(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5690737
(24)【登録日】2015年2月6日
(45)【発行日】2015年3月25日
(54)【発明の名称】折り畳み式座席
(51)【国際特許分類】
B60N 2/30 20060101AFI20150305BHJP
【FI】
B60N2/30
【請求項の数】15
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2011-534810(P2011-534810)
(86)(22)【出願日】2009年10月30日
(65)【公表番号】特表2012-507443(P2012-507443A)
(43)【公表日】2012年3月29日
(86)【国際出願番号】US2009062765
(87)【国際公開番号】WO2010062684
(87)【国際公開日】20100603
【審査請求日】2012年10月5日
(31)【優先権主張番号】61/110,557
(32)【優先日】2008年11月1日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】598147400
【氏名又は名称】ジョンソン コントロールズ テクノロジー カンパニー
【氏名又は名称原語表記】Johnson Controls Technology Company
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(72)【発明者】
【氏名】サイボルト、 カート エイ.
(72)【発明者】
【氏名】プロスニースキー、 ジョセフ エフ.
(72)【発明者】
【氏名】ゴメス、 ジョン
(72)【発明者】
【氏名】タン、 リチャード
(72)【発明者】
【氏名】ホワイト、 ブレノン エル.
【審査官】
佐々木 一浩
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−263058(JP,A)
【文献】
特開2008−155724(JP,A)
【文献】
米国特許第03594037(US,A)
【文献】
米国特許出願公開第2006/0267366(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2005/0017561(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2006/0061183(US,A1)
【文献】
米国特許第06089641(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 2/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上方フレーム、及び下方フレーム、及び両フレーム上に延びる着座面を有する座席フレームを備える座席アセンブリであって、
前記着座面は上方支持プレート及び着座支持部を含む中央着座領域、及び前記上方支持プレート及び着座支持部をそれぞれ前記上方フレーム及び下方フレームに接続するボルスタを有し、
前記上方フレーム及び下方フレームは前記ボルスタの中を通過し、
前記中央着座領域は前記ボルスタに対して窪み、
前記下方フレームは前記下方フレームの前方伸張部に結合され且つ後方横部材に向かって延びる柔軟支持部を有し、
前記柔軟支持部は、前記座席アセンブリが格納位置から着座位置へと移動するときに前記下方フレームから引き離される下方引張部材に結合され、
前記着座位置において、前記下方フレームは、前記上方フレームから外方に延び、
前記格納位置において、前記下方フレーム及び前記上方フレームは垂直に並べられ、
前記下方引張部材は、脚横部材に結合されることを特徴とする座席アセンブリ。
【請求項2】
前記柔軟支持部は、前記脚横部材によって、前記下方フレームの両側部に対して移動するように構成され、
前記座席アセンブリは、
弓形スロットを有する旋回ベースをさらに有し、前記下方フレームは前記スロット内で前記旋回ベースに結合され、且つ
前記旋回ベースから前記下方フレームの各側部に延びる1対の脚トラスを有し、前記1対の脚トラスの間に前記脚横部材が延びることを特徴とする、請求項1に記載の座席アセンブリ。
【請求項3】
前記柔軟支持部の凹形状の底部は、前記着座位置において、前記下方フレームの下に延びることを特徴とする、請求項1に記載の座席アセンブリ。
【請求項4】
前記凹形状は、V字形状であることを特徴とする、請求項3に記載の座席アセンブリ。
【請求項5】
前記下方フレームは、両側部及び前記両側部の間に延びる前記前方伸張部、第1の脚トラス、第2の脚トラス、第1の旋回ベース及び第2の旋回ベースを有し、
前記上方フレーム及び下方フレームは旋回可能に相互接続され、
前記下方フレーム及び上方フレームの少なくとも一方は前記第1及び第2の旋回ベースに可動的に結合され、
前記第1及び第2の脚トラスは前記第1及び第2の旋回ベースの一方にそれぞれ旋回可能に結合され且つ前記下方フレームの前記両側部の一方にそれぞれ旋回可能に結合され、
前記座席アセンブリは着座位置と格納位置との間で移動可能であるように構成され、
前記格納位置において、前記上方フレーム及び前記下方フレームは実質的に垂直であり、
前記上方フレームに結合され且つ車両の壁に取り付けられるように構成される留め具をさらに有することを特徴とする、請求項1に記載の座席アセンブリ。
【請求項6】
前記第1及び第2の旋回ベースの少なくとも一方は弓形スロットを有し、
前記下方フレームは前記弓形スロットに係合し、且つ前記弓形スロット内で移動するように構成されることを特徴とする、請求項5に記載の座席アセンブリ。
【請求項7】
前記第1及び第2の脚トラスの一方は前記第1の旋回ベースと前記両側部の一方との間に延び、前記第1及び第2の脚トラスの他方は前記第2の旋回ベースと前記両側部の他方との間に延び、脚横部材が前記第1の脚トラスと前記第2の脚トラスとの間に延び、着座支持部が前記下方フレームの前方から前記下方フレームの後方に結合され、
前記着座支持部は、前記脚横部材に結合される前記下方引張部材を有し、
前記着座支持部は、前記脚横部材と共に、前記両側部に対して移動するように構成され、
前記上方フレームは、前記座席アセンブリが着座位置から格納位置へと移動すると、前記下方フレームが前記弓形スロット内で下向きに移動することにより、垂直高さが低減されることを特徴とする、請求項6に記載の座席アセンブリ。
【請求項8】
前記弓形スロットは、前記座席アセンブリが着座位置と格納位置との間で移動されるときに前記前方伸張部が移動する弧とは反対であることを特徴とする、請求項6に記載の座席アセンブリ。
【請求項9】
前記上方フレーム、及び前記上方フレームの前方から離れて付勢される張力を受ける前記上方支持プレートを有する上方支持部をさらに有し、
前記上方支持部は、前記上方フレームが着座位置から格納位置へと移動するときに、後壁との接触により、前記上方フレームに向かって押し付けられるように構成されることを特徴とする、請求項1に記載の座席アセンブリ。
【請求項10】
前記格納位置において前記上方フレームを越えて外側に、前記着座位置において前記上方フレームにほぼ沿って延びるカバーをさらに有することを特徴とする、請求項1に記載の座席アセンブリ。
【請求項11】
前記下方フレームを有する下方座席に結合される前記上方フレームを有する背もたれをさらに有し、
前記背もたれ及び前記下方座席の各々は着座位置と略垂直の格納位置との間を移動するように構成され、
前記背もたれ及び前記下方座席の各々は前記着座位置における第1の厚み及び前記格納位置における第2の厚みを有し、
前記第1の厚みは前記第2の厚みより大きく、
前記上方支持プレートは前記着座位置において乗員を支持するための張力を受けることを特徴とする、請求項1に記載の座席アセンブリ。
【請求項12】
前記背もたれは前記上方支持プレート及び張力バネを有し、
前記張力バネは前記着座面に対向する上方支持部に力を加えることを特徴とする、請求項11に記載の座席アセンブリ。
【請求項13】
前記上方支持プレートの支持面は、開放位置において張力バネにより乗員側から離れて張力を受けることを特徴とする、請求項11に記載の座席アセンブリ。
【請求項14】
脚トラスが前記下方座席に力を加え、
前記下方座席が前記着座位置にある場合に、前記脚トラスの方向に前記力が加えられることを特徴とする、請求項11に記載の座席アセンブリ。
【請求項15】
前記下方フレームを有する下方座席に結合される前記上方フレームを有する背もたれをさらに有し、
前記背もたれ及び前記下方座席の各々は、着座位置と垂直の格納位置との間を移動するように構成され、
前記座席アセンブリが格納位置に配置される場合、前記カバーは、前記座席アセンブリの頂部を過ぎて自動的に前方に跳ねるように構成されることを特徴とする、請求項10に記載の座席アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、格納位置において小型化される外形折り畳み式座席アセンブリに関する。
【0002】
(関連出願への相互参照)
本願は、「Collapsible Seat」と題され、2008年11月1日付けで出願された米国仮出願第61/110,557号への優先権を主張する。その出願の全開示は本願の一部と見なされ、参照により本明細書に援用される。
【背景技術】
【0003】
本発明は、格納位置において小型化される外形折り畳み式座席アセンブリに関する。より詳細には、本発明は、全体の高さ及び奥行きが格納位置において低減され、関節式挿入物及び腰部支持部が格納位置において座席を小型化する折り畳み式座席に関する。
【0004】
車両の多用途性を増加させるために、多くの現代車両は、折り重ね又は折り畳み式の座席を有する。こうした座席は、一般に、車両の積荷空間を最大化するために、格納位置に移動するように設計されている。一般に、2種類のこのような座席が利用可能であり、車両のフロアパンに対して降り畳み及び格納するものと、車両の壁に対して折り畳み及び格納するものとがある。車両の壁に対して格納する格納式座席は、一般に、車両のフロアパンに対して格納する座席と比較して、付加的な設計上の制約を有する。例えば、座席アセンブリの設計者は、車両の座席を収納するために車両のフロアパンにおいてあつらえの縦穴を使用しながら、多量のクッション及び他の望ましい特徴を有する快適な座席を収容するように車両のフロアパンを修正する場合がある。相対的に、車両の壁に対して格納する座席の設計者は、車両の外側形状のために、車両の内壁を修正する能力が制限される場合がある。
【0005】
したがって、車両の壁に対して平坦に折り畳まれる座席、特に、使用者のための優れた快適性及び安全性を維持しつつも、格納空間を最小化することによって積荷空間を最大化し、視線を阻害しない車両用のスタジアム型折り畳み座席が望まれる。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、格納位置において小型化される外形折り畳み式座席アセンブリに関する。より詳細には、本発明は、全体の高さが格納位置において低減され、関節式挿入物及び腰部支持部が格納位置において座席を小型化する折り畳み式座席に関する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】座席の一部が格納され、座席の他の部分が着座位置にある例示的な座席アセンブリを有する車両の部分斜視図を示す。
【
図2】座席の両方の部分が格納された
図1の座席アセンブリを示す。
【
図3】格納位置にある第2の例示的な座席アセンブリを有する車両の部分斜視図を示す。
【
図4A】着座位置にある例示的な座席の側面図を示す。
【
図4B】着座位置と格納位置との間の位置にある
図4Aの座席の側面図である。
【
図4C】格納位置にある
図4A及び4Bの座席の側面図である。
【
図7A】着座位置にあるボルスタを示す例示的な座席の斜視図である。
【
図7C】下方座席ボルスタのない
図7Bの座席の斜視図である。
【
図8A】格納位置にある例示的な座席フレームの側面図である。
【
図9A】フロアパン及び後方支持ブラケットとの関連で着座位置にある座席の斜視図である。
【
図9B】部分格納位置にある
図9Aの座席の斜視図であり、部分的に格納されたヘッドレストを示す。
【
図9C】ほとんど折り畳み位置にある
図9A及び8Bの座席の斜視図である。
【
図9D】完全に折り畳み位置にある
図9A−9Cの座席の斜視図である。
【
図14】着座位置にある座席ボルスタ及び腰部支持部を示す座席フレームの側面図である。
【
図15B】部分折り畳み又は中間位置にある
図14及び15Aの座席フレームの前方斜視図である。
【
図16】特に旋回点の位置を示す、着座位置及び格納位置にある座席の側面線図である。
【
図17】選択的なカバーを有する着座位置にある座席の側面図である。
【
図18】選択的なカバーを有する着座位置にある座席の前方斜視図である。
【
図19】格納された座席の上部に展開される選択的なカバーを有する格納位置にある
図17の座席の側面図である。
【
図20】上部に展開される選択的なカバーを有する格納位置にある
図18の座席の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図面に示されるように、本発明は、一般に、車両10用の座席アセンブリ40に関する。
図1及び2に示されるように、車両は、一般に、後壁24及び側壁28を有する内壁22並びにフロアパン30を有する室内空間20を有する。後壁24は、後窓26を有してもよい。
図1及び2に示されるように、車両10は、ドアフレーム34により画定されるドア開口部32を有してもよい。
【0009】
図1に示されるように座席アセンブリ14は、車両に使用される折り畳み式座席を示す。より詳細には、座席アセンブリ40は、車両10の運転室、例えば、拡張運搬車運転室の例示的な第2の列において示される。座席アセンブリ40は、
図2において折り畳み又は格納位置として知られる位置で示され、座席の一部が使用可能又は開放位置にあり、
図1の座席の一部が格納される。座席アセンブリ40は、格納されると、腰部支持部、柔軟支持部及びヘッドレスト等の周知の乗員用の快適性及び安全性機能を提供すると共に、非常に小型化される。さらに、座席アセンブリ40は、開放又は着座位置にある間、他の物体を収納するために座席底部42の底の下側に容易にアクセスすることが出来る。図面に示されるように、座席アセンブリ40は、座席底部42の下側に容易にアクセス可能にするために垂直の脚支持部なしで形成され、且つ積荷空間への容易なアクセスのために開いている。車両に使用される座席アセンブリが参照されるが、本発明は、特に、航空機及び娯楽座席用途を含む他の多くの応用に使用されてもよいことが理解されるべきである。
【0010】
図3は、後窓26を有する運搬車の第2列の格納位置において示される座席アセンブリ40の見取図である。図示のように、座席アセンブリ40が格納位置にある場合、ヘッドレスト48は、乗員又は運転者が後窓26を通して見る能力を阻害しない。しかしながら、幾つかの実施形態では、座席アセンブリ40は、傾斜及び折り畳みしない付加ヘッドレストと共に構築され得る。
【0011】
図4A−4Cを参照すると、座席アセンブリ40は、座席底部44、背もたれ46及びヘッドレスト48を有する。座席アセンブリ40は、コア(図示せず)を有する座席フレーム49、及び皮革又は織物材料等のトリムカバー42を有する。コアは、限定されないが、ポリプロピレン、ポリウレタン、又は発泡ポリプロピレンを含む任意の数の周知の材料から作られ得る発泡コアとして知られるものであってもよいことが理解されるべきである。
図4A−4Cは、開放、部分格納及び格納位置にある座席アセンブリを示す。座席アセンブリ40は、格納位置において、非常に小さなパッケージサイズ及び低減された全体の高さを提供することが見て取れる。
【0012】
上述のように、座席アセンブリ40は、一般に、座席底部44、背もたれ46及びヘッドレスト48を有する。座席フレーム49は、座席アセンブリ40用の所望の構造的支持を提供し、一般に、旋回ベース90を用いて上部座席フレーム部70に結合される座席底部フレーム部50を有する。着座支持部120は、着座部分の周囲又は付近に延びる外側フレーム伸張部と乗員用に対する基本支持を提供する範囲43との間で乗員に所望の支持を提供してもよい。
【0013】
図4Aにさらに示されるように、座席アセンブリ40は、開放又は着座位置にある。開放又は着座位置において、背もたれ46は、後壁24に対して角度が付けられており、後壁24と実質的に整列させられていない。旋回軸74の付近の背もたれ46の下部は、後壁24からの距離が最大となる所に配置される。座席底部44は、着座面を提供するために後壁から外方に伸張する。脚トラス100は、座席底部44に対して鋭角に角度付けられており、旋回ベース90から離れた所定の距離で座席底部フレーム50に結合されるように、後壁24から離れて旋回ベース90から延びる。
【0014】
図4Bに示されるように、座席アセンブリ40は、座席底部44が部分的に直立し、ヘッドレスト48が部分的に折り畳まれた部分格納位置にある。脚トラス100は、旋回して座席底部44に対する角度が低減され、座席アセンブリ40が格納位置に移動されると、ますます座席底部44と整列する。
【0015】
座席アセンブリは、
図4Cにおいて格納位置で示される。ヘッドレスト48は、完全に関節結合(articulate)され且つ格納され、座席底部44は、背もたれ46と実質的に整列され且つ対向している。直ちに目立つものではないが、背もたれ46は、旋回ベース90の構成によって、格納位置に移動されて、後壁24に接近すると、高さが低減されることに留意することが重要である。また、背もたれが後壁24に接近すると同時に、背もたれが高さを低減することを可能にするように、リンク80が旋回するように構成される。
【0016】
図5及び6は、座席フレーム49と共に底部フレーム50、バックフレーム70及びヘッドレスト48に関するさらなる詳細を提供する。底部及びバックフレーム50、70は、管状のスチールから作られるように示されている。しかし、例えば、C字形状スチールフレームを含む底部及びバックフレームを形成するために、多くの他の材料及び形状が使用されてもよいことが理解されるべきである。底部フレーム50は、2つの横側部62を有する外側フレーム伸張部66、前方伸張部54及び後方横部材68を有する。底部フレーム50は、使用のために座席が取り付けられる任意の構造、典型的には、フロアパン30に取り付けられ得る旋回ベース90に旋回可能に接続される。旋回ベース90は、弓形又は類似の外形を有し、本明細書でさらに説明されるように、開放位置から格納位置への底部フレーム50の既定の移動量を提供するスロット92を有する。しかしながら、運動学を模倣する他の型のリンク装置が使用されてもよい。同様に、バックフレーム70は、使用のために座席が取り付けられる構造、典型的には、後壁24に取り付けられる壁取り付けブラケット84へと延びるリンク82を有する上部留め具80によって旋回可能に接続される。また、底部フレーム50は、脚トラス100によって開放位置で支持される。脚トラス100は、底部フレーム50に、及び乗員によって使用される場合に底部フレーム50に支持を提供する旋回ベース90に旋回可能に接続される。
【0017】
図7A−7Cは、開放位置及び格納位置にある座席アセンブリ40の斜視図を示す。座席アセンブリ40は、乗員に対する支持周囲を提供するように形成される、底部及びバックフレーム50及び70の双方を有する座席フレーム49を有する。言い換えれば、底部フレーム50が座席底部44の外周に接近して形成されるので、座席に着座した乗員は、フレームの上部に座る代わりに、下方支持部122によって支持される内側部分に沈み込み又は調和しやすい。同様に、バックフレーム70は、背もたれの外周に接近して形成されるので、着座した乗員は、背もたれに沈み込みやすく、それによりさらなる快適性及び安全性を提供する。また、座席アセンブリは、
図7A−7Cに示されており、本明細書でより詳細に説明される腰部及び柔軟支持部を有する。
【0018】
座席が着座位置にある
図7Aにさらに示されるように、支持構造120の下方支持部122は、下方座席フレーム50の中に設けられるV字形状又は凹形状となるように構成される。特に、このV字形状は、側部62の間に乗員が座ることを可能にするように構成され、側部62に対して若干窪んでいる。より詳細には、下方支持部122は、前方伸張部54から後方横部材68に向かって延びる。下方座席フレーム50の側部62に沿ったほぼ中間点又は中間点の若干後方で、下方支持部122は、下方引張部材128によってV字形状に引き込まれる。下方引張部材128は、
図7Cに最良に示されており、2つの脚トラス100の間に伸張する横部材60の上に間隔を置いて配置される。下方支持部122、特に、下方支持部122の柔軟支持部124及びさらなる柔軟支持部124を含む実施形態は、着座位置におけるV字形状を生成し、
図7Bに示されるように、格納位置における柔軟支持部124の平坦外形を生成するように下方引張部材128と協働する。
図7Cに最良に示されるように、下方引張部材128は、脚横部材60の上方に直接設置される。この位置は、
図7Cに例示されており、柔軟支持部124は、脚トラス100が下方座席フレーム50及び特に側部62に対して折り畳まれる場合に、張力を緩和させられ、座席が着座位置にある場合に、
図7Aに示されるV字形状張力を生成することが可能であり、脚トラスは脚横部材60が伸張する点において下方座席フレーム50から大きな距離を開けて配置される。
【0019】
図8A−8Cは、下方座席フレーム50に対する脚トラス100の位置をさらに示しており、
図8Aにおいて、脚トラスが下方座席フレーム50に対して実質的に係合し、
図8Bにおいて、座席が格納位置から着座位置に移動され、着座位置は、
図8Cにおいて最大化される距離を増加させるように下方座席フレーム50からますます離れて脚トラスの角度が設けられている。下方引張部材128が脚横部材60に結合されると、脚は下方座席フレーム50から離れて延びるので、下方引張部材は、脚トラス100の方向に下向きに引っ張られて、下方支持部122へのV字形状張力を生成する。
【0020】
図7A及び8A−8Cは、上部支持プレート138をさらに示す。以下により詳細に示されるように、上部支持プレート138は、着座支持部120の一部及び特に上部支持部130を形成する。
【0021】
図8A−8Cは、開放、部分格納及び格納位置にある座席アセンブリ40を示す。しかし、座席40は、座席コア及びトリムカバーなしで示されている。格納位置ある場合の座席アセンブリ40の下向きの移動は、後窓26に対して配置される座席の側面図で示され、図面間で基準高さの線が引かれている。開放位置において、座席アセンブリ40は、ヘッドレスト48が乗員に支持及び快適性を提供するのに適切な位置にあり、座席底部44が旋回ベース90の弓形スロット92において外側及び上方に完全に旋回された状態で示される。しかし、
図8Cの格納位置において、座席アセンブリ40は、旋回ベース90の弓形スロット92において関節結合することにより、大幅に下方に移動された後に、完全に折り畳まれて示される。最も重要なことだが、
図8A−8Cに見られるように、座席アセンブリの全体の高さは、開放位置から格納位置へと低下されており、ヘッドレスト48を含まない背もたれ46の高さが特に強調されることが理解されるべきである。格納位置にある場合のこの高さの低減をもたらすために、底部フレーム50は、旋回ベース90において関節結合し、座席底部44を格納位置に向かって折り畳む間、弓形スロット92において下向きに移動する。同様に、図示のように、ヘッドレスト48は、格納位置に向かって背もたれ46を折り畳む間、下方に折り畳むように関節結合されてもよい。また、旋回ベースの付近で下方フレーム50に結合されている上部フレーム70は、後方及び下方に移動される。
【0022】
図7C及び8Cは、完全に折り畳まれ、又は格納された位置にある座席アセンブリを示す。本明細書にさらに記載されるように、この位置において、座席底部フレーム50は、旋回ベース90の弓形スロット92に下方に関節結合され、脚トラス100は旋回ベースにおけるベースピボット106の周囲を上方に旋回し、上部留め具80、詳細にはリンク82を有するバックフレーム70は、格納位置における折り畳み式座席の全体のパッケージサイズを選択的に非常に小さくするように、壁ブラケットにおいてピボット83の周囲を回転する。
【0023】
図9A−9Dを参照すると、フレーム、コア及びトリムカバーを有する折り畳み式座席は、フロアパン30及び運搬車運転室(図示せず)の後壁24等の垂直壁を含む少なくとも2つの概略位置において構造に取り付けられる。
図9A−9Cは、格納位置(
図9D)、部分的に展開し且つ開放位置に向かって下方に移動すること(以後、「開口位置」と呼ぶ)(
図9C)、開放位置(
図9A)、及び部分的に折り畳まれ且つ格納位置に向かって上方に移動すること(
図9B)を含む4つの位置にある座席アセンブリ40を示す。
図10−14は、座席アセンブリの異なる像の側面図をさらに含む。より詳細には、
図10は、格納位置にある座席アセンブリ40を示す。
図11は、開口位置にある座席アセンブリ40を示す。
図12は、閉鎖位置にある座席アセンブリ40を示す。
図13は、開放位置にある座席アセンブリ40を示す。
【0024】
図14及び15A−15Cは、開放から格納位置への、コア及びトリムカバーをそこに有するヘッドレスト48のみを有する、座席アセンブリの劇的な下方移動を示す。さらに、こうした図面は、底部フレーム及びバックフレームに配置される関節式中心着座支持部を有する折り畳み式座席を示す。より詳細には、
図14及び15A−15Cは、そこに可動的に接続される関節式腰部中心着座支持部138を有するバックフレームを示し、それは開放位置にある場合に乗員に腰部支持を提供し、格納位置にある場合に折り畳まれる。同様に、
図14及び15A−15Cは、そこに可動的に接続される関節式中心着座支持部122を有する底部フレームを示し、それは開放位置にある場合に乗員に柔軟支持部124を提供し、格納位置にある場合に折り畳まれる。さらに、上述のように、底部及びバックフレーム50及び70の設計及び位置は、双方が座席底部44及び背もたれ46の周囲に接近して形成されるので、乗員に横方向に柔軟な支持部を提供する。
【0025】
図7A、8A−8C、15A−15C及び17は、折り畳み式座席の腰部支持部138をより詳細に示す。腰部支持部138は、バックフレーム70に固定的に取り付けられ、乗員に柔軟支持を提供するために乗員から離れた方向に延びる支持面を有する。支持面の少なくとも一部は、座席アセンブリ40が格納位置に移動される場合に、背もたれ46の乗員側に向かって内側に収縮され又は偏向されてもよい。この実施形態では、腰部支持部138は、開放位置において背もたれの乗員側から離れてボルスタに事前に負荷を与える少なくとも1つの引張バネ134を有する。張力バネ又は付勢部材134は、フレーム49において、特に上部フレーム70において留め具72に結合されてもよい。この実施形態では、バネ134は、円形ワイヤバネスチール又は平坦バネスチールのいずれかで形成される片持ち梁バネとして示される。また、開口が複合材料から作られてもよいことが理解されるべきである。しかしながら、座席アセンブリ40が車両の後壁、例えば、運搬車の運転室の背後壁等に向かい且つ隣接した接近位置に移動する場合、腰部支持部は、このような壁の少なくとも一部に衝突し、それにより、背もたれが倒れることを許容する悪循環を克服する。例えば、
図15A−15Cに示される圧縮バネ又は引張バネを含む事前負荷装置が、支持面と共に使用されてもよいことが理解されるべきである。また、張力ストラップ136が、上部腰部支持部138を乗員に向かって引いてもよい。腰部支持部138は、張力ストラップ136なしで形成されてもよく、その結果、背もたれの前方に向かう移動は後壁との接触により生ずる。
【0026】
図14及び15A−15Cは、折り畳み式座席の柔軟支持部124をより詳細に示す。柔軟支持部124は、底部フレーム54の前方伸張部と底部フレーム50の後方横部材68との間に延びる伸縮性材料から作られるマットを有する。さらに、マットは、例示の脚横部材60等の脚トラス100の少なくとも一部にも取り付けられる。その結果、開放位置において、脚トラスへのこのような取り付けは、マットを下方に、特に、下方引張部材128を構造のフロアに向かって引っ張り、それにより開放位置において柔軟支持部を提供する。しかし、脚トラス100は格納位置においてフレームにより接近しているので、マット122は、下方に引き伸ばされないが、既定の取り付け張力へと緩和することにより、折り畳み式座席が車両の後壁から延びる量を減少させる。この実施形態では、マット122は、各脚トラス100から横方向に、及びその間に延びる支持部材を提供することにより、脚トラスに取り付けられて示される。座席アセンブリ40が開放から格納位置に移動される場合に、マット122が脚トラス100の動きに追従する限り、マットは、他の方法で脚トラス100に取り付けられてもよいことが理解されるべきである。
【0027】
図17−20に示されるように、座席は、選択的カバー220を有してもよい。カバー220は、車両の後壁24又はリンクアセンブリ80に付加されてもよい。選択的カバー220は、シールド222及びブラケットアセンブリ224を有してもよい。
図19−20に示されるように、座席が格納位置に配置される場合、カバー220は、座席アセンブリ40の頂部を過ぎて自動的に前方に跳ねるように構成されてもよい。カバー220は、塵及びゴミから格納された座席を守ると共に、格納された座席の視覚面を改善する。
【0028】
上述の発明は、関連した法的基準に従って記載されているのであって、記載は、本質的に制限的ではなく例示的である。開示された実施形態への変更及び修正は、当業者には自明であり、本発明の範囲内に含まれ得る。