(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5691341
(24)【登録日】2015年2月13日
(45)【発行日】2015年4月1日
(54)【発明の名称】放射線撮影装置および画像再生装置
(51)【国際特許分類】
A61B 6/00 20060101AFI20150312BHJP
A61B 5/00 20060101ALI20150312BHJP
G06Q 50/24 20120101ALI20150312BHJP
G06T 1/00 20060101ALI20150312BHJP
【FI】
A61B6/00 360Z
A61B5/00 D
A61B6/00 320R
G06Q50/24 140
G06T1/00 200B
【請求項の数】13
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2010-212357(P2010-212357)
(22)【出願日】2010年9月22日
(65)【公開番号】特開2012-65792(P2012-65792A)
(43)【公開日】2012年4月5日
【審査請求日】2012年11月29日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100093056
【弁理士】
【氏名又は名称】杉谷 勉
(72)【発明者】
【氏名】藤原 雅志
(72)【発明者】
【氏名】ミッシェル ダージス
【審査官】
遠藤 孝徳
(56)【参考文献】
【文献】
特開2007−44239(JP,A)
【文献】
特開2000−116606(JP,A)
【文献】
特開2008−61817(JP,A)
【文献】
特開2007−159599(JP,A)
【文献】
特開2006−74703(JP,A)
【文献】
特開2006−92132(JP,A)
【文献】
特開2008−284090(JP,A)
【文献】
特開2010−172444(JP,A)
【文献】
特開2008−237369(JP,A)
【文献】
特開2008−212341(JP,A)
【文献】
特開2002−231497(JP,A)
【文献】
特許第3298445(JP,B2)
【文献】
特開平8−164132(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00 − 6/14
A61B 5/00
G06Q 50/22 − 50/24
G06T 1/00
H05G 1/00 − 1/70
JSTPlus(JDreamIII)
JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線を照射する放射線源と、
放射線を検出する放射線検出手段と、
前記放射線源と前記放射線検出手段とを統括制御する統括制御手段と、
前記放射線検出手段から出力される検出データを組み立てて透視画像を生成する画像生成手段と、
前記透視画像を基に画像データを生成する画像データ生成手段と、
前記画像データを生成された順に連結させて連結ファイルを生成するデータ連結手段と、
前記連結ファイルを記憶するファイル記憶手段とを備え、
前記画像データ生成手段は、前記画像データを生成する度に、前記統括制御手段より前記画像データの基になる透視画像に対応する撮影に関する情報を取得してこれを前記画像データに付加することを特徴とする放射線撮影装置。
【請求項2】
請求項1に記載の放射線撮影装置において、
前記画像データ生成手段が取得する画像の撮影に関する情報は、放射線源の制御に関する情報であることを特徴とする放射線撮影装置。
【請求項3】
請求項2に記載の放射線撮影装置において、
前記放射線源は、放射線を照射している照射状態と放射線を照射していない休止状態とを交互に繰り返し、放射線が照射されるたびに画像データが生成される構成となっており、
前記画像データ生成手段が取得する画像の撮影に関する情報は、画像が生成された時点における、
(A)放射線源が照射状態であった時間を示す情報(B)放射線源が休止状態であった時間を示す情報(C)放射線源の動作電圧を示す情報(D)放射線源の動作電流を示す情報(E)時系列順に並んだ画像が取得された間隔を示すフレームレートの少なくともいずれかを含んでいることを特徴とする放射線撮影装置。
【請求項4】
請求項1に記載の放射線撮影装置において、放射線撮影装置は、
(P)移動する移動部材と、
(Q)前記移動部材の位置を変更させる部材移動手段とを備え、
前記部材移動手段は、前記統括制御手段に制御され、
(R)前記統括制御手段は、前記移動部材の位置の変更を示す情報を画像の撮影に関する情報として前記画像データ生成手段に送出することを特徴とする放射線撮影装置。
【請求項5】
請求項4に記載の放射線撮影装置において、
(P1)前記移動部材は、前記放射線源と、前記放射線検出手段とに挟まれる位置に設けられた天板であり、
(Q1)前記部材移動手段は、前記天板の前記放射線源に対する位置を変更させる天板移動手段であり、
(R1)前記統括制御手段は、前記天板の位置の変更を示す情報を画像の撮影に関する情報として前記画像データ生成手段に送出することを特徴とする放射線撮影装置。
【請求項6】
請求項4に記載の放射線撮影装置において、
(P2)前記移動部材は、前記放射線源から照射された放射線をコリメートするコリメータであり、
(Q2)前記部材移動手段は、前記コリメータの開度を変更させるコリメータ移動手段であり、
(R2)前記統括制御手段は、前記コリメータの開度の変更を示す情報を画像の撮影に関する情報として前記画像データ生成手段に送出することを特徴とする放射線撮影装置。
【請求項7】
請求項2に記載の放射線撮影装置において、放射線撮影装置は、
前記放射線源の放射線照射を中断する指示を入力させる入力手段を備え、
前記入力手段に前記放射線源の放射線照射を中断する指示が入力されたとき、
前記統括制御手段は、前記放射線源の照射を中断させるとともに、照射が中断されたことを示す情報を画像の撮影に関する情報として前記画像データ生成手段に送出することを特徴とする放射線撮影装置。
【請求項8】
請求項1に記載の放射線撮影装置において、
前記画像データ生成手段が生成する画像データは、
所定数の画素値が行方向に配列した画素値アレイが列方向に配列した2次元的な画素値領域と、
画像データのヘッダ領域に位置するとともに撮影に関する情報が行方向に配列した情報領域とを備え、
前記情報領域を構成するデータ数が前記所定数に満たない場合、前記情報領域には不足した数だけのヌルデータが付加されており、
前記情報領域を構成するデータ数が前記所定数を超えている場合、前記情報領域は、前記所定数単位で分割されて複数行に亘り、その上で、前記情報領域の最終行を構成するデータ数が前記所定数に満たない場合、前記情報領域には不足した数だけのヌルデータが付加されていることにより、
前記情報領域の後段に位置する画素値領域の先頭は、前記情報領域の次の行の先頭から開始されていることを特徴とする放射線撮影装置。
【請求項9】
請求項1に記載の放射線撮影装置が撮影した透視画像を再生する画像再生装置において、
(α)前記透視画像に対応する撮影に関する情報が付加された前記画像データが連結して構成される連結ファイルをデコードして信号に変換する変換手段と、
(β)前記信号が入力されることで前記透視画像を表示する表示手段とを備え、
(γ)前記透視画像とともに前記透視画像に対応する撮影に関する情報が表示手段に表示されることを特徴とする画像再生装置。
【請求項10】
請求項9に記載の画像再生装置において、
画像の撮影に関する情報は、前記放射線撮影装置が前記画像を取得した際の露出強度に関する情報であることを特徴とする画像再生装置。
【請求項11】
請求項9に記載の画像再生装置において、
画像の撮影に関する情報は、前記画像を取得した前記放射線撮影装置の付属部品の移動状況に関する情報であることを特徴とする画像再生装置。
【請求項12】
請求項9に記載の画像再生装置において、
画像の撮影に関する情報は、前記放射線撮影装置が前記画像を撮影の最中に撮影が中断された旨の情報であることを特徴とする画像再生装置。
【請求項13】
請求項9に記載の画像再生装置において、
前記透視画像に対応する撮影に関する情報は、前記透視画像に対応するフレームレートに関する情報であり、
前記変換手段は、前記フレームレートに関する情報を読み出して、これに従って前記表示手段に前記透視画像を時系列順に表示させることを特徴とする画像再生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、経時的に連続した複数の画像を取得することができる放射線撮影装置および画像再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
医療機関には、被検体の放射線像を取得する放射線撮影装置が配備されている。従来の放射線撮影装置の構成について説明する。従来の放射線撮影装置51は、
図16に示すように、放射線を照射する放射線源53と、これを制御する放射線源制御部56と、放射線を検出する放射線検出器54と、これから出力される検出データを組み立てて放射線透視画像とする画像生成部61とを備えている。また、従来の放射線撮影装置51は、画像生成部61から出力される複数の画像を連結させて単一の連結ファイルを生成する連結ファイル生成部62と、連結ファイルを記憶する記憶部63とを備えている(特許文献1参照)。
【0003】
連結ファイル生成部62には、放射線源制御部56から放射線の照射条件等の制御情報Cが送られてきている。連結ファイル生成部62は、この制御情報Cを連結ファイルに付加する。これにより、連結ファイルは、画像と撮影に関する情報とが関連付けらるので、データ管理が容易となる。
【0004】
この連結ファイル生成部62の動作について説明する。放射線が照射されると、放射線源制御部56は、制御情報Cが連結ファイル生成部62に送られる。そして、画像生成部61からは、放射線透視画像Pが送られる。この様に連結ファイル生成部62は、異なる部56,61が独立して送出したデータを取得し、これらを結合させて連結ファイルを生成するのである。
【0005】
この連結ファイルFの構造について説明する。
図17に示すように、連結ファイルFの先頭には、ヘッダ領域hが設けられており、その後ろに画素値データ領域Bが連なっている。ヘッダ領域hには、制御情報Cが格納され、画素値データ領域Bの各々に放射線透視画像Pが格納される。このように、連結ファイルFは、ヘッダ領域hを先頭として、放射線透視画像(image_1〜image_n)が時系列順に連なった構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−231497号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の放射線撮影装置には、次のような問題点がある。
すなわち、制御情報Cと放射線透視画像Pとがそれぞれ独立に連結ファイル生成部62に送られるので、両データC,Pが連結ファイル生成部62に到達するまでにかかる時間が同一とはならないという問題がある。
【0008】
結合ファイルの生成は、撮影と平行して行われる。この撮影の途中で放射線の照射条件が変更されたとする。すると、連結ファイル生成部62には、放射線源制御部56から照射条件が変更された旨の制御情報Cが直ちに連結ファイル生成部62に送られる。この時点からしばらくして、変更後の照射条件に基づく放射線透視画像Pが連結ファイル生成部62に送られてしまう。連結ファイル生成部62にいたる入力経路が制御情報Cと放射線透視画像Pにおいて独立しているからである。この様に、放射線の照射条件が変更前の放射線透視画像Pと変更後の制御情報Cとが誤って関連付けられてしまう。後日、連結ファイルFを再生したとする。放射線透視画像Pに重ねて制御情報Cをモニタに表示させた場合、制御情報Cが切り替わるタイミングと放射線透視画像Pが新しい照射条件に切り替わるタイミングとがズレてしまうことになる。
【0009】
ヘッダ領域hには、上述の制御情報Cに限らず、多様な撮影条件を表すパラメータが放射線透視画像Pとは独立の経路で連結ファイル生成部62に入力される。各種のパラメータ出力部から連結ファイル生成部62に到達するまでの時間は、まちまちとなるので、例えば、撮影中に各種パラメータが一斉に変更されたとしても、連結ファイルFには、あたかも時間的なバラツキを持って各種パラメータが変更されたように記憶される。この様に、連結ファイルFに記憶される放射線透視画像P,および各種パラメータの時間の進み方はそれぞれ異なるのであるから、これを再生しても、当時の診断結果を正確に把握することができない。
【0010】
本発明はこの様な事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、診断の様子を忠実に再現できる放射線撮影装置および画像再生装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は上述の課題を解決するために次のような構成をとる。
すなわち、本発明に係る放射線撮影装置は、放射線を照射する放射線源と、放射線を検出する放射線検出手段と、放射線源と放射線検出手段とを統括制御する統括制御手段と、放射線検出手段から出力される検出データを組み立てて
透視画像を生成する画像生成手段と、
透視画像を基に画像データを生成する画像データ生成手段と、画像データを生成された順に連結させて連結ファイルを生成するデータ連結手段と、連結ファイルを記憶するファイル記憶手段とを備え、画像データ生成手段は、画像データを生成する度に、統括制御手段より
画像データの基になる透視画像に対応する撮影に関する情報を取得してこれを画像データに付加することを特徴とするものである。
【0012】
[作用・効果]本発明に係る放射線撮影装置は、画像の撮影に関する情報を画像データに付加して、画像データの各々を連結させて連結ファイルを生成する構成となっている。すなわち、画像の撮影に関する情報が連結ファイルの内部に分散して記憶されているのである。そして、画像データには、これに対応する画像の撮影に関する情報が付加される。画像データに情報を付加しようとする度に新しい情報を取得する構成となっているからである。この様に、画像データには、特定の時点における画像とこれの撮影に関する情報とがまとめられているので、連結ファイルを再生するときに、画像とこれの撮影に関する情報とが経時的にズレて表示されることがない。したがって、本発明によれば、診断の様子を忠実に再現できる放射線撮影装置が提供できるのである。
【0013】
また、従来のようにファイルのヘッダにまとめて画像の撮影に関する情報を記憶しておくと、ヘッダが大きな領域となり、場合によっては、情報量がファイル構造として許容されたヘッダの領域に収まりきれない可能性がある。本発明によれば、画像データの各々に撮影に関する情報の格納領域が分散して存在しているので、上述の様な危険性がない。
【0014】
また、上述の放射線撮影装置において、画像データ生成手段が取得する画像の撮影に関する情報は、放射線源の制御に関する情報であればより望ましい。
【0015】
[作用・効果]上述の構成によれば、より診断に好適な放射線撮影装置が提供できる。画像の撮影に関する情報のうち、特に放射線源の制御に関するものが重要である。上述の構成はこの様な事情に鑑みて、放射線源の制御に関する情報を連結ファイルに挿入する構成としているのである。
【0016】
また、上述の放射線撮影装置において、放射線源は、放射線を照射している照射状態と放射線を照射していない休止状態とを交互に繰り返し、放射線が照射されるたびに画像データが生成される構成となっており、画像データ生成手段が取得する画像の撮影に関する情報は、画像が生成された時点における、(A)放射線源が照射状態であった時間を示す情報(B)放射線源が休止状態であった時間を示す情報(C)放射線源の動作電圧を示す情報(D)放射線源の動作電流を示す情報(E)時系列順に並んだ画像が取得された間隔を示すフレームレートの少なくともいずれかを含んでいればより望ましい。
【0017】
[作用・効果]上述の構成は、連結ファイルに挿入される放射線源の制御に関する情報をより具体化したものとなっている。すなわち、放射線源の制御に関する情報とは、放射線源が照射状態であった時間を示す情報、放射線源が休止状態であった時間を示す情報、放射線源の動作電圧を示す情報、放射線源の動作電流を示す情報、および時系列順に並んだ画像が取得された間隔を示すフレームレートの少なくともいずれかである。連結ファイルを動画と捉えるならば、時系列順に並んだ画像が取得された間隔の逆数がフレームレートに相当する。連結ファイルを再生する場合、再生の途中でフレームレートが変化しても、このフレームレートは、画像データ毎に付加されていることになる。したがって、時系列順に画像を次々と表示させていくときに、フレームレートを変化させるタイミングを放射線撮影を行ったときの実際のタイミングに一致させることができる。
【0018】
また、上述の放射線撮影装置において、放射線撮影装置は、(P)移動する移動部材と、(Q)移動部材の位置を変更させる部材移動手段とを備え、部材移動手段は、統括制御手段に制御され、(R)統括制御手段は、移動部材の位置の変更を示す情報を画像の撮影に関する情報として画像データ生成手段に送出すればより望ましい。
【0019】
[作用・効果]上述の構成は、画像の撮影に関する情報の他の例を示すものである。放射線撮影装置には、移動する部材が備えられている。この移動情報を連結ファイルに分散させて記録しておくことができる。画像データには、特定の時点における画像と部材の移動に関する情報とがまとめられているので、連結ファイルを再生するときに、画像と部材の移動に関する情報とが経時的にズレて表示されることがない。
【0020】
また、上述の放射線撮影装置において、(P1)移動部材は、放射線源と、放射線検出手段とに挟まれる位置に設けられた天板であり、(Q1)部材移動手段は、天板の放射線源に対する位置を変更させる天板移動手段であり、(R1)統括制御手段は、天板の位置の変更を示す情報を画像の撮影に関する情報として画像データ生成手段に送出すればより望ましい。
【0021】
[作用・効果]上述の構成は、移動部材の位置の変更を示す情報をより具体的なものとするものである。すなわち、上述の構成では、天板の移動の状況が画像に対応されながら連結ファイルに記憶される。したがって、連結ファイルを再生すれば、天板の移動の状況と、画像とが時間的にズレて表示されてしまうことがない。
【0022】
また、上述の放射線撮影装置において、(P2)移動部材は、放射線源から照射された放射線をコリメートするコリメータであり、(Q2)部材移動手段は、コリメータの開度を変更させるコリメータ移動手段であり、(R2)統括制御手段は、コリメータの開度の変更を示す情報を画像の撮影に関する情報として画像データ生成手段に送出すればより望ましい。
【0023】
[作用・効果]上述の構成は、移動部材の位置の変更を示す情報をより具体的なものとするものである。すなわち、上述の構成では、コリメータの開度の状況が画像に対応されながら連結ファイルに記憶される。したがって、連結ファイルを再生すれば、コリメータの開度の状況と、画像とが時間的にズレて表示されてしまうことがない。
【0024】
また、上述の放射線撮影装置において、放射線撮影装置は、放射線源の放射線照射を中断する指示を入力させる入力手段を備え、入力手段に放射線源の放射線照射を中断する指示が入力されたとき、統括制御手段は、放射線源の照射を中断させるとともに、照射が中断されたことを示す情報を画像の撮影に関する情報として画像データ生成手段に送出すればより望ましい。
【0025】
[作用・効果]上述の構成は、画像の撮影に関する情報の他の例を示すものである。放射線の照射中、何らかの事情で放射線照射が中断されることがある。放射線源制御手段は、放射線源が放射線源が照射状態にあるときにおいても、直ちに放射線の照射を中止する。すると、得られる画像の1つが露光不足で暗くなる。上述の構成によれば、露光不足で暗くなった画像の画像データに照射が中断されたことを示す情報が付加される。これにより、いずれの画像が露光不足で暗いものであるか連結ファイルに確実に記録されていることになる。
【0026】
また、上述の放射線撮影装置において、画像データ生成手段が生成する画像データは、所定数の画素値が行方向に配列した画素値アレイが列方向に配列した2次元的な画素値領域と、画像データのヘッダ領域に位置するとともに撮影に関する情報が行方向に配列した情報領域とを備え、情報領域を構成するデータ数が所定数に満たない場合、情報領域には不足した数だけのヌルデータが付加されており、情報領域を構成するデータ数が所定数を超えている場合、情報領域は、所定数単位で分割されて複数行に亘り、その上で、情報領域の最終行を構成するデータ数が所定数に満たない場合、情報領域には不足した数だけのヌルデータが付加されていることにより、情報領域の後段に位置する画素値領域の先頭は、情報領域の次の行の先頭から開始されていればより望ましい。
【0027】
[作用・効果]上述の構成は、画像データの構成を具体的に限定するものである。すなわち画像データは、画素値が2次元的に配列した2次元データとなっており、1次元的に配列した画素値のデータが所定数毎に折り返されている。撮影に関する情報は、画像データの情報領域に位置する。情報領域のデータ数は、所定数になっているのである。この様にすると、画像データをモニタに表示させる時点で、画素値のデータ折り返される位置が変化することがないので、画像データはモニタに正しく表示される。これが仮に、情報領域のデータ数が所定数となっていないと、モニタ一行目の前段部に情報領域を表示するので、この余計な表示があるために、1次元的に配列した画素値のデータの折り返し位置がズレてしまう。すると、表示される画像は激しく乱れ、視認することが困難なのである。
【0028】
情報領域を構成するデータ数を所定数の倍数とする目的で、情報領域の最終行を構成するデータ数が所定数に満たない場合、情報領域には不足した数だけのヌルデータが付加されて、情報領域のデータ数は所定数の倍数に合わせられる。これにより、情報領域の後段に位置する画素値領域の先頭は、情報領域の次の行の先頭から開始されることになり、画像データを表示させたとしても画像が乱れることがない。
【0029】
また、本発明に係る画像再生装置は、
上述の放射線撮影装置が撮影した透視画像を再生する画像再生装置において、(α)
透視画像
に対応する撮影に関する情報が付加された画像データが連結して構成される連結ファイルをデコードして信号に変換する変換手段と、(β)信号が入力されることで
透視画像を表示する表示手段とを備え、(γ)
透視画像とともに
透視画像
に対応する撮影に関する情報が表示手段に表示されることを特徴とするものである。
【0030】
[作用・効果]本発明に係る画像再生装置は、画像の撮影に関する情報が付加された画像データが連結して構成される連結ファイルを再生するものである。画像データの各々には画像の撮影に関する情報が付加されているので、この情報を画像とともに表示すれば、情報と画像との関連性は確実なものとなる。したがって、連結ファイルを再生するにつれて情報が切り替わるタイミングと画像が切り替わるタイミングとが一致し、診断に好適な画像再生装置が提供できる。
【0031】
また、上述の画像再生装置において、画像の撮影に関する情報は、放射線撮影装置が画像を取得した際の露出強度に関する情報であればより望ましい。
【0032】
[作用・効果]上述の構成は、画像の撮影に関する情報の一例として露出強度を挙げている。放射線撮影装置にX線管が備えられている場合、露出強度とは、X線管の管電圧、管電流、パルス間隔、パルス幅である。これにより診断に好適な画像再生装置が提供できる。
【0033】
また、上述の画像再生装置において、画像の撮影に関する情報は、画像を取得した放射線撮影装置の付属部品の移動状況に関する情報であればより望ましい。
【0034】
[作用・効果]上述の構成は、画像の撮影に関する情報の一例として放射線撮影装置の付属部品の移動状況を挙げている。放射線撮影装置に天板およびコリメータが備えられている場合、放射線撮影装置の付属部品の移動状況とは、天板、およびコリメータの移動状況である。これにより診断に好適な画像再生装置が提供できる。
【0035】
また、上述の画像再生装置において、画像の撮影に関する情報は、放射線撮影装置が画像を撮影の最中に撮影が中断された旨の情報であればより望ましい。
【0036】
[作用・効果]上述の構成は、画像の撮影に関する情報の一例として撮影の中断に関する情報を挙げている。放射線源の放射線照射が中断された場合、中断時点で撮影中の画像は線量が不足している。撮影に関する情報として中断に関する情報を盛り込むことにより、どの時点で中断が生じたか連結ファイルを参照すればわかるので、診断に好適な画像再生装置が提供できる。
【0037】
また、
上述の画像再生装置
において、透視画像に対応する撮影に関する情報は、透視画像に対応するフレームレートに関する情報
であり、変換手段は、フレームレートに関する情報を読み出して、これに従って表示手段に
透視画像を時系列順に表示させ
ればより望ましい。
【0038】
[作用・効果]本発明に係る画像再生装置は、フレームレートに関する情報が付加された画像データが連結して構成される連結ファイルを再生するものである。画像データの各々にはフレームレートが付加されているので、この情報を画像とともに表示すれば、フレームレートと画像との関連性は確実なものとなる。したがって、連結ファイルを再生するにつれてフレームレートが切り替わる場合にも、フレームレートを変更させながら画像を表示することができる。
【発明の効果】
【0039】
本発明に係る放射線撮影装置は、画像の撮影に関する情報を画像データに付加して、画像データの各々を連結させて連結ファイルを生成する構成となっている。そして、画像データには、これに対応する画像の撮影に関する情報が付加される。画像データに情報を付加しようとする度に新しい情報を取得する構成となっているからである。したがって、連結ファイルを再生するときに、画像とこれの撮影に関する情報とが経時的にズレて表示されることがない。つまり、本発明によれば、診断の様子を忠実に再現できる放射線撮影装置が提供できるのである。
【0040】
また、本発明に係る画像再生装置は、画像の撮影に関する情報が付加された画像データが連結して構成される連結ファイルを再生するものである。画像データの各々には画像の撮影に関する情報が付加されているので、この情報を画像とともに表示すれば、情報と画像との関連性は確実なものとなる。したがって、連結ファイルを再生するにつれて情報が切り替わるタイミングと画像が切り替わるタイミングとが一致し、診断に好適な画像再生装置が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【
図1】実施例1に係る放射線撮影装置の構成を説明する機能ブロック図である。
【
図2】実施例1に係るコリメータの構成を説明する機能ブロック図である。
【
図3】実施例1に係る天板の構成を説明する平面図である。
【
図4】実施例1に係る天板の構成を説明する斜視図である。
【
図5】実施例1に係るX線管の動作を説明する模式図である。
【
図6】実施例1に係るX線管の動作を説明する模式図である。
【
図7】実施例1に係る画像データの構成説明する模式図である。
【
図8】実施例1に係る画像データの構成説明する模式図である。
【
図9】実施例1に係る画像データの表示状況を説明する模式図である。
【
図10】実施例1に係る画像データの表示状況を説明する模式図である。
【
図11】実施例1に係る連結ファイルの構成説明する模式図である。
【
図12】実施例1に係る天板の構成を説明する斜視図である。
【
図13】実施例2に係る画像再生装置の構成を説明する機能ブロック図である。
【
図14】実施例2に係る画像再生装置の表示を説明する模式図である。
【
図15】実施例2に係る画像再生装置の表示を説明する模式図である。
【
図16】従来構成に係る放射線撮影装置の構成を説明する図である。
【
図17】従来構成に係る放射線撮影装置の構成を説明する図である。
【実施例1】
【0042】
以下、本発明に係る放射線撮影装置の具体的な構成について説明する。なお、各実施例におけるX線は、本発明の放射線の一例である。
【0043】
<装置の全体構成>
実施例1におけるX線撮影装置1の構成について説明する。実施例1に係るX線撮影装置1は、
図1に示すように、被検体Mを載置する天板2と、天板2の上側に設けられた天板2に向けてX線を照射するX線管3と、天板2の下に設けられたX線を検出するフラット・パネル・ディテクタ(FPD)4と、FPD4のX線検出面を覆うとともに、散乱放射線を除去するX線グリッド5と、X線管3を制御するX線管制御部6と、天板2を移動させる天板移動機構11と、これを制御する天板移動制御部12と、天板2を起伏させる起伏機構13と、これを制御する起伏制御部14と、フレームレートを算出するフレームレート算出部19と、各種情報を記憶する情報記憶部21と、FPD4に対し読み出しの指示等の制御を行うFPD制御部22と、種々の指示を行う操作卓23と、クロック信号を送出するクロック24と、FPD4から出力された検出信号を基にX線透視画像Pを生成する画像生成部25と、X線透視画像Pを基に画像データDを生成する画像データ生成部26と、画像データDを連結させて連結ファイルFを生成するデータ連結部27と、連結ファイルFを記憶するファイル記憶部28とを備えている。なお、この連結ファイルFは、後述のように、従来とは異なる構造を有している。
【0044】
X線撮影装置は、本発明の放射線撮影装置1に相当し、X線管3は、本発明の放射線源に相当する。また、FPD4は、本発明の放射線検出手段に相当し、操作卓23は、本発明の入力手段に相当する。また、天板移動機構11は、本発明の天板移動手段に相当し、画像生成部25は、本発明の画像生成手段に相当する。また、画像データ生成部26は、本発明の画像データ生成手段に相当し、X線透視画像Pは、本発明の画像に相当する。また、ファイル記憶部28は、本発明のファイル記憶手段に相当し、データ連結部27は、本発明のデータ連結手段に相当する。
【0045】
また、X線撮影装置1は、X線管制御部6,天板移動制御部12,起伏制御部14,フレームレート算出部19,FPD制御部22,画像生成部25,画像データ生成部26,およびデータ連結部27を統括的に制御する主制御部31を備えている。主制御部31は、CPUによって構成され、種々のプログラムを実行することにより、各部を実現している。また、上述の各部は、それらを担当する演算装置に分割されて実行されてもよい。このように、天板2,およびX線管3は、天板移動制御部12,起伏制御部14,およびX線管制御部6を介して主制御部31が統括的に制御する。主制御部31は、本発明の統括制御手段に相当する。
【0046】
また、実施例1に係るX線撮影装置1は、X線管3から照射されるX線ビームをコリメートするコリメータ3aを備えている。このコリメータ3aの詳細について説明する。コリメータ3aは、
図2に示すように、鏡像対称に移動する1対のリーフ3bを有し、同じく鏡像対称に移動するもう1対のリーフ3bを備えている。このコリメータ3aは、リーフ3bを移動させることで、FPD4が有するX線検出面の全面にコーン状のX線ビームBを照射させることもできれば、たとえば、FPD4の中心部分だけにファン状のX線ビームBを照射させることもできる。なお、X線ビームBには中心軸Cが設定されている。この中心軸Cを基準として各リーフ3bは、鏡像対称に移動するのである。なお、リーフ3bの対の一方は、4角錐形状となっているX線ビームの上下方向の広がりを調整するものであり、もう一方のリーフ3bの対は、X線ビームの左右方向の広がりを調整するものである。コリメータ3aの開度の変更は、コリメータ移動機構29が行う。コリメータ制御部30は、コリメータ移動機構を制御するものであり、主制御部31に制御される。このように、コリメータ3aは、コリメータ制御部30を介して主制御部31が統括的に制御される。コリメータ移動機構は、本発明のコリメータ移動手段に相当する。
【0047】
次に、天板2の構成について具体的に説明する。
図3は、天板2における被検体を載置する載置面側から見たときの平面図である。天板2は、載置される被検体Mの体軸方向を長手方向a長手方向aとし、体側方向を短手方向sとする矩形である。天板2は、天板移動制御部12の制御にしたがって、長手方向aに沿って進退自在に移動するとともに、短手方向sに沿って進退自在に移動する。
【0048】
また、天板2は、
図4に示すように、起伏制御部14の制御にしたがって、短手方向sに沿った中心軸Cを中心として、天板2の長手方向aが検査室の床面と水平な横臥状態から、長手方向aが検査室の床面と直交する起立状態となる。天板2は、起伏制御部14の制御にしたがって、起伏自在となっている。
【0049】
操作卓23は、天板2の移動・起伏に関する指示と、コリメータ3aの開度の変更に関する指示、X線管3の照射条件の変更に関する指示、およびX線照射の開始、および中断に関する指示を受け付ける。術者は、必要に応じて各種指示を操作卓23に入力する。X線管3の照射条件とは、具体的には、X線管3の管電圧、管電流等である。また、X線管3は、検査期間中、X線パルスを連続照射するようになっている。すなわち、X線管3は、
図5に示すように、X線を照射している照射状態Aと、X線を照射していない休止状態Sとを交互に繰返すようになっている。照射状態A毎にFPD4が被検体の透視像を検出し、画像生成部25がX線透視画像Pを生成する。この照射状態Aおよび休止状態Sの時間的な長さもX線管3の照射条件に含まれる。
【0050】
次に、本発明において最も特徴的な部分である画像データ生成部26の構成について説明する。主制御部31は、画像生成部25から送出されたX線透視画像P1を画像データ生成部26に送出する。X線管3が照射状態A1にあるとき、放射されたX線がFPD4に検出され、生成されたX線透視画像がP1であるとする。主制御部31は、X線透視画像P1を画像データ生成部26に出力するのに合わせて、
図6に示すように、照射状態A1における管電圧Tv1,管電流Ti1,照射状態A1の期間の長さLA1,照射状態A1の直前の休止状態S1の期間の長さLS1を画像データ生成部26に送出する。
【0051】
同様に、主制御部31は、X線透視画像P2を画像データ生成部26に出力するのに合わせて、照射状態A2における管電圧Tv2,管電流Ti2,照射状態A2の期間の長さLA2,照射状態A2の直前の休止状態S2の期間の長さLS2を画像データ生成部26に送出する。この様に、主制御部31は、X線透視画像と、これに対応した画像の撮影に関する情報(Tv,Ti,LA,LS等)とを同時に画像データ生成部26に送出する。また、照射状態A1の期間の長さLA1,照射状態A1の直前の休止状態S1の期間の長さLS1の合計は、X線撮影が行われる間隔を意味しており、この逆数をとることでフレームレートfを求め、主制御部31がこのフレームレートを画像データ生成部26に送るようにしてもよい。このフレームレートfの算出は、フレームレート算出部19が行う。
【0052】
主制御部31がX線透視画像と画像の撮影に関する情報(Tv,Ti,LA,LS等)とが時間的にズレることなく正確に対応させる様子を示す。主制御部31には、クロック24からクロック信号が送出される。そして、1クロック毎にX線が1度照射される。すなわち、1クロックの期間は照射状態Aとなっている時間と休止状態Sとなっている時間との合計となる。このクロック信号は、FPD制御部22にも送出され、FPDの読み出しが1クロックあたり、1回行われる。また、クロック信号は、画像生成部25にも送出され、画像の生成が1クロックあたり、1回行われる。この様に、X線管3の制御から画像の生成までの各工程が同期するようになっており、しかも、主制御部31がX線照射の指示をX線管制御部6に行うと、このX線照射で得られたX線透視画像は、3クロック遅れて主制御部31に戻ってくるように設定されている。この遅延幅は、変更することができる。
【0053】
情報記憶部21には、主制御部31が行った画像の撮影に関する情報(Tv,Ti,LA,LS等の諸条件)が記憶されている。主制御部31は、X線透視画像P1より画像生成部25より送られてくると、情報記憶部21が記憶している3クロック前の撮影に関する情報を読み出して、これらを画像データ生成部26に送出する。この様にしてX線透視画像と画像の撮影に関する情報(Tv,Ti,LA,LS等)とが時間的にズレて主制御部か31から画像データ生成部26に送出されることがない。
【0054】
これを受け取った画像データ生成部26は、
図7に示すように、X線透視画像P1の画素値データ領域BにヘッダHとフッダEとを付加する。X線透視画像P1は、画素値が縦横の2次元に配列された2次元データであり、横方向(行方向)に伸びた1行分の画素値群を画素値アレイと呼ぶ。FPD4に素子が例えば、1,024×1,024個並んでいるとすると、画素値アレイは、画素値が1,024個並んで構成され、これが縦方向に1,024個並んで画素値データ領域Bを形作っている。画素値アレイ1本あたりのデータ数を単位データ数とする。ヘッダは、本発明の情報領域に相当し、画素値データ領域は、本発明の画素値領域に相当する。
【0055】
画素値データ領域BにヘッダHが付加される。ヘッダHには、
図7に示すように、画像の撮影に関する情報(Tv,Ti,LA,LS等)が書き込まれている。また、ヘッダHのデータ数は、単位データ数と同一となっている。すなわち、画像の撮影に関する情報のデータ数が単位データ数に満たない場合、ヘッダHの先頭部に情報を格納する領域R1の後ろにヌルデータNを格納する領域R2を付加する。このヌルデータNは、例えば0が並んでいるもので、単位データ数から画像の撮影に関する情報のデータ数が不足している数だけヌルデータNが配列されている。したがって、領域R1と領域R2とを区別しなければ、ヘッダHのデータ数は、単位データ数となっている。
【0056】
また、画像の撮影に関する情報が単位データ数に収まらない場合、
図8に示すように、ヘッダHを複数行とする。つまり、ヘッダHは、単位データ数毎に分割されて複数行に亘り、その上で、ヘッダHの最終行を構成するデータ数が単位データ数に満たない場合、上述のようにヘッダHには、不足した数だけのヌルデータNが付加される。
【0057】
こうして、ヘッダHの後段に位置する画素値データ領域Bの先頭は、
図7,
図8に示すようにヘッダHの次の行の先頭から開始される。このようにした意義について説明する。後述の画像再生装置においては、ヘッダHを条件格納領域と見なして、画面には表示しない構成となっている。しかしながら、この機構を有しない一般の画像表示装置に、画像データDを表示するとどうなるかというと、一般の画像表示装置は、画像データDに埋め込まれたヘッダHも画面に表示することになる。すると、画面上には、
図9に示すように、画像の上部にヘッダH由来の縞模様が現れる。とはいえ、観察者にしてみれば、さほど視認性を害するほどではない。
【0058】
仮に、ヌルデータNを挿入しないとすると、画面に現れる画像は、
図10のように激しく乱れる。ヘッダHが画素値アレイの長さに満たないので、ヘッダHは、画像の横の1ラインを占めるには、データ数が少なく、ヘッダHの末尾から続けて画像データが読み出されることになる。
図10における領域R3は、本来は、ヘッダHの次の行の先頭RTに位置するべきであるが、一般の画像表示装置はこれを認識することができず、領域R3を行の途中から始めてしまう。すると、
図10に示すように、ヘッダHの長さ分だけ画素データが次の行に押し出される。この様な押し出しが画像の全域に亘って生じ、結果、
図10のような左右が入れ替わった画像が表示されてしまう。この様に、
図9に示したヌルデータNを画像データDに挿入すると、一般的な画像表示装置においても、視認性が損なわれずに画像を表示させることができる。
【0059】
また、
図7における画像データDの末尾には、フッダEが挿入される。このフッダEの具体的な機能は後述するが、画像データ生成部26がフッダEを付加した時点においては、ヌルデータが単位データ数だけ1行分配列したものとなっている。
【0060】
このように、画像データ生成部26は、ヘッダH,画素値データ領域B,フッダEの3つを結合して単一の画像データDを生成する。そして、ヌルデータNの付加も画像データ生成部26が行う。主制御部31から単位データ数に関する情報が画像データ生成部26に送られてきている。画像データ生成部26は、これを基に、ヌルデータNの付加数を割り出すのである。なお、単位データ数は、情報記憶部21に記憶されている。
【0061】
画像データ生成部26は、画像データD1をデータ連結部27に送出する。画像データDは、取得されたX線透視画像P毎に生成され、これらが全てデータ連結部27に送出される。データ連結部27では、送られてきた画像データDを時系列順に連結して単一の連結ファイルFを生成する。連結ファイルFは、ファイル記憶部28に記憶される。
【0062】
連結ファイルFの構成について説明する。連結ファイルFは、
図11に示すように、画像データD1〜Dnが連結されており、画像データD1〜Dnの各々には、ヘッダHと、フッダEが設けられている。なお、
図11においては、
図7に示すような画像データD1〜Dnが有する2次元的なデータ構成を無視し、画像データD1〜Dnを1次元的なものとして描いている。
【0063】
なお、フッダEには、後段の画像データDを読み出す場合の事前情報を入力することができる。たとえば、連結ファイルFには、不必要な画像データDも盛り込まれている。そこで、フッダEにジャンプ情報を書き込んでおけば、不必要な画像データDを飛ばして、次に表示するべき画像データDを指定することができる。
【0064】
<ヘッダに書き込まれる情報の他の例>
上述の説明では、画像の撮影に関する情報として、Tv,Ti,LA,LS等の諸条件が挙げられていたが、実施例1の構成は、これに限られない。画像の撮影に関する情報として、付属部品の移動状況に関する情報を含んでもよいし、X線管3に関する他の情報を含んでもよい。これらのパラメータは、特段の言及がない限り、主制御部31からいったん情報記憶部21に送出され、3クロック後に主制御部31から読み出され、X線透視画像P1とともに画像データ生成部26に送出されるものとする。その後の処理は、Tv,Ti,LA,LS等の諸条件で説明したものと同様である。
【0065】
(1)天板の移動状態を連結ファイルに保存する例
天板2には、
図12に示すように、床面に固定された基部と天板2との相対的な位置を特定する相対位置特定機構15が備えられている。相対位置特定機構15は、主制御部31に天板2の位置を逐次送出している。この天板2の相対位置に関するパラメータを画像撮影に関する情報として取り扱い、連結ファイルFに格納させることができる。これにより、検査が終了した時点でも、検査中に天板2がどのように動いたか、(具体的には、どの程度起伏移動したか、またはどの程度水平移動したか)をX線透視画像と突き詰め合わせて認識することができる。
【0066】
(2)コリメータの移動状態を連結ファイルに保存する例
同様に、コリメータ3aの移動状態を画像撮影に関する情報として取り扱い、連結ファイルFに格納させることができる。コリメータ移動機構29を構成するモータには、この回転数を計数する計測器が備えられている。計測器から出力されるデータから、コリメータの開度を知ることができる。この計測器から出力されるデータを撮影に関する情報として取り扱い、連結ファイルFに格納させることができる。これにより、検査が終了した時点でも、検査中にコリメータ3aがどのように動いたか、X線透視画像と突き詰め合わせて認識することができる。
【0067】
(3)X線管3が主制御部に送出する情報を連結ファイルに保存する例
また、X線管3が主制御部に送出する情報を画像撮影に関する情報として取り扱い、連結ファイルFに格納させることができる。X線管3は、X線照射に失敗した場合、ミスファイアが生じた旨の情報を送出する。この情報をこの計測器から出力されるデータを撮影に関する情報として取り扱い、連結ファイルFに格納させることもできる。
【0068】
(4)X線管3の照射が中断された旨の情報を連結ファイルに保存する例
さらに、X線管3の照射が中断された旨の情報を画像撮影に関する情報として取り扱い、連結ファイルFに格納させることができる。術者は、X線の照射中に操作卓23を操作してX線の照射を中止させることがある。この様な場合、X線管制御部6は、照射状態Aの期間中にあっても直ちに照射を中断する。すると、検査の最後に取得されたX線透視画像は、X線の線量が足りず、画像が暗くなる。中断の指示が行われた旨を示す情報は、情報記憶部21に記憶され、3クロック後に主制御部31に読み出される。そして、検査の最後に取得されたX線透視画像にこの情報が付加されるのである。連結ファイルFを分析すれば、X線の線量が足りないX線透視画像が特定できることになり、診断を行う上で便利である。
【0069】
その他、画像データのヘッダHの各々にシリアルナンバーを書き込んでもよい。シリアルナンバーは、画像生成部25が生成する。このシリアルナンバーについては、X線透視画像Pと同一経路で主制御部31に至るものなので、情報記憶部21にいったん格納される必要はない。
【0070】
また、X線グリッド5の有無の情報、患者情報、撮影日時等を連結ファイルFに格納してもよい。この様な検査を通じて変化しない情報は、連結ファイルFにおける最初の画像データDのヘッダHに格納されていればよく、主制御部31は、最初に送出される画像データDに合わせて一回だけ画像データ生成部26に送出する。この様なパラメータは、情報記憶部21に記憶されている。
【0071】
<動作の説明>
次に、実施例1に係るX線撮影装置の動作について説明する。まず、被検体Mが天板2に載置され、術者は、操作卓23を通じて、放射線照射の指示を行う。すると、複数のX線透視画像Pが取得され、データ連結部27には、そのたびに画像データDが送出される。生成された連結ファイルFは、ファイル記憶部28に記憶されて検査は終了となる。
【0072】
以上のように、実施例1の構成によれば、X線透視画像Pの撮影に関する情報(Tv,Ti,LA,LS等)を画像データDに付加して、画像データDの各々を連結させて連結ファイルFを生成する構成となっている。すなわち、X線透視画像Pの撮影に関する情報が連結ファイルFの内部に分散して記憶されているのである。そして、画像データDには、これに対応するX線透視画像Pの撮影に関する情報が付加される。画像データDに情報を付加しようとする度に新しい情報(Tv,Ti,LA,LS等)を取得する構成となっているからである。この様に、画像データDには、特定の時点におけるX線透視画像Pとこれの撮影に関する情報とがまとめられているので、連結ファイルFを再生するときに、X線透視画像Pとこれの撮影に関する情報とが経時的にズレて表示されることがない。したがって、本発明によれば、診断の様子を忠実に再現できるX線撮影装置1が提供できるのである。
【0073】
また、従来のようにファイルのヘッダにまとめてX線透視画像Pの撮影に関する情報を記憶しておくと、ヘッダが大きな領域となり、場合によっては、情報量がファイル構造として許容されたヘッダの領域に収まりきれない可能性がある。実施例1によれば、画像データDの各々に撮影に関する情報の格納領域が分散して存在しているので、上述の様な危険性がない。
【0074】
また、実施例1の構成によれば、より診断に好適なX線撮影装置1が提供できる。X線透視画像Pの撮影に関する情報のうち、特にX線管3の制御に関するものが重要である。上述の構成はこの様な事情に鑑みて、X線管3の制御に関する情報を連結ファイルFに挿入する構成としているのである。
【0075】
また、X線管3の制御に関する情報とは、X線管3が照射状態であった時間を示す情報(LA)、X線管3が休止状態であった時間を示す情報(LS)、X線管3の動作電圧を示す情報(Tv)、X線管3の動作電流を示す情報(Ti)、または時系列順に並んだX線透視画像Pが取得された間隔を示すフレームレートfを含んでいる。連結ファイルFを動画と捉えるならば、時系列順に並んだX線透視画像Pが取得された間隔の逆数がフレームレートfに相当する。連結ファイルFを再生する場合、再生の途中でフレームレートfが変化しても、このフレームレートfは、画像データD毎に付加されていることになる。したがって、時系列順にX線透視画像Pを次々と表示させていくときに、フレームレートfを変化させるタイミングを放射線撮影を行ったときの実際のタイミングに一致させることができる。
【0076】
また、X線撮影装置1には、移動する部材が備えられている。この移動情報を連結ファイルFに分散させて記録しておくことができる。画像データDには、特定の時点におけるX線透視画像Pと部材の移動に関する情報とがまとめられているので、連結ファイルFを再生するときに、X線透視画像Pと部材の移動に関する情報とが経時的にズレて表示されることがない。
【0077】
すなわち、上述の構成では、天板2の移動の状況がX線透視画像Pに対応されながら連結ファイルFに記憶される。したがって、連結ファイルFを再生すれば、天板2の移動の状況と、X線透視画像Pとが時間的にズレて表示されてしまうことがない。
【0078】
また、同様に、コリメータ3aの開度の状況がX線透視画像Pに対応されながら連結ファイルFに記憶される。したがって、連結ファイルFを再生すれば、コリメータ3aの開度の状況と、X線透視画像Pとが時間的にズレて表示されてしまうことがない。
【0079】
また、放射線の照射中、何らかの事情で放射線照射が中断されることがある。放射線源制御手段は、X線管3がX線管3が照射状態にあるときにおいても、直ちに放射線の照射を中止する。すると、得られるX線透視画像Pの1つが露光不足で暗くなる。上述の構成によれば、露光不足で暗くなったX線透視画像Pの画像データDに照射が中断されたことを示す情報が付加される。これにより、いずれのX線透視画像Pが露光不足で暗いものであるか連結ファイルFに確実に記録されていることになる。
【0080】
そして、実施例1に係る画像データDは、画素値が2次元的に配列した2次元データとなっており、1次元的に配列した画素値のデータが所定数毎に折り返されている。撮影に関する情報は、画像データDのヘッダHに位置する。ヘッダHのデータ数は、所定数になっているのである。この様にすると、画像データDをモニタに表示させる時点で、画素値のデータ折り返される位置が変化することがないので、画像データDは従来のモニタに正しく表示される。これが仮に、ヘッダHのデータ数が所定数となっていないと、モニタ一行目の前段部にヘッダHを表示するので、
図9と
図10とを比較すればわかるように、ヘッダHのデータ数が自由な値をとると、1次元的に配列した画素値のデータの折り返し位置がズレてしまう。すると、表示されるX線透視画像Pは激しく乱れ、視認することが困難なのである。
【0081】
ヘッダHを構成するデータ数を所定数の倍数とする目的で、ヘッダHの最終行を構成するデータ数が所定数に満たない場合、ヘッダHには不足した数だけのヌルデータNが付加され、ヘッダHのデータ数は単位データ数の倍数に合わせられる。これにより、ヘッダHの後段に位置する画素値データ領域Bの先頭は、ヘッダHの次の行の先頭から開始されることになり、画像データDを表示させたとしてもX線透視画像Pが乱れることがない。
【実施例2】
【0082】
次に、実施例2に係る画像再生装置34について説明する。この画像再生装置34は、
図11に示すファイル構造を有する連結ファイルFを再生するものである。すなわち、画像再生装置34は、連結ファイルの特徴的な構造を利用して検査時の状況を忠実に再現することができる。なお、連結ファイルFは、一般の画像再生装置でも再生可能ではある。しかし、ヘッダHに書き込まれた種々のパラメータを利用する構成は、実施例2に係る画像再生装置34で実現されるのである。
【0083】
画像再生装置34の構成について説明する。画像再生装置34は、
図13に示すように連結ファイルFを記憶する連結ファイル記憶部35と、これから連結ファイル取得部36をロードする連結ファイル取得部36と、取得された連結ファイルFをデコードしてモニタに送出可能な画像信号を生成するデコード部37と、画像信号が入力されることによりX線透視画像Pが表示される表示部38を備えている。デコード部は、本発明の変換手段に相当し、表示部38は、本発明の表示手段に相当する。
【0084】
連結ファイル記憶部35は、画像再生装置34にとっての外部記憶装置となっており、これには、X線撮影装置が過去に生成した連結ファイルFが記憶されている。また、画像再生装置34は、各部36,37を統括的に制御する主制御部41を備えている。この主制御部41は、CPUなどによって構成され、各種プログラムを実行することで各部36,37を実現している。
【0085】
画像再生装置34の動作について説明する。まず連結ファイルFが連結ファイル記憶部35から読み出され、連結ファイル取得部36にロードされる。連結ファイル取得部36は、連結ファイルFを先頭から順にデコード部37に送出する。
【0086】
デコード部37は、連結ファイルFを構成する画像データD1〜Dn(
図11参照)を順に読み出し、これらに挿入されている画素値データ領域Bを画像信号に変換する。ヘッダH,フッダEが切り取られた画素値データ領域BのみをX線透視画像として認識する。一方、デコード部37は、ヘッダHを画像の撮影に関する情報が書き込まれているものとして認識し、表示部38に、
図14に示すように、X線透視画像P1と、管電流、管電圧、照射状態の期間の長さを示す文字画像G1が同時に表示される。この様に、デコード部37は、ヘッダHを基に、画像データD1〜DnごとにTv,Ti,LA,LS等の各種パラメータを知り、この各種値が表示部38に表示されるべく、画像信号を生成する。
【0087】
デコード部37は、画像データD1をデコードすると、これに続いて、画像データD2をデコードする。この様にデコード部37は、連結された順に画像データD1〜Dnを次々とデコードしていく。画像データD1〜Dnは、時系列順に連結ファイルFに連結されていることからすれば、表示部38には、X線透視画像Pが時系列順に表示されることになる。
【0088】
図15は、画像データD2が表示部38に表示された状態を示している。表示部38には、
図15に示すように、X線透視画像P2と、管電流、管電圧、照射状態の期間の長さを示す文字画像G2とが写りこんでいる。この様に、表示部38に表示されるX線透視画像が切り替わるたびに文字画像も切り替わり、文字画像が示す各種情報は、そのとき表示されているX線透視画像を撮影したときの情報を示している。
【0089】
この様に、画像再生装置34は、X線透視画像Pを表示するとき、X線透視画像Pを構成する画像データDのヘッダHを読み取り、これを基に生成された文字画像Gを生成する。連結ファイルFを構成する画像データDの各々にヘッダHが付加されていることからすれば、表示部38には、文字画像Gが示す各種情報は、X線透視画像Pを取得したときのものであることになる。この様に、実施例2の構成によれば、X線透視画像Pの切り替わりのタイミングと、文字画像Gの切り替わりのタイミングが確実に一致した画像の再生を行うことができる。
【0090】
なお、上述の説明では文字情報は、管電流、管電圧、照射状態の期間の長さとして説明したが、ヘッダHに含まれる撮影に関する情報であれば、パラメータの種類に係らず表示部38に表示させることができる。
【0091】
また、ヘッダHにフレームレートfが記憶されている場合、デコード部37は、フレームレートfに合わせてX線透視画像および文字情報の切り替えの間隔を変化させることができる。表示部38では、フレームレートfに合わせてX線透視画像が切り替わることになる。これにより、画像再生装置34は、撮影時の状況をより忠実に再現することができる。
【0092】
以上のように、実施例2に係る画像再生装置34は、X線透視画像Pの撮影に関する情報(Tv,Ti,LA,LS等)が付加された画像データDが連結して構成される連結ファイルFを再生するものである。画像データDの各々にはX線透視画像Pの撮影に関する情報が付加されているので、Tv,Ti,LA,LS等の情報をX線透視画像Pとともに表示すれば、情報とX線透視画像Pとの関連性は確実なものとなる。したがって、連結ファイルFを再生するにつれてTv,Ti,LA,LS等の情報が切り替わるタイミングとX線透視画像Pが切り替わるタイミングとが一致し、診断に好適な画像再生装置34が提供できる。
【0093】
また、実施例2の構成では、X線透視画像Pの撮影に関する情報の一例として露出強度を挙げている。X線撮影装置1にX線管が備えられている場合、露出強度とは、X線管の管電圧、管電流、パルス間隔、パルス幅である。これにより診断に好適な画像再生装置34が提供できる。
【0094】
また、実施例2の構成では、X線透視画像Pの撮影に関する情報の一例としてX線撮影装置1の付属部品の移動状況を挙ることもできる。X線撮影装置1に天板2およびコリメータ3aが備えられている場合、X線撮影装置1の付属部品の移動状況とは、天板2,およびコリメータ3aの移動状況である。これにより診断に好適な画像再生装置34が提供できる。
【0095】
また、実施例2の構成では、X線透視画像Pの撮影に関する情報の一例として撮影の中断に関する情報を挙げることもできる。X線管3のX線照射が中断された場合、中断時点で撮影中のX線透視画像Pは線量が不足している。撮影に関する情報として中断に関する情報を盛り込むことにより、どの時点で中断が生じたか連結ファイルFを参照すればわかるので、診断に好適な画像再生装置34が提供できる。
【0096】
また、実施例2の構成では、本発明に係る画像再生装置34は、フレームレートfに関する情報が付加された画像データDが連結して構成される連結ファイルFを再生するものである。画像データDの各々にはフレームレートfが付加されているので、この情報をX線透視画像Pとともに表示すれば、フレームレートfとX線透視画像Pとの関連性は確実なものとなる。したがって、連結ファイルFを再生するにつれてフレームレートfが切り替わる場合にも、フレームレートfを変更させながらX線透視画像Pを表示することができる。
【0097】
本発明は、上述の各実施例の構成に限られず、下記のような変形実施が可能である。
【0098】
(1)上述した各実施例は、医用の装置であったが、本発明は、工業用や、原子力用の装置に適用することもできる。
【0099】
(2)上述した各実施例のいうX線は、本発明における放射線の一例である。したがって、本発明は、X線以外の放射線にも適応できる。
【符号の説明】
【0100】
B 画素値データ領域(画素値領域)
D 画像データ
f フレームレート
F 連結ファイル
H ヘッダ(情報領域)
N ヌルデータ
P X線透視画像(画像)
1 X線撮影装置(放射線撮影装置)
2 天板
3 X線管(放射線源)
3a コリメータ
4 FPD(放射線検出手段)
11 天板移動機構(天板移動手段)
23 操作卓(入力手段)
25 画像生成部(画像生成手段)
26 画像データ生成部(画像データ生成手段)
27 データ連結部(データ連結手段)
28 ファイル記憶部(ファイル記憶手段)
29 コリメータ移動機構(コリメータ移動手段)
31 主制御部(統括制御手段)
34 画像再生装置
37 デコード部(変換手段)
38 表示部(表示手段)