(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5691888
(24)【登録日】2015年2月13日
(45)【発行日】2015年4月1日
(54)【発明の名称】タオル掛け具
(51)【国際特許分類】
A47K 10/10 20060101AFI20150312BHJP
【FI】
A47K10/10 Z
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2011-148253(P2011-148253)
(22)【出願日】2011年7月4日
(65)【公開番号】特開2013-13549(P2013-13549A)
(43)【公開日】2013年1月24日
【審査請求日】2014年2月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】390020019
【氏名又は名称】レック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096862
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 千春
(72)【発明者】
【氏名】大串 修二
【審査官】
七字 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】
登録実用新案第3155677(JP,U)
【文献】
特開平07−313325(JP,A)
【文献】
特開2007−068557(JP,A)
【文献】
実開昭60−145893(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 10/10
A47K 10/04
A47B 95/02
A47B 77/14
A47G 29/00−29/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
収納部の開閉扉の上縁部に水平方向に延設され、縦断面が前面に開口する略コ字状に形成されるとともに、内壁上部に手がかり部が形成されたライン取手に取り付けるタオル掛け具であって、
一端部側にタオル掛け部材が回動自在に設けられた取付部材と、当該取付部材の他端部側から突出するとともに、上記ライン取手内の上記手がかり部に挿入されて上記ライン取手の内壁に当接される支持部材と、略コ字状に屈曲して形成され一端部が上記取付部材の上部に着脱自在に挿入されるとともに、中間部が上記開閉扉の上面を跨いで他端部が上記開閉扉の背面に当接されることにより、上記開閉扉を間に挟む掛止部材と、その掛止部材の上記一端部を上記取付部材に固定するカバー部材とを備えていることを特徴とするタオル掛け具。
【請求項2】
上記支持部材は、上記取付部材に着脱自在に設けられているとともに、上記取付部材の上記上部から下部側に向けてスライド可能に設けられ、かつ上記ライン取手の長手方向の離間した少なくとも2箇所の上記内壁に当接されることを特徴とする請求項1に記載のタオル掛け具。
【請求項3】
上記取付部材の上記上部には、上記掛止部材の上記一端部を着脱自在に挿入する孔部が、上記取付部材の上記一端部側と上記他端部側との間に間隔を置いて複数穿設されていることを特徴とする請求項1または2に記載のタオル掛け具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、台所などの収納部の開閉扉に設けられたライン取手に取り付けるタオル掛け具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、タオル掛け具は、台所や洗面所などの水回りの壁面などに取り付けて用いられる。このタオル掛け具を、例えば、台所のシンクの前面側に取り付けて使用する場合、釘やビスなどを用いると、取り付け場所を移動したり、他の種類のタオル掛けを新たに取り付けたりする際に、釘やビスの孔が残ってしまい、見栄えが悪くなってしまうとともに、水の浸入により内部が腐食してしまう。そこで、シンクの前面側に取り付ける場合には、吸盤を用いて取り付けるタイプのタオル掛け具が用いられる。
【0003】
しかし、この吸盤タイプの上記タオル掛け具は、好みの場所の平坦面に簡単に吸着させて取り付けることができる反面、タオルの重みやタオルを使用する際に外れてしまい、その都度取り付けなければならないという問題がある。また、使用環境によっては、吸盤の劣化が進行して、吸着能力が衰えてしまうという問題もある。
【0004】
ところで、近年、台所に用いられるシンクにおいては、様々な機能や収納部が装備された、いわゆるシステムキッチンが所望され、趣向を凝らしたデザインのものが、一般家庭の台所においても広く使用されている。このシステムキッチンは、収納部の戸棚や抽斗を開閉する扉の取手にも、デザイン性が求められ、すっきりとしたデザインのライン取手などが用いられている。そのため、従来の吸盤タイプのタオル掛け具をシステムキッチンに取り付けると、折角のデザインの良さが損なわれてしまうことになる。
【0005】
そこで、このシステムキッチンに備え付けの収納部の開閉扉に設けられている、ライン取手を利用した専用のタオル掛け具が、システムキッチンを製造する各メーカから販売されている。このタオル掛け具は、上記開閉扉の上縁部に延設された縦断面が略コ字状に形成されたライン取手に取り付けるもので、例えば、下記特許文献1において、上方に掛止具が設けられた収納部を有するキッチン台などの収納家具であって、前記掛止具は収納家具前面上部に設けたレール部にスライド自在に係止された掛止具を有するキッチン台などの収納家具が提案されている。
【0006】
この従来のキッチン台などの上記収納家具の上記レール部に、スライド自在に係止された上記掛止具は、上記収納家具のデザインに合わせて製作されているため、美観を損なうことがないとともに、上記収納家具前面上部に設けられた上記レール部の形状に合わせて製作されているため、このレール部から脱落することなく、スライド自在に係止させることができるものである。
【0007】
ところが、上記掛止具は、上記収納家具の上記レール部の形状に合わせて制作されているため、既存の収納家具に異なる形状のレール部が設けられていた場合、この掛止具を取り付けることが難しく、汎用性に乏しいという問題がある。また、上記掛止具は、限られた上記収納家具しか使用することが出来ないため製造コストが掛かり、単価が高くなってしまうという問題もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2006−26251号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、様々な形態のシステムキッチンなどに設けられたライン取手に対して、容易に取り付けることが可能な汎用性に優れたタオル掛け具を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、収納部の開閉扉の上縁部に水平方向に延設され、縦断面が前面に開口する略コ字状に形成されるとともに、内壁上部に手がかり部が形成されたライン取手に取り付けるタオル掛け具であって、一端部側にタオル掛け部材が回動自在に設けられた取付部材と、当該取付部材の他端部側から突出するとともに、上記ライン取手内の手がかり部に挿入されて上記ライン取手の内壁に当接される支持部材と、略コ字状に屈曲して形成され一端部が上記取付部材の上部に着脱自在に挿入されるとともに、中間部が上記開閉扉の上面を跨いで他端部が上記開閉扉の背面に当接されることにより、上記開閉扉を間に挟む掛止部材と、その掛止部材の上記一端部を上記取付部材に固定するカバー部材とを備えていることを特徴とするものである。
【0011】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、上記支持部材は、上記取付部材に着脱自在に設けられているとともに、上記取付部材の上記上部から下部側に向けてスライド可能に設けられ、かつ上記ライン取手の長手方向の離間した少なくとも2箇所の上記内壁に当接されることを特徴とするものである。
【0012】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、上記取付部材の上記上部には、上記掛止部材の上記一端部を着脱自在に挿入する孔部が、上記取付部材の上記一端部側と上記他端部側との間に間隔を置いて複数穿設されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0013】
請求項1〜3に記載の本発明によれば、収納部の開閉扉の上縁部に水平方向に延設されたライン取手の手がかり部に、取付部材の他端部側から突出する支持部材を挿入して、上記ライン取手の内壁に当接させるとともに、掛止部材の一端部を当該取付部材の上部に挿入し、かつ当該掛止部材の中間部を上記ライン取手の上面に、また他端部を上記開閉扉の背面に当接させて上記開閉扉を間に挟み、さらに、カバー部材により上記掛止部材の上記一端部を固定して、上記取付部材を上記ライン取手に支持するため、既存のシステムキッチンなどに設けられた上記ライン取手が、縦断面が前面に開口する略コ字状に形成されているとともに、内壁上部に手がかり部が形成されて、収納部の開閉扉の上縁部の水平方向に延設されてる場合には、このライン取手に上記取付部材を簡便に支持させることができる。これにより、汎用性に優れたタオル掛け具を提供することができる。
【0014】
請求項2に記載の発明によれば、上記支持部材が、上記取付部材に着脱自在に設けられているとともに、上記取付部材の上記上部から下部側に向けてスライド可能に設けられているため、上記ライン取手の上記上面と上記内壁上部の天井壁との厚さが区々であっても、上記支持部材が上下方向にスライドすることにより、異なる厚さの上記ライン取手に対応することができる。
【0015】
また、上記開閉扉の上記上縁部の水平方向に、上記ライン取手が延設されていない場合でも、上記支持部材を取り外して、上記取付部材の上記他端部側を上記開閉扉の前面に当接させるとともに、略コ字状に屈曲して形成された上記掛止部材の上記一端部を上記取付部材の上記上部に挿入し、かつ上記掛止部材の上記中間部を上記開閉扉の上記上縁部に、また上記掛止部材の上記他端部を上記開閉扉の上記背面に当接させることにより、上記取付部材を支持することができる。この結果、上記ライン取手が設けられていない収納部の開閉扉でも、タオル掛け具を容易に取り付けることができる。
【0016】
さらに、上記支持部材が、上記ライン取手の長手方向の離間した少なくとも2箇所の上記内壁に当接するため、上記掛止部材の上記一端部を上記取付部材の上記上部に挿入した後に、上記カバー部材により上記掛止部材の上記一端部を固定することにより、上記取付部材を上記ライン取手に確実に係止させて、上記ライン取手からの脱落を防止することができる。
【0017】
請求項3に記載の発明によれば、上記取付部材の上記上部に、上記掛止部材の上記一端部を着脱自在に挿入する孔部が、上記取付部材の上記一端部側と上記他端部側との間に間隔を置いて複数穿設されているため、上記開閉扉の厚さ寸法が、大きい場合でも、また小さい場合でも、適宜その厚さ寸法に合わせて調整して、上記ライン取手に上記取付部材を容易に支持させることができる。これにより、さらに汎用範囲を拡大させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明のタオル掛け具の一実施形態を示し、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は右側面図、(d)は(b)のA−A断面図である。
【
図2】本発明のタオル掛け具の取り付け状態を示し、(a)はライン取手に取り付けた状態を示す右側面図、(b)はライン取手の無い開閉扉に取り付けた状態を示す右側面である。
【
図3】本発明のタオル掛け具の取付部材と支持部材を示し、(a)は取付部材に支持部材を取り付け方法の斜視図、(b)は取付部材に支持部材を取り付けた状態を示す平面図である。
【
図4】(a)〜(d)は、本発明のタオル掛け具をライン取手に取り付ける方法を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1および
図2(a)に示すように、本発明の一実施形態のタオル掛け具1は、一端部2a側にタオル掛け部材6が回動自在に設けられた取付部材2と、この取付部材2の他端部2b側から突出するとともに、ライン取手7内の手がかり部7aに挿入されて、ライン取手7の内壁に当接される支持部材3と、略コ字状に屈曲して形成され、一端部4aが取付部材2の上部に着脱自在に挿入されるとともに、中間部4cが開閉扉8の上面を跨いで他端部4bが開閉扉8の背面8bに当接されることにより、開閉扉8を間に挟む掛止部材4と、その掛止部材4の一端部4aを取付部材2に固定するカバー部材5とを備えて概略構成されている。
【0020】
ここで、ライン取手7は、例えば、台所に据え付けのシステムキッチンに備えられている、戸棚や抽斗など収納部の開閉扉8の上縁部8aに水平方向に延設され、縦断面が開閉扉8の前面8cに開口する略コ字状に形成されているとともに、内壁上部に手がかり部7aが形成されている。
【0021】
また、取付部材2は、立方体状に形成され、平面視において長方形に形成されている。この取付部材2の平面視における長手方向の両側面であって、短手方向の一端部2a側近傍には、タオル掛け部材6が回動自在に設けられている。また、取付部材2は、上記短手方向の一端部2a側の端面がR状に形成されている。このタオル掛け部材6は、合成樹脂製のパイプにより形成されているとともに、屈曲された角環状に形成されている。
【0022】
一方、取付部材2の他端部2b側の端面には、溝部2dが形成されている。この溝部2dは、他端部2b側の端面の長手方向の2箇所に離間して形成されているとともに、取付部材2の上部から下部近傍まで延設され、かつ平面視においてL字状に形成されている。そして、この溝部2dに、支持部材3の突起部3bを挿入することにより、支持部材3が取付部材2の他端部2b側に突出させることができるとともに、支持部材3が上下方向にスライド可能に係合させることができる。
【0023】
さらに、取付部材2の中央には、掛止部材4の一端部4aを着脱自在に挿入する孔部2cが形成されている。この孔部2cは、掛止部材4の板厚寸法より若干大きく形成されているとともに、掛止部材4の一端部4aの幅寸法より若干大きく形成されている。また、孔部2cは、取付部材2の一端部2aと他端部2bとの間に間隔を置いて、複数(図では5つ)が並列に穿設されている。
【0024】
また、支持部材3は、合成樹脂により形成されているとともに、ライン取手7の手がかり部7aに挿入される当接部3aが設けられている。この当接部3aは、離間した位置に各々設けられているとともに、側面視において略角状に形成されている。また、当接部3aは、ライン取手7の内壁上部の立壁7cと天井壁7dとに連続する角隅部にあたる角部が斜めにカットされて形成されている。さらに、当接部3aの各々の背面には、突起部3bが突出して一体成形されている。この突起部3bは、平面視においてL字状をなして形成されている。
【0025】
そして、掛止部材4は、合成樹脂製の板部材が略コ字状に屈曲されることにより形成されている。この掛止部材4は、他端部4bを開閉扉8の背面4bに当接させるため、取付部材2の上部に着脱自在に挿入する一端部4aよりも、長い長さ寸法に形成されている。また、掛止部材4の中間部4cは、ライン取手7の上面7bを跨ぎ、取付部材2の他端部2bと掛止部材4の他端部4bとの間に開閉扉8を挟むため、平均的な開閉扉8の板厚寸法の略2倍の長さ寸法に形成されている。
【0026】
さらに、カバー部材5は、合成樹脂により形成されているとともに、側面視において略U字状に形成されている。このカバー部材5は、取付部材2の一端部2a側から嵌め込まれて、取付部材2の上面と下面とを囲繞して嵌合されるように構成されている。
【0027】
以上の構成によるタオル掛け具1を用いて、例えば、システムキッチンに備え付けられた収納部の開閉扉8の、上縁部8aの水平方向に延設されたライン取手7に取り付ける場合には、まず、
図3(a)に示すように、取付部材2の他端部2b側に形成されている溝部2dの上部から、支持部材3の突起部3bを挿入する。この際に、取付部材2の他端部2b側に形成されている溝部2dおよび支持部材3の突起部3bは、各々L字状に形成されているため、取付部材2の他端部2bの端面から外方に抜け出すことなく、上下方向にスライド自在に係合させることができる。
【0028】
次いで、
図4(a)に示すように、取付部材2に係合された支持部材3の各々の当接部3aを、ライン取手7の手がかり部7aに挿入するとともに、支持部材3の各々の当接部3aを内壁の立壁7cおよび天井壁7dに当接させる。そして、
図4(b)に示すように、掛止部材4の一端部4aを、取付部材2の中央に穿設された孔部2cに挿入する。この際に、掛止部材4の一端部4aを挿入する取付部材2の複数の孔部2cから、開閉扉8の板厚寸法に合わせて、適宜選んで孔部2cに挿入する。
【0029】
そして、
図4(c)に示すように、掛止部材4の中間部4cが、ライン取手7の上面7bに当接されるとともに、掛止部材4の他端部4bが開閉扉8の背面8bに当接されて、掛止部材4を開閉扉8に係合される。これにより、支持部材3の各々の当接部3aがライン取手7の内壁の立壁7cおよび天井壁7dに固定される。
【0030】
次に、
図4(d)に示すように、取付部材2の一端部2a側から、カバー部材5の開口側を嵌め込ませて、取付部材2の上面と下面とを囲繞するとともに、カバー部材5を取付部材2に嵌合させる。これにより、取付部材2の孔部2cに着脱自在に挿入されていた上記掛止部材の一端部4aが固定される。この際に、ライン取手7の内壁上部の天井壁7dの厚さ寸法によって、支持部材3は上下方向にスライドするため、異なる厚さ寸法のライン取手7であっても対応することができる。
【0031】
そして、
図2(a)に示すように、支持部材3の当接部3aがライン取手7の内壁上部の立壁7cおよび天井壁7dに係止されて、取付部材2がライン取手7に支持される。この際に、支持部材3の各々の当接部3aが、離間した位置に配設されているため、確実にライン取手7の内壁上部に係止される。
これによって、タオル掛け部材6にタオルを掛けても、取付部材2がライン取手7から離脱することなく支持されることになる。
【0032】
また、ライン取手7が、開閉扉8の上縁部8aの水平方向に延設されていない場合には、
図2(b)に示すように、取付部材2に支持部材3を係合させずに、取付部材2の他端部2b側を開閉扉8の前面8cに当接させるとともに、開閉扉8の板厚寸法を考慮しながら、掛止部材4の一端部4aを取付部材2の複数穿設された孔部2cの何れかに挿入させる。
【0033】
そして、取付部材2の一端部2a側から、カバー部材5を嵌め合わせて、取付部材2の上面と下面とを囲繞するとともに、カバー部材5を取付部材2に嵌合させる。これにより、取付部材2が開閉扉8に支持されて、タオル掛け部材6にタオルを掛けても、取付部材2が開閉扉8から離脱することなく支持されることになる。
【0034】
上述の実施形態によるタオル掛け具1によれば、収納部の開閉扉8の水平方向に延設されたライン取手7の手がかり部7aに、取付部材2の他端部2b側から突出する支持部材3を挿入して、ライン取手7の内装に当接させるとともに、掛止部材4の一端部4aを取付部材2の孔部2cに挿入し、かつ掛止部材4の中間部4cをライン取手7の上面7bに、また他端部4bを開閉扉8の背面8bに当接されて開閉扉8を間に挟み、さらに、カバー部材5により掛止部材4の一端部4aを固定して、取付部材2をライン取手7に支持するため、既存のシステムキッチンなどに設けられたライン取手7が、縦断面が前面に開口する略コ字状に形成されているとともに、内壁上部に手がかり部7aが形成されて、収納部の開閉扉8の上縁部8aの水平方向に延設されてる場合には、このライン取手7に取付部材2を簡便に支持させることができる。これにより、汎用性に優れたタオル掛け具1を提供することができる。
【0035】
また、支持部材3が、取付部材2に着脱自在に設けられているとともに、取付部材2の上部から下部側に向けてスライド可能に設けられているため、ライン取手7の上面7bと内壁上部の天井壁7dとの厚さが区々であっても、支持部材3が上下方向にスライドすることにより、異なる厚さのライン取手7に対応することができる。
【0036】
そして、開閉扉8の上縁部8aの水平方向に、ライン取手7が延設されていない場合でも、支持部材3を取付部材2から取り外して、取付部材2の他端部2b側を開閉扉8の前面8cに当接させるとともに、略コ字状に屈曲して形成された掛止部材4の一端部4aを取付部材2の孔部2cに挿入し、かつ掛止部材4の中間部4cを開閉扉8の上縁部8aに、また他端部4bを開閉扉8の背面8bに当接されることにより、取付部材2を支持することができる。この結果、ライン取手7が設けられていない収納部の開閉扉8でも、タオル掛け具1を容易に取り付けることができる。
【0037】
さらに、支持部材3が、ライン取手7の長手方向の離間した少なくとも2箇所の立壁7cおよび天井壁7dに当接するため、掛止部材4の一端部4aを取付部材2の孔部2cに挿入した後に、カバー部材5により掛止部材4の一端部4aを固定することにより、取付部材2をライン取手7に確実に係止させて、ライン取手7からの脱落を防止することができる。
【0038】
また、取付部材2の中央に、掛止部材4の一端部4aを着脱自在に挿入する孔部2cが、取付部材2の一端部2a側と他端部2b側との間に、間隔を置いて複数穿設されているため、開閉扉8の厚さ寸法が、大きい場合でも、また小さい場合でも、適宜その厚さ寸法に合わせて調整して、ライン取手7に取付部材2を容易に支持させることができる。これにより、さらに汎用範囲を拡大させることができる。
【0039】
なお、上記実施の形態において、取付部材2と支持部材3とが着脱自在に設けられている場合のみ説明したが、これに限定されるものでなく、例えば、取付部材2の他端部2b側に、一体成形により支持部材3が突出して設けられていても対応可能である。
【産業上の利用可能性】
【0040】
収納棚の上縁部に延設されたライン取手に利用することができる。
【符号の説明】
【0041】
1 タオル掛け具
2 取付部材
2a 一端部
2b 他端部
3 支持部材
4 掛止部材
4a 一端部
4b 他端部
4c 中間部
5 カバー部材
6 タオル掛け部材
7 ライン取手
7a 手がかり部
7b 上面
7c 立壁
7d 天井壁
8 開閉扉
8a 上縁部
8b 背面