(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5690799
(24)【登録日】2015年2月6日
(45)【発行日】2015年3月25日
(54)【発明の名称】改良したレイングヘッド
(51)【国際特許分類】
B21C 47/14 20060101AFI20150305BHJP
B21C 47/02 20060101ALI20150305BHJP
【FI】
B21C47/14
B21C47/02 A
【請求項の数】6
【外国語出願】
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2012-245865(P2012-245865)
(22)【出願日】2012年11月7日
(65)【公開番号】特開2013-126687(P2013-126687A)
(43)【公開日】2013年6月27日
【審査請求日】2012年12月27日
(31)【優先権主張番号】UD2011A000176
(32)【優先日】2011年11月7日
(33)【優先権主張国】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】512288949
【氏名又は名称】ダニエリ アンド チ.オフィチーネ メカーニク エッセピア
【氏名又は名称原語表記】DANIELI&C.OFFICINE MECCANICHE SPA
(74)【代理人】
【識別番号】100121728
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 勝守
(74)【代理人】
【識別番号】100129997
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 米藏
(72)【発明者】
【氏名】マッシモ ヴァーシ
(72)【発明者】
【氏名】ルカ クレスパン
【審査官】
坂本 薫昭
(56)【参考文献】
【文献】
特開2004−042123(JP,A)
【文献】
特表2005−511317(JP,A)
【文献】
実開平02−087507(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21C 47/14
B21C 47/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中央シリンダ(12)および少なくとも1つの成形フィードパイプ(45)が設けられた中央本体(11)と、
円筒形部材(37)の周縁部に配置された少なくとも1つの円周ガイド(40)とを備え、
前記成形フィードパイプ(45)は、クランプ部材(48)によって、前記中央本体(11)に取り付けられている、圧延製品(L)からコイルを製造するためのレイングヘッドであって、
前記円周ガイド(40)は、互いに隣接して配置された複数の基本セグメント(41)からなり、
前記複数の基本セグメント(41)は全体で、全ての側面が閉鎖されたガイド通路を規定することができ、
前記円周ガイド(40)は、少なくとも180°の角度範囲について一定の曲率半径を有することを特徴とするレイングヘッド。
【請求項2】
請求項1に記載レイングヘッドにおいて、
5mmを上回り12mm未満の直径を有する圧延製品については、一定の半径を有する前記閉鎖ガイド通路は、12mmを上回り20mm未満の内径を有することを特徴とするレイングヘッド。
【請求項3】
請求項1または2に記載のレイングヘッドにおいて、
一定の半径を有する前記閉鎖ガイド通路は、360°以上の角度をカバーすることを特徴とするレイングヘッド。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のレイングヘッドにおいて、
前記基本セグメント(41)の各々は、個々に着脱可能であり、関連の軸方向ガイド(59)に固定する固定脚部(60)を備えることを特徴とするレイングヘッド。
【請求項5】
請求項4に記載のレイングヘッドにおいて、
前記基本セグメント(41)の各々は、前記圧延製品(L)の導入および通過用の穴(61)を有し、前記穴(61)には、入口面取部(62)が続いていることを特徴とするレイングヘッド。
【請求項6】
請求項5に記載のレイングヘッドにおいて、
前記軸方向ガイド(59)は、T型であり、スライドによって関連の基本セグメント(41)の取り外しを簡単化するように形成されていることを特徴とするレイングヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、実質的には直線状の連続する半加工金属製品から適切なコイルを成形する機械において使用されるレイングヘッドに関する。より具体的には、本発明は、送出区域の螺旋状円周経路を改良したレイングヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
既知のタイプのコイル成形機は、金属の棒またはワイヤを圧延する圧延ラインの出口に配置され、回転レイングヘッドを備え、該回転レイングヘッドは、軸状から一部が円周状になるまで延びる少なくとも1つの成形パイプを有している。圧延ラインから出る製品は、圧延軸と同心状の入口軸に沿って該パイプに入り、得ようとするコイルの直径の接線である出口軸に沿って該パイプから出る。
【0003】
このようにして成形されたコイルは、冷却され、収集および/または収納ゾーンへ送られるように、ローラータイプのベルトへ落とすことにより処理される。
【0004】
既知の機械では、パイプの端部に、成形されるコイルを安定させるために、および、圧延製品の先端および後端が変形するのを防ぐために、固定された円筒形保護部に合体する螺旋状の円周出口経路が設けられている。実際、加工時の力の均衡は、引き抜き装置の存在により確保されている。しかしながら、圧延製品の後端が引き抜き装置を離れると、特に、90m/秒を上回り120m/秒未満の速度で移動する小さな、すなわち、約5mmから12mmの製品については、力の不均衡が生じる。なぜなら、圧延製品に対してレイングヘッドにより生成される牽引力は、該ヘッドの上流において作用する同等の相反する力によって均衡されなくなるからである。この力の不均衡により、後端の激しい加速が決定し、このことは、結果として、成形パイプの周辺速度に対する材料の過速度となる。したがって、圧延製品の後端区域に、最終のコイルに位置するオメガ形の湾曲または巻きが形成されてしまうであろう。巻きの存在は、非常に不都合なものである。なぜなら、それは、コイルを収集して収納する作業において停滞という問題を引き起こすからである。したがって、巻きを手作業で排除する必要がある。
【0005】
成形パイプおよび円周経路は、その内部を圧延製品が通過すること、および、遠心力に晒されることにより非常に摩耗される。
【0006】
したがって、螺旋状円周経路は、摩耗の問題により、および、移送されている圧延製品のサイズに適合するためにも、通常は着脱可能に設けられている。
【0007】
既知の螺旋状円周経路には様々な種類があり、例えば、自由幅を有するもの、1つの制御側面や2つの制御側面を有して幅が制限されているもの、経路が半径方向外側へ向かって解放されているもの、経路が回転軸方向へ向かって解放されているものなどを含む。
【0008】
例えば、特許文献1では、成形パイプの出口に、出口まで延びる抑制リングが設けられており、この抑制リングは、軸方向パイプから出る圧延製品を外部へ向けて漸次輸送する広がり部分と、コイルを出口へ輸送する一定の断面を有する末端部分とを備えている。
【0009】
特許文献2では、軸状から円周状になる2つの成形パイプが設けられており、一方は他方に対して180°ずれている。
【0010】
特許文献3では、軸状から円周状になる成形パイプを、少なくとも一部が交換可能な部材で構成し、これらの部材は、小さな角度(約50°)の範囲は一定の半径で延びる、円周状部分までのその展開部を規定する位置決めガイドによって固定されている、ということが記載されている。一定の半径の区域は、後端区域の過速度を低減するためには不十分であり、それゆえ、後端コイルの良好な形態は保証されない。また、この構成は、交換可能な部材の基台が回転体と一体化されており、それゆえ、全ての交換可能な部材を交換する場合に長い時間がかかることによっても、組立および分解にある程度の困難が伴う。従来技術により引用されるレイングヘッドにおいては、円周経路の螺旋のピッチは固定されており、異なる要件に適合させることができない。
【0011】
サイズが異なる圧延製品を加工する可能性を提供する特許文献4では、円周経路の一部が、複数のガイドセグメントからなり、これらのガイドセグメントは、外側へ解放されており、周囲は固定された外部円筒形保護部により閉鎖されている経路を有している。この構成は、小さな、例えば、直径が12mm未満の製品の場合、製品が通過する経路のサイズは通過する製品のサイズよりもかなり大きく、これにより、先端および後端が外部円筒形保護部にぶつかってしまい、それゆえ、製品の先端および後端に欠陥が生じることになる、という主な欠点がある。
【0012】
特許文献5では、上記特許文献3におけるのと同様に、成形パイプの一部が交換可能な部材により形成されているが、特許文献5の
図1の部材30のような交換可能な部材も、圧延製品の螺旋状通路の一部を形成しており、その結果、交換可能な部材からなるパイプの部分は、最初は増大する半径を有し、末端においてのみ、約90°未満の角度範囲については一定の半径を有する。一定の半径を有する区域のこの限定された角度範囲は、非常に高速で移動する圧延製品の軌道を制御するには不十分である。また、(例えば、製品を変えるために)螺旋のピッチを変更することが必要になれば、増大する半径を有する部分と一定の半径を有する部分とを接続する部分は、組立および配列の正確性において困難を生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】国際公開第00/44512号
【特許文献2】国際出願番号PCT/EP2006/003619
【特許文献3】米国特許第4,242,892号明細書
【特許文献4】国際公開第03/051553号
【特許文献5】特開2004−042123号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、従来技術と比較して、それ自体で複数の目的を設定している。
【0015】
本発明の一目的は、レイングヘッドからの出口通路の最後の段階における圧延製品用ガイドであって、圧延製品の、特に、90m/秒〜120m/秒といった高速で圧延される小さな、5mm〜12mmの製品の先端および後端に関する変形という典型的な問題を防止または抑制するガイドを得ることである。
【0016】
特に、一目的は、レイングヘッドの出口において、コイルの先端および後端が完全に形成された高品質の圧延製品を得ることである。したがって、本発明の他の目的は、ベルト上に集積されたコイルの先端および後端の位置決めに対して手動で介入してそれらは、欠陥、それゆえ、対応して生産性の低下を伴う圧延プロセスの停止、を生じないようにする操作者の存在の必要性を排除することである。
【0017】
さらに他の目的は、特に、小さな直径について、圧延製品が抑制およびガイド用の経路の壁に繰り返しぶつかり、それゆえ、変形して最終的な品質が劣化し、側壁の摩耗を増進させるのを防止することである。
【0018】
さらに他の目的は、圧延製品用のガイドを、出口まで、その全ての側面に設けることである。
【0019】
さらに他の目的は、圧延製品をレイングヘッドの出口まで誘導し、レイングヘッドにより成形されたコイルを、変形させたり応力をかけたりすることなく正確に放出することである。
【0020】
本発明のさらに他の目的は、最も摩耗する圧延製品のガイド区域の全部または一部の交換を簡単化することである。
【0021】
本発明のさらに他の目的は、圧延製品のサイズが変化した場合は圧延製品のガイドを簡単に交換できるようにすることである。
【0022】
さらに他の目的は、圧延製品の物理的および/または技術的特徴に応じて、圧延製品のためのガイドの終端部における螺旋のピッチの値を変更できるようにすることである。
【0023】
さらに他の目的は、ダブルパイプレイングヘッドにおいても上記の全ての利点を得ることができるようにすることである。
【0024】
出願者は、従来技術の欠点を克服するため、ならびに、これらの、および、他の目的および利点を得るために、本発明を考案し、テストし、実施した。
【課題を解決するための手段】
【0025】
本発明は、独立請求項において記載され特徴付けられる。一方、従属請求項は、発明のその他の特徴、または、主要な発明概念の変形例を説明する。
【0026】
上記目的によれば、従来技術の欠点を克服し、従来技術にあった欠陥を排除する本発明のレイングヘッドは、熱間圧延機を約90m/秒〜120m/秒の速度で移動するコイル、特に、小さなサイズの、すなわち、直径が5mm〜12mm、好ましくは5mm〜7mmの製品を製造するために使用される。
【0027】
本発明のレイングヘッドは、中央シリンダが設けられた中央本体と、シリンダの端部に配置された2つのフランジと、フランジのうち第1のフランジに関連付けられ、閉鎖円周ガイドのための台座として機能する円筒形部材とを備え、閉鎖円周ガイドは、円筒形部材の周縁部に取り付けられている。レイングヘッドは、コイルを生成することのできる湾曲したフィードパイプをさらに備え、この湾曲したフィードパイプは、円周ガイドに合体し、成形されたコイルを外部まで輸送するのに適している。レイングヘッドは、中央本体の他方の、つまり、第2のフランジンに取り付けられた支持材をさらに備え、この支持材は、パイプをフランジへ導くものである。また、シャフトによって対応するフランジに接続された支持材は、回転運動をレイングヘッドへ伝えるのに適している。
【0028】
本発明の第1の特徴によると、圧延製品を軸方向から円周方向へ誘導するフィードパイプは、クランプ部材によって中央本体に取り付けられており、それゆえ、交換可能である。
【0029】
フィードパイプは、半径が次第に大きくなる実質的にスパイラル形を有する閉管からなり、その最大半径の点において、圧延製品用の出口端部を有している。
【0030】
他の特徴によると、円筒形部材の周縁部に配置された閉鎖円周ガイドは、複数の基本セグメントを備え、前記基本セグメントのうちの第1基本セグメント、すなわち、圧延製品が入るセグメントは、フィードパイプの出口端部に直接対向して、その延長部として配置されている。
【0031】
基本セグメントの各々には、圧延製品が移動する穴が形成されており、好ましい、しかし、限定的ではない構成においては、入口面取部も形成されている。複数の基本セグメントはこれら全体で、圧延製品をレイングヘッドの出口へ輸送する、一定の半径を有する1つの円周ガイドを規定するように配置されている。穴および入口面取部は、フィードパイプから出る圧延製品を受け入れ、正確に誘導するのに適しており、全ての側面が閉鎖されたパイプを規定して、圧延製品を円周ガイドの出口まで誘導し、円周ガイドの出口において、所望のコイルが得られる。基本セグメントは、T型であることが好ましい軸方向ガイドとしても機能するフランジを用いて、円筒形部材自体の円周に沿って着脱可能に取り付けられ、円筒形部材の軸に対して平行に位置決め可能である。このように、個々の基本セグメントは、大きな遠心力の影響下においてさえ、その台座から外れない。
【0032】
通路部が圧延製品の通路部に相当し、圧延製品の円形状通路をその一定の半径で規定する末端ガイドパイプの存在は、圧延製品がその通路において広がって振動する傾向とガイドパイプの壁にぶつかる傾向とを有する工程において、最適な制御を保証する。他方、一定の半径を有する円形状経路の角度範囲は、圧延製品の安定化を促進し、特に、先端および後端セグメントの変形のリスクを著しく抑制する。
【0033】
小さなサイズの、すなわち、5mmを上回り12mm未満の、好ましくは5mmを上回り7mm未満の製品については、基本セグメントの穴の内径は、12mmを上回り20mm未満である。このサイズ決定により、圧延製品を最適に誘導することができ、製品の先端および後端の完全な形成を促すことができる。このサイズ決定により、先端および後端の位置決めを手動で調節しなければならない操作者は不要となる。
【0034】
フランジによって構造に取り付けられた基本セグメントを設けることにより、フィードパイプ、および/または、円周経路を、セグメント毎でも個別に交換、または、少なくとも解体することができ、ユーザーがクリーニングおよびメンテナンスを行えるようになる。
【0035】
さらに、円周ガイドを構成する基本セグメントはT型軸方向ガイドに沿って取り外せるため、作成しようとするコイルの螺旋のピッチを、加工する材料の機能に応じて変更することができる。基本セグメントの互換性を利用することにより、異なる直径を有する圧延製品を加工することができる。
【0036】
円筒形部材の周縁部に沿った円周ガイドの展開部は、好ましくは、180°を上回る、例えば180°を上回り360°未満の角度を有し、したがって、圧延製品の直径が非常に小さくても、コイルの成形の最適な制御が保証される。
【0037】
一変形例によれば、円周状の展開部によりカバーされる角度は360°を上回る。
【0038】
一変形例によれば、2つのフィードパイプが、互いに180°ずらして設けられていてもよく、これらのフィードパイプは、それぞれの基本セグメントからなる各自の円周ガイドに合体している。したがって、時間的に連続して使用できる2つの円周ガイドが設けられている場合、レイングヘッドの耐久時間は2倍になる。
【0039】
別の変形例によると、内部を通る異なる圧延製品に適合するように、内径、および/または、ピッチの異なる2つの双方の円周ガイドを同じレイングヘッドに搭載することができる。
【0040】
一変形例によると、円筒形部材の軸に対して平行に基本セグメントを位置決めすることができるT型の軸方向位置決めガイドフランジは、基本セグメントを保持するために、選択的に取り外し可能な保持手段を備えていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【
図1】本発明の一実施形態に係る2つのフィードパイプを有するレイングヘッドを示す図である。
【
図2】
図1のノレイングヘッドの一切断部を示す図である。
【
図3】
図1のレイングヘッドの別の切断部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
本発明のこれらの、および、他の特徴は、添付の図を参照して非限定的な例として挙げられる好ましい実施形態の以下の説明から明らかになるであろう。
【0043】
図1を参照すると、熱間圧延機においてコイルを製造するためのレイングヘッド10は、中央シリンダ12からなる中央本体11を備え、該中央シリンダ12には、その上端18および下端19に、上部フランジ16および下部フランジ17がそれぞれ配置されている。
【0044】
中央シリンダ12および下部フランジ17には、互いに連通し、半円形の輪郭を有する空洞23および空洞24がそれぞれ設けられている。
【0045】
中央本体11は、回転運動をレイングヘッド10へ伝えるのに適した手段(図示せず)に、下端19を介して既知の方法で取り付けられている。
【0046】
中央本体11には、中央シリンダ12の表面に対して実質的に直交して設けられ、その周囲に延びる螺旋状の輪郭を有する2つのブラケット34が設けられている。これらの2つのブラケット34は、互いに180°ずれており、圧延製品Lが通路に入るときの軸方向の形状から出るときの実質的に螺旋状の形状まで圧延製品Lの通路を決定するフィードパイプ45を支持するのに適している。
【0047】
円筒形部材37は、中央本体11の上部フランジ16の周りに取り付けられている。
【0048】
図示した形態では、2つの成形フィードパイプ45が設けられており、これらのフィードパイプ45は、支持部28の内側に配置され、中央本体11の2つの空洞23、24を通っている。各フィードパイプ45は、出口46に一致して、一定の半径を有する対応する円周ガイド40の入口に、特に、対応する円周ガイド40の第1基本セグメント41の入口に合体する。
【0049】
このようにして、成形しようとするコイルの最終的な直径を既に有している圧延製品Lは、一定の半径を有する対応する円周ガイド40へ導入され、レイングヘッド10の出口へ輸送され、これにより、圧延製品Lの安定化と、先端および後端の双方の変形の抑制とが保証される。
【0050】
円周ガイド40(
図2、
図3、
図4)は、円筒形部材37の周縁部全体に沿って、すなわち、ここに示す形態では360°に等しい角度に沿って配置されている。各円周ガイド40は、この形態では互いに同一の、以下でより詳しく説明される複数の基本セグメント41からなり、螺旋状の展開部に続いて一定の半径で展開する。これらの2つの円周ガイド40は、互いに180°ずれている。
【0051】
フィードパイプ45は、クランプ部材48によって、対応するブラケット34上の適切な位置に保持されている。クランプ部材48は、突起部52に設けられたクランプ穴51内に挿入されるのに適したボルトによって、同様にブラケット34に取り付けられている。さらに、フィードパイプ45は、下部フランジ17の円筒形部材37に対向する側に取り付けられたプレート49によって適切な位置に保持されている。なお、該プレート49には、フィードパイプ45の収容に適するように成形された空洞50が設けられている。
【0052】
円筒形部材37は、一連の貫通取付穴53を有している。これらの貫通取付穴53は、円筒形部材37を中央本体11に取り付けるためのネジを受け入れるのに適している。
【0053】
円筒形部材37は、レイングヘッド10の平衡化を促すのに適した一連のつりあい穴54をさらに有している。
【0054】
円筒形部材37には、その周縁円周部に沿って、この形態ではT型の一連の軸方向ガイド59が備えられており、これらの軸方向ガイド59上に、円周ガイド40を構成する各基本セグメント41を取り付けることができる。各基本セグメント41は、固定脚部60を備え、該固定脚部60は、対応する軸方向ガイド59の輪郭に類似した輪郭を有し、したがって、T型であり、軸方向ガイド59内に挿入するのに適している。各基本セグメント41は、圧延製品Lの導入および通行のための穴61と、一基本セグメント41から該一基本セグメント41に続く基本セグメントへ向かって出る圧延製品Lの運搬を簡単化するための入口面取部62とをさらに備えている。
【0055】
基本セグメント41は、コイルの成形を決定づける圧延製品Lの閉鎖ガイド通路を構成するために、互いに近接した位置に搭載されている。
【0056】
さらに、基本セグメント41は、摩耗の理由により、または、圧延製品Lの異なる直径に適合するために、T型ガイドから対応する脚部60を取り外すことによって簡単に交換可能である。
【0057】
中央本体11の上部フランジ16から円筒形部材37を取り外せるため、例えば、摩耗により、または、ピッチの変更により全ての基本セグメント41を変える必要がある場合、複数の基本セグメントを有する円筒形部材37全体を一回の工程で取り外し、それを、新しいものと交換することができ、したがって、交換時間が大幅に短縮される。
【0058】
ダブルガイドの場合には、各基本セグメント41を用いて、対応する圧延製品Lのための2つの隣接する移送穴61を規定することができる。
【0059】
周縁穴66は、基本セグメントを保持するための保持手段の取り付けを可能にするのに適している。
【0060】
本発明の分野および範囲から逸脱することなく、以上に説明したようなレイングヘッド10に対して部品を変更、および/または、追加してもよい、ということは明らかである。
【0061】
いくつかの具体例を参照して本発明を説明してきたが、当業者は、請求項に記載の特徴を有する、それゆえ、全ては請求項により定義される保護の範囲内にある、レイングヘッドの多くの他の均等な形態を確実に実施できる、ということも明らかである。