特許第5692586号(P5692586)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社RKKコンピューターサービスの特許一覧

<>
  • 特許5692586-滞納処理システム 図000002
  • 特許5692586-滞納処理システム 図000003
  • 特許5692586-滞納処理システム 図000004
  • 特許5692586-滞納処理システム 図000005
  • 特許5692586-滞納処理システム 図000006
  • 特許5692586-滞納処理システム 図000007
  • 特許5692586-滞納処理システム 図000008
  • 特許5692586-滞納処理システム 図000009
  • 特許5692586-滞納処理システム 図000010
  • 特許5692586-滞納処理システム 図000011
  • 特許5692586-滞納処理システム 図000012
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5692586
(24)【登録日】2015年2月13日
(45)【発行日】2015年4月1日
(54)【発明の名称】滞納処理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/26 20120101AFI20150312BHJP
   G06Q 40/02 20120101ALI20150312BHJP
【FI】
   G06Q50/26
   G06Q40/02 104
【請求項の数】1
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2011-51777(P2011-51777)
(22)【出願日】2011年3月9日
(65)【公開番号】特開2012-190153(P2012-190153A)
(43)【公開日】2012年10月4日
【審査請求日】2014年3月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】511062771
【氏名又は名称】株式会社RKKコンピューターサービス
(74)【代理人】
【識別番号】100082164
【弁理士】
【氏名又は名称】小堀 益
(74)【代理人】
【識別番号】100105577
【弁理士】
【氏名又は名称】堤 隆人
(72)【発明者】
【氏名】古田 貴彦
(72)【発明者】
【氏名】高山 巧
【審査官】 宮地 匡人
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−013978(JP,A)
【文献】 特開2003−203143(JP,A)
【文献】 特開2009−104448(JP,A)
【文献】 特開2002−230237(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−50/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自治体に対する滞納を整理するための滞納整理システムにおいて、サービス会社の滞納整理伝送サーバーが自治体端末及び金融機関端末にそれぞれネットワークを介して接続され、
前記自治体端末は、預金調査依頼データ、差押依頼データを作成して入力する入力手段、入力手段にて入力したデータをサービス会社の滞納整理伝送サーバーへ伝送する送信手段、前記滞納整理伝送サーバーから預金調査結果データ及び差押結果データを受信する受信手段、預金調査結果データ、差押結果データの登録を行う入力手段を備え、
前記金融機関端末は、前記滞納整理伝送サーバーから預金調査依頼データ及び差押依頼データを受信する受信手段、預金調査依頼データ及び差押依頼データに基づいて基幹システムへ照会を行い、結果データを入力して登録を行う入力手段、
預金調査結果データ及び差押結果データを前記滞納整理伝送サーバーへデータ送信を行う送信手段を備え、
前記サービス会社の滞納整理伝送サーバーは、前記自治体端末から預金調査依頼データ及び差押依頼データを受信する受信手段、
預金調査依頼データ及び差押依頼データを金融機関毎に仕分けし、対象となる金融機関端末にデータ転送を行う転送手段、
対象の金融機関端末から預金調査結果データ及び差押結果データを受信する受信手段、 預金調査結果データ及び差押結果データを自治体毎に仕分けし、自治体端末へデータ転送を行う転送手段を備えたことを特徴とする滞納整理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自治体に納付すべき税金などの滞納金を整理するための滞納処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
自治体に対して、住民税、固定資産税、自動車税などの税金や、医療保険、年金保険、介護保険等の保険料を納付することが義務づけられている。
【0003】
税金の場合、納税者が納付期限内に納付しないで滞納した場合には、督促状が発送される。督促状が発送されて督促期限が過ぎても納付されないときは、納付催告の処理が行われる。納付催告は一般に催告書で行われるが、文書でなく滞納者への電話や訪問による督促等によっても納付を促している。催告後もなお納付されないときは、一定の期間を経てから催告が繰り返され、最後には差押処理がとられることになる。差押手続は、担当者が滞納者の財産調査を行なう。財産調査は、不動産業者や金融業者などの財産データを有している者に対して滞納者の財産照会を申請し、回答書を得ることにより行なう。これが財産調査手段である。財産調査に基づいて担当者は差押を行なう財産を特定し、滞納者に対して差押予告を行ない、差押予告を行なったにもかかわらず滞納者が収納を行なわない場合には差押を実施し、差押により得た財産の公売を実施する。
【0004】
納税の事務処理が煩雑のため、納税の支援システムが提案されている(特許文献1)。
【0005】
例えば、図1に示すように、自治体、金融機関各々の交渉において、データ連携を行う仕組みが一部で実施されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−203143号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
自治体、金融機関各々の交渉において、図11に示すデータ連携を行う仕組みでは、個別で実施する必要があることからこのスキームが普及しても逆に事務が煩雑になることも想定される。
【0008】
また、差押による滞納整理の際に、自治体には次の課題がある。(1)預貯金調査を行うのに口座がある全金融機関に照会をかけねばならず、事務負担と照会にコストがかかる。(2)預貯金調査の結果入力を行う事務負担がかかる。(3)金融機関からの回答が来るのに多大の日数を要する場合がある。(4)差押えを実行するのに銀行の営業店に足を運ぶ必要があり、交通費等の経費がかかる。(5)徴収率アップのために預貯金調査の件数が増加している傾向があり、事務負担が高くなっている。
【0009】
また、金融機関にも次の課題がある。(1)預貯金調査に係る事務負担がかかる。(2)差押事務に関する営業店窓口の応対負担・事務負荷が大きい。(3)集中部署で対応しても紙ベースのやりとりのため、人件費がかかる。
【0010】
そこで、本発明は、滞納整理に関する業務を自治体と金融機関の間で円滑に行うことができる滞納処理システムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の滞納処理システムは、自治体に対する滞納を整理するための滞納整理システムにおいて、サービス会社の滞納整理伝送サーバーが自治体端末及び金融機関端末にそれぞれネットワークを介して接続され、前記自治体端末は、預金調査依頼データ、差押依頼データを作成して入力する入力手段、入力手段にて入力したデータをサービス会社の滞納整理伝送サーバーへ伝送する送信手段、前記滞納整理伝送サーバーから預金調査結果データ及び差押結果データを受信する受信手段、預金調査結果データ、差押結果データの登録を行う入力手段を備え、前記金融機関端末は、前記滞納整理伝送サーバーから預金調査依頼データ及び差押依頼データを受信する受信手段、預金調査依頼データ及び差押依頼データに基づいて基幹システムへ照会を行い、結果データを入力して登録を行う入力手段、預金調査結果データ及び差押結果データを前記滞納整理伝送サーバーへデータ送信を行う送信手段を備え、前記サービス会社の滞納整理伝送サーバーは、前記自治体端末から預金調査依頼データ及び差押依頼データを受信する受信手段、預金調査依頼データ及び差押依頼データを金融機関毎に仕分けし、対象となる金融機関端末にデータ転送を行う転送手段、対象の金融機関端末から預金調査結果データ及び差押結果データを受信する受信手段、預金調査結果データ及び差押結果データを自治体毎に仕分けし、自治体端末へデータ転送を行う転送手段を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明により、自治体では、人件費の削減、金融機関への郵送事務負担や足で運ぶ負担の軽減、郵送コスト及び交通費の削減、預貯金調査結果を登録する事務の軽減ができると共に、ペーパーレス化、事務の省力化が可能となる。
【0013】
本発明により、金融機関では、人件費の削減ができ、自治体側からの預貯金調査に関する手数料収入があり、ペーパーレス化、事務の省力化が可能となる。自治体の徴収職員に対する応対などの営業店負荷の軽減、預貯金調査のための取引照会事務負担の軽減、差押処理にかかる事務負担の軽減、預貯金調査における金融機関からの自治体への調査結果回答に要する日数の短縮、処理促進により預貯金調査および差押対象の対象処理件数が向上する。
【0014】
さらに、管理会社では、データセキュリティの確保、データ仕分けサービス、照会手数料計算サービスを行うことができる。
【0015】
以上のとおり、本発明により、このサービスを活用すると、自治体、金融機関の双方にとって、コスト削減や省力化 に貢献することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の自治体、金融機関、サービス会社の関係を示す図である。
図2】本発明の滞納処理システムの全体構成図である。
図3】本発明の滞納処理システムの全体の処理シーケンス図である。
図4】本発明の自治体端末の構成図である。
図5】本発明の自治体端末における金融機関への依頼時の処理を示す図である。
図6】本発明の自治体端末における金融機関から結果受信後の処理を示す図である。
図7】本発明の金融機関端末の構成図である。
図8】本発明の金融機関端末におけるデータ受信時の処理を示す図である。
図9】本発明の滞納整理伝送サーバーの構成図である。
図10】本発明の滞納整理伝送サーバーのデータ受信時の処理を示す図である。
図11】従来の自治体と金融機関との関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
【実施例】
【0018】
本発明の滞納処理システムは、図1において、税金を徴収する複数の自治体と、納税者の預金がある複数の金融機関と、自治体と金融機関の間で両者の滞納処理に関する業務を円滑に行うためのサービスを提供するサービス会社で構成される。
【0019】
本発明の滞納処理システムは、図2に示すように、各自治体は自治体端末を備え、各金融機関は金融機関端末を備え、サービス会社は滞納整理伝送システムサーバーを備えており、サービス会社の滞納整理伝送サーバーが自治体端末及び金融機関端末にそれぞれネットワーク回線を通じて接続され、データが滞納整理伝送サーバーを介して送受信される。
【0020】
本発明の滞納処理システムによる全体の処理シーケンスは、図3に示すように、各自治体端末では、預金調査依頼データ、差押依頼データを作成し、そのデータを自治体端末からサービス会社の滞納整理伝送サーバーへ伝送する。
【0021】
滞納整理伝送サーバーでは、自治体端末から伝送されてきたデータを仕分けして転送処理し、対象となる金融機関端末へ伝送する。
【0022】
金融機関では、滞納整理伝送サーバーから伝送されてきたデータに基づいて預金調査結果データ、差押結果データを作成し、そのデータを金融機関端末から滞納整理伝送サーバーへ送る。
【0023】
滞納整理伝送サーバーではデータ仕分けし、転送処理して依頼した自治体端末へ転送する。
【0024】
預金調査結果データ、差押結果データが伝送された自治体端末では、預金調査結果データ登録、差押結果データ登録を行う。
【0025】
自治体端末は、図4に示すように預金調査依頼データ及び差押依頼データを作成し、そのデータをサービス会社の滞納整理伝送サーバーへ伝送する入力手段A1及び送信手段A2と、滞納整理伝送サーバーから預金調査結果データ及び差押依頼データを受信し、データを登録する受信手段A3、入力手段A4で構成される。
【0026】
図5に示すように、自治体端末の入力手段A1では、預金調査依頼データ及び差押依頼データを入力するか、預金調査依頼及び差押依頼データを基幹システムとの機能連携により取得して金融機関に渡す基礎データを作成する。
【0027】
さらに、送信手段A2では、入力手段A1において作成された預金調査依頼データ及び差押依頼データに基づき対象となる金融機関毎にファイルを作成する(データの暗号化を実施)。ファイル作成後ネットワーク回線を通じて、サービス会社の滞納整理伝送サーバーへデータ伝送を行う。
【0028】
図6に示すように、自治体端末の受信手段A3では、滞納整理伝送サーバーから預金調査結果データ、差押結果データの結果ファイルを受信する。入力手段A4では、結果ファイルのデータを基幹システムとの連携により、預金調査結果データ、差押結果データの登録を行う。
【0029】
金融機関端末は、図7に示すように、受信手段B1、入力手段B2及び送信手段B3で構成される。
【0030】
金融機関端末の受信手段B1では、図8に示すように、サービス会社の滞納整理伝送サーバーから預金調査依頼データ及び差押対象データを受信する。
【0031】
さらに、入力手段B2では、預金調査依頼データ及び差押依頼データに基づいて基幹システムへ照会を行い、結果データを手入力もしくはデータ連携にて結果データの登録を行う。
【0032】
送信手段B3では、預金調査結果データ及び差押結果データをサービス会社の滞納整理伝送サーバーへネットワーク回線を通じてデータ送信を行う。
【0033】
サービス会社の滞納整理伝送サーバーは、図9に示すように、受信手段C1、転送手段C2、受信手段C3、転送手段C4で構成される。
【0034】
滞納整理伝送サーバーの受信手段C1は、図10に示すように、自治体端末から預金調査及び差押対象データを受信する。受信データについては、暗号化されているファイルの復号化を実施し、データを送受信する金融機関ごとにファイル分割を実施する。
【0035】
転送手段C2は、預金調査依頼データ及び差押依頼データを金融機関毎に仕分けし、対象となる金融機関端末にデータ転送を行う。
【0036】
受信手段C3は、対象の金融機関端末から預金調査結果データ及び差押結果データを受信する。
【0037】
転送手段C4は、預金調査結果及び差押結果データを自治体毎に仕分けし、自治体端末へデータ転送を行う。送信データは、データを暗号化後、自治体ごとに集約してファイル送信を行う。
【0038】
なお、サービス会社としては転送処理以外ではセキュリティ加工と送達管理、件数管理を行い、また件数に応じた使用料算出を行うことができる。
【符号の説明】
【0039】
A1:入力手段
A2:送信手段
A3:受信手段
A4:入力手段
B1:受信手段
B2:入力手段
B3:送信手段
C1:受信手段
C2:転送手段
C3:受信手段
C4:転送手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11