特許第5690929号(P5690929)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5690929
(24)【登録日】2015年2月6日
(45)【発行日】2015年3月25日
(54)【発明の名称】小型吸着乾燥機
(51)【国際特許分類】
   B01D 53/26 20060101AFI20150305BHJP
【FI】
   B01D53/26 101D
【請求項の数】10
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-519060(P2013-519060)
(86)(22)【出願日】2011年7月11日
(65)【公表番号】特表2013-533803(P2013-533803A)
(43)【公表日】2013年8月29日
(86)【国際出願番号】EP2011061776
(87)【国際公開番号】WO2012007433
(87)【国際公開日】20120119
【審査請求日】2013年2月27日
(31)【優先権主張番号】102010036382.0
(32)【優先日】2010年7月13日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】502216886
【氏名又は名称】ベコー テヒノロギース ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100080089
【弁理士】
【氏名又は名称】牛木 護
(74)【代理人】
【識別番号】100161665
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 知之
(74)【代理人】
【識別番号】100121153
【弁理士】
【氏名又は名称】守屋 嘉高
(74)【代理人】
【識別番号】100178445
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 淳二
(74)【代理人】
【識別番号】100133639
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 卓哉
(72)【発明者】
【氏名】シュレンスケル,ヘルベルト
(72)【発明者】
【氏名】ジンステーテン,ヨハネス
【審査官】 岡谷 祐哉
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−229344(JP,A)
【文献】 特開2003−047822(JP,A)
【文献】 実開昭63−063116(JP,U)
【文献】 特開平10−165749(JP,A)
【文献】 実開昭62−095721(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 53/02−53/12
B01D 53/26−53/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
縮空気を処理するための吸着乾燥機(20)であって、該吸着乾燥機(20)は、
1.乾燥用空気又は洗浄用空気に対して機能するバルブ(28)を備えた制御ヘッド(24)と、中央パイプと接続するための制御ヘッドを流体装置に固定するパイプ接続部(26)と、制御ヘッド内部に配置されるカートリッジ保持手段と、
2.少なくとも2個のカートリッジ(22)とを含み、前記中央パイプ接続部は前記制御ヘッド内部に嵌合させ、該カートリッジは前記制御ヘッド(24)に接続可能であり、乾燥剤が充填され、必要に応じて前記制御ヘッド(24)を介して流体が供給可能であり、前記カートリッジの自由端部は接続技術及びバルブ技術を何ら使用するものではなく、
これにより、前記カートリッジ(22)は円筒状であり、カバー(30)と、カートリッジケーシング(32)と、底部(34)と、前記カートリッジ(22)の内部(46)に前記カバー(30)を通って延伸する中央パイプ(36)とを有し、カバーはカートリッジの制御ヘッド側に設けられ、底部は対向する側に設けられ、
3.前記カートリッジケーシング(32)に対して前記カバー(30)と、前記カートリッジ(22)の底部とを支持する前記中央パイプ(36)が突っ張り棒として使用され、
4.前記中央パイプ(36)は前記カートリッジ(22)から突出し、前記制御ヘッド(24)の接続手段として機能し、前記中央パイプ(36)は底部(34)で閉塞しており、
5.大気圧よりも加圧した条件で、前記カートリッジ(22)は耐圧性を有することを特徴とする吸着乾燥機(20)。
【請求項2】
前記カバー(30)の外側の前記中央パイプ(36)の領域は、前記制御ヘッド(24)に接続するための接続領域として機能することを特徴とする請求項1に記載の吸着乾燥機(20)。
【請求項3】
前記中央パイプ(36)の接続領域及び前記カートリッジ(22)を固定するための手段は、クイックコネクターとして設計されることを特徴とする請求項1又は2に記載の吸着乾燥機(20)。
【請求項4】
前記クイックコネクターは、プラグタイプの接続器として設計されることを特徴とする請求項3に記載の吸着乾燥機(20)。
【請求項5】
前記クイックコネクターは、差込み型接続器として設計されることを特徴とする請求項3に記載の吸着乾燥機(20)。
【請求項6】
前記カートリッジ(22)は、前記制御ヘッド(24)に吊設されることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の吸着乾燥機(20)。
【請求項7】
前記カートリッジ(22)は、前記制御ヘッド(24)に立設されることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の吸着乾燥機(20)。
【請求項8】
排気集塵フィルター(48)が、前記カートリッジ(22)の内部(46)に配置されることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つに記載の吸着乾燥機(20)。
【請求項9】
接続部品を交換することにより吸気及び排気接続の交換が可能であることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1つに記載の吸着乾燥機(20)。
【請求項10】
前記カートリッジ(22)は、クイックコネクター又はねじ接続により、前記制御ヘッド(24)に挿入された状態で回転可能であることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1つに記載の吸着乾燥機(20)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は気体、より詳しくは、圧縮空気を処理するための吸着乾燥機に関し、該吸着乾燥機は、
1.バルブを備えた制御ヘッドと、パイプ接続部と、カートリッジ保持手段と、
2.少なくとも2個のカートリッジとを含み、該カートリッジは前記制御ヘッドに接続可能であり、乾燥剤が充填され、必要に応じて前記制御ヘッドを介して流体が供給可能であり、前記カートリッジの自由端部は接続技術及びバルブ技術を何ら使用するものではなく、
これにより、前記カートリッジはカバーと、カートリッジケーシングと、底部と、カートリッジケーシングの内部に前記カバーを通って延伸する中央パイプとを有する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、吸着乾燥機は冷却再生方法で設計されるものであり、長年に渡って使用されてきた。乾燥剤が充填された2個の吸着容器すなわちカートリッジのうち1個の吸着容器は制御ヘッドを介して供給された気体流を吸着手段により乾燥するのに対し、他方の吸着容器は再生気体流を用いて乾燥剤を再生させる。一般に、環境気圧へと減圧された前記乾燥された気体流の部分的な流体は、再生気体流として使用される。再生段階の継続時間は、吸着段階の継続時間とほぼ一致し、前記再生段階は再生空気の流体を有する積極的再生段階と、再生空気の流体がない消極的再生段階とに分類される。
【0003】
前記乾燥剤が最大吸入量に達する前に、切り替えバルブを用いて、前記流体が切り替わり、2個の吸着容器の機能が交換される。これは、2個の容器が吸着と再生とに切り替わることで、作動圧力と環境気圧も切り替わることも意味する。
【0004】
一般的に使用される乾燥剤は限られた寿命しかないので、交換が避けられない。前記乾燥剤の寿命は、主に局所的な作動条件に左右される。前記乾燥剤及び他の操作手段又は制御ヘッド全体の交換は、吸着乾燥機の構造に依存するが、多くの時間と労力と専門知識とを要する。例えば、乾燥するためのガスを通すときに乾燥剤の個々の小球体が移動することを防ぐために、乾燥剤の充填時に、前記吸着容器に乾燥剤を均一に、密集させて充填することが重要である。これは、許容できない損耗と、流路の隙間の形成を防ぐ。
【0005】
この種類の吸着乾燥機が、特許文献1に記載されている。この乾燥機では、前記吸着容器を取り外した後に、前記制御ヘッドが前記パイプ接続部を介して流体装置にとどめられるように、1個の制御ヘッドに2個の吸着容器を使用することができる。前記バルブは全て前記制御ヘッドに配置され、必要に応じて、別々に交換することができる。前記吸着容器は、底部、容器ケーシング及びカバーを有するハウジングによってそれぞれ形成される。前記乾燥剤が前記吸着容器内に含まれるか、又は乾燥剤カートリッジが挿入される場合もある。前記吸着容器と前記制御ヘッドとが前記吸着容器上の雌ねじと、前記制御ヘッド上に配置される雄ねじとで螺合される。規定の流体が確実に供給されるように、容器ヘッドが吸着容器と制御ヘッドとの間に挿入される、さらなる部品と見なされる。正確な位置に容器ヘッドが固定されるように、前記吸着容器に螺合する前に、前記容器ヘッドを固定部分に予め取り付けておく必要があることが利点として記載される。前記吸着容器に螺合することにより、耐圧性が得られる。
【0006】
原理上は、提案される前記装置は、吸着乾燥機の現場での維持管理及び修理が改善されるが、構造が複雑で、前記吸着容器を現場で迅速に、かつ容易に交換することができない。さらに、周囲の状況に適合させるために吸着容器の長さ及び直径を変更することは、多額の費用をかけた場合にのみ可能である。螺合接続のために、吸着容器の外径と、制御ヘッドの接続領域とが、予め決定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】ドイツ特許公開第103 55 928 A1号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、迅速で簡便な現場での維持管理と修理とを可能にする吸着乾燥機を製造することにある。特に、前記吸着容器の迅速かつ簡便な交換を可能にするべきである。前記吸着容器の寸法を周囲の状況へ適応させることが、費用のかかる構造的な手段でなくても可能となる。最後に、作動中の吸着容器の耐圧性は、最も高い要件を満たす必要がある。従来技術の欠点を回避する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この課題は、本発明により、
3.カバーと、カートリッジケーシングと、カートリッジの底部とが前記中央パイプを介して共に固定可能であり、
4.前記中央パイプは前記カートリッジから突出し、前記制御ヘッドに対して接続手段として機能し、
5.前記カートリッジ自体が耐圧性である吸着乾燥機によって解決される。
【0010】
よって、前記装置又は前記吸着乾燥機の耐圧性が現場での設置時にのみもたらされるものではないように、本発明は既に耐圧性である吸着容器としてのカートリッジを提案する。カートリッジを交換する場合は、前記カートリッジは、前記吸着乾燥機から取り出し可能であり、新たなカートリッジ又は既に新たに充填されたカートリッジと交換可能である。使用済みの乾燥剤を有する前記カートリッジは製造工場又は修理会社で詰め替えられ、カートリッジの耐圧性が作業前に試験される。これは、カートリッジの交換の際の漏出の危険を最小限にする。
【0011】
前記カートリッジは、前記中央パイプ自体を介して直接、前記制御ヘッドに接続される。特に有利な実施態様の変形では、前記中央パイプの自由端部がカートリッジ又はカバーから突出し、前記制御ヘッドの対応する開口部に挿入することが可能である。このために、前記中央パイプは、好ましくはクイックコネクターが予想され、例えば、前記パイプの外側に、前記制御ヘッド開口部の雌ねじに螺合可能なねじ山を有することができる。このようなクイックコネクター又は簡易な接続装置は、圧縮空気技術において既知である。例えば、前記中央パイプはその自由端部、すなわち接続部に、前記制御ヘッドに配置された接続部材の対応する部材が係合するいくつかの周縁溝を有する場合がある。この場合、前記カートリッジが前記制御ヘッドの開口部の1つに押し付けられるか、又は挿入されるだけでよく、その後、前記中央パイプの接続部を前記制御ヘッド内部に嵌合させ、耐圧性のある接続が保障される。また、ねじ接続が考えられ、適した封止部材によって適当な気密性がもたらされる。前記封止部材は、例えば、前記溝に保持される密封環(sealing rings)として設計される場合がある。
【0012】
また、本発明の本質的な利点は、カートリッジの充填を製造者が実施できることにより、最も高い要件を満たすことができる点である。作動中にほとんど磨耗しない密度の高い充填が達成される。よって、充填時のエラーと不要な容器漏出とが、実質的に阻止できる。
【0013】
制御ヘッドは、バルブ技術全てと、必要なパイプ接続部及び容器接続部とを含む。よって、カートリッジの第2の端部は、接続部及びバルブ技術が何ら使用されておらず、カートリッジの交換が非常に簡便となる。また、これは制御ヘッドの維持管理及び修理をできるだけ簡便にするものであり、これにより、例えば、制御ヘッド全体を交換することと、その後のまだ完全に消耗しきっていないカートリッジを使用し続けることが考えられる。機能的な吸着乾燥機の前提条件が、中央パイプの接続領域と制御ヘッドとの接続だけであるので、同じ大きさのカートリッジを有する異なる大きさの制御ヘッドを支障なく使用することができる。
【0014】
カートリッジケーシングに対してカバーと、カートリッジの底部とを支持する中央パイプ自体が突っ張り棒(tensioning rod)として使用されるので、例えば、現場の条件、すなわち製品のシリーズの交換時など、カートリッジの大きさ及び寸法の適応も迅速で、簡便で、問題がない。現場で既に使用された制御ヘッドへの接続の可能性にはカートリッジの直径及び長さは無関係であり、中央パイプの接続領域の直径と構造だけが関係する。よって、例えば、カートリッジの長さは、カートリッジケーシングを交換することにより、容易に、そして簡便に変更可能であり、部品を互いに固定するだけで耐圧性が保証される。
【0015】
本発明によると、カートリッジについては、流体を導入する2種類の異なる可能性がある。第1の変形では、カバーにある1又は2個以上の開口部を通して、乾燥剤内、カートリッジ内の底部領域に流体が導入された後、流体が中央パイプの開口部を通して中央パイプ内に流入し、中央パイプを通って制御ヘッド内に再び向かう。カートリッジを再生するために、流れる方向が反転し、洗浄用空気が中央パイプを介して導入され、底部にある開口部を通り、乾燥剤内に導入されることにより、乾燥剤が再生される。
【0016】
第2の実施態様の変形では、流れる方向が反転する。流体は、中央パイプを通って、底部領域に流入し、中央パイプから流出し、乾燥剤を通って底部から上部に流入し、最終的にカバーの開口部を通ってカートリッジから再び流出する。
【0017】
カートリッジが制御ヘッドに吊設されるときに、好ましくは第2の変形が使用される。中央パイプにより凝縮した多くの水滴を落下させた後に、底部領域で、水滴を回収し、保持する。本発明によると、チェンバーがこの目的のために設けることができる。また、有利には、前記チェンバー/部屋に乾燥剤が充填される場合がある。その後、(洗浄用空気を通して再乾燥する)再生時に、この水滴も自動的に除去され、凝縮物は手動で除去する必要はない。凝集物を生成する隔てられたチェンバー、すなわち隔てられた部屋が、有用である場合があるが、必須ではない。
【0018】
本発明によると、実施態様のどちらの変形においても、乾燥剤から流体の現れる領域、すなわち第1の変形では、中央パイプ開口部の前及び、第2の変形ではカバー開口部の前に、濾材が設けられる場合がある。これは、カートリッジから使い古しの乾燥剤が除去されることを防ぐ。
【0019】
本発明により、消音器がカートリッジの間に配置される場合があり、例えば、吸着乾燥機の騒音が大きくなることを大幅に減少させる。
【0020】
本発明により、制御ヘッドにカートリッジを吊設することが、特に、有利な利点であることが証明された。これは、カートリッジが制御ヘッドの開口部すなわち制御ヘッドの接続手段に底部から挿入され、そこに固定されずに吊設されることを意味する。また、反対の配置も可能であり、すなわちカートリッジが制御ヘッドに上から挿入され、カートリッジを立設させる。最後に、例えば、その場の状況により横向きの配置が有利である場合は、カートリッジを水平に並べる横向きの配置が考えられる。
【0021】
よって、この場合、制御ヘッド開口部が配置される。吸着乾燥機は壁取り付け具(wall mount)を有する場合があるが、パイプラインの構成により、かかる壁取り付け具は省略することも可能である。
【0022】
カバー、底部及びカートリッジケーシングが、好ましくは、適当な密封方法、例えば、オーリングにより、互いに封止される。部材を互いに固定するために、中央パイプの外側に、カバーの底部をねじ込むことができるねじ山を有する場合がある。また、底部及びカバーについては、開口部を介して中央パイプ上に簡便に押し付けられ、外部に取り付けられたナットによって、締め付けることが考えられる。この場合、カバー側では中央パイプが制御ヘッドに対する接続領域を形成し、底部側では雄ねじを用いて突っ張り領域(tensioning section)を形成するように、中央パイプはカバーを通って伸張するだけでなく、カートリッジの底部を通して伸張する。
【0023】
本発明によるカートリッジは既に耐圧性を有しているので、カートリッジ周囲のさらなる耐圧性のハウジングは不要である。
【0024】
省略の結果、ハウジング材料及び重量が節約され、現場での吸着乾燥機の取り付けの際に有利である。より低重量の吸着乾燥機は吊設の実現性を改善し、修理作業をより簡便にする。ケーシングの省略によって、吸着乾燥機は全体的により小型化され、より低出力の吸着乾燥機の場合は、しばしば終点(end points)近くで操作され、及び/又は組み込み装置として使用されるので、小型化は特に有利である。
【0025】
本発明による吸着乾燥機は最も多様な要件のために設計される場合があり、流体の流量としては、特に、約3Nm/hないし約150Nm/h(1時間当たりの空気の標準立方メートル)が適している。
【0026】
本発明によると吸着乾燥機は、好ましくは、吸着乾燥機に組み込むこともできる吸い込みフィルター(超極細フィルター)との組み合わせが特に適している。吸着乾燥機は警報の送信及び修理メッセージの伝達を仲介するもの(interface)を有し、好ましくはコンピューターで制御される。また、第2の吸い込みフィルター(マイクロフィルター)が設けられる場合もある。
【0027】
本発明によると、制御ヘッドは、取り付けられたカートリッジを備えた制御ヘッドの回転を可能にする手段が含まれる場合がある。カートリッジを備えた制御ヘッド全体を回転させることにより、カートリッジを着脱するのに十分な空間がある位置に制御ヘッドを持っていく。制御ヘッド全体が回転しないことも考えられるが、しかし制御ヘッドにカートリッジを接続する手段を有する領域だけは回転する。これに対して、例えば、前記パイプ接続を有する第2の領域は、決まった位置にとどまる。この実施態様の変形では、制御ヘッドは、回転部分と、回転しない部分とに分けられる。
【0028】
また、本発明によれば、制御ヘッドは、注入及び排出接続が交換可能な異なる位置にある組立て部を通る接続部品の形態の手段を有する場合がある。このような方法では、制御ヘッドのパイプライン内の流入方向を反対向きにすることが可能である。これは、取り付けた場合、その場の条件に適応させるための利点である。
【0029】
本発明は、以下の図面の助けを借りて、より詳細に説明される。示される実施態様の変形は実施例として示されるだけであり、本発明はそれらに何ら減縮されるべきではない。図面は、以下の通りである。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】カートリッジを吊設する本発明による吸着乾燥機の断面図。
図2】カートリッジを立設する本発明による吸着乾燥機の部分断面図。
図3】本発明によるカートリッジの断面図。
図4】本発明によるカートリッジの第2の実施態様の変形の断面図。
図5図1による吸着乾燥機の側面図。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1及び図2は、本発明による吸着乾燥機20の2種類の異なる実施態様の変形を示す。2個の吸着容器又はカートリッジ22が制御ヘッド24に挿入され、前記吸着容器又はカートリッジ22は図1によると吊設され、図2によると立設される。カートリッジ22は横向きの配置も可能であり、常に制御ヘッド24の構成及びその場の条件に従って、最終的に、カートリッジ22は制御ヘッド24に任意の位置及び任意の角度で挿入することができる。
【0032】
また、制御ヘッド24はパイプ接続部26、バルブ28及び(示さないが)制御ヘッド24をカートリッジ22に接続するための手段を含む。図示された実施態様の変形では、4個の予め制御された膜バルブ(membrane valves)と共に排出側のボールチェックバルブ(ball check valves)が設けられた。
【0033】
図1から図4に見られるように、カートリッジ22はカバー30、カートリッジケーシング32及び底部34を有する。中央パイプ36はカートリッジ内に配置され、カバー30を超えて延伸し、実施態様の変形によるが、底部34も超えて延伸する場合もある。よって、カバー側には、制御ヘッド24に対する接続領域として機能する中央パイプ36の自由端部がある。カートリッジ22の部材それぞれは、そこに設けられた封止手段の溝38に配置される封止部材によって互いに封止された。よって、前記カートリッジ22は、耐圧性を有する。
【0034】
図3及び図4により図示される実施態様の例では、カートリッジ22は、該カートリッジ22を制御ヘッド24に接続するための制御ヘッド24にある対応する手段にねじ込むだけでよい溝40にあるねじ山及び密封環を有する。
【0035】
また、例えば、差込み型又はプラグ型の接続が考えられる。この場合、その後、軸の周りに、カートリッジ22のねじ接続及びマルチプルターニング(multiple turning)は、不要である。この点について、中央パイプ36は、制御ヘッド24の対応する手段に作用する接続領域に、接続溝40を有する。カバー30にはカバー開口部42が見られ、中央パイプの底部領域には、中央パイプ開口部44が見られる。
【0036】
制御ヘッド24に立てて挿入するために、図3の実施態様の変形が、特に適している。これは、中央パイプ36の接続中心(connection hears)が制御ヘッド24の対応する開口部に上から挿入されることを意味する。流体は、この実施態様の変形では制御ヘッドに面するカバー開口部42を通って、(図示しないが)吸着剤が充填されたカートリッジ22の内部46に導入される。また、この実施態様の変形では、中央パイプ36は底部34を通って突出しないことも確認された。
【0037】
導入された流体は乾燥剤を通って上部へと上がり、中央パイプ開口部44に導入される前に、緩んだ(loosened)又は使い古しの吸着剤を保持する排気集塵フィルター48に達し、最後に中央パイプ36に達する。
【0038】
制御ヘッド24に下から挿入され、中央パイプ36の接続領域で、制御ヘッドに吊設するためには、図4の実施態様の変形が特に好ましい。この実施態様の変形では、流体はカートリッジ22内の中央パイプ36を通り、底部領域にある中央パイプ開口部44を通って表出し、吸着剤内に入る。内部26では、流体は排気集塵フィルター48へと上がり、該排気集塵フィルター48を通り、カバー開口部42を通って流出する。この実施態様の変形では、中央パイプ36が底部34を通って延伸し、封止キャップ(closing cap)50の手段によって閉じられる。
【0039】
図5は、図1による吸着乾燥機の側面図を示す。本質的な利点の一つが、特にこの図で明らかになり、すなわち、カートリッジ22の自由端部には接続及びバルブ技術は使用されていない。
【0040】
本発明は、示された実施態様の変形に限定されるものではないが、例えば、図3による実施態様の変形の吊設又は図4による実施態様の変形の立設での使用が可能である。同一のものが、底部領域の異なる設計に適用される。どちらも底部34の固定の種類である立設及び吊設した変形が使用可能である。
図1
図2
図3
図4
図5