(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5692721
(24)【登録日】2015年2月13日
(45)【発行日】2015年4月1日
(54)【発明の名称】スイッチング電源装置
(51)【国際特許分類】
H02M 3/28 20060101AFI20150312BHJP
【FI】
H02M3/28 H
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2011-35626(P2011-35626)
(22)【出願日】2011年2月22日
(65)【公開番号】特開2012-175814(P2012-175814A)
(43)【公開日】2012年9月10日
【審査請求日】2013年7月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004606
【氏名又は名称】ニチコン株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】304028726
【氏名又は名称】国立大学法人 大分大学
(74)【代理人】
【識別番号】110000475
【氏名又は名称】特許業務法人みのり特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡本 直久
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 輝被
【審査官】
鈴木 重幸
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−246637(JP,A)
【文献】
特開2010−279190(JP,A)
【文献】
特開2009−027763(JP,A)
【文献】
国際公開第2010/109694(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 3/00− 3/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部から入力される交流電圧を整流および平滑する一次側整流平滑部と、
前記一次側整流平滑部の出力側に備えられた力率を改善するための力率改善部と、
力率改善後の電圧をスイッチングしてスイッチング電圧を生成するスイッチング部と、
一次巻線および二次巻線を有し、前記一次巻線に前記スイッチング電圧が供給されるトランスと、
前記二次巻線に誘起される誘起電圧を整流および平滑する二次側整流平滑部と、
前記二次側整流平滑部から出力された電圧を所望の二次側出力電圧に変換するDC/DCコンバータ部と、
前記二次側出力電圧を直流成分と交流成分とに分離する分離部と
を備え、
前記力率改善部は、前記分離部によって得られた前記直流成分に基づいてフィードバック制御され、
前記DC/DCコンバータ部は、降圧および昇圧の両動作が可能な双方向DC/DCコンバータであり、前記分離部によって得られた前記交流成分に基づいてフィードバック制御される、
ことを特徴とするスイッチング電源装置。
【請求項2】
前記DC/DCコンバータ部は、
高電位ラインにドレインが接続された第1のスイッチング素子と、
前記第1のスイッチング素子のソースにドレインが接続され、ソースが低電位ラインに接続された第2のスイッチング素子と、
前記第1のスイッチング素子および第2のスイッチング素子の接続点に一端が接続されたチョークコイルと、
前記チョークコイルの他端と前記低電位ラインの間に接続された第1のコンデンサと、
前記高電位ラインおよび前記低電位ラインの間に接続された第2のコンデンサと、
前記二次側出力電圧の交流成分に基づいて、前記第1のスイッチング素子および前記第2のスイッチング素子を制御するスイッチング制御部と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載のスイッチング電源装置。
【請求項3】
前記DC/DCコンバータ部は、
前記スイッチング制御部にフィードバックされた交流成分が正の場合は、前記第1のスイッチング素子が前記スイッチング制御部の制御下でスイッチングし、前記第2のコンデンサの蓄積電荷で前記第1のコンデンサを充電する降圧型DC/DCコンバータとして動作し、
前記スイッチング制御部にフィードバックされた交流成分が負の場合は、前記第2のスイッチング素子が前記スイッチング制御部の制御下でスイッチングし、前記第1のコンデンサの蓄積電荷で前記第2のコンデンサを充電する昇圧型DC/DCコンバータとして動作する、
ことを特徴とする請求項2に記載のスイッチング電源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部から入力される交流電圧を負荷に供給すべき所定の直流電圧に変換して出力するスイッチング電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、マイクロプロセッサ等の半導体集積回路を駆動するスイッチング電源装置には、低出力電圧化、大出力電流化、高効率化といったことが求められている。これらの要求を満足するよう検討された従来のスイッチング電源装置としては、例えば、非特許文献1に記載のものがある(
図4参照)。
【0003】
また、力率改善、高調波対策のために、
図4に示すスイッチング電源装置1’にさらにPFC回路を付加したものも従来から知られている。
【0004】
図5に示すように、従来のスイッチング電源装置1”は、商用交流電圧を整流および平滑する一次側整流平滑部2と、その出力側に備えられた力率改善部3(PFC回路)と、その出力電圧V
aを所定の電圧V
bに変換する降圧型のDC/DCコンバータ部4’と、電圧V
bをスイッチングしてスイッチング電圧を生成するスイッチング部5と、一次巻線T
1および二次巻線T
2を有し、一次巻線T
1にスイッチング電圧が供給されるトランスTと、二次巻線T
2の誘起電圧を整流および平滑して得た二次側出力電圧V
Oを出力する二次側整流平滑部6とを備えている。
【0005】
また、スイッチング電源装置1”は、一次側と二次側の絶縁を確保しながら二次側出力電圧V
OをDC/DCコンバータ部4’のスイッチング制御部4aにフィードバックするフィードバック部7’を備えている。これにより、スイッチング電源装置1”は、二次側出力電圧V
Oを負荷の要求電圧に維持している。
【0006】
図6に示すように、力率改善部3の出力電圧V
aは商用リプル電圧や瞬時停電の影響を受けてAC的に変動するので、何も対策を施さないとこの変動が二次側出力電圧V
Oにそのまま伝達されてしまい、負荷に悪影響を与える。そこで、このスイッチング電源装置1”では、DC/DCコンバータ部4’が上記変動の下限よりもさらに低い電圧(電圧V
b)にまで電圧V
aを降圧させることにより、二次側出力電圧V
Oの変動を抑制している。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】二宮保,安部征哉,電子技術4月号“低電圧大電流コンバータの回路技術”,日刊工業新聞社,平成14年4月1日発行,10頁(特に、
図10)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、この従来のスイッチング電源装置1”では、スイッチング部5やトランスTに向かう電流I
DCの全てがDC/DCコンバータ部4’のスイッチング素子Q
3およびチョークコイルLに流れるので、スイッチング素子Q
3の導通損失やチョークコイルLのインピーダンスによる損失が避けられなかった。
【0009】
また、この従来のスイッチング電源装置1”は、一次側と二次側とを絶縁した状態で二次側から一次側へと二次側出力電圧V
Oをフィードバックして二次側出力電圧V
Oの変動を抑制(安定化)しているので、DC/DCコンバータ部4’による変動抑制効果がスイッチング部5およびトランスTを通じて二次側出力電圧V
Oに反映されるまでに遅れが発生し、変動を抑制しきれない場合があった。
【0010】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、その課題とするところは、従来よりも効率が高く、二次側出力電圧の変動に対する応答性に優れたスイッチング電源装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明に係るスイッチング電源装置は、外部から入力される交流電圧を整流および平滑する一次側整流平滑部と、一次側整流平滑部の出力側に備えられた力率を改善するための力率改善部と、力率改善後の電圧をスイッチングしてスイッチング電圧を生成するスイッチング部と、一次巻線および二次巻線を有し、一次巻線にスイッチング電圧が供給されるトランスと、二次巻線に誘起される誘起電圧を整流および平滑する二次側整流平滑部と、二次側整流平滑部から出力された電圧を所望の二次側出力電圧に変換するDC/DCコンバータ部と
、二次側出力電圧を直流成分と交流成分とに分離する分離部とを備え、力率改善部は、
分離部によって得られた直流成分に基づいてフィードバック制御され、DC/DCコンバータ部は、降圧および昇圧の両動作が可能な双方向DC/DCコンバータであり、
分離部によって得られた交流成分に基づいてフィードバック制御されることを特徴とする。
【0012】
この構成によれば、負荷の要求電圧と二次側出力電圧との間にずれが生じた場合に、直流成分の安定化を担当する力率改善部と、交流成分の安定化を担当するDC/DCコンバータ部とが協働することにより、二次側出力電圧を負荷の要求電圧に維持することができる。
【0013】
また、この構成では、DC/DCコンバータ部で直流成分の安定化を行う必要がないので、DC/DCコンバータ部を構成する各素子(昇圧/降圧動作に欠かせないチョークコイル等)に流れる電流はリプル電流のみとなる。したがって、この構成によれば、DC/DCコンバータ部における損失を低減し、効率を高めることができる。
【0014】
さらに、この構成では、交流成分の安定化を担当するDC/DCコンバータ部が二次側に備えられているので、絶縁することなく二次側出力電圧の交流成分をDC/DCコンバータ部に直接的にフィードバックすることができる。したがって、この構成によれば、二次側出力電圧の変動に対する応答性を高めることができる。
【0015】
ここで、上記DC/DCコンバータ部は、例えば、高電位ラインにドレインが接続された第1のスイッチング素子と、第1のスイッチング素子のソースにドレインが接続され、ソースが低電位ラインに接続された第2のスイッチング素子と、第1のスイッチング素子および第2のスイッチング素子の接続点に一端が接続されたチョークコイルと、チョークコイルの他端と低電位ラインの間に接続された第1のコンデンサと、高電位ラインおよび低電位ラインの間に接続された第2のコンデンサと、二次側出力電圧の交流成分に基づいて、第1のスイッチング素子および第2のスイッチング素子を制御するスイッチング制御部とで構成することができる。
【0016】
また、スイッチング制御部にフィードバックされた交流成分が正の場合は、第1のスイッチング素子が該スイッチング制御部の制御下でスイッチングし、第2のコンデンサの蓄積電荷で第1のコンデンサを充電する降圧型DC/DCコンバータとして動作し、スイッチング制御部にフィードバックされた交流成分が負の場合は、第2のスイッチング素子が該スイッチング制御部の制御下でスイッチングし、第1のコンデンサの蓄積電荷で第2のコンデンサを充電する昇圧型DC/DCコンバータとして動作するように上記DC/DCコンバータ部を構成することで、比較的容易に双方向DC/DCコンバータを実現することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、従来よりも効率が高く、二次側出力電圧の変動に対する応答性に優れたスイッチング電源装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明に係るスイッチング電源装置の回路図である。
【
図2】DC/DCコンバータ部の等価回路図であって、(A)は降圧型DC/DCコンバータとして動作する場合の等価回路図、(B)は昇圧型DC/DCコンバータとして動作する場合の等価回路図である。
【
図3】本発明に係るスイッチング電源装置の電圧波形である。
【
図4】従来のスイッチング電源装置の回路図である。
【
図5】PFC回路を備えた従来のスイッチング電源装置の回路図である。
【
図6】
図5に示す従来のスイッチング電源装置の電圧波形である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面を参照して、本発明に係るスイッチング電源装置の好ましい実施形態について説明する。
【0020】
図1に、本発明に係るスイッチング電源装置を示す。スイッチング電源装置1は、交流電圧(例えば、商用交流電圧)を整流および平滑する一次側整流平滑部2と、その出力側に備えられたPFC回路からなる力率改善部3と、力率改善後の電圧V
1をスイッチングしてスイッチング電圧を生成するスイッチング部5とを備えている。これらは、全てスイッチング電源装置1の一次側(後述するトランスTの一次側)に備えられている。
【0021】
また、スイッチング電源装置1は、一次巻線T
1にスイッチング電圧が供給されるとともに、二次巻線T
2に交流電圧が誘起されるトランスTと、二次巻線T
2の誘起電圧を整流および平滑する二次側整流平滑部6と、二次側整流平滑部6から出力された出力電圧を変換するDC/DCコンバータ部4とを備えている。DC/DCコンバータ部4は、変換後の電圧を二次側出力電圧V
Oとして出力する。二次側整流平滑部6およびDC/DCコンバータ部4は、スイッチング電源装置1の二次側(トランスTの二次側)に備えられている。
【0022】
図1に示す一実施形態において、スイッチング部5、トランスTおよび二次側整流平滑部6は共振型ハーフブリッジ回路を構成しているが、トランスの磁束を両方向に利用するハーフブリッジ回路、フルブリッジ回路およびプッシュプル回路を構成するよう、適宜変更することができる。
【0023】
スイッチング電源装置1は、二次側出力電圧V
Oを力率改善部3およびDC/DCコンバータ部4のスイッチング制御部3a、4aにフィードバックするフィードバック部7をさらに備えている。これにより、スイッチング電源装置1は、二次側出力電圧V
Oを負荷の要求電圧に維持している。
【0024】
フィードバック部7は、二次側出力電圧V
Oを直流成分と交流成分とに分離する分離部7aを有し、DC/DCコンバータ部4のスイッチング制御部4aには二次側出力電圧V
Oの交流成分のみがフィードバックされる。また、力率改善部3のスイッチング制御部3aには、絶縁部7bによって絶縁された後の直流成分のみがフィードバックされる。
【0025】
一次側と二次側の絶縁を確保しつつ、二次側出力電圧V
Oに基づいて一次側に備えられた力率改善部3をフィードバック制御するためには、絶縁部7bの存在が必要不可欠である。一方、DC/DCコンバータ部4は二次側に備えられているので、絶縁することなく、二次側出力電圧V
Oの交流成分を直接的にフィードバックすることができる。
【0026】
DC/DCコンバータ部4は、スイッチング制御部4aの制御下で、昇圧型のDC/DCコンバータとしても降圧型のDC/DCコンバータとしても動作する双方向DC/DCコンバータである。DC/DCコンバータ部4は、例えば、以下のような構成とすることで、比較的容易に双方向DC/DCコンバータを実現することができる。
【0027】
すなわち、DC/DCコンバータ部4は、高電位ライン8Hにドレインが接続された第1のスイッチング素子Q
1と、第1のスイッチング素子Q
1のソースにドレインが接続され、ソースが低電位ライン8Lに接続された第2のスイッチング素子Q
2と、第1および第2のスイッチング素子Q
1、Q
2の接続点に一端が接続されたチョークコイルLと、チョークコイルLの他端と低電位ライン8Lの間に接続された第1のコンデンサC
1と、高電位ライン8Hおよび低電位ライン8Lの間に接続された第2のコンデンサC
2と、第1および第2のスイッチング素子Q
1、Q
2を制御するスイッチング制御部4aとを備えている。このうち、第2のコンデンサC
2は、二次側整流平滑部6の平滑コンデンサを兼ねていることが部品点数削減の観点から好ましい。
【0028】
スイッチング制御部4aは、フィードバックされてきた二次側出力電圧V
Oの交流成分の極性(正/負)および絶対値の多寡に基づいて、第1および第2のスイッチング素子Q
1、Q
2を制御する。
図1に示す一実施形態において、第1および第2のスイッチング素子Q
1、Q
2はいずれもFETであるが、これに代えてバイポーラトランジスタ、IGBTを使用することもできる。
【0029】
DC/DCコンバータ部4にフィードバックされてきた交流成分が“正”の場合、すなわち二次側出力電圧V
Oが負荷の要求電圧よりも高い場合、スイッチング制御部4aは、二次側整流平滑部6の出力電圧を低下させるべくDC/DCコンバータ部4を降圧型のDC/DCコンバータとして動作させる。この場合は、DC/DCコンバータ部4を、第2のコンデンサC
2と第1のスイッチング素子Q
1との接続点(高電位ライン8H)を入力、チョークコイルLと第1のコンデンサC
1との接続点を出力とする等価回路として取り扱うことができる(
図2(A)参照)。
【0030】
同図に示すように、降圧型のDC/DCコンバータとして動作する場合は、スイッチング制御部4aの制御下で第1のスイッチング素子Q
1がON/OFFを繰り返し、第2のコンデンサC
2に蓄積されていた電荷を第1のコンデンサC
1に移動させる。これにより、第2のコンデンサC
2は放電し、両端電圧(=二次側出力電圧V
O)が低下する。一方、第1のコンデンサC
1は充電され、両端電圧が上昇する。なお、第2のスイッチング素子Q
2はOFFのままであり、同期整流のためのダイオードとみなすことができる。
【0031】
DC/DCコンバータ部4にフィードバックされてきた交流成分が“負”の場合、すなわち二次側出力電圧V
Oが負荷の要求電圧よりも低い場合、スイッチング制御部4aは、二次側整流平滑部6の出力電圧を上昇させるべくDC/DCコンバータ部4を昇圧型のDC/DCコンバータとして動作させる。この場合は、DC/DCコンバータ部4を、チョークコイルLと第1のコンデンサC
1との接続点を入力、第2のコンデンサC
2と第1のスイッチング素子Q
1との接続点(高電位ライン8H)を出力とする等価回路として取り扱うことができる(
図2(B)参照)。
【0032】
同図に示すように、昇圧型のDC/DCコンバータとして動作する場合は、スイッチング制御部4aの制御下で第2のスイッチング素子Q
2がON/OFFを繰り返し、第1のコンデンサC
1に蓄積されていた電荷を第2のコンデンサC
2に移動させる。これにより、第1のコンデンサC
1は放電し、両端電圧が低下する。一方、第2のコンデンサC
2は充電され、両端電圧(=二次側出力電圧V
O)が上昇する。なお、第1のスイッチング素子Q
1はOFFのままであり、同期整流のためのダイオードとみなすことができる。
【0033】
一方、前記の通り、力率改善部3は二次側出力電圧V
Oの直流成分に基づいてフィードバック制御される。このため、
図3に示すように、二次側整流平滑部6の出力電圧は、商用リプル電圧や瞬時停電の影響を受けて変動するものの、その直流成分は予め負荷の要求電圧に一致している。したがって、DC/DCコンバータ部4は、二次側整流平滑部6の出力電圧を降圧または昇圧することにより、商用リプル電圧や瞬時停電によるAC的な変動のみを取り除けばよい。
【0034】
言い換えると、本発明に係るスイッチング電源装置1は、負荷の要求電圧と二次側出力電圧V
Oとの間にずれが生じた場合に、直流成分の安定化を担当する力率改善部3と、交流成分の安定化を担当するDC/DCコンバータ部4とが協働することにより、二次側出力電圧V
Oを負荷の要求電圧に維持する。なお、当然ながら、力率改善部3は力率改善のための波形整形も行う。
【0035】
以上のように、本発明に係るスイッチング電源装置1では、DC/DCコンバータ部4で直流成分の安定化を行う必要がないので、DC/DCコンバータ部4を構成する第1および第2のスイッチング素子Q
1、Q
2並びにチョークコイルLに流れる電流は交流成分の電流(リプル電流)のみとなる。したがって、本発明によれば、DC/DCコンバータ部4における損失を低減し、効率を高めることができる。
【0036】
また、本発明に係るスイッチング電源装置1では、交流成分の安定化を担当するDC/DCコンバータ部4が二次側に備えられているので、絶縁することなく二次側出力電圧V
Oの交流成分をDC/DCコンバータ部4(スイッチング制御部4a)に直接的にフィードバックすることができる。したがって、本発明によれば、二次側出力電圧V
Oの変動に対する応答性を高めることができる。
【0037】
なお、本発明に係るスイッチング電源装置は、上記した具体的な構成に限定されるものではなく、当業者であれば、種々の変形例を想到し得ることは自明である。
【符号の説明】
【0038】
1 スイッチング電源装置
2 一次側整流平滑部
3 力率改善部(PFC回路)
4 DC/DCコンバータ部
5 スイッチング部
6 二次側整流平滑部
7 フィードバック部
7a 分離部
7b 絶縁部
C
1 第1のコンデンサ
C
2 第2のコンデンサ
Q
1 第1のスイッチング素子
Q
2 第2のスイッチング素子
L チョークコイル
T トランス