(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記操作指示が、前記仮想マシンについて、当該仮想マシンをエミュレートしている仮想ホストから他の仮想ホストへの移行指示の場合、前記仮想システム管理手段は、前記仮想マシンを前記他の仮想ホストへ移行する指示を、前記仮想マシンをエミュレートしている仮想ホストに入力し、
前記制御手段が、前記対象データから、前記仮想マシンと前記仮想マシンをエミュレートしている仮想ホストとを対応づけるデータを削除するとともに、前記対象データに、前記仮想マシンと前記他の仮想ホストとを対応づけるデータを挿入する
ことを特徴とする請求項4に記載の電源装置。
前記操作指示が、前記仮想マシンに対する設定値の変更の場合、前記仮想マシンの識別子と、前記仮想マシンの設定値と、を対応づけた仮想マシン状態データに、変更後の設定値を記憶する制御手段
としてさらに、前記電源装置が内蔵するコンピュータを機能させるための請求項6に記載のプログラム。
前記操作指示が、前記仮想ホストに対する設定値の変更の場合、前記制御手段は、前記仮想ホストの識別子と、前記仮想ホストの設定値と、を対応づけた仮想ホスト状態データに、変更後の設定値を記憶する
ことを特徴とする請求項7に記載のプログラム。
前記表示手段は、前記仮想ホストの識別子と、前記仮想ホストでエミュレートされる仮想マシンの識別子と、を対応づけた対象データに基づいて、前記仮想ホストの識別子および前記仮想マシンの識別子を対応づけて表示する
ことを特徴とする請求項7または8に記載のプログラム。
前記操作指示が、前記仮想マシンについて、当該仮想マシンをエミュレートしている仮想ホストから他の仮想ホストへの移行指示の場合、前記仮想システム管理手段は、前記仮想マシンを前記他の仮想ホストへ移行する指示を、前記仮想マシンをエミュレートしている仮想ホストに入力し、
前記制御手段が、前記対象データから、前記仮想マシンと前記仮想マシンをエミュレートしている仮想ホストとを対応づけるデータを削除するとともに、前記対象データに、前記仮想マシンと前記他の仮想ホストとを対応づけるデータを挿入する
ことを特徴とする請求項9に記載のプログラム。
【発明を実施するための形態】
【0025】
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一または類似の部分には同一または類似の符号を付している。
【0026】
まず、本発明の実施の形態において、「物理コンピュータ」は、中央処理制御装置(CPU:Central Processing Unit)および記憶装置などを備えた一般的なコンピュータである。「物理コンピュータ」は、具体的には、パーソナルコンピュータ、サーバ、ブレード型サーバなどのコンピュータである。また「仮想ホスト」は、物理コンピュータ上でホストOSを実行することにより物理コンピュータに実装される。1台の仮想ホストは、1台以上の仮想マシンを動かすことができる。「仮想マシン」は、1台の仮想ホスト上で、別のコンピュータをソフトウェア的にエミュレートされた仮想的なコンピュータである。
【0027】
「仮想システム」は、物理コンピュータ、物理ストレージ、物理ネットワークなどで構成され、仮想システム全体で1台以上の仮想マシンの役割を担う。「仮想管理」とは、仮想システムを構成する仮想インフラを管理するとともに、1台以上の仮想マシンの稼働を制御する。仮想管理における制御の結果、仮想マシンは、他の仮想ホストに移行する場合がある。
【0028】
「移行」とは、仮想インフラを、他の物理インフラに移動することである。移行には、一般的に、サーバ移行(ライブマイグレーション)、ストレージ移行、ネットワーク移行などがある。サーバ移行は、ある仮想ホスト上で稼働された仮想マシンを、他の仮想ホストに、メモリコピーによって移動することである。ストレージ移行は、ある物理ストレージ上にあった仮想ストレージを、他の物理ストレージに移動することである。ネットワーク移行は、ある物理ネットワーク上にあった仮想ネットワークを、他の物理ネットワークに、データのコピーによって移動することである。本発明の実施の形態においては特に、移行とは、サーバ移行のことを示す。なお、サーバ移行において、仮想マシンが稼働中に移行することもあれば、停止した状態で移行することもある。
【0029】
仮想マシンに対する操作として、「シャットダウン」、「パワーオン」、「パワーオフ」などがある。「シャットダウン」とは、仮想マシンにインストールされたゲストOSをシャットダウンしてパワーオフすることである。「パワーオン」とは、仮想マシンの電源をオンすることである。「パワーオフ」とは、仮想マシンの電源をオフすることである。
【0030】
仮想ホストに対する操作として、「シャットダウン」、「メンテナンスモードへの切り替え」、「再起動」、「パワーオン」などがある。「シャットダウン」とは、物理コンピュータで稼働している仮想ホストOSをシャットダウンすることである。このとき仮想ホストは、メンテナンスモードであることを要する。「メンテナンスモードへの切り替え」とは、仮想ホストで稼働している仮想マシンに対する操作を無効にすることである。「再起動」とは、物理コンピュータで稼働している仮想ホストOSの再起動である。このとき仮想ホストは、メンテナンスモードであることを要する。「パワーオン」とは、仮想ホストを稼働している物理コンピュータに電源を投入し、仮想ホストOSを稼働することである。
【0031】
「電源装置」とは、仮想インフラに電力を供給したり、測定したり、切断する装置である。具体的には「電源装置」とは、交流(AC:Alternating Current)電源、直流(DC:Direct Current)電源、無停電電源装置(UPS:Uninterruptible Power Supply)、電力分配器(PDU:Power Distribution Unit)などである。
【0032】
「電源管理」とは、インフラに、安定して電源を供給するための制御のことである。
【0033】
(実施の形態)
まず、
図1に示す本発明の実施の形態に係る電源装置1は、
図2に示す本発明の実施の形態に係る電源システムにおいて用いられる。
【0034】
本発明の実施の形態に係る電源装置1は、
図2に示すような電源システムにおいて用いられる。
図2において、本発明の実施の形態に係る電源システムは、第1の電源装置1a、第2の電源装置1b、第1の仮想ホストコンピュータ2a、第2の仮想ホストコンピュータ2bおよび第3の仮想ホストコンピュータ2cを備える。これらの装置は、通信ネットワーク4を介して相互に接続されている。通信ネットワーク4は、例えばLANである。
【0035】
第1の電源装置1aは、第1のタップ5aと第2のタップ5bを備えるとともに、第2の電源装置1bは、第3のタップ5cを備える。第1の電源装置1aは、第1のタップ5aを介して第1の仮想ホストコンピュータ2aに電力を供給する。また第1の電源装置1aは、第2のタップ5bを介して第2の仮想ホストコンピュータ2bに電力を供給する。第2の電源装置1bは、第3のタップ5cを介して第3の仮想ホストコンピュータ2cに電力を供給する。
図2に示す例において、太線矢印は、電源装置から仮想ホストコンピュータへの電力の供給を示している。
【0036】
仮想ホストコンピュータ2は、物理コンピュータであって、1台以上の仮想マシンをエミュレートしている。第1の仮想ホストコンピュータ2aは、第1の仮想マシン3aおよび第2の仮想マシン3bをエミュレートしている。第2の仮想ホストコンピュータ2bは、第3の仮想マシン3cをエミュレートしている。第3の仮想ホストコンピュータ2cは、第4の仮想マシン3d、第5の仮想マシン3eおよび第6の仮想マシン3fをエミュレートしている。
【0037】
本発明の実施の形態において、電源装置1は、電源管理するとともに、仮想管理する。電源管理では、電源装置1は、仮想ホストコンピュータ2への電力の供給を制御する。仮想管理では、電源装置1は、電源遮断時の仮想ホストコンピュータ2および仮想マシン3を制御し、仮想ホストコンピュータ2上で、仮想マシン3に割り当てるリソースや設定値を制御し、仮想マシン3の移行を制御し、仮想ホストコンピュータ2や仮想マシン3へのコマンド送信を制御する。
【0038】
ここで、第1の電源装置1aと第2の電源装置1bとを特に区別する必要のない場合、実施の形態において、電源装置1と表記する。仮想ホスト、仮想マシンについても同様である。
【0039】
本発明の実施の形態に係る電源装置1は、
図1に示すように入力部30および表示部60を備える。電源装置1は、表示部60を介して電源装置1が電力を供給するコンピュータで実行される仮想ホスト2の情報、その仮想マシン3の情報などを表示する。ユーザは電源装置1の入力部30を用いて、電源装置1、仮想ホスト2および仮想マシン3に操作指示を入力することができる。
【0040】
電源装置1の表示部60は、例えば
図3に示すような画面を表示する。
図3に示す画面は、
図2に示す電源システムの構成をツリー構造で表示している。
図2に示す電源システムが、第1の電源装置1aと第2の電源装置1bを備えていることを、
図3の画面は表示している。第1の電源装置1aが、第1の仮想ホスト2aおよび第2の仮想ホスト2bに電源供給をしていることを、
図3の画面は表示している。第1の仮想ホスト2aが、第1の仮想マシン3aおよび第2の仮想マシン3bをエミュレートし、第2の仮想ホスト2bが、第3の仮想マシン3cをエミュレートすることを、
図3の画面は表示している。
【0041】
図3に示す画面において、第2の電源装置1bに接続された第3の仮想ホスト2cの情報は表示されていない。ユーザが、入力部30から、
図3に示す画面の「第2の電源」のアイコンを選択することにより、第2の電源装置1bに接続された第3の仮想ホスト2c、第3の仮想ホスト2cでエミュレートされる第4の仮想マシン3d、第5の仮想マシン3eおよび第6の仮想マシン3fの識別子が、表示部60にツリー構造で表示される。
【0042】
図3に示す例においては、第1の電源装置1aの情報と、第2の電源装置1bの情報のいずれかのみ表示される。これにより、電源システムにおいて、多数の仮想ホスト2や仮想マシン3が稼働している場合でも、表示部60の限られた表示画面に、電源システムの情報を効率良く表示することができる。また、
図3においては、第1の仮想ホスト2aでエミュレートされる仮想マシンの情報が表示されているが、例えば、
図3に示す画面の「第1の仮想ホスト」のアイコンが選択されることにより、表示されても良い。また電源システムの規模によっては、全ての仮想ホストおよび仮想マシンについて表示されても良い。このように、電源装置、仮想ホストおよび仮想マシンの表示については、様々な形態が考えられる。
【0043】
図1を参照して、本発明の実施の形態に係る電源装置1を説明する。電源装置1は、コントローラ10、メモリ20、入力部30、電力供給部40、通信制御装置50および表示部60を備える。
【0044】
コントローラ10は、電源装置1の処理を制御する制御装置である。メモリ20は、電源装置1で実行するファームウェアプログラムなどのプログラムデータ、およびコントローラ10で処理されるデータなどを蓄積する記憶装置である。
【0045】
入力部30は、ユーザが、電源装置1のコントローラに情報を入力するインタフェースである。入力部30は、電源装置1の筐体に設けられたボタン、表示部60に設けられたタッチパネルであっても良い。また入力部30は、電源装置1からケーブルなどで接続されるキーボードやマウスであっても良い。
【0046】
電力供給部40は、電源装置1が接続されたコンピュータに、電力を供給する。電力供給部40は、複数のタップを備え、複数のコンピュータに電力を供給することができる。通信制御装置50は、他の電源装置やコンピュータなどと通信するための装置であって、例えばLANアダプタである。
【0047】
表示部60は、ユーザに電源装置1の情報などを視認させるための液晶ディスプレイなどの表示装置である。表示部60は、電源装置1の筐体に施された表示装置であっても良いし、ケーブルなどで接続される表示装置であっても良い。
【0048】
メモリ20には、プログラムデータの記憶領域を備えるとともに、対象データ記憶部21、電源状態データ記憶部22、仮想ホスト状態データ記憶部23、仮想マシン状態データ記憶部24、操作リストデータ記憶部25、ログデータ記憶部26を備える。また、メモリ20に記憶されたプログラムデータが、コントローラ10に読み出され実行されることによって、コントローラ10は、制御手段11、指示取得手段12、電源管理手段13、仮想システム管理手段14および表示手段15を備える。
【0049】
対象データ記憶部21は、メモリ20のうち、対象データ21aが記憶された記憶領域である。対象データ21aは、少なくとも、電源装置1が電力を供給するコンピュータで実行される仮想ホストでエミュレートされる仮想マシンの識別子を含み、さらに、仮想ホストの識別子がさらに含まれても良い。また、電源システムにおいて複数の電源装置がある場合、対象データ21aは、全ての電源装置について、仮想ホスト、仮想マシンなどの情報を含んでも良い。
【0050】
ここで対象データ21aは、コンピュータで実行される仮想ホストの識別子と、仮想ホストでエミュレートされる仮想マシンの識別子と、を対応づけたデータであっても良い。対象データ21aは、例えば
図4に示すようなデータ構造を備える。
図4に示す対象データ21aは、電源装置の識別子、タップの識別子、仮想ホストの識別子および仮想マシンの識別子が対応づけられている。
【0051】
電源状態データ記憶部22は、メモリ20のうち、電源状態データ22aが記憶された記憶領域である。電源状態データ22aは、電源装置1の現在の設定値やステータスなどのデータが含まれる。また、電源状態データ22aには、電源装置1が属する電源システムの全ての電源装置の状態データが含まれても良い。例えば、
図2に示す電源システムの場合、第1の電源装置1aの電源状態データ22aは、第1の電源装置1aに関するデータのみを含んでも良いし、第1の電源装置1aと第2の電源装置1bに関するデータを含んでも良い。電源状態データ22aには、電源装置に関する最新の情報が格納されており、電源装置の情報が更新されるたびに、電源状態データ22aも更新される。
【0052】
電源状態データ22aは、例えば
図5に示すデータ構造を備える。
図5に示す電源状態データ22aには、
図2に示す電源システム全体の第1の電源装置1aと第2の電源装置1bに関するデータが含まれている。
図5に示す電源状態データ22aは、電源識別子に、各電源装置の状態、タイプ、入力電圧、入力周波数、出力電圧、出力周波数などの属性や設定値が関連づけられている。ここで、電源装置の「状態」は、出力オン、出力オフなどである。電源装置の状態は、電源装置のタイプによって異なる場合もある。電源装置の「タイプ」は、例えば、UPS、PDU、直流電源などの電源装置の種別である。電源装置の「入力電圧」、「入力周波数」、「出力電圧」および「出力周波数」は、電源装置の稼働条件のデータである。
【0053】
仮想ホスト状態データ記憶部23は、メモリ20のうち、仮想ホスト状態データ23aが記憶された記憶領域である。仮想ホスト状態データ23aは、仮想ホストの識別子と、仮想ホストの設定値と、を対応づけたデータである。仮想ホスト状態データ23aは、仮想ホスト状態データ23aが格納された電源装置が電力を供給する仮想ホストに関するデータのみであっても良いし、電源システムの全ての仮想ホストに関するデータが含まれても良い。仮想ホスト状態データ23aには、仮想ホストに関する現在の情報が格納されており、仮想ホストの情報が更新されるたびに、仮想ホスト状態データ23aも更新される。
【0054】
仮想ホスト状態データ23aは、例えば
図6に示すデータ構造を備える。
図6に示す仮想ホスト状態データ23aには、
図2に示す電源システムの全ての仮想ホストに関するデータが含まれている。
図6に示す仮想ホスト状態データ23aは、仮想ホストの識別子に、各仮想ホストの状態などが関連づけられている。仮想ホストの「状態」とは、パワーオン、パワーオフなどの仮想ホストの稼働状態である。また仮想ホスト状態データ23aに、各仮想ホストのホスト名、IPアドレスなどが関連づけられても良い。
【0055】
仮想マシン状態データ記憶部24は、メモリ20のうち、仮想マシン状態データ24aが記憶された記憶領域である。仮想マシン状態データ24aは、仮想マシンの識別子と、仮想マシンの設定値と、を対応づけたデータである。仮想マシン状態データ24aは、電源装置が電力を供給する仮想ホストに関するデータのみであっても良いし、電源システムの全ての仮想マシンに関するデータが含まれても良い。仮想マシン状態データ24aには、仮想マシンに関する現在の情報が格納されており、仮想マシンの情報が更新されるたびに、仮想マシン状態データ24aも更新される。
【0056】
仮想マシン状態データ24aは、例えば
図7に示すデータ構造を備える。
図7に示す仮想マシン状態データ24aには、第1の仮想マシン3aおよび第2の仮想マシン3bのデータが含まれている。また、仮想マシン状態データ24aには、第1の電源装置1aが電力供給する仮想ホストでエミュレートされる仮想マシンに関するデータのみ含まれても良いし、
図2に示す電源システムの全ての仮想マシンのデータが含まれても良い。
【0057】
図7に示す仮想マシン状態データ24aは、仮想マシンの識別子に、各仮想マシンのゲストOS、ディスクファイルパス、IPアドレス、状態、CPU数、CPUクロック、メモリ容量、ネットワーク域などの設定値が関連づけられている。
図7に示す仮想マシン状態データ24aには、各項目に、電源装置1から書換可能か否かを示す「書換の可否」の項目も対応づけられている。
図7において、「書換の可否」が「○」の場合、電源装置1がその項目を書換可能で、「×」の場合、電源装置1がその項目を書き換えることができない。
図7に示す例では、電源装置1は、仮想マシンのゲストOSおよびディスクファイルパスは書き換えることができず、IPアドレス、状態、CPU数、CPUクロック、メモリ容量、ネットワーク域などは書換可能である。仮想マシンの「状態」は、パワーオン、パワーオフ、サスペンドなどの仮想マシンの稼働状態である。「CPU数」、「CPUクロック」、「メモリ容量」および「ネットワーク域」は、仮想マシンがエミュレートされた仮想ホストのリソースのうち、この仮想マシンに割り当てられたリソースの設定値である。
【0058】
操作リストデータ記憶部25は、メモリ20のうち、操作リストデータ25aが記憶された記憶領域である。操作リストデータ25aは、例えば
図3に示す画面において、ユーザがいずれかのアイコンを選択した場合、そのアイコンに対応するオブジェクトに対して、電源装置1が入力可能なコマンドを表示するために用いられる。ここでオブジェクトは、電源システムの各構成要素であって、具体的には、電源装置、仮想ホストおよび仮想マシンである。
【0059】
操作リストデータ25aは、電源操作データ25b、仮想ホスト操作データ25cおよび仮想マシン操作データ25dを備える。例えばユーザが電源装置のアイコンを選択した場合、電源操作データ25bに含まれる各操作の識別子が、表示部60に表示される。同様に、ユーザが仮想ホストのアイコンを選択した場合、仮想ホスト操作データ25cに含まれる各操作の識別子が、表示部60に表示される。ユーザが仮想マシンのアイコンを選択した場合、仮想マシン操作データ25dに含まれる各操作の識別子が、表示部60に表示される。ユーザは、表示部60に表示されたいずれかの操作の識別子を選択することで、その識別子に対応する操作指示を、コントローラ10に入力することができる。
【0060】
図8を参照して、電源操作データ25bを説明する。電源操作データ25bには、電源装置の出力オン、出力オフなどの電源出力に関する操作が含まれている。ユーザは、電源操作データ25bの操作を選択することにより、電源装置1に指示を入力する。電源装置1は、ユーザから入力された指示に従って、電源装置1に指示を入力する。
【0061】
ここで電源操作データ25bは、電源装置の種別に応じて設けられることが好ましい。
図8(a)に示す電源操作データ25bは、電源装置がUPSの場合に、ユーザがコントローラ10に入力可能な操作の一覧を示している。
図8(b)に示す電源操作データ25bは、電源装置がPDUの場合に、ユーザがコントローラ10に入力可能な操作の一覧を示している。
図8(c)に示す電源操作データ25bは、電源装置が直流電源の場合に、ユーザがコントローラ10に入力可能な操作の一覧を示している。
【0062】
図9を参照して、仮想ホスト操作データ25cを説明する。仮想ホスト操作データ25cには、仮想ホストのシャットダウン、メンテナンスモードへの切り替え、メンテナンスモードからの復帰、再起動、パワーオンなどの仮想ホストの稼働に関する操作が含まれている。ユーザは、仮想ホスト操作データ25cの操作を選択することにより、電源装置1に指示を入力する。電源装置1は、ユーザから入力された指示に従って、仮想ホストに指示を入力する。
【0063】
図10を参照して、仮想マシン操作データ25dを説明する。仮想マシン操作データ25dには、仮想マシンに対する操作指示が含まれている。具体的には、仮想マシン操作データ25dには、仮想マシンのシャットダウン、サスペンド、レジューム、再起動、パワーオン、パワーオフ、リセット、移行、スナップショットの作成、ストレージバックアップ、ストレージ移行、ネットワーク移行などの仮想マシンの稼働に関する操作が含まれている。ユーザは、仮想マシン操作データ25dの操作を選択することにより、電源装置1に指示を入力する。電源装置1は、ユーザから入力された指示に従って、仮想マシンに指示を入力する。
【0064】
ログデータ記憶部26は、メモリ20のうち、ログデータ26aが記憶された記憶領域である。ログデータ26aは、事象が発生した時刻と、発生した事象の内容とが関連づけられたデータである。ログデータ26aには、電源装置1に関する事象についてのみ記録されても良いし、
図2に示す電源システム全体に関する事象が記録されても良い。
【0065】
制御手段11は、電源装置1の処理を制御する。例えば制御手段11は、メモリ20に記録された各データのリードまたはライトを制御する。また制御手段11は、指示取得手段12、電源管理手段13、仮想システム管理手段14および表示手段15の各処理を制御する。例えば制御手段11は、指示取得手段12からユーザが入力した操作指示に従って、メモリ20からデータを読み出したり、電源管理手段13、仮想システム管理手段14および表示手段15に処理の指示を入力する。
【0066】
例えばユーザの操作指示が、電源装置の状態を表示する指示の場合、制御手段11は、メモリ20から、電源状態データ22aを読み出して、その電源装置の設定値などの状態を、表示部60に表示する。同様に、仮想ホストや仮想マシンの状態を表示する指示が入力されると、制御手段11は、メモリ20から仮想ホスト状態データ23aや仮想マシン状態データ24aを読み出して、その仮想ホストや仮想マシンの設定値などの状態を、表示部60に表示する。
【0067】
また制御手段11は、ユーザの操作指示が、仮想マシンに対する設定値の変更の場合、仮想マシン状態データ24aに、変更後の設定値を記憶する。ユーザの操作指示が、仮想ホストに対する設定値の変更の場合、制御手段11は、仮想ホスト状態データ23aに、変更後の設定値を記憶する。
【0068】
また、仮想マシンを移行する指示が入力された場合、制御手段11は、対象データ21aから、移行対象の仮想マシンと移行対象の仮想マシンをエミュレートしている仮想ホストとを対応づけるデータを削除するとともに、対象データに、仮想マシンと移行先の仮想ホストとを対応づけるデータを挿入する。
【0069】
例えば
図2に示す例において、仮想システム管理手段14が第1の仮想マシン3aに指示を送信する場合、仮想システム管理手段14は、第1の仮想マシン3aに指示を送信しても良いし、第1の仮想マシン3aをエミュレートしている第1の仮想ホストコンピュータ2aに送信しても良い。例えば、
図2に示す例において、第4の仮想マシン3dを、第1の仮想ホストコンピュータ2aに移行する場合、制御手段11は、対象データ記憶部21から、第4の仮想マシン3dと第3の仮想ホストコンピュータ2cとを関連づけているデータを削除し、第4の仮想マシン3dと第1の仮想ホストコンピュータ2aとを関連づけているデータを挿入する。
【0070】
また制御手段11は、電源管理手段13および仮想システム管理手段14から、入力した指示の実行結果を取得する。制御手段11は、これらの事象が発生した時刻と、発生した事象のない様とを関連づけたレコードを作成し、ログデータ26aに挿入する。
【0071】
指示取得手段12は、ユーザが入力部30の操作によって入力した指示を、制御手段11に入力する。このとき指示取得手段12は、ユーザの指示の対象の識別子と、入力した指示とを対応づけて取得し、制御手段11に入力する。ここで、指示の対象とは、
図2に示す電源システムの各構成要素であって、電源装置、仮想ホストおよび仮想マシンである。例えば、ユーザが入力部30から表示部60に表示された仮想ホストの操作指示を選択すると、指示取得手段12は、選択された操作指示と、この操作指示に対応する仮想ホストの識別子と、
を取得して、制御手段11に入力する。また、ユーザが入力部30から表示部60に表示された仮想マシンの操作指示を選択すると、指示取得手段12は、選択された操作指示と、この操作指示に対応する仮想マシンの識別子と、
を取得して、制御手段11に入力する。
【0072】
電源管理手段13は、制御手段11からの指示に従って、電力供給部40を制御し、仮想ホストコンピュータへの電力供給を制御する。例えば、ユーザが入力部30から仮想ホストコンピュータ2をシャットダウンする指示を入力すると、その指示は、指示取得手段12および制御手段11を介して電源管理手段13に入力される。電源管理手段13は、その仮想ホストコンピュータ2への電力供給を遮断し、シャットダウンに関する電力供給部40の処理を制御する。
【0073】
仮想システム管理手段14は、仮想ホストコンピュータ2、仮想ホストコンピュータ2でエミュレートされる仮想マシン3などの仮想システムを制御する。例えば仮想システム管理手段14は、指示取得手段12による取得や制御手段11の指示に基づいて、仮想マシン3に対する操作指示を、仮想マシンに入力する。また仮想システム管理手段14は、指示取得手段12による取得や制御手段11の指示に基づいて、操作指示を、操作指示に対応する仮想ホストに入力する。
【0074】
また、操作指示が、仮想マシンについて、仮想マシンをエミュレートしている仮想ホストから他の仮想ホストへの移行指示の場合、仮想システム管理手段14は、仮想マシンを他の仮想ホストへ移行する指示を、仮想マシンをエミュレートしている仮想ホストに入力する。例えば、
図2に示す例において、第4の仮想マシン3dを、第1の仮想ホストコンピュータ2aに移行する場合、仮想システム管理手段14は、第4の仮想マシン3dを現在エミュレートしている第3の仮想ホストコンピュータ2cに、第4の仮想マシン3dを、第1の仮想ホストコンピュータ2aに送信する指示を入力する。
【0075】
ここで、仮想システム管理手段14は、仮想マシンに対する指示を、仮想マシンに入力する場合や、仮想マシンをエミュレートしている仮想ホストに入力する場合が考えられる。例えば
図2に示す例において、仮想システム管理手段14が第1の仮想マシン3aに指示を送信する場合、仮想システム管理手段14は、第1の仮想マシン3aに指示を送信しても良いし、第1の仮想マシン3aをエミュレートしている第1の仮想ホストコンピュータ2aに送信しても良い。第1の仮想ホストコンピュータ2aに送信された場合、送信された指示は、第1の仮想ホストコンピュータ2aが第1の仮想マシン3aに入力する。
【0076】
表示手段15は、制御手段11からの指示に従って、表示部60に画面を表示する手段である。表示手段15は、例えば、後述する
図12ないし
図17の画面を、表示部60に表示する。
【0077】
表示手段15は、また
図2に示す電源システムをツリー構造で表示するため、
図3に示すように、対象データ21aに基づいて、仮想ホストの識別子および仮想マシンの識別子を対応づけて表示する。また表示手段15は、仮想ホストの識別子と、操作リストデータ記憶部25の仮想ホスト操作データ25cの仮想ホストに対する操作指示とを対応づけて表示部60に表示する。表示手段15は、仮想マシンの識別子と、操作リストデータ記憶部25の仮想マシン操作データ25dの仮想マシンに対する操作指示とを対応づけて表示部60に表示する。
【0078】
図11を参照して、制御手段11の処理を説明する。
図11においては、表示部60において、
図2に示す電源システムの各オブジェクトの識別子を表示するとともに、そのオブジェクトについて状態の表示指示が入力された後、その状態を変更する操作の指示が入力された場合の処理について説明する。
【0079】
まず、ステップS1において、表示指示が入力されると、制御手段11は、ステップS2において、メモリ20から対象データ21aを読み出す。ステップS3において制御手段11は、ステップS2において読み出した対象データ21aに基づいて、
図2に示すようなオブジェクトの構成図を、表示部60に表示する。ステップS1における表示指示は、電源装置1の入力部30から入力される場合や、電源装置1の起動により入力される場合など、様々な状況が考えられる。
【0080】
次にステップS4において、ユーザによって状態表示指示が入力されると、ステップS5において制御手段11は、指示対象のオブジェクトの状態データを、表示部60に表示する。例えば、所定の電源装置の状態データの表示指示が入力されると、制御手段11は、電源状態データ22aからその電源装置の状態のデータを取得して、表示部60にその電源装置の状態データを表示する。同様に所定の仮想ホストの状態データの表示指示が入力されると、制御手段11は、仮想ホスト状態データ23aからその仮想ホストの状態データを取得して、表示部60にその仮想ホストの状態のデータを表示する。所定の仮想マシンの状態データの表示指示が入力されると、制御手段11は、仮想マシン状態データ24aからその仮想マシンの状態データを取得して、表示部60にその仮想マシンの状態のデータを表示する。
【0081】
ステップS6においてユーザによって操作対象が選択されると、ステップS7において制御手段11は、その操作対象の操作リストを表示部60に表示する。例えば、操作対象が所定の電源装置の場合、制御手段11はメモリから電源操作データ25bを読み出し、電源操作データ25bに含まれる電源装置の操作リストを、表示部60に表示する。ここで、
図8(a)ないし(c)に示すように、電源装置の種別によって異なるので、制御手段11は、操作対象の電源装置の種別に対応する操作を表示する。操作対象が所定の仮想ホストの場合、制御手段11はメモリから仮想ホスト操作データ25cを読み出し、仮想ホスト操作データ25cに含まれる仮想ホストの操作リストを、表示部60に表示する。操作対象が所定の仮想マシンの場合、制御手段11はメモリから仮想マシン操作データ25dを読み出し、仮想マシン操作データ25dに含まれる仮想マシンの操作リストを、表示部60に表示する。
【0082】
ステップS8においてユーザによって状態変更指示が入力されると、その変更内容に応じて、制御手段11は処理を振り分ける。
【0083】
入力された状態変更指示が、電源装置の状態変更の指示である場合、ステップS9に進む。ステップS9において制御手段11は、入力された状態変更指示に基づいて、変更対象の電源装置の状態を変更する指示を、電源管理手段13に入力する。電源管理手段13は、入力された指示に従って、電力供給部40に指示を入力し、電源装置の状態を変更する。状態の変更が完了すると、ステップS10において、ステップS9の変更に基づいて、電源状態データ22aを更新する。
【0084】
入力された状態変更指示が、仮想マシンの移行の指示である場合、ステップS11に進む。ステップS11において制御手段11は、入力された移行指示に基づいて、移行対象の仮想マシンを、移行先の仮想ホストに移行する指示を、仮想システム管理手段14に入力する。仮想システム管理手段14は、入力された指示に従って、通信制御装置50に指示を入力し、移行対象の仮想マシンを移行する。仮想マシンの移行が完了すると、ステップS12において、ステップS11の移行に基づいて、対象データ21aを更新する。また移行に伴い、移行対象の仮想マシンに割り当てられるリソースが変更した場合、制御手段11は、仮想マシン状態データ24aも更新する。
【0085】
入力された状態変更指示が、仮想マシンまたは仮想ホストの状態変更の指示である場合、ステップS13に進む。ステップS13において制御手段11は、入力された状態変更指示に基づいて、変更対象の仮想マシンまたは仮想ホストの状態を変更する指示を、仮想システム管理手段14に入力する。仮想システム管理手段14は、入力された指示に従って、通信制御装置50に指示を入力し、仮想マシンまたは仮想ホストの状態を変更する。状態の変更が完了すると、ステップS14において、ステップS13の変更に基づいて、仮想ホスト状態データ23aまたは仮想マシン状態データ24aを更新する。
【0086】
ステップS10、12または14のデータ更新が完了すると、ステップS15において制御手段11は、指示を処理した旨をログデータ26aに記録する。ログデータに記録すると、ステップS3において制御手段11は、更新後の対象データ21aに基づいて、システム構成を表示部60に表示する。
【0087】
次に
図12ないし
図17を参照して、実施の形態に係る電源装置1の表示部60が表示する画面例を説明する。
【0088】
まず、
図12を参照して、電源装置に操作指示を入力する画面を説明する。
図12(a)において、電源装置がUPSの場合の画面を説明する。
図2に示す電源システムの構成が表示された画面において、第2の電源装置1bが選択されると、
図12(a)に示すように、第2の電源装置1bに対して入力可能な操作の一覧がプルダウンメニューとして表示される。ここで表示される操作の一覧は、
図8(a)を参照して説明したUPSの電源装置の電源操作データ25bに対応する。ユーザによって、表示部60に表示された電源操作のリストから、例えば「出力オン」の操作が選択されると、第2の電源装置1bについて出力オンをして良いかを確認する確認メッセージが、表示部60に表示される。この確認メッセージで「YES」が選択されると、第2の電源装置1bの出力をオンする指示が、指示取得手段12を介して制御手段11に入力される。制御手段11は、指示取得手段12によって入力された指示に基づいて、電源管理手段13を介して電力供給部40に指示を入力する。また、
図12(b)において電源装置がPDUの場合のメニューの一例を示しており、このメニューは、
図8(b)を参照して説明したPDUの電源装置の電源操作データ25bに対応する。また、
図12(c)において電源装置が直流電源の場合のメニューの一例を示しており、このメニューは、
図8(c)を参照して説明した直流電源の電源装置の電源操作データ25bに対応する。
【0089】
図13を参照して、仮想ホストに操作指示を入力する画面を説明する。
図2に示す電源システムの構成が表示された画面において、マウスの右クリックなどで、第2の仮想ホスト2bが選択されると、第2の仮想ホスト2bに対して入力可能な操作の一覧がプルダウンメニューとして表示される。ここで表示される操作の一覧は、
図9を参照して説明した仮想ホスト操作データ25cに対応する。ユーザによって、表示部60に表示された仮想ホスト操作のリストから、例えば「パワーオン」の操作が選択されると、第2の仮想ホスト2bについてパワーオンをして良いかを確認する確認メッセージが、表示部60に表示される。この確認メッセージで「YES」が選択されると、第2の仮想ホスト2bをパワーオンする指示が、指示取得手段12を介して制御手段11に入力される。制御手段11は、指示取得手段12によって入力された指示に基づいて、仮想システム管理手段14に指示を入力する。
【0090】
図14を参照して、仮想マシンに操作指示を入力する画面を説明する。
図2に示す電源システムの構成が表示された画面において、マウスの右クリックなどで第3の仮想マシン3cが選択されると、第3の仮想マシン3cに対して入力可能な操作の一覧がプルダウンメニューとして表示される。ここで表示される操作の一覧は、
図10を参照して説明した仮想マシン操作データ25dに対応する。ユーザによって、表示部60に表示された仮想ホスト操作のリストから、例えば「パワーオン」の操作が選択されると、第3の仮想マシン3cについてパワーオンをして良いかを確認する確認メッセージが、表示部60に表示される。この確認メッセージで「YES」が選択されると、第3の仮想マシン3cをパワーオンする指示が、指示取得手段12を介して制御手段11に入力される。制御手段11は、指示取得手段12によって入力された指示に基づいて、仮想システム管理手段14に指示を入力する。
【0091】
図15を参照して、仮想マシンの状態を表示するとともに、その設定値の変更指示を入力する画面を説明する。
図2に示す電源システムの構成が表示された画面において、マウスのダブルクリックなどで、第3の仮想マシン3cが選択されると、
図15に示すような画面が表示される。
図15は、第3の仮想マシン3cの設定値の一覧を表示する画面を示している。
図15に表示された各設定値は、
図7を参照して説明した仮想マシン状態データ24aのうち、第3の仮想マシン3cの仮想マシン状態データである。ここでは、第3の仮想マシンのCPU数は、「2」と表示されている。
図15に表示された各設定値のうち、
図7において、書換が「可」になっている項目をユーザが選択すると、その項目について書換可能な状態になる。例えば、
図15に示すように、「CPU数」が選択されると、変更後のCPU数を選択する画面が表示される。ここでユーザが、「1」を選択するとい、第3の仮想マシン3cのCPU数を「1」に変更して良いかを確認する確認メッセージが、表示部60に表示される。この確認メッセージで「YES」が選択されると、第3の仮想マシン3cのCPU数を「2」から「1」に変更する指示が、指示取得手段12を介して制御手段11に入力される。制御手段11は、指示取得手段12によって入力された指示に基づいて、仮想システム管理手段14に指示を入力する。
【0092】
図16を参照して、仮想マシンに操作指示を入力する画面を説明する。
図2に示す電源システムの構成が表示された画面において、マウスの右クリックなどで、第2の仮想マシン3bが選択されると、第2の仮想マシン3bに対して入力可能な操作の一覧がプルダウンメニューとして表示される。ここで表示される操作の一覧は、
図10を参照して説明した仮想マシン操作データ25dに対応する。ユーザによって、表示部60に表示された仮想マシンの操作のリストから、例えば「移行」の操作が選択されると、制御手段11は、移行先の仮想ホストを指定する画面を表示する。例えば、
図2に示す例において、移行対象の第2の仮想マシン3bは、第1の仮想ホスト2aでエミュレートされている。従って、制御手段11は、対象データ21aを参照して、対象データ21aに含まれる仮想ホストのうち、移行対象の第2の仮想マシン3bがエミュレートされている仮想ホスト以外の仮想ホストを、移行先の候補として表示する。具体的には、制御手段11は、第1の仮想ホスト2a以外の第2の仮想ホスト2bおよび第3の仮想ホスト2cを、移行先の候補として表示する。ユーザが、例えば移行先として第3の仮想ホスト2cを指定すると、第2の仮想マシン3bを、第3の仮想ホスト2cに移行して良いかを確認する確認メッセージが、表示部60に表示される。この確認メッセージで「YES」が選択されると、第2の仮想マシン3bを、第3の仮想ホスト2cに移行する指示が、指示取得手段12を介して制御手段11に入力される。制御手段11は、指示取得手段12によって入力された指示に基づいて、仮想システム管理手段14に指示を入力する。指示が実行されると、制御手段11は、ログデータ26aを更新するとともに、対象データ21aや仮想マシン状態データ24aを更新する。
【0093】
図16においては、仮想マシンについて表示される操作リストから移行を選択する場合について説明したが、
図17では、ドラッグアンドドロップで、移行の指示を入力する場合を説明する。ユーザは、入力部30において表示部60に表示された所定の仮想マシンのアイコンを選択し、その仮想マシンの移行先の仮想ホストのアイコンにドラッグアンドドロップすることにより、移行対象の仮想マシンと、移行先の仮想ホストとを特定することができる。
図17においても、ユーザが、例えば第2の仮想マシン3bの移行先として第2の仮想ホスト2bを指定すると、第2の仮想マシン3bを、第2の仮想ホスト2bに移行して良いかを確認する確認メッセージが、表示部60に表示される。
【0094】
図16および
図17に示す画面で説明した通り、ユーザによって、仮想マシンの移行指示が入力されると、その指示は仮想システム管理手段14および通信制御装置50を介して、仮想ホストコンピュータ2または仮想マシン3に入力され、仮想マシンの移行が実行される。このような仮想マシンの移行後のシステム構成を、
図18を参照して説明する。
【0095】
図18における電源システムは、
図2を参照して説明した電源システムと比較して、第3の仮想ホストコンピュータ2cでエミュレートされた第4の仮想マシン3d、第5の仮想マシン3eおよび第6の仮想マシン3fが、第3の仮想ホストコンピュータ2cから他の仮想ホストコンピュータに移行している。具体的には、第4の仮想マシン3dは、第1の仮想ホストコンピュータ2aに、第5の仮想マシン3eおよび第6の仮想マシン3fは、第2の仮想ホストコンピュータ2bに移行している。
【0096】
図18に示す電源システムについて、表示手段15は、表示部60に
図19に示すような画面を表示する。
図19に示す画面において、第1の電源装置1aの識別子に、第1の仮想ホスト2aおよび第2の仮想ホスト2bの識別子が対応づけられている。第1の仮想ホスト2aの識別子に、第1の仮想マシン3a、第2の仮想マシン3bおよび第4の仮想マシン3dの識別子が対応づけられている。第2の仮想ホスト2bの識別子に、第3の仮想マシン3c、第5の仮想マシン3eおよび第6の仮想マシン3fの識別子が対応づけられている。また、
図19に示す例において第2の電源装置1bの識別子のみ表示されているが、第2の電源装置1bを選択することによって、第2の電源装置1bに接続された仮想ホストおよび仮想マシンの情報が表示される。具体的には、第2の電源装置1bの識別子に、第3の仮想ホスト2cの識別子が対応づけられる。
図18に示す様に、第3の仮想ホスト2cでエミュレートされている仮想マシンは存在しないため、表示部60に表示された第3の仮想ホスト2cの識別子に、仮想マシンの識別子は何ら対応づけられない。
【0097】
このように、
図18に示す電源システムにおいて、第3の仮想ホスト2cで何ら仮想マシンがエミュレートされていない。従って第2の電源装置1bは、第3の仮想ホストコンピュータ2cをシャットダウンした後、第2の電源装置1b自身をシャットダウンすることができる。これにより、第3の仮想ホストコンピュータ2cおよび第2の電源装置1bについて、省エネルギー化することができる。
【0098】
このような状況は、例えば、膨大な数を処理するために多くのリソースを要する時間と、処理数が少なく、小さいリソースでも稼働可能な時間と、が混在しているようなシステムにおいて、好適である。例えば、昼に多くのデータを処理する必要がある場合、予め定められたスケジュールに従って、
図2に示すようにより多くの仮想ホストコンピュータおよび電源装置を稼働させる。一方、データ処理数が減る夜間には、予め定められたスケジュールに従って、
図18に示すように、最小限の仮想ホストコンピュータおよび電源装置を稼働させることができる。また、チケットの受付など、ランダムに処理数が増えるシステムにおいても好適である。例えば、所定時刻からチケットの申し込みを受け付けるコンピュータシステムにおいて、その受付開始時刻から所定時間のみ多数のコンピュータを稼働し、それ以外の時間帯は稼働するコンピュータの数を抑制することができる。
【0099】
本発明の実施の
形態において、仮想管理サーバの備える機能を電源装置が備えることにより、電源装置において、仮想管理をすることができる。従って本発明の実施の形態に係る電源装置は、電源管理と仮想管理とを同期させることができる。これにより、仮想マシンの移行、仮想ホストコンピュータのシャットダウン、電源装置の移行などを、一連の流れとして制御することができるので、電力供給と仮想管理とを同期させ、システム全体の信頼性を高めることができる。
【0100】
さらに、本発明の実施の形態に係る電源装置は、仮想マシンや仮想ホストに対して、設定値の変更などの各種指示を与えることができる。従って従来は、仮想マシンや仮想ホストを管理する管理端末において、仮想マシンや仮想ホストを管理制御する一方、電源装置が、仮想ホストの電源を管理していたところ、本発明の実施の形態に係る電源装置において、電源、仮想マシンおよび仮想ホストを、一括して管理することができる。このため、本発明の実施の形態に係る電源装置は、電源、仮想マシンおよび仮想ホストを連携させ、スムーズなシステム運用を支援することができる。
【0101】
このように電源装置が仮想システムの仮想管理を制御することにより、電源システム全体において、信頼性を向上させることができる。
【0102】
(変形例)
上述した本発明の実施の形態に係る電源装置1が、入力部30および表示部60を備える場合について説明したが、変形例においては、電源装置1は入力部30および表示部60を備えず、電源装置1とは別のハードウェアコンピュータの入力部および表示部を用いて電源装置1に情報を入出力する場合について説明する。
【0103】
図20に示す変形例に係る電源システムは、
図2に示す本発明の実施の形態に係る電源システムと比べて、管理端末6を備えている点が異なる。管理端末6は、一般的なコンピュータに所定の管理プログラムをインストールし実行することにより実現される。また第2の電源装置1bは第4のタップ5dを備え、第4のタップ5dは管理端末6に電力を供給している。
【0104】
管理端末6は、マウス、キーボードなどの入力部と、ディスプレイなどの表示部を備える。管理端末6の表示部には、
図3などを参照して説明した画面などが表示される。
【0105】
図21に示すように、ユーザは管理端末6の入力部を操作して、管理端末6の表示部に表示された画面を参照しながら、管理端末6に指示を入力する。管理端末6の中央処理制御装置は、ユーザが入力部の操作によって入力した指示を、電源装置1の制御手段11に入力する。このとき管理端末6の中央処理制御装置は、ユーザの指示の対象の識別子と、入力した指示とを対応づけて取得し、電源装置1の制御手段11に入力する。
【0106】
電源装置1の制御手段11は、入力された指示に従って、本発明の実施の形態において説明した通りに処理する。また電源装置1の制御手段11は、本発明の実施の形態において説明した通りに、管理端末6の中央処理制御装置に、表示部への画面表示の指示を入力する。
【0107】
ここで
図22および
図23を参照して、管理端末6の表示部に表示される画面の一例を説明する。
図22は、仮想マシンの情報を表示した画面である。
図22に示す例においては、ブラウザ上に画面を表示している。また、
図22に示す画面には、「イベントログ」や「測定ログ」などのリンクが設けられている。ユーザが「イベントログ」のリンクをクリックすると、
図23に示すように、電源装置1のログデータ26aが、表示部に表示される。
【0108】
図22および
図23に示す画面は、
図12ないし
図17などを参照して説明した画面に比べて、より多くの情報が含まれている。また、各種リンクが設けられているので、ユーザは、管理端末6を介して、電源システムにおける仮想マシンの移行や各構成要素の設定値の変更などの指示を、電源装置1に容易に入力することができる。
【0109】
(その他の実施の形態)
上記のように、本発明の実施の形態、および変形例によって記載したが、この開示の一部をなす論述および図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例および運用技術が明らかとなる。
【0110】
本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。従って、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。