(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0027】
詳細な説明
序論/共役ポリマー
本明細書において引用されるすべての参考文献はその全体が参照により組み入れられる。
【0028】
2008年3月6日に出願の優先権米国仮出願第61/034,476号は、その全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【0029】
本明細書に記載の調合物では、第1のポリマーは共役ポリマーであり得る。有機電子デバイス中でのその使用を含むポリマーは当技術分野で公知である。例えばFriend, "Polymer LEDs," Physics World, November 1992, 5, 11, 42-46を参照。
【0030】
共役ポリマーも当技術分野で公知である。例えばKraft et al., "Electroluminescent Conjugated Polymers-Seeing Polymers in a New Light," Angew. Chem. Int. Ed. 1998, 37, 402-428を参照。
【0031】
ポリアセチレン、ポリ(p-フェニレン)、ポリ(p-フェニレンスルフィド)、ポリピロールおよびポリチオフェンを含む導電性または共役ポリマーはThe Encyclopedia of Polymer Science and Engineering, Wiley, 1990, pages 298-300に記載されており、これはその全体が参照により本明細書に組み入れられる。この参考文献では、ブロック共重合体形成を含む、ポリマーのブレンド化および共重合も記載されている。
【0032】
ポリチオフェンを含む共役ポリマーはホモポリマー、共重合体またはブロック共重合体であり得る。側基を有する位置規則性ポリチオフェンを含む合成方法、ドーピングおよびポリマーの特徴づけは、例えばMcCulloughらの米国特許第6,602,974号およびMcCulloughらの米国特許第6,166,172号に示されており、これらはその全体が参照により本明細書に組み入れられる。さらなる説明は"The Chemistry of Conducting Polythiophenes," by Richard D. McCullough, Adv. Mater. 1998, 10, No. 2, pages 93-116という論文および当該論文に引用されている参考文献に見出すことができ、これはその全体が参照により本明細書に組み入れられる。当業者が使用可能な別の参考文献はHandbook of Conducting Polymers, 2
nd Ed. 1998, Chapter 9, by McCullough et al., "Regioregular, Head-to-Tail Coupled Poly(3-alkylthiophene) and its Derivatives," pages 225-258であり、これはその全体が参照により本明細書に組み入れられる。この参考文献では第29章、823-846頁に"Electroluminescence in Conjugated Polymers"も記載されており、これはその全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【0033】
ポリチオフェンは例えばRoncali, J., Chem. Rev. 1992, 92, 711; Schopf et al., Polythiophenes: Electrically Conductive Polymers, Springer: Berlin, 1997に記載されている。例えば米国特許第4,737,557号および第4,909,959号も参照。
【0034】
ポリマー半導体は例えば"Organic Transistor Semiconductors" by Katz et al., Accounts of Chemical Research, vol. 34, no. 5, 2001, page 359 including pages 365-367に記載されており、これはその全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【0035】
ブロック共重合体は例えばBlock Copolymers, Overview and Critical Survey, by Noshay and McGrath, Academic Press, 1977に記載されている。例えば、このテキストではA-Bジブロック共重合体(第5章)、A-B-Aトリブロック共重合体(第6章)および-(AB)
n-マルチブロック共重合体(第7章)が記載されており、これらは本明細書に記載のブロック共重合体の種類の基礎を形成することができる。
【0036】
ポリチオフェンを含むさらなるブロック共重合体は、例えばその全体が参照により組み入れられるFrancois et al., Synth. Met. 1995, 69, 463-466; Yang et al., Macromolecules 1993, 26, 1188-1190; Widawski et al., Nature (London), vol. 369, June 2, 1994, 387-389; Jenekhe et al., Science, 279, March 20, 1998, 1903-1907; Wang et al., J. Am. Chem. Soc. 2000, 122, 6855-6861; Li et al., Macromolecules 1999, 32, 3034-3044; Hempenius et al., J. Am. Chem. Soc. 1998, 120, 2798-2804に記載されている。
【0037】
以下の論文では、97頁冒頭および当該論文に引用されている参考文献において、数種類の位置規則性系が記載されている: "The Chemistry of Conducting Polythiophenes," by Richard D. McCullough, Adv. Mater. 1998, 10, No. 2, pages 93-116。ポリチオフェンを含む位置規則性ポリマーにおいて、位置規則性度は例えば約90%以上、または約95%以上、または約98%以上、または約99%以上であり得る。例えばNMRなどの当技術分野で公知の方法を使用して位置規則性度を測定することができる。一態様では、位置規則性度は約75%を超える。別の態様では、位置規則性度は約85%〜100%である。
【0038】
位置規則性は複数の方法で生じ得る。例えば、頭-尾(HT)ポリ(3-置換)チオフェンを与える、3-アルキルチオフェンなどの非対称モノマーの重合によりそれは生じ得る。あるいは、位置規則性HH-TTおよびTT-HHポリ(3-置換チオフェン)を例えば与える、例えばビ-チオフェンなどの2つのモノマー部分間に対称面を有するモノマーの重合によりそれは生じ得る。
【0039】
特に、側鎖を有する導電性ポリマーを可溶化させるために使用可能な置換基としては、C1〜C25基を例えば含むアルコキシおよびアルキル、ならびに、酸素および窒素を例えば含むヘテロ原子系が挙げられる。特に、少なくとも3個の炭素原子または少なくとも5個の炭素原子を有する置換基を使用可能である。混合置換基を使用可能である。置換基は非極性、極性または官能性の有機置換基であり得る。側基はR置換基と呼ぶことができ、R置換基は例えばアルキル、パーハロアルキル、ビニル、アセチレン、アルコキシ、アリールオキシ、ビニルオキシ、チオアルキル、チオアリール、ケチル、チオケチルであり得るものであり、水素以外の原子で置換されていてもよい。
【0040】
チオフェンポリマーは、3を例えば超える分岐数を有しかつチオフェン単位を含む、星形ポリマーであり得る。チオフェンポリマーはデンドリマーであり得る。例えばAnthopoulos et al., Applied Physics Letters, 82, 26, June 30, 2003, 4824-4826およびデンドリマーの以下のさらなる説明を参照。
【0041】
複素環ポリマーが特に好ましい。特に好ましい系はポリチオフェン系および位置規則性ポリチオフェン系である。例えばPlexcore、Plexcoatおよび同様の材料などのポリチオフェン系ポリマーを例えば含むポリマーはペンシルベニア州ピッツバーグのPlextronics, Inc.より得ることができる。
【0042】
別の態様は、比較的位置不規則性である複素環共役ポリマーを含む。例えば、位置規則性度は約90%以下、または約80%以下、または約70%以下、または約60%以下、または約50%以下であり得る。
【0043】
第1のポリマーの一例は、スルホン化ポリマーを含む水溶性ポリマーである。
【0044】
さらなる態様は、先の態様の上記組成物の各種組み合わせより形成される組成物であって、Sigma-Aldrich Co.より入手可能な市販のポリアニリン(PANi)組成物650013または649996、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)調合物675288、649813、649821、649805、649791、649783、687316または678932、およびPEDOTを有さないポリピロール分散液482552調合物などの導電性ポリマーをさらに含む組成物を与えることができる。
【0045】
導電性ポリマーおよびポリチオフェンのスルホン化
共役ポリマーの一例は、スルホン化ポリチオフェンおよびスルホン化位置規則性ポリチオフェンを含むスルホン化共役ポリマーである。例えば、図面、実施例および特許請求の範囲を含むその全体が参照により本明細書に組み入れられる、2007年7月13日出願のSeshadriらの米国特許出願第11/826,394号を参照。
【0046】
位置規則性ポリマーをスルホン化に供する場合、本明細書においてポリマー組成物を依然として位置規則性と呼ぶことができる。スルホン化は当技術分野で一般に公知であり、有機分子にスルホン酸基またはその塩-SO
3Hが導入され、有機分子の炭素に硫黄原子が結合する。特許文献の例としては例えばAllcockらの米国特許第5,548,060号; Pintauroらの米国特許第6,365,294号; Epsteinらの米国特許第5,137,991号; およびItoらの米国特許第5,993,694号が挙げられる。さらなるスルホン化方法は(1) Sotzing, G. A. Substituted thieno[3,4-b]thiophene polymers, method of making and use thereof, 米国特許出願公開第2005/0124784A1号; (2) Lee, B.; Seshadri, V.; Sotzing, G.A. Ring Sulfonated poly(thieno[3,4-b]thiophene), Adv. Mater. 2005, 17, 1792に例えば記載されている。
【0047】
スルホン化置換基は様々な形態であり得る。例えば、スルホン化置換基は酸の形態であり得るものであり; またはスルホン化置換基は対イオンを含む塩の形態であり得るものであり; またはスルホン化置換基は対イオンを含む塩の形態であり得るものであり、対イオンは有機基を含み; またはスルホン化置換基は対イオンを含む塩の形態であり得るものであり、対イオンはアルキル基を例えば含む有機カチオンを含みかつ金属を含まず; またはスルホン化置換基は対イオンを含む塩の形態であり、対イオンは金属カチオンを含む。スルホン化度を例えば約5%〜約95%、または約10%〜約90%、または約25%〜約75%に制御することができる。スルホン化が進行するに従って、スルホン化ポリチオフェンは強酸中に可溶化および/または分散される。ポリチオフェンに対するスルホネート硫黄原子の直接結合はバンドギャップ構造の調整を可能にし得る。
【0048】
共役ポリマーは、スルホン化共役ポリマーを含む自己ドープ型ポリマーを例えば含む、ドープ型ポリマーであり得る。無機および有機ドーパントを含む公知のドーパントを使用可能である。
【0049】
第2のポリマー/平坦化剤
組成物は共役ポリマーである第1のポリマーと少なくとも1つの第2のポリマーとの混合物を含み得る。第2のポリマーは平坦化剤であり得るものであり、組成物は例えば有機電子デバイス中の正孔注入層または正孔輸送層として使用可能である。
【0050】
第2のポリマーは有機ポリマーであり得る。それは合成ポリマーであり得る。例えば、第2のポリマーは、例えば約170℃などの対象となるアニール温度で十分に安定なポリマーであり得る。したがって、例えば、ポリマーは、少なくとも約180℃または少なくとも約200℃である分解温度を有し得る。
【0051】
第2のポリマーは、少なくとも約25℃、または少なくとも約50℃、または少なくとも約75℃、または少なくとも約100℃であるガラス転移温度を有し得る。
【0052】
第2のポリマーは、水性溶媒担体を含む、水を含む溶媒担体中での使用に適応可能である。
【0053】
第2のポリマーは全炭素骨格を含み得るものであり、または例えば窒素もしくは酸素などの少なくとも1個のヘテロ原子も含み得る。例えば、骨格はエチレンオキシまたはプロピレンオキシなどのアルキレンオキシ単位を含み得る。
【0054】
第2のポリマーは、少なくとも1つの-OR官能基または少なくとも2つの-OR官能基を含む少なくとも1つの側基を含み得るものであり、Rはフッ素化基、アルキル基、アルキルスルホン酸基、アルキレンオキシド基およびその組み合わせを含む。第2のポリマーでは、無修飾-OH基を有する側基を含む複数の側基が存在し得る。-ORおよび-OH側基を有するモノマー繰り返し単位の比を、所望の特性を実現するように適応させることができる。
【0055】
第2のポリマーは芳香族または非芳香族側基を含み得る。
【0056】
特に、第2のポリマーは、下記式で表される繰り返し単位を含み得る:
(I) 任意で-[CH
2-CH(Ph-OH)]-および
(II) -[CH
2-CH(Ph-OR)]-
式中、Phはフェニル環であり、Rはフッ素化基、アルキル基、アルキルスルホン酸基またはアルキレンオキシド基を含む。フェニル環はさらなる-OHおよび-OR基を含み得るものであり、したがって例えば2個の-OH基または2個の-OR基を含む。
【0057】
特に、第2のポリマーはポリ(4-ビニルフェノール)の誘導体であり得るものであり、フェノールのヒドロキシルは当技術分野で公知のように誘導体化されている。第2のポリマーは、下記式で表される繰り返し単位を含み得る:
(I) 任意で-[CH
2-CH(Ph-OH)]-および
(II) -[CH
2-CH(Ph-OR)]-
式中、Phはフェニル環であり、Rはフッ素化基、アルキル基、アルキルスルホン酸基またはアルキレンオキシド基を含む。繰り返し単位(I)は好ましい態様において存在し得る。しかし、いくつかの場合では、実質的にすべての繰り返し単位が(II)であり得る。Ph環は、4位または3位を例えば含む位置のいずれかにおいて置換されていてもよい。特に、フェニル環に連結しているポリマー骨格と置換基との相対位置はオルト、メタまたはパラであり得る。第2のポリマーは、フェニル環上で連結している1個、2個、3個、4個または5個のヒドロキシルまたは-ORを有し得る。
【0058】
一態様では、ポリマーを-[CH
2-CH-Ph-OH]
n-x-[CH
2-CH-Ph-OR]
x-で表すことができる。xおよびnの値は当技術分野で公知のように変動し得るものであり、例えば0.1〜1であり得る。
【0059】
繰り返し単位(I)のモル量は、繰り返し単位(II)のモル量より大きく、例えば少なくとも2倍または少なくとも3倍であるということがあり得る。
【0060】
第2のポリマーは繰り返し単位(I)および(II)から本質的になり得る。さらなる繰り返し単位は、好ましい態様の基本的特徴および新規特徴に干渉しない量で許容され得る。
【0061】
別の態様では、第2のポリマーは、現在は2009年2月27日出願の米国特許出願第12/395,327号(「Planarizing Agents and Devices」)である、2008年2月29日出願の同時係属中の仮出願第60/032,905号に記載のポリマーであって、ヒドロキシル官能化縮合芳香環系を含む官能化されていてもよい縮合環系を含む、炭素骨格および側基を含むポリマーを含むポリマーのうち1つであり得る。官能基、または側基1つ当たりの置換基の数は変動し得るものであり、例えば1、2または3であり得る。置換部位も変動し得る。例えば、ポリマー鎖はナフチル基の2位において結合可能であり、置換基は6位または7位に存在し得る。縮合系中の芳香環の数は例えば2であり得るものであり、それにより水を含む担体中でポリマーを調合することができる。一例は、ポリマー鎖に連結しているナフチル基またはナフトール基である。ナフトールの態様では、側基に結合しているヒドロキシル単位の数は変動し得るものであり、例えば1個、2個または3個のヒドロキシル単位を有し得る。芳香環はヒドロキシル置換基に加えて任意的な置換基を有し得る。
【0062】
第2のポリマーの他の例としては(メタ)アクリレートまたはアクリルアミドポリマーが挙げられる。
【0063】
数平均分子量は例えば約3,600〜約60,000、より具体的には約6,000〜約12,000であり得る。
【0065】
フッ素化基
ポリマー改質の一態様では、R基は、疎水性基の一例である、フッ素化基、または少なくとも1個のフッ素原子を含む基を含み得る。特に、R基は、過フッ素化化合物より調製可能であるか、または過フッ素化基を含み得る。フッ素化基を含むR基は、炭素鎖、または酸素のような非炭素ヘテロ原子も含む炭素鎖などの、原子の直鎖を含み得る。例えば、R基はビニルエーテルの使用により調製することができる。R基は繰り返し-CF
2-単位を含み得る。R基は末端トリフルオロメチル-CF
3基を末端とすることができる。いくつかの態様では、フッ素化基は少なくとも1個の水素置換基を含み得るものであり、水素置換基はフェノール性水素からの過フッ素化化合物に対する付加反応の結果としてこの基に加えられる。この態様では、側基は過フッ素化されていると考えられる。
【0066】
一態様では、トリフルオロビニルエーテルを用いて付加反応によりポリビニルフェノールを改質することができ、フェノールは触媒量の塩基の存在下でビニル結合を横切って付加される。これは、ケルビンプローブで測定される約5.5eVである正孔注入層の仕事関数を与えることができる。
【0067】
非酸性フッ素化材料を使用して、ナフィオンと同様のパーフルオロスルホン酸ポリマーと同様に仕事関数を増加させることができる。非酸性フッ素化材料は当技術分野で公知である。例えば"Fluorine-Containing Polymers"に関する論文を含むConcise Encyclopedia of Polymer Science and Engineering, Wiley, 1990および当該文献に引用されている参考文献を参照。深い仕事関数のHILを与えることができる成分の数は、2つのポリマーのみとすることができる。
【0068】
さらに、フルオロポリマーまたはパーフルオロポリマーの微細構造を改変することで、表面エネルギーを制御することができる。
【0069】
反応は非フルオロカーボン溶媒中で行うことができる。反応が定量的であることから、係留したフルオロアルキル鎖のパーセントは変動し得るものであり、したがって最終薄膜の表面エネルギーおよび濡れ性を制御するために役立ち得る。
【0070】
アルキル基
別のポリマー改質の態様では、R基は、疎水性基の一例であるアルキル基を含み得る。アルキル基は例えば1〜25個の炭素原子、または2〜20個の炭素原子、または3〜15個の炭素原子、または4〜10個の炭素原子を有し得る。例としては、異性体構造のファミリー内の異性体を含む、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニルおよびドデシルが挙げられる。R基は例えば直鎖状または分岐状であり得る。R基は-(CH
2)
nCH
3で表すことができ、式中、nは0〜25であるか、またはnは1〜25である。
【0071】
改質度は1パーセント〜100パーセント、または約15パーセント〜約50パーセント、または約20パーセント〜約40パーセントであり得る。
【0072】
ポリ(4-ビニルフェノール)中の繰り返し単位の一部のみを改質することで、すべての繰り返し単位を改質する場合よりも良好に特性を調節する能力を有する。さらに、ポリマーのごく一部のみを改質することは、アルコール、セロソルブもしくはカルビトールなどの極性溶媒中のその溶解性、または水性調合物になるその能力に影響を与えない。同時に、薄膜をアニールした後、アルキル鎖などの骨格に係留している官能基は薄膜表面に移動して、濡れ性の改質をもたらす。したがって、ナフィオン含有正孔注入層上のキシレン系LEPの接触角を低下させることができる。利点としては、OLEDデバイスの性能に否定的な影響を与えずに表面エネルギーを改質できるということがある。
【0073】
アルキルスルホン酸基
ポリマー改質の別の態様では、R基は、親水性基の一例であるアルキルスルホン酸基も含み得る。アルキルスルホン酸の「アルキル」部分は、ポリマーとスルホン酸官能基との間のスペーサーとして機能し得る。例えば、アルキルは-(CH2)
n-であり得るものであり、式中、nは1〜20、または2〜10、または2〜5である。特にプロピルスルホン酸を使用可能である。
【0074】
スルホン酸はpHに応じて異なる形態であり得る。例えば、それは酸性または塩基性であり得るものであり、塩の形態の場合、カチオンは変動し得る。H
+型イオン交換樹脂を通過させて、アルカリ金属塩をプロトンに交換することができる。酸形態に各イオン交換樹脂を通過させて、プロトンを他のアルカリ金属塩に交換することができる。
【0075】
修飾アルキルスルホン酸基のモル百分率は例えば5%から100%まで変動し得る。
【0076】
アルキレンオキシド基
ポリマー改質のさらに別の態様では、R基は、プロピレンオキシドもしくはエチレンオキシド基またはその混合物を例えば含む、親水性基の一例である、当技術分野で公知の基であるアルキレンオキシド基も含み得る。アルキレンオキシ繰り返し単位は、直鎖基または分岐基を含む2〜6個の炭素原子を例えば含み得る。この基は、メトキシ基などのアルコキシ基で封止された2つのアルキレンオキシド基を例えば含み得る。側基中のアルキレンオキシ繰り返し単位の数は特に限定されないが、例えば1〜50、または2〜30であり得る。
【0077】
さらなる成分
一態様では、組成物は少なくとも1つの第3のポリマーをさらに含み得る。例えば、第3のポリマーは、イオン性フッ素化ポリマーを含むイオン性ポリマーであり得る。一例は、例えばナフィオンまたはポリスチレンスルホネートなどのフッ素化ポリマーまたはアイオノマーである。
【0078】
重量百分率での第3のポリマーの量は、例えば共役ポリマーの重量百分率未満であり得る。
【0079】
インクおよび調合物
溶媒、ポリマーおよび/または添加剤を一緒にブレンド化して、特定用途に合わせた具体的な特性を有するインク(およびインクからの薄膜)を形成することができる。
【0080】
例えば、インクの表面張力を高めるために、ポリ(4-ビニルフェノール)のスルホン化改質物または誘導体を用いて新たな共溶媒を使用可能にすることができる。改質および調合の他の例としては以下が挙げられる:
a. アルキル改質−HIL薄膜の表面エネルギーを改変するため
b. フルオロ改質−第2のポリマーを必要とせずにHIL薄膜の仕事関数を修正するため
c. アルキレンオキシド−より少ない共溶媒の使用、ならびに導電性ポリマーとの相溶性の向上、およびより平滑なHIL薄膜の形成を可能にするため。
【0081】
ポリマーの混合物を溶媒担体系と共に調合してインクを形成することができる。溶媒担体は、単一の溶媒または複数の溶媒の混合物を含み得る。例えば、担体系は水および少なくとも1つの第2の溶媒を含み得る。共役ポリマーおよび第2のポリマーが可溶性ポリマーである場合にポリマーを溶解させるように、溶媒を適応させることができる。
【0082】
特定種類のコーティングおよび塗布方法にインクを適応させることができる。例えば、いくつかのインクをインクジェット印刷に適応させることができ、他のインクをスピンコーティングに適応させることができる。他の方法としては例えばスロットダイ、ディップコーティング、スクリーン印刷、グラビア、Microgravure(商標)、フレキソ、オフセットなどが挙げられる。
【0083】
ディスプレイ用の小さい予め確定した画素としての印刷を含む多くのインクジェット印刷用途のために重要である表面張力の増大を得るために、増加した表面張力を有する1つまたは複数の溶媒を調合物中で使用することができる。別の考慮事項は、HIL上に対する後続層の接触角にインクの成分が影響を与えることで、例えば濡れ性および層形成の向上を与えることができるということである。
【0084】
調合物の粘度を特定の印刷方法に適応させることができる。例えば、調合物の粘度は、例えば約1cP〜約40cP、または約1cP〜約20cP、または約2cP〜約15cP、または約20cP〜約40cPであり得る。
【0085】
調合物の表面張力を特定用途に適応させることができる。例えば、調合物の表面張力は、例えば少なくとも約60ダイン/cm、または少なくとも約70ダイン/cm、または約60ダイン/cm〜約90ダイン/cm、または約70ダイン/cm〜約80ダイン/cmであり得る。例示的な範囲は約30ダイン/cm〜約70ダイン/cm、または約30ダイン/cm〜約40ダイン/cmである。
【0086】
先に記載のようにスルホン化可能な導電性ポリマーおよびポリチオフェン組成物を、成分の量を変動させること、異なる構造種類の組み合わせを変動させること、異なる混合条件の使用、異なる溶媒の使用、異なる薄膜調製条件の適用、異なる精製方法の使用などを例えば含む、当技術分野において調合者に公知の方法により、調合およびブレンド化することができる。正孔注入技術における具体的な用途のための調合物が特に重要である。1つまたは複数の第1のポリマーを使用可能である。1つまたは複数の第2のポリマーを使用可能である。
【0087】
量
第1および第2のポリマーの例えば重量パーセントでの相対量は、用途に応じて変動し得る。例えば、第2のポリマーの重量百分率は第1のポリマーの重量百分率よりも大きいことがある。特に、第2のポリマーの重量百分率は第1のポリマーの重量百分率の少なくとも2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍または少なくとも10倍であり得る。
【0088】
調合物中の固形分パーセントを用途に応じて変動させることができる。例えば、固形分パーセントは0.5重量%〜5重量%、または1重量%〜3重量%であり得る。
【0089】
薄膜の調製
公知の方法を使用してインクを薄膜またはコーティングの形態に加工することができる。例えば、インクジェット印刷、スピンコーティング、スロットダイコーティング、ディップコーティング、スクリーン印刷、グラビア、Microgravure(商標)、フレキソ、オフセットおよび他の公知の方法を使用可能である。
【0090】
デバイスおよび用途
有機電子デバイスおよび光電子デバイスを含むデバイスおよびデバイス製作方法は、当技術分野で公知である。各種デバイスは多くの場合、多層構造を用いて製作することができ、多層構造は例えば溶液加工または真空加工、ならびに印刷プロセスおよびパターン形成プロセスにより調製することができる。特に、正孔注入層(HIL)のための本明細書に記載の態様の使用を有効に行うことができる。特に、用途としてはOLED、PLED、SMOLED、ESD、光電池、OPV、スーパーキャパシタ、カチオントランスデューサ、薬物放出、電気着色装置、センサ、FET、アクチュエータ、RFIDおよびメンブレン用の正孔注入層または正孔輸送層が挙げられる。別の用途は、有機電界効果トランジスタ(OFETS)用電極改質層を含む電極改質層である。他の用途としてはプリンテッドエレクトロニクス、プリンテッドエレクトロニクスデバイスおよびロール・ツー・ロール生産プロセスの分野のものが挙げられる。
【0091】
また、例えば、光起電力デバイスは当技術分野で公知である。例えば、このデバイスは、ガラスまたはPET上の酸化インジウムスズ(ITO)などの透明導電体を含む陽極と; 正孔注入層および/または正孔輸送層と; P/Nバルクヘテロ接合層と; LiFなどのコンディショニング層と; 例えばCa、AlまたはBaなどの陰極とを例えば含む多層構造を含み得る。電流密度対電圧の測定を可能にするようにデバイスを適応させることができる。
【0092】
同様に、OLEDデバイスも当技術分野で公知である。例えば、このデバイスは、ガラスまたはPETもしくはPEN上のITOなどの透明導電体を含む陽極と; 正孔注入層と; ポリマー層などのエレクトロルミネセンス層と; LiFなどのコンディショニング層と; 例えばCa、AlまたはBaなどの陰極とを例えば含む多層構造を含み得る。
【0093】
当技術分野で公知の方法を使用して、OLEDおよびOPVデバイスを例えば含むデバイスを製作することができる。当技術分野で公知の方法を使用して輝度、効率および寿命を測定することができる。OLED特許としては例えば米国特許第4,356,429号および第4,539,507号(Kodak)が挙げられる。発光する導電性ポリマーは例えば米国特許第5,247,190号および第5,401,827号(Cambridge Display Technologies)に記載されている。デバイス構造、物理的原理、溶液加工、多層形成、ブレンド、ならびに材料の合成および調合を含む、その全体が参照により本明細書に組み入れられるKraft et al., "Electroluminescent Conjugated Polymers - Seeing Polymers in a New Light," Angew. Chem. Int. Ed., 1998, 37, 402-428も参照。
【0094】
各種導電性ポリマー、およびSumation、Merck Yellow、Merck Blue、American Dye Sources(ADS)、Kodak(例えばAlQ3など)、さらにはAldrichより入手可能なBEHP-PPVなどの材料などの有機分子を含む、当技術分野で公知のかつ市販の発光体を使用することができる。そのような有機エレクトロルミネセンス材料の例としては以下が挙げられる:
(i) ポリ(p-フェニレンビニレン)、およびフェニレン部分上の様々な位置で置換されているその誘導体;
(ii) ポリ(p-フェニレンビニレン)、およびビニレン部分上の様々な位置で置換されているその誘導体;
(iii) ポリ(p-フェニレンビニレン)、およびフェニレン部分上の様々な位置で置換されかつビニレン部分上の様々な位置でも置換されているその誘導体;
(iv) アリーレンがナフタレン、アントラセン、フリレン、チエニレン、オキサジアゾールなどの部分であり得るポリ(アリーレンビニレン);
(v) アリーレンが上記(iv)と同様でありかつアリーレン上の様々な位置での置換基をさらに有することがあり得るポリ(アリーレンビニレン)の誘導体;
(vi) アリーレンが上記(iv)と同様でありかつビニレン上の様々な位置での置換基をさらに有することがあり得るポリ(アリーレンビニレン)の誘導体;
(vii) アリーレンが上記(iv)と同様でありかつアリーレン上の様々な位置での置換基およびビニレン上の様々な位置での置換基をさらに有することがあり得るポリ(アリーレンビニレン)の誘導体;
(viii) (iv)、(v)、(vi)および(vii)におけるものなどのアリーレンビニレンオリゴマーと非共役オリゴマーとの共重合体; ならびに
(ix) ポリp-フェニレン、およびポリ(9,9-ジアルキルフルオレン)などのラダーポリマー誘導体を含む、フェニレン部分上の様々な位置で置換されているその誘導体;
(x) アリーレンがナフタレン、アントラセン、フリレン、チエニレン、オキサジアゾールなどの部分であり得るポリ(アリーレン); およびアリーレン部分上の様々な位置で置換されているその誘導体;
(xi) (x)におけるものなどのオリゴアリーレンと非共役オリゴマーとの共重合体;
(xii) ポリキノリンおよびその誘導体;
(xiii) ポリキノリンと、溶解性を与えるために例えばアルキル基またはアルコキシ基でフェニレン上で置換されているp-フェニレンとの共重合体; ならびに
(xiv) ポリ(p-フェニレン-2,6-ベンゾビスチアゾール)、ポリ(p-フェニレン-2,6-ベンゾビスオキサゾール)、ポリp-フェニレン-2,6-ベンズイミダゾール)およびそれらの誘導体などの剛体棒状ポリマー。
【0095】
好ましい有機発光性ポリマーとしては、緑色、赤色、青色もしくは白色の光またはそのファミリーを発光するSUMATION発光ポリマー(「LEP」)、その共重合体、誘導体あるいは混合物が挙げられ、SUMATION LEPはSumationより入手可能である。他のポリマーとしてはドイツ・フランクフルトのCovion Organic Semiconductors GmbH(現在はMerck(登録商標)が所有)より入手可能なポリスピロフルオレン様ポリマーが挙げられる。
【0096】
あるいは、ポリマーというよりむしろ、蛍光またはリン光により発光する小有機分子が、有機エレクトロルミネセンス層として役立つことがある。小分子有機エレクトロルミネセンス材料の例としては、(i) トリス(8-ヒドロキシキノリナート)アルミニウム(Alq); (ii) 1,3-ビス(N,N-ジメチルアミノフェニル)-1,3,4-オキシダゾール(OXD-8); (iii) -オキソ-ビス(2-メチル-8-キノリナート)アルミニウム; (iv) ビス(2-メチル-8-ヒドロキシキノリナート)アルミニウム; (v) ビス(ヒドロキシベンゾキノリナート)ベリリウム(BeQ
2); (vi) ビス(ジフェニルビニル)ビフェニレン(DPVBI); および(vii) アリールアミン置換ジスチリルアリーレン(DSAアミン)が挙げられる。
【0097】
そのようなポリマーおよび小分子材料は当技術分野で周知であり、例えばVanSlykeに発行した米国特許第5,047,687号; およびBredas, J.-L., Silbey, R., eds., Conjugated Polymers, Kluwer Academic Press, Dordrecht (1991)に記載されている。
【0098】
デバイス中のHILの例としては以下が挙げられる:
1) PLEDおよびSMOLEDを含むOLEDにおける正孔注入; 例えば、PLED中のHILについて、共役が炭素原子またはケイ素原子を包含する共役ポリマー発光体のすべてのクラスを使用することができる。SMOLED中のHILについては以下が例である: 蛍光発光体を含有するSMOLED; リン光発光体を含有するSMOLED; HIL層に加えて1つまたは複数の有機層を含むSMOLED; および溶液もしくはエアロゾルスプレーまたは任意の他の加工方法論により小分子層が加工されるSMOLED。さらに、他の例としては、デンドリマーまたはオリゴマー有機半導体系OLED中のHIL; 電荷注入を改変するためにまたは電極としてHILが使用される両極性発光FET中のHILが挙げられる;
2) OPV中の正孔抽出層:
3) トランジスタ中のチャネル材料
4) 論理ゲートなどのトランジスタの組み合わせを含む回路中のチャネル材料
5) トランジスタ中の電極材料
6) コンデンサ中のゲート層
7) 導電性ポリマーにより感知される種の会合によりドーピングレベルの改変が実現される化学センサ。
【0099】
種々の光活性層をOPVデバイス中で使用することができる。米国特許第5,454,880号(Univ. Cal.); 第6,812,399号; および第6,933,436号に例えば記載の導電性ポリマーと例えば混合したフラーレン誘導体を含む光活性層を有する光起電力デバイスを調製することができる。
【0100】
一般的な電極材料および基板ならびに封入材料を使用可能である。
【0101】
仕事関数が-5.25eVに調整された、ポリ(4-ビニルフェノール)系HILを有するデバイスの、例えば緑色LEPを用いる試験は、PEDOT系正孔注入層のそれの2倍を超える寿命を与えることができる。
【0102】
さらに、本明細書に記載のスルホン化ポリチオフェン調合物および改質ポリマーを用いて得られる薄膜は、ポリビニルフェノールポリマーに比べて非常にクリアでかつ平滑な薄膜を与えることができる。
【0103】
平坦化剤を正孔注入層または電子注入層中で使用することができる。それはOFET用のゲート誘電体中で使用可能である。フェノールがアルミニウムアルコキシドおよび他の無機アルコキシドとさらに反応して、酸素透過性または透湿性を低減させるポリマー-アルミナハイブリッド材料を形成する、潜在的バリアコーティングを作製することができる。
【実施例】
【0104】
以下の非限定的実施例はさらなる態様を示す。
【0105】
以下のスキームは、実施例においてさらに記載の反応の概要を示す:
各種改質ポリ(4-ビニルフェノール)を調製するための合成スキーム
【0106】
セクションI 過フッ素化ポリマーの実施例
パーフルオロアルキル化ポリ(4-ビニルフェノール)の合成および特徴づけ
ポリ(4-ビニルフェノール-co-1-(1,1,2-トリフルオロ-2-(1,1,2,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-(パーフルオロプロポキシ)プロポキシ)エトキシ)-4-ビニルベンゼン)(P4VPhOH-PFMO)の合成
清浄な乾燥250mL二つ口RBFに無水DMF 100mLをカニューレ注入した後、ポリ(4-ビニルフェノール)10gを加えた。ポリマーが溶媒に完全に溶解した時点で、カリウムtert-ブトキシド0.15当量(1.40g)を加えた(この反応には触媒量しか必要ではないため、より多量の置換のためには同量で十分である)。反応混合物を室温で15分間攪拌し、パーフルオロ(5-メチル-3,6-ジオキサノン-1-エン)0.15当量(5.40g)を加えた。反応液を室温で14時間攪拌し、1N HCl 1L中で析出させた。析出したポリマーを濾過し、脱イオン水100mLで洗浄した。ポリマーを再度1N HCl 100mL中で温暖条件に加熱しながら1時間攪拌し、濾過する。ポリマーを再度水中で温暖条件に加熱しながら1時間攪拌し、濾過した。脱イオン水で洗浄し、真空オーブン中40〜50℃で48時間乾燥させた。収率はほぼ定量的であった。
1H NMRおよび
19F NMRスペクトルを
図1および2にそれぞれ示す。
【0107】
フッ素化側基への変換率は、化学量論およびNMRデータに基づいて約15%と見なした。
【0108】
インクおよび薄膜の特性
スピンコーティング(800rpm/40秒)、続いて熱板上170℃で15分間のアニールを経由して薄膜を調製した。Rame-hartゴニオメーターの使用により接触角を測定した。Sensadyne張力計モデルC500Lの使用により表面エネルギーを測定した。金をHILの仕事関数を測定するための基準物質とするケルビンプローブの使用により仕事関数を測定した。
【0109】
共役ポリマー(本来的に導電性のポリマー、ICP)は、ポリ(3-(メチルオキシエトキシエトキシ)チオフェン-2,5-ジイル)のスルホン化により調製したスルホン化位置規則性ポリチオフェンとした。別途指示がない限り、本明細書に記載のすべての実施例はこのポリマーをICPとして使用した。
【0110】
酸当量は、スルホン化ポリマー1グラム当たり74.4mg NaOHと決定した。ポリマーの元素分析(CHS)をGalbraith Laboratories Inc.にて行い、CHS含有量をそれぞれ43.22重量%、3.37重量%および23.44重量%と決定した。C/S比に基づいて、スルホン化レベルを約83%と決定した。
【0111】
インク調合物を調製して、最終薄膜の表面特性に対するフッ素改質の影響を調査した。以下の表では重量百分率を示す。
HIL 1: ICP(導電性ポリマー)の水溶液(約0.49重量%)を、2007年7月13日出願のSeshadriらの米国特許出願第11/826,394号に記載のように調製した。この溶液(9.61g)を水(1.15g)と共にバイアルに加え、30分間攪拌した。水(4.24g)中10重量%分散液として購入したナフィオンを次に加え、徹底的に混合した。次に、溶液に0.45ミクロンPVDFシリンジフィルター(Millipore)を通過させた。
HIL 2: ICP(導電性ポリマー)の水溶液(約0.49重量%)を、2007年7月13日出願のSeshadriらの米国特許出願第11/826,394号に記載のように調製した。この溶液(9.18g)を水(0.42g)と共にバイアルに加え、30分間攪拌した。ポリ(4-ビニルフェノール)(0.26g)を2-ブトキシエタノール(5.15g)に溶解させ、ポリマーが完全に溶解するまで攪拌しながら加熱した。次に2つの溶液を一緒にし、徹底的に混合した。次に、溶液に0.45ミクロンPVDFシリンジフィルター(Millipore)を通過させた。
HIL3: P4VPhOHの代わりにP4VPhOH-PFMOを使用したことを除けばHIL 2と同じようにこの調合物を調製した。
【0112】
【表I】
【0113】
プレートを170℃で15分間アニールした。
【0114】
HIL 2からの薄膜をHIL 3からの薄膜と比較する上で、フッ素改質P4VPhOHが親P4VPhOhよりも著しく小さい表面エネルギーを有しかつナフィオン含有HILと同様であるということに留意すべきである。
【0115】
デバイスの調製および試験
OLEDデバイスの製作
以下に記載のデバイス製作は、例として意図されるものであり、前記の製作プロセス、デバイス構造(層の順序、数など)または材料に対する制限を決して含意するものではない。
【0116】
本明細書に記載のOLEDデバイスは、ガラス基板上に堆積した酸化インジウムスズ(ITO)表面上にて製作した。ITO表面を予めパターン形成して0.9cm
2の画素面積を確定した。希石鹸溶液、続いて蒸留水中で各20分間超音波処理することでデバイス基板を清浄化した。これに続いてイソプロパノール中で超音波処理を行った。基板を窒素流下で乾燥させた後、300Wで作動する紫外-オゾン室中で20分間処理した。
【0117】
次に、清浄化した基板を正孔注入層でコーティングし、170℃で15分間乾燥させた(乾燥膜厚60nm)。コーティングプロセスは、清浄な室内環境でのスピンコーター上で行ったが、スプレーコーティング、インク噴射、接触印刷、または所望の厚さのHIL薄膜を得ることが可能な任意の他の堆積方法によって同様に実現することができる。これに続いて不活性雰囲気中で発光ポリマー(LEP)層をスピンコーティングし、次にこれを170℃で15分間乾燥させた(乾燥膜厚75nm)。
【0118】
次に、基板を真空室に移して、そこで物理蒸着法により陰極層を堆積させた。この実施例では、2つの金属層、すなわちCa(またはBa)の5nm層である第1の層(0.1nm/秒)、続いてAlの200nm層(0.5nm/秒)を、5 x 10
-7Torrのベース圧力で順次堆積させることで、陰極層を調製した。
【0119】
このようにして得たデバイスをガラスカバースリップで封入して、4分間の80W/cm
2紫外線露光で硬化する紫外線硬化性エポキシ樹脂による周囲条件に対する露光を防止した。
【0120】
OLEDデバイス試験
OLEDはガラス基板上の画素を含み、画素の電極はデバイスの封入区域の外側に延伸しており、封入区域は画素の発光部分を含む。各画素の典型的な面積は0.09cm
2である。電極をKeithley 2400ソースメーターなどの電流ソースメーターと接触させ、アルミニウム電極を接地している間にバイアスを酸化インジウムスズ電極に印加する。これにより正に帯電した担体(正孔)および負に帯電した担体が得られ、これらは、励起子を形成しかつ光を発生させるデバイスに注入される。この実施例では、HILが、発光層に対する電荷担体の注入を支援する。これによりデバイスの低動作電圧(画素を通じて所与の電流密度を流すために必要な電圧として定義される)が得られる。
【0121】
同時に、別のKeithley 2400ソースメーターを使用して大面積ケイ素フォトダイオードをアドレスする。2400ソースメーターでこのフォトダイオードを0ボルトバイアスに維持する。それはOLED画素の点灯区域の直下にあるガラス基板の区域に直接接触して配置される。フォトダイオードはOLEDが発生させた光を収集してそれを光電流に変換し、これにより光電流をソースメーターで読み取る。発生したフォトダイオード電流は、PR-670 SpectraScan(登録商標)分光放射計の助けによりそれを較正することで、光学単位(カンデラ/平方メートル)として定量化される。
【0122】
デバイスの試験中に、OLED画素をアドレスするKeithley 2400がそれに電圧掃引を印加する。画素を通過する得られた電流を測定する。同時に、OLED画素を通過する電流により光の発生が得られ、次にこの光により、フォトダイオードに接続されるもう1つのKeithley 2400により光電流の読み取りが得られる。したがって、画素の電圧-電流-光またはIVLデータが生成される。これにより、画素に対する入力電力1ワット当たりのルーメンおよび画素電流1アンペア当たりのカンデラなどの他のデバイス特性の測定が可能になる。
【0123】
IVL試験を行った。データを
図3Aおよび3Bに示す。
【0124】
寿命試験
IVL試験が完了した時点で、画素がその初期照度の半分に到達するまで、大きい照度で照射されるように、画素を選択した。寿命を試験する対象の画素に直接Keithley 2400ソースメーターより電流を供給することで、初期輝度を決定した。供給される電流の推定量をIVLデータより決定する。PR-670 SpectraScan(登録商標)分光放射計を用いて初期輝度を測定した。所望の輝度を実現した時点で、画素の輝度を経時的に測定するフォトダイオードを含むクーポンホルダー内に画素を配置した。画素がその初期輝度の半分に減衰した後、それを寿命より除去した。データを
図4Aおよび4Bに示す。
【0125】
OPVデバイスの製作
先に記載のように、本発明の組成物をOPVデバイス中の電荷担体輸送層として使用することもできる。以下の実施例は本発明の少なくとも一態様の概要を示す。
【0126】
OPVデバイスでのP3MEETh-S + P4VPhOH-PFMO HILの実施例
石鹸溶液中で20分間超音波処理した後、水中で20分間超音波処理し、アセトン中で20分間超音波処理することでクラス10,000クリーンルーム中で清浄化した、酸化インジウムスズコーティング基板(Thin Film Devices)上に、デバイスを作製した。最後に、基板を紫外オゾン(300W)に10分間露光した。清浄化後、各基板をHILの約60nm厚の層でコーティングした。
【0127】
以下の表に概要を示す調合物に従って、2つの異なる正孔注入材料を製造した。
【0128】
基板の上で、比較例OPV-HIL-1を3000rpmで60秒間スピンさせた一方で、本発明の態様のうち1つの組成物を代表するOPV-HIL-2を1000rpmで60秒間スピンさせ、それによりHIL薄膜を形成した。混乱を制限する目的で、上記表のOPV-HIL-1およびOPV-HIL-2というラベルを、各組成物により形成される薄膜にまで拡張するということに留意されたい。言い換えれば、比較組成物OPV-HIL-1がHIL薄膜OPV-HIL-1を形成する一方で、組成物OPV-HIL-2はHIL薄膜OPV-HIL-2を形成する。次にHIL薄膜をN
2雰囲気中、熱板上170℃で15分間アニールした。
【0129】
次に、加工を続けるために基板をドライボックスに移した。次に、活性層を各HIL層上に、以下に列挙する2つのインク調合物のうち1つを用いて、窒素雰囲気中400rpmで200秒間スピンコーティングした。次にデバイスを窒素雰囲気中、熱板上175℃で30分間アニールした。この試験で使用したPVインクはPV1000およびPV2000 (Plextronics, Inc)であった。
【0130】
OPVデバイスの試験
白色露光(エアマス1.5グローバルフィルター)下でのデバイスの光起電力特性を、Keithley 2400ソースメーターと、100mW/cm2の出力強度を有するXeランプに基づくOriel 300Wソーラーシミュレーター(AM1.5G)とを備えたシステムを用いて測定した。NREL認証Si-KG5ケイ素フォトダイオードを用いて光強度を設定した。
【0131】
太陽電池の電力変換効率はη=(FF|Jsc|Voc)/Pinとして示され、FFは曲線因子(fill factor)であり、Jscは短絡電流密度であり、Vocは開回路光電圧であり、かつPinは入射光電力密度である。
【0132】
上記デバイスの得られるデバイス性能を以下の表に示す。
【0133】
上記表に示すように、意外にも、本発明の例示的組成物から形成したOPV-HIL-2正孔注入層を含むデバイスは、OPV-HIL-1正孔注入層を含む比較デバイスと非常に同様な様式で性能を発揮した。
【0134】
セクションII 疎水性ポリマーの実施例(アルキル改質)
ポリマーの合成および特徴づけ
ポリ(4-ビニルフェノール-co-ヘキシルオキシ-4-ビニルベンゼン)(P4VPhOH-Hex)の合成
8,000の平均M
wを有するポリ(4-ビニルフェノール)71.2gを清浄な丸底フラスコに装入した。無水ジメチルホルムアミドおよび炭酸カリウム(65.5g、0.474モル)を加えた。これを窒素ブランケット下、室温で1時間攪拌した。ヨウ化カリウム(1.12g、0.007モル)およびブロモヘキサン(33.5ml、0.24モル)を一度に加えた。反応液を窒素ブランケット下、60℃に68時間加熱した。反応液を室温に冷却した後、脱イオン水2Lに注いだ。混合物を濃HClの滴下により酸性化して淡褐色のタール状固体を形成した。水相をデカントし、廃棄した。タールを熱メタノール100mlに取り込み、激しく攪拌しながら脱イオン水2Lに滴下した。3400rpmで20分間の遠心分離および水性上澄み液のデカントにより、微粉状の淡褐色固体を単離した。脱イオン水と共に振盪し、3400rpmで20分間遠心分離することで固形分を洗浄した。固形分を濾取し、40〜50℃で48時間減圧乾燥させた。NMRはフェノールの27%がアルキル化されたことを示した。
【0135】
以下の表では、変動するヘキシル置換レベルを各々が有するHIL001〜HIL005としてポリマー調合物の概要を示す。
TS=全固形分
相対重量
【0136】
P4VPhOH 1.892gをブチルセロソルブ44.01gに溶解させることでHIL001を調製した。
【0137】
別の容器中で、ナフィオン溶液(Sigma Aldrichより購入)0.66g、PSS(ポリスチレンスルホネート、Sigma Aldrichより購入)0.367gおよび水14.727gを秤量し、一緒に混合した。ICP分散液(固形分0.459%)38.344gをこの第2の容器中に加え、よく混合した。次に2つの溶液を一緒にし、約30分間混合した。
【0138】
P4VPhOHをP4VPhOHの改質バージョンで代用することで、HIL001と同一の様式でHIL002〜HIL005を調製した。
【0139】
以下のようにスピンコーティングプロセスを用いて、これらのHILにより薄膜を作製した: HIL溶液約2mlを、0.45mu PVDFメンブレンフィルターを通じて紫外/オゾン化ガラス板上に注入した。ガラス板を最初に350rpmで3秒間、次に1600rpmで1分間スピンさせた。次に、HILでコーティングしたガラス板を170℃の熱板に移した。
【0140】
薄膜の特徴づけを行って、1. ヘキシル改質ポリ(4-ビニルフェノール)が表面エネルギーに影響を与えるか否かを見出し; 2. HIL調合物に対する添加剤が薄膜の表面エネルギーに対する変化を生じさせ得るか否かを見出し; 3. 接触角の測定に使用する溶媒の表面張力の低下が接触角を低下させ得るか否かを確認した。ヘキシル改質ポリ(4-ビニルフェノール)、およびいくつかの添加剤の包含が、より小さい接触角を与えたことが示された。薄膜をスピンさせ、接触角を、キシレン、および10% 1,3(トリフルオロメチル)ベンゼン(TFMB)液滴を有するキシレンに対して測定した。TFMBの添加は、キシレンの表面張力をわずかに低下させ、HIL薄膜上でのわずかに低下した接触角を与えた。
【0141】
3つのヘキシル置換レベルの効果を検査した(0%、14%、22%および26%)。結果は、HILの調製に用いるヘキシル置換量(いくつかの測定値の平均)が大きくなるほど、そのHIL上での接触角が小さくなることを示した。
【0142】
さらに、以下の表に示すように、ヘキシル置換レベルの増加により、効率に対する影響はわずかしか生じず、寿命に対する影響は生じない。
【0143】
ケイ酸ナトリウム溶液をHIL 005ベース調合物に加えた。HILにケイ酸ナトリウムを加えること(HIL 15mLに対して5滴)で、キシレンの使用により接触角が小さくなる薄膜が得られる。収集したデバイスデータ(以下の表を参照)は、ケイ酸ナトリウムの添加により効率(Cd/A)が減少することを示す。
【0144】
III 親水性スルホネートポリマーの実施例
ポリマーの合成および特徴づけ
ポリ(4-ビニルフェノール-co-スチリルオキシ-ω-プロパンスルホン酸)(P4VPhOH-SO3H)の合成
清浄な乾燥1L 3N RBFに無水N,N-ジメチルホルムアミド450mLをカニューレ注入した。Mn = 8000のポリ(4-ビニルフェノール)30gを加え、攪拌してポリマーを溶解させた。この溶液に無水炭酸カリウム17.28g(繰り返し単位のモル比で0.5当量)を加えた。この攪拌混合物にプロパンスルホン7.66gを加えた。反応混合物を50〜60℃に終夜(約14時間)加熱した。加熱を停止し、反応混合物を遠心分離して炭酸カリウム残渣を除去した。ロータリーエバポレーター上で上澄み液を290mLまで濃縮し、75:25(v/v)ヘキサン/クロロホルム1500mL中に析出した(あるいはアセトンとヘキサンとの混合物も使用可能である)。析出したポリマーを濾過し、それをヘキサン150mLで洗浄した。これ以上溶媒が出てこなくなるまで、漏斗上でポリマーを吸引乾燥させた。1L 1N RBFにポリマーを移し、3:7(v/v)クロロホルム:ヘキサン混合物500mL中で15分間還流させた。凝集体のない遊離ポリマー粒子について点検を行った。混合物を室温に冷却し、溶液を濾過した。ほぼ定量的な収率。ポリマーをヘキサン150mLで洗浄し、室温で48時間減圧乾燥させた。次に、乾燥ポリマーを脱イオン水(約5〜7重量%とするために十分な)に、わずかに加熱しながら溶解させた。次に、ポリマー溶液にAmberlite IR 120(H
+型イオン交換樹脂)を通過させて、ポリマーの酸形態を得た。得られたポリマー溶液は酸性であった。
【0145】
HIL調合物番号1〜8を、さらなる粘度および表面張力の試験用に以下のように調製した。
*P2E20はSigma Aldrichより購入したポリ(2-エチル-2-オキサゾリン)である。
【0146】
P4VPhOHを使用する場合、水のみ、または水および高表面張力溶媒を使用して調合物を作製する際に困難を伴うことがある。したがって、表面張力を劇的に低下させることができるブチルセロソルブなどを使用しなければならないことがある。P4VPhOh-PrSO
3Hの場合は、水、または水およびグリセリンなどの高表面張力溶媒を使用することができる。
【0147】
HIL 4(上記表の調合物4番)100gを作製するために、グリセリン30.7gをガラスびんに最初に秤量した。同一のびんに水0.8gを加え、びんを数回振盪して2つの溶媒を一緒に混合した。次に、10%ナフィオン溶液0.6gおよび18% PSS溶液0.4gを加え、びんを数回振盪して全成分を混合した。5%スルホン化ポリ(4-ビニルフェノール)溶液38.7gを加え、びんを数回振盪した。最後に、ICP分散液28.8gを加え、びんを数回振盪した。磁気攪拌子をびんに加え、マグネチックスターラー上にびんを配置し、HILを約30分間攪拌した。0.45um PVDF使い捨てフィルターを通じてHILを濾過した。1時間以内に表面張力および粘度を測定し、粘度試料保持皿を析出について検査した。試料の安定性を頻繁に点検し、任意の析出、黒点または相分離が生じたか否かを記した。
1. 表面張力はSensaDyneモデルPC500-L張力計により測定した。
2. 粘度はBrookfield DV-II Pro粘度計により測定した。
3. インクジェット印刷適性はDimatix DMP-2800インクジェットプリンタにより測定した。
【0148】
より高い表面張力のHILのインクジェット噴射は、HILインクが画素バンクから溢れて、欠陥および薄膜形成不良を引き起こすということを防ぐ。
【0149】
IV. アルキレンオキシの実施例
ジエチレングリコールモノトシレートの合成
清浄な乾燥500mL 1N RBFにジエチレングリコール35g、続いてピリジン53mLを加えた。溶液を氷浴中で0〜5℃に冷却し、p-トルエンスルホニルクロリド31.5gを5分間かけて少しずつ加えた。氷浴を除去し、溶液が室温に達することを可能にし、反応を終夜続けた。反応中に、溶液は最初に混濁した後、クリアになった。反応混合物を脱イオン水550mLに加え、1時間攪拌した。白色固形分を濾去し、これはジトシレートであることがわかった。濾液を濃塩酸(約60mL)で中和し、tert-ブチルメチルエーテル2 X 250mL中に抽出した。エーテル層を飽和炭酸水素ナトリウム溶液2 X 200mLおよび水1 X 200mLでさらに洗浄した。エーテル層を無水MgSO
4で乾燥させ、濾過し、ロータリーエバポレーター上で濃縮乾固した。任意の過剰な上記ピリジン繰り返しが存在する場合は、1N HCl、次に水で洗浄する。モノトシレートをクリアな粘稠液体(10g)として得た。TLCおよび
1H NMR(
図5)は、さらに精製せずにさらなる反応に使用した清浄な化合物を示している。
【0150】
ポリ(4-ビニルフェノール-co-ヒドロキシエトキシエトキシ-4-ビニルベンゼン)(P4VPhOH-EEOH)の合成
清浄な乾燥250mL 2N RBFにポリ(4-ビニルフェノール)2.2gを加えた後、無水N,N-ジメチルホルムアミド280mLをカニューレ注入し、攪拌してポリマーを溶解させた。この溶液に水素化ナトリウム粉末0.46g(繰り返し単位のモル比で1.05当量)を一度に加え、室温で1時間攪拌した。この懸濁液に、無水DMF 10mLに溶解したジエチレングリコールモノトシレート5.8gを加えた。反応混合物を60〜65℃に56時間加熱した。溶液を冷却した後、(4:1 v/v)ヘキサン-クロロホルム混合物600mL中に2つのロットで析出させた。固形分を濾過し、ヘキサンで洗浄した。ゴム状固体をイソプロパノール40mLに溶解させ、濃HCl 2mLで酸性化したメタノール40mLで希釈した。ポリマーを水250mL中に析出させ、濾過し、水で洗浄した。続いてポリマーを室温で減圧乾燥させた。
1H-NMRは約20%の置換を示した。あるいは、水素化ナトリウムを無水炭酸カリウムで代用してフェノールを脱プロトン化することもできる。
1H NMRデータを
図6に示す。部分置換ポリ(4-ビニルフェノール)に対して上記反応を繰り返すことで、より大きい百分率のエチレングリコールを得た。
【0151】
さらなる調合物、デバイスおよび試験結果を以下の表に示す。