(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5692453
(24)【登録日】2015年2月13日
(45)【発行日】2015年4月1日
(54)【発明の名称】封止装置及び封止方法
(51)【国際特許分類】
H01L 23/02 20060101AFI20150312BHJP
【FI】
H01L23/02 C
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-184731(P2014-184731)
(22)【出願日】2014年9月11日
【審査請求日】2014年9月12日
(31)【優先権主張番号】特願2014-4098(P2014-4098)
(32)【優先日】2014年1月14日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514011066
【氏名又は名称】CROSS大阪株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120019
【弁理士】
【氏名又は名称】八木 敏安
(72)【発明者】
【氏名】岡本 隆史
【審査官】
木下 直哉
(56)【参考文献】
【文献】
特開平04−286353(JP,A)
【文献】
特開2011−146491(JP,A)
【文献】
特開2013−219237(JP,A)
【文献】
米国特許第5436202(US,A)
【文献】
韓国公開特許第10−2009−0059778(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/02−23/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品を収納する容器とリッドとを気密封止する電子部品の封止装置であって、
加熱ラインとそれに次ぐ封止ラインとを有し、
上記容器と上記リッドとを位置決めするパレットを備え、当該パレットを加熱ラインと封止ラインの間で移送させる移送手段を有し、
上記位置決めは、リッドの封止部に載置された封止剤と容器との間に隙間を有する位置になされるものであり、
封止ラインにおいては、少なくともリッド側に加熱手段の一部である荷重ピンを有するものであり、
パレット上に封止治具蓋を載置するものである
ことを特徴とする封止装置。
【請求項2】
上記パレットは、リッドが底部に位置決めされ、容器がリッドとの間に隙間を有する位置に位置決めされるものである請求項1記載の封止装置。
【請求項3】
加熱ライン及び封止ラインにおいて温度を調整するためのヒーターは、上部及び下部の両方に備えられたものである請求項1又は2記載の封止装置。
【請求項4】
請求項1又は2記載の封止装置を使用して容器とリッドとを封止することを特徴とする封止方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、封止装置及び封止方法に関する。
【背景技術】
【0002】
水晶振動子、水晶発振器、弾性表面波フィルタ、LED等の電子部品の分野において、容器の開口部に蓋であるリッドを接合することで、該容器を気密封止することが行われている。このような気密封止においては、気密性が高い封止を行うことが要求される。
【0003】
特許文献1においては、パレットを使用して、このパレットにリッドと容器とを載置し、封止する封止装置が開示されている。特許文献1の封止装置におけるパレット内のリッド及び容器の載置状態を
図3に示す。
図3においては、リッド2上に載置されたろう材3に接触して容器1が載置されている。この場合、加熱ラインにおいて容器1とリッド2がいずれもろう材3と直接接しているため、ろう材3の融点よりも低い温度で加熱を行わなければならない。このため、封止工程において容器1とリッド2とを接着するためには、加熱工程以上の温度(すなわち、ろう材3の融点以上の温度)への加熱が必要とされる。
【0004】
このような工程によって封止を行うと、加熱工程においては揮散しなかったろう材中の成分や容器内の揮発しなかった成分が、より高温の封止工程において揮散するという問題が生じる。これによって発生した揮発性成分が、高気密度での密閉を行う際の気密度低下の原因となってしまう。特に、近年は電子部品の高性能化や小型化の進歩により、より高気密度での密閉が要求されるため、このような問題の改善が求められている。
【0005】
特許文献2には、パレットに設けた孔を貫通した押圧突起によってリッドと容器とをヒーターに当接させる電子部品の封止装置が開示されている。
しかし、このような方法は、加熱工程においてリッド、封止剤、容器が接触した状態であるから、上述したような問題を解決できるものではない。更に、加熱工程において容器をヒーターに当接させると、容器がヒーターに接着してしまい、封止工程が完了した後も、ヒーターから離れなくなってしまい、ライントラブルの原因となってしまう。
【0006】
特許文献3には、薄膜ゲッターを使用した真空パッケージが記載されている。しかし、ここでは、薄膜ゲッターを使用して真空度を高めるものである。さらに、ヒーターに設けた凹部中に容器を埋め込む形で加熱を行うものである。このような方法で加熱を行うと、凹部から容器を外すことが容易ではなくなり、ラインのトラブルを生じやすくなってしまう。更に、同一のヒーターで加熱と封止を行わなければならないため、加熱ラインと封止ラインとで微妙な温度調整を行って、高い真空度を得ることはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2011−14810号公報
【特許文献2】特開2011−146491号公報
【特許文献3】特開2013−219237号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記に鑑み、効率よく高気密性の封止を行うことができる封止装置及びそれを用いた封止方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、電子部品を収納する容器とリッドとを気密封止する電子部品の封止装置であって、加熱ラインとそれに次ぐ封止ラインとを有し、上記容器と上記リッドとを位置決めするパレットを備え、当該パレットを加熱ラインと封止ラインの間で移送させる移送手段を有し、上記位置決めは、容器の封止部に載置された封止剤とリッドとの間に隙間を有する位置になされるものであり、封止ラインにおいては、少なくともリッド側に(下側に)
加熱手段の一部である荷重ピンを有するものであり、パレット上に封止治具蓋を載置するものであることを特徴とする封止装置である。
【0010】
上記パレットは、リッドが底部に位置決めされ、容器がリッドとの間に隙間を有する位置に位置決めされるものであることが好ましい。
加熱ライン及び封止ラインにおいて温度を調整するためのヒーターは、上部及び下部の両方に備えられたものであることが好ましい。
【0011】
本発明は、上述した封止装置を使用して容器とリッドとを封止することを特徴とする封止方法でもある。
【発明の効果】
【0012】
本発明の封止装置及び封止方法は簡便な装置によって、加熱ラインの加熱温度を封止ラインの封止温度より高くすることができるため、封止時に揮発する成分を抑制する事が可能となり、高気密性の封止を行うことができる。更に、ライントラブルを生じることも少なく、良好な温度管理を行うことができる。これによって安価に従来よりも高気密性の部品を得ることができるため、電子部品の小型化、高性能化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の封止装置の一例を示す模式図である。
【
図2】本発明の封止装置の一例を示す模式図である。
【
図4】本発明の封止装置において、ヒーターブロックによって加熱されている状態を示す模式図である。
【
図5】本発明の封止装置において、ヒーターブロックによって加熱されている状態を示す模式図である。
【
図6】本発明の封止装置の概要を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明の封止装置は、加熱ラインにおいて、リッドと容器とが接触しない状態で維持されている。これによって、加熱工程においてろう材を完全に溶融させても、密閉されることがない。このため、加熱工程でろう材の溶融温度以上に加熱することができる。
【0015】
このため、加熱ラインの温度を封止ラインの温度以上のものとすることができる。これによって、封止ラインにおける揮発性物質の発生を抑制することができ、高気密性の電子部品を得ることができる。
【0016】
更に、リッドと容器を位置決めした状態で収納してライン上を移動させるパレットは、その上に封止治具蓋を載置したものである。すなわち、パレットに設けられた凹部にリッドと容器を収納し、その凹部を覆うように封止治具蓋を載置した状態で封止を行うものである。本発明の封止装置においては、封止の際に下から上の方向に荷重ピンによって加圧される。この際、ヒーターに直接容器が接触することとなると、容器がヒーターに貼りつくというトラブルが発生する。本発明の封止装置においては、ラインによってパレットごとリッドや容器が次の工程に搬送されるものであるから、一部の容器がヒーター等の封止装置の一部に貼りつくと、これが次の工程に移送されなくなってしまう。これを外すためには、ラインを停止して温度を降下させる必要が生じてしまい、製造効率の大幅な低下につながってしまう。
【0017】
本発明においてはパレットに加えて封止治具蓋を備えたものとしたことによって、容器が荷重ピンと封止治具蓋以外の部位には接触しないものとすることができる。これによって、上述したトラブルが発生しないという利点が得られるものである。
【0018】
また、本発明においては、加熱工程及び封止工程においては、上部と下部の両方にヒーターを設け、これらで挟み込んで加熱することが好ましい。本発明においては、上述したように加熱温度をコントロールすることが好ましいものである。よって、上下からのヒーターによって挟み込むことによって、設定温度通りの高精度な加熱を行うことが出来る。
【0019】
本発明の具体的な態様の一例を
図1において模式図として示した。
図1の加熱工程10aにおいては、容器1はリッド2上に載置されたろう材3と接触しない状態に配置されている。この状態で加熱すると、ろう材3が溶融しても容器1と接触することはない。そして、次いで行う封止工程10bにおいて、2つの荷重ピン6,7によって両側から挟み込むようにして加圧することで、容器1とリッド2とを接着させることができる。
【0020】
また、
図1に示したパレット4及び封止治具蓋5においては、荷重ピン6,7が通過できるような孔が形成されている。当該孔は、荷重ピン7,8は通過できるが、容器及びリッドは通過できないようなサイズであることが好ましい。
【0021】
図2においては、
図1と異なる本発明の具体的な態様の例を示した。
図2の封止工程20bにおいては、リッド2の側から荷重ピン6によって荷重をかけ、封止治具蓋5に押し付けるようにして加圧するものである。このような方法によって容器1とリッド2とを接着させることもできる。
【0022】
図2の態様においても、
図1と同様、パレット4は、荷重ピン6が通過できるような孔を底部に有することが好ましい。更に、
図2の態様においても、パレットには荷重ピン6が通過できるような孔が形成されている。また、
図2のように封止治具蓋5にも孔を形成してもよいが、この場合は容器及びリッドは通過できないようなサイズであることが好ましい。
【0023】
図1,2に示した態様において、更に、加熱するためのヒーターブロック9,10,11,12を図示したものが、
図4,5である。
図4は
図1の態様に対応しており、
図5は
図2の態様に対応したものである。
図4,5に示したように、本発明においては加熱ライン101及び封止ライン102のそれぞれにおいて、別個のヒーターブロックを有しており、パレット4、封止治具蓋5及び、これらの内部に載置された容器1、リッド2が加熱ライン101から封止ライン102へと移動する。
【0024】
図4,5の態様においては、荷重ピン6,7は、封止ライン102中に設置された加熱手段であるヒーターブロック11,12に設けられた突起物である。このようにすることで、荷重ピンが所定温度に加熱されていることから、封止ラインにおいて容易に所定の温度で温度管理を行うことができる点でも好ましい。
【0025】
更に、
図4,5の態様のように、上部下部の両方にヒーターを設け、上下から挟み込むようにして加熱することが好ましい。本発明においては、加熱ライン及び封止ラインのそれぞれにおいて、温度管理を行うことが必要であり、特に、封止ラインにおいては、短時間で効率よく加熱ラインでの温度よりも低温にしなければならない。上述したように、上部下部の両方にヒーターを設け、上下から挟み込むようにして加熱することで、短時間で所定の温度にすることができ、これによって、上述した本発明の効果を好適に得ることができる。
【0026】
本発明の封止装置においては、位置決めするパレットを使用することが重要である。すなわち、当該位置決めの際に、パレット底部近くに載置されるリッドに対して、容器はリッド上のろう材に触れない位置に固定されるようにすることが必要である。このようなパレット形状としては、
図1のパレット4として示したもののように、底部と中間部とで断面積及び/又は形状が異なり、リッド2は底部に載置され、容器1は中間部で浮いた状態で載置されるような形状が望まれる。
【0027】
上記パレットは、板状物の表面に複数の凹部を有するものとすることが好ましい。すなわち、一つのパレット中に
図1,2に示したような凹部を多数有するパレットを使用して、一つのパレットで多数の封止を同時に行えるものとすることが好ましい。上記パレットを形成する素材は特に限定されないが、金属製、セラミック製等を使用することができ、金属製であることが特に好ましい。
【0028】
本発明の封止装置の概要を
図6に示した。
本発明の封止装置は加熱ライン101及び封止ライン102を備えたものである。
図1,2に示したように、パレット4中にリッド2、ろう材3、容器1をこの順に設置した状態で装置中に導入するものである。そして、当該パレットを搬送手段(図示せず)によって、装置内を移動させ、加熱ライン101→封止ライン102の順に通過させ、それぞれのライン中で必要な処理を行うことによって封止処理を行うものである。
【0029】
上述したように、パレット4の上には封止治具蓋5が載置される。当該封止治具蓋5は、パレット4と略同サイズであり、パレット4上に載置することで、そのほぼ全面を覆うものであることが好ましい。上記封止治具蓋5は、パレット4と少しの振動や軽い荷重程度ではパレット4から外れることがない程度に、各々どちらかに穴加工を施し、相手側にはピンを取り付け、穴にピンを挿入して固定されていることが好ましい。
穴をパレット側にするか、蓋側にするかは特に制限されるものでは無い。
【0030】
上記封止治具5は、その素材を限定されるものではなく、加熱条件に耐えうる耐熱性を有する素材であればよい。例えば、セラミック、カーボン、チタン、金属等を挙げることができる。
【0031】
本発明の封止装置は、加熱ライン101においては、具体的には例えば、上述した
図1の10a、
図2の20aに示した状態で処理を行い、封止ライン102においては
図1の10b、
図2の20bに示した状態で処理を行うことができる。
加熱ライン101は、加熱手段及び減圧手段を有するものであることが好ましい。すなわち、加熱ライン101中では減圧状態で加熱を行い揮発性能を高める構造とする。その際、上記ろう材の融点以上の温度で加熱を行い、加熱ライン中でろう材を溶融させることが好ましい。
【0032】
加熱ライン101における減圧手段は特に限定されず、5パスカル(5Pa)以下の減圧状態にまで減圧できるものであれば減圧ポンプ等の周知の任意のものを使用することができる。
【0033】
加熱ライン101における加熱温度は特に限定されるものではなく、使用するろう材によって適宜設定することができる。原則的には、使用するろう材の融点以上で加熱することが好ましい。もっとも一般的なろう材である金錫合金(AuSn合金)の場合は、280℃以上であることが好ましい。
【0034】
封止ライン102は、加熱手段、減圧手段及び押圧手段を備えたものである。すなわち、加熱ラインを経て、ろう材が溶融した状態のリッド及び容器を気密状態で融着させるものである。加熱手段による加熱温度は、特に限定されるものではないが、上記加熱ラインよりも低温とすることが好ましい。これによって、揮発成分の発生を抑制することができるためである。また、原則的には使用するろう材の融点以下であることが好ましい。ろう材が金錫合金(AuSn合金)の場合は、280℃以下であることが好ましい。
【0035】
封止ライン102における減圧手段としても、上記加熱ライン101と同一のものを使用することができる。また、上記封止ライン102中の空間を上記加熱ライン101中の空間と連続したものとして、これらの両方を同時に減圧するものであってもよい。
【0036】
封止ライン102においては、上記押圧手段(
図1,2においては、荷重ピン7,8として示した)によって、リッド2と容器1とを圧着し、封止するものである。当該押圧手段は特に限定されるものではなく、通常の押圧手段によって行うことができる。但し、
図1の10bに示したような状態で押圧を行う場合、容器1側のみから加圧しても押圧することができない。すなわち、容器1側のみから押圧しても、パレット4の形状から、容器1がリッド2と接する位置となることはない。更に、リッド2の側から加圧しても、リッド2、ろう材3、容器1の順で相互に接触するものの、これらの間で加圧されることはない。
【0037】
これらの押圧に際しては、少なくとも、リッド2側(下側)からの加圧(すなわち、リッド側からの荷重ピン6がなされるような装置とすることが必要となる。より具体的には、容器側にも荷重ピン7を設ける方法(
図1)、容器側に備えた封止治具蓋5に押し付けるようにして、荷重する方法(
図2)等を挙げることができる。
【0038】
なお、荷重ピンは上述した
図4,5のもののように、加熱手段の一部であってもよいし、加熱手段と分離した独立のものとし、加熱手段としての機能を有さず、封止を行う際の荷重を付加するだけの荷重ピンであってもよい。
【0039】
このような加圧条件は特に限定されるものではないが、容器の大きさによって加圧条件を変更出来ることが好ましい。例えば、□2mm程度の容器であれば100g/cm
2という加圧条件で封止を行うことができる。
【0040】
本発明の封止装置においては、上記目的を達成するためのその他の構成単位を有するものであってもよい。例えば、加熱ラインへのパレットの導入、封止ラインからのパレットの取り出しに際しては、常圧条件から減圧条件下への導入又はその逆であるから、このような導入への対応がなされていることが好ましい(
図1中、103、104)。
【0041】
本発明の封止装置においては、加熱ライン及び封止ラインの各々の温度誤差を少なくする事が求められる。本装置においては温度誤差を±2.5℃以下の制御を有するものとする。
【0042】
本発明においては、加熱時間を相対的に長くして封止時間よりも長いものとすることが好ましい。すなわち、比較的長時間の加熱を行い、ろう材を充分に溶融させ、揮発性成分を充分に除去した後で、封止を行うことが好ましい。更に、封止においては、むしろ短時間で加圧することが好ましい。加熱ラインにおいて充分にろう材を溶融させているから、加圧ラインは短いものであってよい。
【0043】
より具体的には、加熱時間が3〜20分、封止時間が10秒〜5分となるようにライン設計を行うことが好ましい。
このような加熱時間を確保し、かつ、加熱ライン内の温度や減圧度を全体的に均一に維持するために、加熱ラインを複数設けてもよい。すなわち、加熱ライン中の処理時間が長く、封止ライン中の処理時間が短いものであることから、加熱ラインをより長いものとしておくことが製造効率上好ましいものとなる。この場合に、容積の大きい加熱ラインとするよりも、複数個の加熱ラインとしたほうが、封止装置の製造コストや、加熱ライン全体を均一に減圧・加熱することが容易である点で好ましいものである。
【0044】
本発明の封止装置においては、封止ライン後に冷却ラインを備えるものであってもよい。すなわち、減圧加熱封止を行った後は、減圧状態で冷却までを行い、取り出す事が好ましい。これによって、減圧下での冷却を行うことができ、常圧に取り出した際には室温付近にまで冷却が完了されている事から、トレイの常圧状態での酸化(変色)という問題を生じることなく、冷却を行うことができる点で好ましい。
【0045】
本発明は、上述した封止装置を使用してリッドと容器とを封止することを特徴とする封止方法でもある。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明は、上述したようなものであり、水晶振動子、水晶発振器、弾性表面波フィルタ、LED等の電子部品の容器とリッドとを封止する目的で利用することができる。
【符号の説明】
【0047】
1.容器
2.リッド
3.ろう材
4.パレット
5.封止治具蓋
6.7.荷重ピン
8.孔部
9.10.加熱ライン用ヒーターブロック
11.12.封止ライン用ヒーターブロック
101.加熱ライン
102.封止ライン
103.常圧減圧切替室(入側)
104.常圧減圧切替室(出側)
105、106.減圧ポンプ
【要約】 (修正有)
【課題】効率よく高気密性の封止を行うことができる封止装置及びそれを用いた封止方法を提供する。
【解決手段】電子部品を収納する容器1とリッド2とを気密封止する電子部品の封止装置であって、加熱ラインとそれに次ぐ封止ラインとを有し、容器1とリッド2とを位置決めするパレット4を備える。パレット4を加熱ラインと封止ラインの間で移送させる移送手段を有し、位置決めは、容器の封止部に載置されたろう剤3と容器との間に隙間を有する位置になされ、封止ラインにおいて、少なくともリッド側に荷重ピン7を有し、パレット上に封止治具蓋5を載置する。
【選択図】
図4