(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
用量制限器を更に含む、請求項1〜3の何れか一つに記載の用量設定機構であって、該用量制限器が前記内部ハウジングの前記螺旋スプラインにスプラインされる、用量設定機構。
前記クリッカーが第一のクリッカー部分及び第二のクリッカー部分を含む請求項6又は7に記載の用量設定機構であって、ここで前記第一のクリッカー部分が、前記第二のクリッカー部分のクリッカー歯の第二のセットを係合するように構成されるクリッカー歯の第一のセットを含む、用量設定機構。
前記クリッカー又は前記第一のクリッカー部分が、前記内部ハウジングの前記螺旋スプラインに係合するように構成された少なくとも一つの前記スプラインを含む、請求項6〜8の何れか1項に記載の用量設定機構。
前記クリッカーが、用量設定工程中に回転するために、及び/又は投与工程中に回転するように構成される、及び/又は、前記用量設定機構が、リセット工程中に回転するために、リセット可能な用量設定機構を含む、請求項6〜11の何れか1項に記載の用量設定機構。
前記スピンドルが、用量設定工程中に回転しないように、及び/又は投与工程中に回転するように、及び/又はリセット工程中に回転するように構成される、請求項13又は14に記載の用量設定機構。
少なくとも1つの薬学的に活性な化合物を含有する医薬製剤を含むカートリッジから投薬される薬剤の用量を設定するために設けられる、請求項1〜16の何れか1項に記載の用量設定機構。
薬学的に活性な化合物が、少なくとも1つのヒトインスリン又はヒトインスリン類似体若しくは誘導体、グルカゴン様ペプチド(GLP−1)又はその類似体若しくは誘導体、又はエキセンジン−3又はエキセンジン−4、又はエキセンジン−3若しくはエキセンジン−4の類似体若しくは誘導体を含む、請求項17に記載の用量設定機構。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本明細書で使用する用語「薬物」又は「薬剤」又は「薬剤製品」は、少なくとも1つの薬学的に活性な化合物を含む医薬製剤を意味し、
ここで一実施態様において、薬学的に活性な化合物は、最大で1500Daまでの分子量を有し、及び/又は、ペプチド、蛋白質、多糖類、ワクチン、DNA、RNA、抗体、酵素、抗体、ホルモン、若しくはオリゴヌクレオチド、又は上記の薬学的に活性な化合物の混合物であり、
ここで更なる実施態様において、薬学的に活性な化合物は、糖尿病、又は糖尿病性網膜症などの糖尿病関連の合併症、深部静脈又は肺血栓塞栓症などの血栓塞栓症、急性冠症候群(ACS)、狭心症、心筋梗塞、癌、黄斑変性症、炎症、枯草熱、アテローム性動脈硬化症、及び/又は、関節リウマチの治療、及び/又は、予防に有用であり、
ここで更なる実施態様において、薬学的に活性な化合物は、糖尿病、又は糖尿病性網膜症などの糖尿病に関連する合併症の治療、及び/又は、予防のための少なくとも1つのペプチドを含み、
ここで更なる実施態様において、薬学的に活性な化合物は、少なくとも1つのヒトインスリン、又はヒトインスリン類似体若しくは誘導体、グルカゴン様ペプチド(GLP−1)、又はその類似体若しくは誘導体、又はエキセンジン−3又はエキセンジン−4、若しくはエキセンジン−3又はエキセンジン−4の類似体若しくは誘導体を含む。
【0017】
インスリン類似体は、例えば、Gly(A21)、Arg(B31)、Arg(B32)ヒトインスリン;Lys(B3)、Glu(B29)ヒトインスリン;Lys(B28)、Pro(B29)ヒトインスリン;Asp(B28)ヒトインスリン;ヒトインスリンであり、ここで、B28位におけるプロリンは、Asp、Lys、Leu、Val又はAlaで代替され、そして、B28位において、Lysは、Proで代替されてもよく;Ala(B26)ヒトインスリン;Des(B28−B30)ヒトインスリン;Des(B27)ヒトインスリン、及びDes(B30)ヒトインスリンである。
【0018】
インスリン誘導体は、例えば、B29−N−ミリストイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−パルミトイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−ミリストイルヒトインスリン;B29−N−パルミトイル ヒトインスリン;B28−N−ミリストイルLysB28ProB29ヒトインスリン;B28−N−パルミトイル−LysB28ProB29ヒトインスリン;B30−N−ミリストイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B30−N−パルミトイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B29−N−(N−パルミトイル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(N−リトコリル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)−des(B30)ヒトインスリン、及びB29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)ヒトインスリンである。
【0019】
エキセンジン−4は、例えば、エキセンジン−4(1−39)、H−His−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Leu−Ser−Lys−Gln−Met−Glu−Glu−Glu−Ala−Val−Arg−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−Gly−Gly−Pro−Ser−Ser−Gly−Ala−Pro−Pro−Pro−Ser−NH
2配列のペプチドを意味する。
【0020】
エキセンジン−4誘導体は、例えば、以下の化合物リスト:
H−(Lys)4−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH
2;
H−(Lys)5−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH
2;
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);又は
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−(1−39);
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
ここで、基−Lys6−NH
2は、エキセンジン−4誘導体のC−末端と連結してもよく;
【0021】
又は以下の配列のエキセンジン−4誘導体:
H−(Lys)6−desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH
2;
desAsp28,Pro36,Pro37,Pro38エキセンジン−4(1−39)−NH
2;
H−(Lys)6−desPro36,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH
2;
H−Asn−(Glu)5desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH
2;
desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH
2;
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH
2;
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH
2;
H−(Lys)6−desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH
2;
H−desAsp28 Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH
2;
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH
2;
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH
2;
desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH
2;
H−(Lys)6−des Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH
2;
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH
2;
H−(Lys)6−desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH
2;
desMet(O)14,Asp28,Pro36,Pro37,Pro38 エキセンジン−4(1−39)−NH
2;
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH
2;
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH
2;
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH
2;
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH
2;
H−Asn−(Glu)5,desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH
2;
H−Lys6−desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25, Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH
2;
H−desAsp28,Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH
2;
H−(Lys)6−des Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH
2;
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH
2;
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH
2;
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(S1−39)−(Lys)6−NH
2;
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH
2;
又は前述のいずれかのエキセンジン−4誘導体の薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物;
から選択される。
【0022】
ホルモンは、例えば、ゴナドトロピン(ホリトロピン、ルトロピン、コリオンゴナドトロピン、メノトロピン)、ソマトロピン (ソマトロピン)、デスモプレッシン、テルリプレッシン、ゴナドレリン、トリプトレリン、ロイプロレリン、ブセレリン、ナファレリン、ゴセレリンなどのRote Liste、2008年版、50章に表示されている脳下垂体ホルモン又は視床下部ホルモン又は規制活性ペプチド及びそれらの拮抗剤である。
【0023】
多糖類としては、例えば、ヒアルロン酸、ヘパリン、低分子量ヘパリン、又は超低分子量ヘパリン、若しくはその誘導体などのグルコアミノグリカン、又はスルホン化された、例えば、上記多糖類のポリスルホン化形体、及び/又は、薬学的に許容可能なその塩がある。ポリスルホン化低分子量ヘパリンの薬学的に許容可能な塩の例としては、エノキサパリンナトリウム塩がある。
【0024】
薬学的に許容可能な塩は、例えば、酸付加塩及び塩基塩がある。酸付加塩としては、例えば、HCl又はHBr塩がある。塩基塩は、例えば、アルカリ又はアルカリ土類金属、例えば、Na
+、又は、K
+、又は、Ca
2+から選択されるカチオン、又は、アンモニウムイオンN
+(R1)(R2)(R3)(R4)を有する塩であり、ここで、R1〜R4は互いに独立に、水素;場合により置換されるC1−C6アルキル基;場合により置換されるC2−C6アルケニル基;場合により置換されるC6−C10アリール基、又は場合により置換されるC6−C10ヘテロアリール基である。薬学的に許容される塩の更なる例は、“Remington's Pharmaceutical Sciences”17編、Alfonso R.Gennaro(編集),Mark
Publishing社,Easton, Pa., U.S.A.,1985 及び Encyclopedia of Pharmaceutical Technologyに記載されている。
【0025】
薬学的に許容可能な溶媒和物としては、例えば、水和物がある。
【0026】
図1を参照すると、本発明の第一の配置に従って薬物送達デバイス1が示される。薬物送達デバイス1は、第一のカートリッジ保持部分2及び用量設定機構4を有するハウジングを含む。カートリッジ保持部分2の第一の端及び用量設定機構4の第二の端は、連結機構によって互いに固定される。この図示された配置において、カートリッジ保持部2は用量設定機構4の第二の端内に固定される。取り外し可能なキャップ3はカートリッジ保持部の第二の端つまり遠位端に亘って開放可能に保持される。以下に詳細に述べられる如く、用量設定機構4は用量ダイアルスリーブ12及び窓又はレンズ14を含む。薬物送達デバイス1内に含有された薬剤の用量を設定するために、使用者は用量ダイアルグリップ12を回転し、そして窓によって使用者は用量目盛配置16を介してダイアルされた用量を見ることが可能になる。
図2は、カバー3が薬物送達デバイスの遠位端から除去された、
図1の薬物送達デバイス1を図示する。図示された如く、そこから薬剤製品の多くの用量が投与され得るカートリッジ20はカートリッジハウジング6中に供される。好ましくは、カートリッジ20は、一日に一回又はそれより多い回数のようなしばしば投与される薬剤のタイプを含む。そのような薬剤の一つはインスリンである。栓又は(
図2において図示されていない)ストッパーは、カートリッジ20の第一の端つまり近位端において保持される。
【0027】
図2において図示された薬物送達デバイスの用量設定機構4は、再使用可能な(従ってリセット可能な)又は再使用不可能な(従ってリセット不可能な)薬物送達デバイスとして利用され得る。薬物送達デバイス1が再使用可能な薬物送達デバイスを含む場合、カートリッジはカートリッジハウジング6から取り外し可能である。カートリッジ20は、デバイスを壊すことなく、単に使用者が用量設定機構4をカートリッジホルダ20から連結解除することによって、デバイスから取り外し得る。
【0028】
使用中、一旦、取り外し可能なキャップ3が取り外されると、使用者は適切なニードルアセンブリをカートリッジホルダの遠位端に取り付けることができる。そのような針ユニットは、ハウジングの遠位端上にねじ込み得て、又は代わりに、この遠位端上にパチンとはめ得る。交換可能なキャップ3は、用量設定機構4から伸びているカートリッジホルダ6を覆うために使用される。好ましくは、交換可能なキャップ3の外部寸法は、交換可能なキャップ3がカートリッジホルダ2を覆っている位置にあるとき、一体物(unitary whole)の印象を供するように、用量設定機構4の外部寸法に類似しているか又は等しい。
【0029】
図3は、カートリッジホルダ6に取り外しできるように連結された用量設定機構4の断面図を図示する。用量設定機構4は、スピンドル42、ナンバースリーブ24、クリッカー75、クラッチ26、及びドライバー30を収容している外部ハウジング40を含む。第一螺旋溝19は、スピンドル42の第一端から伸びる。一つの配置において、スピンドル42は一般的に円形断面をしているが、他の配置も使用され得る。スピンドル42の第一端(スピンドル42の遠位端43)は、圧力板64を通して伸びる。スピンドルベアリング50は、スピンドル42の遠位端43に置かれる。スピンドルベアリング50はカートリッジピストン18の第二端に隣接して配列される。ドライバー30はスピンドル42の近くに伸びる。
【0030】
クラッチ26はドライバー30の近く、ドライバー30とナンバースリーブ24の間に配列される。クラッチ26はドライバー30の第二端に隣接して置かれる。ナンバースリーブ24はクラッチ26の外側に、そして外部ハウジング40の半径方向に内側に向かって供される。主外部ハウジング40には、それを通してナンバースリーブ10の外表面11の一部を見ることができる窓14が備わっている。
【0031】
図1〜2に戻ると、用量ダイアルグリップ12はナンバースリーブ10の第二端の外表面の周りに配列される。用量ダイアルグリップ12の外径は、好ましくは、外部ハウジング40の外径に対応する。用量ダイアルグリップ12は、これら二つの部品の間の相対的な動きを防ぐようにナンバースリーブ10に固定される。一つの好ましい配置において、用量ダイアルグリップ12及びナンバースリーブ10は、クラッチ及び駆動袖に回転的に連結され、そしてナンバースリーブ10に軸方向に連結された一体物部品を含む。しかしながら、代替連結配置も使用され得る。
【0032】
図3〜5に戻ると、この配置において、ドライバー30は第一ドライバー部分44及び第二ドライバー部分46を含み、そしてこれらの部分はスピンドル42の周りに伸びる。第一及び第二のドライバー部分44、46の両者は一般に円筒状である。
図6から見られる通り、第一ドライバー部分44は、半径方向に伸びている第一フランジ56を有する第一端に供される。半径方向に伸びている第二フランジ58は、第一フランジ56から第一ドライバー部分44にそって距離を開けて供される。中間螺旋溝62は、第一フランジ56と第二フランジ58の間に伸びている第一ドライバー部分44の外部部分上に供される。一部の又は部分螺旋溝68は、第一ドライバー部分44の内部表面に沿って伸びる。スピンドル42はこの部分螺旋溝68内で作用するように適合される。
【0033】
(
図3において図示されている)用量制限器38はドライバー30とハウジング4の間に置かれ、第一フランジ56と第二フランジ58の間に配列される。図示された配置において、用量制限器38はナットを含む。用量制限器38は、ドライバー30の螺旋溝62に合う内部螺旋溝を有する。一つの好ましい配置において、用量制限器38の外表面及び外部ハウジング40の内部表面は、スプラインを介して一緒に固定される(keyed)。これによって用量制限器38と外部ハウジング40の間の相対的な回転が防がれ、一方、これら二つの部品の間の相対的な縦方向の動きが可能になる。
【0034】
図2〜5に戻って参照すると、本質的に、通常の使用において、用量設定機構4の操作は以下のように起こる。
図1〜5において図示された配置において用量をダイアルするために、使用者は用量ダイアルグリップ12を回転する。ドライバー30、クラッチ26及びナンバースリーブ10は、用量ダイアルグリップ12と一緒に回転する。この好ましい配置において、クリッカー75はクラッチ26の遠位端23と駆動袖46のフランジ80の間に配列される。クリッカー75及び外部ハウジング40の内部表面はスプライン65a、65bを介して一緒に固定される。これによって、用量選択中又は用量投与中に外部ハウジング40に対するクリッカー75の回転が防がれる。
【0035】
ナンバースリーブ10は、外部ハウジング40から離れて近位方向に伸びる。このようにして、ドライバー30はスピンドル42を登る。ドライバー30及びクラッチが回転するにつれて、クラッチの遠位部分23は、クリッカー75上を引きずりクリックを生じる。好ましくは、遠位部分は、各々のクリッカーが従来の単位用量などに対応するように配列される複数のスプラインを含む。
【0036】
走行の限界点で、ナンバースリーブ10の半径方向の停止部は、ハウジング40上に供された第一停止部又は第二停止部と係合し、更なる動きを防ぐ。スピンドル42上でオーバーホールされそして駆動されたねじ山が反対方向であるために、スピンドル42の回転が防がれる。外部ハウジング40に固定された用量制限器38は、ドライバー30の回転によってねじ山62に沿って前進させられる。
【0037】
図2は、79国際単位(IU)の所望の用量がダイアルされた後の薬物送達デバイスを図示する。この所望の用量がダイアルされたとき、使用者は次いで、ダイアルグリップを押し下げることによって、79IUの所望の用量を投与し得る。使用者がダイアルグリップ12を押し下げるにつれて、これによってクラッチ26がナンバースリーブ10に対して軸方向に移動され、クラッチ26の係合が解除される。しかしながら、クラッチ26はドライバー30に対する回転において固定されたままに留まる。
【0038】
ドライバー30は、外部ハウジング40に対して回転することが防がれるが、それに対して軸方向に自由に動くことができる。ドライバー30の縦軸運動によって、スピンドル42が回転し、そしてそのことによってカートリッジ20中でピストン18が前進する。
【0039】
通常の使用において、ナンバースリーブ10が回転するとき、ドライバー30の第一及び第二のドライバー部分44、46が一緒に連結される。つまり、通常の使用において、ドライバー30の第一及び第二のドライバー部分44、46は、使用者が用量ダイアルグリップ12を回すことによって用量を設定するとき、ナンバースリーブ10と一緒に連結される。各用量投与の後、カートリッジホルダ6の遠位端8に開放可能なように連結されて取り付けられたニードルアセンブリから薬剤のダイアルされた用量を排出し続けるために、スピンドル42は、遠位方向に押され、カートリッジ20のピストン18に作用する。
【0040】
カートリッジ20中に含有された薬剤の全てを投与するために、使用者が薬物送達デバイス1を使用後、使用者は、カートリッジホルダ6中の空のカートリッジを新しいカートリッジで交換することを望むかもしれない。その時、使用者はまた用量設定機構4をリセットしなければならない:例えば、その時、使用者はスピンドル42を用量設定機構4内に後退又は押し戻さなければならない。
【0041】
もし、使用者が、空のカートリッジを交換すること、そしてデバイス1をリセットすることを決定するならば、第一及び第二のドライバー部分44、46は互いから連結解除されなければならない。第一ドライバー部分44が第二ドライバー部分46から連結解除された後、第一ドライバー部分44は自由に回転できるであろうし、一方、第二ドライバー部分46は自由に回転できないであろう。
【0042】
デバイスのリセット工程中に、第一ドライバー部分44の回転によって少なくとも二つの結果が達成される。第一は、第一ドライバー部分44の回転によってスピンドル42が回転されるため、第一ドライバー部分44の回転によって、用量設定機構4に対してスピンドル42の軸方向の位置がリセットされるであろう。スピンドル42の回転によって(スピンドルがスピンドルガイド48を用いてスプラインされる(splined)ため)、スピンドルが近位方向に動かされて用量設定機構内に戻る。例えば、
図7は、スピンドル42をスピンドルガイド48に連結するための一つの配置を図示する。
図7において、スピンドル42は、第一スプライン51及び第二スプライン52を含む。スピンドルガイド48は、開口部を有する本質的に円形の部材を含む。開口部は、スピンドルガイド48がスピンドル上にロックし、そしてスピンドルの回転中にスピンドルと一緒に回転するように、第一及び第二のスプライン51、52それぞれと係合する二つの内部に突き出た部材55、57を含む。
【0043】
第二に、第一ドライバー部分44の回転によって、用量制限器38も初期の位置又は出発位置に軸方向に動かされ又はリセットされるであろう。つまり、用量制限器38が外部溝にねじで係合され、そして外部ハウジング40などのハウジング部分の内部表面にスプラインされるため、第一ドライバー部分44は回転されて初期出発位置に戻される。この構成において、この部分がリセット工程中に回転されるにつれて、用量制限器38は、回転が防がれるが、第一ドライバー部分44の外部溝62に沿って動くであろう。また、それが外部ハウジング4の縦スプライン65a、65bにスプラインされるので、クリッカー75も、このリセット工程中に回転が防がれる。
【0044】
図3において図示された第一ドライバー配置を参照すれば、ドライバー30の二つの部分は、第一ドライバー部分44が第二ドライバー部分46から離れて軸方向に引かれるとき、連結解除される。これは、スピンドル42と、そこをスピンドルが通過するスピンドルガイド48の間の相対的な回転を最初にロックするために、そして次いでこのスピンドルガイド48及びナット66も軸方向に固定された距離を押すために、カートリッジホルダ6がデバイスの前方又は遠位端から取り外されるとき、一緒に相互作用する(少なくとも一つのばねなどの)付勢手段の使用によって達成され得る。スピンドル42がこのスピンドルガイド48に回転的にロックされ、そしてねじでスピンドルナット66に係合されるため、スピンドル42は軸方向に動くであろう。
【0045】
スピンドル42は第一ドライバー部分44に係合された溝を介して連結される。第一ドライバー部分44は、第二ドライバー部分46へのクラッチされた連結によって、回転することが防がれる。一つの好ましい配置において、第二ドライバー部分46は、クラッチと第二ドライバー部分46のフランジ80の間にあるクリッカー戻り止め75によって、回転することが防がれる。従って、スピンドル42の軸方向の動きによって、クラッチ連結が連結解除されるよう、二つのドライバー部分44、46が連結解除される。
【0046】
カートリッジホルダ6が用量設定機構4から取り外され又は連結を解除される時のこの一連の操作は、
図3〜5において図示される。
図3において、薬物送達デバイスの種々の構成部品は以下を含む:用量設定外部ハウジング40、カートリッジ20、スピンドル42、第一ドライバー部分44;第二ドライバー部分46、スピンドルベアリング50、スピンドルガイド48、スピンドル板54;主ばね60、圧力板64、カートリッジホルダ20;スピンドルナット66;及び第二ばね70。この好ましい配置において、スピンドルガイド48はカートリッジホルダ20に対して回転的に固定される。また、スプリング板54、圧力板64及びスピンドルナット66は、全て外部ハウジングに対して回転的に固定される。
【0047】
図3において、カートリッジホルダ6は、圧力板64中の開口部を介してはめ込まれ、そしてスプリング板54に負荷をかける。これによって、第一付勢手段、つまり主ばね60が圧縮される。(示されていない)圧力板64中のこれらの開口部によって、第二付勢手段又は第二ばね70の作用下で圧力板64が(カートリッジホルダ6に向かって遠位方向に)スプリング板54から離れて動くことが可能になる。これによって、
図3において示される如く、Gap「a」が開くであろう。Gap「a」は圧力板64とスプリング板54の間に創出されたギャップである。これによって、スピンドルナット66とスプリング板54の間のギャップGap「b」も開くであろう。このGap「b」は
図3において図示される。Gap「b」は第二ばね又は第二バネ70からの軽い力と一体になり、スピンドルナット66を薬物送達デバイス1の遠位端に向かって動かす。これによってスピンドルガイド48に軽い圧力がかけられる。
【0048】
スピンドルガイド48は、スピンドルナット66と圧力板64の間の第二バネ70の作用下で圧縮される。それを通してこの力が作用するスピンドルガイド48のフランジのどちらかの側上の摩擦係数と連結されたこの弱い力は、スピンドルガイド48の回転に対する抵抗、ひいてはスピンドル42の回転に対する抵抗をも供する。この構成の一つの利点は、用量の終わりに、カートリッジ栓18から残り得る軽い残留負荷の下、用量設定機構4内へのスピンドル42の捲き戻しを防ぐことが有利であることである。スピンドル42の近位方向への捲き戻しを防ぐことによって、スピンドル42(ひいてはスピンドルベアリング50)の遠位端43が、栓18上に留まる。スピンドル42の遠位端43が栓18上に保持されることは、使用者が潜在的な過小量投与を投与することを防ぐのに役立つ。
【0049】
使用者が用量を送達するとき、投与力が増すにつれて、スピンドルナット66上の後方への負荷が、スピンドルナット66が近位方向に走行して戻り、そして第二バネ70を圧縮する点まで増える。これによってスピンドルガイド48に作用している軸方向の力が開放される。これによってスピンドルガイド48、従ってスピンドル42の回転に対する抵抗が取り外される。従ってこの配置によって、カートリッジ栓18によって生じた低い負荷の下で、スピンドル42の捲き戻しが防がれるが、一旦、この投与力が或る閾レベルを超えて増すと、この投与力に追加はされない。
【0050】
図4は、用量設定機構4のハウジング40とカートリッジホルダ6の間の連結タイプを解放するためにカートリッジホルダ6を回転させた、
図3の用量設定機構4を図示する。一つ配置において、この連結タイプ22はバヨネット連結である。しかしながら、当業者は、ねじ、スナップロック、スナップフィット、ルアーロック及び他の類似連結タイプなどの他の連結タイプ22も同様に使用され得ることを認識するであろう。
図3〜5において図示された配置において、メインの付勢手段60によって創出されるこの力をそれらが解放するように、外部ハウジング40に対してカートリッジホルダ6を回転することによって、圧力板64中の開口部を通してメインの付勢手段60を圧縮するためにばね板54上に初期に作用していた機構が回転する。これによってばね板54が、スピンドルナット66の内部面上にスピンドルナット66に接触するまで、ばね板54が遠位方向に動くことが可能になる。
【0051】
この第二の状態において、前に述べられた(
図3からの)Gap「a」は、(
図4において見られる通り)ここでGap「c」に縮小されている。このようにして、メインの付勢手段60からの比較的大きい軸方向の力が、ばね板54を通してスピンドルナット66に作用し、そしてスピンドルナット66からスピンドルガイド48を通して圧力板64に作用する。このメインの付勢手段60からの比較的大きい軸方向の力は、スピンドルガイド48ひいてはスピンドル42が回転することを防ぐために十分である。
【0052】
カートリッジホルダ6の十分な回転の後、カートリッジホルダ6はハウジング40を有す連結タイプ22から係合を解除する。カートリッジホルダ6は次いで、メインの付勢手段60によって外部ハウジング40から離れて軸方向に(つまり、遠位方向に)駆動される。しかしながら、この動きの最中に、メインの付勢手段60は、カートリッジホルダ6にスピンドルガイド48を通して負荷をかけ続け、その結果、スピンドル42は回転することを防がれる。スピンドル42も第一ドライバー部分44にねじを切られているので、第一ドライバー部分44も軸方向に遠位方向に引かれ、そしてこのようにして第二ドライバー部分46から係合解除される。第二ドライバー部分46は、軸方向に固定され、そして回転することを防がれる。一つの配置において、第二ドライバー部分46は、クリッカーエレメントによって回転することを防がれ、そしてナンバースリーブにその軸方向の連結によって軸方向に動くことを防がれる。
【0053】
図5は、第三の位置における、つまり、カートリッジホルダ6が取り外された、
図3において図示された用量設定機構を図示する。カートリッジホルダ6が外部ハウジング40から取り外されるにつれて、(内部ハウジングの内側上に半径方向に内側に向かって伸びている丸いくぎ(peg)として図示された)
図5において示されたバヨネット機構によって圧力板64の走行が制限されるが、(
図4において示されるように)Gap「c」は(
図5において示されるように)より広いGap「d」へと大きくなることが可能になる。その結果、Gap「e」が生じる。Gap「e」によって、メインの付勢手段60によって創り出される大きなばね力がスピンドルガイド48から取り外される。
図4における用量設定機構4は、いつでもリセットできる。
【0054】
この用量設定機構4をリセットするために、使用者は、スピンドル42の遠位端43を押すことによって、スピンドル42をハウジング40内に近位方向に戻し後退させる。従って、用量設定機構4のこのリセット工程中に、スピンドル42が用量設定機構4内に押し戻されるのにつれて、スピンドル42の動きによって、第二付勢手段70によって創り出された軽いばね力に抗してスピンドルナット66が動かされて戻る。この動きによって軸方向の負荷、従って回転に対する抵抗がスピンドルガイド48から開放される。従って、用量設定機構4が、用量設定機構4内に回転して戻るスピンドル42によってリセットされるにつれて、スピンドルガイド48も回転する。
【0055】
スピンドル42が用量設定機構4内に更に押し戻されるにつれて、スピンドル42はスピンドルナット66を通して回転する。第一ドライバー部分44が第二ドライバー部分46から連結解除されるにつれて、第一ドライバー部分44は(駆動スリーブ46の第二半分上の第一環状リング91によって形成される円錐表面溝90上を可撓性エレメント102、103が走行しながら:
図5及び6)回転する。これによって、スピンドル42の軸方向及び回転の動きが収容される。
【0056】
リセット中に第一ドライバー部分44が回転するにつれて、第一ドライバー部分44も用量ナットをリセットする。より具体的には、第一ドライバー部分44が回転するにつれて、それが外部ハウジング40の内部表面にスプラインされるので回転できない用量ナットは、第一ドライバー部分44の外表面に沿って供される螺旋溝62に沿って横切り、そして初期の又は出発の位置へと横切って戻る。一つの好ましい配置において、用量ナットのこの出発位置は、第一ドライバー部分44の第一半径方向フランジ56に沿って存在する。
【0057】
用量設定機構4がリセットされた後、用量設定機構4は、カートリッジホルダ6に再連結されなければならない。これら二つの部品を再連結するとき、本方法は一般的に逆に働く。しかしながら、今度は、主ばね60の軸方向の圧縮によって、第一ドライバー部分44が第二ドライバー部分46と再度係合する。このようにして、可撓性エレメントは第二ドライバー部分46上の第二環状リング94と再度係合する。
【0058】
図6は、
図3において図示された第二ドライバー部分46及び第一ドライバー部分44の第一の配置を図示する。
図6において示されたように、第二ドライバー部分46は、一般的にチューブ状の形をしており、そして第二ドライバー部分46の遠位端で第一の環状溝90を含む。第一環状リング90は円錐面91を含む。第二ドライバー部分は、第二環状リング94、及び第二ドライバー部分の表面に沿って位置決めされる少なくとも一つのスプライン96を更に含む。
【0059】
第一ドライバー部分44も一般的にはチューブ状の形であり、そして第一及び第二の可撓性エレメント102、103及び複数のスプライン凹部100を含む。これらの複数の凹部100は、第一及び第二のドライバー部分44、46の両者が、それらが互いに開放可能に係合するよう、軸方向に一緒に押されるとき、第一ドライバー部分44の縦スプライン96を第二ドライバー部分46に解放可能に連結する。一緒に押されるとき、第一ドライバー部分44の可撓性エレメント102、103は、第二ドライバー部分46の第一環状溝90に亘って押され、そして次に、第二ドライバー部分のフランジ80が、第一ドライバー部分44の第一軸フランジ56に隣接するときに、止まる。
【0060】
第一ドライバー部分44も複数のラチェット機構104を含む。これらのラチェット機構104は第一ドライバー部分44の遠位端106で供される。これらのラチェット機構104は、ハウジング2にスプラインされるばね板25上の同様のラチェット機構と係合する。(
図3〜5を参照)リセット工程の終わりに、第一ドライバー部分44が回転することを防ぐように、これらのラチェット機構は互いに係合する。これによって、スピンドル42が更にリセットされるにつれて、円錐面90上を回転するのではなくむしろ、第二ドライバー部分46と再係合するために、第一ドライバー部分が軸方向に動くことが確保される。これらの機構も、二つのドライバー部分44、46が組立中又はリセット後に容易に係合するように、第二ドライバー部分44に対してばね板25を正しい位置に置く。従って、これらのラチェット機構も連結機構100、96が互いに衝突することを防ぐ。
【0061】
リセット可能な用量設定機構の第二配置が
図8〜10において図示される。
図8は、用量設定機構200の第二配置の断面図を図示する。当業者は、用量設定機構200が、
図2において図示されたカートリッジホルダ6のようなカートリッジホルダに開放可能なように連結するための連結機構を含み得ることを認識するであろう。しかしながら、当業者が認識するであろうように、用量設定機構もカートリッジホルダに恒久的に連結するための恒久的連結機構を含み得る。
【0062】
図9は、ドライバーの操作を図示している用量設定機構の部分を図示する。
図10は、
図9において図示された第一ドライバー部分と第二ドライバー部分の間の連結の拡大図を図示する。用量設定機構200の第二の配置は、
図1〜5において図示された用量設定機構4の第一の配置に一般的に類似した方法で作動する。
【0063】
図8〜10を参照すると、用量設定機構200は用量ダイアルグリップ202、ばね201、外部ハウジング204、クラッチ205、ドライバー209、ナンバースリーブ206、クリッカー220及び内部ハウジング208を含む。
図2〜5において図示されたドライバー30と同様に、用量設定機構のドライバー209は、第一ドライバー部分207及び第二ドライバー部分212を含む。一つの配置において、第一ドライバー部分207は、第一の構成部品210及び第二の構成部品211を含む。あるいは、第一ドライバー部分207は一体型構成部品である。
【0064】
図8及び9において図示された用量設定機構200がリセット可能な用量設定機構を含む場合、ドライバー209は、第一ドライバー部分207が第二ドライバー部分212に向かって軸方向に押されるとき(つまり、近位方向に押されるとき)、用量設定機構200から連結解除される。一つの配置において、これはスピンドル214の遠位端上で軸方向に押すことによって達成される。これはカートリッジホルダの取り外しに伴う如何なる機構も要求しない。この機構も、用量設定中並びに用量投与中に、第一及び第二のドライバー部分207、212及びスピンドル214が、一緒に回転的にロックされて留まるように、設計される。
【0065】
スピンドル214上の軸方向の力によって、スピンドル214は、内部ハウジング208に対してそのねじが切られた連結のため、回転させられる。スピンドル214のこの回転及び軸方向の動きによって、今度は、第一ドライバー部分207が第二ドライバー部分212に向かって軸方向に動かされる。これによって第一ドライバー部分207と第二ドライバー部分212の間の連結エレメント250が結局は連結解除されるであろう。これは
図11から見ることができる。
【0066】
第二ドライバー部分212に向かう、第一ドライバー部分207のこの軸方向の動きは、ある利点をもたらす。例えば、一つの利点は、金属ばね201が、
図8〜10において図示されたGap「a」を圧縮し、従って閉じるであろうということである。これによって、今度はクラッチ205がクリッカー220から又はナンバースリーブ206から係合解除することが防がれる。
図9において図示された通り、クラッチ205の遠位端は複数のクラッチ歯203を含む。これらのクラッチ歯203は、クリッカー220の近位端に配列された複数のクリッカー歯222と係合する。従って、使用者が、用量をダイアルするとき、これらのクラッチ及びクリッカー歯は、互いに係合してクリックを生じる。好ましくは、クリッカー歯222は、各々のクリックが従来の単位用量などに対応するように配列される。従って、用量ダイアルグリップ202、ひいてはクラッチ205が回転するとき、クラッチ歯203がクリッカー歯222の上に乗るため、可聴音が聞きとれる。
【0067】
第二ドライバー212は、それがクラッチ205にスプラインされるので、回転することを防がれる。クリッカー220は複数のスプライン221a、bを含む。これらのスプライン221a、bは内部ハウジング208の内部表面に対してスプラインされる。従って、Gap「a」が縮小されるか又は拡大されるとき、第二のドライバー部分212はハウジング204又はナンバースリーブ206に対して回転できない。その結果、ナンバースリーブ206はハウジング204に対して回転することができない。もしナンバースリーブ206が回転を防がれるならば、その時、スピンドル214が用量設定機構200内に後退して戻され、そうすることによってリセットされるので、スピンドル214上にかれられる力の結果、ナンバースリーブ206が用量設定機構200の近位側から押し出されるリスクは全くないであろう。
【0068】
同様に、薬物送達デバイスが投与されるとき、使用者は用量ボタン216に軸方向の負荷をかける。用量ダイアルグリップ202は、ダイアルスリーブに回転できるように連結され、そして用量ボタン216に回転できないように連結される。用量ボタン216はクラッチ205に軸方向に連結され、そしてこれによって相対的な軸方向の動きが防がれる。従って、クラッチ205は、カートリッジ端又は用量設定機構200の遠位端に向かって軸方向に動く。この動きによってクラッチ205がナンバースリーブ206から係合解除され、Gap「a」を拡大しながら相対的回転が可能になる。
【0069】
上述のように、これによってクラッチ205はクリッカー220に対して、ひいてはハウジング204に対して回転を防がれる。しかしながら、このシナリオにおいて、それによって、第一ドライバー部分210と第二ドライバー部分212の間の連結が係合解除されることも防がれる。従って、スピンドル214上の如何なる軸方向の負荷も、用量ボタン216が軸方向に負荷されていないときにのみ、第一及び第二のドライバー部分207、212を係合解除する。従ってこれは投与中には起こらない。
【0070】
用量設定機構200を用いて、使用者が用量ダイアルグリップ202で用量をダイアルするにつれて、金属ばね201は、以下の両方のクラッチ連結の係合を維持するために十分強いように選択される:クラッチ20と5ナンバースリーブ206の間のクラッチ連結、及び第一ドライバー部分207と第二ドライバー部分212の間のクラッチ連結。
【0071】
図11は、
図8において図示された第一ドライバー部分207及び第二ドライバー部分212の第一配置の詳細を示す。
図11において図示された通り、第二ドライバー部分212は、一般的にチューブ状の形をしており、そして第二ドライバー部分212の遠位端に置かれた少なくとも一つの駆動ドッグ250を含む。第一ドライバー部分207も一般的にチューブ状の形をしており、そして第二ドライバー部分212上の駆動ドッグ250と係合するためのサイズをした複数の凹部252を含む。駆動ドッグ及び凹部の構築によって、第一及び第二のドライバー部分が軸方向に一緒に押されるとき、駆動ドッグ250との係合解除が可能になる。この構築によって、これらの部品が弾かれて離れるとき、回転連結も創出される。用量制限器は第一ドライバー部分207上に供され得て、そして
図3において図示された用量制限器38と同様に作用する。
【0072】
この配置において、第一ドライバー部分207は、第二部分210に恒久的にクリップされる第一部分211を含む。この配置において、第一部分211は駆動ドッグ252を含み、そして第二部分210は内部溝254と同様に、最後の用量ナット用の外部溝を含む。この内部溝254はスピンドル214に連結するために使用され、そして用量投与中にスピンドル214を駆動する。
【0073】
図示された配置において、内部溝254は、完全な螺旋溝よりむしろ部分的螺旋溝を含む。この配置の一つの利点は、それが一般的により製作し易いことである。
【0074】
図8〜10において図示された配置から見られ得る通り、加えて、
図3〜5において図示された用量設定機構4に亘る或る機構強化部がある。これらは空のカートリッジを新しいカートリッジで交換するためにデバイスをリセットする能力とは独立して追加することができる。これらの強化部は、従って、リセット可能な及びリセットできない用量設定機構の両者に関連する。
【0075】
図示された両方の配置の、おそらく特に、
図8〜11において図示された配置における利点の一つは、用量設定機構200が、他の公知の用量設定機構よりも少ない部品数を有することである。また、金属コイルばね201は別にして(
図9及び10を参照)、用量設定機構200を構成するこれらの部品の全ては、安価でそして単純な工具を用いて射出成形され得る。ほんの一例として、用量設定機構200を構成するこれらの部品は、高価で精巧な回転コアを用いずに射出成形され得る。
【0076】
図8〜11において図示されたもののような、内部ハウジング208を含む用量設定機構200の別の利点は、用量設定機構200が僅かな修正で、リセット可能な及びリセットできない用量設定機構の両者を支持することが可能な薬物送達デバイスとして設計され得ることである。ほんの一例として、
図8〜11において図示されたリセット可能な用量設定機構200の変形例を、リセットできない薬物送達デバイスに修正するために、第一ドライバー部分211及び210並びに第二ドライバー部分212が、一体部品として成形することができる。これによって、薬物送達デバイス部品の総数が二つだけ減らされる。別法として、
図8〜11において図示された薬物送達デバイスは、変更しないままにとどめられ得るであろう。そのような使い捨てデバイスにおいて、カートリッジホルダは、ハウジングに固定されるであろうし、あるいは、単体の一体品及びカートリッジホルダとして作られるであろう。
【0077】
図8〜11における説明は、一般的に全体長さが用量設定機構200と類似している長さ「L」230を有する内部ハウジング208を示す(
図12を参照)。後で述べられるように、長さ「L」を有する内部ハウジング208を供することは、内部本体、又は一般的に用量設定機構の長さと等しい長さを有する内部本体を利用しない、他の公知の用量設定機構に比べて多くの利点を有する。
【0078】
内部ハウジング208は内部ハウジングの外表面234に沿って供される溝232を含む。ナンバースリーブ206の内部表面238上に供された溝ガイド236は、溝232に回転できるように係合される。
【0079】
内部ハウジング208を利用しているこの用量設定機構200の一つの利点は、内部ハウジング208が、ナンバースリーブ206、溝ガイド236及び溝232に対して摩擦を最小化するエンジニアリングプラスチックで作ることができることである。例えば、そのようなエンジニアリングプラスチックの一つにはアセタールが含まれるであろう。しかしながら、当業者は、低い摩擦係数を有する他の同等のエンジニアリングプラスチックも使用され得るであろうことを認識するであろう。そのようなエンジニアリングプラスチックを使用することにより、通常の操作中に外部ハウジング204が如何なる動いている部品とも係合しないので、摩擦に関する要求事項ではなく美観又は触感の理由から、外部ハウジング204のための材料が選択されることが可能になる。
【0080】
内部ハウジング208は、ナンバースリーブ206の外表面240上に螺旋溝を供するのではなくむしろ、ナンバースリーブ206の内部表面238上にそのような螺旋溝を有するナンバースリーブ206が供されることも可能にする。そのような内部溝を供することによって多くの利点がもたらされる。例えば、このことによって、スケール配置242を供するように、ナンバースリーブ206の外表面240に沿ってより広い表面積が供されるという利点がもたらされる。ナンバースリーブのより広い表面積が、薬物又はデバイスの同定目的のために使用され得る。ナンバースリーブ206の内部表面238上の溝ガイド236を供する別の利点は、この内部溝236が塵埃の侵入から保護される点である。言い換えると、もし溝がナンバースリーブ206の外表面240に沿って供されるとした場合と比較して、塵埃がこの内部溝の境界面にログされる(logged)ことはより困難である。この特長は、リセット不可能なデバイスに比べて、より長い期間に亘って機能しなければならないであろうリセット可能な薬物送達デバイスに対して特に重要である。
【0081】
ナンバースリーブ206と内部ハウジング208の間の溝付きの境界面の(「D」によって表される)有効駆動直径は、同じ外部本体直径に対する或る公知の薬物送達デバイスと比べて縮小される。これによって効率が改善され、そしてこの溝及び溝誘導連結に対して、薬物送達デバイスが(「P」によって表される)より低いピッチを有して機能することが可能になる。言い換えれば、ねじの螺旋角度が、軸方向に押されたとき、ナンバースリーブが回転するか又は内部本体にロックするか否かを定めるので、ここでこの螺旋角度はP/Dの比率に比例する。
【0082】
ナンバースリーブ206は、この長さをナンバースリーブ206に対して要求されるスペース並びにクリッカー及び用量制限器に対して要求されるスペースに分割する必要があるのではなく、むしろ機構の長さを「L」230で作ることができる。この構成の一つの利点は、それが、ナンバースリーブ206と外部ハウジング204の間で良好な軸方向の係合を確保する点である。これによって、使用者が最大の設定可能な用量をダイアルアウト(dial out)するために薬物送達デバイスを使用するとき、用量設定機構の機能性(及び認識特性)が改善される。
図13は、80国際単位(「IU」)の最大の設定可能な用量がダイアルアウトされた用量設定機構200を図示する。
【0083】
別の利点は、それによって、
図13から見られ得るように、ナンバースリーブ206が完全にダイアルアウトされるときでさえ、スケール配置242が外部ハウジング204内に隠されることが可能になる点である。しかしながら、その設計は、
図8において図示されたものに窓14の位置を制限するものではなく、この窓14はデバイスの用量ダイアルグリップ202の近くに位置決めされることが可能である。
図12及び13において図示された配置において、スケール配置242は窓14を介してのみ見ることができよう。
【0084】
を有して
(二つの部分で作られるか又はただ一つの一体物部品で作られるか)ドライバー209も、平らな内部貫通孔プラス軸方向に動くコアピンを有して成形することができるねじ形態を有して作ることができる。これによって、一回より多い回転(turn)を持つ内部ねじを有し、従って成形品取り出し工程中に数回回転されて出てくるコアピンが要求される、ドライバーの不利な点が避けられる。
【0085】
内部ハウジング208を含む用量設定機構を利用する一つの潜在的に不利な点は、内部ハウジング208の使用によって用量設定機構200全体に部品が追加される点である。従って、この内部ハウジング208は、クラッチ205とナンバースリーブ206の間を嵌合するために設計されなければならない全体の肉厚を増やす傾向にあるであろう。
図8において図示された通り、この設計問題に対処する(work around)ための一つの方法は、クラッチ205及びナンバースリーブ206の直径を小さくすることである。今度は、ドライバー209とスピンドル214の間のねじ形体が、内部ハウジング208又は本体部分の内部表面234に沿った溝とインターフェイスで連結するスピンドル溝形態(を有する類似した直径の上で)と重なっている、ドライバー209上の雄の内部機構及びスピンドル214上の雌の外部溝形体を含むため、これは達成され得る。
【0086】
スピンドル214上の溝形体の重なりによって、ドライバー209とのねじ境界面の有効直径が小さくなる。これによって、用量設定機構200の全体の外径を増すことなく内部ハウジング208の追加を可能にするドライバー209の潜在的外径も小さくなる。ドライバー209とのねじ境界面の有効直径を小さくすることによる別の追加便益は、それによって、先に説明した通り、投与中の薬物送達デバイスの効率が改善されることである。
【0087】
それを通してスケール配置242を見ることができる窓244は、外部ハウジング204中の単なる開口部であるか、又はナンバースリーブ206上の外表面240の一部に沿ったスケール配置(つまり、印刷された又はレーザーマーキングされた用量数)を拡大するように設計された透明なレンズ又は窓を含むことができる。
【0088】
外部ハウジング204内へのカートリッジホルダの連結は、ねじ又はバヨネット型の連結を用いて達成することができる。あるいは、取り外される、そして次いで再度取り付けられる大きな円筒状部分を要求する薬物送達デバイスにおいて使用される如何なる類似の頑丈な設計をも使用され得るであろう。
【0089】
図8〜11において図示された配置において、重なっている螺旋スピンドル214を用いて得られる機械的利点の限られた選択を用いるならば、要求される用量設定機構の長さ(ひいては薬物送達デバイスの全長)に対する機械的利点の最適な選択を達成することはしばしば困難である。そこで、多数部品駆動スリーブを有するこの用量設定機構に対する代替配置が望まれ得る。従って、
図8〜10において図示された複数溝スピンドルのような、スピンドル上の溝のピッチの比を変えることなく、機械的利点を変え得る向上された用量設定機構に対する必要性があり得る。そのような向上された用量設定機構が
図14及び15において図示される。
【0090】
例えば、
図14は、
図1において図示された薬物送達デバイスの用量設定機構の別の実施態様の断面図を図示する。
図15は、
図14において図示された用量設定機構の実施態様の部分断面図を図示する。用量設定機構300のこの代替配置は、一般に、
図8〜11において図示された用量設定機構200と類似したように操作される。つまり、用量設定及び用量注射の操作は一般に同じである。しかしながら、これら二つの用量設定機構の間の一つの違いは、使用者が用量設定機構300をリセットするときに何が起きるかという点にある。
図14及び15を参照すると、用量設定機構300は用量ダイアルグリップ302、ばね301、外部ハウジング304、クラッチ305、ドライバー309、ナンバースリーブ306、クリッカー375、用量制限器318、及び内部ハウジング308を含む。
図8〜11において図示されたドライバー209と同様に、用量設定機構300のドライバー309は第一のドライバー部分307及び第二のドライバー部分312を含む。一つの配置において、第一のドライバー部分307は第一の部品部分310及び第二の部品部分311を含む(一般的に、
図11を参照)。代替法として、第一のドライバー部分307は統合された部品部分である。
【0091】
図14及び15において図示された用量設定機構300がリセット可能な用量設定機構を含む場合、第一のドライバー部分307は、第一のドライバー部分307が第二のドライバー部分312に向かって軸方向に押される(つまり、近位方向に押される)とき、用量設定機構300から連結解除される。これは、カートリッジホルダの除去に伴う如何なる機構をも必要としない。この機構も、用量設定中並びに用量投与中に第一及び第二のドライバー部分307、312が回転的に一緒にロックされたままになるよう設計される。
【0092】
図8〜10において図示された配置に戻ると、複数部品ドライバー209は、用量投与中に、内部ハウジング208に対して軸方向に回転することなく軸方向に動く。
図14〜15において図示された代替配置において、ドライバー309は投与中に単に軸方向に動くのではなく、螺旋経路に沿って動くために拘束される。そのような螺旋経路は、内部ハウジング308の内部表面内に成形された一つ又はそれより多くの螺旋スプライン341によって定義され得る。そのような配置において、ドライバー309の経路は、内部ハウジング308の内部表面に沿って供された少なくとも一つの螺旋スプライン341を有するクリッカー375との(好ましくは、第二のクリッカー部分375を介した)回転的な連結を通して制御され得る。
【0093】
もし、内部ハウジング308の内側に沿って供されたこれらの螺旋溝が、第一の第一のドライバー部分307又はナンバースリーブ306上のねじ形態に対して反対方向に回転するならば、機械的利点は低減され得る。しかしながら、もし、これらの螺旋溝が、第一のドライバー部分307又はナンバースリーブ306上のねじ形態に対して同じ方向にそしてより大きなピッチで回転するならば、機械的利点は増大され得る。
【0094】
そのような提案された用量設定機構300を用いると、得られる機械的利点に対する式は以下の式を介して計算され得る:(A+B)/[A×(1−B/C)]。この式において、Aはスピンドル314と内部ハウジング308の間の溝ピッチであり、Bはスピンドル314と第一のドライバー部分307の間の溝ピッチであり、そしてCは、Bと同じ意味で表されているプラス表記(positive notation)を有する螺旋溝341のピッチである。
【0095】
この配置において、そして
図14及び15において図示された如く、クリッカー375は複数部品のクリッカーを含む。具体的に、クリッカー375は第一のクリッカー部分376及び第二のクリッカー部分377を含む。第一の及び第二のクリッカー部分376、377はクリッカー歯378及び377を各々含む。第一の及び第二のクリッカー部分376、377は両方とも金属コイルばね301の遠位側上に置かれる。これは、
図8において図示された用量設定機構200におけるクリッカーの場所とは対照的である。
図8において図示された配置において、クリッカー配置220は、ばね201の近位側上に位置付けられる。
【0096】
クリッカー375を金属コイルばね301の遠位側上に位置付けることにより、多くの利点が達成される。例えば、それは、ボタン316が押し下げられ、そのことによってクラッチ305がナンバースリーブ312から係合解除されるとき、内部ハウジング308に沿って供された螺旋溝に回転的に連結される第二のクリッカー部分377が軸方向に動かず、ひいてはハウジングに対して回転しないことを確保する助けになる。もしクリッカー375が回転することが可能であるならば、クリッカー375はクラッチ305を回転させることになろう。もしこれが起こるとすれば、これによってクラッチ305が、用量の最後に用量ダイアルスリーブ306と再度係合することが防がれ得る。また、もしクラッチ305が、ボタン316が押し下げられるとき、回転することが可能とされるならば、ドライバー309もやはり回転するであろうし、これによって、使用者がボタン316を開放しそしてドライバー309が回転するとき、用量の正確さに影響を与えるであろう。
【0097】
再び、用量設定機構300の代替配置を用いると、クリッカー375と第一の第一のドライバー部分307の間のクリッカー歯を有するのではなくむしろ、クリッカー375は二つの部分376、377に分離されている。この配置において、第一のドライバー部分307は、スピンドル314のリセット中に円形ベアリング表面上で回転でき、そしてクリッカー歯は、代わりに、第一の及び第二のクリッカー部分376、377の間に置かれる。第一のクリッカー部分376は、ドライバー309又はクラッチ305のどちらかに回転的に連結される。従って、用量ダイアル中に、第一のクリッカー部分376は、上述の通り、内部ハウジング308中の螺旋溝341に回転的に連結される第二のクリッカー部分377に対して回転する。
【0098】
また、この配置において、クリッカー歯378、379をダイアル中に(近位方向にそして次に遠位方向に)軸方向に振動するのが第一のクリッカー部分376である場合、それは対称的であってよい。対称的なクリッカー歯の一つの利点は、使用者が用量を下げるようダイアルしているときと比べ、用量を上げるようダイアルしているとき、使用者に同様の触知できる応答が供されることである。もし第一のクリッカー部分376が内部ハウジング308に回転的に連結されなければならないとすれば、ダイアル中にこの第一のクリッカー部分376が近位で及び遠位で振動することになるので、それも回転的に振動するであろう。そのような配置の一つの認識される不利な点は、使用者が用量を上げ下げするようにダイアルしているときには、得られたダイアルトルクが実質的に異なるであろうということである。尚、
図14及び15において図示された用量設定配置300を用いると、用量ダイアルスリーブ312上に供された数字又は他の同様の用量設定印に合致する1回転当たりの正しいクリック数を得るために、ねじピッチB及びCに対応すべく(account for)第一の及び第二のクリッカー部分376、377上のクリッカー歯の数を変えなければならない。また、用量制限器318も、第二のクリッカー部分377として内部ハウジング308において同じ螺旋溝341中を走行するスプライン333を含む。従って、用量投与中に、用量制限器318はドライバー309に対して回転しないであろうし、そうすることによって、用量制限器318が第一のドライバー部分307上の停止部に直面した(come up against)後、更なる容量がダイアルされ得ないことが確保される。
【0099】
図8〜11において図示されたドライバーと同様に、用量設定機構300の第一のドライバー部分307は互いにクリップされた二つの部分を含む。
【0100】
図14及び15において図示された用量設定機構300は多くの利点を供するものの、そのような配置に伴うある制限もある。例えば、用量設定機構300に伴う一つの問題は、使用済みのカートリッジを交換するよう機構がリセットされるとき、スピンドル314が近位で押し戻されることである。スピンドルを近位で押し戻すことによって、第一のドライバー部分307、ひいてはクリッカー375がハウジング304に対して近位で動かされる。もしクリッカー375がハウジング304に対して動くならば、次いでクリッカー375も回転しなければならない。従って、リセット工程中に、第一のドライバー部分307はばね301を圧縮するのみならず、クリッカー375ひいてはドライバー309、クラッチ305及び用量ダイアルスリーブ306をハウジング304に対して回転しなければならない。これによって用量設定機構300をリセットするために必要な力が増大する。
【0101】
図16は、
図1において図示された薬物送達デバイスの用量設定機構の更に別の実施態様の部分図を図示する。この説明において、用量設定ボタンが押し込まれている用量設定機構400が図示される。
図17は、用量設定ボタンが押し出された第二の位置における、
図16において図示された用量設定機構400の実施態様の部分断面図を図示する。
図18は、第二のクリッカー部分477が除去された、
図17において図示された用量設定機構400の実施態様の部分断面図を図示する。
【0102】
用量設定機構400の代替実施態様は、クラッチ405、クリッカー475及びばね401を含む。
図16において示される通り、クリッカー475は第一のクリッカー部分476及び第二のクリッカー部分477を含む。この配置において、第一のクリッカー部分476が複数のクリッカー歯422を含むという点で、第一のクリッカー部分476は、
図8〜11において図示されたクリッカーに類似している。これらのクリッカー歯422は複数のクリッカー歯403を係合する。
【0103】
しかしながら、内部ハウジング208上に供された螺旋溝241を係合するスプラインを含む、
図8のクリッカー220とは異なり、用量設定機構400の第一のクリッカー部分476は内部ハウジングにスプラインされない。むしろ、第二のクリッカー部分477は第一のクリッカー部分476に回転的に連結され、ドライバー409に軸方向に連結され、そしてハウジング上に供された螺旋溝に回転的に連結される。
【0104】
この用量設定機構400の配置において、用量ボタンが押し下げられるとき、ドライバー409、クラッチ405もクリッカーも回転しない。同様に、用量設定機構400がリセットされるとき、ドライバー409、クラッチ405もクリッカーも回転しない。そのような配置の一つの利点は、この機構によって、ペンをリセットするための弱い力及び良好な用量正確さが確保されることである。
【0105】
図19は、
図16において図示された用量設定機構と共に使用され得る第二のクリッカー部分477を図示する。
図19から見られる如く、第二のクリッカー部分477は、内部ハウジングの内部表面に沿って供された螺旋溝を係合する複数のスプライン480を含む。また、第二のクリッカー部分477は凹部482を更に含む。この凹部482は、第二のドライバー部分412上に供されたリブを係合する。この凹部482がリブを係合するとき、第二のクリッカー部分477は第二のドライバー部分412に軸方向に固定される。
【0106】
特に、実施態様200、300及び400において示された種々のクリッカー配置が、示された如く、内部本体に内部的に、または外部的に搭載され得て、ここで、クリッカー中のリブ又は溝は、内部本体の外部表面上の、又は第一の実施態様において示された通り(
図3〜5を参照)、外部本体の内部表面上のリブ又は溝と係合する。内部本体が存在する場合、これらの代替配置において、クラッチ、ばね及びクリッカー部品は、内部本体の外側に横たわる必要があろうが、スピンドルを前方へ駆動するために、ドライバーはまだクラッチに回転的に連結され得て、そして内部本体の内側に横たわり得るであろう。
【0107】
本発明の例示的実施態様が述べられてきた。しかしながら当業者は、これらの実施態様対して変更及び修正が、請求の範囲によって定義される本発明の真の範囲及び精神から逸脱することなくなされ得ることを理解するであろう。