(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明の実施の形態について説明する。なお、同一または相当する部分に同一の参照符号を付し、その説明を繰返さない場合がある。
【0017】
なお、以下に説明する実施の形態において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本発明の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。また、以下の実施の形態において、各々の構成要素は、特に記載がある場合を除き、本発明にとって必ずしも必須のものではない。
【0018】
図1は、本実施の形態に係る設定装置により設定を行なう表示装置が取り付けられる自転車を示す図である。
【0019】
図1を参照して、自転車1は、前輪2および後輪3と、ペダルとともに回転するギアクランク4と、チェーンステー5とを含む。自転車1には、後述するセンサ装置による検知結果を表示する表示装置本体100が取付けられる。
【0020】
図2は、
図1に示す表示装置とともに自転車に取付けられるセンサ装置を該自転車のチェーンステーに固定した状態を示す図である。
図2を参照して、センサ装置200は、スピードセンサ210と、ケイデンスセンサ220とを含む。後輪3のスポークには、マグネット3Aが取り付けられ、ギアクランク4にはマグネット4Aが取り付けられる。スピードセンサ210は、マグネット3Aの通過を検知し、ケイデンスセンサ220は、マグネット4Aの通過を検知する。これにより、自転車1の走行速度およびペダルを漕ぐ調子が検知される。より具体的には、マグネット3Aの通過により、後輪3の回転周期T(sec)が検出され、自転車1の走行速度V(m/sec)は、上記回転周期Tと後輪3の周長L(m)とに基づいて、
V=L/T
の計算式により算出される。
【0021】
センサ装置200を自転車1に取り付けるに際は、スピードセンサ210が矢印DR210方向に回動させられ、ケイデンスセンサ220が矢印DR220方向に回動させられる。これにより、スピードセンサ210とマグネット3Aとの間隔、および、ケイデンスセンサ220とマグネット4Aとの間隔とが調整される。
【0022】
上記の間隔を適切に調整することにより、スピードセンサ210によるマグネット3Aの通過の検知と、ケイデンスセンサ220によるマグネット4Aの通過の検知とを適切に行なうことが可能になる。
【0023】
なお、
図2の例では、センサ装置200で得られた情報を無線で表示装置本体100に伝達する無線式の装置が示されているが、表示装置本体100とセンサ装置200とがケーブルにより接続された有線式の装置が用いられてもよい。
【0024】
図3は、表示装置本体を自転車に固定するための固定具に該表示装置の本体を取付ける状態を示す図である。また、
図4は、固定具に表示装置本体を取付けた後の状態を示す図である。
【0025】
図3,
図4を参照して、表示装置本体100は、固定具300を介して自転車1に取付けられるものである。固定具300は、固定具本体310と、バンド320と、係合部330と、回転操作部340とを含む。表示装置本体100を
図3中の矢印の方向にスライドさせ、表示装置本体100における係合部100Aと固定具300における係合部330とを係合させることにより、表示装置本体100が固定具300に取付けられる。
【0026】
なお、
図3,
図4に示されるように、固定具300は回転操作部340を有するウォームギヤ式の固定具である。すなわち、回転操作部340を回転させることで、バンド320を締めたり緩めたりすることができる。
【0027】
係合部330は、固定具本体310と別体に形成され、固定具本体310に対して着脱可能とされていてもよい。この場合、係合具330を略正方形の形状とし、90°回転させた状態で固定具本体310に取付け可能に形成すれば、固定具本体310に対する表示装置本体100の取付け方向を適宜変更することが可能である。
【0028】
図5は、固定具に取付けられた表示装置本体をバーに固定した状態を示す図である。
図5に示すように、固定具300におけるバンド320をバー400に巻き付けてバー400を締め付けることで、表示装置がバーに取付けられる。
【0029】
なお、
図5に示す例では、表示装置本体100は、自転車1の前後方向に伸びるバー400(たとえばステム)に取り付けられているが、自転車の左右方向に伸びるバー(たとえばハンドルバー)に表示装置本体100を取付けることも可能である。
【0030】
本願明細書では、上記のような表示装置本体100およびセンサ装置200を総称して、『サイクルコンピュータ』と称する。サイクルコンピュータを自転車に固定することにより、自転車の走行時において、表示装置本体100上に表示された種々の情報を運転者が視認することができる。
【0031】
なお、運転者が視認可能な情報とは、上述した走行速度やケイデンスに関する情報の他、走行時間、走行距離、時刻、平均速度、最大速度などの情報を含む。すなわち、表示装置本体100上に表示される情報は、センサ装置200により計測された情報と、表示装置本体100内に元々蓄積された情報とを含む。
【0032】
ところで、表示装置本体100の動作には、『オートモード』と『マニュアルモード』という2つのモードがある。『オートモード』では、自転車の停止中は、乗車時間の計測は行なわれず、『マニュアルモード』では、乗車時間の計測は、ライダーが手動でON/OFFすることが可能である。
【0033】
たとえばサイクルコンピュータを初めて自転車に取り付ける際などにおいては、たとえば、当該コンピュータが取り付けられる自転車のタイヤ周長の入力、現在時刻などを表示装置本体100に入力する必要がある。なお、タイヤ周長は、上述したセンサ装置200の計測結果から走行速度や走行距離等を算出するために用いられるものである。
【0034】
本願明細書では、上記入力のための操作を『設定』と称し、この設定を行なうための装置を『設定装置』と称する。
【0035】
次に、
図6〜
図8を用いて、本実施の形態に係る設定装置について説明する。なお、
図6は、設定装置の機能を説明するためのブロック図であり、
図7,
図8は、設定装置の正面図である。
図7は表示装置本体100を取り付けない状態を示し、
図8は表示装置本体を取り付けた状態を示す。
【0036】
図6を参照して、本実施の形態に係る設定装置500は、上述した表示装置本体100の『設定』を行なうものであって、入力部510と、CPU520と、表示制御部530と、表示部540と、記憶部550と、搬送波発生部560と、変調部570と、出力部580とを含む。これらは、
図7,
図8に示す筐体590上または筐体590内に設けられるものである。
【0037】
また、
図6に示すように、表示装置本体100は、入力部110と、復調部120と、情報判定制御部130と、手動入力部140と、設定管理制御部150と、速度計測制御部160とを含む。なお、入力部110は、センサ装置200からの信号を受信する部分と同じである。
【0038】
設定装置500の筐体590は、
図7に示すように、表示装置本体100を取り付けるための取付部591を有し、
図8に示すように、取付部591に表示装置本体100を係合させることで、設定装置500の出力部582と表示装置本体100の入力部112(
図6参照)とが接続される。出力部582および入力部112は、設定装置500(筐体590)および表示装置本体100の表面に各々形成された電極である。
【0039】
ただし、設定装置500と表示装置本体100との交信は、上述のように設定装置500と表示装置本体100とが物理的に互いに接続された有線方式によるものに限定されず、設定装置500と表示装置本体100とが物理的に互いに接続されない無線方式によるものであってもよい。この場合は、設定装置500の出力部581と、表示装置本体100の入力部111とが用いられる。
【0040】
また、1つの設定装置500から複数の表示装置本体100に向けて信号を送ることができるようにしてもよい。この場合、複数の表示装置本体100の設定を同時に行なうことが可能である。
【0041】
再び
図6を参照して、入力部510は、典型的には、設定装置500の筐体590上に設けられたボタン(
図7,
図8を参照)により構成される。すなわち、入力部510である筐体590上のボタンを押圧することにより、設定装置500に所定の情報が入力される。
【0042】
なお、所定の情報とは、たとえば、現在時刻、表示装置本体100を固定する自転車のタイヤ周長、表示装置本体100の型式、表示装置本体100の動作モード(上述した『オートモード』や『マニュアルモード』)、表示装置本体100上において表示される言語、走行速度や走行距離を表示する際の単位(kmやmileなど)、これまでの累積走行距離などを含む。
【0043】
CPU520は、情報管理部521と、伝達情報作成部522とを含む。表示制御部530は、情報管理部521から受けた信号に基づいて、表示部540に表示されるべき情報を制御する。表示部540は、入力部510から入力された所定の情報を表示することができる。表示部540は、典型的には、
図7,
図8に示すように、筐体590上に形成された液晶表示装置(液晶に限定されず、その他の形式の表示装置であってもよい。)である。
【0044】
記憶部550は、第1部分551と、第2部分552とを含む。第1部分551は、日時(現在時刻)に関する情報を記憶しており、第2部分552は、その他の情報(たとえば、上述した『表示装置本体100の型式』、『表示装置本体100上において表示される言語』、『走行速度や走行距離を表示する際の単位』など)について、複数の選択肢を記憶している。
【0045】
設定装置500を用いて表示装置本体100の設定を行なう際、情報管理部521は、記憶部550における第1部分551および第2部分552に記憶された情報を読み出し、表示部540上に表示させる。操作者は、表示部540上の表示内容を確認しながら、上述した『複数の選択肢』のうちから適切なものを選択する操作を、入力部510を介して行なう。すなわち、設定装置500においては、『複数の選択肢』のうちの1つを所定の情報として入力部510から入力可能とされている。
【0046】
なお、記憶部550の第1部分551に記憶された日時に関する情報が正確でない場合、入力部510を介して正しい日時情報を入力することも可能である。また、上述した『タイヤ周長』や『これまでの累積走行距離』などの情報に関しては、入力部510から直接入力される。
【0047】
すなわち、設定装置500から表示装置本体100に送信される情報は、典型的には、設定装置500に元々記憶されていた情報(第1の情報)と、設定装置500に元々記憶されていた『複数の選択肢』から選択された情報(第2の情報)と、表示装置本体100の設定を行なう際に入力部510から入力された情報(第3の情報)とを含む。
【0048】
より具体的には、設定装置500に元々記憶されていた第1の情報は、たとえば現在時刻であり、設定装置500に元々記憶されていた『複数の選択肢』から選択された第2の情報は、たとえば、表示装置本体100の型式、表示装置本体100の動作モード、表示装置本体100上において表示される言語、および、走行速度や走行距離を表示する際の単位であり、入力部510から入力された第3の情報は、たとえば、表示装置本体100を固定する自転車のタイヤ周長、および、これまでの累積走行距離である。
【0049】
なお、設定装置500から表示装置本体100に送信される情報は、必ずしも上記第1乃至第3の情報を全て含む必要はなく、たとえば、上記第1の情報が無く、第2と第3の情報のみを含むものであってもよいし、上記第2の情報が無く、第1と第3の情報のみを含むものであってもよいし、上記第3の情報が無く、第1と第2の情報のみを含むものであってもよい。さらに、上記第1乃至第3の情報のいずれか1つのみを含むものであってもよい。
【0050】
上記の無線方式による交信を行なう場合、情報管理部521に収集された上記第1乃至第3の情報は、CPU520内の伝達情報作成部522を介して、変調部570に伝達される。なお、変調部570には、搬送波発生部560から搬送波が送られている。変調部570は、CPU520から伝達された情報に基づいて、搬送波を変調させる。これにより、出力部580を介して表示装置本体100に送信可能な信号が生成される。
【0051】
表示装置本体100の入力部111は、出力部581から発信された上記信号を受信する。入力部111により受信された信号は、復調部120で復調される。復調により取り出された情報は、情報判定制御部130において情報破損の有無が判定され、破損が無い場合には、設定管理制御部150に保存され、設定が完了する。
【0052】
他方、上記の有線方式による交信を行なう場合、情報管理部521に収集された上記第1乃至第3の情報は、CPU520内の伝達情報作成部522を介して、出力部582に伝達される。当該情報は、設定装置500の出力部582から表示装置本体100の入力部112に伝達される。入力部112に伝達された情報は、情報判定制御部130に送られる。情報判定制御部130において情報破損の有無が判定され、破損が無い場合には、設定管理制御部150に保存され、設定が完了する点は、無線方式の場合と同様である。
【0053】
設定管理制御部150は、情報判定制御部130からの情報に基づいて、計測制御部160に所定の情報を送信する。これにより、表示装置本体100の設定が完了する。計測制御部160は、設定時に設定管理制御部150から入力された情報と、走行時にセンサ装置200により計測された情報とに基づいて、走行速度などを算出し、表示部(図示せず)上に表示する。
【0054】
なお、表示装置本体100には、手動入力部140が設けられている。設定管理制御部150は、手動入力部140から入力された情報を取り込み、計測制御部160に送信することもできる。このように、手動入力部140から情報を入力することにより、表示装置本体100の設定を行なうことも可能である。
【0055】
表示装置本体100は自転車に固定されるものであるため、小型化することが要請されている。そのため、表示装置本体100上に設けられた手動入力部140は、設定装置500の入力部510と比較して、簡素で小型なものにならざるを得ない。したがって、手動入力部140から情報を入力して表示装置本体100の設定を行なうことは、ユーザにとって煩雑な作業である。本実施の形態に係る設定装置500により表示装置本体100の設定を行なえば、このような煩雑な作業を行なわなくてもよい。
【0056】
本実施の形態に係る設定装置500は、上述した構成の下、さらに、下記の特徴を有するものである。すなわち、本実施の形態に係る設定装置500は、表示装置本体100の所定の機能(たとえば速度表示機能)が正常であるか否かを診断することができるものである。
【0057】
仮に、自転車にサイクルコンピュータを取り付けたにも拘らず、走行時に走行速度が表示されない不具合が発生したとする。この場合において、考えられる原因としては、表示装置本体100の故障、センサ装置200の故障、表示装置本体100とセンサ装置200とを接続するケーブル(有線方式の場合)の故障などが挙げられる。
【0058】
しかし、この不具合の原因を外観だけで判断することは、多くの場合困難である。したがって、仮に上記の不具合が発生した場合、たとえ表示装置本体100の故障の有無に関係なく、表示装置本体100の内部を点検する必要が生じる。
【0059】
これに対し、本実施の形態に係る設定装置500は、表示装置本体100の表示機能が正常であるか否かを診断することにより、上記不具合が表示装置本体100の故障によるものか、それ以外の原因によるものかを、容易にかつ迅速に判断可能にするものである。
【0060】
より具体的には、本実施の形態に係る設定装置500に表示装置本体100を取り付けた状態において、上記『診断』を行ないたい旨を入力部510から入力すると、当該情報は、情報管理部521を介して伝達情報作成部522に送られる。
【0061】
そうすると、伝達情報作成部522は、上記『診断』を行なうために、走行速度に関する模擬情報(より具体的には、マグネット3Aがスピードセンサ210の前を通過する周期に関する模擬情報)を作成し、変調部570を介して出力部580に送る。
【0062】
出力部580に送られた走行速度に関する模擬情報は、表示装置本体100の機能が正常であれば、入力部110から表示装置本体100内に取り込まれ、表示装置本体110上には、所定の速度(この数値は、設定されたタイヤ周長により変動する)が表示される。
【0063】
これにより、表示装置本体100の速度表示機能が正常であることが確認され、仮に、走行時に走行速度が表示されない不具合が発生しているとすれば、当該不具合は、表示装置本体100以外の部分(センサ装置200、または表示装置本体100とセンサ装置200とを接続するケーブル)の故障によるものであると判断可能である。
【0064】
逆に、上記『診断』機能を実行したにも拘らず、表示装置本体100上に何らの速度も表示されない場合には、表示装置本体100の速度表示機能が正常で無いと判断可能である。
【0065】
このように、本実施の形態に係る設定装置500によれば、上記『診断』機能を設けることにより、表示装置本体100の表示機能が正常であるか否かを診断し、サイクルコンピュータに発生した不具合が表示装置本体100の故障によるものか、それ以外の原因によるものかの判断を支援することができる。
【0066】
なお、上記の例では、速度表示機能の診断について説明したが、ケイデンス表示機能など、その他の情報の表示機能の診断についても、同様の方法で行なえることは、説明するまでも無い。
【0067】
上述した内容について要約すると、以下のようになる。すなわち、本実施の形態に係る設定装置500は、外部(センサ装置200)から取り込まれる自転車の走行速度およびケイデンスなど所定の情報を表示可能な自転車に取り付ける表示装置本体100の設定を行なうためのものであって、表示装置本体100に対して所定の情報を出力する出力部580と、出力部580を介して表示装置本体100に伝達される所定の情報を入力可能な入力部510と、入力部510から入力された所定の情報を処理する「情報処理部」としてのCPU520とを備える。CPU520は、センサ装置200から表示装置本体100に取り込まれる情報に関する所定の模擬信号を作成可能であり、上記所定の信号は、出力部580を介して表示装置本体100に伝達される。
【0068】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。