(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
従来、LED光源と板状のレンズ体とを組み合わせた灯具が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
図12〜
図14に示すように、特許文献1に記載の灯具200は、表面211、その反対側の裏面212、厚み寸法に対し幅寸法が長い略矩形の出光面としての第1端面213、その反対側の第2端面214、レンズ体210内部に導入されたLED光源220からの光の光路上に配置された全反射面215a〜215e等を含む板状のレンズ体210と、レンズ体210の表面211に対向して配置されたLED光源220と、を備えている。全反射面215a〜215cは、
図13(A)に示すように、レンズ体210内部に導入されたLED光源220からの光のうちLED光源220の光軸AXと第1端面213との間を進行する光Ray1が入射するようにLED光源220の光軸AXと第1端面213との間に配置されている。また、全反射面215e、215dは、
図13(C)に示すように、レンズ体210内部に導入されたLED光源220からの光のうちLED光源220の光軸AXと第2端面214との間を進行する光Ray2が入射するようにLED光源220の光軸AXと第2端面214との間に配置されている。
【0004】
上記構成の灯具200においては、
図14に示すように、レンズ体210内部に導入されたLED光源220からの光のうちLED光源220の光軸AXと第1端面213との間を進行する光Ray1は、全反射面215a〜215c等で全反射されて第1端面213(中央領域A1)から出射する。また、レンズ体210内部に導入されたLED光源220からの光のうちLED光源220の光軸AXと第2端面214との間を進行する光Ray2は、全反射面215d、215e等で全反射されて第1端面213(中央領域A1の両側に隣接する領域A2)から出射する。以上により、第1端面213(中央領域A1及び領域A2)がライン状に発光する線状光源が構成される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記構成の灯具200においては、
図14に示すように、全反射面215b、215cが当該全反射面215b、215cに入射する光Ray1を表面211から裏面212に貫通した穴H(を構成する壁面H1)に向けて全反射し、さらに、貫通穴H(を構成する壁面H1)が全反射面215b、215cから入射する光Ray1を第1端面213(中央領域A1)に向けて全反射し、当該第1端面213(中央領域A1)から出射させる構成であるため、貫通穴Hを形成する部分をレンズ体210に確保しなければならず、その分、レンズ体210の幅寸法Wを短くすることができないという問題がある。また、単純にレンズ体210の幅寸法Wを短くすると、その短くした分、第1端面213から出射する光束が減少するという問題もある。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、レンズ体の幅寸法を短くしても従来と同等以上の光束利用効率を実現することが可能な灯具及びこれを複数組み合わせて構成される車両用灯具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、LED光源と、前記LED光源から放射された光が入射するように前記LED光源の前方に配置されるとともに、前記LED光源から入射する光を集光するためのレンズ部、前記レンズ部を含む表面、その反対側の裏面、厚み寸法に対し幅寸法が長い略矩形の出光面としての第1端面及びその反対側の第2端面を含む板状のレンズ体と、を備えた灯具において、前記レンズ体は、前記レンズ部から前記レンズ体内部に導入された光のうち前記LED光源の光軸と前記第1端面との間を進行する光が入射するように前記LED光源の光軸と前記第1端面との間に配置された第1全反射面と、前記レンズ部から前記レンズ体内部に導入された光のうち前記LED光源の光軸と前記第2端面との間を進行する光が入射するように前記LED光源の光軸と前記第2端面との間に配置されるとともに、灯具光軸を境界として一方の側に配置された第1反射領域及び他方の側に配置された第2反射領域を含む第2全反射面と、を含んでおり、前記第1全反射面は、前記レンズ部から前記レンズ体内部に導入された光のうち当該第1全反射面に入射する光を、前記第1端面のうち中央領域に向けて直接全反射し、当該中央領域から灯具光軸に対して平行又は略平行な光線として出射させるための全反射面であり、前記第2全反射面は、前記レンズ部から前記レンズ体内部に導入された光のうち当該第2全反射面に入射する光を、前記第2端面に向けて全反射するための全反射面であり、前記第2端面は、灯具光軸を境界として一方の側に配置された第1内端面及び当該第1内端面の外側に配置された第1外端面、並びに、他方の側に配置された第2内端面及び当該第2内端面の外側に配置された第2外端面を含んでおり、前記第1内端面は、前記第1反射領域から入射する光を前記第1外端面に向けて全反射するための全反射面であり、前記第1外端面は、前記第1内端面から入射する光を、前記第1端面のうち前記中央領域の一方の側に隣接する隣接領域に向けて直接全反射し、当該隣接領域から灯具光軸に対して平行又は略平行な光線として出射させるための全反射面であり、前記第2内端面は、前記第2反射領域から入射する光を前記第2外端面に向けて全反射するための全反射面であり、前記第2外端面は、前記第2内端面から入射する光を、前記第1端面のうち前記中央領域の他方の側に隣接する隣接領域に向けて直接全反射し、当該隣接領域から灯具光軸に対して平行又は略平行な光線として出射させるための全反射面であり、前記第1全反射面は、その一端縁が前記レンズ体の幅方向に関し前記第1内端面と前記第1外端面との境界付近まで延びており、かつ、その他端縁が前記レンズ体の幅方向に関し前記第2内端面と前記第2外端面との境界付近まで延びおり、前記第1内端面、前記第1外端面、前記第2内端面及び前記第2外端面は、前記レンズ体の射出成形に用いられた金型の抜き勾配に起因して傾斜しており、前記第1反射領域及び前記第2反射領域は、前記第1内端面及び前記
第1外端面で全反射される光、並びに、前記第2内端面及び前記第2外端面で全反射される光が前記レンズ体の裏面で内部反射することなく、前記第1端面から直接出射するように調整されていることを特徴とする。
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、第1全反射面(従来技術の全反射面215a〜215cに相当)が当該第1全反射面に入射する光を直接第1端面(中央領域)に向けて全反射し、当該第1端面(中央領域)から出射させる構成であるため、すなわち、従来の貫通穴が不要の構成であるため、その貫通穴を形成する部分が不要となる分、レンズ体の幅寸法を短くすることが可能となる。
【0010】
また、請求項1に記載の発明によれば、一端縁がレンズ体の幅方向に関し第1内端面と第1外端面との境界付近まで延びており、かつ、他端縁がレンズ体の幅方向に関し第2内端面と第2外端面との境界付近まで延びている幅広の第1全反射面を用いているため、レンズ体の幅寸法を従来技術より短くしても従来技術と同等以上の光束利用効率を実現することが可能な灯具を構成することが可能となる。
【0011】
また、請求項1に記載の発明によれば、従来技術と同等以上の光束利用効率を実現しつつなおかつレンズ体の幅寸法を従来技術より短くすることが可能であるため、従来技術と比べて幅寸法が短くレイアウトの自由度が飛躍的に向上したコンパクトな灯具を構成することが可能となる。
【0012】
また、請求項1に記載の発明によれば、第1内端面及び第1外端面で全反射される光(並びに、第2内端面及び第2外端面で全反射される光)がレンズ体の裏面で内部反射することなく第1端面(隣接領域)から直接出射する、光束利用効率の高い灯具を構成することが可能となる。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記第1端面には、当該第1端面から出射する光を目的の方向に照射するためのレンズカットが施されていることを特徴とする。
【0014】
請求項2に記載の発明によれば、第1端面から出車する光を目的の方向(例えば、車両側方45°又は80°方向)に照射することが可能な灯具を構成することが可能となる。
【0015】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の灯具を複数備えた車両用灯具において、前記複数の灯具の第1端面はそれぞれ、車両前部から側面にかけて延びるラインに沿って隣接して配置されて全体として車両前部から側面にかけて連続するライン状の出光面を構成しており、前記複数の灯具の第1端面のうち車両前部寄りに配置された第1端面には、当該第1端面から出射する光を第1方向に照射するための第1レンズカットが施されており、前記複数の灯具の第1端面のうち車両側面寄りに配置された第1端面には、当該第1端面から出射する光を第2方向に照射するための第2レンズカットが施されていることを特徴とする。
【0016】
請求項3に記載の発明によれば、第1及び第2レンズカットの作用により、ポジションランプとして光度が求められている第1方向(例えば、車両進行方向に対して内側45°)及び第2方向(例えば、車両進行方向に対して外側80°方向)を照射することが可能な車両用灯具を構成することが可能となる。
【0017】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の灯具を複数備えた車両用灯具において、前記複数の灯具の第1端面はそれぞれ、車両前部から側面にかけて延びるラインに沿って少なくとも1つの連結部を介して隣接して配置されて全体として車両前部から側面にかけて連続するライン状の出光面を構成しており、前記複数の灯具の第2端面のうち少なくとも1つの第2端面は、当該第2端面で全反射された光の少なくとも一部が前記連結部を透過するように調整されていることを特徴とする。
【0018】
請求項4に記載の発明によれば、調整された第2端面で全反射された光の少なくとも一部が透過することで連結部が発光する車両用灯具、すなわち、複数の灯具の第1端面及び連結部が切れ目無く連続してライン状に発光する車両用灯具を構成することが可能となる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、レンズ体の幅寸法を短くしても従来と同等以上の光束利用効率を実現することが可能な灯具及びこれを複数組み合わせて構成される車両用灯具を提供することを提供することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の一実施形態である灯具について図面を参照しながら説明する。
【0022】
本実施形態の灯具10は、デイタイムランニングランプ又はポジションランプ等として用いられる灯具である。
【0023】
図1、
図2、
図3(a)、
図3(b)に示すように、灯具10は、光源12、レンズ体14等を備えている。
【0024】
光源12は、例えば、白色LED光源である。
【0025】
図1、
図2に示すように、レンズ体14は、LED光源12から放射された光が入射するようにLED光源12の前方に配置されるとともに、LED光源12から入射する光を集光するためのレンズ部14a、レンズ部14aを含む表面14b、その反対側の裏面14c、厚み寸法(例えば、6mm)に対し幅寸法(例えば、40mm)が長い略矩形の出光面としての第1端面14d、その反対側の第2端面14e、レンズ部14aからレンズ体14内部に導入された光の光路上に配置された第1全反射面14f及び第2全反射面14g等を含む板状のレンズ体である。
【0026】
レンズ体14は、アクリルやポリカーボネイト等の透明樹脂材料を射出成形することで形成されている。第2端面14eは、レンズ体14の射出成形に用いられた金型の抜き勾配(約3°)に起因して傾斜している(
図2参照)。
図2中上下の矢印は金型の抜き方向を表している。本実施形態では、レンズ体14の裏面14cに形成された凹部H(を構成する面の一部)が、第1全反射面14f及び第2全反射面14gとして機能する。
【0027】
レンズ部14aは、LED光源12から入射する光を集光してレンズ体14内部に導入するためのレンズ部である。レンズ部14aは、LED光源12から放射された光のうちその光軸AX1に対して狭角方向の光(例えば、
図2中Ray1参照)が入射するようにLED光源12の前方に配置された第1入光面14a1、LED光源12から放射された光のうち光軸AX1に対して広角方向の光(例えば、
図2中Ray2参照)が入射するようにLED光源12の前方に配置された第2入光面14a2、第2入光面14a2から屈折してレンズ体14内部に導入された光が入射するように第2入光面14a2の外側に配置された全反射面14a3を含んでいる。
【0028】
第1入光面14a1は、LED光源12から放射された光のうち光軸AX1に対して狭角方向の光を光軸AX1寄り(例えば、光軸AX1に対して平行又は略平行)に集光してレンズ体14内部に導入するためのレンズ面であり、例えば、LED光源12側に凸のレンズ面である。第2入光面14a2は、LED光源12から放射された光のうち光軸AX1に対して広角方向の光をレンズ体14内部に導入するためのレンズ面であり、例えば、第1入光面14a1の周縁からLED光源12側に延びた円筒形状のレンズ面である。全反射面14a3は、第2入光面14a2から屈折してレンズ体14内部に導入された光を光軸AX1寄り(例えば、光軸AX1に対して平行又は略平行)に集光するための全反射面であり、例えば、第2入光面14a2から屈折してレンズ体14内部に導入された光線群(図示せず)の延長線の交点(又はその近傍)に焦点が設定された放物線を、光軸AX1を回転軸として回転させた回転放物面に相当する全反射面である。
【0029】
上記構成のレンズ部14aの作用により、LED光源12から放射された光(例えば、
図2中Ray1、Ray2参照)は、光軸AX1に対して平行又は略平行な光線に変換されてレンズ体14内部に導入される。
【0030】
図2、
図3(a)に示すように、第1全反射面14fは、レンズ部14aからレンズ体14内部に導入された光のうちLED光源12の光軸AX1と第1端面14dとの間を進行する光Ray1が入射するようにLED光源12の光軸AX1と第1端面14dとの間に配置されている。
【0031】
第1全反射面14fは、レンズ部14aからレンズ体14内部に導入された光のうち当該第1全反射面14fに入射する光Ray1を、第1端面14dのうち中央領域14d1(
図3(a)参照)に向けて直接全反射し、当該中央領域14d1から灯具光軸AX2に対して平行又は略平行な光線として出射させるための全反射面であり、例えば、第1端面14d側に傾斜した(例えば45°)平面形状の全反射面である(
図2参照)。
【0032】
第2全反射面14gは、レンズ部14aからレンズ体14内部に導入された光のうちLED光源12の光軸AX1と第2端面14eとの間を進行する光Ray2が入射するようにLED光源12の光軸AX1と第2端面14eとの間に配置されている。
【0033】
第2全反射面14gは、レンズ部14aからレンズ体14内部に導入された光のうち当該第2全反射面14gに入射する光Ray2を、第2端面14eに向けて全反射するための全反射面であり、例えば、第2端面14e側に傾斜した(例えば45°)平面形状の全反射面である(
図2参照)。第2全反射面14gは、灯具光軸AX2を境界として一方の側(
図3(a)中右側)に配置された第1反射領域14g
R及び他方の側(
図3中左側)に配置された第2反射領域14g
Lを含んでいる。
【0034】
図3に示すように、第2端面14eは、灯具光軸AX2を境界として一方の側(
図3(a)中右側)に配置された第1内端面14e1
R及びその外側に配置された第1外端面14e2
R、並びに、他方の側(
図3(a)中左側)に配置された第2内端面14e1
L及びその外側に配置された第2外端面14e2
Lを含んでいる。
【0035】
第1内端面14e1
Rは、第1反射領域14g
Rから入射する光Ray2を第1外端面14e2
Rに向けて全反射するための全反射面であり、例えば、第1外端面14e2
R側に傾斜した(例えば45°)平面形状の全反射面である。
【0036】
第1外端面14e2
Rは、第1内端面14e1
Rから入射する光を、第1端面14dのうち中央領域14d1の一方の側(
図3(a)中右側)に隣接する隣接領域14d2
Rに向けて直接全反射し、当該隣接領域14d2
Rから灯具光軸AX2に対して平行(又は略平行)な光線として出射させるための全反射面であり、例えば、第1内端面14e2
R側に傾斜した(例えば45°)平面形状の全反射面である。
【0037】
同様に、第2内端面14e1
Lは、第2反射領域14g
Lから入射する光Ray2を第2外端面14e2
Lに向けて全反射するための全反射面であり、例えば、第2外端面14e2
L側に傾斜した(例えば45°)平面形状の全反射面である。
【0038】
第2外端面14e2
Lは、第2内端面14e1
Lから入射する光を、第1端面14dのうち中央領域14d1の他方の側(
図3(a)中左側)に隣接する隣接領域14d2
Lに向けて直接全反射し、当該隣接領域14d2
Lから灯具光軸AX2に対して平行(又は略平行)な光線として出射させるための全反射面であり、例えば、第2内端面14e2
L側に傾斜した(例えば45°)平面形状の全反射面である。
【0039】
図3に示すように、第1全反射面14fは、その一端縁14f1がレンズ体14の幅方向に関し第1内端面14e1
Rと第1外端面14e2
Rとの境界付近(
図3中三角形の頂点B1付近)まで延びており、かつ、その他端縁14f2がレンズ体14の幅方向に関し第2内端面14e1
Lと第2外端面14e2
Lとの境界付近(
図3中三角形の頂点B2付近)まで延びる、従来技術と比べて幅広の全反射面とされている。
【0040】
上記構成の灯具10によれば、
図2に示すように、レンズ部14aからレンズ体14内部に導入された光のうちLED光源12の光軸AX1と第1端面14dとの間を進行する光Ray1は、第1全反射面14fの作用により、第1端面14dのうち中央領域14d1(
図3(a)参照)に向けて直接全反射されて当該中央領域14d1から灯具光軸AX2に対して平行又は略平行な光線Ray1として出射する。また、レンズ部14aからレンズ体14内部に導入された光のうちLED光源12の光軸AX1と第2端面14eとの間を進行する光Ray2は、第2全反射面14g(第1反射領域14g
R及び第2反射領域14g
L)、第2端面14e(第1内端面14e1
R、第1外端面14e2
R、第2内端面14e1
L及び第2外端面14e2
L)の作用により、第1端面14dのうち中央領域14d1の両側に隣接する隣接領域14d2
R、14d2
L(
図3(a)参照)に向けて全反射されて当該隣接領域14d2
R、14d2
Lから灯具光軸AX2に対して平行(又は略平行)な光線Ray2として出射する。
【0041】
以上により、第1端面14d(中央領域14d1及び隣接領域14d2
R、14d2
L)がライン状に発光する線状光源が構成される(
図3(b)参照)。
【0042】
ところで、
図2に示すように、第2端面14e(第1内端面14e1
R、第1外端面14e2
R、第2内端面14e1
L及び第2外端面14e2
L)は、金型の抜き勾配(約3°)に起因して傾斜している。
【0043】
図4に示すように、この傾斜した第1内端面14e1
R及び第1外端面14e2
R(並びに、第2内端面14e1
L及び第2外端面14e2
L)で全反射された第2全反射面14g(第1反射領域14g
R及び第2反射領域14g
L)からの光Ray2は、上向き(約6°上向き)の光となり、その一部が裏面14cに入射し、当該裏面14cで内部反射されて第1端面14d(隣接領域14d2
R、14d2
L)から、デイタイムランニングランプ用配光として光度が求められていない下向き方向に照射されてしまい(
図4及び
図5中点線で囲んだ円領域参照)、光束利用効率が低下するという問題がある。
【0044】
本実施形態では、第1内端面14e1
R及び第1外端面14e2
R(並びに、第2内端面14e1
L及び第2外端面14e2
L)で全反射される光Ray2が、レンズ体14の裏面14cで内部反射することなく、灯具光軸AX2に対して平行(又は略平行)な光として第1端面14dから直接出射するように、第2全反射面14g(第1反射領域14g
R及び第2反射領域14g
L)の角度が調整されている。
【0045】
これにより、第1内端面14e1
R及び第1外端面14e2
R(並びに、第2内端面14e1
L及び第2外端面14e2
L)で全反射される光Ray2が、レンズ体14の裏面14cで内部反射することなく第1端面14dから直接出射し、デイタイムランニングランプ用配光として光度が求められている方向に照射されることとなるため(
図2参照)、明るいデイタイムランニングランプ用配光P(
図6参照)を形成することが可能となる。すなわち、光束利用効率の高い灯具10を構成することが可能となる。
【0046】
上記のように第2全反射面14g(第1反射領域14g
R及び第2反射領域14g
L)の角度を調整すると、第1内端面14e1
R及び第1外端面14e2
R(並びに、第2内端面14e1
L及び第2外端面14e2
L)で全反射される光Ray2の一部が、表面14b側から抜け出る恐れがある。これを防止するため、本実施形態では、第2全反射面14gを裏面14c側に若干シフトさせた位置に配置している(
図2参照)。
【0047】
以上説明したように、本実施形態によれば、
図3(a)に示すように、第1全反射面14f(従来技術の全反射面215a〜215cに相当)が当該第1全反射面14fに入射する光Ray1を直接第1端面14d(中央領域14d1)に向けて全反射し、当該第1端面14d(中央領域14d1)から出射させる構成であるため、すなわち、従来の貫通穴が不要の構成であるため、その貫通穴を形成する部分が不要となる分、レンズ体14の幅寸法を短くすることが可能となる。
【0048】
また、本実施形態によれば、
図3(a)に示すように、一端縁14f1がレンズ体14の幅方向に関し第1内端面14e1
Rと第1外端面14e2
Rとの境界付近(
図3中三角形の頂点B1付近)まで延びており、かつ、他端縁14f2がレンズ体14の幅方向に関し第2内端面14e1
Lと第2外端面14e2
Lとの境界付近(
図3中三角形の頂点B2付近)まで延びている幅広の第1全反射面14fを用いているため、レンズ体14の幅寸法を従来技術(例えば、幅寸法:約60mm)より短くしても(例えば、幅寸法:約40mm)従来技術と同等以上の光束利用効率を実現することが可能な灯具10を構成することが可能となる。
【0049】
また、本実施形態によれば、従来技術と同等以上の光束利用効率を実現しつつなおかつレンズ体14の幅寸法を従来技術より短くすることが可能であるため、従来技術と比べて幅寸法が短くレイアウトの自由度が飛躍的に向上したコンパクトな灯具10を構成することが可能となる。
【0050】
次に、上記構成の灯具10を複数組み合わせて構成した車両用灯具20の例について図面を参照しながら説明する。
【0051】
図7〜
図9に示すように、車両用灯具20は、車両前部から側面にかけての範囲に隣接して配置された複数の灯具10等を備えている。
【0052】
複数の灯具10の第1端面14dはそれぞれ、車両前部から側面にかけて延びるラインLに沿って隣接して配置されて全体として車両前部から側面にかけて連続するライン状の出光面を構成している。
【0053】
複数の灯具10の第1端面14dのうち車両側面寄りに配置された第1端面14d(
図9(a)中符号Aで示す範囲参照)には、当該第1端面14dから出射する光を第1方向(例えば、45°方向)に照射するための第1レンズカットC
1(
図9(b)参照)が施されている。一方、複数の灯具10の第1端面14dのうち車両前部寄りに配置された第1端面14d(
図9(a)中符号Cで示す範囲参照)には、当該第1端面14dから出射する光を第2方向(例えば、80°方向)に照射するための第2レンズカットC
2が施されている。
【0054】
上記構成の車両用灯具20によれば、第1及び第2レンズカットC
1、C
2の作用により、ポジションランプとして光度が求められている第1方向(例えば、車両進行方向に対して内側45°)及び第2方向(例えば、車両進行方向に対して外側80°方向)を照射することが可能な車両用灯具20を構成することが可能となる。また、
図9中符号Bで示す範囲の第1端面14dから出射する光によりデイタイムランニングランプ用配光P(
図6参照)を形成することが可能な車両用灯具20を構成することが可能となる。
【0055】
次に、上記構成の灯具10を複数組み合わせて構成した車両用灯具30の例について図面を参照しながら説明する。
【0056】
図10、
図11(a)に示すように、車両用灯具30は、車両前部から側面にかけての範囲に少なくとも1つの連結部16を介して隣接して配置された複数の灯具10等を備えている。
【0057】
複数の灯具10の第1端面14dはそれぞれ、車両前部から側面にかけて延びるラインLに沿って少なくとも1つの連結部16を介して隣接して配置されて全体として車両前部から側面にかけて連続するライン状の出光面を構成している。連結部16は、アクリルやポリカーボネイト等の透明樹脂材料を射出成形することで形成されている。
【0058】
複数の灯具10の第2端面14eのうち少なくとも1つの第2端面14eは、当該第2端面14eで全反射された光の少なくとも一部が連結部16を透過するように調整されている。
図11(b)は、連結部16の一方の側(
図11(b)中左側)に隣接して配置された灯具10の第1外端面14e2
R及び他方の側(
図11(b)中右側)に隣接して配置された灯具10の第2外端面14e2
Lを調整した例である。
【0059】
上記構成の車両用灯具30によれば、上記のように調整された第2端面14e(第1外端面14e2
R及び第2外端面14e2
L)で全反射された光の少なくとも一部が透過することで連結部16が発光する車両用灯具30、すなわち、複数の灯具10の第1端面14d及び連結部16が切れ目無く連続してライン状に発光する車両用灯具30を構成することが可能となる。
【0061】
上記実施形態では、灯具10がデイタイムランニングランプ又はポジションランプである例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、灯具10は、デイタイムランニングランプ又はポジションランプ以外の信号灯、標識灯としても用いることが可能である。また、車両用灯具としてのみならず、一般的な照明具としても用いることが可能である。
【0062】
上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎない。これらの記載によって本発明は限定的に解釈されるものではない。本発明はその精神または主要な特徴から逸脱することなく他の様々な形で実施することができる。