【実施例】
【0049】
以下、本発明の例について説明する。
<触媒C1の製造>
排ガス浄化用触媒を以下の方法により製造した。
酸化ジルコニウム(ZrO
2)換算濃度で10質量%のジルコニウムを含んだ475gのオキシ硝酸ジルコニウム溶液と、酸化セリウム(CeO
2)換算濃度で20質量%のセリウムを含んだ171gの硝酸セリウム溶液と、酸化イットリウム(Y
2O
3)換算濃度で10質量%のイットリウムを含んだ30gの硝酸イットリウム溶液とを1300mLのイオン交換水に添加した。この混合液を十分に攪拌しながら、これに濃度が20質量%の水酸化カリウム水溶液をpH値が12になるまで室温下で添加して、共沈を生じさせた。
【0050】
この共沈物を含んだ混合液を70℃で60分間に亘って攪拌した後、この混合液を十分に攪拌しながら、これに炭酸バリウム(BaCO
3)換算濃度で5質量%のバリウムを含んだ287.4gの含バリウム溶液と、5質量%の濃度でパラジウムを含んだ20gの硝酸パラジウム溶液とを添加して、共沈を生じさせた。なお、含バリウム溶液は、バリウムメトキシエチレートをトルエンに溶解させることにより得られたものである。
【0051】
次いで、得られた共沈物を濾過によって溶液から分離し、これを純水で洗浄した。この共沈物を110℃で乾燥させた後、大気中、700℃で5時間に亘って焼成して、粉末状の焼成品を得た。
【0052】
その後、焼成品を圧縮成形し、この成形品を粒径が0.5mm乃至1.0mmのペレットへと粉砕した。以上のようにして、排ガス浄化用触媒としてペレット触媒を得た。以下、このペレット触媒を「触媒C1」と呼ぶ。
【0053】
<触媒C2の製造>
排ガス浄化用触媒を以下の方法により製造した。
酸化ジルコニウム(ZrO
2)換算濃度で10質量%のジルコニウムを含んだ459gのオキシ硝酸ジルコニウム溶液と、酸化セリウム(CeO
2)換算濃度で20質量%のセリウムを含んだ165gの硝酸セリウム溶液と、酸化イットリウム(Y
2O
3)換算濃度で10質量%のイットリウムを含んだ30gの硝酸イットリウム溶液とを1300mLのイオン交換水に添加した。この混合液を十分に攪拌しながら、これに濃度が20質量%の水酸化カリウム水溶液をpH値が12になるまで室温下で添加して、共沈を生じさせた。
【0054】
この共沈物を含んだ混合液を70℃で60分間に亘って攪拌した後、この混合液を十分に攪拌しながら、これに5質量%の濃度でパラジウムを含んだ20gの硝酸パラジウム溶液を添加して、共沈を生じさせた。
【0055】
次いで、この共沈物を含んだ混合液に、0.05μmの平均粒径を有している17gの硫酸バリウム粉末と10gのクエン酸とを添加した。これを十分に攪拌した後、共沈物を濾過によって溶液から分離し、これを純水で洗浄した。この共沈物を110℃で乾燥させた後、大気中、700℃で5時間に亘って焼成して、粉末状の焼成品を得た。
【0056】
その後、焼成品を圧縮成形し、この成形品を粒径が0.5mm乃至1.0mmのペレットへと粉砕した。以上のようにして、排ガス浄化用触媒としてペレット触媒を得た。以下、このペレット触媒を「触媒C2」と呼ぶ。
【0057】
<触媒C3の製造>
排ガス浄化用触媒を以下の方法により製造した。
酸化ジルコニウム(ZrO
2)換算濃度で10質量%のジルコニウムを含んだ459gのオキシ硝酸ジルコニウム溶液と、酸化セリウム(CeO
2)換算濃度で20質量%のセリウムを含んだ165gの硝酸セリウム溶液と、酸化イットリウム(Y
2O
3)換算濃度で10質量%のイットリウムを含んだ30gの硝酸イットリウム溶液とを1300mLのイオン交換水に添加した。この混合液を十分に攪拌しながら、これに濃度が20質量%の水酸化カリウム水溶液をpH値が12になるまで室温下で添加して、共沈を生じさせた。
【0058】
この共沈物を含んだ混合液を70℃で60分間に亘って攪拌した後、この混合液を十分に攪拌しながら、これに5質量%の濃度でパラジウムを含んだ20gの硝酸パラジウム溶液を添加して、沈殿を生じさせた。
【0059】
次いで、得られた沈殿物を濾過によって溶液から分離し、これを、600mLのトルエンと10gのラウリン酸と0.3gのトリフルオロ酢酸とを含んだ混合液中に分散させた。更に、この混合液に、11.2gの酸化バリウムと10.4gの硫酸ナトリウム(Na
2SO
4)を含んだ水溶液とをこの順に添加し、この混合液を65℃で24時間に亘って攪拌することにより沈殿物を得た。
【0060】
次に、得られた沈殿物を濾過によって溶液から分離し、これを純水で洗浄した。この沈殿物を110℃で乾燥させた後、大気中、700℃で5時間に亘って焼成して、粉末状の焼成品を得た。
【0061】
その後、焼成品を圧縮成形し、この成形品を粒径が0.5mm乃至1.0mmのペレットへと粉砕した。以上のようにして、排ガス浄化用触媒としてペレット触媒を得た。以下、このペレット触媒を「触媒C3」と呼ぶ。
【0062】
<触媒C4の製造>
5質量%の濃度でパラジウムを含んだ20gの硝酸パラジウム溶液の代わりに、5質量%の濃度でパラジウムを含んだ19.80gの硝酸パラジウム溶液と、5質量%の濃度で白金を含んだ0.20gのジニトロジアミン白金硝酸溶液との混合溶液を使用したこと以外は、触媒C3について説明したのと同様の方法によりペレット触媒を製造した。以下、このペレット触媒を「触媒C4」と呼ぶ。
【0063】
<触媒C5の製造>
5質量%の濃度でパラジウムを含んだ20gの硝酸パラジウム溶液の代わりに、5質量%の濃度でパラジウムを含んだ19.75gの硝酸パラジウム溶液と、5質量%の濃度で白金を含んだ0.25gのジニトロジアミン白金硝酸溶液との混合溶液を使用したこと以外は、触媒C3について説明したのと同様の方法によりペレット触媒を製造した。以下、このペレット触媒を「触媒C5」と呼ぶ。
【0064】
<触媒C6の製造>
5質量%の濃度でパラジウムを含んだ20gの硝酸パラジウム溶液の代わりに、5質量%の濃度でパラジウムを含んだ19.51gの硝酸パラジウム溶液と、5質量%の濃度で白金を含んだ0.49gのジニトロジアミン白金硝酸溶液との混合溶液を使用したこと以外は、触媒C3について説明したのと同様の方法によりペレット触媒を製造した。以下、このペレット触媒を「触媒C6」と呼ぶ。
【0065】
<触媒C7の製造>
5質量%の濃度でパラジウムを含んだ20gの硝酸パラジウム溶液の代わりに、5質量%の濃度でパラジウムを含んだ19.05gの硝酸パラジウム溶液と、5質量%の濃度で白金を含んだ0.95gのジニトロジアミン白金硝酸溶液との混合溶液を使用したこと以外は、触媒C3について説明したのと同様の方法によりペレット触媒を製造した。以下、このペレット触媒を「触媒C7」と呼ぶ。
【0066】
<触媒C8の製造>
5質量%の濃度でパラジウムを含んだ20gの硝酸パラジウム溶液の代わりに、5質量%の濃度でパラジウムを含んだ18.18gの硝酸パラジウム溶液と、5質量%の濃度で白金を含んだ1.82gのジニトロジアミン白金硝酸溶液との混合溶液を使用したこと以外は、触媒C3について説明したのと同様の方法によりペレット触媒を製造した。以下、このペレット触媒を「触媒C8」と呼ぶ。
【0067】
<触媒C9の製造>
5質量%の濃度でパラジウムを含んだ20gの硝酸パラジウム溶液の代わりに、5質量%の濃度でパラジウムを含んだ13.33gの硝酸パラジウム溶液と、5質量%の濃度で白金を含んだ6.67gのジニトロジアミン白金硝酸溶液との混合溶液を使用したこと以外は、触媒C3について説明したのと同様の方法によりペレット触媒を製造した。以下、このペレット触媒を「触媒C9」と呼ぶ。
【0068】
<触媒C10の製造>
5質量%の濃度でパラジウムを含んだ20gの硝酸パラジウム溶液の代わりに、5質量%の濃度でパラジウムを含んだ10gの硝酸パラジウム溶液と、5質量%の濃度で白金を含んだ10gのジニトロジアミン白金硝酸溶液との混合溶液を使用したこと以外は、触媒C3について説明したのと同様の方法によりペレット触媒を製造した。以下、このペレット触媒を「触媒C10」と呼ぶ。
【0069】
<触媒C11の製造>
5質量%の濃度でパラジウムを含んだ20gの硝酸パラジウム溶液の代わりに、5質量%の濃度で白金を含んだ20gのジニトロジアミン白金硝酸溶液を使用したこと以外は、触媒C3について説明したのと同様の方法によりペレット触媒を製造した。以下、このペレット触媒を「触媒C11」と呼ぶ。
【0070】
<触媒C12の製造>
5質量%の濃度でパラジウムを含んだ20gの硝酸パラジウム溶液の代わりに、5質量%の濃度でロジウムを含んだ20gの硝酸ロジウム溶液を使用したこと以外は、触媒C3について説明したのと同様の方法によりペレット触媒を製造した。以下、このペレット触媒を「触媒C12」と呼ぶ。
【0071】
<触媒C13の製造>
排ガス浄化用触媒を以下の方法により製造した。
酸化ジルコニウム(ZrO
2)換算濃度で10質量%のジルコニウムを含んだ459gのオキシ硝酸ジルコニウム溶液と、酸化セリウム(CeO
2)換算濃度で20質量%のセリウムを含んだ165gの硝酸セリウム溶液と、酸化イットリウム(Y
2O
3)換算濃度で10質量%のイットリウムを含んだ30gの硝酸イットリウム溶液とを1300mLのイオン交換水に添加した。この混合液を十分に攪拌しながら、これに濃度が20質量%の水酸化カリウム水溶液をpH値が12になるまで室温下で添加して、共沈を生じさせた。
【0072】
この共沈物を含んだ混合液を70℃で60分間に亘って攪拌した後、この混合液を十分に攪拌しながら、これに5質量%の濃度でパラジウムを含んだ20gの硝酸パラジウム溶液を添加して、沈殿を生じさせた。
【0073】
次いで、得られた沈殿物を濾過によって溶液から分離し、これを純水で洗浄した。この沈殿物を110℃で乾燥させた後、大気中、700℃で5時間に亘って焼成して、粉末状の焼成品を得た。
【0074】
次に、この粉末を、600mLのトルエンと10gのラウリン酸と0.3gのトリフルオロ酢酸とを含んだ混合液中に分散させた。更に、この混合液に、11.2gの酸化バリウムと10.4gの硫酸ナトリウム(Na
2SO
4)を含んだ水溶液とをこの順に添加し、この混合液を65℃で24時間に亘って攪拌することにより沈殿物を得た。
【0075】
次に、得られた沈殿物を濾過によって溶液から分離し、これを純水で洗浄した。この沈殿物を110℃で乾燥させた後、大気中、700℃で5時間に亘って焼成して、粉末状の焼成品を得た。
【0076】
その後、焼成品を圧縮成形し、この成形品を粒径が0.5mm乃至1.0mmのペレットへと粉砕した。以上のようにして、排ガス浄化用触媒としてペレット触媒を得た。以下、このペレット触媒を「触媒C13」と呼ぶ。
【0077】
<触媒C14の製造>
排ガス浄化用触媒を以下の方法により製造した。
酸化ジルコニウム(ZrO
2)換算濃度で10質量%のジルコニウムを含んだ459gのオキシ硝酸ジルコニウム溶液と、酸化セリウム(CeO
2)換算濃度で20質量%のセリウムを含んだ165gの硝酸セリウム溶液と、酸化イットリウム(Y
2O
3)換算濃度で10質量%のイットリウムを含んだ30gの硝酸イットリウム溶液とを1300mLのイオン交換水に添加した。この混合液を十分に攪拌しながら、これに濃度が20質量%の水酸化カリウム水溶液をpH値が12になるまで室温下で添加して、共沈を生じさせた。
【0078】
次いで、得られた共沈物を濾過によって溶液から分離し、これを、600mLのトルエンと10gのラウリン酸と0.3gのトリフルオロ酢酸とを含んだ混合液中に分散させた。更に、この混合液に、11.2gの酸化バリウムと10.4gの硫酸ナトリウム(Na
2SO
4)を含んだ水溶液とをこの順に添加し、この混合液を65℃で24時間に亘って攪拌することにより沈殿物を得た。
【0079】
次に、得られた沈殿物を濾過によって溶液から分離し、これを純水で洗浄した。この沈殿物を110℃で乾燥させた後、大気中、700℃で5時間に亘って焼成して、粉末状の焼成品を得た。
【0080】
次に、この粉末を500mLのイオン交換水中に分散させ、この分散液に5質量%の濃度でパラジウムを含んだ20gの硝酸パラジウム溶液を添加した。これにより、分散液中の粉末にパラジウムを吸着させた。この分散液を吸引濾過し、濾液を誘導結合高周波プラズマ(ICP)分光分析に供した。その結果、分散液中のパラジウムの全てが濾過ケーク中に存在していることが分かった。
【0081】
次に、濾過ケークを110℃で乾燥させた。続いて、これを、大気中、700℃で5時間焼成して、粉末状の焼成品を得た。
【0082】
その後、焼成品を圧縮成形し、この成形品を粒径が0.5mm乃至1.0mmのペレットへと粉砕した。以上のようにして、排ガス浄化用触媒としてペレット触媒を得た。以下、このペレット触媒を「触媒C14」と呼ぶ。
【0083】
<触媒C15の製造>
排ガス浄化用触媒を以下の方法により製造した。
酸化ジルコニウム(ZrO
2)換算濃度で10質量%のジルコニウムを含んだ459gのオキシ硝酸ジルコニウム溶液と、酸化セリウム(CeO
2)換算濃度で20質量%のセリウムを含んだ165gの硝酸セリウム溶液と、酸化イットリウム(Y
2O
3)換算濃度で10質量%のイットリウムを含んだ30gの硝酸イットリウム溶液とを1300mLのイオン交換水に添加した。この混合液を十分に攪拌しながら、これに濃度が20質量%の水酸化カリウム水溶液をpH値が12になるまで室温下で添加して、共沈を生じさせた。
【0084】
この共沈物を含んだ混合液を70℃で60分間に亘って攪拌した後、得られた共沈物を濾過によって溶液から分離し、これを純水で洗浄した。この共沈物を110℃で乾燥させた後、大気中、700℃で5時間に亘って焼成して、粉末状の焼成品を得た。
【0085】
次に、この粉末を500mLのイオン交換水中に分散させ、この分散液に5質量%の濃度でパラジウムを含んだ20gの硝酸パラジウム溶液を添加した。これにより、分散液中の粉末にパラジウムを吸着させた。
【0086】
次いで、パラジウムを吸着させた粉末を濾過によって溶液から分離し、これを、600mLのトルエンと10gのラウリン酸と0.3gのトリフルオロ酢酸とを含んだ混合液中に分散させた。更に、この混合液に、11.2gの酸化バリウムと10.4gの硫酸ナトリウム(Na
2SO
4)を含んだ水溶液とをこの順に添加し、この混合液を65℃で24時間に亘って攪拌することにより沈殿物を得た。
【0087】
次に、得られた沈殿物を濾過によって溶液から分離し、これを純水で洗浄した。この沈殿物を110℃で乾燥させた後、大気中、700℃で5時間に亘って焼成して、粉末状の焼成品を得た。
【0088】
その後、焼成品を圧縮成形し、この成形品を粒径が0.5mm乃至1.0mmのペレットへと粉砕した。以上のようにして、排ガス浄化用触媒としてペレット触媒を得た。以下、このペレット触媒を「触媒C15」と呼ぶ。
【0089】
<触媒C16の製造>
排ガス浄化用触媒を以下の方法により製造した。
酸化ジルコニウム(ZrO
2)換算濃度で10質量%のジルコニウムを含んだ459gのオキシ硝酸ジルコニウム溶液と、酸化セリウム(CeO
2)換算濃度で20質量%のセリウムを含んだ165gの硝酸セリウム溶液と、酸化イットリウム(Y
2O
3)換算濃度で10質量%のイットリウムを含んだ30gの硝酸イットリウム溶液と、5質量%の濃度でパラジウムを含んだ20gの硝酸パラジウム溶液とを1300mLのイオン交換水に添加した。この混合液を十分に攪拌しながら、これに濃度が20質量%の水酸化カリウム水溶液をpH値が12になるまで室温下で添加して、共沈を生じさせた。
【0090】
次いで、得られた共沈物を濾過によって溶液から分離し、これを、600mLのトルエンと10gのラウリン酸と0.3gのトリフルオロ酢酸とを含んだ混合液中に分散させた。更に、この混合液に、11.2gの酸化バリウムと10.4gの硫酸ナトリウム(Na
2SO
4)を含んだ水溶液とをこの順に添加し、この混合液を65℃で24時間に亘って攪拌することにより沈殿物を得た。
【0091】
次いで、得られた沈殿物を濾過によって溶液から分離し、これを純水で洗浄した。この沈殿物を110℃で乾燥させた後、大気中、700℃で5時間に亘って焼成して、粉末状の焼成品を得た。
【0092】
その後、焼成品を圧縮成形し、この成形品を粒径が0.5mm乃至1.0mmのペレットへと粉砕した。以上のようにして、排ガス浄化用触媒としてペレット触媒を得た。以下、このペレット触媒を「触媒C16」と呼ぶ。
【0093】
<触媒C17の製造>
排ガス浄化用触媒を以下の方法により製造した。
酸化ジルコニウム(ZrO
2)換算濃度で10質量%のジルコニウムを含んだ475gのオキシ硝酸ジルコニウム溶液と、酸化セリウム(CeO
2)換算濃度で20質量%のセリウムを含んだ171gの硝酸セリウム溶液と、酸化イットリウム(Y
2O
3)換算濃度で10質量%のイットリウムを含んだ30gの硝酸イットリウム溶液とを1300mLのイオン交換水に添加した。この混合液を十分に攪拌しながら、これに濃度が20質量%の水酸化カリウム水溶液をpH値が12になるまで室温下で添加して、共沈を生じさせた。
【0094】
この共沈物を含んだ混合液を70℃で60分間に亘って攪拌した後、この混合液を十分に攪拌しながら、これに、5質量%の濃度でパラジウムを含んだ20gの硝酸パラジウム溶液を添加して、沈殿を生じさせた。
【0095】
次いで、得られた沈殿物を濾過によって溶液から分離し、これを純水で洗浄した。この沈殿物を110℃で乾燥させた後、大気中、700℃で5時間に亘って焼成して、粉末状の焼成品を得た。
【0096】
次に、この粉末を1300mLのイオン交換水中に分散させた。更に、この分散液に、炭酸バリウム(BaCO
3)換算濃度で5質量%のバリウムを含んだ287.4gの含バリウム溶液を添加して、沈殿を生じさせた。なお、含バリウム溶液は、バリウムメトキシエチレートをトルエンに溶解させることにより得られたものである。
【0097】
次いで、得られた沈殿物を濾過によって溶液から分離し、これを純水で洗浄した。この沈殿物を110℃で乾燥させた後、大気中、700℃で5時間に亘って焼成して、粉末状の焼成品を得た。
【0098】
その後、焼成品を圧縮成形し、この成形品を粒径が0.5mm乃至1.0mmのペレットへと粉砕した。以上のようにして、排ガス浄化用触媒としてペレット触媒を得た。以下、このペレット触媒を「触媒C17」と呼ぶ。
【0099】
<触媒C18の製造>
排ガス浄化用触媒を以下の方法により製造した。
酸化ジルコニウム(ZrO
2)換算濃度で10質量%のジルコニウムを含んだ459gのオキシ硝酸ジルコニウム溶液と、酸化セリウム(CeO
2)換算濃度で20質量%のセリウムを含んだ165gの硝酸セリウム溶液と、酸化イットリウム(Y
2O
3)換算濃度で10質量%のイットリウムを含んだ30gの硝酸イットリウム溶液とを1300mLのイオン交換水に添加した。この混合液を十分に攪拌しながら、これに濃度が20質量%の水酸化カリウム水溶液をpH値が12になるまで室温下で添加して、共沈を生じさせた。
【0100】
この共沈物を含んだ混合液を70℃で60分間に亘って攪拌した後、この混合液を十分に攪拌しながら、これに5質量%の濃度でパラジウムを含んだ20gの硝酸パラジウム溶液を添加して、沈殿を生じさせた。
【0101】
次いで、得られた沈殿物を濾過によって溶液から分離し、これを純水で洗浄した。この沈殿物を110℃で乾燥させた後、大気中、700℃で5時間に亘って焼成して、粉末状の焼成品を得た。
【0102】
次に、この粉末を1300mLのイオン交換水中に分散させた。更に、この分散液に、0.05μmの平均粒径を有している17gの硫酸バリウム粉末と10gのクエン酸とを添加した。これを十分に攪拌した後、沈殿物を濾過によって溶液から分離し、これを純水で洗浄した。この沈殿物を110℃で乾燥させた後、大気中、700℃で5時間に亘って焼成して、粉末状の焼成品を得た。
【0103】
その後、焼成品を圧縮成形し、この成形品を粒径が0.5mm乃至1.0mmのペレットへと粉砕した。以上のようにして、排ガス浄化用触媒としてペレット触媒を得た。以下、このペレット触媒を「触媒C18」と呼ぶ。
【0104】
<触媒C19の製造>
オキシ硝酸ジルコニウム溶液の量を459gから558gに変更し、硝酸セリウム溶液の量を165gから201gに変更し、硫酸ナトリウムの量を10.4gから0.52gに変更し、酸化バリウムの量を11.2gから0.06gに変更したこと以外は、触媒C3について説明したのと同様の方法によりペレット触媒を製造した。以下、このペレット触媒を「触媒C19」と呼ぶ。
【0105】
<触媒C20の製造>
オキシ硝酸ジルコニウム溶液の量を459gから557gに変更し、硝酸セリウム溶液の量を165gから201gに変更し、硫酸ナトリウムの量を10.4gから1.04gに変更し、酸化バリウムの量を11.2gから0.11gに変更したこと以外は、触媒C3について説明したのと同様の方法によりペレット触媒を製造した。以下、このペレット触媒を「触媒C20」と呼ぶ。
【0106】
<触媒C21の製造>
オキシ硝酸ジルコニウム溶液の量を459gから361gに変更し、硝酸セリウム溶液の量を165gから130gに変更し、硫酸ナトリウムの量を10.4gから20.8gに変更し、酸化バリウムの量を11.2gから20.3gに変更したこと以外は、触媒C3について説明したのと同様の方法によりペレット触媒を製造した。以下、このペレット触媒を「触媒C21」と呼ぶ。
【0107】
<触媒C22の製造>
オキシ硝酸ジルコニウム溶液の量を459gから262gに変更し、硝酸セリウム溶液の量を165gから94gに変更し、硫酸ナトリウムの量を10.4gから31.2gに変更し、酸化バリウムの量を11.2gから33.5gに変更したこと以外は、触媒C3について説明したのと同様の方法によりペレット触媒を製造した。以下、このペレット触媒を「触媒C22」と呼ぶ。
【0108】
<触媒C23の製造>
オキシ硝酸ジルコニウム溶液の量を459gから212gに変更し、硝酸セリウム溶液の量を165gから76gに変更し、硫酸ナトリウムの量を10.4gから36.4gに変更し、酸化バリウムの量を11.2gから39.1gに変更したこと以外は、触媒C3について説明したのと同様の方法によりペレット触媒を製造した。以下、このペレット触媒を「触媒C23」と呼ぶ。
【0109】
<触媒C24の製造>
排ガス浄化用触媒を以下の方法により製造した。
酸化ジルコニウム(ZrO
2)換算濃度で10質量%のジルコニウムを含んだ359gのオキシ硝酸ジルコニウム溶液と、酸化セリウム(CeO
2)換算濃度で20質量%のセリウムを含んだ129gの硝酸セリウム溶液と、酸化イットリウム(Y
2O
3)換算濃度で10質量%のイットリウムを含んだ30gの硝酸イットリウム溶液とを1300mLのイオン交換水に添加した。この混合液を十分に攪拌しながら、これに濃度が20質量%の水酸化カリウム水溶液をpH値が12になるまで室温下で添加して、共沈を生じさせた。
【0110】
この共沈物を含んだ混合液を70℃で60分間に亘って攪拌した後、この混合液を十分に攪拌しながら、これに5質量%の濃度でパラジウムを含んだ20gの硝酸パラジウム溶液を添加して、沈殿を生じさせた。
【0111】
次いで、得られた沈殿物を濾過によって溶液から分離し、これを、600mLのトルエンと10gのラウリン酸と0.3gのトリフルオロ酢酸とを含んだ混合液中に分散させた。更に、この混合液に、14gの酸化カルシウムと35.7gの硫酸ナトリウム(Na
2SO
4)を含んだ水溶液とをこの順に添加し、この混合液を65℃で24時間に亘って攪拌することにより沈殿物を得た。
【0112】
次に、得られた沈殿物を濾過によって溶液から分離し、これを純水で洗浄した。この沈殿物を110℃で乾燥させた後、大気中、700℃で5時間に亘って焼成して、粉末状の焼成品を得た。
【0113】
その後、焼成品を圧縮成形し、この成形品を粒径が0.5mm乃至1.0mmのペレットへと粉砕した。以上のようにして、排ガス浄化用触媒としてペレット触媒を得た。以下、このペレット触媒を「触媒C24」と呼ぶ。
【0114】
<触媒C25の製造>
排ガス浄化用触媒を以下の方法により製造した。
酸化ジルコニウム(ZrO
2)換算濃度で10質量%のジルコニウムを含んだ359gのオキシ硝酸ジルコニウム溶液と、酸化セリウム(CeO
2)換算濃度で20質量%のセリウムを含んだ129gの硝酸セリウム溶液と、酸化イットリウム(Y
2O
3)換算濃度で10質量%のイットリウムを含んだ30gの硝酸イットリウム溶液とを1300mLのイオン交換水に添加した。この混合液を十分に攪拌しながら、これに濃度が20質量%の水酸化カリウム水溶液をpH値が12になるまで室温下で添加して、共沈を生じさせた。
【0115】
この共沈物を含んだ混合液を70℃で60分間に亘って攪拌した後、この混合液を十分に攪拌しながら、これに5質量%の濃度でパラジウムを含んだ20gの硝酸パラジウム溶液を添加して、沈殿を生じさせた。
【0116】
得られた沈殿物を濾過によって溶液から分離し、これを純水で洗浄した。この沈殿物を110℃で乾燥させた後、大気中、700℃で5時間に亘って焼成して、粉末状の焼成品を得た。
【0117】
次いで、この粉末を、600mLのトルエンと10gのラウリン酸と0.3gのトリフルオロ酢酸とを含んだ混合液中に分散させた。更に、この混合液に、14gの酸化カルシウムと35.7gの硫酸ナトリウム(Na
2SO
4)を含んだ水溶液とをこの順に添加し、この混合液を65℃で24時間に亘って攪拌することにより沈殿物を得た。
【0118】
次に、得られた沈殿物を濾過によって溶液から分離し、これを純水で洗浄した。この沈殿物を110℃で乾燥させた後、大気中、700℃で5時間に亘って焼成して、粉末状の焼成品を得た。
【0119】
その後、焼成品を圧縮成形し、この成形品を粒径が0.5mm乃至1.0mmのペレットへと粉砕した。以上のようにして、排ガス浄化用触媒としてペレット触媒を得た。以下、このペレット触媒を「触媒C25」と呼ぶ。
【0120】
<触媒C26の製造>
排ガス浄化用触媒を以下の方法により製造した。
酸化ジルコニウム(ZrO
2)換算濃度で10質量%のジルコニウムを含んだ436gのオキシ硝酸ジルコニウム溶液と、酸化セリウム(CeO
2)換算濃度で20質量%のセリウムを含んだ157gの硝酸セリウム溶液と、酸化イットリウム(Y
2O
3)換算濃度で10質量%のイットリウムを含んだ30gの硝酸イットリウム溶液とを1300mLのイオン交換水に添加した。この混合液を十分に攪拌しながら、これに濃度が20質量%の水酸化カリウム水溶液をpH値が12になるまで室温下で添加して、共沈を生じさせた。
【0121】
この共沈物を含んだ混合液を70℃で60分間に亘って攪拌した後、この混合液を十分に攪拌しながら、これに5質量%の濃度でパラジウムを含んだ20gの硝酸パラジウム溶液を添加して、沈殿を生じさせた。
【0122】
次いで、得られた沈殿物を濾過によって溶液から分離し、これを、600mLのトルエンと10gのラウリン酸と0.3gのトリフルオロ酢酸とを含んだ混合液中に分散させた。更に、この混合液に、12gの酸化ストロンチウムと16.3gの硫酸ナトリウム(Na
2SO
4)を含んだ水溶液とをこの順に添加し、この混合液を65℃で24時間に亘って攪拌することにより沈殿物を得た。
【0123】
次に、得られた沈殿物を濾過によって溶液から分離し、これを純水で洗浄した。この沈殿物を110℃で乾燥させた後、大気中、700℃で5時間に亘って焼成して、粉末状の焼成品を得た。
【0124】
その後、焼成品を圧縮成形し、この成形品を粒径が0.5mm乃至1.0mmのペレットへと粉砕した。以上のようにして、排ガス浄化用触媒としてペレット触媒を得た。以下、このペレット触媒を「触媒C26」と呼ぶ。
【0125】
<触媒C27の製造>
排ガス浄化用触媒を以下の方法により製造した。
酸化ジルコニウム(ZrO
2)換算濃度で10質量%のジルコニウムを含んだ436gのオキシ硝酸ジルコニウム溶液と、酸化セリウム(CeO
2)換算濃度で20質量%のセリウムを含んだ157gの硝酸セリウム溶液と、酸化イットリウム(Y
2O
3)換算濃度で10質量%のイットリウムを含んだ30gの硝酸イットリウム溶液とを1300mLのイオン交換水に添加した。この混合液を十分に攪拌しながら、これに濃度が20質量%の水酸化カリウム水溶液をpH値が12になるまで室温下で添加して、共沈を生じさせた。
【0126】
この共沈物を含んだ混合液を70℃で60分間に亘って攪拌した後、この混合液を十分に攪拌しながら、これに5質量%の濃度でパラジウムを含んだ20gの硝酸パラジウム溶液を添加して、沈殿を生じさせた。
【0127】
得られた沈殿物を濾過によって溶液から分離し、これを純水で洗浄した。この沈殿物を110℃で乾燥させた後、大気中、700℃で5時間に亘って焼成して、粉末状の焼成品を得た。
【0128】
次いで、この粉末を、600mLのトルエンと10gのラウリン酸と0.3gのトリフルオロ酢酸とを含んだ混合液中に分散させた。更に、この混合液に、12gの酸化ストロンチウムと16.3gの硫酸ナトリウム(Na
2SO
4)を含んだ水溶液とをこの順に添加し、この混合液を65℃で24時間に亘って攪拌することにより沈殿物を得た。
【0129】
次に、得られた沈殿物を濾過によって溶液から分離し、これを純水で洗浄した。この沈殿物を110℃で乾燥させた後、大気中、700℃で5時間に亘って焼成して、粉末状の焼成品を得た。
【0130】
その後、焼成品を圧縮成形し、この成形品を粒径が0.5mm乃至1.0mmのペレットへと粉砕した。以上のようにして、排ガス浄化用触媒としてペレット触媒を得た。以下、このペレット触媒を「触媒C27」と呼ぶ。
【0131】
<触媒C28の製造>
排ガス浄化用触媒を以下の方法により製造した。
酸化ジルコニウム(ZrO
2)換算濃度で10質量%のジルコニウムを含んだ268gのオキシ硝酸ジルコニウム溶液と、酸化セリウム(CeO
2)換算濃度で20質量%のセリウムを含んだ96.5gの硝酸セリウム溶液と、酸化イットリウム(Y
2O
3)換算濃度で10質量%のイットリウムを含んだ30gの硝酸イットリウム溶液とを1300mLのイオン交換水に添加した。この混合液を十分に攪拌しながら、これに濃度が20質量%の水酸化カリウム水溶液をpH値が12になるまで室温下で添加して、共沈を生じさせた。
【0132】
この共沈物を含んだ混合液を70℃で60分間に亘って攪拌した後、この混合液を十分に攪拌しながら、これに5質量%の濃度でパラジウムを含んだ20gの硝酸パラジウム溶液を添加して、沈殿を生じさせた。
【0133】
次いで、得られた沈殿物を濾過によって溶液から分離し、これを、600mLのトルエンと10gのラウリン酸と0.3gのトリフルオロ酢酸とを含んだ混合液中に分散させた。更に、この混合液に、16.6gの酸化マグネシウムと58.5gの硫酸ナトリウム(Na
2SO
4)を含んだ水溶液とをこの順に添加し、この混合液を65℃で24時間に亘って攪拌することにより沈殿物を得た。
【0134】
次に、得られた沈殿物を濾過によって溶液から分離し、これを純水で洗浄した。この沈殿物を110℃で乾燥させた後、大気中、700℃で5時間に亘って焼成して、粉末状の焼成品を得た。
【0135】
その後、焼成品を圧縮成形し、この成形品を粒径が0.5mm乃至1.0mmのペレットへと粉砕した。以上のようにして、排ガス浄化用触媒としてペレット触媒を得た。以下、このペレット触媒を「触媒C28」と呼ぶ。
【0136】
<触媒C29の製造>
排ガス浄化用触媒を以下の方法により製造した。
酸化ジルコニウム(ZrO
2)換算濃度で10質量%のジルコニウムを含んだ268gのオキシ硝酸ジルコニウム溶液と、酸化セリウム(CeO
2)換算濃度で20質量%のセリウムを含んだ96.5gの硝酸セリウム溶液と、酸化イットリウム(Y
2O
3)換算濃度で10質量%のイットリウムを含んだ30gの硝酸イットリウム溶液とを1300mLのイオン交換水に添加した。この混合液を十分に攪拌しながら、これに濃度が20質量%の水酸化カリウム水溶液をpH値が12になるまで室温下で添加して、共沈を生じさせた。
【0137】
この共沈物を含んだ混合液を70℃で60分間に亘って攪拌した後、この混合液を十分に攪拌しながら、これに5質量%の濃度でパラジウムを含んだ20gの硝酸パラジウム溶液を添加して、沈殿を生じさせた。
【0138】
得られた沈殿物を濾過によって溶液から分離し、これを純水で洗浄した。この沈殿物を110℃で乾燥させた後、大気中、700℃で5時間に亘って焼成して、粉末状の焼成品を得た。
【0139】
次いで、この粉末を、600mLのトルエンと10gのラウリン酸と0.3gのトリフルオロ酢酸とを含んだ混合液中に分散させた。更に、この混合液に、16.6gの酸化マグネシウムと58.5gの硫酸ナトリウム(Na
2SO
4)を含んだ水溶液とをこの順に添加し、この混合液を65℃で24時間に亘って攪拌することにより沈殿物を得た。
【0140】
次に、得られた沈殿物を濾過によって溶液から分離し、これを純水で洗浄した。この沈殿物を110℃で乾燥させた後、大気中、700℃で5時間に亘って焼成して、粉末状の焼成品を得た。
【0141】
その後、焼成品を圧縮成形し、この成形品を粒径が0.5mm乃至1.0mmのペレットへと粉砕した。以上のようにして、排ガス浄化用触媒としてペレット触媒を得た。以下、このペレット触媒を「触媒C29」と呼ぶ。
【0142】
<触媒C30の製造>
排ガス浄化用触媒を以下の方法により製造した。
酸化ジルコニウム(ZrO
2)換算濃度で10質量%のジルコニウムを含んだ442gのオキシ硝酸ジルコニウム溶液と、酸化セリウム(CeO
2)換算濃度で20質量%のセリウムを含んだ159gの硝酸セリウム溶液と、酸化イットリウム(Y
2O
3)換算濃度で10質量%のイットリウムを含んだ30gの硝酸イットリウム溶液とを1300mLのイオン交換水に添加した。この混合液を十分に攪拌しながら、これに濃度が20質量%の水酸化カリウム水溶液をpH値が12になるまで室温下で添加して、共沈を生じさせた。
【0143】
この共沈物を含んだ混合液を70℃で60分間に亘って攪拌した後、この混合液を十分に攪拌しながら、これに、5質量%の濃度でパラジウムを含んだ20gの硝酸パラジウム溶液と、酸化ランタン(La
2O
3)換算濃度で10質量%のランタンを含んだ30gの硝酸ランタン溶液とを同時に添加して、共沈を生じさせた。
【0144】
次いで、得られた共沈物を濾過によって溶液から分離し、これを、600mLのトルエンと10gのラウリン酸と0.3gのトリフルオロ酢酸とを含んだ混合液中に分散させた。更に、この混合液に、11.2gの酸化バリウムと10.4gの硫酸ナトリウム(Na
2SO
4)を含んだ水溶液とをこの順に添加し、この混合液を65℃で24時間に亘って攪拌することにより沈殿物を得た。
【0145】
次に、得られた沈殿物を濾過によって溶液から分離し、これを純水で洗浄した。この沈殿物を110℃で乾燥させた後、大気中、700℃で5時間に亘って焼成して、粉末状の焼成品を得た。
【0146】
その後、焼成品を圧縮成形し、この成形品を粒径が0.5mm乃至1.0mmのペレットへと粉砕した。以上のようにして、排ガス浄化用触媒としてペレット触媒を得た。以下、このペレット触媒を「触媒C30」と呼ぶ。
【0147】
<触媒C31の製造>
排ガス浄化用触媒を以下の方法により製造した。
酸化ジルコニウム(ZrO
2)換算濃度で10質量%のジルコニウムを含んだ442gのオキシ硝酸ジルコニウム溶液と、酸化セリウム(CeO
2)換算濃度で20質量%のセリウムを含んだ159gの硝酸セリウム溶液と、酸化イットリウム(Y
2O
3)換算濃度で10質量%のイットリウムを含んだ30gの硝酸イットリウム溶液とを1300mLのイオン交換水に添加した。この混合液を十分に攪拌しながら、これに濃度が20質量%の水酸化カリウム水溶液をpH値が12になるまで室温下で添加して、共沈を生じさせた。
【0148】
この共沈物を含んだ混合液を70℃で60分間に亘って攪拌した後、この混合液を十分に攪拌しながら、これに、5質量%の濃度でパラジウムを含んだ20gの硝酸パラジウム溶液と、酸化ランタン(La
2O
3)換算濃度で10質量%のランタンを含んだ30gの硝酸ランタン溶液とを同時に添加して、共沈を生じさせた。
【0149】
得られた共沈物を濾過によって溶液から分離し、これを純水で洗浄した。この共沈物を110℃で乾燥させた後、大気中、700℃で5時間に亘って焼成して、粉末状の焼成品を得た。
【0150】
次いで、この粉末を、600mLのトルエンと10gのラウリン酸と0.3gのトリフルオロ酢酸とを含んだ混合液中に分散させた。更に、この混合液に、11.2gの酸化バリウムと10.4gの硫酸ナトリウム(Na
2SO
4)を含んだ水溶液とをこの順に添加し、この混合液を65℃で24時間に亘って攪拌することにより沈殿物を得た。
【0151】
次に、得られた沈殿物を濾過によって溶液から分離し、これを純水で洗浄した。この沈殿物を110℃で乾燥させた後、大気中、700℃で5時間に亘って焼成して、粉末状の焼成品を得た。
【0152】
その後、焼成品を圧縮成形し、この成形品を粒径が0.5mm乃至1.0mmのペレットへと粉砕した。以上のようにして、排ガス浄化用触媒としてペレット触媒を得た。以下、このペレット触媒を「触媒C31」と呼ぶ。
【0153】
<分散性評価>
触媒C1乃至C31の各々について、エネルギー分散型X線分光法、具体的にはFE−SEM−EDX(field emission-scanning electron microscope-energy dispersive X-ray analysis)を用いた線分析を500nmの長さに亘って行った。これら線分析には、日立ハイテクノロジーズ社製の超高分解能電界放出形走査電子顕微鏡S−4800を使用した。
【0154】
そして、セリウムについて得られた特性X線強度のスペクトルと貴金属元素の各々について得られた特性X線強度のスペクトルとの相関係数σ(Ce,PM)を、下記等式(3)に従って算出した。また、セリウムについて得られた特性X線強度のスペクトルとアルカリ土類金属元素の各々について得られた特性X線強度のスペクトルとの相関係数σ(Ce,AE)を、下記等式(4)に従って算出した。更に、アルカリ土類金属元素の各々について得られた特性X線強度のスペクトルと貴金属元素の各々について得られた特性X線強度のスペクトルとの相関係数σ(AE,PM)を、下記等式(5)に従って算出した。
【数4】
【0155】
なお、等式(3)及び(4)において、I
Ce(Av)は、500nmの長さについて得られるセリウムの特性X線強度の平均値を表し、I
Ce(n)は、一列に並び且つ各々が20nmの長さを有している25個の直線区間のうち第n番目の直線区間について得られるセリウムの特性X線強度の平均値を表している。等式(3)及び(5)において、I
PM(Av)は、500nmの長さについて得られるパラジウム、白金又はロジウムの特性X線強度の平均値を表し、I
PM(n)は、一列に並び且つ各々が20nmの長さを有している25個の直線区間のうち第n番目の直線区間について得られるパラジウム、白金又はロジウムの特性X線強度の平均値を表している。等式(4)及び(5)において、I
AE(Av)は、500nmの長さについて得られるバリウム、カルシウム、ストロンチウム又はマグネシウムの特性X線強度の平均値を表し、I
AE(n)は、一列に並び且つ各々が20nmの長さを有している25個の直線区間のうち第n番目の直線区間について得られるバリウム、カルシウム、ストロンチウム又はマグネシウムの特性X線強度の平均値を表している。
これら相関係数を、各触媒の組成と共に以下の表1乃至表3に纏める。
【0156】
<耐久性評価>
触媒C1乃至C31の性能を以下の方法により調べた。
まず、触媒C1乃至C31の各々を流通式の耐久試験装置内に設置し、窒素を主成分としたガスを触媒床に500mL/分の流量で30時間流通させた。この間、触媒床温度は900℃に維持した。また、触媒床に流通させるガスとしては、リーンガスとリッチガスとを使用し、これらガスは5分毎に切り替えた。なお、リーンガスは、窒素に1%の酸素を加えてなる混合ガスであり、リッチガスは、窒素に2%の一酸化炭素を加えてなる混合ガスである。
【0157】
その後、触媒C1乃至C31の各々を、常圧固定床流通反応装置内に設置した。次いで、触媒床にモデルガスを流通させながら、触媒床温度を100℃から500℃まで12℃/分の速度で昇温させ、その間の排ガス浄化率を連続的に測定した。なお、モデルガスとしては、空燃比(A/F)が理論空燃比と等しいガスを使用した。その結果を、以下の表1乃至表3に纏める。
【0158】
また、上述した耐久試験後の触媒C1乃至C31の各々について、X線回折ピークから、貴金属粒子の平均粒径を算出した。その結果を、以下の表1乃至表3に纏める。
【表1】
【表2】
【表3】
【0159】
表1乃至表3において、「組成」と表記した欄に記載した「CZY」は、セリウムとジルコニウムとイットリウムとを含んだ複合酸化物を表している。また、「PM濃度」は貴金属濃度を表し、「AE濃度」はアルカリ土類金属濃度を表し、「AE/PM」は貴金属に対するアルカリ土類金属の原子比を表し、「La濃度」はランタン濃度を表している。「AE化合物」と表記した欄には、触媒C1乃至C31の各々におけるアルカリ土類金属元素の形態を記載している。「50%浄化温度」と表記した列には、モデルガスに含まれる各成分の50%以上を浄化できた触媒床の最低温度を記載している。「HC」及び「NO
x」と表記した列には、それぞれ、炭化水素及び窒素酸化物についてのデータを記載している。そして、「貴金属の平均粒径」と表記した列における「ND」は、回折ピークが検出されなかったことを示している。
【0160】
表1に示すように、触媒C1乃至C3は、触媒C13乃至C18と同一の組成を有しているが、触媒C13乃至C18とほぼ同等又はそれよりも大きな相関係数σ(Ce,PM)及びσ(Ce,AE)を有しており、触媒C13乃至C18と比較してより大きな相関係数σ(AE,PM)を有している。そして、触媒C1乃至C3は、長期使用後における貴金属の平均粒径が、長期使用後における触媒C13乃至C18の貴金属の平均粒径とほぼ同等であるか又はそれよりも小さく、触媒C13乃至C18と比較して、長期使用後におけるHC及びNO
x浄化性能がより優れている。以上から、相関係数σ(Ce,PM)、σ(Ce,AE)及びσ(AE,PM)が、特には相関係数σ(AE,PM)が、触媒の耐久性に影響を及ぼすことが分かる。
【0161】
また、触媒C2及びC3は、触媒C1と同一の組成を有しているにも拘らず、触媒C1と比較してHC及びNO
xの50%浄化温度がより低い。これは、以下の理由によると考えられる。アルカリ土類金属元素を炭酸塩の形態で含んでいる触媒C1の製造過程では、比較的多量のアルカリ土類金属元素が溶液中に溶解する。そのため、アルカリ土類金属元素を、高い分散度で分布させることは難しい。これに対し、アルカリ土類金属元素を硫酸塩の形態で含んでいる触媒C2及びC3の製造過程では、溶液中へのアルカリ土類金属元素の溶解は比較的少ない。そのため、アルカリ土類金属元素を、より高い分散度で分布させることができる。従って、触媒C2及びC3は、触媒C1と比較して、HC及びNO
x浄化能に優れている。
【0162】
図5は、白金に対するパラジウムの質量比が耐久試験後のNO
x浄化性能に及ぼす影響の例を示すグラフである。
【0163】
図5に示すグラフは、触媒C4乃至C10について得られたデータを利用して作成されている。
図5に示すグラフにおいて、横軸は白金に対するパラジウムの質量比を表し、縦軸はNO
xに関する50%浄化温度を表している。
【0164】
図5に示すように、白金に対するパラジウムの質量比が2乃至80の範囲内にある場合に、291℃以下の50%浄化温度を達成することができた。そして、この質量比が10乃至40の範囲内にある場合に、281℃以下の50%浄化温度を達成することができた。
【0165】
白金に対するパラジウムの質量比が小さい場合に50%浄化温度が高い理由は、この質量比を小さくすると、パラジウムに由来するNO
x浄化能が低下するためであると考えられる。また、白金に対するパラジウムの質量比が大きい場合に50%浄化温度が高い理由は、この質量比を大きくすると、白金がパラジウムのシンタリングを抑制する効果が小さくなるためであると考えられる。
【0166】
図6は、貴金属元素に対するアルカリ土類金属元素の原子比が耐久試験後のNO
x浄化性能に及ぼす影響の例を示すグラフである。
【0167】
図6に示すグラフは、触媒C3及びC19乃至C23について得られたデータを利用して作成されている。
図6に示すグラフにおいて、横軸は貴金属元素に対するバリウムの原子比を表し、縦軸はNO
xに関する50%浄化温度を表している。
【0168】
図6に示すように、貴金属元素に対するアルカリ土類金属元素の原子比が3.87×10
-2乃至2.71×10の範囲内にある場合に、315℃以下の50%浄化率を達成することができた。また、貴金属元素に対するアルカリ土類金属元素の原子比が7.75×10
-2乃至2.32×10の範囲内にある場合に、305℃以下の50%浄化率を達成することができた。そして、貴金属元素に対するアルカリ土類金属元素の原子比が7.75×10
-2乃至1.55×10の範囲内にある場合に、301℃以下の50%浄化率を達成することができた。
【0169】
貴金属元素に対するアルカリ土類金属元素の原子比が小さい場合に50%浄化温度が高い理由は、この原子比を小さくすると、HCによる貴金属の被毒を抑制する効果が小さくなるためであると考えられる。また、貴金属元素に対するアルカリ土類金属元素の原子比が大きい場合に50%浄化温度が高い理由は、この原子比を大きくすると、より多くの貴金属元素がアルカリ土類金属元素及び/又はその化合物によって被覆され、活性点が減少するためであると考えられる。
【0170】
更なる利益及び変形は、当業者には容易である。それゆえ、本発明は、そのより広い側面において、ここに記載された特定の記載や代表的な態様に限定されるべきではない。従って、添付の請求の範囲及びその等価物によって規定される本発明の包括的概念の真意又は範囲から逸脱しない範囲内で、様々な変形が可能である。