【課題を解決するための手段】
【0009】
この課題は、本発明により、
3.カバーと、カートリッジケーシングと、カートリッジの底部とが前記中央パイプを介して共に固定可能であり、
4.前記中央パイプは前記カートリッジから突出し、前記制御ヘッドに対して接続手段として機能し、
5.前記カートリッジ自体が耐圧性である吸着乾燥機によって解決される。
【0010】
よって、前記装置又は前記吸着乾燥機の耐圧性が現場での設置時にのみもたらされるものではないように、本発明は既に耐圧性である吸着容器としてのカートリッジを提案する。カートリッジを交換する場合は、前記カートリッジは、前記吸着乾燥機から取り出し可能であり、新たなカートリッジ又は既に新たに充填されたカートリッジと交換可能である。使用済みの乾燥剤を有する前記カートリッジは製造工場又は修理会社で詰め替えられ、カートリッジの耐圧性が作業前に試験される。これは、カートリッジの交換の際の漏出の危険を最小限にする。
【0011】
前記カートリッジは、前記中央パイプ自体を介して直接、前記制御ヘッドに接続される。特に有利な実施態様の変形では、前記中央パイプの自由端部がカートリッジ又はカバーから突出し、前記制御ヘッドの対応する開口部に挿入することが可能である。このために、前記中央パイプは、好ましくはクイックコネクターが予想され、例えば、前記パイプの外側に、前記制御ヘッド開口部の雌ねじに螺合可能なねじ山を有することができる。このようなクイックコネクター又は簡易な接続装置は、圧縮空気技術において既知である。例えば、前記中央パイプはその自由端部、すなわち接続部に、前記制御ヘッドに配置された接続部材の対応する部材が係合するいくつかの周縁溝を有する場合がある。この場合、前記カートリッジが前記制御ヘッドの開口部の1つに押し付けられるか、又は挿入されるだけでよく、その後、前記中央パイプの接続部を前記制御ヘッド内部に嵌合させ、耐圧性のある接続が保障される。また、ねじ接続が考えられ、適した封止部材によって適当な気密性がもたらされる。前記封止部材は、例えば、前記溝に保持される密封環(sealing rings)として設計される場合がある。
【0012】
また、本発明の本質的な利点は、カートリッジの充填を製造者が実施できることにより、最も高い要件を満たすことができる点である。作動中にほとんど磨耗しない密度の高い充填が達成される。よって、充填時のエラーと不要な容器漏出とが、実質的に阻止できる。
【0013】
制御ヘッドは、バルブ技術全てと、必要なパイプ接続部及び容器接続部とを含む。よって、カートリッジの第2の端部は、接続部及びバルブ技術が何ら使用されておらず、カートリッジの交換が非常に簡便となる。また、これは制御ヘッドの維持管理及び修理をできるだけ簡便にするものであり、これにより、例えば、制御ヘッド全体を交換することと、その後のまだ完全に消耗しきっていないカートリッジを使用し続けることが考えられる。機能的な吸着乾燥機の前提条件が、中央パイプの接続領域と制御ヘッドとの接続だけであるので、同じ大きさのカートリッジを有する異なる大きさの制御ヘッドを支障なく使用することができる。
【0014】
カートリッジケーシングに対してカバーと、カートリッジの底部とを支持する中央パイプ自体が突っ張り棒(tensioning rod)として使用されるので、例えば、現場の条件、すなわち製品のシリーズの交換時など、カートリッジの大きさ及び寸法の適応も迅速で、簡便で、問題がない。現場で既に使用された制御ヘッドへの接続の可能性にはカートリッジの直径及び長さは無関係であり、中央パイプの接続領域の直径と構造だけが関係する。よって、例えば、カートリッジの長さは、カートリッジケーシングを交換することにより、容易に、そして簡便に変更可能であり、部品を互いに固定するだけで耐圧性が保証される。
【0015】
本発明によると、カートリッジについては、流体を導入する2種類の異なる可能性がある。第1の変形では、カバーにある1又は2個以上の開口部を通して、乾燥剤内、カートリッジ内の底部領域に流体が導入された後、流体が中央パイプの開口部を通して中央パイプ内に流入し、中央パイプを通って制御ヘッド内に再び向かう。カートリッジを再生するために、流れる方向が反転し、洗浄用空気が中央パイプを介して導入され、底部にある開口部を通り、乾燥剤内に導入されることにより、乾燥剤が再生される。
【0016】
第2の実施態様の変形では、流れる方向が反転する。流体は、中央パイプを通って、底部領域に流入し、中央パイプから流出し、乾燥剤を通って底部から上部に流入し、最終的にカバーの開口部を通ってカートリッジから再び流出する。
【0017】
カートリッジが制御ヘッドに吊設されるときに、好ましくは第2の変形が使用される。中央パイプにより凝縮した多くの水滴を落下させた後に、底部領域で、水滴を回収し、保持する。本発明によると、チェンバーがこの目的のために設けることができる。また、有利には、前記チェンバー/部屋に乾燥剤が充填される場合がある。その後、(洗浄用空気を通して再乾燥する)再生時に、この水滴も自動的に除去され、凝縮物は手動で除去する必要はない。凝集物を生成する隔てられたチェンバー、すなわち隔てられた部屋が、有用である場合があるが、必須ではない。
【0018】
本発明によると、実施態様のどちらの変形においても、乾燥剤から流体の現れる領域、すなわち第1の変形では、中央パイプ開口部の前及び、第2の変形ではカバー開口部の前に、濾材が設けられる場合がある。これは、カートリッジから使い古しの乾燥剤が除去されることを防ぐ。
【0019】
本発明により、消音器がカートリッジの間に配置される場合があり、例えば、吸着乾燥機の騒音が大きくなることを大幅に減少させる。
【0020】
本発明により、制御ヘッドにカートリッジを吊設することが、特に、有利な利点であることが証明された。これは、カートリッジが制御ヘッドの開口部すなわち制御ヘッドの接続手段に底部から挿入され、そこに固定されずに吊設されることを意味する。また、反対の配置も可能であり、すなわちカートリッジが制御ヘッドに上から挿入され、カートリッジを立設させる。最後に、例えば、その場の状況により横向きの配置が有利である場合は、カートリッジを水平に並べる横向きの配置が考えられる。
【0021】
よって、この場合、制御ヘッド開口部が配置される。吸着乾燥機は壁取り付け具(wall mount)を有する場合があるが、パイプラインの構成により、かかる壁取り付け具は省略することも可能である。
【0022】
カバー、底部及びカートリッジケーシングが、好ましくは、適当な密封方法、例えば、オーリングにより、互いに封止される。部材を互いに固定するために、中央パイプの外側に、カバーの底部をねじ込むことができるねじ山を有する場合がある。また、底部及びカバーについては、開口部を介して中央パイプ上に簡便に押し付けられ、外部に取り付けられたナットによって、締め付けることが考えられる。この場合、カバー側では中央パイプが制御ヘッドに対する接続領域を形成し、底部側では雄ねじを用いて突っ張り領域(tensioning section)を形成するように、中央パイプはカバーを通って伸張するだけでなく、カートリッジの底部を通して伸張する。
【0023】
本発明によるカートリッジは既に耐圧性を有しているので、カートリッジ周囲のさらなる耐圧性のハウジングは不要である。
【0024】
省略の結果、ハウジング材料及び重量が節約され、現場での吸着乾燥機の取り付けの際に有利である。より低重量の吸着乾燥機は吊設の実現性を改善し、修理作業をより簡便にする。ケーシングの省略によって、吸着乾燥機は全体的により小型化され、より低出力の吸着乾燥機の場合は、しばしば終点(end points)近くで操作され、及び/又は組み込み装置として使用されるので、小型化は特に有利である。
【0025】
本発明による吸着乾燥機は最も多様な要件のために設計される場合があり、流体の流量としては、特に、約3Nm
3/hないし約150Nm
3/h(1時間当たりの空気の標準立方メートル)が適している。
【0026】
本発明によると吸着乾燥機は、好ましくは、吸着乾燥機に組み込むこともできる吸い込みフィルター(超極細フィルター)との組み合わせが特に適している。吸着乾燥機は警報の送信及び修理メッセージの伝達を仲介するもの(interface)を有し、好ましくはコンピューターで制御される。また、第2の吸い込みフィルター(マイクロフィルター)が設けられる場合もある。
【0027】
本発明によると、制御ヘッドは、取り付けられたカートリッジを備えた制御ヘッドの回転を可能にする手段が含まれる場合がある。カートリッジを備えた制御ヘッド全体を回転させることにより、カートリッジを着脱するのに十分な空間がある位置に制御ヘッドを持っていく。制御ヘッド全体が回転しないことも考えられるが、しかし制御ヘッドにカートリッジを接続する手段を有する領域だけは回転する。これに対して、例えば、前記パイプ接続を有する第2の領域は、決まった位置にとどまる。この実施態様の変形では、制御ヘッドは、回転部分と、回転しない部分とに分けられる。
【0028】
また、本発明によれば、制御ヘッドは、注入及び排出接続が交換可能な異なる位置にある組立て部を通る接続部品の形態の手段を有する場合がある。このような方法では、制御ヘッドのパイプライン内の流入方向を反対向きにすることが可能である。これは、取り付けた場合、その場の条件に適応させるための利点である。
【0029】
本発明は、以下の図面の助けを借りて、より詳細に説明される。示される実施態様の変形は実施例として示されるだけであり、本発明はそれらに何ら減縮されるべきではない。図面は、以下の通りである。