(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1の気体導入部から取り込まれた気体が前記液体流路内に放出される位置と、前記第2の気体導入部から取り込まれた気体が前記液体流路内に放出される位置とは、前記液体流路の軸方向の位置が異なる請求項1記載の微細気泡発生装置。
前記第2の気体導入部は、前記液体流路の中心部分に位置する気体放出口を有し、取り込んだ気体を前記気体放出口から放出する請求項1または2記載の微細気泡発生装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、各図において共通する要素には、同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0012】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1の微細気泡発生装置を示す断面図(縦断面図)である。
図1に示すように、本実施の形態1の微細気泡発生装置1Aは、旋回翼2と、縮径部3と、第1の気体導入部4と、第2の気体導入部5Aと、気泡生成部6を備えている。微細気泡発生装置1Aは、配管経路等の液体流路の途中に設置される。例えば水などの液体は、
図1中の左側から微細気泡発生装置1Aに流入する。
【0013】
図2は、旋回翼2を示す斜視図である。旋回翼2は、液体流路内に旋回液流を生成する旋回液流生成部として機能する。
図2に示すように、旋回翼2は、水流などの液流に旋回力を付加する翼7と、翼7を固定する円筒管部8とを備える。翼7は、円弧形状をなす湾曲した構造になっており、翼7の上流側部分は液流に対し略平行方向に配置され、翼7の下流側部分は液流に対し略垂直方向に立ち上がるように配置される。
図1に示すように、液流は、旋回翼2の翼7を通過する際に旋回力を付加されることにより、旋回液流SFを形成する。図示の構成では、旋回翼2には、2枚の翼7が設けられているが、翼7の個数は1個または3個以上でも良い。
【0014】
縮径部3は、旋回翼2により発生させた旋回液流SFの半径を縮小することにより旋回液流SFを高速化する。
図1に示すように、縮径部3は、旋回翼2の円筒管部8の下流側に同軸的に設けられている。縮径部3の内部は、下流側に向かって略円錐状に縮径している。
【0015】
第1の気体導入部4は、液体流路外の径方向外側から、例えば空気などの気体AR1を取り込み、その気体AR1を縮径部3の下流側の位置に供給する。本実施形態では、第1の気体導入部4は、縮径部3の流出端付近の、最縮径部に気体AR1を供給する。
【0016】
図3は、
図1に示す微細気泡発生装置1Aを第1の気体導入部4の位置で切断した状態を示す模式的な横断面図である。
図3に示すように、第1の気体導入部4の出口である気体放出口41は、液体流路の内周面に開口している。第1の気体導入部4内を通って取り込まれた気体AR1は、第1の気体導入部4の気体放出口41から放出されることにより、旋回液流SFの外周に接触する。
図3に示す構成例では、旋回液流SFの旋回方向に対して略直交する方向から気体AR1が旋回液流SFに合一するように第1の気体導入部4が形成されている。
【0017】
図4は、
図1に示す微細気泡発生装置1Aの変形例を第1の気体導入部4の位置で切断した状態を示す模式的な横断面図である。第1の気体導入部4は、
図3に示す構成例に代えて、
図4に示す構成例のようなものでも良い。
図4に示す構成例では、旋回液流SFの旋回方向に対して接線方向(旋回方向に対して順方向となる接線方向)から気体AR1が旋回液流SFに合一するように第1の気体導入部4が形成されている。このような構成により、第1の気体導入部4から導入された気体AR1によって旋回液流SFが乱されることを確実に抑制することができるので、旋回液流SFによるせん断力の低下を確実に抑制することができる。その結果、微細気泡をより高い効率で発生させることができる。
【0018】
図1に示すように、第2の気体導入部5Aは、第1の気体導入部4よりも液体流路の下流側に備えられている。第2の気体導入部5Aは、液体流路外の径方向外側から、例えば空気などの気体AR2を取り込み、その気体AR2を旋回液流SFの内周に接触させる。第2の気体導入部5Aは、筒状(または管状)をなしており、その断面形状は例えば円形等が好ましい。第2の気体導入部5Aの一方の端部(先端部)は、旋回液流SFが流通する液体流路の中心部分(中心近傍)に位置し、第2の気体導入部5Aの他方の端部(基端部)は、液体流路外に位置する。気体AR2は、第2の気体導入部5Aの上記他方の端部から吸入され、第2の気体導入部5A内を通り、第2の気体導入部5Aの上記一方の端部に形成された気体放出口51から放出されて、旋回液流SFの内周(中心部分)に接触する。本実施形態における第2の気体導入部5Aの軸方向は、液体流路の軸方向に対して略垂直になっている。
【0019】
気泡生成部6は、縮径部3の下流側に同軸的に設けられている。本実施形態では、気泡生成部6は、その内径が、上流側(縮径部3)に向かって略円錐状に縮小する部分を有している。
【0020】
次に、
図1および
図5を参照して、微細気泡発生装置1Aの基本的な動作について説明する。まず、
図1に示すように、液体流路内を軸方向に流れる液体が旋回翼2を通過する際に、旋回翼2の作用により、旋回液流SFが発生する。旋回翼2の円筒管部8から流出した旋回液流SFは、縮径部3を通過することにより旋回半径が縮小しつつ、旋回方向の流速が上昇する。この結果、縮径部3と第1の気体導入部4との間には圧力差(負圧)が生じるので、縮径部3の流出端側には、この圧力差により第1の気体導入部4から気体AR1が吸い込まれる。吸い込まれた気体AR1は、旋回液流SFと合一する位置で、旋回液流SFの外周に接触してせん断され、気泡生成部6内に微細気泡を発生させる。
【0021】
図5は、
図1に示す微細気泡発生装置1Aを第2の気体導入部5Aの位置で切断した状態を示す模式的な横断面図である。旋回翼2によって生成した旋回液流SFが流通する液体流路の中心近傍は、旋回液流SFの遠心力により、負圧が形成される。第2の気体導入部5Aの先端に形成された気体放出口51が、旋回液流SFが流通する液体流路の中心近傍に位置しているため、この中心近傍の圧力と大気圧との圧力差(負圧)により、第2の気体導入部5Aからは気体AR2が吸引される。このため、
図5に示すように、第2の気体導入部5A内を通って導入された気体AR2を、気体放出口51から放出して液体流路の内部に導入し、旋回液流SFの内周に接触させることが可能になる。このようにして導入された気体AR2は、旋回液流SFの内周に接触してせん断され、気泡生成部6内に微細気泡を発生させる。
【0022】
以上説明したような微細気泡発生装置1Aによれば、旋回液流SFの外周および内周に気体AR1および気体AR2をそれぞれ接触させることができるため、液体(旋回液流SF)と気体との接触面積および接触効率を向上することができる。その結果、微細気泡の発生量を安定して増加させることができる。
【0023】
ここで、旋回液流と気体とを同じ位置で合一させる複数の吸気口(気体導入部)を備えた構成の場合には、複数の吸気口のうちの一つから導入する気体量が増加すると、他の吸気口から導入される気体量が減少する現象が生じてしまい、微細気泡の生成が不安定になってしまう。これに対し、本実施形態の微細気泡発生装置1Aでは、第1の気体導入部4から取り込まれた気体AR1が液体流路内に放出される位置(気体放出口41)と、第2の気体導入部5Aから取り込まれた気体AR2が液体流路内に放出される位置(気体放出口51)とが、液体流路の軸方向(すなわち旋回液流SFの進行方向)に異なる位置になっている。このため、第1の気体導入部4から導入される気体AR1の量が増加した場合に第2の気体導入部5Aから導入される気体AR2の量が減少する現象が生ずることを抑制することができ、また、その逆に、第2の気体導入部5Aから導入される気体AR2の量が増加した場合に第1の気体導入部4から導入される気体AR1の量が減少する現象が生ずることを抑制することができる。よって、全体としての気体導入量を効率良く増加させることができ、微細気泡の発生量を安定して増加させることが可能になる。
【0024】
また、本実施形態の微細気泡発生装置1Aでは、旋回翼2によって旋回液流SFを発生させる構成にしたことにより、液体の圧力損失を低くしつつ、微細気泡を大量に発生させることができる。ただし、本発明では、旋回液流を発生させる旋回液流生成部の構成は、これに限定されるものではなく、例えば、液体流路内に接線方向から液体を流入させ、この液体を液体流路の内周面に沿って旋回させることによって旋回液流を発生させる構成にしてもよい。
【0025】
実施の形態2.
次に、
図6を参照して、本発明の実施の形態2について説明するが、上述した実施の形態1との相違点を中心に説明し、同一部分または相当部分は同一符号を付し説明を省略する。
【0026】
図6は、本発明の実施の形態2の微細気泡発生装置を示す断面図(縦断面図)である。
図6に示すように、本実施の形態2の微細気泡発生装置1Bは、実施の形態1における第2の気体導入部5Aに代えて、第2の気体導入部5Bを備えている。第2の気体導入部5Bは、旋回翼2の上流側の近傍に設置されている。第2の気体導入部5Bは、筒状(または管状)をなしており、先端に気体放出口51を有している。第2の気体導入部5Bの断面形状は例えば円形等が好ましい。また、第2の気体導入部5Bは、その先端側の部分が液体流路の軸方向に対して略平行になり、気体放出口51が液体流路の下流側に向くように、曲がった形状になっている。第2の気体導入部5Bの基端側には、ポンプあるいは圧力タンク等の給気手段(図示省略)が設けられており、この給気手段により供給される気体AR2が第2の気体導入部5B内を通り気体放出口51から放出される。気体放出口51から放出された気体AR2は、液流の中心部分に位置する状態になる。このようにして中心部分に気体AR2を含む液流が旋回翼2を通過して旋回液流SFを形成することにより、旋回液流SFの内周に気体AR2が接触する。
【0027】
本実施の形態2の微細気泡発生装置1Bによれば、旋回液流SFの外周および内周に気体AR1および気体AR2をそれぞれ接触させることができるため、実施の形態1と同様に、液体と気体との接触面積および接触効率を向上することができる。その結果、微細気泡の発生量を安定して増加させることができる。また、本実施の形態2の微細気泡発生装置1Bでは、第2の気体導入部5Bの先端側の部分が液体流路の軸方向に対して略平行になるように第2の気体導入部5Bが曲がった形状をなしていることにより、気体放出口51から放出される気体AR2によって液流が乱されることを確実に抑制することができる。このため、微細気泡をより高い効率で発生させることができる。特に、本実施の形態2の微細気泡発生装置1Bでは、気体放出口51が液体流路の下流側に向いているため、気体放出口51から気体AR2を液流の進行方向に対して順方向に放出することができる。このため、気体放出口51から放出される気体AR2によって液流が乱されることをより確実に抑制することができる。
【0028】
実施の形態3.
次に、
図7を参照して、本発明の実施の形態3について説明するが、上述した実施の形態1との相違点を中心に説明し、同一部分または相当部分は同一符号を付し説明を省略する。
【0029】
図7は、本発明の実施の形態3の微細気泡発生装置を示す断面図(縦断面図)である。
図7に示すように、本実施の形態3の微細気泡発生装置1Cは、実施の形態1における第2の気体導入部5Aに代えて、第2の気体導入部5Cを備えている。第2の気体導入部5Cは、第1の気体導入部4よりも液体流路の下流側に備えられている。第2の気体導入部5Cは、筒状(または管状)をなしており、その断面形状は例えば円形等が好ましい。第2の気体導入部5Cは、液体流路内を、液体流路の軸方向に略垂直な方向に伸びるように配置されている。第2の気体導入部5Cの一方の端部は、液体流路の内壁に接触または固定されている。第2の気体導入部5Cの側壁には、気体放出口51が形成されている。気体放出口51は、液体流路の中心部分(中心近傍)に位置している。気体放出口51の形状は、特に限定されないが、円形であることが好ましい。図示の構成では、気体放出口51は、液体流路の上流側に向いているが、下流側に向いていても良い。気体放出口51は、旋回液流SFの中心近傍に位置するため、この位置に生ずる負圧により、第2の気体導入部5C内に外部から気体AR2が吸引される。第2の気体導入部5C内を通って導入された気体AR2は、気体放出口51から液体流路の内部に放出され、旋回液流SFの内周に接触する。このようにして導入された気体AR2は、旋回液流SFの内周に接触してせん断され、微細気泡を発生させる。
【0030】
本実施の形態3の微細気泡発生装置1Cによれば、旋回液流SFの外周および内周に気体AR1および気体AR2をそれぞれ接触させることができるため、実施の形態1と同様に、液体と気体との接触面積および接触効率を向上することができる。その結果、微細気泡の発生量を安定して増加させることができる。また、気体放出口51が液体流路の軸方向に向いていることにより、気体放出口51から放出される気体AR2によって旋回液流SFが乱されることを確実に抑制することができる。このため、旋回液流SFによるせん断力の低下を確実に抑制することができ、微細気泡をより高い効率で発生させることができる。特に、本実施の形態3の微細気泡発生装置1Cでは、第2の気体導入部5Cの側壁に気体放出口51を形成したことにより、第2の気体導入部5Cを曲がった形状にすることなく、気体放出口51を液体流路の軸方向に向けることができる。
【0031】
旋回翼2によって生成した旋回液流SFは、第1の気体導入部4から導入された気体AR1および第2の気体導入部5Cから導入された気体AR2をせん断することにより、微細気泡を発生させる。本実施の形態3の微細気泡発生装置1Cによれば、気泡生成部6にて生成した微細気泡は、旋回液流SFと共に下流へ流通し、第2の気体導入部5Cの外壁に接触する。第2の気体導入部5Cに微細気泡が接触することで、旋回液流SFのせん断時に生成した微細気泡のうち、比較的径の大きい気泡が再破砕し、より径の小さい微細気泡に細分化される。本実施の形態3では、このような構造により、第1の気体導入部4から導入された気体AR1あるいは第2の気体導入部5Cから導入された気体AR2が旋回液流SFによってせん断されるときにせん断が不十分であった気泡を再破砕することで、微細気泡量を増大させることが可能になる。特に、本実施形態では、気体放出口51が液体流路の上流側を向いていることにより、気体放出口51から放出された気体AR2が旋回液流SFによってせん断されるときにせん断が不十分であった気泡を、第2の気体導入部5Cの外壁に接触させて再破砕することができる。
【0032】
実施の形態4.
次に、
図8を参照して、本発明の実施の形態4について説明するが、上述した実施の形態1との相違点を中心に説明し、同一部分または相当部分は同一符号を付し説明を省略する。
【0033】
図8は、本発明の実施の形態4の微細気泡発生装置の一部分の断面図(縦断面図)である。本実施の形態4の微細気泡発生装置は、実施の形態1の第2の気体導入部5Aに代えて、
図8に示す第2の気体導入部5Dを備えていること以外は、実施の形態1と同様である。
【0034】
第2の気体導入部5Dは、旋回液流生成部(旋回翼2)より液体流路の下流側に配置されている。第2の気体導入部5Dは、筒状(または管状)をなしており、その断面形状は例えば円形等が好ましい。第2の気体導入部5Dは、その先端側の部分53が液体流路の軸方向に対して略平行になるように、液体流路の上流側の方向に曲がった形状になっている。第2の気体導入部5Dの先端部分は、複数(図示の構成では2本)に分岐しており、その分岐した枝54ごとに気体放出口51が形成されている。第2の気体導入部5Dから導入される気体AR2は、各枝54に分岐し、各枝54の先端の気体放出口51からそれぞれ放出される。
【0035】
本実施の形態4の微細気泡発生装置によれば、旋回液流SFの外周および内周に気体AR1および気体AR2をそれぞれ接触させることができるため、実施の形態1と同様に、液体と気体との接触面積および接触効率を向上することができる。その結果、微細気泡の発生量を安定して増加させることができる。また、本実施の形態4の微細気泡発生装置では、第2の気体導入部5Dの先端側の部分53が液体流路の軸方向に対して略平行になるように第2の気体導入部5Dが曲がった形状をなしていることにより、気体放出口51から放出される気体AR2によって旋回液流SFが乱されることを確実に抑制することができる。このため、旋回液流SFによるせん断力の低下を確実に抑制することができ、微細気泡をより高い効率で発生させることができる。また、本実施の形態4の微細気泡発生装置によれば、第2の気体導入部5Dの先端部分を複数の枝54に分岐させ、各枝54の気体放出口51から気体AR2をそれぞれ放出することにより、旋回液流SFの内周全体に気体AR2を接触させることができる。このため、旋回液流SFの内周と気体AR2との接触面を更に増大させることができるので、微細気泡の発生量を更に増加させることが可能になる。
【0036】
実施の形態5.
次に、
図9を参照して、本発明の実施の形態5について説明するが、上述した実施の形態4との相違点を中心に説明し、同一部分または相当部分は同一符号を付し説明を省略する。
【0037】
図9は、本発明の実施の形態5の微細気泡発生装置の一部分の断面図(縦断面図)である。本実施の形態5の微細気泡発生装置は、気泡破砕部11を備えていること以外は、実施の形態4と同様である。
【0038】
図9に示すように、気泡破砕部11は、液体流路の内壁から液体流路の内部に向かって突出する突出部で構成されている。気泡破砕部11の形状は、特に限定されないが、例えば円柱形等が好ましい。気泡破砕部11は、第1の気体導入部4の気体放出口41および第2の気体導入部5Dの気体放出口51よりも液体流路の下流側に配置される。
図9に示す構成では、気泡破砕部11は、液体流路の軸方向の位置が、第2の気体導入部5Dの屈曲部分とほぼ同じ位置になるように配置されている。
【0039】
本実施の形態5によれば、実施の形態4と同様の効果に加えて、次のような効果が得られる。すなわち、第1の気体導入部4から導入された気体AR1および第2の気体導入部5Dから導入された気体AR2が旋回液流SFによってせん断されて生成した微細気泡が、旋回液流SFと共に下流へ流れ、気泡破砕部11に接触する。これにより、旋回液流SFによるせん断時に生成した微細気泡のうち、比較的径の大きい気泡が再破砕し、より径の小さい微細気泡に細分化される。このようにして、本実施の形態5によれば、第1の気体導入部4から導入された気体AR1および第2の気体導入部5Dから導入された気体AR2が旋回液流SFによってせん断される際のせん断が不十分であった気泡を、気泡破砕部11で再破砕することができるため、微細気泡量を更に増大させることが可能になる。
【0040】
実施の形態6.
次に、
図10を参照して、本発明の実施の形態6について説明するが、上述した実施の形態1との相違点を中心に説明し、同一部分または相当部分は同一符号を付し説明を省略する。
【0041】
図10は、本発明の実施の形態6の微細気泡発生装置の一部分の断面図(縦断面図)である。本実施の形態6の微細気泡発生装置は、実施の形態1の第2の気体導入部5Aに代えて、
図10に示す第2の気体導入部5Eを備えていること以外は、実施の形態1と同様である。
【0042】
第2の気体導入部5Eは、旋回液流生成部(旋回翼2)より液体流路の下流側に配置されている。第2の気体導入部5Eは、筒状(または管状)をなしており、その断面形状は例えば円形等が好ましい。第2の気体導入部5Eは、その先端側の部分55が液体流路の軸方向に対して略平行になるように、液体流路の下流側の方向に曲がった形状になっている。第2の気体導入部5Eの先端部分は、複数(図示の構成では2本)に分岐しており、その分岐した枝56ごとに気体放出口51が形成されている。第2の気体導入部5Eから導入される気体AR2は、各枝56に分岐し、各枝56の先端の気体放出口51からそれぞれ放出される。
【0043】
本実施の形態6の微細気泡発生装置によれば、旋回液流SFの外周および内周に気体AR1および気体AR2をそれぞれ接触させることができるため、実施の形態1と同様に、液体と気体との接触面積および接触効率を向上することができる。その結果、微細気泡の発生量を安定して増加させることができる。また、本実施の形態6の微細気泡発生装置では、第2の気体導入部5Eの先端側の部分55が液体流路の軸方向に対して略平行になるように第2の気体導入部5Eが曲がった形状をなしていることにより、気体放出口51から放出される気体AR2によって旋回液流SFが乱されることを確実に抑制することができる。このため、旋回液流SFによるせん断力の低下を確実に抑制することができ、微細気泡をより高い効率で発生させることができる。また、本実施の形態6の微細気泡発生装置によれば、第2の気体導入部5Eの先端部分を複数の枝56に分岐させ、各枝56の気体放出口51から気体AR2をそれぞれ放出することにより、旋回液流SFの内周全体に気体AR2を接触させることができる。このため、旋回液流SFの内周と気体AR2との接触面を更に増大させることができるので、微細気泡の発生量を更に増加させることが可能になる。更に、本実施の形態6では、第2の気体導入部5Eの先端側の部分55が液体流路の下流側の方向に曲がっており、気体放出口51が液体流路の下流側に向いているため、気体放出口51から気体AR2を旋回液流SFの進行方向に対して順方向に放出することができる。このため、旋回液流SFを乱すことなく気体AR2を旋回液流SFの内周に接触させることができるので、旋回液流SFによるせん断力の低下をより確実に抑制することができる。その結果、微細気泡の発生量を更に増加することが可能になる。
【0044】
実施の形態7.
次に、
図11を参照して、本発明の実施の形態7について説明するが、上述した実施の形態6との相違点を中心に説明し、同一部分または相当部分は同一符号を付し説明を省略する。
【0045】
図11は、本発明の実施の形態7の微細気泡発生装置の一部分の断面図(縦断面図)である。本実施の形態7の微細気泡発生装置は、気泡破砕部11を備えていること以外は、実施の形態6と同様である。
【0046】
図11に示すように、気泡破砕部11は、液体流路の内壁から液体流路の内部に向かって突出する突出部で構成されている。気泡破砕部11の形状は、特に限定されないが、例えば円柱形等が好ましい。気泡破砕部11は、第1の気体導入部4の気体放出口41および第2の気体導入部5Eの気体放出口51よりも液体流路の下流側に配置される。
【0047】
本実施の形態7によれば、実施の形態6と同様の効果に加えて、次のような効果が得られる。すなわち、第1の気体導入部4から導入された気体AR1および第2の気体導入部5Eから導入された気体AR2が旋回液流SFによってせん断されて生成した微細気泡が、旋回液流SFと共に下流へ流れ、気泡破砕部11に接触する。これにより、旋回液流SFによるせん断時に生成した微細気泡のうち、比較的径の大きい気泡が再破砕し、より径の小さい微細気泡に細分化される。このようにして、本実施の形態7によれば、第1の気体導入部4から導入された気体AR1および第2の気体導入部5Eから導入された気体AR2が旋回液流SFによってせん断される際のせん断が不十分であった気泡を、気泡破砕部11で再破砕することができるため、微細気泡量を更に増大させることが可能になる。
【0048】
以上、本発明の微細気泡発生装置の実施の形態について説明したが、本発明の微細気泡発生装置では、上述した複数の実施の形態の特徴を任意の組み合わせで組み合わせて実施しても良い。
【0049】
実施の形態8.
次に、
図12を参照して、本発明の微細気泡発生装置を備える風呂給湯装置の実施の形態について説明する。
図12に示すように、本実施形態の風呂給湯装置150は、熱源機としてのヒートポンプユニット110と、タンクユニット120とを備えている。ヒートポンプユニット110は、圧縮機111と、沸き上げ用熱交換器112と、膨張弁113と、蒸発器114と、これらを環状に接続する循環配管115とによって構成された冷凍サイクル部117を有している。冷凍サイクル部117では、二酸化炭素等の冷媒が圧縮機111で圧縮されて高温、高圧となった後に沸き上げ用熱交換器112で放熱し、膨張弁113で減圧され、蒸発器114で吸熱してガス状態となって圧縮機111に吸入される。
【0050】
一方、タンクユニット120は、貯湯タンク20、給水管路30、貯湯用循環管路40、タンク側循環管路50、風呂側循環管路60、追焚き用熱交換器70、第1給湯管路75、風呂側湯水混合弁80a、一般側湯水混合弁80b、第2給湯管路90、第3給湯管路95等を有している。
【0051】
貯湯タンク20は、給水管路30から供給される水を貯留すると共にヒートポンプユニット110で沸き上げられた湯を貯留する積層式のタンクである。この貯湯タンク20の下部には、給水管路30が接続される水導入口20aと、貯湯用循環管路40の往き管40aが接続される水導出口20bとが設けられている。貯湯タンク20の上部には、貯湯用循環管路40の戻り管40bが接続される温水導入口20cと、第1給湯管路75が接続される温水導出口20dとが設けられている。貯湯タンク20は、給水管路30からの給水により常に満水状態に保たれる。
【0052】
給水管路30は、市水等の水を貯湯タンク20、風呂側湯水混合弁80a、一般側湯水混合弁80b、および一般給湯先180に供給する管路であり、減圧弁25と第1〜第3給水管部30a〜30cとを有している。減圧弁25は、第1給水管部30aの途中に設けられて、水道等の水源からの水圧を所定値に減じる。第1給水管部30aは、水源と貯湯タンク20の水導入口20aとを繋ぎ、第2給水管部30bは、減圧弁25で第1給水管部30aから分岐して該第1給水管部30aと風呂側湯水混合弁80a、一般側湯水混合弁80bとを繋ぎ、第3給水管部30cは、減圧弁25の上流側で第1給水管部30aから分岐して該第1給水管部30aと一般給湯先180とを繋ぐ。一般給湯先180とは、使用者が手で直接操作して開栓する(センサを感応させて開栓する場合を含む)給湯先であり、例えば、洗面台や流し台の蛇口、浴室のシャワー等である。
【0053】
貯湯用循環管路40は、貯湯タンク20下部の水導出口20bからヒートポンプユニット110の沸き上げ用熱交換器112を経由して貯湯タンク20上部の温水導入口20cに達する管路であり、貯湯用送水ポンプ33および電動式の三方弁35が設けられた往き管40aと、戻り管40bと、三方弁35で往き管40aから分岐したバイパス管40cとを有している。上記の往き管40aは水導出口20bと沸き上げ用熱交換器112とを繋ぎ、戻り管40bは沸き上げ用熱交換器112と温水導入口20cとを繋ぎ、バイパス管40cは三方弁35と戻り管40bとを繋ぐ。
【0054】
タンク側循環管路50は、貯湯タンク20上部の温水導出口20dから追焚き用熱交換器70を経由して貯湯タンク20下部に達する管路であり、往き管50aと、タンク側送水ポンプ45が設けられた戻り管50bとを有している。往き管50aは温水導出口20dと追焚き用熱交換器70上部の温水導入口70aとを繋ぎ、戻り管50bは追焚き用熱交換器70下部の温水導出口70bと貯湯タンク20の下部とを繋ぐ。
【0055】
風呂側循環管路60は、浴槽170から追焚き用熱交換器70を経由して浴槽170に戻る管路であり、往き管60aおよび戻り管60bを有している。往き管60aは浴槽170と追焚き用熱交換器70下部の浴水導入口70cとを繋ぎ、戻り管60bは追焚き用熱交換器70上部の浴水導出口70dと浴槽170とを繋ぐ。往き管60aには、追焚き用熱交換器70側から上流側(浴槽170側)に向かって、フロースイッチ58、水位センサ59、および風呂側送水ポンプ57(循環ポンプ)がこの順番で設けられている。風呂側送水ポンプ57は、浴槽170内から浴水を導出して風呂側循環管路60に循環させ、浴槽170内に戻す。往き管60aおよび戻り管60bと、浴槽170との連結部には、浴槽アダプタ165が設けられている。
【0056】
浴槽アダプタ165内には、往き管60aと戻り管60bとが接続できるように2つの配管接続部が備えられている。浴槽アダプタ165と戻り管60bとの接続部付近の戻り管60bの途中には、本発明の微細気泡発生装置1が配置されている。微細気泡発生装置1の構成としては、前述した実施の形態1乃至7の何れかを用いることができる。この微細気泡発生装置1には、第1の気体導入部4および第2の気体導入部5の入口を開閉可能な電磁弁61が設けられている。
【0057】
風呂給湯装置150は、制御部100と、浴室や台所の壁等に設置されるリモコン装置101とを更に備えている。使用者は、リモコン装置101にて、給湯温度の設定や各種運転モードの設定等を行うことができる。制御部100は、上述した各センサで検出された情報、および、リモコン装置101から送信された情報に基づいて、ヒートポンプユニット110、貯湯用送水ポンプ33、三方弁35、タンク側送水ポンプ45、風呂側送水ポンプ57、風呂側湯水混合弁80a、一般側湯水混合弁80b、電磁弁61,56,59を制御することにより、風呂給湯装置150の各種の動作制御を行う。
【0058】
浴槽170に給湯する場合には、貯湯タンク20から供給される高温の湯と給水管路30から供給される水とが風呂側湯水混合弁80aにて設定温度となるように混合され、その混合された湯が第2給湯管路90、風呂側循環管路60を通って送られ、浴槽アダプタ165を介して浴槽170内に供給される。
【0059】
一般給湯先180に給湯する場合には、貯湯タンク20から供給される高温の湯と給水管路30から供給される水とが一般側湯水混合弁80bにて設定温度となるように混合され、その混合された湯が第3給湯管路95を通って送られて一般給湯先180に供給される。
【0060】
浴槽170内の浴水を保温または昇温する追焚き運転時には、タンク側送水ポンプ45および風呂側送水ポンプ57が駆動される。これにより、浴槽170から浴槽アダプタ165を通って往き管60aに吸入された浴水が追焚き用熱交換器70に送られ、貯湯タンク20からはタンク側循環管路50により高温の湯が追焚き用熱交換器70に供給され、追焚き用熱交換器70にて浴水が加熱される。この加熱された浴水は、戻り管60bを通って浴槽170へ戻り、浴槽アダプタ165から浴槽170内に流入する。この際、微細気泡発生装置1に設けられた電磁弁61を開くことにより、空気が第1の気体導入部4および第2の気体導入部5から吸気されて微細気泡発生装置1に導入され、この導入した空気を浴水中に混合して大量の微細気泡を発生させ、この微細気泡を浴槽170内に供給することができる。また、風呂側送水ポンプ57を継続して駆動することにより、微細気泡発生装置1にて連続して微細気泡を発生することができるため、浴槽170内の微細気泡濃度を増大化することができる。この際、タンク側送水ポンプ45を駆動せずに風呂側送水ポンプ57のみを駆動し、追焚き運転を伴わずに微細気泡発生装置1から浴槽170内に微細気泡を供給する運転のみを行っても良い。
【0061】
上述した実施の形態3では、本発明の微細気泡発生装置を風呂給湯装置に設けた実施の形態について説明したが、本発明の微細気泡発生装置は、このような用途に限らず、例えば、工場の製造工程における部品洗浄装置や、生体活性化を目的とした溶存酸素富化装置などとしても好ましく用いることができる。