特許第5690872号(P5690872)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5690872消去可能プログラム可能単一ポリ不揮発性メモリ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5690872
(24)【登録日】2015年2月6日
(45)【発行日】2015年3月25日
(54)【発明の名称】消去可能プログラム可能単一ポリ不揮発性メモリ
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/336 20060101AFI20150305BHJP
   H01L 29/788 20060101ALI20150305BHJP
   H01L 29/792 20060101ALI20150305BHJP
   H01L 21/8247 20060101ALI20150305BHJP
   H01L 27/115 20060101ALI20150305BHJP
【FI】
   H01L29/78 371
   H01L27/10 434
【請求項の数】8
【外国語出願】
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-120550(P2013-120550)
(22)【出願日】2013年6月7日
(65)【公開番号】特開2014-239136(P2014-239136A)
(43)【公開日】2014年12月18日
【審査請求日】2013年7月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】512149787
【氏名又は名称】イーメモリー テクノロジー インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】特許業務法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウェイ レン チェン
(72)【発明者】
【氏名】テ シュン シュ
(72)【発明者】
【氏名】ウェン ハオ リ
【審査官】 境 周一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−017597(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0236646(US,A1)
【文献】 特開平01−262669(JP,A)
【文献】 特開2007−080393(JP,A)
【文献】 特開2009−081181(JP,A)
【文献】 特開2009−088090(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 27/10−27/118
H01L 29/78−29/788
G11C 16/00−17/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板構造と、
選択ゲート、第1ソース/ドレイン領域及び第2ソース/ドレイン領域を有し、前記選択ゲートは、選択ゲート電圧に接続され、前記第1ソース/ドレイン領域はソース線電圧に接続されている第1PMOSトランジスタと、
前記第2ソース/ドレイン領域、第3ソース/ドレイン領域及びフローティングゲートを有し、前記第3ソース/ドレイン領域は、ビット線電圧に接続され、前記第1ソース/ドレイン領域、前記第2ソース/ドレイン領域、及び前記第3ソース/ドレイン領域はN型ウェル領域に形成されている第2PMOSトランジスタと、
前記フローティングゲートに隣接し、消去線電圧及びP型ウェル領域に接続されたn型ソース/ドレイン領域を有する消去ゲート領域と、を備え、
前記N型ウェル領域及び前記P型ウェル領域は、前記基板構造に形成されており
前記P型ウェル領域は、前記基板構造の表面下に形成される第1p型領域と、複数の第2p型領域と、前記第1p型領域の下に形成される第3p型領域と、を有し、
前記第1p型領域及び前記第3p型領域は、前記複数の第2p型領域の間に配置され、
前記第2p型領域の注入量は、前記第1p型領域の注入量より高く、第3p型領域の注入量は、第1p型領域の注入量より高いか同じである、
ことを特徴とする消去可能プログラム可能単一ポリ不揮発性メモリ。
【請求項2】
請求項1に記載の消去可能プログラム可能単一ポリ不揮発性メモリであって、
前記消去ゲート領域は、更に、前記n型ソース/ドレイン領域と前記P型ウェル領域との間に形成された第1n型領域を有している、ことを特徴とする消去可能プログラム可能単一ポリ不揮発性メモリ。
【請求項3】
請求項2に記載の消去可能プログラム可能単一ポリ不揮発性メモリであって、
前記第1n型領域は、二重拡散ドレイン領域である、ことを特徴とする消去可能プログラム可能単一ポリ不揮発性メモリ。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の消去可能プログラム可能単一ポリ不揮発性メモリであって、
前記基板構造は、
P型基板と、
前記P型基板に形成され、前記N型ウェル領域、前記第2p型領域及び前記第3p型領域に接続され、深いN型ウェル電圧に接続された深いN型ウェル領域と、を有している、ことを特徴とする消去可能プログラム可能単一ポリ不揮発性メモリ。
【請求項5】
請求項に記載の消去可能プログラム可能単一ポリ不揮発性メモリであって、
前記第1p型領域の注入量は、前記第1n型領域の注入量より高いか同じである、ことを特徴とする消去可能プログラム可能単一ポリ不揮発性メモリ。
【請求項6】
請求項1から3のいずれか一項に記載の消去可能プログラム可能単一ポリ不揮発性メモリであって、
前記基板構造は、
P型基板と、
前記P型基板に形成された第2n型領域と、
前記第2n型領域の上に形成され、接続されると共に、前記N型ウェル領域、前記第2p型領域及び前記第3p型領域に接続された第4p型領域と、を有することを特徴とする消去可能プログラム可能単一ポリ不揮発性メモリ。
【請求項7】
請求項に記載の消去可能プログラム可能単一ポリ不揮発性メモリであって、
前記第4p型領域の注入量は、前記P型基板の注入量より高いか同じであり、前記第4p型領域の注入量は、前記第3p型領域の注入量より高いか同じであり、前記第4p型領域の注入量は、前記第2p型領域の注入量より低いか同じである、ことを特徴とする消去可能プログラム可能単一ポリ不揮発性メモリ。
【請求項8】
請求項に記載の消去可能プログラム可能単一ポリ不揮発性メモリであって、
前記基板構造は、前記N型ウェル領域、前記第2p型領域及び前記第3p型領域に接続されたP型基板である、ことを特徴とする消去可能プログラム可能単一ポリ不揮発性メモリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不揮発性メモリに関し、より詳しくは、消去可能プログラム可能単一ポリ不揮発性メモリに関する。
【背景技術】
【0002】
図1は、従来のプログラム可能デュアルポリ不揮発性メモリを示す概略断面図である。プログラム可能デュアルポリ不揮発性メモリは、フローティングゲート・トランジスタとしても参照される。図1に示されるように、この不揮発性メモリは、2つの積み重ねられた分離したゲートを備えている。上ゲートは、制御ゲート12であり、制御線Cに接続される。下ゲートは、フローティングゲート14である。加えて、n型にドープされたソース領域とn型にドープされたドレイン領域とがP型基板内に形成される。n型にドープされたソース領域は、ソース線Sに接続される。n型にドープされたドレイン領域は、ドレイン線Dに接続される。
【0003】
不揮発性メモリがプログラム状態である場合に、高電圧(例えば、+16V)はドレイン線Dにより供給され、接地電圧はソース線Sにより供給され、制御電圧(例えば、+25V)は制御線Cにより供給される。結果として、電子がソース線Sからnチャネル領域を介してドレイン線Dに移動する間に、ホットキャリア(例えば、ホットエレクトロン)は制御ゲート12の制御電圧に引きつけられ、フローティングゲート14に注入される。この環境下で、多くのキャリアがフローティングゲート14に蓄積される。結果として、プログラム状態は、第1記憶状態(例えば、「0」)として考えることができる。
【0004】
不揮発性メモリは、非プログラム状態において、キャリアがフローティングゲートに注入されない。従って、非プログラム状態は、第2記憶状態(例えば、「1」)として考えることができる。
【0005】
言い換えると、第1記憶状態におけるドレイン電流(id)及びゲート・ソース電圧(Vgs)の特性カーブ(例えば、id−Vgs特性カーブ)と、第2記憶状態におけるid−Vgs特性カーブとは異なっている。結果として、フローティングゲート・トランジスタの記憶状態は、id−Vgs特性カーブの変化により実現することができる。
【0006】
しかしながら、プログラム可能デュアルポリ不揮発性メモリのフローティングゲート14と制御ゲート12とは別々に製造される必要があるため、プログラム可能デュアルポリ不揮発性メモリの製造工程は、より多くの工程を必要とし、また一般的なCMOS製造工程との互換性がない。
【0007】
米国特許第6678190は、プログラム可能単一ポリ不揮発性メモリについて開示している。図2Aは、米国特許第6678190に開示された従来のプログラム可能単一ポリ不揮発性メモリを示す概略断面図である。図2Bは、図2Aの従来のプログラム可能単一ポリ不揮発性メモリを示す概略上面図である。図2Cは、図2Aの従来のプログラム可能単一ポリ不揮発性メモリを示す概略回路図である。
【0008】
図2A〜2Cを参照して下さい。プログラム可能単一ポリ不揮発性メモリは、2つの順次接続されたp型金属酸化膜半導体(PMOS)トランジスタからなる。第1PMOSトランジスタは、選択トランジスタとして使用され、第1PMOSトランジスタの選択ゲート24は選択ゲート電圧VSGに接続されている。第1ソース/ドレイン領域21は、ソース線電圧VSLに接続されている。更に、第2ソース/ドレイン領域22は、第1PMOSトランジスタのp型ドレイン領域と、第2PMOSトランジスタのp型ソース領域の組合せとして考えることができる。フローティングゲート26は、第2PMOSトランジスタ上に配置される。第2PMOSトランジスタの第3ソース/ドレイン領域23は、ビット線電圧VBLに接続されている。更に、これらのPMOSトランジスタは、N型ウェル領域(NW)に形成される。N型ウェル領域は、N型ウェル電圧VNWに接続される。
【0009】
選択ゲート電圧VSG、ソース線電圧VSL、ビット線電圧VBL及びN型ウェル電圧VNWを適切に制御することにより、プログラム可能単一ポリ不揮発性メモリはプログラム状態又は読み込み状態で動作することができる。
【0010】
従来のプログラム可能単一ポリ不揮発性メモリの2つのPMOSトランジスタは、それぞれゲート24と26とを有し、従来のプログラム可能単一ポリ不揮発性メモリの製造工程は、一般的なCMOS製造工程と互換性がある。
【0011】
図1及び2で述べられたように、不揮発性メモリはプログラム可能である。不揮発性メモリの電気特性は、フローティングゲートに、多くのホットキャリアを注入するために利用されるのみである。しかしながら、電気特性は、フローティングゲートからキャリアを取り除くために利用できない。即ち、データ消去機能を実現するために、フローティングゲートに蓄えられたキャリアは、不揮発性メモリに紫外(UV)光を照射することによりフローティングゲートから取り除かれることができる。これらの不揮発性メモリは、ワンタイムプログラム(OTP:one time programming)メモリと名付けられている。
【0012】
したがって、複数回プログラム(MTP:multi-times programming)メモリ設計のために、消去可能プログラム可能単一ポリ不揮発性メモリを提供する必要がある。
【発明の概要】
【0013】
本発明は、従来技術が直面する障害を取り除くために、消去可能プログラム可能単一ポリ不揮発性メモリを提供する。
【0014】
本発明は、消去可能プログラム可能単一ポリ不揮発性メモリを提供する。本発明の消去可能プログラム可能単一ポリ不揮発性メモリは、基板構造と、選択ゲート、第1ソース/ドレイン領域及び第2ソース/ドレイン領域を有し、前記選択ゲートは、選択ゲート電圧に接続され、前記第1ソース/ドレイン領域はソース線電圧に接続されている第1PMOSトランジスタと、前記第2ソース/ドレイン領域、第3ソース/ドレイン領域及びフローティングゲートを有し、前記第3ソース/ドレイン領域は、ビット線電圧に接続され、前記第1ソース/ドレイン領域、前記第2ソース/ドレイン領域、及び前記第3ソース/ドレイン領域はN型ウェル領域に形成されている第2PMOSトランジスタと、前記フローティングゲートに隣接し、消去線電圧及びP型ウェル領域に接続されたn型ソース/ドレイン領域を有する消去ゲート領域と、を備え、前記N型ウェル領域及び前記P型ウェル領域は、前記基板構造に形成されている。
【0015】
本発明の多くの目的、特徴及び有利な効果は、以下の本発明の実施形態の詳細な記載を、添付図面と併せて、読むことにより容易に明らかになるであろう。しかしながら、ここで用いられた図面は、説明を目的とするものであり、限定としてみなされるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本発明の上述の目的及び有利な効果は、以下の詳細な説明及び添付図面を検討すると、当業者にとってより容易に明白になるであろう。
【0017】
図1】(従来技術)従来のプログラム可能デュアルポリ不揮発性メモリを説明するための概略断面図である。
【0018】
図2A】(従来技術)米国特許第6678190に開示された従来のプログラム可能単一ポリ不揮発性メモリを示す概略断面図である。
【0019】
図2B】(従来技術)図2Aの従来のプログラム可能単一ポリ不揮発性メモリを示す概略上面図である。
【0020】
図2C】(従来技術)図2Aの従来のプログラム可能単一ポリ不揮発性メモリを示す概略回路図である。
【0021】
図3A】本発明の第1実施形態による消去可能プログラム可能単一ポリ不揮発性メモリを概略的に示す図である。
図3B】本発明の第1実施形態による消去可能プログラム可能単一ポリ不揮発性メモリを概略的に示す図である。
図3C】本発明の第1実施形態による消去可能プログラム可能単一ポリ不揮発性メモリを概略的に示す図である。
図3D】本発明の第1実施形態による消去可能プログラム可能単一ポリ不揮発性メモリを概略的に示す図である。
【0022】
図4】本発明の第1実施形態に適用される、異なる基板構造及びP型ウェル領域(PW)を概略的に示す図である。
図5】本発明の第1実施形態に適用される、異なる基板構造及びP型ウェル領域(PW)を概略的に示す図である。
図6】本発明の第1実施形態に適用される、異なる基板構造及びP型ウェル領域(PW)を概略的に示す図である。
【0023】
図7A】本発明の第2実施形態による消去可能プログラム可能単一ポリ不揮発性メモリを概略的に示す図である。
図7B】本発明の第2実施形態による消去可能プログラム可能単一ポリ不揮発性メモリを概略的に示す図である。
図7C】本発明の第2実施形態による消去可能プログラム可能単一ポリ不揮発性メモリを概略的に示す図である。
【0024】
図8】本発明の第2実施形態に適用される、異なる基板構造及びP型ウェル領域(PW)を概略的に示す図である。
図9】本発明の第2実施形態に適用される、異なる基板構造及びP型ウェル領域(PW)を概略的に示す図である。
【0025】
図10】消去状態における2つの電圧バイアス方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図3A〜3Dは、本発明の第1実施形態による消去可能プログラム可能単一ポリ不揮発性メモリを概略的に示している。図3Aは、本発明の第1実施形態による消去可能プログラム可能単一ポリ不揮発性メモリを示す概略上面図である。図3Bは、図3Aの消去可能プログラム可能単一ポリ不揮発性メモリを示す第1方向(a1−a2)に沿った概略断面図である。図3Cは、図3Aの消去可能プログラム可能単一ポリ不揮発性メモリを示す第2方向(b1−b2)に沿った概略断面図である。図3Dは、本発明の第1実施形態による消去可能プログラム可能単一ポリ不揮発性メモリを示す概略等価回路図である。
【0027】
図3A及び3Bに示されるように、第1実施形態の消去可能プログラム可能単一ポリ不揮発性メモリは、2つの順次接続されたp型金属酸化膜半導体(PMOS)を備えている。これらの2つのPMOSトランジスタは、N型ウェル領域(NW)に形成されている。3つのソース/ドレイン領域31、32及び33は、N型ウェル領域(NW)に形成されている。加えて、2つのポリシリコンゲート34及び36は、3つのソース/ドレイン領域31、32及び33の間の領域上に広がっている。
【0028】
第1PMOSトランジスタは、選択トランジスタとして使用され、第1PMOSトランジスタのポリシリコンゲート34(選択ゲートとしても参照される)は、選択ゲート電圧VSGに接続されている。第1ソース/ドレイン領域31は、p型ソース領域であり、ソース線電圧VSLに接続されている。第2ソース/ドレイン領域32は、p型ドレイン領域であり、第1PMOSトランジスタのp型ドレイン領域と、第2PMOSトランジスタのp型ソース領域との結合として考えることができる。ポリシリコンゲート36(フローティングゲートとしても参照される)は、第2PMOSトランジスタ上に配置される。第3ソース/ドレイン領域33は、第2PMOSトランジスタのp型ドレイン領域であり、ビット線電圧VBLに接続されている。更に、N型ウェル領域(NW)は、N型ウェル電圧VNWに接続されている。
【0029】
一般的に、ソース/ドレイン領域31、32及び33を形成するイオン注入工程の間、フローティングゲート36及び選択ゲート34は注入マスク層として使用される。結果として、N型ウェル領域(NW)上のフローティングゲート36と選択ゲート34は、p型ゲートである。
【0030】
図3A及び3Cに示されるように、第1実施形態の消去可能プログラム可能単一ポリ不揮発性メモリは、n型金属酸化膜半導体(NMOS)トランジスタ、又はフローティングゲート36及び消去ゲート領域35の組合せを備えている。NMOSトランジスタはP型ウェル領域(PW)に形成されている。n型ソース/ドレイン領域38は、P型ウェル領域(PW)に形成されている。言い換えると、消去ゲート領域35はP型ウェル領域(PW)及びn型ソース/ドレイン領域38を含んでいる。
【0031】
図3Aに示されるように、フローティングゲート36は、消去ゲート領域35に延び、消去ゲート領域35に隣接する。更に、n型ソース/ドレイン領域38は、NMOSトランジスタのn型ソース領域及びn型ドレイン領域の結合として考えることができ、フローティングゲート36は、NMOSトランジスタのゲートとして考えることができる。n型ソース/ドレイン領域38は、消去線電圧VELに接続される。加えて、P型ウェル領域(PW)はP型ウェル電圧VPWに接続されている。図3Cに示されるように、一つの分離構造39は、P型ウェル領域(PW)及びN型ウェル領域(NW)の間に形成される。例えば、分離構造39は、STI(Shallow Trench Isolation)構造である。
【0032】
n型ソース/ドレイン領域38を形成するイオン注入工程の間、フローティングゲート36は、注入マスク層として使用される。結果として、消去ゲート領域35上のフローティングゲート36は、n型ゲートである。
【0033】
更にまた、本発明の第1実施形態に適用される異なる基板構造及びP型ウェル領域(PW)は、以下に、より詳細に示される。図4に示されるように、基板構造は、P型基板である。
【0034】
第1実施形態のN型ウェル領域(NW)及びP型ウェル領域(PW)は、P型基板に形成される。P型ウェル領域(PW)は、更に第1p型領域(p1)、2つの第2p型領域(p2)、及び第3p型領域(p3)を備えている。第2p型領域(p2)の注入量は、第1p型領域(p1)への注入量より高いか同じである。また、第3p型領域(p3)の注入量は、第1p型領域(p1)への注入量より高いか同じである。
【0035】
加えて、第1p型領域(p1)は、P型基板の表面下に形成され、n型ソース/ドレイン領域38に接触され、第3p型領域(p3)は第1p型領域(p1)の下に形成される。更にまた、第1p型領域(p1)及び第3p型領域(p3)は2つの第2p型領域(p2)の間に配置され、第2p型領域(p2)は2つの分離構造39の下に形成される。
【0036】
本発明の図4によれば、n型ソース/ドレイン領域38と第1p型領域(p1)の間の接合降伏電圧は増加し、従って消去可能プログラム可能単一ポリ不揮発性メモリの消去効率は改善される。
【0037】
図5に示されるように、基板構造は、深いN型ウェル領域(DNW)及びP型基板を含んでいる。深いN型ウェル領域(DNW)はP型基板に形成され、深いN型ウェル領域(DNW)は深いN型ウェル電圧VDNWに接続されている。
【0038】
第1実施形態のN型ウェル領域(NW)及びP型ウェル領域(PW)は、基板構造の深いN型ウェル領域(DNW)に形成される。P型ウェル領域(PW)は、更に第1p型領域(p1)、2つの第2p型領域(p2)、及び第3p型領域(p3)を備えている。第2p型領域(p2)の注入量は、第1p型領域(p1)への注入量より高いか同じである。また、第3p型領域(p3)の注入量は、第1p型領域(p1)への注入量より高いか同じである。
【0039】
加えて、第1p型領域(p1)は、P型基板の表面下に形成され、n型ソース/ドレイン領域38に接触され、第3p型領域(p3)は第1p型領域(p1)の下に形成される。更にまた、第1p型領域(p1)及び第3p型領域(p3)は2つの第2p型領域(p2)の間に配置され、第2p型領域(p2)は2つの分離構造39の下に形成される。
【0040】
本発明の図5によれば、n型ソース/ドレイン領域38と第1p型領域(p1)との間の接合降伏電圧は増加し、従って消去可能プログラム可能単一ポリ不揮発性メモリの消去効率は改善される。更にまた、2つの第2p型領域(p2)は、n型ソース/ドレイン領域38及びN型ウェル領域(NW)の間の横方向突抜け効果を改善することができ、第3p型領域(p3)は、特に高温環境において、n型ソース/ドレイン領域38と深いN型ウェル領域(DNW)との間の縦方向突抜け効果を改善することができる。
【0041】
図6に示されるように、基板構造は、第4p型領域(p4)、n型バリア層(NBL: N-type Barrier Layer、即ち第2n型領域)及びP型基板を含んでいる。n型バリア層(NBL)は、P型基板に形成され、第4p型領域(p4)は、n型バリア層(NBL)上で、n型バリア層(NBL)に接して形成される。
【0042】
第1実施形態のN型ウェル領域(NW)及びP型ウェル領域(PW)は、基板構造の第4p型領域(p4)に形成される。P型ウェル領域(PW)は、更に第1p型領域(p1)、2つの第2p型領域(p2)、及び第3p型領域(p3)を備えている。第2p型領域(p2)の注入量は、第1p型領域(p1)への注入量より高いか同じである。また、第3p型領域(p3)の注入量は、第1p型領域(p1)への注入量より高いか同じである。加えて、第4p型領域(p4)の注入量は、P型基板での注入量に等しい。若しくは、第4p型領域(p4)の注入量は、第3p型領域(p3)への注入量より高いか同じであり、かつ、第4p型領域(p4)は、第2p型領域(p2)への注入量より低いか同じである。
【0043】
加えて、第1p型領域(p1)は、基板構造の表面下に形成され、n型ソース/ドレイン領域38に接触され、第3p型領域(p3)は第1p型領域(p1)の下に形成される。更にまた、第1p型領域(p1)及び第3p型領域(p3)は2つの第2p型領域(p2)の間に配置され、第2p型領域(p2)は2つの分離構造39の下に形成される。
【0044】
本発明の図6によれば、n型ソース/ドレイン領域38と第1p型領域(p1)との間の接合降伏電圧は増加し、従って、消去可能プログラム可能単一ポリ不揮発性メモリの消去効率は改善される。更にまた、第2p型領域(p2)は、より高い温度におけるn型ソース/ドレイン領域38及びN型ウェル領域(NW)の間の横方向突抜け効果を改善することができ、第3p型領域(p3)は、より高い温度におけるn型ソース/ドレイン領域38とN型バリア層(NBL)との間の縦方向突抜け効果を改善することができる。また、第1実施形態のN型ウェル領域(NW)は、第4p型領域(p4)及びP型ウェル領域(PW)により、分離されており、従って、独立したバイアス電圧は、フローティングゲート36とN型ウェル領域(NW)との間の電圧ストレスを減少させることができる。
【0045】
図7A〜7Cは、本発明の第2実施形態による消去可能プログラム可能単一ポリ不揮発性メモリを概略的に示している。図7Aは、本発明の第2実施形態による消去可能プログラム可能単一ポリ不揮発性メモリを示す概略上面図である。図7Bは、図7Aの消去可能プログラム可能単一ポリ不揮発性メモリを示す、第2方向(b1−b2)に沿った概略断面図である。図7Cは、本発明の第2実施形態による消去可能プログラム可能単一ポリ不揮発性メモリの概略等価回路図である。消去可能プログラム可能単一ポリ不揮発性メモリの第1方向(a1−a2)に沿った断面図は、第1実施形態のそれと同様であるため、冗長には示していない。
【0046】
図7Aに示されるように、第2実施形態の消去可能プログラム可能単一ポリ不揮発性メモリは、2つの順次接続されたp型金属酸化膜半導体(PMOS)トランジスタからなる。これらの2つのPMOSトランジスタは、N型ウェル領域(NW)に形成されている。3つのソース/ドレイン領域31、32及び33は、N型ウェル領域(NW)に形成される。加えて、2つのポリシリコンゲート34及び36は、3つのソース/ドレイン領域31、32及び33の間の領域上に広がっている。
【0047】
第1PMOSトランジスタは、選択トランジスタとして使用され、第1PMOSトランジスタのポリシリコンゲート34(選択ゲートとしても参照される)は、選択ゲート電圧VSGに接続されている。第1ソース/ドレイン領域31は、p型ソース領域であり、ソース線電圧VSLに接続されている。第2ソース/ドレイン領域32は、p型ドレイン領域であり、第1PMOSトランジスタのp型ドレイン領域と、第2PMOSトランジスタのp型ソース領域との結合として考えることができる。ポリシリコンゲート36(フローティングゲートとしても参照される)は、第2PMOSトランジスタ上に配置される。第3ソース/ドレイン領域33は、第2PMOSトランジスタのp型ドレイン領域であり、ビット線電圧VBLに接続されている。更に、N型ウェル領域(NW)は、N型ウェル電圧VNWに接続されている。
【0048】
図7A及び7Bに示されるように、第2実施形態の消去可能プログラム可能単一ポリ不揮発性メモリは、P型ウェル領域(PW)に形成されたn型金属酸化膜半導体(NMOS)トランジスタを備えている。NMOSトランジスタは、フローティングゲート36と消去ゲート領域95との組合せのように捉えることができる。言い換えると、消去ゲート領域95は、P型ウェル領域(PW)、n型ソース/ドレイン領域92及び二重拡散ドレイン(DDD)領域94(即ち、第1n型領域(n1))を含む。加えて、n型ソース/ドレイン領域92と二重拡散ドレイン(DDD)領域94は、P型ウェル領域(PW)に形成されている。n型ソース/ドレイン領域92は、二重拡散ドレイン(DDD)領域94に形成されている。加えて、DDD領域94の製造後、DDD領域94の製造における確定したマスクパターンは、消去ゲート領域95上のゲート酸化物をエッチングするために使用されることができる。即ち、消去ゲート領域95上のゲート酸化物は、フローティングゲート36下のゲート酸化物よりも薄い。このように、消去線電圧VELは、典型的な消去状態においてより小さくすることができる。
【0049】
図7Aに示されるように、フローティングゲート36は、消去ゲート領域95に延び、消去ゲート領域35に隣接する。更に、二重拡散ドレイン(DDD)領域94及びn型ソース/ドレイン領域92は、n型ソース領域とn型ドレイン領域との組合せとして考えることができる。P型ウェル領域(PW)はP型ウェル電圧VPWに接続されている。図7Bに示されるように、分離構造39は、P型ウェル領域(PW)とN型ウェル領域(NW)との間に形成される。
【0050】
更にまた、本発明の第2実施形態に適用される異なる基板構造及びP型ウェル領域(PW)は、以下に、より詳細に示される。図8に示されるように、基板構造は、深いN型ウェル領域(DNW)及びP型基板を含んでいる。深いN型ウェル領域(DNW)はP型基板に形成され、深いN型ウェル領域(DNW)は深いN型ウェル電圧VDNWに接続される。
【0051】
第2実施形態のN型ウェル領域(NW)及びP型ウェル領域(PW)は基板構造に形成される。更にまた、P型ウェル領域(PW)は、更に第1p型領域(p1)、2つの第2p型領域(p2)及び第3p型領域(p3)を備えている。第2p型領域(p2)の注入量は、第1p型領域(p1)の注入量より高いか同じである。また、第3p型領域(p3)の注入量は、第1p型領域(p1)への注入量より高いか同じである。N型ウェル領域(NW)の注入量は、二重拡散ドレイン(DDD)領域94の注入量より高いか同じである。また、第1p型領域(p1)の注入量は、二重拡散ドレイン(DDD)領域94の注入量より高いか同じである。
【0052】
加えて、第1p型領域(p1)は、基板構造の表面下に形成され、二重拡散ドレイン(DDD)領域94に接触され、第3p型領域(p3)は第1p型領域(p1)の下に形成される。更にまた、第2p型領域(p2)は分離構造39の下に形成され、第1p型領域(p1)及び第3p型領域(p3)に接触される。
【0053】
本発明の図8によれば、二重拡散ドレイン(DDD)領域94(即ち、第1n型領域(n1))と第1p型領域(p1)との間の接合降伏電圧は増加し、従って、消去可能プログラム可能単一ポリ不揮発性メモリの消去効率は改善される。更にまた、第2p型領域(p2)は、より高い温度における二重拡散ドレイン(DDD)領域94及びN型ウェル領域(NW)の間の横方向突抜け効果を改善することができ、第3p型領域(p3)は、より高い温度における二重拡散ドレイン(DDD)領域94及び深いN型ウェル領域(DNW)との間の縦方向突抜け効果を改善することができる。
【0054】
図9に示されるように、基板構造は、第4p型領域(p4)、n型バリア層(NBL、即ち第2n型領域)及びP型基板を含んでいる。n型バリア層(NBL)は、基板構造に形成され、第4p型領域(p4)は、n型バリア層(NBL)に接触されている。
【0055】
第2実施形態のN型ウェル領域(NW)及びP型ウェル領域(PW)は、基板構造に形成されている。更にまた、P型ウェル領域(PW)は、第1p型領域(p1)、2つの第2p型領域(p2)及び第3p型領域(p3)を更に備えている。第2p型領域(p2)の注入量は、第1p型領域(p1)の注入量より高いか同じである。また、第3p型領域(p3)の注入量は、第1p型領域(p1)への注入量より高いか同じである。加えて、第4p型領域(p4)の注入量は、P型基板での注入量に等しい。若しくは、第4p型領域(p4)の注入量は、第3p型領域(p3)への注入量より高いか同じであり、かつ、第4p型領域(p4)は、第2p型領域(p2)への注入量より低いか同じである。
【0056】
加えて、第1p型領域(p1)は、基板構造の表面下に形成され、二重拡散ドレイン(DDD)領域94に接触され、第3p型領域(p3)は第1p型領域(p1)の下に形成される。更にまた、第2p型領域(p2)は分離構造39の下に形成され、第1p型領域(p1)及び第3p型領域(p3)に接触される。
【0057】
本発明の図9によれば、二重拡散ドレイン(DDD)領域94(即ち、第1n型領域(n1))と第1p型領域(p1)との間の接合降伏電圧は増加し、従って、消去可能プログラム可能単一ポリ不揮発性メモリの消去効率は改善される。更にまた、第2p型領域(p2)は、より高い温度における二重拡散ドレイン(DDD)領域94及びN型ウェル領域(NW)の間の横方向突抜け効果を改善することができ、第3p型領域(p3)は、より高い温度における二重拡散ドレイン(DDD)領域94及びn型バリア層(DBL)との間の縦方向突抜け効果を改善することができる。また、第1実施形態のN型ウェル領域(NW)は、第4p型領域(p4)及びP型ウェル領域(PW)により、分離されており、従って、独立したバイアス電圧は、フローティングゲート36とN型ウェル領域(NW)との間の電圧ストレスを減少させることができる。
【0058】
本発明によれば、いつくかのバイアス電圧は、消去状態において、図5及び8に示されるような基板構造の深いN型ウェル領域(DNW)に形成された第1及び第2実施形態に提供されてもよい。図10は、消去状態の2つの電圧バイアス方法を示している。図10に示されるように、消去状態において、方法1が使用されるとき、ソース線電圧VSL及びビット線電圧は、0Vから正電圧VEEの範囲であり、N型ウェル電圧VNW及びワード線電圧VWL及び深いN型ウェル電圧VDNWは、正電圧(VEE)に等しい。ところが、消去線電圧VEL及びP型ウェル電圧VPWは負電圧−Veeに等しい。正電圧VEEは+6.5Vから+18Vの範囲であり、負電圧−Veeは、−6.5Vから−18Vの範囲である。このように、記憶キャリアの放出は、ファウラーノルドハイム(FN:Fowler-Nordhiem)効果を用いて達成される。
【0059】
図10に示されるように、消去状態において、方法2が使用されるとき、ソース線電圧VSLはフローティングであり、ビット線電圧は接地電圧(0V)であり、N型ウェル電圧VNW、ワード線電圧VWLと深いN型ウェル電圧VDNWは正電圧(VEE)に等しい。ところが、消去線電圧VEL及びP型ウェル電圧(VPW)は、負電圧−Veeに等しい。正電圧VEEは+6.5Vから+18Vの範囲であり、負電圧−Veeは、−6.5Vから−18Vの範囲である。このように、記憶キャリアの放出は、帯間ホットホール(BBHH:band-to-band hot hole)、基板ホットホール(SHH:Substrate Hot Hole)及びドレインアバランシェホットホール(DAHH:Drain Avalanche Hot Hole)のようなホットホール(HH:Hot Hole)効果を用いて達成される。
【0060】
上述の通り、本発明の消去可能プログラム可能単一ポリ不揮発性メモリは、ホットキャリアを取り除くための紫外光を用いる欠点を解消することができる。即ち、消去線電圧VELを供給することにより、本発明の不揮発性メモリの記憶状態を変更することができる。
【0061】
発明は、現時点で最も実践的で好適な実施形態と考えられるものに関して述べられたが、発明は、開示された実施形態に限られる必要がないことについて理解すべきである。反対に、最も広い解釈に一致する添付の請求項の精神と範囲内に含まれる様々な修正や同様の変更に及ぶことを意図し、そのようなすべての修正や同様の構造を含んでいる。
図1
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図3D
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図8
図9
図10