【実施例】
【0135】
以下に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。なお、実施例中、「部」および「%」は、「質量部」および「質量%」をそれぞれ表す。Meはメチル基、Etはエチル基を表す。
【0136】
(元素分析および質量分析)
顔料分散剤の構造決定および同定に際しては、元素分析および質量分析を用いた。元素分析は、パーキン・エルマー社製2400 CHN Element Analyzerを用いた。質量分析は、ブルカー・ダルトニクス社製MALDI−TOF MS Autoflex III TOF/TOFを用いた。
【0137】
顔料および顔料組成物の平均一次粒子径、同定方法、樹脂の重量平均分子量(Mw)、および樹脂の酸価は以下の通りである。
【0138】
(顔料の平均一次粒子径)
顔料の平均一次粒子径は、透過型電子顕微鏡(TEM)を使用して、電子顕微鏡写真から一次粒子の大きさを直接計測する方法で測定した。具体的には、個々の顔料の一次粒子の短軸径と長軸径を計測し、平均をその顔料一次粒子の粒径とした。次に、100個以上の顔料粒子について、それぞれの粒子の体積(重量)を、求めた粒径の立方体と近似して求め、体積平均粒径を平均一次粒子径とした。
【0139】
(樹脂の重量平均分子量(Mw))
樹脂の重量平均分子量(Mw)は、TSKgelカラム(東ソー社製)を用い、RI検出器を装備したGPC(東ソー社製、HLC−8120GPC)で、分離カラムを4本直列に繋ぎ、充填剤には順に東ソー株式会社製「TSK−GEL SUPER H5000」、「H4000」、「H3000」、および「H2000」を用い、移動相にテトラヒドロフランを用いて測定したポリスチレン換算分子量である。
【0140】
(樹脂の酸価)
樹脂溶液0.5〜1.0部に、アセトン80mlおよび水10mlを加えて攪拌して均一に溶解させ、0.1mol/LのKOH水溶液を滴定液として、自動滴定装置(「COM−555」平沼産業社製)を用いて滴定し、樹脂溶液の酸価を測定した。そして、樹脂溶液の酸価と樹脂溶液の固形分濃度から、樹脂の固形分あたりの酸価を算出した。
【0141】
<バインダー樹脂溶液の製造方法>
(アクリル樹脂溶液1の調製)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、滴下管および撹拌装置を取り付けた反応容器にシクロヘキサノン196部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管より、n−ブチルメタクリレート37.2部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート12.9部、メタクリル酸12.0部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亞合成株式会社製「アロニックスM110」)20.7部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.1部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、アクリル樹脂の溶液を得た。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2部をサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20質量%になるようにメトキシプロピルアセテートを添加してアクリル樹脂溶液1を調製した。重量平均分子量(Mw)は26000であった。
【0142】
(アクリル樹脂溶液2の調製)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、滴下管および撹拌装置を取り付けた反応容器にシクロヘキサノン207部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管より、メタクリル酸20部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亜合成社製アロニックスM110)20部、メタクリル酸メチル45部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート8.5部、及び2,2'−アゾビスイソブチロニトリル1.33部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、共重合体樹脂溶液を得た。次に得られた共重合体溶液全量に対して、窒素ガスを停止し乾燥空気を1時間注入しながら攪拌したのちに、室温まで冷却した後、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工社製カレンズMOI)6.5部、ラウリン酸ジブチル錫0.08部、シクロヘキサノン26部の混合物を70℃で3時間かけて滴下した。滴下終了後、更に1時間反応を継続し、アクリル樹脂の溶液を得た。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2部をサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20質量%になるようにシクロヘキサノンを添加してアクリル樹脂溶液2を調製した。重量平均分子量(Mw)は18000であった。
【0143】
<顔料分散剤の製造方法>
[合成例1]
(顔料分散剤1(RD−1)の末端アミンの製造)
ジエチルアミノプロピルアミン97.5部を水140部に投入し、20〜25℃で撹拌溶解させた。4−ニトロベンゾイルクロライドを125部投入し、20〜25℃で2時間撹拌した後、55〜60℃で1時間撹拌した。続いてこの溶液を、670部の水、80%酢酸110重量部および鉄粉135重量部と混合し、85℃〜90℃で5時間反応させた。50℃〜60℃に冷却し、鉄粉をろ別した後、ろ液にソーダ灰を投入して目的物を析出させた。このスラリーをろ過、乾燥し、下記式(7−a)で表わされる4−アミノ−N−(3−(ジエチルアミノ)プロピル)ベンズアミドを138部得た。
【0144】
式(7−a)
【化12】
【0145】
(顔料分散剤1(RD−1)のベース化合物の製造)
4−メトキシ−3−ニトロ安息香酸23.7部およびN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)0.7部をトルエン180部に溶解させた。ここに塩化チオニル17.9部を25分かけて滴下し、110℃で1時間還流させ、安息香酸クロライドを合成した。トルエン140部に式(7−a)で表わされる4−アミノ−N−(3−(ジエチルアミノ)プロピル)ベンズアミド30.0部を分散させ、これに安息香酸クロライドを室温下1時間で滴下した。続いて4時間還流を行い、反応を完結させた。10%炭酸ナトリウム水溶液で中和しながらトルエンを留去した後、3%NaOH水溶液でリスラリー、ろ過乾燥を経て下記式(7−b)で表わされる化合物を40.0部得た。
【0146】
式(7−b)
【化13】
【0147】
上記式(7−b)で表わされる化合物40.0部および65%NaSH80部を300部の水に加えて6時間還流し、下記式(7−c)で表わされるベース化合物35.0部を得た。
【0148】
式(7−c)
【化14】
【0149】
(顔料分散剤1(RD−1)の合成)
下記式(7−c)で表わされるベース化合物20.0部を水200部に分散させ、氷を加えて温度5℃に調整し、35%塩酸水溶液20.0部を加えて1時間攪拌後、亜硝酸ナトリウム3.60部を水11.0部に加えて調整した水溶液を添加して2時間攪拌した。続いて80%酢酸水溶液59.0部、25%水酸化ナトリウム水溶液65.0部、および水64.0部からなる水溶液を加えて、ジアゾニウム塩水溶液とした。一方、N−[2−クロロ−5−トリフルオロメチルフェニル]−3−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボアミド18.5部、25%水酸化ナトリウム水溶液53.5部をメタノール340部に溶解させ、カップラー溶液とした。
このカップラー溶液を上記ジアゾニウム塩水溶液に、5℃にて30分かけて注入し、カップリング反応を行った。この時のpHは4.4であった。1時間攪拌して、ジアゾニウム塩の消失を確認後、70℃に加熱し、濾過、水洗、90℃で24時間乾燥させ、式(7)で表される顔料分散剤を35.8部得た。得られた顔料分散剤について、元素分析を行ったところ、計算値(C)61.97%、(H)4.94%、(N)10.84%に対して、実測値(C)61.8%、(H)4.9%、(N)10.7%であったこと、TOF−MSによる質量分析の結果より、目的の化合物であることを同定した。
【0150】
式(7)
【化15】
【0151】
[合成例2]
(顔料分散剤2(RD−2)の製造)
N−[2−クロロ−5−トリフルオロメチルフェニル]−3−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボアミド18.5部を、N−[4−(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−5−イル)]−3−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボアミド16.2部に代えた以外は、合成例1と同様の操作を行い、式(8)で表される顔料分散剤を32.2部得た。得られた顔料分散剤について、元素分析を行ったところ、計算値(C)65.92%、(H)5.53%、(N)15.38%に対して、実測値(C)66.1%、(H)5.6%、(N)15.3%であったこと、TOF−MSによる質量分析の結果より、目的の化合物であることを同定した。
【0152】
式(8)
【化16】
【0153】
[合成例3]
(顔料分散剤3(RD−3)の製造)
4−メトキシ−3−ニトロ安息香酸23.7部およびN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)0.7部をトルエン180部に溶解させた。ここに塩化チオニル17.9部を25分かけて滴下し、110℃で1時間還流させ、安息香酸クロライドを合成した。トルエン140部にジエチルアミノプロピルアミン15.7部を溶解させ、これに安息香酸クロライドを室温下1時間で滴下した。続いて4時間還流を行い、反応を完結させた。10%炭酸ナトリウム水溶液で中和しながらトルエンを留去した後、3%NaOH水溶液でリスラリーし、ジエチルエーテルで抽出した。続いて抽出液をエバポレーターで溶媒を除去し、残渣を80℃で乾燥し、下記式(9−a)で表わされる化合物を31.2部得た。
【0154】
式(9−a)
【化17】
【0155】
上記式(9−a)で表わされる化合物31.2部および65%NaSH62部を230部の水に加えて6時間還流し、下記式(9−b)で表わされるベース化合物27.0部を得た。
【0156】
式(9−b)
【化18】
【0157】
次いで、式(7−c)で表わされるベース化合物20部を、式(9−b)で表わされるベース化合物14.0部に変更した以外は、合成例1と同様の操作を行い、式(9)で表される顔料分散剤を30.2部得た。得られた顔料分散剤について、元素分析を行ったところ、計算値(C)60.41%、(H)5.07%、(N)10.67%に対して、実測値(C)60.2%、(H)4.9%、(N)10.7%であったこと、TOF−MSによる質量分析の結果より、目的の化合物であることを同定した。
【0158】
式(9)
【化19】
【0159】
[合成例4]
(顔料分散剤4(RD−4)の化合物の製造)
トルエン190部に3−ニトロベンゾイルクロライド23.8部を溶解させ、これを、トルエン150部にジエチルアミノプロピルアミン21.0部を溶解させた溶液に、室温下1時間で滴下した。続いて還流4時間を行い、反応を完結させた。10%炭酸ナトリウム水溶液で中和しながらトルエンを留去した後、3%NaOH水溶液でリスラリー、ジエチルエーテル抽出した。続いてエバポレーターで溶媒を除去し、80℃乾燥を経て下記式(10−a)で表わされる化合物を28.6部得た。
【0160】
式(10−a)
【化20】
【0161】
上記式(10−a)で表わされる化合物28.6部および65%NaSH57部を215部の水に入れ、6時間還流すると、下記式(10−b)で表わされるベース化合物22.8部得た。
【0162】
式(10−b)
【化21】
【0163】
合成例1において、式(7−c)で表わされるベース化合物20部を、式(10−b)で表わされるベース化合物12.5部に変更した以外は、合成例1と同様の操作を行い、式(10)で表される顔料分散剤を28.0部得た。得られた顔料分散剤について、元素分析を行ったところ、計算値(C)61.39%、(H)4.99%、(N)11.19%に対して、実測値(C)61.0%、(H)5.0%、(N)11.2%であったこと、TOF−MSによる質量分析の結果より、目的の化合物であることを同定した。
【0164】
式(10)
【化22】
【0165】
[合成例5]
(顔料分散剤5(RD−5)の製造)
式(7−a)で表わされる化合物12.5部を水190部に分散させ、氷を加えて温度5℃に調整し、35%塩酸水溶液19.8部を加えて1時間攪拌した。この溶液に亜硝酸ナトリウム3.60部を水11.0部に加えて調整した水溶液を添加して2時間攪拌した。続いて80%酢酸水溶液59.0部、25%水酸化ナトリウム水溶液65.0部、および水64.0部からなる水溶液を加えて、ジアゾニウム塩水溶液とした。
別途、N−[2−クロロ−5−トリフルオロメチルフェニル]−3−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボアミド18.6部、25%水酸化ナトリウム水溶液53.5部をメタノール340部に溶解させ、カップラー溶液とした。
このカップラー溶液を上記ジアゾニウム塩水溶液に5℃にて30分かけて注入し、カップリング反応を行った。この時のpHは4.4であった。1時間攪拌して、ジアゾニウム塩の消失を確認後、70℃に加熱し、濾過、水洗、および90℃で24時間乾燥させ、式(13)で表される顔料分散剤を27.0部得た。得られた顔料分散剤について、元素分析を行ったところ、計算値(C)61.39%、(H)4.99%、(N)11.19%に対して、実測値(C)61.4%、(H)5.1%、(N)11.1%であったこと、TOF−MSによる質量分析の結果より、目的の化合物であることを同定した。
【0166】
式(13)
【化23】
【0167】
[合成例6]
(顔料分散剤6(RD−6)の製造)
水18.0部に80%酢酸を2.54部入れ、5〜10℃に冷却した。塩化シアヌル4.24部および3−アミノアセトアニリド3.18部を入れ、10〜20℃で1時間撹拌した。次に、2.5%NaOH水溶液37.3部を滴下し、更に10〜20℃で1時間撹拌した。続いてジエチルアミノプロピルアミン6.89部を添加し、室温下1時間撹拌した。5〜10℃に冷却し、2.5%NaOH水溶液37.3部を滴下し、更に75℃2時間撹拌した。放冷した後、35%HCl水溶液を11.0部入れ100℃で3時間撹拌、放冷した。
上記溶液に氷を加えて温度5℃に調整し、亜硝酸ナトリウム1.53部を水5.1部に加えて調整した水溶液を添加して2時間攪拌した。続いて80%酢酸水溶液15.6部、25%水酸化ナトリウム水溶液17.1部、および水18.4部からなる水溶液を加えて、ジアゾニウム塩水溶液とした。
別途、N−[2−クロロ−5−トリフルオロメチルフェニル]−3−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボアミド7.82部、25%水酸化ナトリウム水溶液14.1部をメタノール154部に溶解させ、カップラー溶液とした。
このカップラー溶液を上記ジアゾニウム塩水溶液に5℃にて30分かけて注入し、カップリング反応を行った。この時のpHは4.4であった。1時間攪拌して、ジアゾニウム塩の消失を確認後、70℃に加熱し、濾過、水洗、および90℃で24時間乾燥させ、式(14)で表される顔料分散剤を16.0部得た。得られた顔料分散剤について、元素分析を行ったところ、計算値(C)60.03%、(H)6.02%、(N)18.78%に対して、実測値(C)59.8%、(H)5.9%、(N)18.9%であったこと、TOF−MSによる質量分析の結果より、目的の化合物であることを同定した。
【0168】
式(14)
【化24】
【0169】
[合成例7]
(顔料分散剤7(RD−7)の製造)
N−[2−クロロ−5−トリフルオロメチルフェニル]−3−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボアミド7.82部を、N−[4−(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−5−イル)]−3−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボアミド6.82部に代えた以外は、合成例6と同様の操作を行い、式(15)で表される顔料分散剤を14.7部得た。得られた顔料分散剤について、元素分析を行ったところ、計算値(C)63.63%、(H)6.64%、(N)23.53%に対して、実測値(C)63.5%、(H)6.8%、(N)23.2%であったこと、TOF−MSによる質量分析の結果より、目的の化合物であることを同定した。
【0170】
式(15)
【化25】
【0171】
[合成例8]
(顔料分散剤8(RD−8)の製造)
水18.0部に80%酢酸を2.54部入れ、5〜10℃に冷却した。塩化シアヌル4.24部および3−アミノアセトアニリド3.18部を入れ、10〜20℃で1時間撹拌した。次に、2.5%NaOH水溶液37.3部を滴下し、更に10〜20℃で1時間撹拌した。続いてジエチルアミノプロピルアミン6.89部を添加し、室温下1時間撹拌した。5〜10℃に冷却し、2.5%NaOH水溶液37.3部を滴下し、更に75℃2時間撹拌した。放冷した後、35%HCl水溶液を11.0部入れ100℃で3時間撹拌、放冷した。
上記溶液に氷を加えて温度5℃に調整し、亜硝酸ナトリウム1.53部を水5.1部に加えて調整した水溶液を添加して2時間攪拌した。続いて80%酢酸水溶液15.6部、25%水酸化ナトリウム水溶液17.1部、および水18.4部からなる水溶液を加えて、ジアゾニウム塩水溶液とした。
別途、N−[2−クロロ−5−トリフルオロメチルフェニル]−3−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボアミド7.82部、25%水酸化ナトリウム水溶液14.1部をメタノール154部に溶解させ、カップラー溶液とした。
このカップラー溶液を上記ジアゾニウム塩水溶液に5℃にて30分かけて注入し、カップリング反応を行った。この時のpHは4.4であった。1時間攪拌して、ジアゾニウム塩の消失を確認後、70℃に加熱し、濾過、水洗、および90℃で24時間乾燥させ、式(17)で表される顔料分散剤を16.2部得た。得られた顔料分散剤について、元素分析を行ったところ、計算値(C)60.03%、(H)6.02%、(N)18.78%に対して、実測値(C)59.9%、(H)6.2%、(N)18.5%であったこと、TOF−MSによる質量分析の結果より、目的の化合物であることを同定した。
【0172】
式(17)
【化26】
【0173】
[合成例9]
(顔料分散剤9(RD−9)のベース化合物の製造)
5−ニトロイソフタル酸16部およびN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)1.0部をトルエン110部に溶解させた。ここに塩化チオニル22.6部を25分かけて滴下し、110℃で1時間還流させ、安息香酸クロライドを合成した。トルエン90部に式(7−a)で表わされる4−アミノ−N−(3−(ジエチルアミノ)プロピル)ベンズアミド38.0部を分散させ、これに上記安息香酸クロライドを室温下1時間かけて滴下した後、4時間還流を行い、反応を完結させた。10%炭酸ナトリウム水溶液で中和しながらトルエンを留去した後、3%NaOH水溶液でリスラリー、ろ過、乾燥を経て下記式(18−a)で表わされる化合物28.0部を得た。
【0174】
式(18−a)
【化27】
【0175】
次いで、上記式(18−a)で表わされる化合物25.0部を100部のN−メチルピロリドンに溶解させ、これに水硫化ナトリウム水和物(水硫化ナトリウムを65%含有)32部を55部の水に溶かした水溶液を添加した後、6時間還流し、下記式(18−b)で表わされるベース化合物20.0部を得た。
【0176】
式(18−b)
【化28】
【0177】
(顔料分散剤9(RD−9)の合成)
式(7−c)で表わされるベース化合物20部を、式(18−b)で表わされるベース化合物32.3部に変更した以外は、合成例1と同様の操作を行い、式(18)で表される顔料分散剤を49.2部得た。得られた顔料分散剤について、元素分析を行ったところ、計算値(C)63.55%、(H)5.63%、(N)12.35に対して、実測値(C)63.7%、(H)5.8%、(N)12.5%であったこと、TOF−MSによる質量分析の結果より、目的の化合物であることを同定した。
【0178】
式(18)
【化29】
【0179】
[合成例10]
(顔料分散剤10(RD−10)のベース化合物の製造)
5−ニトロイソフタル酸16部およびN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)2.0部をトルエン110部に溶解させた。これに塩化チオニル22.6部を25分かけて滴下し、110℃で1時間還流させ、安息香酸クロライドを合成した。トルエン90部にジエチルアミノプロピルアミン20.0部を溶解させ、これに上記安息香酸クロライドを室温下1時間かけて滴下した後、4時間還流を行い、反応を完結させた。10%炭酸ナトリウム水溶液で中和しながらトルエンを留去した後、3%NaOH水溶液でリスラリー、ろ過、乾燥を経て下記式(19−a)で表わされる化合物26.4部を得た。
【0180】
式(19−a)
【化30】
【0181】
上記式(19−a)で表わされる化合物16.2部を100部のN−メチルピロリドンに溶解させ、これに水硫化ナトリウム水和物(水硫化ナトリウムを65%含有)32部を55部の水に溶かした水溶液を添加した。6時間還流した後、下記式(19−b)で表わされるベース化合物13.1部を得た。
【0182】
式(19−b)
【化31】
【0183】
次いで、4−メトキシ−3−ニトロ安息香酸14.9部およびN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)1.0部をトルエン110部に溶解させた。これに塩化チオニル11.1部を25分かけて滴下し、110℃で1時間還流させ、安息香酸クロライドを合成した。トルエン90部に式(19−b)の化合物31.0部を溶解させ、これに上記安息香酸クロライドを室温下1時間で滴下した後、4時間還流を行い、反応を完結させた。10%炭酸ナトリウム水溶液で中和しながらトルエンを留去した後、3%NaOH水溶液でリスラリー、ろ過、乾燥を経て下記式(19−c)で表わされる化合物35.4部を得た。
【0184】
式(19−c)
【化32】
【0185】
上記式(13−c)で表わされる化合物16.2部を100部のN−メチルピロリドンに溶解させ、これに水硫化ナトリウム水和物(水硫化ナトリウムを65%含有)32部を55部の水に溶かした水溶液を添加した後、6時間還流し、下記式(19−d)で表わされるベース化合物16.5部を得た。
【0186】
式(19−d)
【化33】
【0187】
(顔料分散剤10(RD−10)の合成)
式(7−c)で表わされるベース化合物20部を、式(19−d)で表わされるベース化合物27.8部に変更した以外は、合成例1と同様の操作を行い、式(19)で表される顔料分散剤を44.9部得た。得られた顔料分散剤について、元素分析を行ったところ、計算値(C)61.89%、(H)5.84%、(N)12.03に対して、実測値(C)61.9%、(H)5.7%、(N)12.2%であったこと、TOF−MSによる質量分析の結果より、目的の化合物であることを同定した。
【0188】
式(19)
【化34】
【0189】
[合成例11]
(顔料分散剤11(RD−11)の合成)
N−[2−クロロ−5−トリフルオロメチルフェニル]−3−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボアミド18.6部を、N−[4−(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−5−イル)]−3−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボアミド16.2部に変更した以外は、合成例5と同様の操作を行い、式(20)で表される顔料分散剤を25.0部得た。得られた顔料分散剤について、元素分析を行ったところ、計算値(C)66.31%、(H)5.74%、(N)16.91%に対して、実測値(C)66.3%、(H)5.6%、(N)16.8%であったこと、TOF−MSによる質量分析の結果より、目的の化合物であることを同定した。
【0190】
式(20)
【化35】
【0191】
[合成例12]
(顔料分散剤12(RD−12)の製造)
N−[2−クロロ−5−トリフルオロメチルフェニル]−3−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボアミド18.6部を、N−[5−トリフルオロメチルフェニル]−3−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボアミド16.8部に変更した以外は、合成例5と同様の操作を行い、式(21)で表される顔料分散剤を26.0部得た。得られた顔料分散剤について、元素分析を行ったところ、計算値(C)64.96%、(H)5.45%、(N)11.84%に対して、実測値(C)65.0%、(H)5.3%、(N)11.9%であったこと、TOF−MSによる質量分析の結果より、目的の化合物であることを同定した。
【0192】
式(21)
【化36】
【0193】
[合成例13]
(顔料分散剤13(RD−13)の製造)
4−メトキシ−3−ニトロ安息香酸23.7部を、4−クロロ−3−ニトロ安息香酸24.2部に代えた以外は、合成例1と同様の操作を行い、式(22)で表される顔料分散剤を34.9部得た。得られた顔料分散剤について、元素分析を行ったところ、計算値(C)60.08%、(H)4.52%、(N)10.78%に対して、実測値(C)60.1%、(H)4.5%、(N)10.6%であったこと、TOF−MSによる質量分析の結果より、目的の化合物であることを同定した。
【0194】
式(22)
【化37】
【0195】
[合成例14]
(顔料分散剤14(RD−14)の製造)
4−メトキシ−3−ニトロ安息香酸23.7部を、4−クロロ−3−ニトロ安息香酸24.2部に、ジエチルアミノプロピルアミン15.7部を、ジメチルアミノプロピルアミン12.3部に代えた以外は、合成例3と同様の操作を行い、式(23)で表される顔料分散剤を28.0部得た。得られた顔料分散剤について、元素分析を行ったところ、計算値(C)56.97%、(H)4.14%、(N)11.07%に対して、実測値(C)57.5%、(H)4.3%、(N)11.0%であったこと、TOF−MSによる質量分析の結果より、目的の化合物であることを同定した。
【0196】
式(23)
【化38】
【0197】
[合成例15]
(顔料分散剤15(RD−15)の製造)
4−メトキシ−3−ニトロ安息香酸23.7部を、4−クロロ−3−ニトロ安息香酸24.2部に代えた以外は、合成例3と同様の操作を行い、式(24)で表される顔料分散剤を29.1部得た。得られた顔料分散剤について、元素分析を行ったところ、計算値(C)58.19%、(H)4.58%、(N)10.60%に対して、実測値(C)58.1%、(H)4.4%、(N)10.7%であったこと、TOF−MSによる質量分析の結果より、目的の化合物であることを同定した。
【0198】
式(24)
【化39】
【0199】
[合成例16]
(顔料分散剤16(RD−16)の製造)
4−メトキシ−3−ニトロ安息香酸23.7部を、4−クロロ−3−ニトロ安息香酸24.2部に、ジエチルアミノプロピルアミン15.7部を、ジブチルアミノプロピルアミン22.4部に代えた以外は、合成例3と同様の操作を行い、式(25)で表される顔料分散剤を30.3部得た。得られた顔料分散剤について、元素分析を行ったところ、計算値(C)60.34%、(H)5.34%、(N)9.77%に対して、実測値(C)60.4%、(H)5.2%、(N)9.7%であったこと、TOF−MSによる質量分析の結果より、目的の化合物であることを同定した。
【0200】
式(25)
【化40】
【0201】
[合成例17]
(顔料分散剤17(RD−17)の製造)
4−メトキシ−3−ニトロ安息香酸23.7部を、4−クロロ−3−ニトロ安息香酸24.2部に、ジエチルアミノプロピルアミン15.7部を、ジオクチルアミノプロピルアミン35.8部に代えた以外は、合成例3と同様の操作を行い、式(26)で表される顔料分散剤を32.9部得た。得られた顔料分散剤について、元素分析を行ったところ、計算値(C)63.76%、(H)6.57%、(N)8.45%に対して、実測値(C)63.8%、(H)6.7%、(N)8.5%であったこと、TOF−MSによる質量分析の結果より、目的の化合物であることを同定した。
【0202】
式(26)
【化41】
【0203】
[合成例18]
(顔料分散剤18(RD−18)の製造)
4−メトキシ−3−ニトロ安息香酸23.7部を、4−クロロ−3−ニトロ安息香酸24.2部に、ジエチルアミノプロピルアミン15.7部を、ジメチルアミノオクチルアミン24.0部に代えた以外は、合成例3と同様の操作を行い、式(27)で表される顔料分散剤を30.1部得た。得られた顔料分散剤について、元素分析を行ったところ、計算値(C)60.86%、(H)5.52%、(N)9.59%に対して、実測値(C)60.9%、(H)5.4%、(N)9.5%であったこと、TOF−MSによる質量分析の結果より、目的の化合物であることを同定した。
【0204】
式(27)
【化42】
【0205】
[合成例19]
(顔料分散剤19(RD−19)の製造)
4−メトキシ−3−ニトロ安息香酸23.7部を、4−クロロ−3−ニトロ安息香酸24.2部に、ジエチルアミノプロピルアミン15.7部を、ジメチルアミノブチルアミン17.3部に代えた以外は、合成例3と同様の操作を行い、式(28)で表される顔料分散剤を29.4部得た。得られた顔料分散剤について、元素分析を行ったところ、計算値(C)58.76%、(H)4.78%、(N)8.45%に対して、実測値(C)58.7%、(H)4.9%、(N)8.5%であったこと、TOF−MSによる質量分析の結果より、目的の化合物であることを同定した。
【0206】
式(28)
【化43】
【0207】
[合成例20]
(顔料分散剤20(RD−20)の製造)
4−メトキシ−3−ニトロ安息香酸23.7部を、4−クロロ−3−ニトロ安息香酸24.2部に、ジエチルアミノプロピルアミン15.7部を、ジメチルアミノエチルアミン13.9部に代えた以外は、合成例3と同様の操作を行い、式(29)で表される顔料分散剤を28.7部得た。得られた顔料分散剤について、元素分析を行ったところ、計算値(C)57.59%、(H)4.37%、(N)8.82%に対して、実測値(C)57.5%、(H)4.2%、(N)8.7%であったこと、TOF−MSによる質量分析の結果より、目的の化合物であることを同定した。
【0208】
式(29)
【化44】
【0209】
[合成例21]
(顔料分散剤21(RD−21)の製造)
4−メトキシ−3−ニトロ安息香酸23.7部を、4−クロロ−3−ニトロ安息香酸24.2部に、N−[2−クロロ−5−トリフルオロメチルフェニル]−3−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボアミド18.5部を、N−[4−(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−5−イル)]−3−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボアミド16.2部に代えた以外は、合成例1と同様の操作を行い、式(30)で表される顔料分散剤を31.2部得た。得られた顔料分散剤について、元素分析を行ったところ、計算値(C)63.89%、(H)5.09%、(N)15.28%に対して、実測値(C)64.0%、(H)5.2%、(N)15.1%であったこと、TOF−MSによる質量分析の結果より、目的の化合物であることを同定した。
【0210】
式(30)
【化45】
【0211】
[合成例22]
(顔料分散剤22(RD−22)の製造)
4−メトキシ−3−ニトロ安息香酸23.7部を、4−クロロ−3−ニトロ安息香酸24.2部に、N−[2−クロロ−5−トリフルオロメチルフェニル]−3−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボアミド18.5部を、N−[4−(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−5−イル)]−3−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボアミド19.3部に代えた以外は、合成例3と同様の操作を行い、式(31)で表される顔料分散剤を31.3部得た。得られた顔料分散剤について、元素分析を行ったところ、計算値(C)62.59%、(H)5.25%、(N)15.97%に対して、実測値(C)62.4%、(H)5.4%、(N)16.0%であったこと、TOF−MSによる質量分析の結果より、目的の化合物であることを同定した。
【0212】
式(31)
【化46】
【0213】
[合成例23]
(顔料分散剤23(RD−23)の製造)
4−メトキシ−3−ニトロ安息香酸23.7部を、4−メチル−3−ニトロ安息香酸21.7部に代えた以外は、合成例1と同様の操作を行い、式(32)で表される顔料分散剤を34.0部得た。得られた顔料分散剤について、元素分析を行ったところ、計算値(C)63.28%、(H)5.04%、(N)11.07%に対して、実測値(C)63.1%、(H)4.9%、(N)11.2%であったこと、TOF−MSによる質量分析の結果より、目的の化合物であることを同定した。
【0214】
式(32)
【化47】
【0215】
[合成例24]
(顔料分散剤24(RD−24)の製造)
4−メトキシ−3−ニトロ安息香酸23.7部を、4−メチル−3−ニトロ安息香酸21.7部に代えた以外は、合成例3と同様の操作を行い、式(33)で表される顔料分散剤を28.6部得た。得られた顔料分散剤について、元素分析を行ったところ、計算値(C)61.92%、(H)5.20%、(N)10.94%に対して、実測値(C)62.0%、(H)5.4%、(N)11.0%であったこと、TOF−MSによる質量分析の結果より、目的の化合物であることを同定した。
【0216】
式(33)
【化48】
【0217】
[合成例25]
(顔料分散剤25(RD−25)の製造)
4−メトキシ−3−ニトロ安息香酸23.7部を、4−メチル−3−ニトロ安息香酸21.7部に、N−[2−クロロ−5−トリフルオロメチルフェニル]−3−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボアミド18.5部を、N−[5−トリフルオロメチルフェニル]−3−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボアミド16.8部に代えた以外は、合成例3と同様の操作を行い、式(34)で表される顔料分散剤を27.1部得た。得られた顔料分散剤について、元素分析を行ったところ、計算値(C)65.44%、(H)5.66%、(N)11.56%に対して、実測値(C)65.5%、(H)5.8%、(N)11.6%であったこと、TOF−MSによる質量分析の結果より、目的の化合物であることを同定した。
【0218】
式(34)
【化49】
【0219】
[合成例26]
(顔料分散剤26(RD−26)の製造)
4−メトキシ−3−ニトロ安息香酸23.7部を、4−メチル−3−ニトロ安息香酸21.7部に、N−[2−クロロ−5−トリフルオロメチルフェニル]−3−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボアミド18.5部を、N−[4−(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−5−イル)]−3−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボアミド14.5部に代えた以外は、合成例3と同様の操作を行い、式(35)で表される顔料分散剤を22.6部得た。得られた顔料分散剤について、元素分析を行ったところ、計算値(C)66.76%、(H)5.94%、(N)16.52%に対して、実測値(C)66.8%、(H)5.8%、(N)16.4%であったこと、TOF−MSによる質量分析の結果より、目的の化合物であることを同定した。
【0220】
式(35)
【化50】
【0221】
[合成例27]
(顔料分散剤27(RD−27)の製造)
4−メトキシ−3−ニトロ安息香酸23.7部を、4−メチル−3−ニトロ安息香酸21.7部に、N−[2−クロロ−5−トリフルオロメチルフェニル]−3−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボアミド18.5部を、N−[4−(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−5−イル)]−3−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボアミド16.2部に代えた以外は、合成例1と同様の操作を行い、式(36)で表される顔料分散剤を31.9部得た。得られた顔料分散剤について、元素分析を行ったところ、計算値(C)67.40%、(H)5.66%、(N)15.72%に対して、実測値(C)67.5%、(H)5.5%、(N)15.7%であったこと、TOF−MSによる質量分析の結果より、目的の化合物であることを同定した。
【0222】
式(36)
【化51】
【0223】
<顔料組成物の製造>
[実施例1]
(顔料組成物1(RP−1)の作製)
C.I.ピグメントレッド242(PR242)(Clariant社製「Novoperm Scarlet 4RF」)を90部、顔料分散剤(RD−1)を10部、塩化ナトリウム1200部、およびジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で6時間混練し、ソルトミリング処理した。得られた混練物を3リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、98部の顔料組成物1(RP−1)を得た。平均一次粒子径は25nmであった。
【0224】
[実施例2〜44、46]
(顔料組成物2〜44、46(RP−2〜44、46)の作製)
表1に示す縮合アゾ顔料、顔料分散剤の組合せおよび比率(顔料組成物の全量100部内の比率)に変更した以外は、顔料組成物1(RP−1)と同様にして、顔料組成物2〜44、46(RP−2〜44、46)を作製した。結果は、表1にまとめた。なお、縮合アゾ顔料は以下を使用した。
・C.I.ピグメントレッド221(PR221):Clariant社製「Chromophtal Red 2B」
・C.I.ピグメントレッド166(PR166):Clariant社製「Chromophtal Scarlet RT」
・C.I.ピグメントレッドPR242(PR242):(Clariant社製「Novoperm Scarlet 4RF」)
なお、実施例10〜12(RP−10〜12)は参考例である。
【0225】
[実施例45]
(顔料組成物45(RP−45)の作製)
98%硫酸1kgを室温で撹拌しながら、C.I.ピグメントレッド242(PR242)(Clariant社製「Novoperm Scarlet 4RF」)90部、顔料分散剤(RD−13) 10部を徐々に添加し、室温で1時間撹拌して完全に溶解させ、硫酸溶液を得た。水5kgと氷5kgを混合液を撹拌しながら、上記硫酸溶液を徐々に注入し、顔料組成物のスラリー液を得た。得られたスラリー液をろ過し、ろ液のpHが7以上になるまで水洗した後、80℃で一昼夜乾燥し、98部の顔料組成物45(RP−45)を得た。平均一次粒子径は24nmであった。
【0226】
<その他製造例>
[製造例1]
(赤色顔料1(RC−1)の製造:PR254)
市販のC.I.ピグメント レッド 254(PR254)(BASF社製「イルガフォアレッドB−CF」)100部、塩化ナトリウム1200部、およびジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で6時間混練し、ソルトミリング処理した。得られた混練物を3リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、98部の赤色顔料1(RC−1)を得た。平均一次粒子径は37nmであった。
【0227】
[製造例2]
(赤色顔料2(RC−2)の製造:PR177)
C.I.ピグメント レッド 254(BASF社製「イルガフォアレッドB−CF」)を、C.I.ピグメントレッド177(PR177)(BASF社製「CROMOPHTAL RED A2B」)に変更した以外は、赤色顔料1(RC−1)の製造と同様に行い、赤色顔料2(RC−2)97部を得た。平均一次粒子径は33nmであった。
【0228】
[製造例3]
(赤色顔料3(RC−3)の製造:PR242)
C.I.ピグメントレッド254(BASF社製「イルガフォアレッドB−CF」)を、C.I.ピグメントレッド242(PR242)(Clariant社製「Novoperm Scarlet 4RF」)に変更した以外は、赤色顔料1(RC−1)の製造と同様に行い、赤色顔料3(RC−3)98部を得た。平均一次粒子径は39nmであった。
【0229】
[製造例4]
(赤色顔料4(RC−4)の製造:PR176)
C.I.ピグメントレッド254(BASF社製「イルガフォアレッドB−CF」)を、C.I.ピグメントレッド176(PR176)(クラリアント社製「Novoperm Carmine HF3C」)に変更した以外は、赤色顔料1(RC−1)の製造と同様に行い、赤色顔料4(RC−4)98部を得た。平均一次粒子径は35nmであった。
【0230】
[製造例5]
(赤色顔料5(RC−5)の製造:PO38)
C.I.ピグメントレッド254(BASF社製「イルガフォアレッドB−CF」)を、C.I.ピグメントオレンジ38(PO38)(クラリアント社製「Novoperm Red HF」)に変更した以外は、赤色顔料1(RC−1)の製造と同様に行い、赤色顔料5(RC−5)97部を得た。平均一次粒子径は39nmであった。
【0231】
[製造例6]
(赤色顔料6(RC−6)の製造:DiBrDPP)
還流管を付けたステンレス製反応容器に、窒素雰囲気下、モレキュラシーブで脱水したtert−アミルアルコール200部、およびナトリウム−tert−アミルアルコキシド140部を加え、攪拌しながら100℃に加熱し、アルコラート溶液を調製した。一方で、ガラス製フラスコに、コハク酸ジイソプロピル88部、4−ブロモベンゾニトリル153.6部を加え、攪拌しながら90℃に加熱して溶解させ、これらの混合物の溶液を調製した。この混合物の加熱溶液を、100℃に加熱した上記アルコラート溶液中に、激しく攪拌しながら、2時間かけて一定の速度でゆっくり滴下した。滴下終了後、90℃にて2時間、加熱攪拌を継続し、ジケトピロロピロール系顔料のアルカリ金属塩を得た。さらに、ガラス製ジャケット付き反応容器に、メタノール600部、水600部、及び酢酸304部を加え、−10℃に冷却した。この冷却した混合物を、高速攪拌ディスパーサーを用いて、直径8cmのシェアディスクを4000rpmで回転させながら、この中に、75℃まで冷却した先に得られたジケトピロロピロール系顔料のアルカリ金属塩溶液を、少量ずつ添加した。この際、メタノール、酢酸、および水からなる混合物の温度が常に−5℃以下の温度を保つように、冷却しながら、かつ、75℃のジケトピロロピロール系顔料のアルカリ金属塩の添加する速度を調整しながら、およそ120分にわたって少量ずつ添加した。アルカリ金属塩添加後、赤色の結晶が析出し、赤色の懸濁液が生成した。続いて、得られた赤色の懸濁液を5℃にて限外濾過装置で洗浄後、濾別し赤色ペーストを得た。このペーストを0℃に冷却したメタノール3500部にて再分散し、メタノール濃度約90%の懸濁液とし、5℃にて3時間攪拌し、結晶転移を伴う粒子整粒および洗浄を行った。続いて、限外濾過機で濾別し、得られたジケトピロロピロール系顔料の水ペーストを、80℃にて24時間乾燥させ、粉砕することにより臭素化ジケトピロロピロール顔料150.8部を得た。
【0232】
上記で得られた臭素化ジケトピロロピロール顔料(以下、DiBrDPP)100部、塩化ナトリウム1200部、およびジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で6時間混練し、ソルトミリング処理した。得られた混練物を3リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、98部の赤色顔料6(RC−6)を得た。平均一次粒子径は34nmであった。
【0233】
[製造例7]
(赤色顔料7(RC−7)の製造:PR166)
C.I.ピグメントレッド254(BASF社製「イルガフォアレッドB−CF」)を、C.I.ピグメントレッド166(PR166)(Clariant社製「Chromophtal Scarlet RT」)に変更した以外は、赤色顔料1(RC−1)の製造と同様に行い、赤色顔料7(RC−7)98部を得た。平均一次粒子径は41nmであった。
【0234】
[製造例8]
(赤色顔料8(RC−8)の製造:PR221)
C.I.ピグメントレッド254(BASF社製「イルガフォアレッドB−CF」)を、C.I.ピグメントレッド221(PR221)(Clariant社製「Chromophtal Red 2B」)に変更した以外は、赤色顔料1(RC−1)の製造と同様に行い、赤色顔料8(RC−8)98部を得た。平均一次粒子径は39nmであった。
【0235】
【表1】
【0236】
(表1続き)
【0237】
<着色組成物の作製方法>
[実施例47]
(着色組成物1(RM−1)の作製)
下記の組成の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)にて5時間分散した後、5.0μmのフィルタで濾過し、着色組成物1(RM−1)を作製した。
顔料組成物1(RP−1) 10.0部
樹脂型分散剤(ビック・ケミー社製「BYK111」) 3.0部
アクリル樹脂溶液1 35.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 52.0部
【0238】
[実施例48〜91、96、比較例1〜8]
(着色組成物2〜45、50〜58(RM−2〜45、50〜58)の作製)
顔料組成物1(RP−1)を顔料組成物2〜46(RP−2〜46)、赤色顔料1〜8(RC−1〜8)に変更した以外は着色組成物1(RM−1)と同様にして、それぞれ、着色組成物2〜45、50〜58(RM−2〜45、50〜58)を作製した。
【0239】
[実施例92]
(着色組成物46(RM−46)の作製)
顔料組成物1(RP−1)10.0部を、赤色顔料3(RC−3)9.5部および顔料分散剤13(RD−13)0.5部に変更した以外は着色組成物1(RM−1)と同様にして、着色組成物46(RM−46)を作製した。
【0240】
[実施例93]
(着色組成物47(RM−47)の作製)
顔料組成物1(RP−1)10.0部を、赤色顔料7(RC−7)9.5部および顔料分散剤23(RD−23)0.5部に変更した以外は着色組成物1(RM−1)と同様にして、着色組成物47(RM−47)を作製した。
【0241】
[実施例94]
(着色組成物48(RM−48)の作製)
顔料組成物1(RP−1)10.0部を、赤色顔料8(RC−8)9.5部および顔料分散剤1(RD−1)0.5部に変更した以外は着色組成物1(RM−1)と同様にして、着色組成物48(RM−48)を作製した。
【0242】
[実施例95]
(着色組成物49(RM−49)の作製)
顔料組成物1(RP−1)10.0部を、顔料組成物19(RP−19)9.5部および顔料分散剤5(RD−5)0.5部に変更した以外は着色組成物1(RM−1)と同様にして、着色組成物49(RM−49)を作製した。
【0243】
<着色組成物の塗膜評価>
得られた着色組成物1〜58(RM−1〜58)を用いて作製した塗膜の耐熱性、耐光
性、および異物評価を下記方法で行った。表2に評価結果を示す。
なお、実施例56〜58(RM−10〜12)は参考例である。
【0244】
(耐熱性評価)
着色組成物を100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上に、スピンコーターを用いて乾燥膜厚が2.0μmになるように塗布し、次に70℃で20分乾燥し、ついで230℃で60分間加熱、放冷することで塗膜基板(カラーフィルタの一態様)を作製した。得られた塗膜のC光源での色度([L*(1)、a*(1)、b*(1)])を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP100」)を用いて測定した。さらにその後、耐熱性試験として250℃で1時間加熱し、C光源での色度([L*(2)、a*(2)、b*(2)])を測定し、下記計算式により、色差ΔEab*を求め、下記の4段階で評価した。
ΔEab* = √((L*(2)- L*(1))2+ (a*(2)- a*(1)) 2+( b*(2)- b*(1)) 2)
◎:ΔEab*が1.0未満(極めて良好)
○:ΔEab*が1.0以上、2.5未満(良好)
△:ΔEab*が2.5以上、5.0未満(不良)
×:ΔEab*が5.0以上(極めて不良)
【0245】
(耐光性評価)
耐熱性評価のときと同様の方法で塗膜基板を作製し、C光源での色度([L*(1)、a*(1)、b*(1)])を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP100」)を用いて測定した。続いて、その基板上に紫外線カットフィルター(ホヤ社製「COLORED OPTICAL 部LASS L38」)を貼り、470W/m
2のキセノンランプを用いて紫外線を100時間照射した後、C光源での色度([L*(2)、a*(2)、b*(2)])を測定し、上記計算式により、色差ΔEab*を求め、耐熱性と同じ基準で評価した。
【0246】
(塗膜異物評価)
着色組成物を100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上に、スピンコーターを用いて乾燥膜厚が2.0μmになるように塗布し、次に70℃で20分乾燥し、次いで、230℃で60分間加熱、放冷することで塗膜基板を作製した。評価はオリンパスシステム社製金属顕微鏡「BX60」)を用いて表面観察を行った。倍率は500倍とし、透過にて任意の5視野で観測可能な粒子の数をカウントした。下記の4段階で評価した。
◎:異物の数が5個未満(極めて良好)
○:異物の数が5個以上、10個未満(良好)
△:異物の数が10個以上、60個未満(不良)
×:異物の数が60個以上(極めて不良)
【0247】
(保存安定性試験方法)
着色組成物の25℃における粘度を、E型粘度計(東機産業社製TUE−20L型)を用い回転数20rpmで測定した。着色組成物の作製当日の初期粘度と、40℃の恒温室にて7日間保存後に測定した粘度から、粘度変化率を算出し、保存安定性を下記の基準にて評価した。
◎:1割未満(極めて良好)
○:1割以上、2割未満 (良好)
△:2割以上、5割未満(不良)
×:5割以上(極めて不良)
【0248】
【表2】
【0249】
(表2続き)
【0250】
表2に示すように、本発明の顔料分散剤を用いた着色組成物は、塗膜の耐熱性、耐光性、塗膜異物、および初期粘度において良好な結果であった。
【0251】
特に、本発明の顔料分散剤を用いた着色組成物と、用いていない比較例3、7、8を比較すると、一次粒子径だけでなく、塗膜の塗膜異物および保存安定性において明らかな差が見られた。
【0252】
<感光性着色組成物の作製方法>
[実施例97]
(感光性着色組成物1(RR−1)の作製)
下記組成の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1μmのフィルタで濾過し、感光性着色組成物1(RR−1)を作製した。
着色組成物1(RM−1) 24.4部
着色組成物52(RM−52) 18.6部
アクリル樹脂溶液2 8.2部
光重合性単量体(東亞合成社製「アロニックスM402」) 2.8部
光重合開始剤(BASF社製「イルガキュアー907」) 2.0部
増感剤(保土谷化学工業社製「EAB−F」) 0.4部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 43.6部
【0253】
[実施例98〜148、比較例9〜15]
(感光性着色組成物2〜59(RR−2〜59))
着色組成物1(RM−1)および着色組成物52(RM−52)を、表3に示す着色組成物の組合せおよび比率(着色組成物の全量43部内の比率)に変更する以外は、実施例97と同様にして、それぞれ、感光性着色組成物2〜59(RR−2〜59)を得た。尚、比率変更については、塗膜評価の際にC光源でx=0.640、y=0.330の色度に合うようにした。
なお、実施例106〜108(RR−10〜12)は参考例である。
【0254】
<感光性着色組成物の塗膜評価>
得られた感光性着色組成物1〜59(RR−1〜59)を用いて作製した塗膜の輝度(色特性)の評価を下記方法で行った。表3に評価結果を示す。
【0255】
(輝度評価)
感光性着色組成物を、100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上に、スピンコーターを用いて塗布し、次に70℃で20分乾燥し、超高圧水銀ランプを用いて、積算光量150mJ/cm
2で紫外線露光を行い、23℃のアルカリ現像液で現像を行い、塗膜基板を得た。ついで230℃で60分間加熱、放冷後、得られた塗膜基板の輝度Y(C)を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP100」)を用い、測定した。作製した塗膜基板は、230℃での熱処理後で、C光源でx=0.640、y=0.330の色度に合うようにした。アルカリ現像液としては、炭酸ナトリウム1.5質量%、炭酸水素ナトリウム0.5質量%、陰イオン系界面活性剤(花王社製「ペリレックスNBL」)8.0質量%および水90質量%からなるものを用いた。輝度Y(C)に関しては、0.1ポイント以上であれば、明らかに差があるといえる。
【0256】
(コントラスト比評価)
得られた感光性着色組成物をスピンコーターを用いて、回転数を変えて乾燥膜厚が約1μm前後となるように(膜厚)3水準の塗布基板を作製した。塗布後80℃で30分、熱風オーブンで乾燥したのち、それぞれ膜厚及びコントラスト比を測定し、3点のデータから膜厚が1μmにおけるコントラスト比(CR)を一次相関法で求めた。
【0257】
【表3】
【0258】
(表3続き)
【0259】
表3の結果より、本発明の顔料分散剤を用いた着色組成物を用いることにより、高輝度かつ高コントラストな感光性着色組成物を作製することができた。
【0260】
<カラーフィルタの作製>
カラーフィルタの作製に使用する緑色感光性着色組成物と青色感光性着色組成物の作製を行った。尚、赤色については本発明の感光性着色組成物1(RR−1)を使用した。
【0261】
(緑色着色組成物1(GM−1)の作製)
下記に示す配合組成の混合物を均一に撹拌混合し、直径0.5mmジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)にて5時間分散した後、5.0μmのフィルタで濾過し、緑色着色組成物1(GM−1)を作製した。
緑色顔料(C.I.ピグメント グリーン 36) 6.8部
黄色顔料(C.I.ピグメント イエロー 150) 5.2部
樹脂型分散剤(BASF社製「EFKA4300」) 1.0部
アクリル樹脂溶液1 35.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 52.0部
【0262】
(緑色感光性着色組成物1(GR−1)の調製)
下記組成の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1μmのフィルタで濾過し、緑色感光性着色組成物1(GR−1)を作製した。
緑色着色組成物1(GM−1) 42.0部
アクリル樹脂溶液2 13.2部
光重合性単量体(東亞合成社製「アロニックスM402」) 2.8部
光重合開始剤(BASF社製「イルガキュアー907」) 2.0部
増感剤(保土谷化学工業社製「EAB−F」) 0.4部
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート 39.6部
【0263】
(青色着色組成物1(BM−1)の調製)
下記に示す配合組成の混合物を均一に撹拌混合し、直径0.5mmジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)にて5時間分散した後、5.0μmのフィルタで濾過し、青色着色組成物1(BM−1)を作製した。
青色顔料(C.I.ピグメント ブルー 15:6) 7.2部
紫色顔料(C.I.ピグメント バイオレット 23) 4.8部
樹脂型分散剤(BASF社製「EFKA4300」) 1.0部
アクリル樹脂溶液1 35.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 52.0部
【0264】
(青色感光性着色組成物1(BR−1)の調製)
下記組成の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1μmのフィルタで濾過し、青色感光性着色組成物1(BR−1)を作製した。
青色着色組成物1(BM−1) 34.0部
アクリル樹脂溶液2 15.2部
光重合性単量体(東亞合成社製「アロニックスM400」) 3.3部
光重合開始剤(BASF社製「イルガキュアー907」) 2.0部
増感剤(保土谷化学工業社製「EAB−F」) 0.4部
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート 45.1部
【0265】
ガラス基板上にブラックマトリクスをパターン加工し、該基板上にスピンコーターで本発明の感光性着色組成物1(RR−1)を塗布し着色被膜を形成した。該被膜にフォトマスクを介して、超高圧水銀ランプを用いて300mJ/cm2の紫外線を照射した。次いで0.2重量%の炭酸ナトリウム水溶液からなるアルカリ現像液によりスプレー現像して未露光部分を取り除いた後、イオン交換水で洗浄し、この基板を230℃で20分加熱して、赤色フィルタセグメントを形成した。形成された赤色フィルタセグメントは、C光源でx=0.640、y=0.330であった。同様の方法により、緑色感光性着色組成物1(GR−1)をx=0.300、y=0.600、青色感光性着色組成物1(BR―1)をx=0.150、y=0.060になるように、緑色フィルタセグメント、青色フィルタセグメントを形成して、カラーフィルタを得た。
【0266】
本発明の感光性着色組成物1(RR−1)を用いることにより、高輝度かつ高コントラストなカラーフィルタを作製することが可能であった。