(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記スライドプレート部と前記ローラー部の円筒側面との間に、弾性を有する薄板で構成されるセパレータ部をさらに設け、前記ローラー部の円筒側面に対する前記スライドプレート部の当接が解除された際に、カードが前記ローラー部の円筒側面に当接されるまで、該セパレータ部の弾性によって前記ローラー部の円筒直径方向への遊動を抑制させることを特徴とする請求項2に記載のカード保管ユニット。
前記セパレータ部は、前記ローラー部の回転が前記スライドプレート部に伝達されることを防止すべく、前記ローラー部との当接面の摩擦係数が低く設定されていることを特徴とする請求項3に記載のカード保管ユニット。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明を実施するための最良の形態である実施例について、それぞれの添付図面を参照しつつ以下に説明を行なう。
【0024】
先ず、本発明の一つの実施形態であるカード保管装置1(以下、単に「本装置1」という)に関し、その外観図を
図1に、その構成ブロック図を
図2に示す。なお、図(1a)、(1b)、(1c)は、それぞれ本装置1の平面図、正面図、および側面図を示すものである。また、図(1d)は、本装置1に実装された複数のカード保管ユニットについて、そのユニット単体前面(正面)の拡大図を示すものであ。
【0025】
図1および
図2に示すとおり、本装置1は、主に装置筐体100、複数のカード保管ユニット10(以下、単に「ユニット10」という)、制御部103、操作部101、表示部102から構成されている。ユニット10は、磁気カードやICカード等の電子情報カードを1枚ずつ保管するユニットであり、その前面にはカードを出し入れするための開口部であるスリットが設けられている。
【0026】
なお、ユニット10は完全なボックスタイプではなく、その中央部が前面に向けて切り欠かれた、いわゆる略コの字型の形状をしており、その内部にカードが保管されているか否かを容易に視認することができる構造となっている。また、ユニット10の前面には、当該ユニットに対し制御部103からアクセスがなされている状態を示すため、LEDなどの表示素子20を設けるようにしても良い。
【0027】
制御部103は、主に、マイクロプロセッサやメモリー回路および各種の周辺回路など(何れも図示せず)から構成されており、本装置1を構成する各部の制御を司る部位である。操作部101は、本装置1の利用者がカードの出し入れを行なう際に種々の指令操作の入力を行なう操作入力部であり、タッチパネル或いはテンキー、およびそれらのインターフェイス回路などから構成されている。
【0028】
表示部102は、液晶やLED表示器などを用いたディスプレーパネルであり、本装置1の利用者に対し各種の操作手順や操作状況を告知する部位である。また、当該部位には、例えば、合成音による音声案内などの音響による告知機能を併設するようにしても良いし、或いは小型プリンター等を内蔵させ、利用者に対しカードの保管状況やその保管履歴等を印字したレシート或いは帳票類を発行するようにしても良い。
【0029】
なお、
図1に示す外観図は、本装置1の一つの実施態様を示したものに過ぎず、本装置1の構造や外観が同図に示された筐体100或いは、その他各部位の形状や配置等に限定されるものでないことはいうまでもない。
【0030】
次に、ユニット10単体の構造について、
図3に示す同ユニットの構造概略図を用いて説明を行なう。なお、図(3a)はその側面図を、図(3b)はその正面図を、図(3c)は図(3a)におけるA−A’線の略断面図を、図(3d)は、図(3c)の略断面図におけるB部の拡大図をそれぞれ表すものである。
【0031】
因みに、
図3はユニット10にカードがロックされ、収納されている状態を示したものである。なお、図(3a)および(3b)からも明らかなように、ユニット10は、その前面に向かって中央部が切り欠かれた、いわゆる略コの字型(逆コの字型)の外形を有しており、ユニット10にカードが収納されている状態をユニット10の外部から容易に確認することが可能である。
【0032】
また、利用者がユニット10からカードの出し入れを行なう場合は、ロック機構の解除を行なった後に、この切り欠き部から直接にカードを指で摘まむことによって、容易にカードの出し入れを行うことができる。
【0033】
なお、本発明において用いられるカード類は、社会一般に広く流通している合成樹脂製の磁気カードやICカード等の電子情報カードを想定したものであるが、人間が加える力の程度ではカードの厚さ方向に対して容易に圧縮変形しないものであれば、その材質や用途・種別は問わない。
【0034】
図3の各図に示されるように、ユニット10のフレーム10a(ユニット10の本体を示す)には、主にローラー11、スライドプレート12、引張バネ13、ソレノイド14、可動鉄心15、カード検知スイッチ16、セパレータ17等の部品が取り付けられている。また、
図3(c)の略断面図に表されるように、ユニット10のフレーム10aの長手方向には、カードが収納されるカード収納部のスリットが設けられており、ユニット10のフレーム10aの手前部分(前面部分)には、ローラー11を納めた小部屋であるローラー収納部が設けられている(
図3(d)参照)。
【0035】
これらのカード収納部やローラー収納部が設けられたユニット10のフレーム10aは、剛体であり、かつ容易に変形や歪の生じない材質で構成することが好ましい。また、当該フレーム10aやローラー11、或いはスライドプレート12などの部品は、ソレノイド14で発生する磁力線の回り込みを考慮し、非磁性体の金属材料を用いることが好ましい。これによって、吸引力の小さな低消費電力のソレノイドを使用した場合でも、ソレノイドから発生した磁力によって部品同士が吸着し合い正常な動作が妨げられることを防ぐことができる。
【0036】
ローラー11は、ユニット10へのカードの挿入時、或いはユニット10からのカードの抜き取り時にローラーの円筒側面がカードに当接され、カードの挿抜動作に応じてローラー収納部内において回転する構造となっている。なお、ローラー11の回転軸方向の長さは、ローラー収納部小部屋の垂直方向の長さにほぼ等しいので、ローラー11がローラー収納部内で回転する際にその回転軸方向に傾くおそれはない。
【0037】
また、ローラー11は、特定の回転軸によってローラー収納部内に軸支されている訳ではなく、かつローラー収納部の小部屋の水平方向((
図3(d)の拡大図において図中の上下方向)の長さは、ローラー11の直径よりも若干長く設定されている。これによって、ローラー11はローラー収納部の小部屋内において、その水平方向に対して自由に遊動することができる。因みに、本実施例では係る遊動可能距離の長さが、カード或いはスライドプレート12の厚さに相当することになる(後の動作説明において詳述)。
【0038】
一方、ソレノイド14は、ユニット10のフレーム10aの側面にねじなどの固定部材によって取り付けられており、スライドプレート12ではローラー11と当接しない側の先端は略直角に曲げられ、そこに可動鉄心15が装着されている。また、スライドプレート12の中程に設けられた突片12aには引張バネ13の一端が取り付けられており、係る引張バネ13の他の一端は、ユニット10のフレーム10aに設けられた突片18に取り付けられている。
【0039】
通常の待機状態、すなわちソレノイド14の非通電時には、引張バネ13の張力によって、スライドプレート12は、図(3d)に示された待機位置に引き戻されている。因みに、係る待機位置では、スライドプレート12の先端部はローラー収納部の小部屋内に入り込んでおり、セパレータ17を挟んでローラー11の円筒側面に当接されている。
【0040】
セパレータ17は弾性を有する薄板状部材であって、図(3d)に示すように、その端部17aがユニット10のフレーム10aに固定されており、他の一方の端部17bがローラー収納部の小部屋内で自由に動く構造となっている。なお、スライドプレート12の動作に関連したセパレータ17の動きについては、ユニット10の動作説明において後述する。
【0041】
前述のように、ローラー11は、ローラー収納部の小部屋内の水平方向(図(3d)の拡大図では図中の上下方向)に対して自由に遊動することができるので、上記のスライドプレート12の先端部がローラー収納部の小部屋内に入り込んでいる状態では、ローラー11はスライドプレート12と逆方向の小部屋内壁に向けて押やられ(図(3d)の拡大図では図中の上方向に押し上げられ)、ローラーとローラー収納部小部屋内壁に挟まれた隙間のカード通行路が塞がれ、或いは狭められることになる。すなわち(後述するように)、誤操作時や不正操作時における、カード挿入の阻止のためのカード収納部前面入口の閉鎖や、カード抜去の阻止のための出口の閉鎖としての役割が果たされる。
【0042】
また、カード検知スイッチ16は、ソレノイド14と同様にユニット10のフレーム10aの側面に取り付けられており、同スイッチに備えられた検知レバー、或いは検知ノブがカードと接触することによって、ユニット10のカード収納部内におけるカードの有無が検出される。
【0043】
次に、本装置1およびユニット10の総括的な動作について説明を行なう。先ず、利用者が本装置1にカードを保管する場合、或いは本装置1からカードを取り出す場合、利用者は、予め定められた手順に沿って操作部101から所定の操作指令信号を入力する。この操作指令信号は、例えば、特定のパスワードや登録番号、或いはカードの保管や取り出し等を指定する特定の操作コードである。
【0044】
操作部101からの操作指令信号を受信した制御部103は、カードの保管或いは取り出しの対象となるユニット10にアクセスを行う。この際、多数実装されているユニット10の中からアクセス対象となったユニットを特定するため、当該ユニットの前面に実装された表示素子20を点滅させても良いし、或いは、本装置1の表示部102にアクセス対象となったユニット10の前面に印字されたユニット番号などを表示するようにしても良い。
【0045】
制御部103は、上記の処理と同時に、アクセスを行ったユニット10のソレノイド14に通電して同ユニットにおけるロック機構の解除を行なう。これによって、利用者はユニット10へのカードの保管、或いはユニット10からのカードの取り出しを行うことができる。なお、ロック機構解除後のユニット10へのカードの保管(挿入)、或いはユニット10からのカードの取り出し(抜き取り)は全て利用者の手動操作によってなされるので、カードの挿抜動作に関する制御は行われない。
【0046】
カードを保管する場合、利用者によってカード収納部スリットの最奥までカードが挿入されるとカード検知スイッチ16によりカードが検知され、これを認識した制御部103は、ユニット10のソレノイド14への通電を中止する。一方、カードを取り出す場合は、カード検知スイッチ16がカードを検知しなくなった時点で、制御部103はソレノイド14への通電を中止する。
【0047】
次に、ユニット10の動作やその状態について、様々の動作ステージ毎に区分して以下に説明を行なう。
【0048】
(1)ユニット10への非アクセス時(待機状態)
制御部103からユニット10へのアクセスがなされていない、いわゆる待機状態においては、ユニット10のソレノイド14に通電がされておらずソレノイドによる吸引力が働かないため、スライドプレート12の先端部は、引張バネ13の張力によって図(3d)に示された待機位置に引き戻されている。
【0049】
すなわち、スライドプレート12の先端部はローラー収納部の小部屋内に入り込んでおり、セパレータ17を挟んでローラー11の円筒側面に当接されているので、ローラー11は、ローラー収納部の小部屋内の奥に(図面では下方向に)移動することができない。この状態で、
図4(
図4は前述の図(3c)、(3d)と同様に、ユニット10の側面図におけるA−A’の略断面図、およびローラー収納部近傍(図中のC部)の拡大図を表したものである。)に示すように、外部からユニット10へカードなどを挿入しようとしても、ローラー11がスライドプレート12によって押し上げられ、カード収納部の入り口を塞いでいるため、外部からのカードなど異物の進入を防ぐことができる。
【0050】
すなわち、ユニット10へのアクセスがなされていない待機状態においては、ユニット10のカード収納部内に外部からカードなどの異物を挿入することができない。これによって、例えば、悪意のある第三者により本装置1のカード保管システムとは無関係のカードや異物などを、ユニット10のカード収納部内に挿入されるような悪戯を未然に防止することができる。
【0051】
(2)ユニット10へのカードの挿入時
次に、利用者が本装置1にカードの保管を行なうべく、ユニット10へカードの挿入を行なう際の動作を説明する。前述のように制御部103からユニット10へのアクセスがなされると、制御部103からの指令信号に応じて所定のユニット10のソレノイド14に通電がなされ、それに伴い可動鉄心15が吸引される。
【0052】
ソレノイド14の吸引力は、引張バネ13の張力よりも強く設定されているので、可動鉄心15の移動に伴い、スライドプレート12はソレノイド14の方向に移動する。この様子を
図5に示す。因みに、
図5は前述の
図4と同様に、ユニット10の側面図におけるA−A’の略断面図、およびローラー収納部近傍(図中のC’部)の拡大図を表したものである。
【0053】
これによって、
図5の拡大図に示されるように、スライドプレート12の先端部は、ローラー収納部の小部屋の奥から引き出され、ローラー11がローラー収納部の小部屋内の奥方向(
図5の拡大図では図中の下方向)に移動することが可能なスペースが作り出される。
【0054】
但し、前述のようにセパレータ17は薄板状の弾性体であり、その一端17aがユニット10のフレーム10aに固定され、他の一端17bがローラー収納部内で自由に動ける構造となっている。このため、ローラー11は、セパレータ17の弾性によって従来位置に担持され、スライドプレート12の先端部の退出と同時にローラー11がローラー収納部の小部屋の奥に移動することはない。
【0055】
すなわち、本装置1においては、ユニット10へのアクセスがなされソレノイド14に通電されても、直ちにカード収納部の入り口が開いてしまうことはなく、実際に利用者がカードの挿入を行なうまで、カード収納部が閉ざされた状態を堅持するような考慮がなされている。
【0056】
この状態で、
図6(
図6は前述の
図5と同様に、ユニット10の側面図におけるA−A’の略断面図、およびローラー収納部近傍(図中のC’’部)の拡大図を表したものである。)に示すように、利用者がカードをユニット10のカード収納部の入り口に押し当てると、カードの進入によってローラー11がローラー収納部の小部屋内を奥方向(
図6の拡大図では図中の下方向)に押し出される。前述のように、薄板状弾性体のセパレータ17の一端17bは小部屋内で自由に動くことができるため、ローラー11は、セパレータ17を押し付けながらローラー収納部の小部屋内の奥方向に移動する。
【0057】
以上の動作によって、ローラー収納部入り口のロックが解除されるので、利用者はカードを進めることが可能となり、カードはローラー11を押し退けて、その円筒側面に当接されつつ、これを回転させながらユニット10のカード収納部に進入することができる。
【0058】
その後、カードがカード収納部の奥に到達し、カード検知スイッチ16によってカードの存在が検知されると検知信号が制御部103に伝達され、制御部103はソレノイド14への通電を中止する。
その結果、ソレノイド14の可動鉄心15への吸引力が無くなり、スライドプレート12は、引張バネ13の張力によって前述の
図3に示した待機状態の位置に引き戻される。すなわち、スライドプレート12の先端部は、再びローラー収納部の小部屋内に入り込みローラー11を押し上げる。この状態ではスライドプレート12がセパレータ17を介してローラー11の円筒側面に当接されているので、ローラー11は、ローラー収納部の小部屋内の奥に移動することができず、カード収納部の入口はローラー11によって閉鎖される。それ故、係る状態において、誤操作(思い違い)等により新たなカード挿入が試みられたとしても拒絶されることは言うまでもない。
【0059】
なお、係る状態は、
図7(
図7は前述の
図6と同様に、ユニット10の側面図におけるA−A’の略断面図、およびローラー収納部近傍(図中のD部)の拡大図を表したものである。)に示すように、カード収納部の出口がローラー11によって閉鎖されている状態でもあり、仮に、悪意のある第三者がカードを直接に摘まんで抜き取ろうとしても、ローラー11のロック機能によってカードを抜き取ることができない。
【0060】
(3)ユニット10からのカードの取り出し時
次に、利用者が本装置1からカードを取り出すべく、ユニット10からのカードの抜き取りを行なう際の動作を説明する。前述のように制御部103からユニット10へのアクセスがなされると、制御部103からの指令信号に応じて所定のユニット10のソレノイド14に通電がなされ、それに伴い可動鉄心15が吸引される。
【0061】
ソレノイド14の吸引力は、引張バネ13の張力よりも強く設定されているので、可動鉄心15の移動に伴いスライドプレート12はソレノイド14の方向に移動する。この様子を
図8に示す。因みに、
図8は前述の
図7と同様に、ユニット10の側面図におけるA−A’の略断面図、およびローラー収納部近傍(図中のD’部)の拡大図を表したものである。
【0062】
これによって、
図8の拡大図に示されるように、スライドプレート12の先端部は、ローラー収納部の小部屋の奥から引き出され、ローラー11がローラー収納部の小部屋内の奥方向(
図8の拡大図では図中の下方向)に移動することが可能なスペースが作り出される。
【0063】
但し、前述のようにセパレータ17は薄板状の弾性体であり、その一端17aがユニット10のフレーム10aに固定され、他の一端17bがローラー収納部内で自由に動ける構造となっている。このため、ローラー11は、セパレータ17の弾性によって従来位置に担持され、スライドプレート12の先端部がローラー収納部の小部屋から退出されても、直ちにローラー11がローラー収納部の小部屋の奥に移動することはない。
【0064】
すなわち、本装置1においては、カードの取り出し時にユニット10へのアクセスがなされソレノイド14に通電されても、直ちにカード収納部の入り口が開いてしまうことはなく、実際に利用者がカードの抜き取りを行なうまでカード収納部の入り口が閉ざされた状態が保たれる。
【0065】
係る状態の下で利用者によってカードの抜き取りが行なわれると、
図9(
図9は前述の
図8と同様に、ユニット10の側面図におけるA−A’の略断面図、およびローラー収納部近傍(図中のD’’部)の拡大図を表したものである。)に示すように、ローラー11は、ローラー収納部の小部屋内の奥方向(
図9の拡大図では図中の下方向)に押し出される。前述のように、セパレータ17の一端17bは小部屋内で自由に動けるため、ローラー11は、薄板状弾性体のセパレータ17押し付けながらローラー収納部の小部屋内の奥方向に移動する。
【0066】
係る動作によって、ローラー収納部入り口のロックが解除されるので、利用者はカードの抜き取りを引き続き行なうことが可能となり、カードはローラー11を押し退けて、その円筒側面に当接されつつ、これを回転させながらユニット10から取り出される。なお、カードがカード収納部の奥から離れると、カード検知スイッチ16によるカードの存在が検知されなくなる。これによって、カード検知スイッチ16からカードの非検知信号が制御部103に伝達され、制御部103はソレノイド14への通電を中止する。
【0067】
その結果、ソレノイド14の可動鉄心15への吸引力が無くなり、スライドプレート12を待機状態の位置に引き戻すための引張バネ13の張力が加わるが、このときは、既にカードがローラー11に当接されながら、これを回転させつつカード収納部の出入り口を通過中である。
【0068】
それ故、ローラー11は
図9の拡大図に示されるようにローラー収納部の奥に押し付けられており、スライドプレート12がローラー収納部の奥に入り込める余地はない。すなわち、ソレノイド14への通電が中止されても、ユニット10からカードが抜き取られている間は、スライドプレート12が待機状態の位置に引き戻されることはない。
【0069】
その後、カードがユニット10から完全に抜き取られると、ローラー収納部にローラー11の遊動スペースができるため、引張バネ13の張力によってスライドプレート12の先端部は再びローラー収納部の小部屋内に入り込み、セパレータ17を介してローラー11を内壁に向けて押し退ける(図中の表現では押し上げる)。すなわち、スライドプレート12がセパレータ17を介してローラー11の円筒側面に当接されるので、ローラー11は、ローラー収納部の小部屋内の奥に留まっていることができず内壁に当たるまで(若しくは接近するまで)移動し、そこでカード通行路の障害物となり、カード収納部の出口はローラー11によって閉鎖されることになる。なお、この閉鎖がなされた箇所はカード収納部の入口でもあり以後は、前述したような制御部103からの指令信号に応じた動作であるソレノイド14への通電がなされない限り閉鎖(ローラー11の移動不能状態)が持続され、操作部101からのカードアクセスの操作を実行しない限り、カードの挿入は阻止されることになる。
【0070】
本実施例によるユニット10のカードのロック機構は、ローラー11によってカードの移動通路(通行路)を閉塞することを基本としている。すなわち、本実施例によるロック機構では、直接にカードに接触するのはローラー11の円筒側面のみであり、ローラー11は、ローラー収納部の小部屋内でその円筒軸について自由に回転できる構造となっている。
【0071】
そのため、ユニット10からのカードの挿抜時や、スライドプレート12の移動時(セパレータ17が用いられない場合)には、ローラー11が回転しコロの効果によって動作時の負荷が軽減されるため、ソレノイド14や引張バネ13には強い吸引力、張力を必要とすることはない。また、カードの挿抜動作は利用者の手動操作によって行なわれるので、カード射出用の強力なバネやソレノイドを要することもない。
【0072】
また、本実施例では、ロック機構の強度は、ローラー11やスライドプレート12に直接的に依存しているものではなく、ローラー収納部の周囲壁面や、カード収納部の入口周辺壁面の厚さや材質に依存する。それ故、これらの壁面の厚さや材質などを適宜調整することによって、ロック機構に最適の強度ならびに堅牢性を実現することができる。
【0073】
なお、本実施例におけるセパレータ17の本来的な機能は、ローラー収納部の奥から、スライドプレート12の先端部が後退した際に、セパレータ17の弾性によってローラー11を担持し、ローラー11が直ちにローラー収納部の奥に後退させないことであるが、同時に、悪意のある第三者による不正行為等に対処するための、ローラー11の動きをスライドプレート12の先端部に伝えさせない機能も担っている。
【0074】
これは、例えば
図3や
図7に示された事例において、外部から特殊な工具類を用いてローラー11に回転力を加えられた際に、その力がローラー11に当接されているスライドプレート12の先端部に伝達され、スライドプレート12が後退しロックの解除がなされてしまうことを防止するためである。したがって、係る機能を重視するのであれば、例えばセパレータ17或いはスライドプレート12の材質として、その周囲の部材に比較して摩擦係数のより少ない部材、或いは摩擦係数の低減処理を施した部材を用いるようにしてもよい。
【0075】
なお、本発明は以上に説明した各実施形態に限定されるものではなく、例えば、本発明を構成する各部位の形状や配置、或いはその素材等は、本発明の趣旨を逸脱することなく、現実の実施対応に即して適宜変更ができるものであることは言うまでもない。