特許第5690725号(P5690725)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5690725
(24)【登録日】2015年2月6日
(45)【発行日】2015年3月25日
(54)【発明の名称】ニューロパシー診断装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 10/00 20060101AFI20150305BHJP
【FI】
   A61B10/00 X
【請求項の数】8
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2011-518739(P2011-518739)
(86)(22)【出願日】2009年7月17日
(65)【公表番号】特表2011-528259(P2011-528259A)
(43)【公表日】2011年11月17日
(86)【国際出願番号】US2009004159
(87)【国際公開番号】WO2010008592
(87)【国際公開日】20100121
【審査請求日】2012年7月13日
(31)【優先権主張番号】61/081,536
(32)【優先日】2008年7月17日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511015412
【氏名又は名称】エレクトロニック・プロダクツ・アクセサリーズ・アンド・ケミカルズ・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100096769
【弁理士】
【氏名又は名称】有原 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100107319
【弁理士】
【氏名又は名称】松島 鉄男
(74)【代理人】
【識別番号】100114591
【弁理士】
【氏名又は名称】河村 英文
(74)【代理人】
【識別番号】100118407
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 尚美
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100125036
【弁理士】
【氏名又は名称】深川 英里
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100154298
【弁理士】
【氏名又は名称】角田 恭子
(74)【代理人】
【識別番号】100162330
【弁理士】
【氏名又は名称】広瀬 幹規
(72)【発明者】
【氏名】ブラウン,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ゴロサルスキー,ボリス
(72)【発明者】
【氏名】マッカーシー,ジョン
(72)【発明者】
【氏名】バーナード,ジェイムズ
【審査官】 福田 裕司
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭60−092745(JP,A)
【文献】 特開2005−052598(JP,A)
【文献】 実開昭62−012310(JP,U)
【文献】 米国特許第05823969(US,A)
【文献】 米国特許第05022407(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 10/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ニューロパシー診断装置であって、該ニューロパシー診断装置は本体を備え、
前記本体は、
中性温度面を有する第1の表面であって該中性温度面は該第1の表面上に配置される、第1の表面と、
前記第1の表面とは前記本体の反対側に配置された第2の表面と、
前記第1の表面と前記第2の表面の間に延び、振動検査のための振動面を有する第3の表面と、
前記本体内に配置され、前記中性温度面の温度を設定するように適合され、可変温度面の温度を変化させ、かつ前記振動面の振動振幅を変化させるプロセッサと、
備え、
前記中性温度面は、前記第1の表面より外側に延長し、
前記第2の表面は、前記第2の表面上に配置された前記可変温度面を有することを特徴とするニューロパシー診断装置。
【請求項2】
前記可変温度面が、前記中性温度面よりも低い第1の温度と前記中性温度面よりも高い第2の温度との間で変化できる、ことを特徴とする請求項1に記載のニューロパシー診断装置。
【請求項3】
前記可変温度面が、前記中性温度面より低い温度で約2℃刻みで増分的に変化できる、ことを特徴とする請求項2に記載のニューロパシー診断装置。
【請求項4】
前記可変温度面が、前記中性温度面より高い温度で約2℃刻みで増分的に変化できる、ことを特徴とする請求項2に記載のニューロパシー診断装置。
【請求項5】
前記振動面が圧力センサを備える、ことを特徴とする請求項1に記載のニューロパシー診断装置。
【請求項6】
前記圧力センサがインジケータに接続されて、前記圧力センサが表面に加えた十分な圧力を表示する、ことを特徴とする請求項5に記載のニューロパシー診断装置。
【請求項7】
前記中性温度面、前記可変温度面、及び前記振動面のそれぞれが発生したデータを記録する手段をさらに備える、ことを特徴とする請求項1に記載のニューロパシー診断装置。
【請求項8】
前記プロセッサに動作可能に結合され、前記可変温度面の前記温度と、前記振動面の前記振動とのうちの一つを選択的に変化させる第1のボタンを備える、請求項1に記載のニューロパシー診断装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2008年7月17日に出願された米国仮特許出願第61/081,536号からの優先権を主張する。この仮特許出願は、参照することによってその全体が本願に組み込まれるものとする。
【背景技術】
【0002】
ニューロパシーは、温度変化、振動、及び触覚刺激を皮膚を通して感知する感度が減少した患者の病状である。ニューロパシーは、糖尿病の患者に共通している。多く人々が糖尿病の何らかの病状を示していると診断されているため、糖尿病に関する関心が著しく高まっている。糖尿病又は他の病気に関連したニューロパシーを早期にかつ正確に診断することにより、より早い治療を行うことができ、患者に対するこの病気の影響を減らすことができる。
【発明の概要】
【0003】
簡単に言えば、本発明は、本体の外部に配置された中性温度面と、本体の外部に配置された可変温度面と、また可変振動振幅を有する振動面を含む本体を備えるニューロパシー診断装置を提供する。この振動面は、本体から外側に延長している。タッチ・センサが本体から外側に延長している。プロセッサが本体内に配置されている。このプロセッサは、中性温度面の温度を設定し、可変温度面の温度を変化させ、そして振動面の振動振幅を変化するように適合されている。
【0004】
本発明の典型的な実施形態の上記の要約及び下記の詳細な説明は、本願に組み込まれてこの明細書の一部を構成している添付した図面と併せて読めば、より良く理解されるであろう。発明を例示するために、本発明の代表的な実施形態が図面の中で示されている。しかしながら、本発明が図示されている詳細な装置や手段に限定されないことは理解されるべきである。図面では、同じ参照番号が幾つかの図面の全体を通して、同じ構成要素を示すために使用される。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】本発明の代表的な実施例によるニューロパシー検出装置の平面図である。
図2図1のニューロパシー検出装置の前部の斜視図である。
図3図1のニューロパシー検出装置の後部の斜視図である。
図4】上部カバーを除いた、図1のニューロパシー検出装置の平面図である。
図5図1のニューロパシー検出装置内の振動端部エフェクター用の力センサの代表的な実施形態の概略図である。
図6図1のニューロパシー検出装置を動作するために使用される回路の機能レイアウトを例示するブロック図である。
図7】本発明の別の代表的な実施形態によるニューロパシー検出装置の上部斜視図である。
図8】本発明のさらに別の代表的な実施形態によるニューロパシー検出装置の上部斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本発明は、特定の実施形態を参照して例示及び説明されているが、本発明は示された細部に限定されるものではない。逆に、本発明の範囲から逸脱することなく、開示内容の同等物の範囲の中で、種々の修正例を詳細に作ることができる。本発明は、添付された図面と関連して読めば、下記の詳細な説明から最も良く理解される。これらの図面は、例示する目的のために選択された本発明の代表的な実施形態を示している。本発明は、図面を参照して例示されるであろう。そのような図面は限定することではなく例示することを意図しており、これと共に、本発明の説明を容易にすることが含まれている。
【0007】
図1図4を参照すると、患者のニューロパシーを診断するために使用されるニューロパシー検出装置100(「装置100」)が示されている。ニューロパシーは、糖尿病や勃起障害のような医療問題がある患者に多く見られる。装置100は、本体101の一方の端部に配置された露出した中性温度面102及び露出した可変温度面104、並びに本体101の反対側の端部から外側に延びる露出した振動面106を含む本体101を備えている。フィラメント108が、本体101から外側に延びている。このフィラメント108は、ナイロン・ワイヤーなどの単一フィラメントとすることができる。
【0008】
例えば医師などの医療専門家は、表面102、104、106及び/又はフィラメント108で患者の皮膚の様々な位置に接触することによって、患者に対して装置100を使用する。これらの接触に対する患者の反応により、医師は患者のニューロパシーの程度を知ることができ、このことは次に、医師が患者を診断するのを支援する又は可能にすることができる。
【0009】
2つの別個の動作モードが装置100に与えられる、すなわち、温度(表面102、104を使用)及び振動(表面106を使用)、並びに触覚試験(フィラメント108を使用)である。各モードはいつでも使用されうる、またオペレータは2つのモード及び/又は触覚試験の間を前後に切り換えることができる。制御部及び表示器が本体101に組み込まれて、オペレータが表面102、104、106を制御できるようにされ、またオペレータに対して表面102、104、106の動作パラメータが表示される。図4及び図5に示されているように、マイクロプロセッサ107などのコントローラが、表面102、104、106の動作を制御するために使用される。
【0010】
患者の皮膚上の様々な位置において、中性温度面102と可変温度面104との間の差を見分ける患者の能力により、ニューロパシーの程度が医師に表示される。特に、図1、2及び4を参照すると、代表的な実施形態では、中性温度面102及び可変温度面104は両方とも全体的に正方形で平坦な、辺が約1.5から2cmのパッドである。
【0011】
可変温度面104は、中性温度面102と可変温度面104との間の温度差が最大約10℃変化するように、オペレータによって独立して制御されることができる。代表的な実施形態では、中性温度面102は、コントローラ107によって約25℃に設定されうる。可変温度面104は、約15℃と約25℃との間の温度の間で2℃の増分で変化されうる。この代表的な実施形態では、可変温度面104の温度は中性温度面102の温度よりも低く設定されることができる一方で、可変温度面104の温度は中性温度面102の温度よりも高く設定されることができることは、当業者は理解されるであろう。
【0012】
パワー・インジケータLED110は、電源が装置100に与えられると点灯する。温度モード・ボタン111は押されると、温度モードを始動させて、電力をヒート面102、104に与えることができる。中性温度面102は、例えば25℃というように固定温度に給電され、また可変温度面104は、例えば2℃刻みというように、可変温度で給電される。オペレータは、インクリメント・ボタン112、113を用いて、可変温度面104の温度を制御することができる。表面102、104を指しているインクリメント・ボタン112のどちら側の矢印114も、インクリメント・ボタン112の動作が中性温度面102と可変温度面104との間の温度差が増加することを示し、一方表面102、104から離れる方向を指しているインクリメント・ボタン113のどちら側の矢印115も、インクリメント・ボタン113の動作が中性温度面102と可変温度面104との間の温度差が減少することを示している。LED棒グラフ116は、中性温度面102と可変温度面104との間の温度オフセットを表示する。「オフ」ボタン119は、装置100をオフに切り換える。
【0013】
表面102、104上の温度変動は、「ペルチエ素子」として周知の標準的な固体の熱電気素子によって作られる。図6に示されているように、「固定ペルチエ」と名付けられたペルチエ素子120は中性温度面102(図1に示されている)を制御し、一方「可変ペルチエ」と名付けられたペルチエ素子122は、可変温度面104(図1に示されている)を制御する。
【0014】
ペルチエ素子は、本質的には可動部分がない固体のヒートポンプである。DC電圧が装置に印加されて、これで熱を一方の側から他方に移動させる。この熱移動により、一方の側の見掛けの冷却と他方の側の加熱が引き起こされる。表面102、104に使用された具体例としてのペルチエ素子は、約1.25cmの正方形で厚さが約0.25cmとすることができる。ペルチエ素子内の熱移動の方向は、その装置に印加されたDC電流の極性を単に反転することによって、逆転されうる。ペルチエ素子に印加される電流のレベルと極性を積極的に制御することによって、一定の温度を維持することができる。
【0015】
装置100の代表的な実施形態の中で使用されるペルチエ素子120、122は、全く同じにすることができる。各ペルチエ素子120、122は、それぞれ別個の二重H形ブリッジ124、126によって給電される。H形ブリッジは、極性を反転するようにその出力部に指示できる2つの出力部を有している。このH形ブリッジは、「オン」又は「オフ」のいずれかであり、このことは、H形ブリッジが全電力をペルチエに与える又は全く与えないのどちらかであることを意味している。種々のヒートポンプ・レベル(及びこれにより、表面102、104上で測定された温度)に設定する必要があるため、コントローラ107はH形ブリッジ124、126に対する電流レベルを変化する。これは、「オン」及び次に「オフ」の反復信号を与えるパルス幅変調(PWM)によって行われることができる。「オフ」対「オン」の相対時間は、平均して、各ペルチエ素子120、122に与える電力を設定し、またこれにより、それぞれ表面102、104における温度を設定する。
【0016】
各表面102、104は、それぞれ温度センサ128、130を備えている。この温度センサは、それぞれアナログ−ディジタル変換器(A/D)132、134を介してマイクロコントローラ107にフィードバックを行う。
【0017】
患者の皮膚上の様々な位置で振動を見分ける(discern)患者の能力により、ニューロパシーの程度が医師に表示される。特に、図1、3及び4を参照すると、振動面106が本体101から外側に延長し、また全体的に円筒形であり、半球形の端部を有している。振動面106は、周波数は一定であるが振幅は可変で前後に振動するように制御される。代表的な実施形態では、振動面106は約120Hzの周波数で振動するが、他の周波数も考えられる。振動面106の振動の振幅は、全振幅の約100%と約20%の間で変動する。LED棒グラフ118は、最大利用可能振幅に対する振動振幅の百分率を表示する。代表的な実施形態では、振幅は20パーセント刻み(最大振幅の100、80、60、40、又は20パーセント)で調整されることができるが、他の増分も使用できることは当業者は理解するであろう。
【0018】
図5に例示されているように、代表的な実施形態では、振動面106に対する振動は、マグネットを移動させる磁気コイル(マグネット105として集合的に示されている)によって行われる。このマグネット105は、振動面106に結合される。マイクロコントローラ107からのコイルに対する信号は、一定の周波数である。マイクロコントローラ107からの低電力信号は、単純な演算増幅器136(図6に概略的に示されている)及びトランジスタ(図示せず)を用いて増幅されうる。振動の振幅はまた、マイクロコントローラ107によって制御される。振動面106を振動させるための代表的な機構が示されているが、他の機構も使用できることは当業者は理解されよう。
【0019】
図1及び図4を参照すると、インクリメント・ボタン112、113は、振動振幅を要望どおりに上下に調整するために使用されうる。インクリメント・ボタン113は振動振幅を増加させ、一方インクリメント・ボタン112は振動振幅を減少させる。「オフ」ボタン119は、装置100をオフに切り換える。
【0020】
希望すれば、図5に例示されているように、振動面106は圧力センサ140を組み込むことができる。この圧力センサ140は、ロードセル160を備えることができる。このロードセル160は、コントローラ107内で負荷感知用電子部品162に電気的に接続され、そして十分な圧力が患者の皮膚に装置100によって加えられたときに表示を行う。この表示は、患者が振動面106からの振動を感知できるようにするために、装置100が十分な力で患者の皮膚に加えられていることをユーザに示すために、例えば電子音などの可聴表示、例えば光などの視覚表示、又は他の適当な種類の表示とすることができる。患者に加えられた圧力が患者がその振動を感知できるのに十分である間は、インジケータは点灯する。
【0021】
ロードセル160はマグネット105に接続され、かつマグネット105と振動面106との間に配置されている。必要に応じて、図5に例示されているように、機械的延長部164がロードセル160を振動面106に結合する。
【0022】
図6の制御図を参照すると、マイクロコントローラ107は、表面102、104の温度及び振動面106の振動を制御するように使用されることができる。このマイクロコントローラ107は本体101内に配置され、16個のディジタル入出力部を有する8ビットの工業用プロセッサとすることができる。関連するプリント基板121(図4に示されている)は、回路を備えているだけではなく、LED116、118及びボタン110、111、112、113、117、119を適切にレイアウト及び実装している。
【0023】
図2及び図3を参照すると、フィラメント108は接触感覚試験を提供する。代表的な実施形態では、装置100の触覚面は、自由端108aを有する、フィラメント108用の標準的なモノフィラメント・ナイロン・ワイヤーを使用している。これは、患者の触覚感度を調査するために使用される。不使用時に保護するために、フィラメント108は本体101の外側に配置され、またオペレータによっていつでも枢動端部108bの周りに容易に枢動されることができる。別の方法では、図示はしていないが、フィラメント108は本体101の中に収納され、必要な場合、本体101から引き出される。使用後は、フィラメント108は、収納のために本体101の中に押し戻される。
【0024】
代表的な実施形態では、装置100は標準的な交流110ボルトで給電され、トランスを介して直流6ボルトまで降圧される。装置の内部には、5ボルト・レギュレータが設けられて、装置100内のディジタル部品に電圧を供給することができる。
【0025】
電力は、電気コード150を経由して装置100に供給され、この電気コード150は図1図4の中に部分的に示されている。別の方法では、装置100は、装置100の本体101の中に組み込まれたバッテリー(充電可能又は使い捨てタイプ)によって給電されうる。
【0026】
本体101は図1図4では全体的に長方形の筐体として例示されているが、これに限定されることないが、円筒形を含む他の形状とすることもできることは、当業者は理解されよう。
【0027】
装置100は、必要に応じて、試験の間に得られたデータを記録するように使用されることができる。第1の実施形態では、装置100は自身の中には記憶容量を持たないが、データをマイクロコントローラ107から無線周波数又は他の適当な送信手段を介して、例えばパーソナル・コンピュータ/ラップトップ・コンピュータなどの記憶装置に送信する。患者のプロフィールは前もって記憶装置上に呼び出されており、装置100から送信されたデータは患者のファイルに自動的に送信される。装置100から送信された情報は、装置100が発生した最大/最小温度及び/又は振動振幅を含むことができる。
【0028】
別の方法では、装置100は、マイクロコントローラ107の中に又はマイクロコントローラ107に接続されたメモリ、及び情報を受信/送信する能力を有することができる。装置100は、パーソナル・コンピュータ/ラップトップ・コンピュータから装置100にアップロードされた患者情報を受信することができる。装置100は、患者情報を表示する、例えばLCD又はLEDスクリーンなどのインジケータを備えることができ、このため、オペレータは正しい患者情報が装置100にダウンロードされたことを知ることができる。装置100が動作している間に得られたデータは次に、患者情報と対応付けられる。このデータは、特定の患者に関する全てのデータが得られた後、又は例えば、作業日の終わりなどに何人かの別の患者に使用した後でも、直ちにパーソナル・コンピュータ/ラップトップ・コンピュータに送り戻されることができる。当業者は、装置100と他の装置との間でデータを記憶及び送信するために周知の方法が使用されうることは理解されよう。
【0029】
さらに、装置100が、装置を再充電ステーション(図示せず)に挿入することによって再充電される、再充電可能形バッテリーで電力が供給される場合、この再充電ステーションは、装置100からのデータを記憶装置にダウンロードするために装置100と連結するポートを備えることができる。
【0030】
装置100を動作させるために、オペレータは、温度モード・ボタン111又は手動モード・ボタン117のどちらかを押すことによって、装置100をオンに切り換える。オペレータは、温度モードと振動モードとの間を切り換えるために、どちらかのモード・ボタンをいつでも押すことができる。
【0031】
エネルギー(また、バッテリーが使用される場合はバッテリー電力)を節約するために、装置100はボタンが押されない場合は、30秒後にそのままでタイムアウトする。インクリメント・ボタン112、113を用いて何らかの調整をすると、新規の30秒の期間がタイムアウト機構に加えられる。オペレータは、適当なモード・ボタン111、117を単に押すだけで、別の30秒を加えることができる。装置100がタイムアウトする前に装置100をシャットダウンするために、「オフ」ボタン119はいつでも押されることができる。
【0032】
装置100の電源が最初にオンされるとき、装置100はデフォルトで、可変温度面104を中性温度面102から2℃オフセットを取るように設定する。オペレータは、いつでもインクリメント・ボタン112、113を使用して、このオフセットを調整できる。LED棒グラフ116は、現在どのオフセットが装置100によって提供されているかをオペレータに示す。適切な温度を得る上でわずかな遅延が存在する。LED棒グラフ116はこの状態を、表面102、104が望ましい温度にもたらされるまで、点滅によって示す。LED棒グラフ116は、表面102、104が望ましい温度になると、点灯した状態を維持する。オペレータは、患者の反応によって決定されるさらに試験を行う必要性に基づいて、装置100をあらかじめプログラムされたオフセットのどちらかに自由に調整することができる。装置100は、例えば60秒というような任意の時間内にボタンが押されない場合は、自動的に電源を切るようにプログラムされうる。
【0033】
オペレータが温度モードを最初に動作することを望む場合、オペレータは温度モード・ボタン111を押す。装置100は、両方の温度面102、104を適切に加熱又は冷却することを開始する。装置100は常に、中性温度面102を25℃に留まるようにする。オペレータが別の動作を行わない場合は、装置100は可変温度パッド104を中性温度面102の温度よりも2℃低く設定しようとする。LED棒グラフ116は、装置100が適切な温度を得るように動作する間は、「−2」で点滅し、そして両方の表面102、104が適切な温度に到達する(すなわち、表面102、104間の2℃の温度差)と、点滅動作が停止して定常になる。インクリメント・ボタン112、113は、温度差を増加又は減少するために使用されうる。望ましいオフセット内の各変化により、LED棒グラフ116は、新しい差を示すように移動する。LED棒グラフ116上の対応するLEDは、装置100が新しい温度の目標を達成するために動作している間は点滅し、また適切な温度に到達すると、点滅を止めて定常になる。
【0034】
LED棒グラフ116が定常状態で照射しているとき、次にオペレータは、患者の皮膚面上の領域に表面102,104を同時に当てる。オペレータは、次に、患者が表面102と104との間の温度オフセットを感じることができるかどうかに基づいて、患者のフィードバックを要求する。このオフセットは、最初は最小値(例えば、2℃)に設定し、次に、より大きなオフセット値に増加することができる。代表的な実施形態では、各インクリメントにより、可変面104は2℃低く設定される。患者がオフセットを感じることができると報告すると、ここでオペレータは、その特定の身体部分に対する患者の温度オフセット検出レベルを知ることができる。
【0035】
温度試験に加えて、オペレータは振動検査も行うことができる。オペレータは振動モード・ボタン117を押して振動モードを始動させ、振動面106を120Hz、振動面106の振幅の100%で振動させる。オペレータはインクリメント・ボタン112、113を使用して、振動振幅を要望どおりに下又は上に調整することができる。インクリメント・ボタン113は振動振幅を増加させ、一方、インクリメント・ボタン112は振動振幅を減少させる。温度モードに関連して前述したように、装置100は、追加の入力操作が与えられない場合は、30秒後に電源をオフにする。インクリメント・ボタン112、113を経由する振幅に関するどのような調整も、30秒のクロックをリセットする。
【0036】
オペレータは、振幅面106の端部106aを患者の身体上の関心領域に接触する。ロードセル160は、信号を負荷感知電子部品162に送信し、この電子部品162は信号(例えば、光、可聴音、など)をオペレータに伝えて、振動面106が患者に十分な力で結合していることをオペレータら知らせる。振動面が振動すると、患者は反応して、振動を感じることができるかどうかを伝えることができる。次に、オペレータは振動の振幅を減少して、患者の検出に関するしきい値限界がどこにあるかを見分けるために、さらに患者のフィードバックを得る。オペレータは、振幅をほぼ瞬時に変化させて、要望どおりに振動振幅を上下に自由に動かすことができる。
【0037】
オペレータは、触覚検査も行うことができる。枢動端部108bの周りにフィラメント108を回転することによって、フィラメント108を本体101から離して、フィラメント108の自由端108aを本体101から延長することができる。この自由端108aは、患者の皮膚の中に軽く押されて、フィラメント108が皮膚の中に押される患者の感覚を判定することができる。
【0038】
装置100を用いて温度、振動、及び触覚の順序で動作することが上記で説明されているが、装置100が任意の他の適当な順序及び任意の試験の組合せの中で使用されうることは、当業者は理解されよう。
【0039】
本発明による装置200、300の別の実施形態が、それぞれ図7及び図8で例示されている。装置200、300は、温度面をそれぞれ本体201、301の対向する両側に搭載している。図7及び図8では、中性面202、302だけが示されており、示されていない可変温度面は、それぞれ本体201、301の下側に配置されている。装置200では、中性面202は本体201と同一平面上にあるが、装置300では、中性面302は本体301から外側に延長している。
【0040】
本発明は本願で特定の実施形態を参照して例示及び説明されたが、本発明は示された細部に限定されることはない。逆に、種々の変更例を、請求項の同等物の範囲の中で、また本発明から逸脱することなく作ることができる。例えば、装置100は、3個以上の温度面を備えることができる。別の方法では、又はそれに加えて、装置100は2個以上の振動面を有し、それぞれの振動面は別の振幅及び/又は周波数で動作することができ、又は患者と接触する表面積の大きさを変える様々な形状を有することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8