(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1A,1B,1Cは本願発明に係るスイッチの第1実施形態を示す斜視図である。
【
図2】
図1Bで示したスイッチの分解斜視図である。
【
図3】
図1Cで示したスイッチの分解斜視図である。
【
図4】
図4A,4Bは
図1で示したスイッチの接点機構を示す斜視図である。
【
図5】
図5A,5B,5Cは操作過程を説明するための正面図、ハウジングの正面側の側壁だけを除去する位置で切断した断面図および操作子を縦に2分割する位置で切断した断面図である。
【
図6】
図6A,6B,6Cは操作過程を説明するための正面図、ハウジングの正面側の側壁だけを除去する位置で切断した断面図および操作子を縦に2分割する位置で切断した断面図である。
【
図7】
図7A,7B,7Cは操作過程を説明するための正面図、ハウジングの正面側の側壁だけを除去する位置で切断した断面図および操作子を縦に2分割する位置で切断した断面図である。
【
図8】
図8A,8B,8Cは操作過程を説明するための正面図、ハウジングの正面側の側壁だけを除去する位置で切断した断面図および操作子を縦に2分割する位置で切断した断面図である。
【
図9】
図9A,9Bは本願発明に係るスイッチの第2実施形態を示す斜視図である。
【
図12】
図12A,12Bは
図1で示したベースに一体成形された接点機構を示す斜視図である。
【
図13】
図13A,13B,13Cは操作過程を説明するための正面図、ハウジングの正面側の側壁だけを除去する位置で切断した断面図および操作子を縦に2分割する位置で切断した断面図である。
【
図14】
図14A,14B,14Cは操作過程を説明するための正面図、ハウジングの正面側の側壁だけを除去する位置で切断した断面図および操作子を縦に2分割する位置で切断した断面図である。
【
図15】
図15A,15B,15Cは操作過程を説明するための正面図、ハウジングの正面側の側壁だけを除去する位置で切断した断面図および操作子を縦に2分割する位置で切断した断面図である。
【
図16】
図16A,16B,16Cは操作過程を説明するための正面図、ハウジングの正面側の側壁だけを除去する位置で切断した断面図および操作子を縦に2分割する位置で切断した断面図である。
【
図17】
図17A,17Bは本願発明に係るスイッチの第3実施形態を示す斜視図である。
【
図21】
図21A,21B,21Cは操作過程を説明するための正面図、ハウジングの正面側の側壁だけを除去する位置で切断した断面図および操作子を縦に2分割する位置で切断した断面図である。
【
図22】
図22A,22B,22Cは操作過程を説明するための正面図、ハウジングの正面側の側壁だけを除去する位置で切断した断面図および操作子を縦に2分割する位置で切断した断面図である。
【
図23】
図23A,23B,23Cは操作過程を説明するための正面図、ハウジングの正面側の側壁だけを除去する位置で切断した断面図および操作子を縦に2分割する位置で切断した断面図である。
【
図24】
図24A,24B,24Cは操作過程を説明するための正面図、ハウジングの正面側の側壁だけを除去する位置で切断した断面図および操作子を縦に2分割する位置で切断した断面図である。
【
図25】
図25A,25B,25Cは本願発明に係るスイッチの第4実施形態を示す斜視図である。
【
図29】
図29A,29B,29Cは操作過程を説明するための正面図、ハウジングの正面側の側壁だけを除去する位置で切断した断面図および操作子を縦に2分割する位置で切断した断面図である。
【
図30】
図30A,30B,30Cは操作過程を説明するための正面図、ハウジングの正面側の側壁だけを除去する位置で切断した断面図および操作子を縦に2分割する位置で切断した断面図である。
【
図31】
図31A,31B,31Cは操作過程を説明するための正面図、ハウジングの正面側の側壁だけを除去する位置で切断した断面図および操作子を縦に2分割する位置で切断した断面図である。
【
図32】
図32A,32B,32Cは操作過程を説明するための正面図、ハウジングの正面側の側壁だけを除去する位置で切断した断面図および操作子を縦に2分割する位置で切断した断面図である。
【
図33】
図33は第1実施形態に対して行った振動実験の測定結果を示すグラフ図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本願発明に係る実施形態を
図1ないし
図32の添付図面に従って説明する。
第1実施形態に係るスイッチは、
図1ないし
図8の添付図面に示すように、ハウジング10と、前記ハウジング10にゴム製キャップ25を介して装着される操作子20と、前記ハウジング10に側方から組み込まれるホルダー31に組み付けられ、かつ、前記操作子20に操作される接点機構30と、で構成されている。
【0014】
前記ハウジング10は、
図1Aに図示するように、ハウジング本体11の片側側面の一方側に設けた段部11aの側面に取付孔11bを設けてある一方、その他方側に位置決め用ボス11cを突設してある。また、前記ハウジング本体11は、
図1Bに示すように、その他方側の端面に縦長の組立用開口部11dを有している。さらに、前記ハウジング本体11は、その上端面の他方側に突設した一対の防護壁11e,11eの間に操作孔11fを設けてある(
図2)。
【0015】
前記操作子20は、
図2に図示するように、その上方側に設けた環状溝21aにゴム製キャップ25の開口部26の環状縁部を嵌合し、前記ハウジング10の操作孔11fに上下動可能に組み付けられる。なお、前記操作子20の下方側の外周面には抜け止め用突起21bが側方に突出している(
図3)。
【0016】
前記接点機構30は、
図2に図示するように、前記ホルダー31に組み付けた常開固定接点端子40および常閉固定接点端子45の間に、共通端子50を配置したものである。前記常開固定接点端子40および前記常閉固定接点端子45の一端部には、常開固定接点40aおよび常閉固定接点45aをそれぞれ配置してある。一方、前記共通端子50には、可動接触片60、バネ部材であるコイルバネ70および操作片80が組み付けられている。
【0017】
ホルダー31は、前記ハウジング10の組立用開口部11dから挿入可能な外周形状を有するとともに、その垂直壁32に圧入用スリット32a,32b,32cを千鳥状に交互に設けてある。また、前記垂直壁32の内向面には、後述する操作子20を位置規制するために一対のガイド用突起32d,32dが設けられている。
【0018】
前記共通端子50は、一方側の両側縁部を切り起こして一対の切り起こし片51,51を形成してある。前記切り起こし片51は、その上端部に切り欠き部51aを形成してあるとともに、前記切り起こし片51の外向縁部に係止受け部51bを形成してある。また、前記共通端子50は、前記切り起こし片51の間に舌片51cを切り起こしてある。さらに、前記共通端子50は、前記舌片51cの近傍に係止孔51dを設けてある。
なお、前記舌片51cは、その先端縁部を下方側に屈曲して形成した屈曲部を後述するコイルバネ70の下面に当接させることにより、前記コイルバネ70の共振を防止するものである。前記屈曲部は前記コイルバネ70に点接触するだけでなく、線接触あるいは面接触する形状であってもよい。特に、線接触あるいは面接触する構成とすれば、部品の寸法精度、組立精度にバラツキがあっても、前記屈曲部に前記コイルバネ70が確実に当接し、コイルバネ70の振幅の増幅をより一層確実に防止できるという利点がある。
【0019】
可動接触片60は略U字形状を有する導電性板バネであり、その一端部に可動接点61aを設けてある一方、その他端側の両端部に回動支点となる係止部61bを形成してある。また、前記可動接触片60は、前記可動接点61aの近傍に係止孔61cを設けてある。
【0020】
コイルバネ70は、その一端部71aを前記可動接触片60の係止孔61cに係止可能である一方、その他端部71bを前記共通端子50の係止孔51dに係止可能である。
【0021】
操作片80は、その一端側の縁部に沿って係合軸部81aを形成してあるとともに、その中間部の両側縁部に前記切り起こし片51の切り欠き部51aに係合する抜け止め用突起81bを側方に突設してある。また、前記操作片80は、その他方側の両側縁部から曲げ下ろした腕部81cの先端に係止受け部81dをそれぞれ設けてあるとともに、その他端部を操作受け部81eとしてある。
【0022】
次に、第1実施形態に係るスイッチの組立方法について説明する。
先ず、
図2に図示した前記コイルバネ70の一端部71aを可動接触片60の係止孔61cに係止する一方、その他端部71bを共通端子50の係止孔51dに係止する。そして、
図4Aおよび
図4Bに図示するように、共通端子50の切り欠き部51aに操作片80の抜け止め用突起81bを係合した後、共通端子50の係止受け部51bに操作片80の係合軸部81aを係合するとともに、その腕部81cに設けた係止受け部81dに前記可動接触片60の係止部61bを係止する。これにより、コイルバネ70のバネ力により、前記可動接触片60が下方側に付勢される。
【0023】
さらに、
図2に図示する前記共通端子50をホルダー31の
圧入用スリット32aに圧入して位置決めするとともに、
圧入用スリット32b,32cに常閉固定接点端子45,常開固定接点端子40をそれぞれ圧入する。これにより、可動接点61aが常閉固定接点45a,常開固定接点40aのそれぞれに接離可能に対向する。
【0024】
そして、前記ホルダー31をハウジング10の
組立用開口部11dから挿入した後、樹脂モールドでシールドする。一方、前記ハウジング10の操作孔11fの開口縁部にゴム製キャップ25の下方側の開口縁部を嵌合して熱カシメした後、前記ゴム製キャップ25の開口部26から操作子20を圧入するとともに、前記操作子20の環状溝21aにゴム製キャップ25の開口縁部を弾性嵌合してシールする。
【0025】
次に、前記スイッチの操作方法について説明する。
まず、
図5に示すように、無負荷状態においては、コイルバネ70のバネ力によって操作片80の操作受け部81eが上方側に付勢され、操作子20も上方側に付勢されている。しかし、操作子20は、その抜け止め
用突起21bがハウジング10の天井面に係止し、抜け出ることはない。一方、可動接点61aは常閉固定接点45aに接触している一方、常開固定接点40aから開離している。
【0026】
そして、
図6に示すように、操作子20で操作片80の操作受け部81eを押し下げると、切り起こし片51の係止受け部51bを支点として前記操作片80の係合軸部81aが回動する。そして、前記操作片80の係止受け部81dがコイルバネ70の両端部71a,71bを結ぶ基準線(図示せず)を越えると、可動接触片60が反転し、可動接点61aが常閉固定接点45aから常開固定接点40aに切り替わる(
図7)。さらに、前記操作子20を押し下げることにより、可動接点61aが常開固定接点
40aに所定の接点圧で接触する(
図8)。
【0027】
ついで、前記操作子20に対する押圧力を解除すると、前記コイルバネ70のバネ力で可動接触片60が逆方向に回動し、操作子20が上方に押し上げられる。このため、可動接点61aが常開固定接点40aから常閉固定接点45aに切り替わり、元の位置に復帰する。なお、前記操作子20は、その抜け止め
用突起21bがハウジング10の天井面に係止するので、前記ハウジング10から脱け出ることはない。
【0028】
操作過程において、可動接触片60の回動の際にコイルバネ70の伸縮等によって振動が生じるが、前記共通端子50に設けた舌片51cがコイルバネ70に当接し、振幅増大のタイミングを外し、共振現象を防止する。
同様に、外部から衝撃力が負荷されても、前記コイルバネ70は舌片51cに当接するので、振幅の増大による共振現象を防止できるという利点がある。
【0029】
第2実施形態に係るスイッチは、
図9ないし
図16に図示するように、ハウジング10と、前記ハウジング10に装着される操作子20と、前記ハウジング10内に組み込まれ、かつ、前記操作子20に操作される接点機構30と、で構成されている。
【0030】
前記ハウジング10は、
図10に図示するように、常開固定接点端子40,常閉固定接点端子45および共通端子50をインサート成形したベース12と、前記ベース12に嵌合可能な平面形状を有するカバー13と、で構成されている。なお、前記接点機構30は、常開固定接点端子40,常閉固定接点端子45,共通端子50と、後述する可動接触片60とで構成されている。
【0031】
前記ベース12は、その上面に常開固定接点端子40および常閉固定接点端子45をそれぞれ突出させ、その上端部に常開固定接点40aおよび常閉固定接点45aをそれぞれ設け、前記常開固定接点40aおよび常閉固定接点45aを対向させている。また、前記ベース12は、その上面に共通端子50の一対の突片52,52を突出させるとともに、前記突片52,52の外側縁部に係止受け部52a,52bを設けてある。さらに、前記ベース12は、その対向する両側側面に係合爪部12aを形成してある。
【0032】
前記カバー13は、その上面に設けた操作孔13aの近傍に図示しない操作レバーを取り付けるための凹所13bを形成してある。また、前記カバー13は、対向する側面の下方側隅部に係合孔13cを設けてある。さらに、前記カバー13は、
図11に示すように、その天井面に後述する板バネ72を位置規制するための突部13dを突設してある。
【0033】
接点機構部30を構成する前記可動接触片60は、
図10に図示するように、導電性板バネ材にプレス加工を施して形成したものであり、手前側の端部に可動接点62aを設けてある一方、奥側に嵌合孔62bを設けてある。さらに、前記可動接点62aと嵌合孔62bとの間には、曲げ加工を施された円弧状の板バネ72を切り出してある。そして、前記板バネ72の自由端部には係止部72aを設けてある。
【0034】
前記操作子20は、前記カバー13の操作孔13aに嵌合可能な平面形状を有するとともに、その下端部に一対の抜け止め用突起22a,22aを側方に突設してある。
【0035】
次に、本実施形態に係る組立方法について説明する。
先ず、
図10に図示するように、ベース12から突出する一方側の突片52の係止受け部52aに可動接触片60の嵌合孔62bの内側縁部を係止するとともに、他方側の突片52の係止受け部52bに板バネ72の係止部72aを係止する。これにより、可動接点62aが常開固定接点40aと常閉固定接点45aとの間に位置するとともに、上方に付勢される(
図12A,12B)。
【0036】
そして、操作子20を操作孔13aに組み付けたカバー13をベース12に嵌合し、前記ベース12の係合爪部12aを前記カバー13の係合孔13cに係合して一体化する。これにより、
図11に図示する前記操作子20の下端部が前記可動接触片60に当接するとともに、突部13dが可動接触片60の板バネ72に当接可能となる。
【0037】
本実施形態に係るスイッチの操作方法について説明する。
図13に図示するように、前記操作子20が無負荷状態である場合には、可動接触片60の板バネ72のバネ力により、可動接点62aが常閉固定接点45aに所定の接点圧で接触している。
【0038】
そして、
図14,15に図示するように、操作子20を押し下げることにより、可動接触片60に撓みが生じる。そして、操作子20の下端部が突片52,52の係止受け部52a,52bを結ぶ基準線(図示せず)を越えると、前記板バネ72のバネ力で可動接触片60が係止受け部52aを支点として反転する(
図16)。このため、可動接点62aが常閉固定接点45aから常開固定接点40aに切り替わり、更に、前記操作子20を押し込むことにより、可動接点62aが常開固定接点40に所定の接点圧で接触する。
【0039】
そして、前記操作子20の負荷を解除すると、板バネ72のバネ力で可動接触片60が反転し、可動接点62aが常開固定接点40aから常閉固定接点45aに切り替わり、元の状態に復帰する。
【0040】
前記可動接触片60が回動する際に、板バネ72が弾性変形して振動するが、カバー13の位置規制
するための突部13dが前記板バネ72に当接することにより、振幅増大のタイミングを外し、共振現象を防止する。
同様に、外部から衝撃力が加わっても、前記板バネ72がカバー13の突部13dに当接するので、振幅の増大による共振現象を防止できる。特に、前記突部13dの先端部は、可動接触片60に嵌合しているので、横揺れが加わっても、可動接触片60の脱落を防止できるという利点がある。
【0041】
第3実施形態に係るスイッチは、
図17ないし
図24に図示するように、ベース14とカバー15とからなるハウジング10内に接点機構30を組み込むとともに、前記ハウジング10に組み付けた操作子20で前記接点機構30を操作可能としたものである。
【0042】
前記ベース14は、
図18に図示するように、操作子20を組み付ける操作孔14aを設けてあるとともに、前記操作孔14aの近傍に図示しない操作レバーを組み付けるための取付孔14bを設けてある。また、前記ベース
14は、共通端子50、常閉固定接点端子45および常開固定接点端子40を側方から圧入できるスリット14c,14d,14eを設けてある。さらに、前記ベース
14は、一対の取付孔14f,14gを設けてあるとともに、前記取付孔14f,14gの間にリベット孔
14hを設けてある。そして、前記ベース
14は、その天井面に突部14iを突設してある。
【0043】
前記カバー15は、
図19に図示するように、前記ベース14に嵌合可能な側面形状を有し、前記取付孔14f,14gに対応する位置に嵌合用ボス15a,15bを設けてあるとともに、リベット孔15cを設けてある。
【0044】
前記接点機構30は、
図18に図示するように、上端部に常開固定接点40aおよび常閉固定接点45aをそれぞれ設けた常開固定接点端子40および常閉固定接点端子45と、可動接触片60および湾曲した板バネ73を組み付ける共通端子50と、からなるものである。
【0045】
前記共通端子50は、プレス加工で折り曲げて形成した一対の突片53,53のうち、その外向き面に係止受け部53a,53bをそれぞれ形成してある。
【0046】
前記可動接触片60は導電性板バネを打ち抜き、一端部に可動接点63aを設けてあるとともに、一対の遊嵌孔63b,63cを形成してある。
【0047】
前記板バネ73は、帯状バネ材をプレス加工で湾曲させたものであり、その一端部73a,他端部73bを係止可能な形状としてある。
【0048】
次に、本実施形態に係る組立方法について説明する。
先ず、
図18に図示するように、共通端子50の突片53に設けた係止受け部53aに可動接触片60に設けた遊嵌孔
63bの内側縁部を係止する一方、突片53に設けた係止受け部53bに板バネ73の一端部73aを係止するとともに、前記板バネ73の他端部73bを遊嵌孔63cの内側縁部に係止する(
図20A,20B参照)。ついで、
図18に図示するベース14のスリット14cに共通端子50を圧入して位置決めするとともに、スリット14d,14eに常閉固定接点端子45および常開固定接点端子40をそれぞれ圧入して位置決めする。これにより、可動接点63aが常閉固定接点45aおよび常開固定接点40aの間に位置し、上方に付勢される。ついで、前記ベース14の操作孔14aに操作子20を嵌合した後、
図19に図示する前記ベース14の取付孔14f,14gにカバー15の
嵌合用ボス15a,15bを挿入する。そして、リベット孔14h,15cにリベット15dを挿入してカシメることにより、組立作業が完了する。
【0049】
本実施形態に係るスイッチの操作方法について説明する。
図21に図示するように、前記操作子20が無負荷状態である場合には、可動接触片60に組み付けた板バネ73のバネ力により、可動接点63aが常閉固定接点45aに所定の接点圧で接触している。
【0050】
図22に図示するように、操作子20を押し下げると、可動接触片60に撓みが生じる。そして、突片53の係止受け部53aと板バネ73の他端部73bとを結ぶ基準線(図示せず)が、突片53の係止受け部53bを越えると、前記板バネ73のバネ力で可動接触片60が前記係止受け部53aを支点として反転する(
図23)。このため、可動接点63aが常閉固定接点45aから常開固定接点40aに切り替わり、更に、前記操作子20を押し込むことにより、可動接点63aが常開固定接点40aに所定の接点圧で接触する(
図24)。
【0051】
そして、前記操作子20の負荷を解除すると、板バネ73のバネ力で可動接触片60が反転し、可動接点63aが常開固定接点40aから常閉固定接点45aに切り替わり、元の状態に復帰する。
【0052】
可動接触片60の回動の際に、板バネ73が弾性変形し、振動しようとするが、ベース14に設けた突部14iに前記板バネ73が当接し、振幅増大のタイミングを外すことにより、共振現象を防止できる。
同様に、外部から衝撃力が加わっても、前記板バネ73はカバー15の突部14iに当接するので、共振現象を防止できる。
【0053】
第4実施形態に係るスイッチは、
図25ないし
図32に図示するように、ベース16とカバー17とからなるハウジング10内に接点機構30を組み込むとともに、前記接点機構30を前記ハウジング10に組み付けた操作子20で操作可能としたものである。
【0054】
前記ベース16は、
図25に図示するように、その上面に操作子20を組み付ける操作孔16aを設けてあるとともに、図示しない操作レバーを組み付けるための凹部16bを設けてある。また、前記ベース16は、
図26に図示するように、後述する共通端子50、常開固定接点端子40および常閉固定接点端子45を側方から圧入できるスリット16c,16d,16eを有する。さらに、前記ベース16は、対向する隅部に取付孔16f,16gをそれぞれ配置してある。なお、前記操作孔16aと取付孔16gとの間に、突部16hを設けてある(
図27)。
【0055】
前記カバー17は、前記ベース16に嵌合可能な側面形状を有し、前記取付孔16f,16gに対応する位置に圧入用ボス17a,17bを設けてある。
【0056】
前記接点機構30は、
図26に図示するように、可動接触片60,板バネ74および操作片84を組み付ける共通端子50と、一端部に常開固定接点40aおよび
常閉固定接点45aをそれぞれ設けた常開固定接点端子40および常閉固定接点端子45と、からなるものである。
【0057】
前記共通端子50は、プレス加工で階段状に形成され、その角部に貫通孔からなる係止受け部54a,54bを設けてある。
【0058】
前記可動接触片60は、導電性板バネを枠状に打ち抜き、一端部に可動接点64aを設けてあるとともに、その両側縁部を曲げ起こして補強リブ64b,64bを形成してある。そして、前記可動接触片60の開口縁部のうち、前記可動接点64a近傍の開口縁部に一対の係止用爪部64c,64cを曲げ起こしてある。
【0059】
前記板バネ74は、帯状バネ材をプレス加工で湾曲させたものであり、その一端部74a,他端部74bを係止可能な形状としてある。
【0060】
前記操作片84は、
図27に図示するように、略L字形状に屈曲したものであり、その水平部の先端に係止部84aを形成してある一方、その垂直部の上端に操作受け部84bを形成するとともに、外向面に係止受け部84cを形成してある。
【0061】
次に、本実施形態に係る組立方法について説明する。
先ず、
図26に図示するように、共通端子50の角部に設けた係止受け部54aに操作片84の係止部84aを下方側から係止するとともに、操作片84の係止受け部84cに可動接触片60の内側縁部を係止する。さらに、前記可動接触片60の係止用爪部64c,64cに板バネ74の一端部74aを係止するとともに、前記板バネ74の一端部74bを共通端子50の角部に設けた係止受け部54bに係止する(
図28A,28B参照)。ついで、
図26に図示するベース16のスリット16cに前記共通端子50を圧入して位置決めするとともに、スリット16d,16eに常開固定接点端子40および常閉固定接点端子45をそれぞれ圧入して位置決めする。これにより、可動接点64aが常開固定接点40aおよび常閉固定接点45aの間に位置し、上方側に付勢される。ついで、前記ベース16の操作孔16aに操作子20を嵌合して位置決めした後、前記ベース16の取付孔16f,16gにカバー17の
圧入用ボス17a,17bを圧入一体化することにより、組立作業が完了する。
【0062】
本実施形態に係るスイッチの操作方法について説明する。
図29に図示するように、前記操作子20が無負荷状態である場合には、可動接触片60に組み付けた板バネ74のバネ力により、可動接点64aが常閉固定接点45aに所定の接点圧で接触している。
【0063】
そして、
図30に図示するように、操作子20を押し下げて操作片84の操作受け部84bを押し下げると、操作片84が係止部84aを支点に回動するとともに、可動接触片60が下降する。そして、操作片84の係止受け部84cと板バネ74の一端部74aとを結ぶ基準線(図示せず)が、板バネ74の他端部74bを越えると、前記板バネ74のバネ力で可動接触片60が操作片84の係止受け部84cを支点として反転する(
図31)。このため、可動接点64aが常閉固定接点45aから常開固定接点40aに切り替わる。さらに、前記操作子20を押し込むことにより、可動接点64aが常開固定接点40aに所定の接点圧で圧接する(
図32)。
【0064】
そして、前記操作子20の負荷を解除すると、板バネ74のバネ力で可動接触片60が反転し、可動接点64aが常開固定接点40aから常閉固定接点45aに切り替わり、元の状態に復帰する。
【0065】
可動接触片60が回動する際に、板バネ74が弾性変形して振動するが、ベース16に設けた突部16hが前記板バネ74に当接し、振幅増大のタイミングを外すことにより、共振現象を防止できる。
同様に、外部から衝撃力が加わった場合でも、前記板バネ74が突部16hに当接するので、共振現象を防止できる。
【実施例】
【0066】
第1,第2実施形態に係るスイッチのサンプルを実施例として共振実験を行った。同様に舌片を設けなかったスイッチのサンプルを比較例として同一条件で共振実験を行った。測定結果を
図33のグラフ図に示す。
【0067】
図33Aに示すように、舌片を設けた実施例ではコイルバネに共振現象が生じなかった。
一方、
図33Bから明らかなように、舌片を設けなかった比較例ではコイルバネが大きく振動し、共振することが判明した。このため、応力振幅巾が弾性域内であっても、応力振動数の増大に伴って破損しやすくなり、寿命が短くなると考えられる。また、コイルバネの共振現象に伴って可動接触片,可動接点も振動することが判った。
以上の実験結果より、舌片が共振現象の発生を阻止することにより、誤動作を防止し、寿命を伸ばすことが判った。