(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記アイアン型ゴルフクラブヘッドを前記水平面Hに対して予め定められたライ角およびロフト角通りに設置した基準状態において、前記水平面Hと、前記水平面Hと平行し前記水平面Hから25mm上方を通る水平面H′との間の範囲内に前記スリットが設けられ、
前記スリットの延在方向と直交する方向の前記スリットの幅tは、1.0mm以上6.0mm以下であり、
前記後壁面と前記フェース裏面とを結ぶ方向における前記振動吸収材の厚さは、1.0mm以上6.0mm以下である、
ことを特徴とする請求項1記載のアイアン型ゴルフクラブヘッド。
【発明を実施するための形態】
【0008】
次に本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1、
図2に示すように、本実施の形態に係るアイアン型ゴルフクラブヘッド(以下単にゴルフクラブヘッドという)10は、ヘッド本体12にフェース部材14が取着されて構成され、ゴルフクラブヘッド10は、フェース部16と、ソール部18と、ブレード部20と、キャビティ部22と、ホーゼル24とを備えている。
フェース部16は、上下の高さを有して左右に延在するボールを打撃するフェース面1602を有し、フェース面1602には上下に間隔をおいて複数のスコアライン17が設けられている。
フェース部16の後面には、フェース裏面1604と、このフェース裏面1604の周囲に沿って膨出する周縁部26とが設けられている。
【0009】
ソール部18は、フェース部16の下部に接続する周縁部26の下部によって形成され、ソール部18の下面がソール面1802となっている。
ブレード部20は、フェース裏面1604の上部に沿ってトウヒール方向に延在する周縁部26の部分で形成されている。
キャビティ部22は、フェース裏面1604と周縁部26とで形成され、後方に開放状に形成されている。
【0010】
ホーゼル24は、フェース部16のヒール30側の箇所から起立され、ホーゼル24に不図示のシャフトの一端が挿入して取着されることでのシャフトがヘッド本体12に連結される。
本実施の形態では、ゴルフクラブヘッド10がキャビティバック型のアイアン型ゴルフクラブヘッドである場合について説明するが、本発明は、中空型のアイアン型ゴルフクラブヘッドにも無論適用可能である。
【0011】
図5(A)〜(C)に示すように、フェース部材14は、フェース部16の大部分を構成するものであり、本実施の形態では、
図1に示すように、フェース部材14に加えホーゼル24に続くヘッド本体12部分もフェース部16の一部を構成している。
フェース部材14は、板状を呈し、厚さ方向の一方の面がフェース面1602とされ、厚さ方向の他方の面がフェース裏面1604とされ、フェース面1602とフェース裏面1604とは外周面1606で接続されている。
本実施の形態では、外周面1606は、フェース裏面1604側に位置するフェース裏面側外周面1606Aと、フェース面1602側に位置しフェース裏面側外周面1606Aよりもフェース部材14の中央に向かって変位した箇所に位置するフェース面側外周面1606Bとを備えている。
そして、フェース裏面側外周面1606Aとフェース面側外周面1606Bとの境の箇所に欠部1608が形成され、
図2に示すように、後述するヘッド本体12の外周壁部34の箇所が欠部1608に加締められることで、フェース部材14がヘッド本体12に取着されている。
なお、フェース部材14のヘッド本体12への取着は、上述した加締めの他、圧入、接着、溶接、ネジ止め、あるいは、それらの組み合わせによって行なうことができる。
フェース部材14は、金属材料で構成され、金属材料としては、例えば、チタン、チタン合金、アルミニウム合金、マレージング鋼、アモルファス合金が好適である。
特にフェース部材14の材料としてチタン合金を用いると、鋼材に比べて軽量のフェース質量で同程度の強度や反発性能を得ることができるため、ゴルフクラブヘッド10の大型化や重心性能の向上を図るための設計を容易に行なうことができ有利となる。
また、フェース部材14の厚さは、特に限定されるものではないが、耐久性と反発性を確保する観点から1.5mm以上3.0mm以下が望ましい。
【0012】
ヘッド本体12は、ホーゼル24と、ホーゼル24につながる部分とを有し、ホーゼル24につながる部分とは、フェース部16のうちフェース部材14を除く部分と、ソール部18と、ブレード部20と、キャビティ部22である。
ヘッド本体12は、金属材料で構成され、金属材料としては、例えば、SUS630、SUS255、SUS450のようなステンレス鋼、SUS303、SUS304、ST22のようなソフトステンレス鋼、マレージング鋼、Ni系合金、軟鉄、などが好適である。
【0013】
図1、
図4に示すように、ヘッド本体12は、フェース部材14の外周部が取着されフェース面1602側が前面とされた枠部32を有している。
枠部32は、外周壁部34と、支持壁部36と、後壁部38とを備え、外周壁部34と支持壁部36とは枠部32の全周にわたって延在している。
外周壁部34は、フェース部材14の外周面1606に対向する内周面3402と、フェース面1602の前方に対向する前面3404とを有している。ソール部18において外周壁部34の外周面はソール面1802を構成している。
支持壁部36は、前面3404から離れた外周壁部34の箇所から枠部32の内側に突出し内周面3402の延在方向に沿って延在している。
支持壁部36は、前面3404から離れた内周面3402の端部の箇所から枠部32の内側に起立し内周面3402の延在方向に沿って延在しフェース裏面1604の外周部に当接可能な受け面3602を有している。
また、支持壁部36の内側は、フェース裏面1604と当接しない開口部37となっている。
後壁部38は、ソール部18側に位置する外周壁部34の箇所で支持壁部36よりも前面3404から離れた箇所から上方に突出しトウヒール方向に延在している。したがって、後壁部38は、ソール部18に対応する枠部32の箇所のみに設けられている。
後壁部38は後壁面3802を有している。後壁面3802は、支持壁部36の上端面3604の前面3404と離れた側の端部から上方に起立し、受け面3602の延在方向に沿ってトウヒール方向に延在している。
そして、後壁面3802とフェース裏面1604との間に支持壁部36の上端面3604を底面とした上方に開放状の空間3804が形成されている。
【0014】
空間3804内にトウヒール方向に沿って振動吸収材40が充填されている。
振動吸収材40は、打球時の振動を吸収緩和するものである。そのため、振動吸収材40としては、一般的な弾性材料であれば何を用いてもよいが、作業性や耐久性を考慮した場合に、JIS K6253で規定されるA硬度が30以上90以下の弾性材料が好ましい。
このような弾性材料として、ゴム系、ウレタン系、シリコン系の材料が使用可能である。
振動吸収材40の空間3804内への充填は、事前に成型された振動吸収材40を空間3804に充填してもよいし、液状の振動吸収材40を空間3804内に充填したのち、振動吸収材40を硬化させるようにしてもよい。
【0015】
支持壁部36に支持壁部36の延在方向と交差する方向に延在し上端面3604に開放状のスリット42が少なくとも一つ設けられている。
本実施の形態では、スリット42は、ソール部18に位置しソール部18に沿ってトウヒール方向に延在する支持壁部36の延在方向の両端にそれぞれに1つずつ設けられている。
図4、
図6、
図7に示す実施の形態では、スリット42は均一幅をもって直線状に延在している。
また、
図8に示す他の実施の形態では、スリット42は上端面3604から離れるにつれて次第に幅が大きくなる台形状に形成されている。
そして、何れの場合も、ゴルフクラブヘッド10を水平面Hに対して予め定められたライ角およびロフト角通りに設置すると共にゴルフクラブヘッド10をロフト角分前方に傾斜させフェース面1602が水平面Hに対して垂直をなすようにした第1の状態で、スリット42を構成する向かい合う辺4202のうちの少なくとも1つの辺4202の少なくとも一部分は、フェース面1602の前方からゴルフクラブヘッド10を見た場合に、水平面Hに直交する垂直線Lとなす角度αが10度以上150度以下の傾きをもって水平面H側に向いている。
なお、実施の形態では、スリット42の辺4202が直線状に延在している場合について説明したが、スリット42の辺4202はS字状に延在するなど曲線状に延在していてもよい。
【0016】
そして、振動吸収材40は、空間3804からスリット42にわたって充填されている。
したがって、振動吸収材40により打球時の衝撃を吸収緩和することで打感の向上を図ることで有利となることは無論のこと、振動吸収材40が空間3804からスリット42にわたって充填されることにより、スリット42に充填された振動吸収材42がアンカー効果を発揮して、振動吸収材40の脱落を確実に防止する上で有利となる。そのため、長期間にわたって打感、打球音の経時的変化を抑制でき、耐久性の向上を図る上で有利となる。
また、空間3804は、その断面形状が従来のようにくさび形状を呈する必要がないため、液状の振動吸収材40を空間3804に充填する作業が容易であり、振動吸収材40を空間の隅々にまんべんなく充填する上で有利となり、振動吸収材40の充填作業の効率化を図る上で有利となる。
【0017】
また、
図6に示すように、ゴルフクラブヘッド10を水平面Hに対して予め定められたライ角およびロフト角通りに設置した基準状態において、水平面Hと、水平面Hと平行し水平面Hから25mm上方を通る水平面H′との間の範囲A内にスリット42が設けられている。
アイアン型ゴルフクラブは地面にあるボールを打球するクラブであるために、ほぼフェース面1602の下側で打撃することとなる。打撃部位に集中的な変形負荷が生じるため、実打撃部位に近い範囲である範囲A内にスリット42が設けられていることが、耐久強度(樹脂離脱)を確保する上で有利となり、範囲A外にスリット42が設けられていると、耐久強度(樹脂離脱)を改善する効果が低下する。
また、
図6に示すように、スリット42がその延在方向と直交する方向の幅tは、1.0mm以上6.0mm以下である。なお、本発明において幅tはスリット42の延在方向の全長にわたる平均幅をいうものとする。
幅tが上記範囲内であると、振動吸収材40の脱落防止効果を発揮しつつヘッド本体12の耐久性を確保する上で有利となる。
幅tが上記範囲を下回ると、スリット42に振動吸収材40を充填する際の作業性を確保する効果が低下する。
幅tが上記範囲を上回ると、ヘッド本体12の耐久性を確保する効果が低下する。
また、
図2に示すように、後壁面3802とフェース裏面1604とを結ぶ方向における振動吸収材40の厚さDは、1.0mm以上6.0mm以下である。
厚さDが上記範囲内であると、良好な打球音を発生させつつ打球時の振動の吸収緩和の効果を確保する上で有利となる。
厚さDが上記範囲を下回ると、打球時の振動の吸収緩和の効果を確保する効果が低下する。
厚さDが上記範囲を上回ると、ゴルフクラブヘッド10の反発特性が低下し、頼りない打球感となり、良好な打感を確保する効果が低下する。
【0018】
後壁面3802とフェース裏面1604とを結ぶ方向における後壁面3802の上端からフェース裏面1604までの距離をWuとし、後壁面3802とフェース裏面1604とを結ぶ方向における後壁面3802の下端からフェース裏面1604までの距離をWlとしたとき、Wuは1.5mm以上6.0mm以下であり、Wlは0mm以上6.0mm以下であり、かつ、Wu≧Wlである。
距離Wu、Wlが上記の範囲および大小関係を満たすと、打球時の振動の吸収緩和の効果を確保しつつ、振動吸収材40の空間3804への充填作業の効率化を図る上で有利となる。
距離Wu、Wlが上記の範囲および大小関係を満たさないと、打球時の振動の吸収緩和の効果が低下し、また、振動吸収材40の空間3804への充填作業の効率化を図る効果が低下する。
【0019】
また、スリット42の数は、多いほど振動吸収材40の脱落防止効果を発揮する上で有利となるが、スリット42の数が多すぎると、ヘッド本体12の耐久強度が低下する。そのため、振動吸収材40の脱落防止効果を発揮しつつヘッド本体12の耐久強度を確保する上でスリットの42の数は1〜4個程度が望ましい。
【0020】
以下、本発明の実験例について説明する。
なお、以下の実験例の説明では、上記の実施の形態と同一の箇所、部材に同一の符号を付しその説明を省略する。
図9、
図10は、本発明に係るゴルフクラブヘッド10の実験結果を示す図である。
試料となるゴルフクラブヘッド10を各実験例毎に作成し、後述する4つの評価項目(合計点を含む)を測定しその平均値を求めた。
試料となるゴルフクラブヘッド10の番手は5番であり、ロフト角は全て24度とした。
なお、以下のように実験条件を変えて第1の試験と第2の試験を行った。
(1)第1の試験:
図9に示す実験例1〜13においては、衝撃吸収材40およびスリット42が設けられていない実験例13を基準として、衝撃吸収材40およびスリット42が設けられている実験例1〜12を対比した。
(2)第2の試験:
図10に示す実験例14〜20においては、衝撃吸収材40が設けられているがスリット42が設けられていない実験例20を基準として、衝撃吸収材40およびスリット42が設けられている実験例14〜19を対比した。また、この場合、評価基準となる実験例20は距離Wu、Wlの大小関係がWu<Wlとなっており、実験例14〜19においては、距離Wu、Wlの大小関係を変化させて試験を行った。
【0021】
(1)作業性
1本のゴルフクラブヘッド10について5人の作業者が液状の振動吸収材40を空間3804に充填する作業を行い、作業時間および振動吸収材40の空間3804内への充填度合いの良否を指数化して評価し、その平均値を求めた。
第2の試験(
図10)においては、実験例20の指数を100とし指数が大きいほど作業性が良いことを示す。
なお、第1の試験(
図9)においては、作業性の評価は行っていない。
【0022】
(2)耐久性(離脱)および(3)耐久性(構造強度)
グリップを備えるカーボンシャフトに固定したゴルフクラブヘッド10のフェース面1602にエアキャノンにてゴルフボールを繰り返して当て、衝撃吸収材40が空間3804から浮き上がるまでに要した打撃回数を指数化したものを耐久性(離脱)とした。
また、上記と同様の手順でゴルフクラブヘッド10のフェース面1602にエアキャノンにてゴルフボールを繰り返して当て、フェース部材14の変形、ヒビ、破壊、フェース部材14とヘッド本体12との隙間や段差が生じるまでに要した打撃回数を計測し、打撃回数を指数化したものを耐久性(構造強度)とした。
耐久性(離脱)および耐久性(構造強度)の何れもボールスピードは41m/sとした。
第1の試験(
図9)においては、耐久性(離脱)、耐久性(構造強度)は、実験例13のゴルフクラブヘッド10の測定結果を100とした指数で示した。指数が大きいほど評価が良いことを示す。
第2の試験(
図10)においては、耐久性(離脱)、耐久性(構造強度)は、実験例20のゴルフクラブヘッド10の測定結果を100とした指数で示した。指数が大きいほど評価が良いことを示す。
【0023】
(4)打感
実際にゴルフボールをゴルフクラブヘッド10で打撃した場合の打感を指数で評価した。
打感の評価は、1本のゴルフクラブヘッド10について5人のゴルファーがゴルフボールを実際に10打ずつ打撃してその平均値を求めた。
なお、打感は、ボールを打撃した時の打音が支配的である。一般的には、残響が長いと、弾き感があると表現され、残響が短いと、打感が柔らかいと表現される。
本明細書においては、打感が柔らかいほど評価が良好であるものとする。
第1の試験(
図9)においては、打感は、実験例13のゴルフクラブヘッド10の測定結果を100とした指数で示した。指数が大きいほど評価が良いことを示す。
第2の試験(
図10)においては、打感は、実験例20のゴルフクラブヘッド10の測定結果を100とした指数で示した。指数が大きいほど評価が良いことを示す。
【0024】
ここで、打感に影響を与える損失係数について説明する。
損失係数は、振動減衰の大小を表す係数である。損失係数が大きいほど振動減衰が大きくため打感の評価が高まる傾向となり、損失係数が小さいほど振動減衰が小さいため打感の評価が低下する傾向となる。
ゴルフクラブヘッド10の損失係数ηの測定方法について説明する。なお、以下の測定方法は、本出願人が出願した特開2009−92398号公報に開示されている。
損失係数ηは、以下の式(1)で示される。
η=D/(27.3・fx)……(1)
D:減衰率
fx:周波数(1次共振周波数)
ゴルフクラブヘッド10の1次共振周波数fxと減衰率Dは以下の手順で求める。
【0025】
1)ゴルフクラブヘッド10のフェース面1602(中央部近辺)に加速度ピックアップを取りつける。
【0026】
2)インパルスハンマーによってフェース面1602(ほぼ中央部)から打撃を与えることでフェース面16Aを自由振動させる。
図11は、計測された振動データを示す波形図である。
横軸は時間T(秒)、縦軸は加速度A(V)を示す。加速度センサによって計測された振動データは、時間経過とともに振動の振幅が次第に減少する振動波形を示している。
【0027】
3)2)の振動データを高速フーリエ変換することによりフーリエ変換データを生成する。
フーリエ変換データは、振動の周波数に対する振動の振幅レベルを示す振幅特性データと、振動の周波数に対する振動の位相を示す位相特性データとを含む。
高速フーリエ変換は、振動波形を示す振動データからフーリエ係数を求め、このフーリエ係数を演算することで周波数毎に振幅と位相を求めるものである。
ここで、周波数と振幅との関係を表すものが、振動の周波数に対する振動の振幅レベルを示す振幅特性データとなる。
【0028】
図12は、振幅特性データを示す線図である。
横軸は振動の周波数f(Hz)、縦軸は振動の振幅の大きさ(パワースペクトル)(dB)を示す。
打感に最も影響するのは、振幅が最も大きい1次共振周波数f1である。
この1次共振周波数f1=fxとなる。
【0029】
4)振動の減衰率Dを求める。
図13は、1次共振周波数f1に対応した振動のピークレベルの二乗の時間変化を常用対数に変換した後10倍した値で示した図である。横軸は時間(秒)、縦軸は加速度(dB)である。
図13を部分的に拡大した
図14に示すように、直線近似された部分の傾きが振動の減衰率Dを示す。
このようにして、打感に最も影響する1次共振周波数f1の減衰率Dが求まり、式(1)により損失係数ηが求められる。
【0030】
減衰率D(db/sec)、1次共振周波数f1(Hz)、損失係数ηの実験例を以下に例示する。
D=4000、f1=6000、η=0.024
D=5000、f1=6000、η=0.031
D=6000、f1=6000、η=0.037
上記の例の場合、減衰率Dが大きくなるほど損失係数ηが大きくなるため振動減衰が大きく打感が良くなる傾向となる。
【0031】
(5)合計点
第1の試験(
図9)においては、合計点は、上述した(2)耐久性(離脱)、(3)耐久性(構造強度)、(4)打感の3つの指数を合計したものを合計点とした。
実験例13の合計点を300とし合計点が大きいほど評価が良いことを示す。
第2の試験(
図10)においては、合計点は、上述した(1)作業性、(2)耐久性(離脱)、(4)打感の3つの指数を合計したものを合計点とした。
実験例20の合計点を300とし合計点が大きいほど評価が良いことを示す。
【0032】
[1]第1の試験
次に
図9を参照しつつ実験例1〜13について説明する。
実験例1、3、4、5、6、7、8、11、12は、本発明の範囲内であり、請求項1の規定を満たすものである。
実験例1、3、4、7、8、11、12は請求項1、2、3の規定の全てを満たすものである。
実験例5、6、9、10は、請求項1、3の規定を満たし、請求項2の規定を満たさないものである。
実験例2は、振動吸収材40を備えるが請求項1の規定を満たさないものである。
実験例13は、振動吸収材40を備えないものであり、本発明の請求項1の規定を満たさないものである。
なお、実験例1〜12において、スリット42は、
図6に示す範囲A内に位置し、スリット42の数は1個である。
また、実験例1〜12において、距離Wu、Wlは、請求項3の1.5mm≦Wu≦6.0mm、0mm≦Wl≦6.0mm、Wu≧Wlの規定を満たしている。
【0033】
実験例1は、スリット42の角度αが45.0°であり、請求項1の10°≦α≦150°の範囲内である。
また、スリット42の幅tは3.0mmであり、請求項2の1.0mm≦t≦6.0mmの範囲内である。
また、振動吸収材40の厚さDは2.0mmであり、請求項2の1.0mm≦t≦6.0mmの範囲内である。
したがって、耐久性(離脱)170、耐久性(構造強度)100、打感120、合計390となっており、4種類の評価点が何れも最高点となっている。
【0034】
実験例2は、スリット42の角度αが5.0°であり、請求項1の10°≦α≦150°の範囲を下回っている。
また、スリット42の幅tは3.0mmであり、請求項2の1.0mm≦t≦6.0mmの範囲内である。
また、振動吸収材40の厚さDは2.0mmであり、請求項2の1.0mm≦t≦6.0mmの範囲内である。
したがって、耐久性(離脱)100、耐久性(構造強度)100、打感120、合計320となっており、打感の評価は良好である反面、耐久性(離脱)、耐久性(構造強度)についての評価が低いものとなっている。
【0035】
実験例3は、スリット42の角度αが15.0°であり、請求項1の10°≦α≦150°のほぼ下限値である。
また、スリット42の幅tは3.0mmであり、請求項2の1.0mm≦t≦6.0mmの範囲内である。
また、振動吸収材40の厚さDは2.0mmであり、請求項2の1.0mm≦t≦6.0mmの範囲内である。
したがって、耐久性(離脱)150、耐久性(構造強度)100、打感120、合計370となっており、4種類の評価点は実験例1より低下するものの良好なものとなっている。
【0036】
実験例4は、スリット42の角度αが145.0°であり、請求項1の10°≦α≦150°のほぼ上限値である。
また、スリット42の幅tは3.0mmであり、請求項2の1.0mm≦t≦6.0mmの範囲内である。
また、振動吸収材40の厚さDは2.0mmであり、請求項2の1.0mm≦t≦6.0mmの範囲内である。
したがって、耐久性(離脱)150、耐久性(構造強度)100、打感120、合計370となっており、4種類の評価点は実験例1より低下するものの良好なものとなっている。
【0037】
実験例5は、スリット42の角度αが45.0°であり、請求項1の10°≦α≦150°の範囲内である。
また、スリット42の幅tは0.5mmであり、請求項2の1.0mm≦t≦6.0mmの範囲を下回っている。
また、振動吸収材40の厚さDは2.0mmであり、請求項2の1.0mm≦t≦6.0mmの範囲内である。
したがって、耐久性(離脱)115、耐久性(構造強度)100、打感120、合計335となっており、打感、耐久性(構造強度)の評価は実験例1と同等であるものの、耐久性(離脱)の評価が実験例1よりも低いものとなっている。
【0038】
実験例6は、スリット42の角度αが45.0°であり、請求項1の10°≦α≦150°の範囲内である。
また、スリット42の幅tは6.5mmであり、請求項2の1.0mm≦t≦6.0mmの範囲を上回っている。
また、振動吸収材40の厚さDは2.0mmであり、請求項2の1.0mm≦t≦6.0mmの範囲内である。
したがって、耐久性(離脱)130、耐久性(構造強度)80、打感120、合計330となっており、耐久性(離脱)、打感については実験例1と同等であるものの、耐久性(構造強度)の評価が実験例13に比較して低いものとなっている。
【0039】
実験例7は、スリット42の角度αが45.0°であり、請求項1の10°≦α≦150°の範囲内である。
また、スリット42の幅tは1.5mmであり、請求項2の1.0mm≦t≦6.0mmのほぼ下限値である。
また、振動吸収材40の厚さDは2.0mmであり、請求項2の1.0mm≦t≦6.0mmの範囲内である。
したがって、耐久性(離脱)155、耐久性(構造強度)100、打感120、合計375となっており、耐久性(離脱)が実験例1に比較して低下するものの、耐久性(構造強度)、打感については、実験例1と同等であり良好なものとなっている。
【0040】
実験例8は、スリット42の角度αが45.0°であり、請求項1の10°≦α≦150°の範囲内である。
また、スリット42の幅tは5.5mmであり、請求項2の1.0mm≦t≦6.0mmのほぼ上限値である。
また、振動吸収材40の厚さDは2.0mmであり、請求項2の1.0mm≦t≦6.0mmの範囲内である。
したがって、耐久性(離脱)155、耐久性(構造強度)100、打感120、合計375となっており、耐久性(離脱)が実験例1に比較して低下するものの、耐久性(構造強度)、打感については、実験例1と同等であり良好なものとなっている。
【0041】
実験例9は、スリット42の角度αが45.0°であり、請求項1の10°≦α≦150°の範囲内である。
また、スリット42の幅tは3.0mmであり、請求項2の1.0mm≦t≦6.0mmの範囲内である。
また、振動吸収材40の厚さDは0.5mmであり、請求項2の1.0mm≦t≦6.0mmの範囲を下回っている。
したがって、耐久性(離脱)120、耐久性(構造強度)100、打感115、合計335となっており、打感、耐久性(離脱)が実験例1に比較して低下するものの、耐久性(構造強度)については、実験例1と同等であり良好なものとなっている。
【0042】
実験例10は、スリット42の角度αが45.0°であり、請求項1の10°≦α≦150°の範囲内である。
また、スリット42の幅tは3.0mmであり、請求項2の1.0mm≦t≦6.0mmの範囲内である。
また、振動吸収材40の厚さDは6.5mmであり、請求項2の1.0mm≦t≦6.0mmの範囲を上回っている。
したがって、耐久性(離脱)125、耐久性(構造強度)100、打感110、合計335となっており、打感、耐久性(離脱)が実験例1に比較して低下するものの、耐久性(構造強度)については、実験例1と同等であり良好なものとなっている。
【0043】
実験例11は、スリット42の角度αが45.0°であり、請求項1の10°≦α≦150°の範囲内である。
また、スリット42の幅tは3.0mmであり、請求項2の1.0mm≦t≦6.0mmの範囲内である。
また、振動吸収材40の厚さDは1.5mmであり、請求項2の1.0mm≦t≦6.0mmのほぼ下限値である。
したがって、耐久性(離脱)160、耐久性(構造強度)100、打感120、合計380となっており、耐久性(離脱)が実験例1に比較して低下するものの、耐久性(構造強度)、打感については、実験例1と同等であり良好なものとなっている。
【0044】
実験例12は、スリット42の角度αが45.0°であり、請求項1の10°≦α≦150°の範囲内である。
また、スリット42の幅tは3.0mmであり、請求項2の1.0mm≦t≦6.0mmの範囲内である。
また、振動吸収材40の厚さDは5.5mmであり、請求項2の1.0mm≦t≦6.0mmのほぼ上限値である。
したがって、耐久性(離脱)160、耐久性(構造強度)95、打感120、合計375となっており、耐久性(離脱)が実験例1に比較して低下するものの、耐久性(構造強度)、打感については、実験例1とほぼ同等であり良好なものとなっている。
【0045】
実験例13は、振動吸収材40を備えないものであり、スリット42の角度α、スリット42の幅t、振動吸収材40の厚さDの規定を満足しないものである。
したがって、耐久性(離脱)100、耐久性(構造強度)100、打感100、合計300となっており、実験例1〜13のうち最低の評価である。
なお、実験例13は振動吸収材40を備えないため、耐久性(離脱)の評価はできないが、
図9においては、便宜上耐久性(離脱)を100点として記載している。
【0046】
以下、第1の試験における各評価項目について検討する。
(2)耐久性(離脱)
本発明の範囲内であり、請求項1、2、3の規定の全てを満たす実験例1、3、4、7、8、11、12は、耐久性(離脱)が150〜170であり、耐久性(離脱)が最も優れている。
本発明の範囲内であり、請求項1、3の規定を満たすが、請求項2の規定が範囲外である請求項5、6、9、10は、耐久性(離脱)が115〜130であり、次いで耐久性(離脱)が優れている。
本発明の範囲外であり、振動吸収材40を備えるものの請求項1の規定を満たさない実験例2の耐久性(離脱)は100であり、本発明の範囲内のものに対して本発明の範囲外のものは耐久性(離脱)についての効果が低い。
なお、実験例13は振動吸収材40を備えないので耐久性(離脱)については検討しない。
【0047】
(3)耐久性(構造強度)
本発明の範囲内であり、請求項1、2、3の規定の全てを満たす実験例1、3、4、7、8、11、12は、耐久性(構造強度)が95〜100であり、耐久性(構造強度)が最も優れている。
本発明の範囲内であり、請求項1、3の規定を満たすが、請求項2の規定が範囲外である請求項5、6、9、10は、耐久性(構造強度)が80〜100であり、次いで耐久性(構造強度)が優れている。
本発明の範囲外であり、請求項1の規定を満たさない実験例2、実験例13の耐久性(構造強度)は、100であり、本発明の範囲内のものに対して本発明の範囲外のものは耐久性(構造強度)についての効果の差異は無い。
【0048】
(4)打感
本発明の範囲内であり、請求項1、2、3の規定の全てを満たす実験例1、3、4、7、8、11、12は、打感が120であり、打感が最も優れている。
本発明の範囲内であり、請求項1、3の規定を満たすが、請求項2の規定が範囲外である請求項5、6、9、10は、打感が110〜120であり、次いで打感が優れている。
本発明の範囲外であり、振動吸収材40を備えるものの請求項1の規定を満たさない実験例2の打感は120であり、本発明の範囲内のものに対して打感についての差異はない。
本発明の範囲外であり、振動吸収材40を備えない実験例13の打感は、100であり、本発明の範囲内のものに対して打感が低い。
【0049】
(5)合計点
本発明の範囲内であり、請求項1、2、3の規定の全てを満たす実験例1、3、4、7、8、11、12は、合計点が370〜390であり、合計点が最も優れている。
本発明の範囲内であり、請求項1、3の規定を満たすが、請求項2の規定が範囲外である請求項5、6、9、10は、合計点が330〜335であり、次いで合計点が優れている。
本発明の範囲外であり、振動吸収材40を備えるものの請求項1の規定を満たさない実験例2の合計点は320であり、本発明の範囲内のものに対して合計点が低い。
本発明の範囲外であり、振動吸収材40を備えない実験例13の合計点は、300であり、本発明の範囲内のものに対して合計点が低い。
【0050】
[2]第2の試験
次に
図10を参照しつつ実験例14〜20について説明する。
実験例14〜19は、本発明の範囲内であり、請求項1の規定を満たすものである。
実験例14、18、19は請求項1、2、3の規定の全てを満たすものである。
実験例15、16は、請求項1、2の規定を満たし、請求項3の規定を満たさないものである。
実験例17は、請求項1の規定を満たし、請求項2、3の規定を満たさないものである。
実験例20は、従来技術に相当するものであり、振動吸収材が配置される溝部の断面形状がくさび形状を呈しているものである。
なお、実験例14〜19において、スリット42は、
図6に示す範囲A内に位置し、スリット42の数は1個である。
【0051】
実験例14は、スリット42の角度αが45.0°であり、請求項1の10°≦α≦150°の範囲内である。
また、スリット42の幅tは3.0mmであり、請求項2の1.0mm≦t≦6.0mmの範囲内である。
また、振動吸収材40の厚さDは3.0mmであり、請求項2の1.0mm≦t≦6.0mmの範囲内である。
また、距離Wuが3.0mm、距離Wlが3.0mmであり、請求項3の1.5mm≦Wu≦6.0mm、0mm≦Wl≦6.0mm、Wu≧Wlの規定を満たしている。
したがって、作業性140、耐久性(離脱)120、打感120、合計380となっており、4種類の評価点が何れも最高点となっている。
【0052】
実験例15は、スリット42の角度αが45.0°であり、請求項1の10°≦α≦150°の範囲内である。
また、スリット42の幅tは3.0mmであり、請求項2の1.0mm≦t≦6.0mmの範囲内である。
また、振動吸収材40の厚さDは2.0mmであり、請求項2の1.0mm≦t≦6.0mmの範囲内である。
また、距離Wuが1.0mm、距離Wlが1.0mmであり、請求項3の1.5mm≦Wu≦6.0mm、0mm≦Wl≦6.0mm、Wu≧Wlの規定を満たしていない。
したがって、作業性90、耐久性(離脱)110、打感120、合計320となっており、耐久性(離脱)、打感は実験例14とほぼ同等であるものの、作業性の効果が低下している。
【0053】
実験例16は、スリット42の角度αが45.0°であり、請求項1の10°≦α≦150°の範囲内である。
また、スリット42の幅tは3.0mmであり、請求項2の1.0mm≦t≦6.0mmの範囲内である。
また、振動吸収材40の厚さDは2.0〜3.0mmであり、請求項2の1.0mm≦t≦6.0mmの範囲内である。
また、距離Wuが2.0mm、距離Wlが3.0mmであり、請求項3の1.5mm≦Wu≦6.0mm、0mm≦Wl≦6.0mm、Wu≧Wlの規定を満たしていない。
したがって、作業性100、耐久性(離脱)120、打感120、合計340となっており、耐久性(離脱)、打感は実験例14と同等であるものの、作業性の効果が低下している。
【0054】
実験例17は、スリット42の角度αが45.0°であり、請求項1の10°≦α≦150°の範囲内である。
また、スリット42の幅tは3.0mmであり、請求項2の1.0mm≦t≦6.0mmの範囲内である。
また、振動吸収材40の厚さDは6.0〜7.0mmであり、請求項2の1.0mm≦t≦6.0mmの範囲を上回っている。
また、距離Wuが7.0mm、距離Wlが6.0mmであり、請求項3の1.5mm≦Wu≦6.0mm、0mm≦Wl≦6.0mm、Wu≧Wlの規定を満たしていない。
したがって、作業性140、耐久性(離脱)120、打感80、合計340となっており、作業性、耐久性(離脱)は実験例14と同等であるものの、打感の効果が低下している。
【0055】
実験例18は、スリット42の角度αが45.0°であり、請求項1の10°≦α≦150°の範囲内である。
また、スリット42の幅tは3.0mmであり、請求項2の1.0mm≦t≦6.0mmの範囲内である。
また、振動吸収材40の厚さDは2.0mmであり、請求項2の1.0mm≦t≦6.0mmの範囲内である。
また、距離Wuが2.0mm、距離Wlが2.0mmであり、請求項3の1.5mm≦Wu≦6.0mm、0mm≦Wl≦6.0mm、Wu≧Wlの規定を満たしている。
したがって、作業性130、耐久性(離脱)120、打感120、合計370となっており、作業性、耐久性(離脱)、打感は実験例14とほぼ同等である。
【0056】
実験例19は、スリット42の角度αが45.0°であり、請求項1の10°≦α≦150°の範囲内である。
また、スリット42の幅tは3.0mmであり、請求項2の1.0mm≦t≦6.0mmの範囲内である。
また、振動吸収材40の厚さDは5.5mmであり、請求項2の1.0mm≦t≦6.0mmのほぼ上限値である。
また、距離Wuが5.5mm、距離Wlが5.5mmであり、請求項3の1.5mm≦Wu≦6.0mm、0mm≦Wl≦6.0mm、Wu≧Wlの規定を満たしている。
したがって、作業性140、耐久性(離脱)120、打感110、合計370となっており、作業性、耐久性(離脱)、打感は実験例14とほぼ同等である。
【0057】
実験例20は、スリット42がなく、請求項1を満たしていない。
また、振動吸収材40の厚さDは2.0〜3.0mmであり、請求項2の1.0mm≦t≦6.0mmの範囲内である。
また、距離Wuが2.0mm、距離Wlが3.0mmであり、請求項3の1.5mm≦Wu≦6.0mm、0mm≦Wl≦6.0mm、Wu≧Wlの規定を満たしていない。
したがって、作業性100、耐久性(離脱)100、打感100、合計300となっており、作業性、耐久性(離脱)、打感の効果はほぼ最低である。
【0058】
以下、第2の試験における各評価項目について検討する。
(1)作業性
本発明の範囲内であり、請求項1、2、3の規定の全てを満たす実験例14、18、19は、作業性が130〜140であり、作業性が最も優れている。
本発明の範囲内であり、請求項1、2の規定を満たすが、請求項3の規定が範囲外である実験例15、16は、作業性が90〜100であり、実施例14に比較して作業性が低下している。
本発明の範囲内であり、請求項1の規定を満たすが、請求項2、3の規定を満たさない実験例17は、作業性が140であり、作業性が実験例14と同等に優れている。
本発明の範囲外であり、請求項1の規定を満たさない実験例20の作業性は、100であり、本発明の範囲内のものに対して本発明の範囲外のものは作業性の効果が低い。
【0059】
(2)耐久性(離脱)
本発明の範囲内であり、請求項1、2、3の規定の全てを満たす実験例14、18、19は、耐久性(離脱)が120であり、耐久性(離脱)が最も優れている。
本発明の範囲内であり、請求項1、2の規定を満たすが、請求項3の規定が範囲外である実験例15、16は、耐久性(離脱)が110〜120であり、次いで耐久性(離脱)が優れている。
本発明の範囲内であり、請求項1の規定を満たすが、請求項2、3の規定を満たさない実験例17は、耐久性(離脱)が120であり、耐久性(離脱)が実験例14と同等に優れている。
本発明の範囲外であり、請求項1の規定を満たさない実験例20の耐久性(離脱)は、100であり、本発明の範囲内のものに対して本発明の範囲外のものは耐久性(離脱)の効果が低い。
【0060】
(4)打感
本発明の範囲内であり、請求項1、2、3の規定の全てを満たす実験例14、18、19は、打感が110〜120であり、打感が最も優れている。
本発明の範囲内であり、請求項1、2の規定を満たすが、請求項3の規定が範囲外である実験例15、16は、打感が120であり、打感が実験例14と同等に優れている。
本発明の範囲内であり、請求項1の規定を満たすが、請求項2、3の規定を満たさない実験例17は、打感が80であり、実験例14に比較して打感が低下している。
本発明の範囲外であり、請求項1の規定を満たさない実験例20の打感は、100であり、本発明の範囲内のものに対して本発明の範囲外のものは打感の効果が低い。
【0061】
(5)合計点
本発明の範囲内であり、請求項1、2、3の規定の全てを満たす実験例14、18、19は、合計点が370〜380であり、合計点が最も優れている。
本発明の範囲内であり、請求項1、2の規定を満たすが、請求項3の規定が範囲外である実験例15、16は、合計点が320〜340であり、合計点が実験例14に次いで優れている。
本発明の範囲内であり、請求項1の規定を満たすが、請求項2、3の規定を満たさない実験例17は、合計点が340であり、合計点が実験例14に次いで優れている。
本発明の範囲外であり、請求項1の規定を満たさない実験例20の合計点は、300であり、本発明の範囲内のものに対して本発明の範囲外のものは合計点が低い。
【解決手段】ヘッド本体12は、フェース部材14の外周部が取着されフェース面1602側が前面とされた枠部32を有している。枠部32は、外周壁部34と、支持壁部36と、後壁部38とを備え、支持壁部36は、フェース裏面1604の外周部に当接可能な受け面3602を有している。後壁面3802とフェース裏面1604との間に上方に開放状の空間3804が形成されている。空間3804内に振動吸収材40が充填されている。支持壁部36に支持壁部36の延在方向と交差する方向に延在し上端面3604に開放状のスリット42が設けられている。振動吸収材40は、空間3804からスリット42にわたって充填され、スリット42に充填された振動吸収材42がアンカー効果を発揮して、振動吸収材40の脱落を確実に防止する。