(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
コンピュータ読み込み可能コードを有する具体的なコンピュータ使用可能媒体を含み、測定する物体の表面に接触するように構成された先端のプローブチップを備えたプローブヘッドを有する表面走査測定装置を制御するコンピュータシステムで用いられるコンピュータプログラム製品であって、
法線ベクトルを有する表面上の名目初期接触点を選択するプログラムコードと、
先端のプローブチップを、接近経路に沿って名目初期接触点と接触するように動かすプログラムコードと、
を含み、
接近経路は、名目初期接触点から、表面から離れたある非接触点へ全般的に直線状に延びる全般的に直線状な領域を有し、
全般的に直線状な領域は、法線ベクトルと約20度及び約60度の間の角度を形成し、
更に、先端のプローブヘッドを名目初期接触点に関連する実際の接触点に接触するように動かした後、先端のプローブヘッドを下側に動かして、オフセット位置で走査可能状態にするプログラムコードを含み、
オフセット位置で走査可能状態になる前に、プローブヘッドがオフセット位置をオーバーシュートする、または、
オフセット位置で走査可能状態になる前に、プローブヘッドがオフセット位置の上下に動くようにするプログラム製品。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1A】本発明の図示された実施形態に応じて構成された座標測定装置を模式的に示す図である。
【
図1B】
図1Aの座標測定装置とともに用いられる複数の異なるプローブチップを模式的に示す図である。
【
図2】本発明の図示された実施形態による物体の表面を測定するプロセスを示す図である。
【
図3】本発明の図示された実施形態による物体の表面に沿って走査する、プローブヘッド及びチップの経路及び様々な位置を模式的に示す図である。
【
図4】走査表面が名目表面よりも高い場合の
図3に示す経路の領域を模式的に示す図である。
【
図5】走査表面が名目表面よりも低い場合の
図3に示す経路の領域を模式的に示す図である。
【
図6】本発明の代替的な実施形態に応じたプローブヘッド及びチップを模式的に示す図である。
【
図7】位置データ記録及びタグ付けを示すプローブヘッド及びチップの経路の実施例を模式的に示す図である。
【
図8】付属書の図示された詳細を模式的に示す図である。
【
図9】付属書の図示された詳細を模式的に示す図である。
【
図10A】付属書の図示された詳細を模式的に示す図である。
【
図10B】付属書の図示された詳細を模式的に示す図である。
【
図10C】付属書の図示された詳細を模式的に示す図である。
【
図11】付属書の図示された詳細を模式的に示す図である。
【
図12】付属書の図示された詳細を模式的に示す図である。
【
図13】付属書の図示された詳細を模式的に示す図である。
【0014】
(図示された実施形態の説明)
上記で要約された図面を参照して議論される以下に述べる“図示された実施形態の説明”から、当業者は、本発明の様々な実施形態の利点をより十分に理解するであろう。
【0015】
図示された実施形態において、座標測定装置は、プローブヘッド及びチップを、名目表面から約60度未満の角度で、測定する表面に向けて接近させる。これにより、測定する面への損傷を伴うような激しい衝突の虞をできるだけ抑えて、全接近プロセス、走査可能状態にするプロセス、走査プロセス及び離脱プロセスを、実質的に連続的に、迅速に完了することができる。図示した実施形態の詳細な説明は以下に述べる。
【0016】
図1Aは、本発明の図示された実施形態を実施するための論理を有する座標測定装置(以下、“CMM10”と称する)を示す。他のCMMと同様に、
図1のCMM10は、走査する物体(
図1には図示せず)を支持するための概ね矩形のプラットフォーム12と、支持した物体についての外形情報を集めるため、プラットフォーム12と動作可能に接続された走査装置14とを有する。セメントや花崗岩といった様々な材料から形成されることができるプラットフォーム12は、物体を上面に確実に固定するための孔15の配列を有する。
【0017】
物体についての表面の情報を集めるため、走査装置14は、それ自身で先端のプローブチップ22(「プローブスタイラス」、「プローブピン」または単に「チップ22」とも称する)を支持するプローブヘッド20を備え、駆動部材18により支持された可動走査アーム16を有する。使用中においては、チップ22は物体の表面に実際に接触して、プローブヘッド20が、所望の走査移動に応じて表面外形に沿って撓むようにする。このような撓むことによって、搭載された論理または外部の論理(例えば、ホストソフトウエア24)が、物体の表面の一、二または三次元マップに変換されるようなデータのセットを生成する。
【0018】
従って、好ましくは、走査装置14全体が、X−方向(プラットフォーム12の幅方向に平行な方向)、Y−方向(プラットフォームの長さ方向に平行な方向)、及びZ−方向(プラットフォーム12に近付いたり遠ざかったりする方向)で示される三次元方向に移動可能である。そのためには、CMM10は、駆動部材18(つまり、走査装置14全体)をY方向、例えば駆動軌道28に沿って動かす駆動機構26を有する。とりわけ、駆動機構26は、サーボコントローラ及び他の精密移動装置を含むことができる。
【0019】
走査アーム16は、他の2つの自由度、つまりX−方向及びZ−方向の動きを提供する。特に、駆動機構26は、アーム16を軌道30に沿ってX方向に動かし、プローブヘッド20及びチップ22を、Z方向に沿って伸縮する態様で、物体の表面に近付いたり遠ざかったりするように動かす。
【0020】
CMM10は、測定する物体及びその応用に応じて、様々なタイプのチップ22を採用することができる。
図1Bは、プローブヘッド20に固定することができる複数の異なるタイプのチップ22を模式的に示す。これらのチップ22は、図面上にラベル付けがされた、
− 直線軸部ボールチップ22A
− ネジ込みボールチップ22B
− ネジ込みディスクチップ22C
− ネジ込み先細シリンダチップ22D
− ネジ込みフラットシリンダチップ22E
− ネジ込み丸形シリンダチップ22F
− ネジ込み半球チップ22G,及び
− 9方向ギアクラスタチップ22H
を含む。
【0021】
CMM10の特定の部品の議論は、図示する目的のみのものであることに注意すべきである。例えば、アーム16は、カンチレバーや他の伸縮しない技術を用いて、Z−方向に動かすことができ、プラットフォーム12は、その他の形状(例えば、円形の形状)に形成されることもできる。更に、プローブヘッド20は。
図1Bに示されたチップ22A〜22H以外のチップ22を用いることができる。従って、様々な実施形態は、必ずしも、
図1AのCMM10の具体例に限定されるものではない。
【0022】
本発明の図示された実施形態によれば、CMM10は、チップ/プローブヘッドが激しく衝突する危険をできる限り抑制すると同時に、全体的な走査速度を増加させるように、プローブヘッド20及びチップ22の動きを効率的に指示するコントローラ34を有する。そのためには、コントローラ34の図示された実施形態は、接近する工程から、走査可能状態にする工程、走査工程及び離脱工程までを通して、全ての経路に沿って、チップ22を連続的に動かすように構成される。(例えば、
図2を議論するとき)下記に詳細に説明するように、コントローラ34は、第1接触点として、物体の表面上の名目初期接触点を選択する。
【0023】
物体の表面の任意の点とともに、名目初期接触点は、(
図3に示され、後述される)法線ベクトルを有する。図示された実施形態では、コントローラ34は、上述の法線ベクトルから約60度未満の角度(
図3で符号Aで示される)で名目初期接触点に向けて、チップ22を動かす。例えば、この角度Aは、約59、50、40、30、20または10度のような約5度及び約60度の間の範囲を有することができる。他の同様なオーバーラップ範囲、例えば、約20度及び約60度の間、またはいくつかの場合には0度、でも十分である。
【0024】
図2は、本発明の図示された実施形態による物体の表面を測定するプロセスを示す。特に、このプロセスは、図示された実施形態によるステップ、及びチップ22の位置を詳細に示す。対応するように、
図3は、物体の表面38への接近から物体の表面38からの離脱までを通して、チップ22の進行を模式的に示す。このプロセスは、コントローラ34が、チップ22が最初に接触する物体の表面38上の初期点を選択するステップ200で開始する。この点は、自動化プロセスまたは操作者により、事前にプログラミングされることができ、ここでは“初期接触点36”として参照することができる。コントローラ34は、チップ22をどこに導くか確かめるため、物体の表面38及びの初期接触点36についての情報を受ける。他の方法においては、この情報は、(図示されない)あるユーザインタフェイスを通して使用者から受けることができる。
【0025】
しかし、本プロセスのこの点において、コントローラ34は、物体の表面38を識別するデータのみを有しており、必然的に、初期接触点36を識別するデータのみを有している。事実、初期接触点36に関連する情報は、チップ22を正確な実際の初期接触点(参照番号36を用いて参照される)に位置付けるのに十分な場合も、不十分な場合も有り得る。従って、プロセスのこの段階における初期接触点36は、“名目”初期接触点36として参照される。初期物体表面38も、情報によって示唆された正確な位置に正確に位置付けられるとは言えないので、“名目”物体表面38として参照される。
【0026】
名目物体表面38及び名目初期接触点36は、それぞれ、(1)実際の物体表面38及び実際の初期接触点36であるか、または(2)実際の物体表面38及び実際の初期接触点36から離れていることがあり得る。何れの場合においても、実際の接触点36は、物体表面38上の意図された第1の接触点として、名目初期接触点36に関連する。従って、もし、CMM10が、チップを名目初期接触点36に向かって導くとき、多くの場合、チップ22を、実際の初期接触点36(よって、同じ参照番号36を用いている)に向かって導くと考えられる。
【0027】
次に、プロセスでは、駆動機構26が、チップ22を物体表面38より上方のどこかから、物体表面38への接近経路42上の開始点42Aへ動かすステップ202を続けて行う。より詳細には、
図3に示すように、接近経路42は、名目初期接触点36から上述の初期点へ延びていると考えられる。少なくともこの経路42の領域は、全般的に直線状である。好ましい実施形態では、この全般的に直線状な領域は、接近経路42の一部または全てを含むことができ、名目初期接触点36から直接延びている。図示された実施形態では、この全般的に直線状な領域は、上述の法線ベクトル35と上述の角度A(60度未満の上述の様々な角度)を形成する。
図3では、法線ベクトル35を初期接触点36の隣に示していることを確認のため述べておく。このことは、真の位置が初期接触点36にあることを混乱させるものではない。
【0028】
プロセスでは、コントローラ34が、チップ22を、接近経路42の全般的に直線状な領域に沿って、名目初期接触点36に向けて動かすように、駆動機構26に命令するステップ204を続けて行う。次に、ステップ206において、プロセスは、チップ22が、名目初期接触位置36より高い位置に接触したか、名目初期接触位置36の周辺で接触したか定める。特に、プローブヘッド20は、物体表面38に向けて動くので、実際の物体表面を検出するであろう。物体表面38について受けたデータが、物体の現状を表したものでない場合もあるので、このことは、時々予想よりも早く起こる場合がある。例えば、物体が予想しない態様で回転していたり、予想したよりも高かったりする場合がある。
図4では、チップ2が、高い位置で物体表面38に接触した実施例を模式的に示す。従って、この図では、参照番号36は、名目初期接触点及び実際の初期接触点の2つの点を示している。
【0029】
何れの場合でも、ステップ206の条件を満たしたときには、プロセスが表面38に接触した後、プローブを走査可能状態にするステップS208を続いて行う。従って、チップ22は、ここでは“走査可能状態設定経路44”として参照される経路に沿って進み、走査可能状態設定プロセスを完了して、(後述する)走査経路46の開始点で、走査プロセスを開始する。
【0030】
そのためには、プロセスは、更にチップ22を、プローブヘッド20におけるZ方向である物体表面38に向かって押し下げながら、走査方向に動かす。チップ22は、表面38から中に深く動くことはない。その代わりに、当業者が知っているように、プローブヘッド20の可撓性領域が所定量撓んで、測定のためシステムを走査可能状態にする。プローブヘッド20は、
図3の波線で示され、参照番号48で識別される“オフセットポイント48”において、最終的に走査可能状態にされる。
図3は、やはり参照番号48で示される、2つの矢印の間のオフセット量も示す。図示の目的で、
図3(他の図においても)は、実際の初期接触点36で開始し、オフセット量をオーバーシュートして、オフセット量に戻る、参照番号44で識別される曲線を示す。この曲線44または類似のものは、チップ22が物体表面38の中に貫通することを示唆することを意図したものではない。その代わりに、この曲線44は、単に、チップ22が走査可能状態設定経路44に沿って走査方向に動くにつれて、プローブヘッド20の可撓性領域が撓む距離を示すだけである。
【0031】
このオーバーシュートは、望まない振動(例えば、物体の表面38上の跳ね返り)を抑制するのに役立ち、よって、より正確な読み取りを提供する。多くの異なるファクターが、このような振動の原因となり得る。例えば、これらのファクターには、とりわけ、規定された走査速度、プローブヘッド内部のバネ定数、規定されたプローブヘッドのオフセット、物体の表面処理が含まれる。これらのファクターや他のファクターの知見は、CMM10に従来の態様で適切な量のオーバーシュートを定めさせることができる。
【0032】
ステップ206に戻ると、もし、チップ22が、名目初期接触点36に接触する後で、実際の接触点36に接触するであろうという場合には、プロセスは続けてステップ210へ進み、物体表面38への接近角度Aを変更する。より詳細には、チップ22が予め定められた角度Aで続けて動いて、十分に速やかに物体表面38に接触しない場合、次に、(1)プローブヘッド20を走査可能状態にする十分な時間がない、または(2)走査経路46が正確な情報を得るのを開始するのが望まないぐらい遅いことになる。このような問題をできる限り抑制するため、好ましくは、チップ22が、法線ベクトル35に対してより小さな角度で、物体表面38に向けて動く。言い換えれば、チップ22は、物体表面38に向かってより直接的な態様で動く。例えば、
図5に示されるように、対数的にまたは直線状に、しかし物体表面38に向かって小さな角度で動くことができる。(
図4のような)この図では、従って、参照番号36は、名目初期接触点及び実際の初期接触点の2つの点を示す。表面に接触した後、プロセスは、ステップ208で上述したように、プローブヘッド20を操作可能状態にする。
【0033】
プロセスがプローブ22を走査可能状態にし、チップ22が走査経路46の開始点にいると、CMM10が、物体表面38についてのデータの獲得を開始する。これにより、プロセスは続けてステップS212へ進み、従来の態様で、物体表面38についての位相的情報を走査及び記録する。
【0034】
走査経路46の終端で、チップ22は、離脱経路50に沿って、表面38から離れる(ステップ214)。ある実施形態では、離脱経路50は、実質的に接近経路42と同様である。特に、このような実施形態では、離脱経路50は、接触した表面の最後の点から延びる実質的に直線状な領域を有する。この実質的に直線状な領域は、接近経路42の実質的に直線状な領域に関連する上述の角度Aに対応して、接触した表面の最後の点から延びる、法線ベクトルとのある角度を形成する。従って、この離脱角度は、上述の角度のように、約60度未満にすることができる。
【0035】
プロセスが、もはや物体を走査する必要がない場合には、プロセスはステップS216で終了する。しかし、走査を継続するときには、以下を例示できる。例えば、チップ22が離脱経路50に接近するとき、回避すべきある種の不連続部分(例えば、溝や孔)に接近する場合もあり得る。物体の測定を継続するため、プロセスが、効率的にこの不連続部分を飛び越すようにして、不連続部分の反対側の測定プロセスを継続する。この場合、チップ22は離脱経路50に沿って進み、ステップ200へ再びも戻って、次の名目初期接触点36を選択して、このプロセスを繰り返す。
【0036】
図示された実施形態では、チップ22を、接近経路42の開始点から、走査可能状態設定経路44、走査経路46及び離脱経路50を通して、停止せずに、すなわち連続的に動かす。この結果、走査速度を改善し、従って、作業効率を改善する。更に、この全体の経路は、予め規定された経路である。代替的な実施形態では、経路の間のある点で、停止することもできる。例えば、ある代替的な実施形態では、接近経路42及び走査可能状態設定経路44の間で、停止、またはチップの速度を大きく落とすことで、走査可能状態設定経路44の大きさを小さくすることができる。
【0037】
図6には、代替的な接近経路42を示す。特に、この場合、接近経路42は、名目接触点36の法線ベクトル35と実質的に平行である。この実施形態及び関連する実施形態では、この接近経路42は、法線ベクトル35と約0〜4度の角度を形成する。他の実施形態と同様に、この実施形態では、チップ22を、接近経路42の開始点から、走査可能状態設定経路44、走査経路46及び離脱経路50を通して、停止しないか、または従来の設計より少ない点で停止するだけで連続的に動かす。
【0038】
図6は、比較的柔らかい物体に用いる場合の代替的な走査可能状態設定技術を示す。特に、走査可能状態設定プロセスの間に、プローブヘッド20を物体の方向に導くZ−方向の力は、チップ22が対応する力を物体表面38中に導くようにする。もし、物体が十分に固ければ、計測または物体にとって無視できる衝撃以下であろう。しかし、もし物体が比較的柔らかいときには、この力によってチップ22が物体表面38中に入り込み、物体の完全性及び読みの正確さの両方について妥協させることになる。従って、
図6には、プローブヘッド20が、オフセットポイント48の周りを上下するその他の走査可能状態設定曲線44Bを示す。この実施例では、オフセットポイント48で走査可能状態にする前に、プローブヘッド20をオフセットポイント48よりもわずかに押し下げ、次にオフセットポイント48よりも十分上になるようにする。
【0039】
データの完全性は優先すべきである。従って、
図7では、位置データの記録及びタグ付けを示すプローブヘッド20及びチップの経路の実施例を示す。走査データがCMM10から分析ソフトウエア(例えば、ホストソフトウエア24)に戻されたとき、ホストソフトウエアが、(a)接近経路42及び走査可能状態設定経路44に関らず、点を意図した規定した走査経路46上の分析実施のための部分に区分する、(b)品質特性に関する各点の偏差分析を許容できるように、あるタグをセットすることができる。
【0040】
ポイント及び品質タグの両方が、
図7に示すように規定できる。各走査セグメントにおいて、固有のポイントタグ番号が割り当てられ、ホストソフトウエア24からコントローラ34へ送られる。例えば、初期接触点36から始まり、第1走査接近セグメントに、参照番号52で示されるようにタグ番号“1”が割り当てられ、走査可能状態設定セグメントに、参照番号54で示されるように、タグ番号“2”が割り当てられ、規定された走査経路セグメントに、参照番号56で示されるように、タグ番号“3”が割り当てられ、全てのセグメントにタグが割り当てられるまで継続される。これらの返信されたタグから、ホストソフトウエア24は、走査セグメントを区別することができ、関連するセグメントのみを分析することができる。
【0041】
所望の走査セグメントが、個々のセグメントへ分けられた後、品質タグを、更に各点を分析するために用いることができる。規定されたパラメータを用いて、実際の走査データセット58から各点に、規定された走査プローブのオフセットとの関連レベルに応じた品質タグを付与することができる。このようにして、走査セグメントが解析されたときには、無関係な点は無視することができる。例えば、走査した点が、“良い”公差ゾーン60内に入る場合には、品質タグ0を付与することができ、点が次の公差ゾーン62内であるが、第1ゾーンを越えている場合には、品質タグ5を付与することができ、点が最後の公差ゾーン64を越えている場合には、品質タグ9を付与する。この品質タグの割り当ては、個々に規定することができる。
【0042】
本発明の様々な実施形態は、これに限られるものではないが、プロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタルシグナルプロセッサまたはジェネラルパーパスコンピュータ)を用いたコンピュータプログラムロジック、(例えば、フィールド プログラマブルゲートアレイ(FPGA)または他のPLD)を用いたプログラマブルロジック、個別コンポーネント、集積回路(例えば、特定用途向け集積回路(ASIC))、これらの任意の組みせを含む他の手段を含む、多くの異なる形式で具体化することができる。
【0043】
既に述べられた機能性の全てまたは一部を実行するコンピュータプログラムロジックは、これに限られるものではないが、ソースコードフォーム、コンピュータ実行形式及び様々な中間フォーム(例えば、アッセンブラで生成されたフォーム、コンプライア、リンカまたはロケータ)を含む様々なフォームで具体化することができる。ソースコードは、様々な操作システムまたは操作環境とともに用いるための任意の様々なプログラム言語(例えば、オブジェクトコード、アッセンブリ言語またはC、C
++またはJAVAといった高レベル言語)で実行される一連のコンピュータプログラムインストラクションを含むことができる。ソースコードは、様々なデータ構造及びコミュニケーションメッセージを規定して使用することができる。ソースコードは、(例えば、インタプリタを介して)コンピュータ実施フォームであることができ、また、ソースコードが、(例えば、トランスレータ、アッセンブラまたはコンパイラを介して)コンピュータ実施フォームに変換されることができる。
【0044】
コンピュータプログラムは、セミコンダクタメモリデバイス(例えば、RAM、ROM、PROM,EEPROMまたはフラッシュプログラマブルメモリ)、マグネティックメモリデバイス(例えば、ディスケットまたは固定ディスク)、オプティカルメモリデバイス(例えば、CD−ROM)、PCカード(例えば、PCMCIAカード)、または他の記憶デバイスといった実体的な保管媒体に、任意のフォーム(例えば、ソースコードフォーム、コンピュータ実行フォーム、または中間フォーム)で保管できる。コンピュータプログラムは、印刷のまたは電子的な書面(例えば、収縮ラップされたソフトウエア)、コンピュータシステムにプレロードされたもの(例えば、システムROMまたは固定ディスク上のもの)、またはサーバーまたは通信システム(例えば、インターネット、またはワールドワイドウエッブ)による電子ブリテンを伴う取り外し可能保管媒体として、任意の形式で配布することができる。
【0045】
既に記載した機能性の全てまたは一部を実行する(プログラマブルロジックデバイスに用いるプログラマブルロジックを含む)ハードウエアロジックは、従来のマニュアルメソドを用いて設計できるし、キャド(CAD)、ハードウエア記述言語(例えば、VHDL、AHDL)、またはPLDプログラム言語(例えば、PALASM、ABELまたはCUPL)といった様々なツールを用いて、設計され、捕捉され、または電子的に書面化されることができる。
【0046】
プログラマブルロジックは、セミコンダクタメモリデバイス(例えば、RAM、ROM、PROM,EEPROMまたはフラッシュプログラマブルメモリ)、マグネティックメモリデバイス(例えば、ディスケットまたは固定ディスク)、オプティカルメモリデバイス(例えば、CD−ROM)、PCカード(例えば、PCMCIAカード)、または他のデバイスといった実体的な保管媒体に、恒久的にまたは一時的に保管することができる。コンピュータプログラムは、印刷のまたは電子的な書面(例えば、収縮ラップされたソフトウエア)、コンピュータシステムにプレロードされたもの(例えば、システムROMまたは固定ディスク上のもの)、またはサーバーまたは通信システム(例えば、インターネット、またはワールドワイドウエッブ)による電子ブリテンを伴う取り外し可能保管媒体として、任意の形式で配布することができる。
【0047】
更なる実施形態は、それに限定されることなく、以下に記載される。下記に提供されるある実施形態は、コンピュータが実行する方法クレームとして記載される。しかし、当業者は、その方法のステップが、コンピュータコードとして具体化され、コンピュータコードは、コンピュータプログラム製品を規定する一時的でないコンピュータ読み込み媒体上に保管することができる。
【0048】
上述の議論では、本発明の様々な例示的な実施形態が開示されたが、当業者が、本発明の真の範囲から離れることなく、本発明の利点を達成する様々な改良をすることができることは明らかである。
【0049】
付属書
[技術分野]
本発明は、全般として、表面走査座標装置の制御する方法に関する。
【0050】
[背景技術]
表面走査装置の分野で、所謂座標測定装置が、未知の表面外形(プロファイル)を測定するため、または既知の表面の外形(トポグラフィ)を検証するためにしばしば用いられる。この目的のため、測定する面にプローブチップを備えたプローブヘッドを接触させ、このプローブチップを予め規定された経路に沿って動かすことが一般的なやり方である。チップが動く間に、チップの位置を記載した位置データが生成され、よって、表面の外形が生成されて記録される。
【0051】
この技術分野の主な問題は、測定する表面への及び測定走査間のプローブヘッドの動きである。1つには、常に移動時間を短くするめに、あらゆる動きをできる限り速く行う必要がある。一方、あらゆる破損や激しい衝突を回避するように、表面との接触を行わなければならない。その他の問題は、測定条件、例えば、チップ及びプローブヘッドの位置を、振動が無くデータ獲得のために最適化して生成することである。
表面への一般的な接近経路において、いくつかの振動や悪い影響をプローブヘッドに及ぼす。この影響は、チップの表面への物理的接触によって増大される。
【0052】
現在の走査経路接近方法論は、一般的には、接近ベクトルとして、表面の一部の法線を使い、サーボループを制御することによって、このベクトルに沿って、表面から離れた事前接触点に動かし、表面の一部に接触するまで、表面の法線に向かって動かし、規定のプローブオフセットに達するまで繰り返すという工程からなる。この方法論は、表面の法線に対して、常に平行及び垂直に別に動かすので、プローブヘッドを長い距離動かすことを意味する。
【0053】
接触した後、走査プローブオフセットは、通常、制御サーボループからの“オーバーシュート”によってバイパスされる。そして、このシステムでは、表面の一部から離れる方向に進み、次に、表面の一部に向かって、(a)プローブ及び座標測定装置(CMM)を測定可能状態にして、(b)規定された走査プローブオフセットに達する。この点で、規定された走査経路の動きが開始される。この従来の方法論の一般的な手順は、
図8に示される。
【0054】
US5,895,444では、装置のプローブ及びプローブピンが所望のデータに応じて駆動制御される、座標測定装置を制御する方法に導かれた異なるやり方が開示されている。プローブピンは、プローブヘッドに移動可能に取り付けられ、測定する工作物の表面に接触するか、またはこの表面から離れることができる。接触または離脱時のプローブヘッドの移動方向の間の角度を選択し、接触点における接平面へ向けた動きの方向と工作物表面との角度を30度未満にすることにより、測定速度を増加することができる。このやり方は、表面の接平面に対して概ね平行な動きを導き、よって、上従の幾つかの問題を回避することができるが、いくつかの不利益をもたらす。最初のポイントは、表面の法線に平行な動きを要する走査プローブオフセットを形成するため、時間間隔が増大することである。US5,895,444では、制御駆動ピンを備えた動作可能なプローブヘッドを用いることにより、このポイントを克服しようとしている。しかし、このプローブヘッドの性能を有するために、複雑さが増し、部品の重量が増大する。その他の不利益は、表面に接触する点での接平面に平行な支配的な動きを伴う状況である。これにより、表面の法線に対して平行に働く力によって生じる効果が無効となり、よって較正することができなくなる。
【0055】
よって、本発明の目的は、表面走査装置、特に座標測定装置の制御を改善することにある。更なる目的は、表面の接触時またはその直後に、すぐに使用可能なデータを得ることができる方法を提供することにある。
本発明の特別な目的は、プローブヘッドの悪い影響を抑制することにある。
【0056】
[発明の要約]
組み合わせ可能な幾つかの発明を規定する幾つかの独立請求項の一部または全ての特徴を実現することによって、これらの目的を達成する。代替的または有利な態様で更に発明を展開する特徴が、従属請求項に記載される。全ての独立した発明の組み合わせが表面走査装置を制御する方法を改善するであろうが、1つの発明を用いること、または異なる発明の部分集合を独立してまたは関連しない態様で用いることが、原則として可能である。
【0057】
これらの発明の最初のグループの概念は、30度より大きい角度の座標測定装置(CMM)を用いた規定された経路走査に組み合わせて、法線ベクトル接近の平行部分(ヘジテーション)を除去して、プローブ及びCMMからの振動を抑制することにある。個々の規定経路走査の前に、CMMは、動作を遅らせる鋭いコーナーの無い経路における測定の間に、位置速度でプローブヘッドを動かす。そして、プローブは、所定のまたは予め設定された接触点で、表面接線ベクトルまたは表面の接平面から、好ましくは30度より大きく、80度未満、またはさらに70度未満の角度で、走査方向と反対方向の表面の一部から離れた位置の空間の点に動かされる。組み合わせた接近経路においては、オブザーバ機能を無効にするため、ポイントベクトルが0に設定され、つまり、プローブのフィードバックがサーボループに組み入れられて、規定された走査経路を変更する。
【0058】
接触が形成されたとき、チップは指定のオフセット位置に動く。よって、プローブピン、つまり
図6に示すようなプローブに取り付けられたスタイラスが、センサを介したプローブの撓みにより測定されるように表面の一部に接触するまで、CMMは、速やかに走査するため、サーボシステムを制御して、空間の初期点から、プローブを予め規定された走査速度で所定の組み合わせ接近経路に沿うように動かし、規定された走査プローブオフセットに達するまで継続する。このことは、図面において、明確にするために破線で示されているが、実際にはプローブの撓みである(プローブの撓み=走査プローブオフセット)。
【0059】
そして、(a)規定された走査オフセット、及び(b)プローブ及び/または座標測定装置のあらゆる振動を抑制する最良の方法を得るために、制御システムが規定された走査経路を変更することにより、規定された走査経路は自動的に修正される。表面法線ベクトルを伴う規定された走査経路が、上記の走査プローブオフセット位置で、予め規定された走査速度で続けられる。
【0060】
従来の解決方法と対照的に、本方法では、接近速度が、接触点における表面の法線に平行な法線速度成分と、接触点における表面の接平面と平行な接線速度成分とを有する経路を含み、法線速度成分の接線速度成分に対する関係が、2:1から1:2の範囲にあり、言い換えれば、接触点における接近経路のベクトル及び接触点における接平面の間の角度が、30より大きく80度未満の範囲であり、例えば、適切な経路は、実質的に45度の角度にすることができる。主要なポイントは、接線及び法線の両方向において、有効な速度成分が維持されることである。これらの速度により、両方向に作用する力の効果が存在し、1つの接近において補償され得る。その他の有利な点は、静的なまたは付着的な摩擦を回避することができ、これにより、すぐに測定が開始でき、静摩擦状態から滑り状態への遷移による振動を抑制することができる。
【0061】
2番目の解決法としては、データのタグ付けを含み、例えば、取得した位置データを記述するまたはコメントする追加データを記録すことを含む。従って、期待する正確さ、及び改善された分析を促進する特定の走査セグメントの参照に関して、引き返し点をタグ付けする。本発明の方法論の詳細については、
図11に関連して、ここに実現され説明される。
【0062】
[図面の簡単な説明]
本発明による幾つかの方法が、図面で模式的に示される実施例に関連して、単なる例として、下記により詳細に記載され説明される。特に、
図8は、従来技術による表面の走査の方法論を示す。
図9は、従来技術の解決法の本発明との比較を示す。
図10A〜Cには、異なる場所の表面の接触点への接近経路を示す。
図11は、データを伴うプローブピンの位置データを記録する実施例を示し、特に特定のタイプの経路を示す。
図12は、座標測定装置の表面走査を制御するために全ての独立した発明を、1つに組み合わせた方法に一体化することを示す。
図13は、本発明で用いることができるスタイラスの実施例を示す。
【0063】
[詳細な説明]
図8には、プローブヘッドのチップが、開始位置1から表面に垂直な方向に動かされる従来技術の方法論が図示される。接触点2において物理的接触を形成した後、チップが、予め規定されたオフセッ位置に動かされ、続いて走査が開始される。停止点3において、チップは、離昇位置4まで垂直に離れ、その他の開始点5へ動かされて、再び、プロセスが開始される。従って、この方法論は、異なる連続したステップに分割できる。
【0064】
“インポジションゾーン”及びプローブ上下動クライテリアを充足するまで、CMMは事前接触点及び平行部分へ動く。
指令された走査プローブオフセットが許容振動範囲内に達するまで、CMMは、表面の法線及び平行部分に沿って、プローブを降下させる。
CMMは、指令された走査プローブオフセットを維持しながら、オブザーバを用いて、指令された走査経路に沿って走査を行なう。走査の終了点におけるドウエルは、一般的には、コントローラの能力によって定まり、走査速度における要求測定点密度や、データ収集及びデータ送信レートを送信する。
CMMは、引き込み点まで引き込まれる。
CMMは、次の走査手順の事前接触点に移動し、プロセスが繰り返される。
【0065】
図9は、走査のときのCMMのドウェルを操作可能状態にする処理を削除することを図示するための、従来技術の解決方法を本発明と比較したものを示す。上述のように、本発明の方法は、全ての平行部分の時間(ヘジテーション)を削除して、走査パスを連続して行うようにするものであり、一部の初期接触表面から規定された走査プローブオフセットへ、プローブ及びCMMをもっていく間の平行部分に、主に主眼を置くものである。
【0066】
従来技術の方法では、初期接触点21で開始し、プローブ1を走査可能状態にするまで待つ。次に、CMM制御サーボは、規定された走査速度で一部の表面ベクトル10に沿って、一部の表面2へ向かってプローブを駆動し、規定された走査プローブオフセット5に到達するまで継続する。次に、システムは、プローブ及びCMMが、所定量で走査可能状態になるまで、一部の表面へ向かわせる。そして、規定された走査経路が測定される。
【0067】
本発明による方法の意図の1つは、一部の表面(接近経路)に向かって走査する間のプローブのX、Y及びZ出力を監視するものであり、プローブの出力が所定値24に達したとき、サーボ制御が、CMMの操作方向25への動作を開始する。走査方向25のこの動作の間に、プローブは、規定された経路オフセット5よりも、更に一部の表面2の内部側に駆動され、規定された走査オフセット5まで、徐々にプローブのオフセットが減じられる。この走査可能状態設定経路6は、動作の振動及び一部の表面の飛びはねを防いで、プローブ及びCMMを走査可能状態にするために用いられる。
【0068】
振動の量は、これに限られるものではないが、規定された走査速度、規定された走査プローブオフセット、一部の表面の表面仕上げ等を含む多くの要素に影響される。もし、コントローラサーボ制御が、振動の量を定めるこれらの(及び他の)要素を知っているのであれば、指定の走査可能状態設定経路は、多くの条件に応じて導き出される。ある例では、走査可能状態設定経路は、プローブが表面から離れるように駆動され、表面接点を残さずに、26で上述された経路を入れ替えることができる。
【0069】
接近経路の詳細は、異なる位置における接触点の例として、
図10A〜Cに図示される。
【0070】
図9の記載で述べた振動は、一部の表面2に向かって移動する間、表面ベクトル10と異なる角度で接近経路3を用いることによって、言い換えれば、両方向の主な速度成分を示す動きによって減じることができる。従って、接近角度は30度より大きくなければならず、30度より大きな角度から表面の法線近くまで、または80度近くまでとすることができる。これらの角度の範囲は、主に、2:1からその逆の関係までの範囲、好ましくは、1.7対1からその逆の関係の1対1.7の範囲となる、法線速度成分の接戦速度成分に対する関係に対応する。
【0071】
もし、実際の一部の表面が、名目の表面2によって記載される位置にない場合、問題が生じ得る。2つの問題として、下記が挙げられる。
− 実際の表面位置40が、
図10Bに示される名目表面ベクトル10に沿った位置にない。この場合、全走査可能状態設定走査経路6及び規定された走査経路7は、名目経路44から、
図9の記載で説明されたのと同じ態様でCMMがサーボ制御されることによる点へ位置が変更される。
− 実際の表目位置42は、
図10B、Cで示される名目表面ベクトル10と反対の位置から外れる。
【0072】
この場合、接近走査経路は、接近角度から名目表面ベクトルへ組み合わせた放物線状の曲線上の新しい接近経路43を生成するように、CMMコントローラによって変更される。制御サーボは、CMMを新しい接近経路に沿って動かし、実際の一部の表面42に接触するまで、これを継続する。一度接触が得られると、CMMは、
図9の記載で説明されたのと同じ態様でサーボ制御される。
【0073】
図11は、特定のタイプの経路を示すデータとともに、戻り点タグ付けとして、プローブピンの位置データを記録する実施例を示す。
【0074】
走査データが、CMMコントローラから分析用のホストコンピュータへ戻されたとき、ホストコンピュータが、(a)接近及び走査可能状態設定経路に関らず、意図され規定された走査経路上の分析を行なう部分に、点を区分することを許容する、及び(b)品質的な特性によって各点を例外的に分析することを許容するように、あるタグがセットされる。
【0075】
これらのタグの両方、点及び品質が、
図11に関して規定される。各走査セグメントにおいて、個々のポイントタグ番号が割り当てられ、ホストソフトウエアからコントローラへ送られる。事前接触点21から始まって、例えば、最初の走査接近セグメントに、参照サイン27で示される“1”のタグが割り当てられ、走査可能状態設定セグメントに、参照サイン28で示される“2”のタグが割り当てられ、規定された経路走査セグメントに、参照サイン29で示される“3”のタグが割り当てられ、全てのセグメントに割り当てられるまで、同様に続けられる。これらの返信されたタグから、ホストソフトウエアは、走査セグメントを区別することができ、関連するセグメントのみを分析することができる。
【0076】
一度、所望の走査セグメントが、個々のセグメントに解析されると、各点の更なる分析のために、品質タグを用いることができる。規定されたパラメータを用いて、規定された走査プローブオフセットがどれだけよく付着できるかによって、実際の走査データセット33から、各点に品質タグが付与される。この様にして、走査セグメントが分析されるとき、異質の点を無意することができる。例えば、もし、走査した点が、よい公差ゾーン30内に入る場合、0の品質タグを付与することができ、次の公差ゾーン31に入るが、第1の公差ゾーンを越える場合には、5の品質タグを付与し、最後の公差ゾーン32を越える場合には、9の品質タグを付与する。この品質タグの割り当ては、無制限に規定することができる。
【0077】
図12には、全ての独立した発明を、事前接触点平行部分を削除する、座標測定装置の表面走査を制御するための1つの組み合わせた方法に一体化することを示す。
【0078】
図9から11に図示された上述の発明を実行するにあたり、事前接触点21における平行部分を削除できるので、もはや、規定された走査の前に、結果として起こる操作可能状態設定の影響はない。個々の規定された経路走査の前に、CMMは、動作を遅らせる鋭いコーナーの無い経路における測定の間に、位置速度で、表面接線ベクトル9から30度より大きく80度未満の角度で、測定する表面から規定のオフセットd1で、走査方向と反対方向の一部の表面2から離れた位置の空間の点に動く。組み合わされた接近経路3は、オブザーベイション機能を無効にするため、そのベクトルを0に設定する。
【0079】
空間のこの点から、CMM制御サーボシステムは、センサを介してプローブの撓み4により測定される一部の表面に、プローブピン8が接触するまで、プローブ1が、予め規定された走査速度で、上述の組み合わされた接近経路3に沿って、速やかに走査するようにし、規定された走査プローブオフセット5に達するまで、これを継続する。このことは、図面において、明確にするために破線で示されているが、実際にはプローブの撓みである(プローブの撓み=走査プローブオフセット)。
【0080】
そして、(a)規定された走査オフセット、及び(b)プローブ及び/または座標測定装置のあらゆる振動を抑制する最良の方法を得るために、制御システムが規定された走査経路7を変更することにより、予め規定された走査経路は自動的に修正される。表面法線ベクトルを伴う規定された走査経路7が、走査プローブオフセット5で、予め規定された走査速度で続けられる。
【0081】
図13は、本発明で使用可能なプローブヘッドのスタイラスの異なる実施形態の実施例を示す。
図面の図形は、オンスケールで描かれると考えるべきではない。
【0082】
[発明の概念]
1.測定する物体の表面に接触するプローブピンを備えた走査プローブヘッドを伴う表面走査座標測定装置の制御方法であって、
移動経路に沿って、プローブピンを位置速度で移動させるステップと、
接近経路に沿って、接近速度で、表面へ侵入及び移動するステップと、
事前に規定された接触点で表面に接触して、走査条件を生成するステップと、
表面を走査するステップと、
を伴い、
接近速度が、接触点における表面の法線に平行な法線速度成分と、接触点における接平面と平行な接線速度成分とを有し、法線速度成分の接線速度成分に対する関係が、2:1から1:2の範囲にある方法。
【0083】
2.法線速度成分の接線速度成分に対する関係が、1.7:1から1:1.7の範囲にある、請求項1に記載の方法。
【0084】
3.測定する物体の表面に接触するプローブピンを備えた走査プローブヘッドを伴う表面走査座標測定装置の制御方法であって、
移動経路に沿って、プローブピンを位置速度で移動させるステップと、
接近経路に沿って、接近速度で、表面へ侵入及び移動するステップと、
事前に規定された接触点で表面に接触して、走査条件を生成するステップと、
表面を走査するステップと、
を伴い、
接触点における接近経路のベクトルと接触点における接平面との間の角度が、30度より大きく、80度未満の範囲にある方法。
【0085】
4. 接触点における接近経路のベクトルと接触点における接平面との間の角度が、30度より大きく、70度未満、または60度未満の範囲にある、請求項3に記載の方法。
【0086】
5.接近経路及び走査経路が、予め規定された名目経路を規定し、予め規定された接触点の表面が見当たらない場合に、実際の角度から、接近経路のベクトルと、予め規定された接触点における表面の法線と平行な予め規定された接触点における接平面との間の角度に混合された放物線状の曲線上の新しい接近経路を生成するように、接近経路が変更される、上述の何れかの請求項に記載の方法。
【0087】
6.規定された走査プローブオフセットに達するまで、走査条件を生成することに、表面の法線に平行にプローブピンを動かすことを組み込む、上述の何れかの請求項に記載の方法。
【0088】
7.プローブピンが、規定された走査プローブオフセットを越えて、表面の法線に平行に動かされ、引き続いて、
振動及び/または測定プロセスの較正を抑制するため、プローブピンオフセットが、走査可能状態設定経路に沿って、規定された走査プローブオフセットへ向かって、徐々に減じられる、請求項6に記載の方法。
【0089】
8.測定する物体の表面に接触するプローブピンを備えた走査プローブヘッドを伴う表面走査座標測定装置の制御方法であって、
移動経路に沿って、プローブピンを位置速度で移動させるステップと、
接近経路に沿って、接近速度で、表面へ侵入及び移動するステップと、
予め規定された接触点で表面に接触して、走査条件を生成するステップと、
表面を走査するステップと、
を伴い、
プローブピンの位置データを獲得することが、接近経路上で開始される方法。
【0090】
9. 接近経路及び走査経路が、プローブピンの位置データを継続的に獲得する予め規定された名目経路を規定する、請求項8に記載の方法。
【0091】
10. プローブピンの位置データが、特定の経路のタイプを示すデータとともに記録される、請求項8または9に記載の方法。
【0092】
11. プローブピンの位置データが、品質的な特性またはデータの有用性を示すものとして用いられる、請求項8から10の何れかに記載の方法。
付属書の終了