(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5692756
(24)【登録日】2015年2月13日
(45)【発行日】2015年4月1日
(54)【発明の名称】溶融塩へのCO2取り込み
(51)【国際特許分類】
B01D 53/14 20060101AFI20150312BHJP
B01D 53/62 20060101ALI20150312BHJP
C01B 31/20 20060101ALI20150312BHJP
【FI】
B01D53/14 102
B01D53/14ZAB
B01D53/14 103
B01D53/34 135Z
C01B31/20 Z
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-512993(P2012-512993)
(86)(22)【出願日】2010年5月28日
(65)【公表番号】特表2012-528002(P2012-528002A)
(43)【公表日】2012年11月12日
(86)【国際出願番号】NO2010000195
(87)【国際公開番号】WO2010137995
(87)【国際公開日】20101202
【審査請求日】2013年5月9日
(31)【優先権主張番号】20092083
(32)【優先日】2009年5月28日
(33)【優先権主張国】NO
(73)【特許権者】
【識別番号】511288603
【氏名又は名称】ウニベルシテテット フォー ミルイェ‐ オグ バイオビテンスカップ
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100148596
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 和弘
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】オルセン, エスペン
【審査官】
井上 能宏
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許第03661753(US,A)
【文献】
特開2006−205023(JP,A)
【文献】
特表平07−508463(JP,A)
【文献】
特開平10−085553(JP,A)
【文献】
特開2002−093452(JP,A)
【文献】
特開2004−154633(JP,A)
【文献】
特開昭59−210210(JP,A)
【文献】
Fauth, D J et al,CO2 scrubbing with novel lithium zirconate sorbents,Prepr. Pap.-Am. Chem. Soc., Div. Fuel Chem.,2004年,vol.49, no.1,pages 310-311
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 53/00〜 53/96
C01B 31/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス流からの二酸化炭素を除去する方法であって、
第1のステップにおいてガス流を吸収媒体と接触させ、前記媒体が、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のハロゲン化物を少なくとも1つ含有する溶融塩を備え、溶融塩が、二酸化炭素と反応して金属炭酸塩を生成する溶解金属酸化物を含有し、600〜1600℃の範囲の温度で実施され、
次のステップにおいて、金属炭酸塩を含有する前記溶融塩を加熱し、金属酸化物及び二酸化炭素を放出させることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記溶融塩が塩化物を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記溶融塩がフッ化物を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記金属酸化物が、MgO、CaO、SrO、BaO、Li2O、Na2O、K2O、Rb2O及びCs2Oからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
第1のステップにおいて、前記二酸化炭素が炭酸塩に変換されるように前記溶融塩の温度を制御し、次のステップにおいて、金属酸化物及び二酸化炭素を放出させるように前記温度を上昇させる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
ガス流からの二酸化炭素を除去するための、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のハロゲン化物を少なくとも1つ含有し、溶解金属酸化物を含有する溶融塩の使用であって、
第1のステップにおいてガス流を吸収媒体と接触させ、前記媒体が、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のハロゲン化物を少なくとも1つ含有する溶融塩を備え、溶融塩が、二酸化炭素と反応して金属炭酸塩を生成する溶解金属酸化物を含有し、600〜1600℃の範囲の温度で実施され、
次のステップにおいて、金属炭酸塩を含有する前記溶融塩を加熱し、金属酸化物及び二酸化炭素を放出させるための使用。
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、吸収媒体を使用する、排気ガスからの二酸化炭素(CO
2)の取り込みに関する。
【0002】
従来の火力発電所では、石炭は、1より非常に大きい比で空気によって酸化される。従来の燃焼ボイラーからの排気ガスは、10〜15%のCO
2を含有し、ボイラー出口での温度は800℃である。高温の排気ガスは、高圧下で水と熱交換されて過熱蒸気を発生させ、過熱蒸気はタービンを駆動させ、このタービンによってさらには発電機を運転させるのに使用される。電気効率は比較的低く、約40〜60%である。加熱蒸気は液化され、その後もう一度、燃焼工程からの高温の排気ガスと熱交換される。液化工程では、いわゆる熱電併給プラント(CHP)における遠隔加熱(remote heating)の目的で使用することができる、かなりの熱が放出される。これは、プラントの全効率を約70%まで上昇させる。
【0003】
火力発電所からのCO
2を清浄化するための最新技術は、アミンへのCO
2吸収に基づく。タービンにおいて減圧及び冷却された後、排気ガスは、30〜40℃のアミン系液体にCO
2が吸収される大型の反応器を通過する。残った排気ガスは大気に放出されるが、CO
2に富んだアミン液体は別のチャンバー内に送り込まれ、そこでは温度が120〜130℃まで上昇し、CO
2が選択的に放出される。次いで、放出ガスは圧縮されて液体になり、適切な場所で廃棄することができる。アミン吸収剤は、30〜40℃に冷却されて吸収チャンバーに入れられ、そこで工程が再び開始する。大量の吸収剤の温度交換(temperature exchange)には相当量のエネルギーが必要とされるので、プラントからの電気出力が約10%低減する。
【0004】
一般的な火力変換工程を、
図2の略図に表すことができる。熱(Q
H)は、高温熱源から機器を通って低温熱源に流れる。仕事Wは、熱Q
Lが低温熱源に加えられる過程で行われる。この工程の効率は、方程式(1)によって示される。
【0006】
火力変換工程の理論的効率(カルノーの効率)は、方程式(2)によって一般に示され、式中の
TL及びTHは、それぞれ電力変換工程における低温及び高温である。
【0008】
これは、熱工程効率の本質的限界値を表す。一般に、効率を高めるためには、できるだけ大きい温度差を有することが好ましい。
【0009】
アミン法において130℃〜40℃の温度交換からエネルギーを回収するとき、方程式
(2)による理論的出力は66.9%である。実際には、出力ははるかに低く、回収工程からのエネルギーは、主に加熱にのみ使用することができる比較的低品質の熱エネルギーとして与えられる。アミンで清浄化するガス発電所を
図3に示す。
【0010】
RU2229335C1は、粒子の形態で製造された、酸化カルシウムと、アルカリ金属炭酸塩の共晶混合物との混合物であるCO
2の吸収媒体に関する。
【0011】
特開平11−028331号公報は、電気化学反応によって陰極でCO
2がCO
3に変換される、CO
2の電気化学的分離を開示している。
【0012】
特開平10−085553号公報は、その繊維がCO
2との化学反応によってCO
2を生成する複合酸化物と酸化物とからなる膜に排気ガスを通過させることによる、CO
2の分離を開示している。
【0013】
米国特許出願公開第2005/036932号は、排気ガスからCO
2を吸収及び除去する方法を開示している。CaO及び/又はCa(OH)
2を含有する固体粒子の集塊に排気ガスを吹き込ませることにより、排気ガス中のCO
2がCaCO
3に変換される。
【0014】
Terasakaら(Chem.Eng.Technol.2006、29 No.9、1118〜1121ページ)は、溶融塩のスラリー中の固体粒子ケイ酸リチウム(LiSiO
4)を作動媒体として使用してCO
2を吸収させる工程を開示している。Li
2CO
3及びLi
2SiO
3が形成され、スラリー中に固体粒子として存在する。
【0015】
現況技術は、CO
2を取り込むためのいくつかの異なる方法を開示している。これらの方法の不利な点としては、主に、処理プラントの規模が大きいこと、及び電力変換工程におけるエネルギー効率が低いことが挙げられる。
【0016】
本発明の目的は、清浄化工程におけるエネルギー回収の効率及び電力品質が改善される、燃焼プラントからの排気ガスのCO
2を清浄化する方法を得ることである。さらに、清浄化プラントの物理的規模が小さくなるように、より速い化学反応を使用してCO
2清浄化の効率を改善することが望ましい。
【0017】
本発明は、ガス流からの二酸化炭素を除去する方法であって、第1のステップにおいてガス流を吸収媒体と接触させ、吸収媒体が、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のハロゲン化物を少なくとも1つ含む溶融塩(molten salt)を含み、溶融塩が、二酸化炭素と反応して溶解性金属炭酸塩を形成する溶解金属酸化物(dissolved metal oxide)MOを含有し、吸収媒体の融点が600〜1
600℃の範囲内である方法を提供する。
【0018】
さらに、本発明は、ガス流からの二酸化炭素を除去するための、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の少なくとも1つのハロゲン化物を含み、溶解金属酸化物を含有する溶融塩の使用に関する。
【0019】
本発明は、ガス流からの二酸化炭素を除去するための吸収媒体であって、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の少なくとも1つのハロゲン化物を含有して溶解金属酸化物を含有する溶融塩、を含む吸収媒体も提供する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】従来の火力発電所の概略図である(B.Sorensen)。
【
図3】SINTEFの、アミンで清浄化するプラントを有するガス発電所の概略図である。
【
図4】反応(5)のギブズの自由エネルギーを例示するグラフである。正の値は反応が左に向かって進むことを示す。負の値は反応が右に向かって進むことを示す。
【
図5】高温溶融塩がガス発電所からのCO
2を吸収する略図である。
【0021】
溶融塩は、化学プロセス工業において様々な用途で使用される。言及するべきなのは、熱分解工程の触媒媒体のような、並びに電池及び光電気化学太陽電池パネルの電解質のような、電解工程の電解質である。一般に、溶融塩は、様々な組成の金属−アニオン化合物からなる。溶融塩は、そのままで熱力学的に非常に安定しているが、他の化合物及び要素にとっても効率の良い溶媒である。一部の溶融塩は、CO
2の形態の炭素に対してある程度の溶解力を有する。これは、M−Cl
xなどの塩化物、M−F
xなどのフッ化物、及びM−(NO
3)
yなどの硝酸塩(式中、Mは、原子価x又はy/2の金属である)に特に当てはまる。
【0022】
一般に、酸性溶融物が塩基性酸化物を溶解するように、反対のルイスの酸塩基特性により酸化物は溶融塩に溶解でき、逆もまた同様である。その好例が、それ自体弱酸性特性を有するCaCl
2である。これにより、塩基性酸化物(CaO、MgO)及びある程度までの両性酸化物は容易に溶解するが、酸性酸化物(SiO
2、TiO
2)は最小限に溶解するのみである。塩基性酸化物は、式(3)に従って、炭素塩の形成中にCO
2に対する親和性を有する。
【0023】
【化1】
【0024】
酸化カルシウムと同様に、炭酸カルシウムは、塩基性を有し、酸性溶融物に一般に溶解する。しかしながら、CaO及びCaCO
3の両方が、塩基性を示すCaF
2などのフッ化物にも溶解するため、これは普遍的に有効ではない。炭酸カルシウムは、室温では非常に安定しているが、850〜900℃を超える温度では、式(4)に従ってCaO及びCO
2に分解する。表1に、温度の関数としての、反応(3)のΔGを示す。これは、(4)の逆の反応であるので、同じ数字が(4)に当てはまるが、符号は反対である。
【0025】
【化2】
【0026】
表1:温度の関数としての、反応
(3)のギブズの自由エネルギー。
【0027】
【表1】
【0028】
溶解CaOを有する溶融塩にガス混合物を通過させ、次いでガス混合物から二酸化炭素を取り出してCaCO
3を形成することによって、CaOのCO
2に対する親和性を生かして、例えば石炭発電所からの希釈ガス混合物から前記ガスを捕捉することに反応(3)及び(4)を使用することができる。溶融塩の温度は、通常600〜1500℃の範囲であり、高温では、溶融塩の触媒性と相まって非常に効率的な捕捉が実現する。
【0029】
他のアルカリ土類金属酸化物に対する反応(3)及び(4)のギブズの自由エネルギーは、HSC Thermodynamic Software Tool、Outotech 2008を使用して計算される。
【0030】
図4は、様々なアルカリ土類金属酸化物の(4)に従った自由エネルギーの符号が、周期系をさらに下がるにつれてより高い温度で変化することを示す。これは、排気ガス温度が高い燃焼工程での吸収に、より重い酸化物を使用することによって生かすことができる。速い工程を確実にするためには、大きい駆動力(大きい負のΔG)を有することが有利である。一方、温度が上昇するにつれて、工程の速度も通常上昇する。これにより、溶融塩へのCO
2吸収に逆の効果がもたらされるので、各事例に最適な作動条件を実験的に見つける必要がある。(4)で予測されたように、酸化物及び対応する炭酸塩が存在し溶融塩に溶解するとき、それらは、単位活性で自由な形態で存在するときとは異なる媒体及び環境を構成するが、定性的にこの挙動は様々なカチオンと同様である。アルカリ金属酸化物についての同様の計算は、これらがより安定しているので反応(4)の符号が所与の動作温度で変化しないこと、を示す。これは、(STP、単位活性、固相)で計算が行われる条件に当てはまり、反応物が溶融塩に溶解するときには必ずしも代表的ではない。これらの条件下で、化合物の安定性はより低下するので、アルカリ金属酸化物/炭酸塩は、本発明において活性化合物としても機能する。
【0031】
溶融塩における気体状態でのCO
2溶解度は、温度Tが上昇するにつれて溶解度が減少する点において、温度の関数である。これは、E.Saidoら、J Chem Eng、Data、25、(1)、1980、45〜47ページに、ある程度開示されている。気体CO
2の溶解度は、0.1〜1%の範囲であり、CaCO
3の形成及び分解の工程効率の減少につながりうる。
【0032】
反応物が、述べた溶融塩中において溶解錯イオンとして存在するので、固相反応は本発明に含まれない。これにより、先行技術より著しく速い速度がもたらされ、それによって溶液を液体状態で保持することができるため、スラリーが不要となる。蒸気との熱交換後に低温ゾーンの燃焼ガスからCO
2を吸収する代わりに、燃焼ガスを冷却する前にこれを行うことができる。燃焼後直ちに、ガスは800〜1400℃の範囲の温度を有する。石炭発電所では、ガスはおよそ大気圧で存在し、エネルギーの引き出しは従来の蒸気ボイラーで起こり、そこで水は排気ガスとおよそ同じ温度まで加熱され、蒸気タービンが駆動されてこのタービンによって次いで発電機が運転される(
図1)。高温及び/又は加圧条件で、CO
2が排気ガスから吸収されないという理由は存在しない。上に示したような溶融塩は、燃焼工程の温度範囲内である、一般に600〜1412℃の範囲の融点を有する。このような吸収工程は、アミン工程として、しかしより高い工程温度で原則として行うことができる。吸収温度は、600〜1600℃の範囲内である。上昇した温度は、より速い工程速度をもたらすので、この種類のプラントは、物理的に非常に大きいアミン吸収プラントに比べて、物理的により小さく作製することができると思われる。この種類のプラントを、
図5に示す。ガス発電所において、ガス混合物中のCO
2の分圧は大気圧に比べて著しく高い(10〜20atm)ので、ここにおかれる場合にこの工程の効率をさらに上昇させるタービンの前で、燃焼ガスは大いに加圧される。
【0033】
例えば、高温の排気ガスは、CaCl
2からなる溶融塩をおよそ700〜800℃で通過し、ここで、CaCO
3の形成中に、CO
2はチャンバー内で溶融塩中の溶解CaOに吸収される。CaCO
3含有量が高い溶融物は、次いで脱着チャンバーに移動されて、ガスを放出させるためにおよそ950℃まで加熱される。これは、ΔG>0のときにT>850℃で左に向かう式(5)によって理論的に説明することができる(表1を参照のこと)。
【0034】
【化3】
【0035】
次いで、処理された排気ガス及びCO
2は、別々の回路で水との熱交換を受けて、高温蒸気を発生させることにより蒸気タービンを駆動させ、このタービンによってさらには発電機を運転させる。溶解及び再生CaOを含有する溶融塩は、吸収チャンバーに再導入される前に800℃まで冷却される。この工程では、溶融物は、蒸気との熱交換を受けて、この蒸気によって再び、電力を発生させるタービン、好ましくは高温の排気ガスから発生した蒸気を動力源とするタービンを駆動させる。高温状態のガスを清浄化することの利点は、すべての電力変換工程から、より高い電気効率が得られるということである。T
Hが約800℃であるとともに、媒体の冷却(蒸気の場合における液化)から抽出した動力を電力にした後に、T
Lが約40℃であると仮定する場合、吸収プラントにおいて溶融塩を950℃〜800℃に冷却することにより工程の熱を回収する、そのような工程における理論的なカルノーの効率(方程式2を参照のこと)は、95%である。さらに、これは低品質の水力熱の代わりに高品質の電力を発生させる。
【0036】
交互に、吸収チャンバーと脱着チャンバーとの間の圧力変化は、原理的に、温度変化と同じように機能することができる。ガス発電所では、燃料中の電力のより大きな割合が、ガスの水素含有量に関連し、したがって、大気に放出されたCO
2を除去する第3の方法が存在し、それは、脱着チャンバーにおいて溶融塩中の溶解炭酸塩から炭素を電気化学的に除去することである。この場合、工程過程から取り除いて廃棄することができる元素炭素が発生する。これは、水素の燃焼前の、天然ガスから炭素(カーボンブラック)及び水素への予燃焼改質の代替形態である。
【0037】
上に示した概念に伴う差し迫った課題は、清浄化されるべき燃焼ガス中に存在するいかなる水も、一部の溶融塩、主として塩化物、からオキシ塩酸塩(oxyhydrochloride)への加水分解につながりうるということである。これは、この問題にさらされていない溶融物、好ましくは塩基性フッ化物、を使用することによって避けることができ、又は、溶融物の一部が処理のために連続的に引き出される連続再生工程を実行することができる。
【0038】
CaOやCaCO
3などの酸化物及び炭酸塩の溶媒として、あらゆる種類の溶融塩を原理的には使用することができる。適用可能な溶融塩
は、塩化物及びフッ化物であり得る。
【0039】
本発明は、金属酸化物が溶融物中に溶解した溶融塩に関する。溶融塩は、好ましくはハロゲン化物、好ましくは塩化物、最も好ましくはフッ化物を含む。本発明で使用する溶融塩は、アルカリ土類金属及びアルカリ金属に主に基づ
く。
【0040】
溶融塩中に溶解し、CO
2と反応する金属酸化物は、アルカリ土類金属及びアルカリ金属に実質的に基づくが、他の金属酸化物も適用可能であり得る。好ましい金属酸化物は、MgO、CaO、SrO、BaO、Li
2O、Na
2O、K
2O、Rb
2O及びCs
2Oからなる群から選択することができる。