボタンを選択する操作が行われていないと判定した場合には(ステップS21:NO)、
図9に示すように、注文確定ボタンを選択する操作が行われたか否かを判定する(ステップS41)。このとき、システム制御部14は、注文確定ボタンを選択する操作が行われていないと判定した場合には(ステップS41:NO)、操作内容に応じた処理を実行する(ステップS42)。次いで、システム制御部14は、ステップS12に移行する。
【0094】
一方、システム制御部14は、注文確定ボタンを選択する操作が行われたと判定した場合には(ステップS41:YES)、購入対象とされた商品の買い物かご情報のうち1つを選択する(ステップS43)。システム制御部14は、買い物かごページにおいてユーザが購入手続ボタンを選択したときにユーザ端末4から送信されるリクエストに設定されたURLに基づいて、購入対象とされた商品の買い物かご情報を特定している。ここで、選択された買い物かご情報に対応する商品を、「選択商品」という。
【0095】
次いで、システム制御部14は、選択した買い物かご情報に含まれる特典適用フラグがONであるか否かを判定する(ステップS44)。このとき、システム制御部14は、特典適用フラグがONであると判定した場合には(ステップS44:YES)、特典付与ラグにONを設定する(ステップS45)。つまり、システム制御部14は、選択商品について特典を付与する。次いで、システム制御部14は、購入価格を計算する(ステップS46)。具体的に、システム制御部14は、選択商品の商品ID及び店舗IDを含む商品情報を商品情報DB12bから取得する。次いで、システム制御部14は、商品情報から商品価格を取得する。また、システム制御部14は、選択した買い物かご情報から登録個数及び適用割引率を取得する。次いで、システム制御部14は、下記の式を計算する。
購入価格=商品価格×(1−適用割引率)×登録個数
システム制御部14は、購入価格を計算すると、ステップS49に移行する。
【0096】
一方、システム制御部14は、特典適用フラグがOFFであると判定した場合には(ステップS44:NO)、特典付与ラグにOFFを設定する(ステップS47)。つまり、システム制御部14は、選択商品について特典を付与しない。次いで、システム制御部14は、下記の式を計算することにより、購入価格を算出する(ステップS48)。
購入価格=商品価格×登録個数
システム制御部14は、購入価格を計算すると、ステップS49に移行する。
【0097】
ステップS49において、システム制御部14は、購入対象とされた商品の買い物かご情報のうちまだ選択されていない買い物かご情報があるか否かを判定する。このとき、システム制御部14は、まだ選択されていない買い物かご情報があると判定した場合には(ステップS49:YES)、まだ選択されていない買い物かご情報のうち1つを選択する(ステップS50)。次いで、システム制御部14は、ステップS44に移行する。システム制御部14は、ステップS44〜S50の処理を繰り返すことにより、購入対象とされた全ての商品について購入価格を計算する。そして、システム制御部14は、全ての買い物かご情報を選択したと判定した場合には(ステップS49:NO)、購入履歴を登録する(ステップS51)。具体的に、システム制御部14は、現在日時を購入日時として取得する。次いで、システム制御部14は、購入日時、操作ユーザのユーザID、購入対象の商品の店舗ID、商品ID、購入価格、特典付与フラグ、適用割引率等を含む購入履歴を、購入履歴DB12gに登録する。システム制御部14は、この処理を終えると、ステップS12に移行する。
【0098】
なお、特典情報が表示されてから予め設定された期間内に購入手続が完了した場合に特典が付与されるようにする場合、システム制御部14は、
図8において、ステップS22の判定を行う必要はない。特典が適用されるか否かをこの時点で判定する必要がないからである。この場合、システム制御部14は、ステップS23において買い物かご情報を登録すればよい。買い物かご情報への特典適用フラグ及び適用割引率の設定は不要である。そして、システム制御部14は、
図9において、選択した買い物かご情報に含まれるユーザID、店舗ID及び商品IDで、表示特典情報を検索する。このとき、システム制御部14は、表示特典情報を検索することができた場合には、表示特典情報に含まれる表示日時が、現時点から予め設定された期間内であるか否かを判定する。このとき、システム制御部14は、表示日時が現時点から予め設定された期間内である場合には、特典が付与されるように処理する(ステップS45、46)。一方、システム制御部14は、表示特典情報を検索することができなかった場合、または、表示日時が現時点から予め設定された期間内ではない場合、特典が付与されないように処理する(ステップS47、48)。
【0099】
以上説明したように、本実施形態によれば、システム制御部14が、商品の購入に必要な操作を除き、商品ページを表示させる操作よりも操作対象の商品に対する購入意欲が高い操作として予め定められた特典付与対象操作を検出し、特典付与対象操作が検出されたとき、特典付与対象操作の対象とされる商品をユーザが購入することを条件としてユーザに付与される特典に関する特典情報を提示させる。従って、ユーザの購入意欲が商品に対して単に興味があるという程度であるときに特典の情報が提示される場合よりも、ユーザが商品を購入する蓋然性を高めることができる。
【0100】
また、システム制御部14が、ユーザに対して予め設定された期間内における特典の付与量が設定量以上である場合、特典情報を提示させない。従って、特典を獲得することを目的としてユーザが特典付与対象操作を行うことを抑制することができる。また、本来であれば必要ではない操作が行われることが抑制されるので、電子商店街サーバ1の処理負荷が増大することを抑制することができる。
【0101】
また、システム制御部14が、ユーザに対して予め設定された期間内における特典の付与量に基づいた特典の価値を含む特典情報を提示させ、特典の付与量が多いほど特典の価値を低くする。従って、特典を獲得することを目的としてユーザが特典付与対象操作を行うことを抑制することができる。また、本来であれば必要ではない操作が行われることが抑制されるので、電子商店街サーバ1の処理負荷が増大することを抑制することができる。
【0102】
また、システム制御部14が、登録された商品の商品ページへの参照を保持するお気に入りに商品を登録する操作を検出し、この操作が検出されたとき、特典情報を提示させる。従って、ユーザの購入意欲が商品に対して単に興味があるという程度を超えているときを適切に特定することができる。
【0103】
また、システム制御部14が、特典付与対象操作の対象とされた商品の在庫数が設定在庫数未満である場合、特典情報を提示させない。従って、特典を付与する必要がない商品が特典付与対象操作の対象にされても、特典情報が提示されないようにすることができる。
【0104】
[2.第2実施形態]
次に、第2実施形態の概要を説明する。第2実施形態においては、電子商店街サーバ1が、特典付与対象操作の一例として、お気に入りブックマークページを表示させる操作を検出する。なお、第2実施形態以降の実施形態においては、第1実施形態と同様の点についての説明は省略する。
【0105】
例えば、ユーザは、お気に入りに登録されている商品を確認しようと考えたり、お気に入りに登録されている商品の中から購入する商品を検討しようと考えたりした場合、ユーザは、お気に入りブックマークページを表示させる。このときのユーザの購入意欲は、単に興味があるという程度の購入意欲よりも高まっているといえる。複数の商品がお気に入りに登録されている場合、お気に入りブックマークページが表示される時点においては、ユーザは、複数の商品のうち特定の商品に対して特に購入意欲を持っているという状態ではないかもしれない。しかしながら、お気に入りに登録されている複数の商品のそれぞれに対して購入意欲が高まっていることが期待される。そこで、お気に入りブックマークページが表示されるタイミングで、お気に入りに登録されている各商品の特典情報が表示されることで、商品の購入を促すことができる。
【0106】
図10は、お気に入りブックマークページの表示例を示す図である。
図10において、
図3と同様の要素については同様の符号が付されている。
図10に示すように、お気に入りブックマークページには、商品情報領域200(200a〜200c)が表示される。商品情報領域200は、お気に入りに登録されている商品ごとに表示される。商品情報領域200には、商品名リンク210、商品の画像、商品価格、お気に入りへの登録日、販売元の店舗名等が表示される。商品名リンク210は、お気に入りに登録されている商品の商品名を示すリンクである。また、商品名リンク210は、商品名に対応する商品の商品ページへのリンクである。ユーザは、商品名リンク210を選択することにより、商品ページを表示させることができる。
【0107】
お気に入りに登録されている商品のうち特典の対象とされた商品の商品情報領域200には、特典表示領域220が表示される。特典表示領域220には、特典情報131及び買い物かご登録ボタン132が表示される。ユーザは、買い物かご登録ボタン132を選択することによって商品を購入すると、特典情報131が示す特典を獲得することができる。
【0108】
ところで、ユーザは、特典を獲得する目的とは異なる目的で、複数の店舗から販売されている同一の商品をそれぞれお気に入りに登録することがある。例えば、ユーザが、各商品の商品ページに表示される情報等を比較して、購入する商品を検討する場合である。そこで、電子商店街サーバ1は、特典の対象となる商品をユーザが購入した場合に、特典の対象とならなかった商品をユーザが購入した場合よりもユーザにとって不利にならないように、特典の価値を引き上げてもよい。これにより、複数の同一商品のうち特典の対象とされた商品の購入を促すことができる。
【0109】
図10において、商品情報領域200aは、店舗AAAが販売する商品Xの商品情報領域200である。また、商品情報領域200bは、店舗BBBが販売する商品Xの商品情報領域200である。店舗AAAの商品Xは特典の対象であり、店舗BBBの商品Xは特典の対象ではない。また、店舗AAAの商品Xは価格は10万円であり、店舗BBBの商品Xは価格は9万5千円である。ここで、店舗AAAの商品Xの割引率の最大値は10%である。ところが、例えば、ユーザへの過去の特典の付与量が多かったため、適用割引率が3%に下がっていたとする。従って、ユーザが店舗AAAから商品Xを購入した場合、購入価格は9万7千円となる。すると、価格の面で、店舗AAAの商品Xは店舗BBBの商品Xよりもユーザにとって不利である。ユーザが価格を基準の1つとして購入を検討しているとすると、ユーザは、店舗AAA及び店舗BBBのうち店舗BBBの方から商品Xを購入する蓋然性が高い。そこで、電子商店街サーバ1は、店舗AAAの商品Xの適用割引率を、例えば5%にする。すると、店舗AAAの商品Xは店舗BBBの商品Xに対して不利にはならない。
図10は、適用割引率が5%である場合の表示例である。また、電子商店街サーバ1が、店舗AAAの商品Xの適用割引率を5%よりも高くすると、店舗AAAの商品Xは店舗BBBの商品Xよりも有利になる。そのため、ユーザが店舗AAAから商品Xを購入する蓋然性が高くなる。なお、電子商店街サーバ1は、適用割引率を引き上げると適用割引率の最大値を超える場合、適用割引率を引き上げなくてもよいし、適用割引率を最大値にまで引き上げてもよい。
【0110】
次に、情報処理システムSの動作について、
図11乃至
図13を用いて説明する。以下に説明する動作例は、特典の対象とされた商品の購入価格が、特典の対象とされなかった商品の購入価格と同一になるように適用割引率を決定する場合の動作例である。
【0111】
図11及び
図12は、本実施形態に係る電子商店街サーバ1のシステム制御部14のリクエスト受信時処理における処理例を示すフローチャートである。
図11及び
図12において、
図7と同様の処理については同様の符号が付されている。なお、第2実施例以降の実施例においては、買い物かご登録ボタンを選択する操作が行われた場合の処理、及び注文確定ボタンを選択する操作が行われた場合の処理は、
図8及び
図9に示す処理と同様である。
【0112】
図11に示すように、システム制御部14は、受信したリクエストに設定されたURLに基づいて、お気に入りブックマークページへのリンクを選択する操作が行われたか否かを判定する(ステップS71)。このとき、システム制御部14は、お気に入りブックマークページへのリンクを選択する操作が行われていないと判定した場合には(ステップS71:NO)、ステップS21に移行する。一方、システム制御部14は、検出手段として、お気に入りブックマークページへのリンクを選択する操作が行われたと判定した場合には(ステップS71:YES)、お気に入りブックマークページのHTML文書のテンプレートを、記憶部12から取得する(ステップS72)。
【0113】
次いで、システム制御部14は、操作ユーザのユーザIDを含むお気に入り情報をお気に入り情報DB12cから検索する(ステップS73)。次いで、システム制御部14は、検索した各お気に入り情報から店舗ID及び商品IDを取得する。そして、システム制御部14は、取得した店舗ID及び商品IDを含む商品情報を、商品情報DB12bから取得する。
【0114】
次いで、システム制御部14は、検索されたお気に入り情報のうち1つを選択する(ステップS74)。ここで、選択されたお気に入り情報に対応する商品を、「選択商品」という。なお、お気に入りブックマークページへのリンクが選択された場合、お気に入りに登録されている各商品が対象商品である。次いで、システム制御部14は、選択商品の商品情報に含まれる選択商品の特典フラグがONであるか否かを判定する(ステップS75)。このとき、システム制御部14は、特典フラグがOFFであると判定した場合には(ステップS75:NO)、
図12に示すように、選択商品の商品情報領域200を表示するための情報をテンプレートに設定する(ステップS76)。例えば、システム制御部14は、選択商品の商品名、商品画像のURL、商品ページのURL、商品価格等をテンプレートに設定する。このとき、システム制御部14は、特典表示領域220が表示されないように、設定を行う。システム制御部14は、この処理を終えると、ステップS80に移行する。
【0115】
一方、システム制御部14は、特典フラグがONであると判定した場合には(ステップS75:YES)、
図11に示すように、選択商品の現在の在庫数が選択商品の特典付与在庫数以上であるか否かを判定する(ステップS77)。このとき、システム制御部14は、在庫数が特典付与在庫数未満であると判定した場合には(ステップS77:NO)、ステップS76に移行する。一方、システム制御部14は、在庫数が特典付与在庫数以上であると判定した場合には(ステップS77:YES)、ステップS6及びS7を実行する。ステップS7において、システム制御部14は、特典が付与された回数が設定回数以上であると判定した場合には(ステップS7:NO)、ステップS76に移行する。一方、システム制御部14は、特典が付与された回数が設定回数未満であると判定した場合には(ステップS7:YES)、適用割引率計算処理を実行する(ステップS78)。
【0116】
図13は、本実施形態に係る電子商店街サーバ1のシステム制御部14の適用割引率計算処理における処理例を示すフローチャートである。
【0117】
図13に示すように、システム制御部14は、
図7に示すステップS8と同様に、選択商品の適用割引率を計算する(ステップS91)。次いで、システム制御部14は、操作ユーザのお気に入りに登録された商品のうち、選択商品と商品コードが同一である商品のお気に入り情報を検索する(ステップS92)。選択商品と商品コードが同一である商品を、「比較商品」という。システム制御部14は、お気に入りに登録されている各商品の商品情報に含まれる商品コードに基づいて、各商品が比較商品であるか否かを判定する。次いで、システム制御部14は、比較商品のお気に入り情報が検索されたか否かを判定する(ステップS93)。このとき、システム制御部14は、比較商品のお気に入り情報が検索されなかったと判定した場合には(ステップS93:NO)、適用割引率計算処理を終了させる。選択商品と商品コードが同一の商品が存在しないため、選択商品の特典の価値を引き上げる必要がない。
【0118】
一方、システム制御部14は、比較商品のお気に入り情報が検索されたと判定した場合には(ステップS93:YES)、特典フラグがOFFである比較商品が1つ以上あるか否かを判定する(ステップS94)。このとき、システム制御部14は、特典フラグがOFFである比較商品が1つ以上あると判定した場合には(ステップS94:YES)、ステップS96に移行する。一方、システム制御部14は、特典フラグがOFFである比較商品が1つもないと判定した場合には(ステップS94:NO)、現在の在庫数が特典付与在庫数未満である比較商品が1つ以上あるか否かを判定する(ステップS95)。このとき、システム制御部14は、在庫数が特典付与在庫数未満である比較商品が1つもないと判定した場合には(ステップS95:NO)、適用割引率計算処理を終了させる。選択商品と商品コードが同一の商品の全てについて特典が適用されるので、選択商品の特典の価値を引き上げる必要がない。一方、システム制御部14は、在庫数が特典付与在庫数未満である比較商品が1つ以上あると判定した場合には(ステップS95:YES)、ステップS96に移行する。
【0119】
ステップS96において、システム制御部14は、選択商品の割引価格を計算する(ステップS96)。具体的に、システム制御部14は、下記の式を計算する。
割引価格=選択商品の価格×(1−選択商品の適用割引率)
【0120】
次いで、システム制御部14は、特典が適用されない比較商品のうち価格が最も低い比較商品の価格を取得する。特典が適用されない比較商品は、特典フラグがOFFである比較商品、及び、特典フラグがONであり且つ在庫数が特典付与在庫数未満である比較商品である。次いで、システム制御部14は、選択商品の割引価格が、取得した比較商品の価格以下であるか否かを判定する(ステップS97)。このとき、システム制御部14は、選択商品の割引価格が比較商品の価格以下であると判定した場合には(ステップS97:YES)、適用割引率計算処理を終了させる。
【0121】
一方、システム制御部14は、選択商品の割引価格が比較商品の価格よりも高いと判定した場合には(ステップS97:NO)、選択商品の目標割引率を計算する(ステップS98)。具体的に、システム制御部14は、下記の式を計算する。
目標割引率=1−比較商品の価格÷選択商品の割り引き前の価格
【0122】
次いで、システム制御部14は、選択商品の商品情報に含まれる割引率が目標割引率以上であるか否かを判定する(ステップS99)。このとき、システム制御部14は、割引率が目標割引率未満であると判定した場合には(ステップS99:NO)、適用割引率計算処理を終了させる。一方、システム制御部14は、割引率が目標割引率以上であると判定した場合には(ステップS99:YES)、適用割引率を、計算した目標割引率に変更する(ステップS100)。そして、システム制御部14は、適用割引率計算処理を終了させる。
【0123】
システム制御部14は、適用割引率計算処理を終えると、
図11に示すように、ステップS9及びS10を実行する。次いで、システム制御部14は、
図12に示すように、選択商品の商品情報領域200及び特典表示領域220を表示するための情報をテンプレートに設定する(ステップS79)。具体的に、システム制御部14は、選択商品の商品名、商品画像のURL、商品ページのURL、商品価格等をテンプレートに設定する。また、システム制御部14は、特典情報及び表示特典IDをテンプレートに設定するとともに、買い物かご登録ボタンを表示するための情報をテンプレートに設定する。システム制御部14は、この処理を終えると、ステップS80に移行する。
【0124】
ステップS80において、システム制御部14は、ステップS73において検索したお気に入り情報のうちまだ選択していないお気に入り情報があるか否かを判定する。このとき、システム制御部14は、まだ選択していないお気に入り情報があると判定した場合には(ステップS80:YES)、まだ選択していないお気に入り情報のうち1つを選択する(ステップS81)。次いで、システム制御部14は、ステップS75に移行する。システム制御部14は、ステップS75〜S81の処理を繰り返すことにより、お気に入りに登録されている各商品の商品情報領域200を表示するための設定を行う。そして、システム制御部14は、全てのお気に入り情報を選択したと判定した場合には(ステップS80:NO)、提示手段として、情報の設定によって完成したお気に入りブックマークページのHTML文書を、リクエストの送信元のユーザ端末4へ送信する(ステップS82)。次いで、システム制御部14は、ステップS12に移行する。HTML文書を受信したユーザ端末4は、例えば、
図10に示すようにお気に入りブックマークページを表示する。
【0125】
以上説明したように、本実施形態によれば、システム制御部14が、お気に入りブックマークページを表示させる操作を検出し、この操作が検出されたとき、特典情報を提示させる。従って、ユーザの購入意欲が商品に対して単に興味があるという程度を超えているときを適切に特定することができる。
【0126】
[3.第3実施形態]
次に、第3実施形態の概要を説明する。第3実施形態においては、電子商店街サーバ1が、特典付与対象操作の一例として、お気に入りに登録されている商品の商品ページを表示させる操作を検出する。
【0127】
ユーザは、お気に入りに登録されていない商品の商品ページを閲覧することによって、例えば、その商品に対する興味が増した場合、その商品をお気に入りに登録する。その後、ユーザは、お気に入りに登録された商品の商品ページを閲覧したとする。この場合、例えば、以前にも増して商品に対するユーザの興味が強まっていたり、ユーザは本格的に商品を購入するか否かを検討するつもりであったりしている蓋然性がある。このときの購入意欲は、単に興味があるという程度の購入意欲よりも高いといえる。従って、お気に入りに登録されている商品の商品ページを表示させる操作を行ったときのユーザの購入意欲は、お気に入りに登録されていない商品の商品ページを表示させる操作を行ったときの購入意欲よりも高いと考えられる。これらの操作は、何れも商品ページを表示させる操作である。しかしながら、商品ページが表示される商品のお気に入りへの登録状況が異なる。つまり、商品ページを表示させる操作であっても、商品のお気に入りへの登録状況によって、ユーザの購入意欲の高さが異なる。そこで、お気に入りに登録されている商品の商品ページを表示させる操作が行われたタイミングで、商品ページが表示される商品の特典情報が表示されることで、商品の購入を促すことができる。
【0128】
図14は、商品ページにおける特典情報の表示例を示す図である。
図14において、
図3と同様の要素については同様の符号が付されている。ユーザが、お気に入りに登録されていない商品の商品ページを表示させる操作を行った場合、
図3に示すような商品ページが表示される。このとき、特典情報は表示されない。また、ユーザが、お気に入りに登録されている商品であって、且つ、特典の対象とされなかった商品の商品ページを表示させる操作を行った場合も、
図3に示すような商品ページが表示される。その一方で、ユーザが、お気に入りに登録されている商品であって、且つ、特典の対象とされた商品の商品ページを表示させる操作を行った場合、
図14に示すような商品ページが表示される。このとき、商品ページには、特典表示領域300が表示される。特典表示領域300には、特典情報131及び買い物かご登録ボタン132が表示される。ユーザは、買い物かご登録ボタン132を選択することによって商品を購入すると、特典情報131が示す特典を獲得することができる。
【0129】
商品ページを表示させる操作としては、例えば、
図10に示すお気に入りブックマークページにおいて、商品名リンク210を選択する操作、検索結果ページにおいて、検索された商品の商品ページへのリンクを選択する操作、及び、電子商店街内のウェブページまたは電子商店街とは異なるサイトのウェブページにおいて、商品ページのリンクを選択する操作等が挙げられる。電子商店街サーバ1は、商品ページを表示させる操作であれば、如何なる操作であっても、商品ページに特典表示領域300を表示させるように制御する。なお、電子商店街サーバ1は、商品ページを表示させる操作のうち、特定の操作の場合にのみ特典表示領域300を表示させてもよい。例えば、電子商店街サーバ1は、お気に入りブックマークページにおいて商品名リンク210を選択する操作が行われた場合にのみ、特典表示領域300を表示させてもよい。この操作の場合、他の操作と比較して、お気に入りに登録されている商品に対する購入意欲が高まっている蓋然性が高いからである。
【0130】
次に、情報処理システムSの動作について、
図15を用いて説明する。
【0131】
図15は、本実施形態に係る電子商店街サーバ1のシステム制御部14のリクエスト受信時処理における処理例を示すフローチャートである。
図15において、
図7と同様の処理については同様の符号が付されている。
【0132】
図15に示すように、システム制御部14は、受信したリクエストに設定されたURLに基づいて、商品ページを表示させる操作が行われたか否かを判定する(ステップS111)。このとき、システム制御部14は、商品ページを表示させる操作が行われていないと判定した場合には(ステップS111:NO)、ステップS21に移行する。一方、システム制御部14は、商品ページを表示させる操作が行われたと判定した場合には(ステップS111:YES)、対象商品の商品ページのHTML文書を、記憶部12から取得する(ステップS112)。商品ページを表示させる操作の場合、商品ページが表示される商品が対象商品である。ユーザが商品ページを表示させる操作を行った場合にユーザ端末4から送信されるリクエストに設定されるURLは、対象商品の商品ページのURLである。従って、システム制御部14は、受信したリクエストに設定されたURLに対応するHTML文書を取得する。
【0133】
次いで、システム制御部14は、対象商品はお気に入りに登録されているか否かを判定する(ステップS113)。具体的に、システム制御部14は、操作ユーザのユーザID、対象商品の店舗ID及び商品IDを含むお気に入り情報を、お気に入り情報DB12cから検索する。対象商品の店舗ID及び商品IDは、商品ページのURLに含まれている。システム制御部14は、該当するお気に入り情報を検索することができなかった場合には、対象商品はお気に入りに登録されていないと判定する(ステップS113:NO)。この場合、システム制御部14は、記憶部12から取得したHTML文書を、リクエストの送信元のユーザ端末4へそのまま送信する(ステップS115)。次いで、システム制御部14は、ステップS12に移行する。
【0134】
一方、システム制御部14は、該当するお気に入り情報を検索することができた場合には、対象商品はお気に入りに登録されていると判定する(ステップS113:YES)。この場合、システム制御部14は、ステップS3、S5〜S10を実行する。システム制御部14は、ステップS3において特典フラグがOFFであると判定した場合(ステップS3:NO)、ステップS5において在庫数が特典付与在庫数未満であると判定した場合(ステップS5:NO)、または、ステップS7において特典が付与された回数が設定回数以上であると判定した場合には(ステップS7:NO)、ステップS115に移行する。システム制御部14は、ステップS10の処理を終えると、記憶部12から取得したHTML文書に、特典表示領域300を表示するための情報を設定する(ステップS114)。具体的に、システム制御部14は、特典情報及び表示特典IDをHTML文書に設定するとともに、買い物かご登録ボタンを表示するための情報をHTML文書に設定する。システム制御部14は、この処理を終えると、提示手段として、設定が行われたHTML文書を、リクエストの送信元のユーザ端末4へ送信する(ステップS115)。
【0135】
以上説明したように、本実施形態によれば、システム制御部14が、お気に入りに登録されている商品の商品ページを表示させる操作を、お気に入りに登録されていない商品の商品ページを表示させる操作よりも購入意欲が高い特典表示対象操作として検出し、この操作が検出されたとき、特典情報を提示させる。従って、ユーザの購入意欲が商品に対して単に興味があるという程度を超えているときを適切に特定することができる。
【0136】
[4.第4実施形態]
次に、第4実施形態の概要を説明する。第4実施形態は、特典を獲得することを目的としてユーザが商品をお気に入りに登録することを抑制する態様が第1実施形態とは異なる実施形態である。
【0137】
複数の店舗が同一の商品をそれぞれ販売しているとする。例えば、店舗Z1、Z2及びZ3がそれぞれ商品Yを販売している。ユーザは、特典の価値が高いものを購入しようとして、店舗Z1の商品Y、店舗Z2の商品Y、及び店舗Z3の商品Yを、次々にお気に入りに登録する。ユーザがお気に入りへの登録の操作を行うたびに、特典情報が表示される。しかしながら、この場合、特典情報を表示することが、ユーザの購入意欲を高めるという効果を生じさせていない。そこで、電子商店街サーバ1は、商品をお気に入りに登録する操作を検出したとき、検出した操作によってお気に入りに登録される商品と同一の商品であって、検出した操作によってお気に入りに登録される商品とは販売元が異なる商品が既にお気に入りに登録されている数に基づいて、特典の付与及び特典情報の表示を制御する。既にお気に入りに登録されている商品の数を「既登録数」という。
【0138】
具体的に、電子商店街サーバ1は、既登録数が予め設定された設定登録数以上である場合には、特典を付与せず、特典情報を表示させなくてもよい。例えば、設定登録数が2であるとする。この場合、ユーザが店舗Z1の商品Yを登録したときと、次に店舗Z2の商品Yを登録したときには、それぞれ特典情報が表示される。その後、ユーザが店舗Z3の商品Yを登録したときは、特典情報は表示されない。また、電子商店街サーバ1は、既登録数が多いほど付与する特典の価値を低くし、特典の価値に応じた特典情報を表示させてもよい。また、電子商店街サーバ1は、既登録数が設定登録数未満である場合には、特典の価値を一定とし、既登録数が設定登録数以上である場合には、既登録数が多いほど付与する特典の価値を低くしてもよい。また、電子商店街サーバ1は、既登録数が設定登録数以上である場合には、特典を付与せず、既登録数が設定登録数未満である場合には、既登録数が多いほど付与する特典の価値を低くしてもよい。
【0139】
次に、情報処理システムSの動作について、
図16を用いて説明する。以下に説明する動作例は、既登録数を、特典を付与するか否かの判定及び付与する特典の価値の決定の両方に用いた場合の動作例である。
【0140】
図16は、本実施形態に係る電子商店街サーバ1のシステム制御部14のリクエスト受信時処理における処理例を示すフローチャートである。
図16において、
図7と同様の処理については同様の符号が付されている。
【0141】
図16に示すように、システム制御部14は、ステップS1〜S3及びS5を実行する。ステップS5において、システム制御部14は、在庫数が特典付与在庫数以上であると判定した場合には(ステップS5:YES)、対象商品と商品コードが同一である商品のお気に入りへの既登録数を計算する(ステップS131)。具体的に、システム制御部14は、対象商品の商品情報から商品コードを取得する。次いで、操作ユーザのユーザIDを含むお気に入り情報を、お気に入り情報DB12cから検索する。次いで、システム制御部14は、検索した各お気に入り情報から、それぞれ店舗ID及び商品IDを取得する。次いで、システム制御部14は、取得した店舗ID及び商品IDを含む商品情報を、商品情報DB12bから取得する。次いで、システム制御部14は、取得した商品情報に含まれる商品コードと対象商品の商品コードとを比較する。そして、システム制御部14は、対象商品と商品コードが同一である商品の数を、既登録数として数える。ステップS2において対象商品のお気に入り情報が既に登録されているので、システム制御部14は、対象商品の数が既登録数に含まれないように計算する。
【0142】
システム制御部14は、既登録数を計算すると、既登録数が、記憶部12に記憶された設定登録数未満であるか否かを判定する(ステップS132)。このとき、システム制御部14は、既登録数が設定登録数以上であると判定した場合には(ステップS132:NO)、ステップS4に移行する。一方、システム制御部14は、既登録数が設定登録数未満であると判定した場合には(ステップS132:YES)、適用割引率を計算する(ステップS133)。例えば、システム制御部14は、下記の式を計算する。
適用割引率=対象商品の割引率×(設定登録数−既登録数)÷設定登録数
なお、システム制御部14は、既登録数が多いほど、適用割引率が低くなるように計算を行えばよい。システム制御部14は、ステップS133の処理を終えると、ステップS9〜S12を実行する。
【0143】
以上説明したように、本実施形態によれば、システム制御部14が、特典表示対象操作の対象とされる商品と同一の商品であって、特典表示対象操作の対象とされる商品とは販売元の店舗が異なる商品がお気に入りに設定登録数以上登録されている場合、特典情報を提示させない。従って、お気に入りに関連した特典表示対象操作を、特典を獲得することを目的としてユーザが行うことを抑制することができる。また、本来であれば必要ではない操作が行われることが抑制されるので、電子商店街サーバ1の処理負荷が増大することを抑制することができる。
【0144】
また、システム制御部14が、特典表示対象操作の対象とされる商品と同一の商品であって、特典表示対象操作の対象とされる商品とは販売元の店舗が異なる商品のお気に入りへの既登録数に基づいた特典の価値を含む特典情報を提示させ、既登録数が多いほど特典の価値を低くする。従って、お気に入りに関連した特典表示対象操作を、特典を獲得することを目的としてユーザが行うことを抑制することができる。また、本来であれば必要ではない操作が行われることが抑制されるので、電子商店街サーバ1の処理負荷が増大することを抑制することができる。
【0145】
なお、特典表示対象操作の対象とされる商品とは販売元の店舗が異なる商品のお気に入りへの既登録数に基づいて特典の付与及び特典情報の表示を制御することは、第2実施形態や第3実施形態においても実施可能である。
【0146】
[5.第5実施形態]
次に、第5実施形態の概要を説明する。第5実施形態においては、電子商店街サーバ1が、お気に入りからの転換率に基づいて特典の付与及び特典情報の表示を制御する。
【0147】
お気に入りからの転換率は、お気に入りに登録された商品のうち購入された商品の割合である。転換率が高い場合には、お気に入りに登録された商品の売れ行きが良いことから、特典情報を表示する必要性が低い。その一方で、転換率が低い場合には、お気に入りに登録された商品の売れ行きが良くないことから、特典情報を表示する必要性が高い。そこで、電子商店街サーバ1は、転換率が予め設定された設定転換率以上である場合には、特典を付与せず、特典情報を表示させなくてもよい。また、電子商店街サーバ1は、転換率が多いほど付与する特典の価値を低くし、特典の価値に応じた特典情報を表示させてもよい。また、電子商店街サーバ1は、転換率が設定転換率未満である場合には、特典の価値を一定とし、転換率が設定転換率以上である場合には、転換率が高いほど付与する特典の価値を低くしてもよい。また、電子商店街サーバ1は、転換率が設定転換率以上である場合には、特典を付与せず、転換率が設定転換率未満である場合には、転換率が高いほど付与する特典の価値を低くしてもよい。
【0148】
お気に入りからの転換率は、電子商店街全体における転換率であってもよい。また、お気に入りからの転換率は、お気に入りに登録された商品の販売元の店舗のみを対象とした転換率、お気に入りに登録された商品のみを対象とした転換率、または、お気に入りに登録する操作を行ったユーザのみを対象とした転換率であってもよい。
【0149】
次に、情報処理システムSの動作について、
図17を用いて説明する。以下に説明する動作例は、転換率を、特典を付与するか否かの判定及び付与する特典の価値の決定の両方に用いた場合の動作例である。また、以下に説明する動作例は、電子商店街全体における転換率を用いた場合の動作例である。
【0150】
図17は、本実施形態に係る電子商店街サーバ1のシステム制御部14のリクエスト受信時処理における処理例を示すフローチャートである。
図17において、
図7と同様の処理については同様の符号が付されている。
【0151】
図17に示すように、システム制御部14は、ステップS1〜S3及びS5を実行する。ステップS5において、システム制御部14は、在庫数が特典付与在庫数以上であると判定した場合には(ステップS5:YES)、お気に入りからの転換率を計算する(ステップS141)。具体的に、システム制御部14は、予め設定された期間内にお気に入りに登録された商品の数を登録数として計算するとともに、お気に入りに登録された商品のうち購入された商品の数を購入数として計算する。より詳細に、システム制御部14は、操作履歴DB12dから、予め設定された日数前(予め設定された時間前または月数前であってもよい)から現時点までの間に操作日時が含まれる操作履歴のうち、商品をお気に入りに登録する操作の操作履歴を検索する。システム制御部14は、操作履歴に含まれるURLに基づいて、操作の種類を判別する。次いで、システム制御部14は、検索した操作履歴の数を登録数とする。次いで、システム制御部14は、お気に入りに登録された商品が、お気に入りに登録された後に購入されたか否かを判定する。具体的に、システム制御部14は、検索した操作履歴から、お気に入りへの登録を行ったユーザのユーザIDを取得する。また、システム制御部14は、検索した操作履歴に含まれるURLから、お気に入りに登録された商品の店舗ID及び商品IDを取得する。次いで、システム制御部14は、操作履歴から取得したユーザID、店舗ID及び商品IDを含む購入履歴を、購入履歴DB12gから検索する。該当する購入履歴が検索されなかった場合、お気に入りに登録された商品は購入されていない。一方、システム制御部14は、該当する購入履歴を検索することができた場合には、操作履歴に含まれる操作日時と、購入履歴に含まれる購入日時とに基づいて、お気に入りへの登録が行われた後に購入が行われたか否かを判定する。このように、システム制御部14は、お気に入りへの登録が行われた後に購入が行われたか否かを、検索した操作履歴ごとに判定する。そして、システム制御部14は、お気に入りへの登録が行われた後に購入が行われた商品の数を、購入数とする。次いで、システム制御部14は、購入数を登録数で割ることにより、転換率を算出する。なお、システム制御部14は、商品がお気に入りへ登録されてから購入されるまでの間にお気に入りから削除された商品は、転換率に含めなくてもよい。お気に入りから商品が削除されたか否かは、操作履歴から判定することができる。
【0152】
システム制御部14は、転換率を計算すると、転換率が、記憶部12に記憶された設定転換率未満であるか否かを判定する(ステップS142)。このとき、システム制御部14は、転換率が設定転換率以上であると判定した場合には(ステップS142:NO)、ステップS4に移行する。一方、システム制御部14は、転換率が設定転換率未満であると判定した場合には(ステップS142:YES)、適用割引率を計算する(ステップS143)。例えば、システム制御部14は、下記の式を計算する。
適用割引率=対象商品の割引率×(設定転換率−転換率)÷設定転換率
なお、システム制御部14は、転換率が高いほど、適用割引率が低くなるように計算を行えばよい。システム制御部14は、ステップS143の処理を終えると、ステップS9〜S12を実行する。
【0153】
以上説明したように、本実施形態によれば、システム制御部14が、お気に入りからの転換率が設定転換率以下である場合、特典情報を提示させる。従って、お気に入りからの転換率が低いときに、その転換率を高めることができる。そのため、お気に入りに登録された商品の購入数が低下することを抑制することができる。
【0154】
また、システム制御部14が、お気に入りからの転換率に基づいた特典の価値を含む特典情報を提示させ、転換率が低いほど特典の価値を高くする。従って、お気に入りからの転換率が低いときほど、その転換率を高めることができる。そのため、お気に入りに登録された商品の購入数が低下することを抑制することができる。
【0155】
なお、お気に入りからの転換率に基づいて特典の付与及び特典情報の表示を制御することは、第2実施形態や第3実施形態においても実施可能である。
【0156】
また、第1、第4及び第5実施形態のうち複数の実施形態を組み合わせて実施するように電子商店街サーバ1が構成されてもよい。この場合、電子商店街サーバ1は、特典の付与量、同一商品の既登録数及び転換率のうち複数の情報に基づいて、適用割引率を決定してもよい。
【0157】
[6.第6実施形態]
次に、第6実施形態の概要を説明する。第6実施形態においては、電子商店街サーバ1が、特典付与対象操作の一例として、買い物かごから商品を削除する操作を検出する。
【0158】
ユーザは、購入しようと決めた商品を買い物かごに登録する。その後、ユーザは、買い物かごに登録した商品を、例えば、今購入するのではなく、後で購入しようと考えたとする。この場合、ユーザは、買い物かごから商品を削除する。このとき、一度上がったユーザの購入意欲が下がっている。しかしながら、ユーザは後で購入するつもりであるから、このときの購入意欲は、単に興味があるという程度の購入意欲よりも高いといえる。その後、ユーザの購入意欲は、ユーザが買い物かごから商品を購入した後、時間が経過するにつれて低下する傾向にある。そのため、時間が経過すると、ユーザは、後で購入するつもりであった商品を購入しない場合がある。そこで、買い物かごから商品が削除されたタイミングで、削除された商品の特典情報が表示されることで、一度下がったユーザの購入意欲を高めることができる。これにより、商品の購入を促すことができる。
【0159】
図18(a)及び
図18(b)は、買い物かごページの表示例を示す図である。
図18(a)及び
図18(b)において、
図3と同様の要素については同様の符号が付されている。
図18(a)に示すように、買い物かごページには、買い物かご領域410(410a、410b)が表示される。買い物かご領域410は、買い物かごに登録されている商品の販売元の店舗ごとに表示される。買い物かご領域410には、店舗名及び購入手続ボタン412が表示される。また、買い物かご領域410には、買い物かごに登録されている商品の情報が商品ごとに表示される。例えば、商品名、商品価格、買い物かごに入れられた個数等が表示される。また、買い物かご領域410には、買い物かごに登録されている商品ごとに、削除ボタン411が表示される。削除ボタン411は、買い物かごから商品を削除するためのボタンである。
【0160】
ユーザが削除ボタン411を選択したとする。すると、
図18(b)に示すように、買い物かごページが再表示される。
図18(b)においては、買い物かごから削除された商品の情報が買い物かごページから消去される。また、買い物かごページには、特典表示領域420が表示される。特典表示領域420には、特典情報131及び買い物かご登録ボタン132が表示される。特典情報131として、例えば、「○○○を今買い物かごに入れて注文を完了すればXX%割引!」と表示される。「○○○」は、買い物かごから削除された商品の商品名である。ユーザは、買い物かご登録ボタン132を選択することによって商品を再度買い物かごに入れて購入すると、特典情報131が示す特典を獲得することができる。
【0161】
ところで、買い物かごから商品を削除することで特典を獲得することができることを知ったユーザが、特典を獲得することを目的として、買い物かごから商品を削除する場合がある。つまり、ユーザは、商品を買い物かごに入れた後、買い物かごから一度商品を削除して、再度商品を買い物かごに入れる。ユーザが買い物かごから商品を削除する操作を行うたびに、特典情報が表示される。しかしながら、この場合、特典情報を表示することが、ユーザの購入意欲を高めるという効果を生じさせていない。そこで、電子商店街サーバ1は、買い物かごから商品を削除する操作を検出したとき、操作を行ったユーザによる買い物かごからの商品の削除の頻度に基づいて、特典の付与及び特典情報の表示を制御する。買い物かごからの商品の削除の頻度を、「削除頻度」という。具体的に、電子商店街サーバ1は、削除頻度が予め設定された設定頻度以上である場合には、特典を付与せず、特典情報を表示させなくてもよい。また、電子商店街サーバ1は、削除頻度が高いほど付与する特典の価値を低くし、特典の価値に応じた特典情報を表示させてもよい。また、電子商店街サーバ1は、削除頻度が設定頻度未満である場合には、特典の価値を一定とし、削除頻度が設定頻度以上である場合には、削除頻度が高いほど付与する特典の価値を低くしてもよい。また、電子商店街サーバ1は、削除頻度が設定頻度以上である場合には、特典を付与せず、削除頻度が設定頻度未満である場合には、削除頻度が高いほど付与する特典の価値を低くしてもよい。
【0162】
次に、情報処理システムSの動作について、
図19を用いて説明する。以下に説明する動作例は、買い物かごからの削除頻度を、特典を付与するか否かの判定及び付与する特典の価値の決定の両方に用いた場合の動作例である。
【0163】
図19は、本実施形態に係る電子商店街サーバ1のシステム制御部14のリクエスト受信時処理における処理例を示すフローチャートである。
図19において、
図7と同様の処理については同様の符号が付されている。
【0164】
図19に示すように、システム制御部14は、受信したリクエストに設定されたURLに基づいて、買い物かごページから削除ボタンを選択する操作が行われたか否かを判定する(ステップS161)。このとき、システム制御部14は、削除ボタンを選択する操作が行われていないと判定した場合には(ステップS161:NO)、ステップS21に移行する。一方、システム制御部14は、検出手段として、削除ボタンを選択する操作が行われたと判定した場合には(ステップS161:YES)、対象商品の買い物かご情報を買い物かご情報DB12fから削除する(ステップS162)。削除ボタンを選択する操作の場合、買い物かごからの削除の対象とされた商品が対象商品である。ユーザが削除ボタンを選択したとき、ユーザ端末4は、選択された削除ボタンに対応する対象商品の店舗ID及び商品IDを含むURLを設定したリクエストを送信する。そこで、システム制御部14は、受信したリクエストから店舗ID及び商品IDを取得する。次いで、システム制御部14は、取得した店舗ID及び商品IDを含む買い物かご情報を買い物かご情報DB12fから検索する。そして、システム制御部14は、検索した買い物かご情報を買い物かご情報DB12fから削除する。
【0165】
次いで、システム制御部14は、ステップS3及びS5を実行する。システム制御部14は、ステップS3において特典フラグがOFFであると判定した場合(ステップS3:NO)、または、ステップS5において在庫数が特典付与在庫数未満であると判定した場合には(ステップS5:NO)、ステップS163に移行する。ステップS163において、システム制御部14は、買い物かごページのHTML文書を生成する。具体的に、システム制御部14は、操作ユーザのユーザIDを含む買い物かご情報を買い物かご情報DB12fから検索する。そして、システム制御部14は、検索した買い物かご情報等に基づいて、買い物かご領域410を表示させるための情報を含むHTML文書を生成する。このとき、システム制御部14は、特典表示領域420が表示されないように、HTML文書を生成する。システム制御部14は、この処理を終えると、ステップS168に移行する。
【0166】
ステップS5において、システム制御部14は、在庫数が特典付与在庫数以上であると判定した場合には(ステップS5:YES)、操作ユーザの削除頻度を計算する(ステップS164)。具体的に、システム制御部14は、操作履歴DB12dから、予め設定された日数前(予め設定された時間前または月数前であってもよい)から現時点までの間に操作日時が含まれる操作履歴のうち、操作ユーザのユーザIDを含む操作履歴であって、且つ、買い物かごから商品を削除する操作の操作履歴を検索する。そして、システム制御部14は、検索した操作履歴の数を削除頻度とする。次いで、システム制御部14は、削除頻度が、記憶部12に記憶された設定頻度未満であるか否かを判定する(ステップS165)。このとき、システム制御部14は、削除頻度が設定頻度以上であると判定した場合には(ステップS165:NO)、ステップS163に移行する。
【0167】
一方、システム制御部14は、削除頻度が設定頻度未満であると判定した場合には(ステップS165:YES)、適用割引率を計算する(ステップS166)。例えば、システム制御部14は、下記の式を計算する。
適用割引率=対象商品の割引率×(設定頻度−削除頻度)÷設定頻度
なお、システム制御部14は、削除頻度が高いほど、適用割引率が低くなるように計算を行えばよい。
【0168】
次いで、ステップS9及びS10を実行する。次いで、システム制御部14は、特典表示領域420が表示されるように、買い物かごページのHTML文書を生成する(ステップS167)。具体的に、システム制御部14は、特典情報及び表示特典IDと、買い物かご登録ボタンを表示するための情報とを含むHTML文書を生成する。システム制御部14は、この処理を終えると、ステップS168に移行する。
【0169】
ステップS168において、システム制御部14は、提示手段として、ステップS163またはS167において生成された買い物かごページのHTML文書を、リクエストの送信元のユーザ端末4へ送信する。次いで、システム制御部14は、ステップS12に移行する。HTML文書を受信したユーザ端末4は、買い物かごから削除された商品が特典の対象である場合には、例えば
図18(b)に示すように買い物かごページを表示する。
【0170】
以上説明したように、本実施形態によれば、システム制御部14が、ユーザが購入しようとする対象としてユーザにより選択された商品が登録される買い物かごから商品を削除する操作を検出し、この操作が検出されたとき、特典情報を提示させる。従って、ユーザの購入意欲が商品に対して単に興味があるという程度を超えているときを適切に特定することができる。また、今以上に購入意欲が下がることでユーザが商品を購入しなくなることを抑制することができる。
【0171】
また、システム制御部14が、ユーザが買い物かごから商品を削除する操作を行った頻度が設定頻度以上である場合、特典情報を提示させない。従って、買い物かごから商品を削除する操作を、特典を獲得することを目的としてユーザが行うことを抑制することができる。また、本来であれば必要ではない操作が行われることが抑制されるので、電子商店街サーバ1の処理負荷が増大することを抑制することができる。
【0172】
また、システム制御部14が、ユーザが買い物かごから商品を削除する操作を行った頻度に基づいた特典の価値を含む特典情報を提示させ、頻度が高いほど特典の価値を低くする。従って、買い物かごから商品を削除する操作を、特典を獲得することを目的としてユーザが行うことを抑制することができる。また、本来であれば必要ではない操作が行われることが抑制されるので、電子商店街サーバ1の処理負荷が増大することを抑制することができる。
【0173】
なお、電子商店街サーバ1は、第1実施形態の場合と同様に、過去の特典の付与量に基づいて、特典の付与及び特典情報の表示を制御してもよい。
【0174】
[7.第7実施形態]
次に、第7実施形態の概要を説明する。第7実施形態においては、電子商店街サーバ1が、特典付与対象操作の一例として、商品ページが表示された商品の名称を検索条件としてウェブサイトを検索する要求をウェブ検索サイトに対して行う操作を検出する。なお、商品の名称は、本発明における識別情報の一例である。
【0175】
ウェブ検索サイトから、ウェブ検索サイトでウェブページを検索するためのツールバープログラムが提供されている。このツールバープログラムは、ブラウザの機能を拡張するためのアドオンとして提供される。
図20(a)は、ツールバーの表示例である。ツールバープログラムがブラウザに組み込まれると、
図20(a)に示すように、ブラウザの画面には、ツールバー500が表示される。なお、ブラウザのクライアント領域には、電子商店街の商品ページが表示されている。ツールバー500には、キーワード入力領域510及び検索ボタン520が表示される。キーワード入力領域510は、検索条件としてのキーワードを入力するための入力領域である。検索ボタン520は、ウェブ検索サーバ2に検索を要求するためのボタンである。ユーザは、キーワード入力領域510にキーワードを入力して検索ボタン520を選択すると、ユーザ端末4は、入力されたキーワードを含む検索リクエストをウェブ検索サーバ2へ送信する。検索リクエストを受信したウェブ検索サーバ2は、入力されたキーワードに合致するウェブページを検索する。そして、ウェブ検索サーバ2は、検索されたウェブページの一覧が表示されるウェブ検索結果ページをユーザ端末4へ送信する。そして、ユーザ端末4は、ウェブ検索結果ページを表示する。ツールバー500により、ユーザは、現在表示されているウェブページが如何なるサイトのウェブページであっても、ウェブ検索サイトで直接ウェブページを検索することができる。
【0176】
ユーザは、電子商店街において、或る商品の商品ページを閲覧した後、その商品について更に情報を欲する場合がある。このとき、ブラウザにツールバー500が表示されている場合、ユーザは、キーワード入力領域510に商品の名称を入力して、商品の情報が掲載されているウェブページを検索することができる。ユーザが商品ページを閲覧した後に更に情報を欲した商品に対して、ユーザは、単なる興味よりも強い興味を抱いていると考えられる。つまり、このときのユーザの購入意欲は、単に興味があるという程度の購入意欲よりも高まっている。そこで、商品ページが表示された商品の名称を検索条件として指定して検索を要求する操作がツールバー500において行われたタイミングで、入力された名称に対応する商品の特典情報が表示されることで、商品の購入を促すことができる。また、ユーザは、商品の購入先として、電子商店街サーバ1が管理する電子商店街以外のウェブサイトから購入する可能性があると考えている場合がある。この場合、ユーザは、電子商店街サーバ1が管理する電子商店街と他のウェブサイトとを比較するために、商品の名称を入力して他のウェブサイトを検索する場合がある。すると、ウェブ検索結果ページに、商品を購入可能な他のウェブサイトの情報が含まれていると、ユーザは、そのウェブサイトの方で商品を購入する場合がある。しかしながら、特典情報が表示されることで、電子商店街サーバ1が管理する電子商店街でユーザが商品を購入する蓋然性を高めることができる。
【0177】
図20(b)は、ツールバーに対応する特典情報の表示例である。
図20(b)において、
図3と同様に要素については同様の符号が付されている。
図20(a)に示すように、商品名が「ノートパソコン XX−XXXXXXXX」である商品Xの商品ページが表示されている。商品Xの正式な名称は、「XX−XXXXXXXX」であるとする。そこで、ユーザは、キーワード入力領域510に「XX−XXXXXXXX」を入力して、検索ボタン520を選択する。すると、
図20(b)に示すように、ブラウザの画面には、ウェブ検索結果ページが表示される。また、ブラウザの画面には、特典表示領域530が表示される。特典表示領域530には、特典情報131及び買い物かご登録ボタン132が表示される。特典情報131として、例えば、「ノートパソコン XX−XXXXXXXXを今買い物かごに入れて注文を完了すればXX%割引!」と表示される。ユーザは、買い物かご登録ボタン132を選択することによって商品を購入すると、特典情報131が示す特典を獲得することができる。
【0178】
電子商店街サーバ1がユーザ端末4に特典表示領域530を表示させるためには、電子商店街サーバ1が、キーワード入力領域510に入力されたキーワードを取得する必要がある。そこで、ユーザ端末4がキーワード入力領域510に入力されたキーワードを電子商店街サーバ1に送信するように、ツールバープログラムが生成される。例えば、ユーザ端末4が、検索リクエストをウェブ検索サーバ2に送信するとともに、キーワードを含むリクエストを電子商店街サーバ1に送信するように、ツールバープログラムが構成されてもよい。また例えば、ユーザ端末4が検索リクエストを電子商店街サーバ1に送信するように、ツールバープログラムが構成されてもよい。そして、電子商店街サーバ1が、検索リクエストをウェブ検索サーバ2へリダイレクトしてもよい。
【0179】
ところで、ユーザが商品ページで商品の情報を閲覧した後、時間が経過するほど、情報を閲覧した商品に対してユーザが興味を失う蓋然性が高くなる。また、ユーザは、商品ページを閲覧したこと自体を忘れてしまう場合がある。このような状態で、ユーザが商品の名称を検索条件として検索を要求する操作を行ったとしても、ユーザの購入意欲が単に興味がある程度の購入意欲よりも高まっていない場合がある。このときに特典情報が表示されても、ユーザの購入意欲が商品を購入しようと決める程度にまで高まらない蓋然性が高くなる。そこで、電子商店街サーバ1は、入力されたキーワードが、現在商品ページが表示されている商品の名称を含む場合にのみ、特典情報を表示させてもよい。
【0180】
また、電子商店街サーバ1は、現在商品ページが表示されている場合だけでなく、電子商店街のウェブページが現時点まで継続して表示されている場合には、電子商店街のウェブページが継続して表示されている間に商品ページが表示された商品についても、特典情報を表示させる候補としてもよい。電子商店街のウェブページが継続して表示されている状態とは、ユーザの操作等によって電子商店街の複数のウェブページが順次切り替わって表示されている状態を含む。そして、電子商店街サーバ1は、候補とした商品のうち、名称がキーワードに含まれる商品について、特典情報を表示させてもよい。この場合、現時点で電子商店街のウェブページが表示されているのであれば、現時点で表示されているウェブページが商品ページではなくてもよい。電子商店街のウェブページが継続して表示されている間、つまり、ユーザが電子商店街に入っている間は、その間に商品ページで情報を閲覧した商品に対するユーザの興味が失われていない蓋然性が高いからである。
【0181】
この場合、何時の時点で電子商店街のウェブページから別のウェブサイトのページに表示に切り替わったかを電子商店街サーバ1が特定する必要がある。つまり、何時の時点でユーザが電子商店街から抜けたかを特定する必要がある。そこで、電子商店街のウェブページから別のウェブサイトのページに表示が切り替わったときに、ユーザ端末4が、切り替わったことを示すURLを設定したリクエストを電子商店街サーバ1に送信するように、ツールバープログラムが構成されてもよい。リクエストを受信した電子商店街サーバ1は、リクエストに設定されたURLを含む操作履歴を、操作履歴DB12dに登録する。これにより、電子商店街サーバ1は、何時の時点で電子商店街のウェブページから別のウェブサイトのページに表示が切り替わったかを特定することができる。
【0182】
次に、情報処理システムSの動作について、
図21及び
図22を用いて説明する。以下に説明する動作例は、電子商店街のウェブページが継続して表示されている間に商品ページが表示された商品を、特典情報を表示させる候補とする場合の動作例である。
【0183】
図21及び
図22は、本実施形態に係る電子商店街サーバ1のシステム制御部14のリクエスト受信時処理における処理例を示すフローチャートである。
図21及び
図22において、
図7と同様の処理については同様の符号が付されている。
【0184】
図21に示すように、システム制御部14は、受信したリクエストに設定されたURLに基づいて、ツールバーの検索ボタンを選択する操作が行われたか否かを判定する(ステップS181)。このとき、システム制御部14は、検索ボタンを選択する操作が行われていないと判定した場合には(ステップS181:NO)、ステップS21に移行する。
【0185】
一方、システム制御部14は、検出手段として、検索ボタンを選択する操作が行われたと判定した場合には(ステップS181:YES)、リクエストの送信元のユーザ端末4が現在電子商店街のウェブページを表示中であるか否かを判定する(ステップS182)。具体的に、システム制御部14は、操作履歴DB12dから、操作ユーザのユーザIDを含む操作履歴を検索する。次いで、システム制御部14は、1つ以上の操作履歴が検索されたか否かを判定する。このとき、システム制御部14は、操作履歴が1つも検索されなかった場合には、電子商店街のウェブページを表示中ではないと判定する。一方、システム制御部14は、1つ以上の操作履歴が検索された場合には、検索された操作履歴の中から、操作日時が最新の操作履歴を選択する。次いで、システム制御部14は、選択した操作履歴が、電子商店街のウェブページから別のウェブサイトのページに表示に切り替える操作の操作履歴である場合には、電子商店街のウェブページを表示中ではないと判定する。また、システム制御部14は、選択した操作履歴が、ツールバーから検索を要求する操作の操作履歴である場合には、電子商店街のウェブページを表示中ではないと判定する。
【0186】
システム制御部14は、電子商店街のウェブページを表示中ではないと判定した場合には(ステップS182:NO)、
図22に示すように、リクエストに対する応答として、特典情報非表示指令を、リクエストの送信元のユーザ端末4へ送信する(ステップS191)。特典情報非表示指令は、特典情報を表示させない指令を示すメッセージである。次いで、システム制御部14は、ステップS12に移行する。特典情報非表示指令を受信したユーザ端末4は、ウェブ検索結果ページを表示する一方で、特典表示領域530を表示しない。
【0187】
ステップS182において、システム制御部14は、最新の操作履歴が、電子商店街のウェブページから別のウェブサイトのページに表示に切り替える操作の操作履歴はなく、且つ、ツールバーから検索を要求する操作の操作履歴でもない場合には、電子商店街のウェブページを表示中であると判定する(ステップS182:YES)。この場合、システム制御部14は、電子商店街のウェブページの表示が継続している間における商品ページを表示させる操作の操作履歴を検索する(ステップS183)。具体的に、システム制御部14は、ステップS182において検索された操作履歴の中から、電子商店街のウェブページから別のウェブサイトのページに表示に切り替える操作の操作履歴を検索する。次いで、システム制御部14は、検索された操作履歴に含まれる操作日時のうち最新の操作日時を選択する。次いで、システム制御部14は、ステップS182において検索された操作履歴の中から、選択した日時から現時点までの間に操作日時が含まれる操作履歴のうち、商品ページを表示させる操作の操作履歴を検索する。
【0188】
次いで、システム制御部14は、商品ページを表示させる操作の操作履歴を1つ以上検索することができたか否かを判定する(ステップS184)。このとき、システム制御部14は、商品ページを表示させる操作の操作履歴を1つも検索することができなかったと判定した場合には(ステップS184:NO)、ステップS191に移行する。一方、システム制御部14は、商品ページを表示させる操作の操作履歴を1つ以上検索することができたと判定した場合には(ステップS184:YES)、商品ページが表示された商品の名称を抽出する(ステップS185)。商品ページが表示された商品を、「表示商品」という。具体的に、システム制御部14は、商品ページを表示させる操作の操作履歴に含まれるURLから、表示商品の店舗ID及び商品IDを取得する。次いで、システム制御部14は、取得した商品の店舗ID及び商品IDを含む商品情報を、商品情報DB12bから取得する。そして、システム制御部14は、取得した商品情報から商品名を取得する。次いで、システム制御部14は、商品情報から取得した商品名から、正式な名称を抽出する。例えば、システム制御部14は、形態素解析等を行うことによって、商品情報から取得した商品名から、名称となり得る語を抽出する。次いで、システム制御部14は、抽出した語のうち、例えば普通名称に相当する語等を除外して、正式な名称を特定する。なお、システム制御部14は、例えば、商品情報に含まれる商品説明から正式な名称を取得してもよい。例えば、商品説明に、「商品名:○○○○○○○○○○」という情報が含まれていた場合、「○○○○○○○○○○」が正式な名称である蓋然性があるからである。
【0189】
次いで、システム制御部14は、キーワード入力領域に入力されたキーワードが、抽出された名称を含むか否かを判定する(ステップS186)。このとき、システム制御部14は、キーワードが表示商品の名称を含まないと判定した場合には(ステップS186:NO)、ステップS191に移行する。一方、システム制御部14は、キーワードが表示商品の名称を含むと判定した場合には(ステップS186:YES)、
図22に示すように、ステップS3、S5〜S10を実行する。ステップS3〜S10において、システム制御部14は、キーワード入力領域に入力されたキーワードに名称が含まれる表示商品の商品情報を用いて処理を行う。
【0190】
次いで、システム制御部14は、提示手段として、リクエストに対する応答として、特典情報及び表示特典IDを含む特典情報表示指令を、リクエストの送信元のユーザ端末4へ送信する(ステップS192)。特典情報表示指令は、特典情報を表示させる指令を示すメッセージである。システム制御部14は、この処理を終えると、ステップS12に移行する。特典情報表示指令を受信したユーザ端末4は、ウェブ検索結果ページを表示するとともに、
図20(b)に示すように、特典表示領域530を表示する。
【0191】
以上説明したように、本実施形態によれば、システム制御部14が、電子商店街において商品ページが表示された商品の名称を含む検索条件による検索を、電子商店街とは異なるウェブ検索サイトへ要求する操作を検出し、この操作が検出されたとき、特典情報を提示させる。従って、ユーザの購入意欲が商品に対して単に興味があるという程度を超えているときを適切に特定することができる。
【0192】
なお、本実施形態においては、本発明における取引対象の識別情報として、商品の名称が適用されていた。しかしながら、商品を識別する情報であって、商品の情報を検索することが可能な情報であれば、名称以外の情報に、本発明における識別情報を適用することができる。例えば、識別情報は、商品コードであってもよい。
【0193】
また、本実施形態においては、検索の要求先のウェブサイトとして、ウェブページを検索するサイトに本発明が適用されていた。しかしながら、電子商店街サーバ1が管理する電子商店街サーバ1と異なるウェブサイトであって、商品の識別情報によって検索を行うことができるウェブサイトであれば、ウェブページを検索するサイト以外のウェブサイトに本発明が適用されてもよい。例えば、商品の購入が可能なサイト、商品の価格を比較するサイト、商品の口コミのサイト、百科事典のサイト等に本発明が適用されてもよい。
【0194】
また、上記各実施形態において、電子商店街サーバ1は、在庫数が特典付与在庫数未満である場合には、特典情報が表示されないように制御していた。しかしながら、電子商店街サーバ1は、在庫数の多寡にかかわらず、特典情報が表示されるように制御してもよい。
【0195】
また、第1〜第7実施形態のうち複数の実施形態を組み合わせて実施するように電子商店街サーバ1が構成されてもよい。つまり、電子商店街サーバ1は、複数種類の操作を、特典付与対象操作として検出してもよい。また、特典付与対象操作の例は、第1〜第7実施形態で説明した操作に限られるものではない。商品ページを表示させる操作よりも操作対象の商品に対するユーザの購入意欲が高いとみなされる操作であって、且つ、商品ページが表示された商品の購入に必要な操作ではない操作であれば、特典付与対象操に含めることができる。
【0196】
また、上記各実施形態においては、特典として、商品価格が割り引かれるように電子商店街サーバ1が構成されていた。しかしながら、商品価格の割り引きとは異なる種類の特典が付与されるように、電子商店街サーバ1が構成されてもよい。また、複数種類の特典のうち付与する特典を店舗が選択することができるように、電子商店街サーバ1が構成されてもよい。
【0197】
また、ユーザ端末4により特典情報を表示させるために、電子商店街サーバ1が特典情報そのものをユーザ端末4に送信しなくてもよい場合がある。例えば、電子商店街サーバ1は、特典の種類を示す情報と、特典の価値を示す情報と、をユーザ端末4に送信してもよい。そして、ユーザ端末4は、受信した情報に基づいて、特典情報を生成してもよい。また、特典の種類及び価値が電子商店街全体で一定である場合、電子商店街サーバ1は、単に特典情報を表示させる指令を示すメッセージをユーザ端末4へ送信してもよい。そして、指令を受信したユーザ端末4は、予め決められた特典情報を表示してもよい。
【0198】
また、上記各実施形態において、電子商店街サーバ1は、特典情報がユーザ端末4の画面に表示されるように制御していた。しかしながら、電子商店街サーバ1は、特典情報が、ユーザ端末4に接続されたスピーカー等から音として出力されるように制御してもよい。
【0199】
また、上記各実施形態においては、複数の店舗から商品が販売される電子商店街に本発明が適用されていた。しかしながら、単一の販売元から商品が販売される電子商取引のウェブサイトに本発明が適用されてもよい。
【0200】
また、上記各実施形態においては、本発明における取引対象が商品に適用されていた。しかしながら、取引対象がサービスに適用されてもよい。そして、サービスの購入や予約が可能なウェブサイトに本発明が適用されてもよい。サービスの購入は、ユーザがサービスの対価を支払うことによってユーザがサービスの提供を受けることである。サービスの例としては、宿泊施設の提供、ゴルフ場等の競技施設の提供、交通機関による人の輸送等がある。予約が必要なサービスにおいてサービスの購入に必要な操作とは、例えば、サービスの予約に必要な操作である。また、サービスにおいて残数とは、例えば、空室数、空席数等である。