(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0013】
<撮影画像による肌状態>
まず、撮影画像による肌状態について説明する。
図1は、撮影画像による肌状態を示す図である。
図1(A)は、健康肌の肌状態を示し、
図1(B)は、毛穴肌の肌状態を示し、
図1(C)は、乾燥肌の肌状態を示している。
【0014】
図1(A)に示すように、健康肌は、皮溝が細く連続的であり、皮丘となる三角形が小さく均一であり、一つひとつが立体的にふっくらした状態となっている。また、
図1(B)に示すように、毛穴肌は、毛穴が目立っている状態であり、毛穴の直径が広く深い。また、
図1(C)に示すように、乾燥肌は、皮溝のパターンは整った肌と同様であるが、皮溝が非常に浅く細いため紋様が形成されない部分があり、皮丘の形状が平面的で全体的に薄皮に見える状態となっている。
【0015】
<シミュレーション装置:ブロック構成例>
次に、上述した肌状態を生成する本実施形態に係るシミュレーション装置について説明する。
図2は、本実施形態に係るシミュレーション装置のブロック図である。
【0016】
図2に示すように、シミュレーション装置100は、毛穴生成手段10と、領域分割手段20と、皮丘皮溝決定手段30と、ポリゴン生成手段40と、パラメータ記録手段50と、シミュレーション画像生成手段60とを有するように構成されている。
【0017】
毛穴生成手段10は、予め設定された皮膚領域に、所定の分布で配置される複数の毛穴を生成する。毛穴生成手段10は、例えば皮膚領域に毛穴を格子状に配置するよう生成する場合、生成した各々の毛穴の中心座標値に所定の乱数を加算することで、毛穴の配置に乱雑性を加える。
【0018】
また、毛穴生成手段10は、生成した毛穴の半径、深さ等に対して所定の乱数を加算することで乱雑性を加えることもできる。なお、毛穴生成手段10によって毛穴の形状を調節する際に用いられる毛穴の半径、深さ、配置に対して加算する所定の乱数値等のパラメータは、予め肌状態、所定の毛穴の形状等に応じてパラメータ記録手段50に記録させておく。
【0019】
領域分割手段20は、毛穴生成手段10により生成された複数の毛穴のうち、隣接する毛穴の中心点を連結させて、皮膚領域を分割する。領域分割手段20は、例えばDelaunay三角メッシュアルゴリズム等を用いて、複数の毛穴のうち、隣接する3つの毛穴を連結することで得られる三角形領域により、皮膚領域を分割する。なお、本実施形態においては、三角形に限定されるものではなく、多種類の肌状態を表すために例えば四角形等に分割しても良い。
【0020】
ここで、領域分割手段20の分割によって形成された例えば皮膚領域の三角形は、各辺を皮溝とし、各辺に囲まれた三角形の一つひとつを皮丘とする。皮溝は、毛穴間を結ぶ線分により形成される。
【0021】
皮丘皮溝決定手段30は、領域分割手段20により得られた皮丘および皮溝の形状を具体的に決定する。皮丘皮溝決定手段30は、例えば皮丘の高さを所定の乱数により設定し、皮溝の幅、皮溝の深さを所定の乱数により設定する。なお、皮丘皮溝決定手段30によって皮丘、皮溝の形状を調節する際に用いられる皮丘の高さ、皮溝の幅、皮溝の深さに対して加算する所定の乱数の値等のパラメータは、予め肌状態、所定の皮溝、皮丘の形状等に応じてパラメータ記録手段50に記録させておく。
【0022】
ポリゴン生成手段40は、毛穴生成手段10により生成された毛穴、また皮丘皮溝決定手段30により決定された皮丘、皮溝の各形状を、更に細かい三角形群であるポリゴンに分割する。
【0023】
例えば、ポリゴン生成手段40は、毛穴生成手段10により生成された毛穴の内部の中心位置に頂点を生成し、毛穴の外周上に所定間隔で頂点を生成する。また、ポリゴン生成手段40は、毛穴の外周よりも内側に、毛穴の深さと半径に基づいて同心円を生成し、同心円上に所定間隔で頂点を生成しても良い。
【0024】
また、例えば、ポリゴン生成手段40は、皮丘皮溝決定手段30により決定された皮溝上に所定間隔で頂点を生成する。ここで、ポリゴン生成手段40は、毛穴の外周から所定間隔おいて、皮溝上に頂点を生成すると良い。
【0025】
また、例えば、ポリゴン生成手段40は、皮丘皮溝決定手段30により決定された皮丘内に所定間隔で頂点を生成する。ここで、ポリゴン生成手段40は、毛穴の外周、及び皮溝から所定間隔をおいて、皮丘内に頂点を生成し、例えば皮丘の三角形の重心が一番高くなる部分に頂点を生成すると良い。
【0026】
ポリゴン生成手段40は、上述のように生成された毛穴の頂点、皮溝上の頂点、皮丘上の頂点を、Delaunay三角メッシュアルゴリズム等を用いて連結して、皮膚領域上で毛穴、皮溝、皮丘の形状を更に細かい三角群(ポリゴン)に分割する。
【0027】
パラメータ記録手段50は、多種類の肌状態に応じて設定された毛穴の形状を表す半径、深さ、開口部形状、毛穴の配置を決定する間隔、乱雑さ等のパラメータ、皮丘の形状を表す高さ、乱雑さ等のパラメータ、及び皮溝の形状を表す深さ、幅、乱雑さ等のパラメータを記録する。また、パラメータ記録手段50は、毛穴の形状、皮丘の形状、皮溝の形状、流れ等を変化させるためのパラメータを記録する。
【0028】
シミュレーション画像生成手段60は、ポリゴン生成手段40により得られるポリゴンの形状により得られるパラメータ情報により、肌に関する所定のシミュレーション画像を生成する。
【0029】
<シミュレーション装置:ハードウェア構成例>
図3は、シミュレーション装置を実現する一例のハードウェア構成図である。
図3のシミュレーション装置100は、それぞれバスBで相互に接続されている入力装置71と、出力装置72と、ドライブ装置73と、補助記憶装置74と、メモリ装置75と、演算処理装置76と、ネットワーク接続装置77と、記録媒体78とを有するように構成される。なお、
図3のシミュレーション装置100を構成する各種デバイスは1つの筐体に収容してもよいし、複数の筐体に分散して収容してもよい。
【0030】
入力装置71は、キーボード、マウス等で構成され、様々な操作指示を入力するために用いられる。出力装置72は、ディスプレイ等で構成され、操作に必要な各種ウインドウやデータ等を表示する。また、ネットワーク接続装置77により、シミュレーション装置100は、パーソナルコンピュータ(PC)等に接続可能である。
【0031】
シュレーション装置100を制御するプログラムは、CD−ROM等の記録媒体78によって提供される。記録媒体78は、ドライブ装置73にセットされ、プログラムが記録媒体78からドライブ装置73を介して補助記憶装置74にインストールされる。なお、プログラムを記録した記録媒体79は、CD−ROM、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(MO)等のように情報を光学的、電気的或いは磁気的に記録する記録媒体、又はROM、フラッシュメモリ等のように情報を電気的に記録する半導体メモリ等、様々なタイプの記録媒体を用いることが可能である。
【0032】
また、プログラムはネットワーク接続装置77を介して接続される他のコンピュータの記録媒体等に記録されているものも含まれる。他のコンピュータの記録媒体等に記録されているプログラムは、ネットワークを介してダウンロードされて補助記憶装置74にインストールされる。補助記憶装置74は、インストールされたプログラムと、そのプログラムの処理に必要な各種ファイル等を格納する。
【0033】
メモリ装置75は、補助記憶装置74からプログラムを読み出して格納する。演算処理装置76は、メモリ装置75に格納されたプログラムに従ってシミュレーション装置100の各種プロセス又は手段を実現する。
【0034】
<本実施形態によるシミュレーション方法>
図4は、本実施形態によるシミュレーション方法の工程を示すフローチャートである。
図4に示すように、毛穴生成手段10は、予め設定した皮膚領域に、例えば格子状の毛穴を生成し(S10)、領域分割手段20は、毛穴生成手段10により生成された毛穴の中心点どうしを連結して、皮膚領域を分割する(S11)。
【0035】
次に、皮丘皮溝決定手段30は、S11の処理において皮膚領域の分割により形成された皮丘、皮溝の形状を決定する(S12)。ここで、毛穴、皮丘、皮溝は、S10〜S11の処理を順序通り行うことにより形成される。なお、S10〜S11の処理の具体例については後述する。
【0036】
次に、ポリゴン生成手段40は、S10〜S12の処理により形成された毛穴、皮丘、皮溝の各形状を立体的に表現するため、更に細かい三角形群(ポリゴン)に分割する三角ポリゴンを生成する(S13)。なお、S13の処理の具体例については後述する。
【0037】
次に、S10〜S13までの処理によって、所定の肌画像を形成するために決定されたパラメータを用いて、シミュレーション画像生成手段60は、健康肌、毛穴肌、乾燥肌等の所定の肌状態を表す肌画像を生成し、生成した肌シミュレーション画像等を画面上に表示する(S14)。
【0038】
このとき、例えばユーザは、画面に表示された肌画像を見ながら、上述した毛穴生成手段10、皮丘皮溝決定手段30等の手段により、パラメータの一部又は全部を変更して肌画像を表示し、所望の肌画像を取得することが可能である。
【0039】
また、S14の処理により得られた肌画像に対応する各種パラメータは、その後パラメータ記録手段50に蓄積される(S15)。これにより、次回以降、肌画像を生成する場合には、パラメータ記録手段50に蓄積されているパラメータ、健康肌、毛穴肌、乾燥肌等の目的とする所定の肌画像に対応したパラメータを選択して、肌画像を表示させることが可能となる。
【0040】
また、本実施形態では上述した処理を複数回行うことにより、パラメータ記録手段50に記録される複数のパラメータを解析することで、健康肌、毛穴肌、乾燥肌等の肌状態の解析や肌の質感に関する評価等にも利用することが可能となる。
【0041】
<パターン生成処理>
次に、上述した工程におけるS11〜S12の処理によって生成されるパターンについて説明する。
図5は、パターン生成処理の手順を説明するための図である。
【0042】
図5に示すように、毛穴生成手段10は、上述したS10の処理において、予め設定した皮膚領域に、格子状に配列された毛穴を生成する。ここで、毛穴生成手段10は、
図5に示す整列した正三角形の集合を構成するパターンにより毛穴を生成することができる。
【0043】
また、毛穴生成手段10は、生成した毛穴の半径、深さ、位置(配置)に対して所定の乱数を加算することで乱雑性を加える。例えば、毛穴生成手段10は、生成した各々の毛穴の中心座標値に所定の乱数を加算することで、毛穴の配置に乱雑性を加えることができる。なお、毛穴生成手段10が、毛穴の半径、深さ、配置に対して加算する所定の乱数の値の具体例については後述する。
【0044】
次に、領域分割手段20は、例えばDelaunay三角メッシュアルゴリズム等を用いて、毛穴生成手段10により生成された毛穴の中心点を連結するパターンを生成することにより、皮膚領域を三角形の集合に分割する。
図5に示すように、形成された皮膚領域の三角形は、各辺を皮溝とし、各辺に囲まれた三角形の一つひとつを皮丘とする。皮溝は、毛穴間を結ぶ線分により形成される。
【0045】
次に、皮丘皮溝決定手段30は、形成された皮丘および皮溝の形状を決定する。皮丘皮溝決定手段30は、例えば皮丘の高さを所定の乱数により設定し、皮溝の幅、皮溝の深さを所定の乱数により設定する。なお、皮丘皮溝決定手段30が、皮丘の高さ、皮溝の幅、皮溝の深さに対して加算する所定の乱数の値の具体例については後述する。
【0046】
<肌状態を変化させるパラメータ>
ここで、肌状態を変化させるパラメータについて説明する。
図6は、肌状態ごとに調節されるパラメータを示す図である。また、
図7は、
図6に示したパラメータ以外の調節可能なパラメータを示す図である。
【0047】
図6に示すように、例えば「健康肌」、「毛穴肌」、「乾燥肌」等の肌状態に対して、例えば「毛穴の平均半径」、「皮丘高さの最大値」等のパラメータを設定することで、所定の肌状態を生成する。
【0048】
例えば「健康肌」に対しては、例えば「毛穴の平均半径」を「0.05」、「皮丘高さの最大値」を「0.05」とし、「毛穴肌」に対しては、例えば「毛穴の平均半径」を「0.1」、「皮丘高さの最大値」を「0.05」とし、「乾燥肌」に対しては、例えば「毛穴の平均半径」を「0.05」、「皮丘高さの最大値」を「0.01」とする。
【0049】
このように、肌状態に応じて、「毛穴の平均半径」、「皮丘高さの最大値」等のパラメータを設定しておくことで、シミュレーション画像生成手段60は、所定の肌状態を表現することが可能となる。
【0050】
また、
図7に示すように、
図6に示したパラメータ以外にも、例えば毛穴生成手段10によって用いられるパラメータ「毛穴の平均間隔」、「毛穴位置の乱雑さ」、「毛穴半径の乱雑さ」等、また、例えば皮丘皮溝決定手段30によって用いられるパラメータ「皮丘高さの乱雑さ」、「皮溝深さの最大値」、「皮溝深さの乱雑さ」、「皮溝の幅」等を調節可能なパラメータとして設定することができる。
【0051】
これにより、毛穴生成手段10によって例えば「毛穴の平均間隔」を「0.5」、「毛穴位置の乱雑さ」を「0.3」、「毛穴半径の乱雑さ」を「0.1」等としてパラメータを調節することにより、毛穴の配置、毛穴の形状を変化させることが可能である。
【0052】
同様に、皮丘皮溝決定手段30によって例えば「皮丘高さの乱雑さ」を「0.05」、「皮溝深さの最大値」を「0.01」、「皮溝深さの乱雑さ」を「0」、「皮溝の幅」を「0.1」等としてパラメータを調節することにより、皮丘、皮溝の形状を変化させることが可能となる。
【0053】
なお、上述した各パラメータの単位は、例えばミリメートルとする。特に「皮丘高さの乱雑さ」や「皮溝深さの乱雑さ」においては「乱雑さをa」とすると、各パラメータの平均的な値に対してaミリメートルの範囲内で乱数的に値が変化することを意味するため、単位はミリメートルとなる。
【0054】
上述したように、本実施形態によれば、肌形状を構成する毛穴、皮丘、皮溝の形状を変化させるパラメータを設定することで、毛穴の配置、形状、皮溝、皮丘の形状を変化させて、様々な肌状態を表現することが可能となる。なお、上述したパラメータの種類や数値は、本発明においてはこれに限定されず、また複数のパラメータのうちの複数を組み合わせて新たなパラメータとして適用させても良い。
【0055】
<毛穴、皮丘、皮溝を生成したときのシミュレーション画像>
ここで、
図8は、毛穴、皮丘、皮溝を生成したときのシミュレーション画像を示す図である。
図8に示すように、上述した工程におけるS10〜S12の処理によって生成された毛穴、皮丘、皮溝のパターンがシミュレーション画像によって表されている。
【0056】
例えば、上述した
図5に示された格子状の毛穴は、ランダムに配置されている。また、
図5に示す同一形状の毛穴は、毛穴の半径サイズが異なり、大小様々な形状の毛穴が表されている。同様に、皮丘の形状は、様々な形状の三角形によって表され、皮溝も線の太さによって様々な幅の皮溝が表されている。
【0057】
<ポリゴン生成処理>
次に、上述した工程におけるS13の処理によって生成されるポリゴンについて説明する。
図9は、ポリゴンを構成する頂点を生成する処理について説明するための図である。
【0058】
図9に示すように、ポリゴン生成手段40は、S11〜S12の処理によって生成されたパターンを、更に細かい三角形群(ポリゴン)に分割することによって、毛穴、皮丘、皮溝の各形状を立体的に表現する。
【0059】
まず、ポリゴン生成手段40は、毛穴に対しては、毛穴の中心位置に頂点を生成して、毛穴の内部に毛穴の深さと半径から層となる同心円を生成し、生成した同心円の層に所定間隔の頂点を生成する。また、皮丘に対しては、皮丘の内部に一様に、かつ三角形の重心が一番高くなるように頂点を生成する。また、皮溝に対しては、皮溝上に深さに沿って所定間隔に頂点を生成する。
【0060】
次に、ポリゴン生成手段40は、毛穴、皮丘、皮溝上に生成した頂点をDelaunay三角メッシュアルゴリズムで連結することで、毛穴、皮丘、皮溝のパターンを更に細かい三角群(ポリゴン)に分割して、ポリゴンを生成する。
【0061】
<毛穴、皮溝上、皮丘内部の頂点の生成処理>
ここで、上述した毛穴、皮溝、皮丘の頂点の生成処理について、更に詳細に説明する。
図10は、毛穴、皮溝上、及び皮丘の内部に頂点を生成する処理を説明するための図である。S13の処理では、毛穴、皮溝上、皮丘内部に頂点を生成し、最後に生成した頂点の連結を行う。なお、毛穴、皮溝上、皮丘内部に頂点を生成する処理はいずれの処理から行っても良い。
【0062】
図10に示すように、ポリゴン生成手段40は、まず毛穴の中心位置に、矢印Aに示す頂点を生成し、次に毛穴外周上に、所定間隔で頂点を作成する。
【0063】
ここで、毛穴が三角ポリゴンの解像度に比べて大きい場合、例えばユーザによって与えられた「毛穴の平均半径」の値が、ユーザによって与えられた「三角ポリゴンの1辺の長さの値」に比べて1.0倍を超える場合には、上述したように、毛穴外周よりも内側に、毛穴の深さと半径に基づいて同心円を生成する。
【0064】
例えば、毛穴半径をrとし、三角ポリゴンの1辺の長さの値をeとしたとき、毛穴の半径の分割数は、n=[r/e]+1(但し、[x]はxの小数点以下を切り捨てた整数)となり、半径ir/nの同心円を生成する(但し、iは1から(n−1)までの整数とする)。
【0065】
次に、ポリゴン生成手段40は、毛穴外周よりも内側に生成した同心円上に所定間隔で頂点を生成する。これにより、毛穴の内部に層を生成する。
【0066】
また、ポリゴン生成手段40は、皮溝上に深さに沿って所定間隔で頂点を作成する。例えば皮溝の最大深さをdmaxとし、皮溝深さの乱雑さをdrandomとしたとき、区間[0,dramdom]の間で生成された乱数をdmaxから減算した値が深さとなる。なお、ポリゴン生成手段40は、矢印Bに示すように毛穴外周から所定間隔おいて皮溝上に頂点を生成すると良い。
【0067】
また、ポリゴン生成手段40は、皮丘内部に一定間隔で頂点を作成する。ここで、ポリゴン生成手段40は、矢印Cに示すように毛穴外周、及び皮溝から所定間隔をおいて皮丘内に頂点を生成し、また、上述したように皮丘の三角形の重心が一番高くなる部分に頂点を生成する。
【0068】
<三角ポリゴン生成結果>
図11は、三角ポリゴン生成結果を示す図である。
図11に示すように、ポリゴン生成手段40は、S13の工程により生成した毛穴の頂点、皮溝上の頂点、皮丘上の頂点を、Delaunay三角メッシュアルゴリズム等を用いて連結して、皮膚領域上で毛穴、皮溝、皮丘の形状を更に細かい三角群(ポリゴン)に分割する。これにより、毛穴、皮丘、皮溝の各形状を立体的に表現することが可能となる。
【0069】
<毛穴、皮溝、皮丘の形状を変化させるパラメータの一例>
ここで、
図12を用いて、毛穴、皮溝、皮丘の形状を変化させるパラメータの一例について説明する。
図12は、毛穴、皮溝、皮丘の各形状を変化させるパラメータの一例を示す図である。
【0070】
図12(A)に示すように、毛穴の形状を変化させるパラメータとして、例えば毛穴の凹部の形状が丸型又は放物線を逆さにしたような形状に変化させるパラメータを設定しておく。また、
図12(B)に示すように、毛穴の開口部の形状が、円形のみならず、例えば一方向に引き伸ばしたような形状(例えば楕円型等の長軸と短軸とを持つ円形)に変化させるパラメータを設定しておく。
【0071】
また、
図12(C)に示すように、皮溝の幅に対するランダムさを表現するためのパラメータとして、例えば皮溝の幅を、細い幅、太い幅等、段階的に幅の太さを変化させる複数の幅の皮溝のパラメータを設定しても良い。
【0072】
また、
図12(D)に示すように、皮溝の流れを変化させるパラメータとして、例えば左右それぞれの方向に引き伸ばしたように皮溝の流れを変化させるパラメータを設定しておく。このように、皮溝の流れを変化させるパラメータを設定しておくことにより、例えば鼻から頬下に向かう頬の筋肉の流れを表すことが可能となる。
【0073】
また、
図12(E)に示すように、皮丘の形状を変化させるパラメータとして、例えば皮丘の膨らみの形状を、様々な山形の形状、台形等に変化をさせるパラメータを設定しておく。また、
図12(F)に示すように、皮丘の内部の形状に、微細な凹凸を加えるためのパラメータを設定しておく。
【0074】
上述したように、肌形状を構成する毛穴、皮溝、皮丘の形状を変化させるパラメータを設定しておくことで、様々な肌状態を生成することが可能となる。これにより、例えば顔の所定の部位における肌状態を表すことも可能となる。
【0075】
<ソフトウェア画面例>
次に、シミュレーション装置100の画面上で表示されるソフトウェア画面について説明する。
図13は、シミュレーション装置の画面上で表示されるソフトウェア画面を示す図である。
【0076】
図13に示すように、ソフトウェア画面80には、上述した手段によって予め設定されたパラメータ等を用いて生成される肌形状が表示される。例えばソフトウェア画面80の左側部分には、「毛穴半径の乱雑さ(Radius)」、「毛穴位置の乱雑さ(Position)」、「皮溝深さの方向依存性(Angle)」、「ポリゴンのサイズ(Polygon)」等を設定するためのパラメータ設定ボタンを備えている。
【0077】
また、ソフトウェア画面80の左側部分には、生成した肌形状を保存するためのファイル保存ボタン、視点設定及び表示設定ボタン等が備えられている。例えば、表示設定ボタンによって、毛穴及び皮溝のパターンのみの表示、ワイヤフレームによる形状表示、シェーディングによる形状表示に切り換えることが可能である。
【0078】
なお、上述したソフトウェア画面80において設定できるパラメータは、例えば(1)毛穴の平均間隔、(2)毛穴の平均半径、(3)毛穴の平均深さ、(4)毛穴半径の乱雑さ、(5)毛穴位置の乱雑さ、(6)毛穴深さの乱雑さ、(7)皮溝深さの方向依存性、(8)皮溝深さの最大値、(9)皮溝深さの乱雑さ、(10)皮丘高さの最大値、(11)皮丘高さの乱雑さ、(12)ポリゴンサイズ(三角形1辺の長さの目安)等である。
【0079】
ここで、上記(7)皮溝深さの方向依存性のパラメータは、どの方向にも一定の深さで皮溝を生成するか、ある方向の皮溝のみを深く生成するかを調節するパラメータであり、区間[0,1]の実数で与える。例えば、ある皮溝の深さをa、この皮溝の方向ベクトルをv、最も深い皮溝をつくる方向ベクトルをV、皮溝深さの方向依存性をqとする。このとき方向依存性を考慮して再算出した皮溝の深さa'を、a'=a−aqcos(vV)で求める。なお、cos(vV)は、vとVのなす角の余弦である。
【0080】
本実施形態によれば、このような画面インターフェース等を用いることによりユーザの利便性を向上させ、簡単に多種の肌形状画像を取得することができる。
【0081】
<肌形状のシミュレーション画像例>
次に、ソフトウェア画面80上に表示される肌形状のシミュレーション画像の一例について説明する。
図14は、本実施形態により生成された肌形状のシミュレーション画像の一例を示す図である。
【0082】
本実施形態では、上述したシミュレーション装置100を用いて、以下に示すような多種の肌状態を生成することが可能である。
【0083】
例えば、
図14(A)(B)は、整った肌である健康肌を生成した例であり、
図14(C)(D)は、毛穴肌を生成した例であり、
図14(E)(F)は、乾燥肌を生成した例を示している。なお、
図14(B)、
図14(D)、
図14(F)は、それぞれ生成した肌状態をカラーによって示したものである。
【0084】
図14(A)(B)に示すように、整った肌である健康肌は、皮溝が連続して、皮丘を形成している三角形が小さく、形が均一となるよう生成されている。
【0085】
また、
図14(C)(D)に示すように、毛穴肌は、例えば毛穴のパラメータを大きくすることにより、毛穴が大きく目立つように生成されている。
【0086】
また、
図14(E)(F)に示すように、乾燥肌は、例えば皮溝及び皮丘の高さのパラメータを小さくすることにより、皮溝が浅くなるよう生成されている。
【0087】
<肌形状のシミュレーション画像のその他の表示例>
次に、
図15は、ワイヤフレーム表示、シェーディング表示等を示す図である。シミュレーション装置100を用いることにより、更に次のような肌状態を生成することが可能である。
【0088】
例えば、
図15(A)は、肌形状のワイヤフレーム表示の一例であり、
図15(B)は、肌形状のシェーディング表示の一例を示したものであり、
図15(C)は、角度を変えたシェーディング表示の一例を示したものである。
【0089】
上述したように、本実施形態により生成されたパラメータを用いて、ユーザは容易に、かつ低コストで、肌形状を自由に変化させ、多種類の肌状態を生成することが可能となる。また、パラメータを用いているため、顔全体の肌形状を一度に生成することができ、一部の形状の画像をつなぎ合わせる等を行う必要がないため、違和感のないシミュレーション画像を生成することが可能となる。
【0090】
また、質感等の印象を表す形容詞等に対応するパラメータを用いて、肌形状をコンピュータ上で再現し、その印象を分析するという用途にも適用させることが可能となる。また、多種類の肌状態の画像を容易に生成することにより、肌の質感に対する影響を分析することも可能となる。
【0091】
なお、本実施形態において得られるシミュレーション画像の種類は、本発明においては上述した内容に限定されず、上述したパラメータを1つ又は複数組み合わせて、多種類の肌状態を表す画像を生成することが可能となる。
【0092】
以上、本発明者によってなされた発明を好適な実施例に基づき具体的に説明したが、本
発明は上記実施例で説明したものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲
で種々変更可能である。