(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5692761
(24)【登録日】2015年2月13日
(45)【発行日】2015年4月1日
(54)【発明の名称】超低硫黄ガスの生成における高圧酸性ガス除去の構成および方法
(51)【国際特許分類】
B01D 53/14 20060101AFI20150312BHJP
F25J 3/06 20060101ALI20150312BHJP
F25J 1/00 20060101ALI20150312BHJP
【FI】
B01D53/14 C
B01D53/14 103
F25J3/06
F25J1/00 D
【請求項の数】20
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2012-553862(P2012-553862)
(86)(22)【出願日】2010年2月17日
(65)【公表番号】特表2013-519522(P2013-519522A)
(43)【公表日】2013年5月30日
(86)【国際出願番号】US2010024382
(87)【国際公開番号】WO2011102830
(87)【国際公開日】20110825
【審査請求日】2012年8月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】512158354
【氏名又は名称】フルーア・テクノロジーズ・コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100107308
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100120352
【弁理士】
【氏名又は名称】三宅 一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100126930
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 隆司
(72)【発明者】
【氏名】マック,ジョン
【審査官】
井上 能宏
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭61−181515(JP,A)
【文献】
特表2005−538841(JP,A)
【文献】
特表2006−509628(JP,A)
【文献】
特表2007−521350(JP,A)
【文献】
特開昭57−209627(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 53/00〜 53/96
F25J 1/00〜 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも10モル%のCO2含有量と、少なくとも0.01モル%のH2S含有量とを有する供給ガスから酸性ガスを除去する方法であって、
希薄物理溶媒と超希薄物理溶媒とを吸収体の異なる場所へ供給して、前記供給ガスに逆流するように接触して、濃厚な物理溶媒と処理済みのガスとを生じさせるステップを含み、
前記吸収体は、少なくとも3447kPaG(500psig)の圧力で動作され、
前記濃厚な物理溶媒を、急速気化再生部を使用して再生して、生じた前記希薄物理溶媒の第1の部分を前記吸収体へ供給し、
前記希薄物理溶媒の第2の部分を除去カラムへ供給し、除去ガスを使用して前記超希薄物理溶媒を生じさせる、供給ガスから酸性ガスを除去する方法。
【請求項2】
前記急速気化再生部において炭化水素を含有するリサイクルガスを生じさせ、前記リサイクルガスを前記供給ガスまたは前記吸収体へ供給するステップをさらに含む請求項1に記載の供給ガスから酸性ガスを除去する方法。
【請求項3】
前記除去カラムは、前記リサイクルガスと混合されるオーバーヘッド生成物を生じさせる請求項2に記載の供給ガスから酸性ガスを除去する方法。
【請求項4】
前記処理済みのガスの一部を前記除去カラム内の前記除去ガスとして使用するステップをさらに含む請求項1に記載の供給ガスから酸性ガスを除去する方法。
【請求項5】
前記処理済みのガスの前記一部である除去ガス流の圧力を降下させ形成される流れを、前記超希薄物理溶媒を冷やすために使用する請求項4に記載の供給ガスから酸性ガスを除去する方法。
【請求項6】
前記急速気化再生部において、前記供給ガスとの熱交換により、CO2を含有する急速気化蒸気を生じさせる請求項1に記載の供給ガスから酸性ガスを除去する方法。
【請求項7】
前記供給ガスを圧縮して、前記圧縮された供給ガスをC5+炭化水素を凝結させるのに十分な温度まで冷却するステップをさらに含む請求項1に記載の供給ガスから酸性ガスを除去する方法。
【請求項8】
前記供給ガスは、少なくとも20モル%のCO2含有量と、少なくとも0.1モル%のH2S含有量とを有し、前記処理済みのガスは4ppmv以下のH2S含有量を有する請求項1に記載の供給ガスから酸性ガスを除去する方法。
【請求項9】
濃厚な物理溶媒を処理する方法であって、
前記濃厚な物理溶媒を、第1の圧力から第2の圧力へ複数の連続する段階で急速気化して、炭化水素を含有する急速気化ガスと急速気化された溶媒とを生成するステップと、
前記急速気化された溶媒を、前記第2の圧力から第3の圧力へ加熱およびさらに急速気化して、CO2を含有する急速気化ガスと希薄溶媒とを生成するステップと、
前記希薄溶媒の一部を除去カラムにおいて処理済みの供給ガスで除去し、除去カラムオーバーヘッド生成物と超希薄溶媒とを生じさせるステップと、
前記希薄溶媒の他の部分を、前記処理済みの供給ガスを生じさせる吸収体における吸収剤として使用するステップと、を含む、濃厚な物理溶媒を処理する方法。
【請求項10】
前記炭化水素を含有する急速気化ガスと前記除去カラムオーバーヘッド生成物とを混合するステップをさらに含む請求項9に記載の濃厚な物理溶媒を処理する方法。
【請求項11】
前記急速気化された溶媒を加熱する前記ステップは、少なくとも1つの吸収体供給ガスおよび前記希薄溶媒との熱交換により、前記急速気化された溶媒を加熱するステップを含む請求項9に記載の濃厚な物理溶媒を処理する方法。
【請求項12】
前記第1の圧力は少なくとも6895kPaG(1000psig)であり、前記第2の圧力は少なくとも517kPaG(75psig)であり、前記第3の圧力は276kPaG(40psig)以下である請求項9に記載の濃厚な物理溶媒を処理する方法。
【請求項13】
前記希薄溶媒の前記一部を除去する前記ステップは、前記吸収体からの圧力が降下された処理済みの供給ガスを除去ガスとして使用して実行される請求項9に記載の濃厚な物理溶媒を処理する方法。
【請求項14】
前記希薄溶媒の前記一部は、前記希薄溶媒の20%〜50%である請求項9に記載の濃厚な物理溶媒を処理する方法。
【請求項15】
前記希薄溶媒および超希薄溶媒を吸収体の異なる位置に供給するステップをさらに含み、前記吸収体は、少なくとも3447kPaG(500psig)の圧力で動作される請求項9に記載の濃厚な物理溶媒を処理する方法。
【請求項16】
供給ガスから酸性ガスを除去するためのプラントであって、
供給ガスを受け取って、処理済みのガスを少なくとも3447kPaG(500psig)の圧力で生じさせるように構成され、希薄物理溶媒と超希薄物理溶媒とを別個に受け取って、濃厚な物理溶媒を生じさせるようにさらに構成されている吸収体と、
前記吸収体に流動的に結合され、前記濃厚な物理溶媒を受け取って、減圧を使用して前記濃厚な物理溶媒から前記希薄物理溶媒を生じさせるように構成された急速気化再生部と、
前記急速気化再生部に流動的に結合され、前記希薄物理溶媒の第1の部分を受け取って、除去ガスを使用して前記希薄物理溶媒から前記超希薄物理溶媒を生じさせるように構成された除去カラムと、
前記急速気化再生部に結合され、前記希薄物理溶媒の第2の部分を前記吸収体に提供するように構成された第1の導管と、
前記除去カラムに結合され、前記超希薄物理溶媒を前記吸収体に提供するように構成された第2の導管と、を備える、供給ガスから酸性ガスを除去するためのプラント。
【請求項17】
前記急速気化再生部は、複数の急速気化容器と、前記急速気化容器から前記吸収体または前記供給ガスへ蒸気を供給することができる複数の各導管とを備える請求項16に記載の供給ガスから酸性ガスを除去するためのプラント。
【請求項18】
前記急速気化再生部は、複数の油圧タービンを備える請求項16に記載の供給ガスから酸性ガスを除去するためのプラント。
【請求項19】
前記除去カラムに結合されて除去カラムオーバーヘッド生成物を前記吸収体へ提供するように構成された第3の導管をさらに備える請求項16に記載の供給ガスから酸性ガスを除去するためのプラント。
【請求項20】
前記吸収体に結合されて前記供給ガスからC5+炭化水素を凝結および分離させるのに十分な温度まで前記供給ガスを冷却することができるように構成された冷却器および分離器をさらに備える請求項16に記載の供給ガスから酸性ガスを除去するためのプラント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、供給ガスからの酸性ガスの除去であり、特に、超低硫黄パイプライン品質のガスを生成するために、高いCO
2およびH
2S含有量を有する高圧ガスから酸性ガスを除去することに関する。
【背景技術】
【0002】
多くの低硫黄天然ガス田が枯渇しつつあるため、酸性ガス田からの天然ガス生産は、現代のエネルギー需要に応じるためにますます必要となっている。しかしながら、酸性ガス田、特に高酸性ガス田(例えば、10モル%以上のCO
2と、0.5モル%以上のH
2Sの酸性ガス)からの酸性ガスの除去は、典型的には、かなりの資本投資と運転コストを要する。さらに、ガス生産施設は、特にCO
2を組成に再注入するような場合には、生産中の酸性ガス含有量の増加という試練に直面する。
【0003】
例えば、酸性ガスは従来のアミン処理によって除去できるが、そのような処理は、経済的でないことが多い。なぜなら、供給ガス内で増加する酸性ガス含有量で常にアミン循環を増加する必要があり、これにはより高い蒸気熱負荷が溶媒の再生に必要となり、温室効果ガスの排出が多くなってしまうからである。さらに、化学溶媒には、酸性ガス投入容量(すなわち、アミンのモル当たりの酸性ガスのモル)に上限があり、アミンと酸性ガスとの化学平衡によって元来規定される。一方、物理溶媒は、ヘンリーの法則の原理で動作する。よって、溶媒の酸性ガス投入は、供給ガスの酸性ガス含有量とともに実際には増加するので、物理溶媒が高酸性ガス田にとって望ましい選択肢となる。さらに、物理溶媒に関する溶媒再生処理は、また、あまり問題がない場合が多い。なぜなら、これらの溶媒は、急速気化(flash)再生によってある程度再生することができ、加熱の必要性がなく、ひいては温室効果ガスの排出を最小限にするからである。
【0004】
しかしながら、外部加熱を伴わない物理溶媒の急速気化再生は、溶媒を部分的に再生可能なだけであり、ほとんどの場合、パイプラインガス仕様(たとえば、1モル%のCO
2および4ppmv以下のH
2S)に適合するために高酸性ガスを処理するのには適さない。このような問題が悪化するのは、処理対象の供給ガスがかなりの量の炭化水素を含有する場合である。なぜなら、物理溶媒は、炭化水素のほとんどを吸収する傾向があり、CO
2流内の炭化水素含有量を上昇させ、処理済みのガス流内の熱容量を減少させることとなるからである。
【0005】
物理溶媒を用いた酸性ガス除去の構成および方法の一例が、同時係属中の特許文献1に記載されている。この例において、酸性ガスは希薄物理溶媒によって高圧で除去され、濃厚な溶媒は加熱され(例えば、圧縮器の放出から排熱および希薄溶媒を使用して)、希薄溶媒を再生するために急速気化再生が行われる。このような取り組みは、再生のための熱要件を好都合に減らすものであるが、ほとんどの場合、比較的低いH
2S含有量を有する供給ガスにのみ適しており、処理済みのガスは、パイプラインの仕様に適合しなければならない。他の周知の構成および方法例においては、特許文献2に示すように、CO
2は物理溶媒に高圧で吸収される。ここで、希薄溶媒は、急速気化および二重除去を介して再生され、そこでは、大気中の急速気化蒸気内の二酸化炭素が、濃厚な溶媒からH
2Sを除去し、スイートガスが除去装置(stripper)内の溶媒から二酸化炭素を除去する。このようなシステムを使用する大きな利点にもかかわらず、そのような方法および構成は、比較的低い(約90ppmv)H
2S含有量の供給ガスに再び制限される。同様に、特許文献3には、CO
2を高圧で吸収して濃厚な溶媒を形成し、当該溶媒はその後、H
2Sが除去されたガスを使用して、多段急速気化段階および除去カラム(stripping column)にわたって再生されるという方法および構成が開示してある。しかしながら、そのような構成は、ストリッパーオーバーヘッドを燃料ガスとして回収するもので、さらなる処理が必要になる場合があり、過度の燃料ガス供給を伴う施設においては一般的に望ましくない。
【0006】
酸性ガス除去のさらに他の周知の構成および方法では、特許文献4に記載されるように、溶媒は多段急速気化段階にわたって再生される。ここでは、急速気化された溶媒は、その後、急速気化段階からリサイクルガスを使用して除去装置において除去され、等温勾配または上から下へ減少する温度勾配で動作する吸収体へ供給される。そのような構成および方法は他の周知のシステムに対して幾つかの重要な利点を提供するものであるが、それでも様々な欠点が残る。とりわけ、リサイクルガスが除去ガス(stripping gas)として使用される場合には、高圧段階において急速気化されて取り除かれ得るCO
2によって流量が制限され、これは、H
2S含有量が高い供給ガスを処理するために使用される場合には、溶媒を十分に再生するには不充分なことがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際出願PCT/US09/58955号明細書
【特許文献2】国際公開第2005/035101号パンフレット
【特許文献3】米国特許第7,192,468号明細書
【特許文献4】米国特許第7,637,987号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
よって、供給ガスから酸性ガスを除去するために様々な構成および方法が知られているものの、そのすべてまたはほとんどすべてには、1つ以上の欠点がある。とりわけ、そして供給ガスにおけるH
2Sレベルが比較的高い場合には特に、加熱なしの物理溶媒の使用は、ガスパイプライン仕様に適合する処理済みのガスを生じさせるには、典型的には適さない。したがって、酸性ガス除去のための改良された方法および構成を提供する必要がまだある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、物理溶媒を使用して、比較的高いCO
2およびH
2S濃度を有する高圧供給ガスから酸性ガスを除去して、パイプライン仕様に適合する処理済みのガスを生じさせる構成および方法に関する。最も典型的な側面において、供給ガスは、少なくとも
3447kPaG(500psig
)(より典型的には、少なくとも
6895kPaG(1000psig
))の圧力を有し、少なくとも10モル%(より典型的には、少なくとも30モル%)のCO
2と、少なくとも0.01モル%(より典型的には、少なくとも1モル%)のH
2Sを含むであろう。
【0010】
さらに好ましくは、供給ガスは、希薄溶媒および超希薄溶媒、2つの溶媒流によって冷却および処理され、これら溶媒流は、急速気化再生および希薄溶媒の一部の希薄ガスストリッピングによってそれぞれ生じる。最も好ましくは、急速気化された炭化水素は、多段分離器において急速気化ガスをリサイクルすることによって回収され、炭化水素損失を5%未満、好ましくは4%未満、最も好ましくは2%未満に減少させる。
【0011】
本発明の主題の一側面において、少なくとも10モル%のCO
2含有量と、少なくとも0.01モル%のH
2S含有量(より典型的には、少なくとも20モル%のCO
2含有量と、少なくとも1.0モル%のH
2S含有量)とを有する供給ガスから酸性ガスを除去する方法は
、希薄物理溶媒と超希薄物理溶媒とを吸収体
の異なる場所へ供給して、前記供給ガスに逆流するように接触することにより、濃厚な物理溶媒と処理済みのガスとを生じさせるステップを含む。最も典型的には、吸収体は、少なくとも
3447kPaG(500psig
)の圧力、より典型的には少なくとも
5171kPaG(750psig
)、最も典型的には少なくとも
6895kPaG(1000psig
)で動作される。他のステップにおいて、
濃厚な物理溶媒は、急速気化再生部にて再生され、その後、希薄物理溶媒の第1の部分は吸収体へ供給され、希薄物理溶媒の第2の部分は除去カラムへ供給されて超希薄物理溶媒を生じさせる。このように生じた処理済みガスは、4ppmv未満、より典型的には2ppmv未満のH
2S含有量と、2モル%未満、より典型的には1モル%未満のCO
2含有量を有するであろう。
【0012】
特に好ましい方法において、炭化水素を含有するリサイクルガスを急速気化再生部にて形成させ、リサイクルガスは、供給ガスまたは吸収体へ供給され、および/または除去カラムは、リサイクルガスと混合されるオーバーヘッド生成物を生じさせる。さらに一般的に好ましくは、処理済みのガス(H
2S除去済み)の一部を除去カラム内の除去ガスとして使用し、処理済みのガスの一部
である除去ガス流の圧力を降下させ形成される流れを、超希薄物理溶媒を冷やすために使用する。望ましい場合には、供給ガスの熱容量を、急速気化再生部にて使用し、好ましくは
689kPaG(100psig
)未満の圧力で、CO
2を含有する急速気化蒸気を生じさせてもよい。本発明の主題を制限するものではないが、一般的に好ましくは、供給ガスを圧縮し、急速気化された溶媒を使用して、C
5+炭化水素を凝結させるのに十分な温度まで冷却する。
【0013】
その結果として、発明者は、濃厚な物理溶媒を処理する方法をも検討している。本方法において、濃厚な物理溶媒を、第1の圧力から第2の圧力へ複数の連続する段階にわたって急速気化し、炭化水素を含有する急速気化ガスと急速気化された溶媒とを生成する。その後、このように生じさせた急速気化された溶媒を、第2の圧力から第3の圧力へ加熱およびさらに急速気化することによって、CO
2を含有する急速気化ガスと希薄溶媒とを生成する。その後、希薄溶媒の一部を除去カラムにおいて除去して、除去カラムオーバーヘッド生成物であるガスと超希薄溶媒とを生じさせる。
【0014】
最も典型的には、炭化水素を含有する急速気化ガスおよび除去カラムオーバーヘッド生成物は混合されて、吸収体へリサイクルされる。望ましい場合には、急速気化された溶媒は、吸収体供給ガスおよび/または希薄溶媒
との熱交換によって加熱されてもよい。最も典型的には、第1の圧力は、少なくとも
6895kPaG(1000psig
)であり、第2の圧力は、少なくとも
517kPaG(75psig
)であり、第3の圧力は、
276kPag(40psig
)以下であり、希薄溶媒および超希薄溶媒は、吸収体の異なる位置に供給され、吸収体は、少なくとも
3447kPaG(500psig
)の圧力で動作される。さらに一般的に好ましくは、希薄溶媒の部分を除去するステップは、吸収体からの処理済みの供給ガスを除去ガスとして使用して実行され、および/または、希薄溶媒の一部は、希薄溶媒の20%〜50%である。
【0015】
よって、発明者は、供給ガスから酸性ガスを除去するためのプラントをも検討している。本プラントは、供給ガスを受け取って、少なくとも
3447kPaG(500psig
)(より典型的には、少なくとも
6895kPaG(1000psig
))の圧力で処理済みのガスを生じさせる吸収体を含み、本吸収体は、希薄物理溶媒と超希薄物理溶媒とを別個に受け取って、濃厚な物理溶媒を生じさせる。急速気化再生部は、吸収体に流動的に結合され、濃厚な物理溶媒を受け取って、濃厚な物理溶媒から希薄物理溶媒を生じさせ、除去カラムは、急速気化再生部に流動的に結合され、希薄物理溶媒の第1の部分を受け取って、希薄物理溶媒から超希薄物理溶媒を生じさせる。最も典型的なプラントにおいては、第1の導管が急速気化再生部に結合され、希薄物理溶媒の第2の部分を吸収体に提供し、第2の導管が除去カラムに結合され、超希薄物理溶媒を吸収体に提供する。
【0016】
一般的に好ましくは、急速気化再生部は、複数の急速気化容器と、急速気化容器から吸収体および/または供給ガスへ急速気化蒸気を供給する複数の各導管とを有する。さらに、一般的に好ましくは、急速気化再生部は、少なくともなんらかの成果物および冷凍成分を回収するための複数の油圧タービンを備える。典型的には、検討されたプラントは、除去カラムに結合されて除去カラムオーバーヘッド生成物を吸収体へ提供する第3の導管をも含むであろう。本発明の主題を制限するものではないが、好ましくは、本プラントは、吸収体に動作可能に結合されて供給ガスからC
5+炭化水素を凝結および分離させるのに十分な温度まで供給ガスを冷却するための冷却器および分離器をも含むであろう。
【0017】
本発明の主題の様々な目的、特徴、側面、および利点は、本発明の好ましい実施形態についての以下の詳細な説明からいっそう明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の主題に係る物理溶媒を使用する酸性ガス除去のためのプラントの例示概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
比較的高いCO
2およびH
2S含有量の供給ガスは、供給ガスに対して希薄および超希薄溶媒を用いたデュアル物理吸収を行うことによって、パイプラインに適合した生成物を生じさせるために効果的かつ概念上平易なやり方で処理可能であるということを発明者は発見した。希薄溶媒は、急速気化ガスのリサイクルによって炭化水素損失を最小限にすることができる処理において、急速気化された加熱済みの濃厚な溶媒から形成される。超希薄溶媒は、処理済みの供給ガスを除去ガスとして使用して超希薄溶媒において非常に低い濃度の酸性ガスを得る除去カラムにおいて、急速気化された加熱済みの濃厚な溶媒から形成される。
【0020】
本発明の主題の特に好ましい側面において、炭化水素損失を最小限にするために、炭化水素が濃厚な急速気化ガスを一連の急速気化容器において生じさせ、このように形成された酸性ガスが豊富な急速気化された溶媒は加熱されて、圧力が少なくとも準大気圧下で動作する少なくとも1つの分離器までさらに降下して、酸性ガス流と、希薄溶媒とを生じさせる。除去カラムは、処理済みのガスの一部を使用して最後の段の分離器から希薄溶媒の一部(好ましくは、20%〜50%)をさらに除去して、100ppmv未満、より好ましくは10ppmv未満、最も好ましくは4ppmv未満のH
2S含有量の超希薄溶媒を生じさせる。
【0021】
したがって、検討された方法および構成は、冷凍された供給ガスと、希薄物理溶媒と、超希薄物理溶媒とを受け取る吸収体の存在によって特徴づけられてもよい。最も典型的には、供給ガスおよび両溶媒は、外部冷凍成分および濃厚な溶媒を急速気化することで生成される内部冷凍成分によって冷却される。供給ガスは、少なくとも10モル%、より典型的には少なくとも20モル%、最も典型的には少なくとも30%のCO
2と、少なくとも1000ppmv、最も好ましくは少なくとも1モル%のH
2Sとを典型的には備える。さらに、供給ガスは、典型的には、少なくとも
1379kPaG(200psig
)、より典型的には少なくとも
2758kPaG(400psig
)、最も典型的には少なくとも
4137kPaG(600psig
)に上昇された圧力である。特定の性質および供給ガスのCO
2含有量によるが、少なくとも
4826kPaG(700psig
)、より好ましくは少なくとも
6895kPaG(1000psig
)、最も好ましくは少なくとも
8274kPaG(1200psig
)まで供給ガスの圧力をさらに上昇させるのが好ましい。望ましい場合には、検討されたプラントは、1つ以上の熱交換器および/または供給ガスを、凝結およびより重い炭化水素(例えば、C
5+)の塊の除去に適した温度へ冷凍するための供給ガス冷凍器をも含むであろう。
【0022】
その結果、少なくとも10モル%のCO
2含有量と、少なくとも0.01モル%のH
2S含有量とを有する供給ガスから酸性ガスを除去する方法の、特に検討された方法において、供給ガスを少なくとも
3447kPaG(500psig
)の圧力で吸収体内を逆流するように通過させて、希薄物理溶媒と、超希薄物理溶媒とに接触させる。希薄物理溶媒および超希薄物理溶媒は、吸収体内の異なる位置に供給される。このように形成された濃厚な物理溶媒は、その後、急速気化再生部にて再生され、希薄物理溶媒を生じさせる。希薄物理溶媒の一部は、吸収体へ供給され、希薄物理溶媒の他の部分は、除去カラムへ供給されて、超希薄物理溶媒を生じさせる。
【0023】
したがって、異なる視点から見ると、発明者は、濃厚な物理溶媒を処理する方法をも検討している。本方法において、濃厚な物理溶媒は、第1の圧力から第2の圧力へ複数の連続する段階で急速気化されて、炭化水素を含有する急速気化ガスと急速気化された溶媒とを生成し、急速気化された溶媒は、第2の圧力から第3の圧力へ加熱およびさらに急速気化されて、CO
2を含有する急速気化ガスと希薄溶媒とを生成する。その後、希薄溶媒の一部を除去カラムにおいて(好ましくは、処理済みの供給ガスで)除去して、除去カラムオーバーヘッド生成物と超希薄溶媒とを生じさせる。
【0024】
濃厚な溶媒の急速気化は、好ましくは、メタンおよびエタン(好ましくは、少なくとも90%、いっそうより好ましくは少なくとも95%)の回収を可能とする条件下で行われ、供給ガス、希薄溶媒、および/または圧縮器からの放出からの排熱を使用して加熱が行われるのが好ましい。他の利点としては、検討された構成および方法は、急速気化された濃厚な溶媒を吸収体への希薄溶媒を冷却した後に供給ガスの圧縮器からの放出を冷却する際に使用することによって冷却水の消費を削減するという、外部冷凍成分および冷却水消費の削減を可能にする。追加的にまたは選択的に、吸収体のオーバーヘッド処理済みのガスの少なくとも一部を、吸収体への供給ガスの冷却に使用することができ、これは供給ガス冷却器の冷凍要件を最小限にする。
【0025】
例えば、本発明の主題に係る、検討されたプラントの一構成を
図1に示す。典型的には12モル%のCO
2と0.1モル%のH
2Sとを有する、華氏100度および
4482kPaG(650psig
)の乾燥した供給ガス流1は、リサイクルガス流50と混合され、圧縮器51によって圧縮され、約
8274kPaG(1200psig
)および華氏170度の流れ2を形成する。ここで使用されるように、数字と組み合わせた「約」という用語は、当該数字の範囲を示すものであり、当該数値の絶対値の20%以下から当該数値の絶対値20%以上までを含む。例えば、「約華氏−100度」という用語は、華氏−80度から華氏−120度までの範囲を示し、「約
6895kPaG(1000psig
)」という用語は、
5516kPaG(800psig
)から
8274kPaG(1200psig
)までの範囲を示す。圧縮器からの放出は、交換器(例えば、周囲冷却器)52によって冷却され、約華氏120度の流れ3を形成する。交換器52内の冷却度合いは、溶媒再生のための加熱要件を満たすため、必要に応じて調整することができる。流れ3は、交換器53において濃厚な溶媒流21によって約華氏10度までさらに冷却されて流れ4を形成し、交換器54において処理済みのガス流9によって約華氏0度まで冷却されて流れ5を形成し、流れ5は、交換器(例えば、プロパン冷却器)55において外部冷凍成分を使用して最終的に約華氏−20度まで冷却される。冷却された流れ6は、分離器56においてさらに処理され、炭化水素液流8と蒸気流7とを形成する。炭化水素液流8は、販売用にさらに処理され得(図示せず)、蒸気流7は、吸収体57に供給される。
【0026】
冷却された供給ガス流7は、下部においては希薄溶媒流31により、その後、上部において超希薄溶媒43により、逆流するように擦り落とされ、約華氏−12度の処理済みのガス流9と、濃厚な溶媒流10とを生じさせる。最も典型的には、吸収体は、パッキングまたはトレイ、もしくは他の適切な酸性ガス吸収用媒体を含む、従来の接触装置を収容している。
【0027】
濃厚な溶媒流は、第1の油圧タービン58を介して圧力が約
5171kPaG(750psig
)まで降下し、約華氏−8度の流れ11を形成する。圧力が降下した流れは、分離器59において分離され、急速気化された蒸気流13と、急速気化液流12とを生じさせる。急速気化液は、第2の油圧タービン60を介して圧力が約
1274kPaG(250psig
)までさらに降下し、流れ14を形成する。圧力が降下した流れは、分離器61において分離され、急速気化された蒸気流16と、急速気化液流15とを生じさせる。このような構成では、油圧タービンは、成果物を提供する(例えば、溶媒循環ポンプを駆動する、または電気を生成する)ためのシャフト作業を行う一方で、膨張による冷凍冷却と酸性ガス成分の急速気化を生じさせるため、エネルギー効率のよい装置として動作すると認識されるべきである。
【0028】
急速気化された溶媒流15は、JTバルブ75において圧力が約
621kPaG(90psig
)までさらに降下し、約華氏−11度の流れ17を形成する。圧力が降下した流れは、分離器62において分離され、急速気化された蒸気流19と、急速気化液流18とを生じさせる。急速気化液は、JTバルブ76を介して圧力が約
414kPaG(60psig
)までさらに降下し、約華氏−14度の流れ20を形成する。急速気化された溶媒中の冷凍成分は、交換器63において、希薄溶媒流30を冷凍することによって回収される。この交換器において、急速気化された溶媒は、約華氏−10度まで加熱され、流れ21を形成し、交換器53において供給ガス流によってさらに加熱される。流れ22は、ほぼ大気圧で動作する分離器63において分離され、急速気化された蒸気流24と、急速気化液流23とを生じさせ、急速気化液流23は、JTバルブ77において圧力が約
14〜21kPaA(2から3psia
)の真空圧まで降下し、流れ25を形成する。圧力が降下した流れは、真空分離器64において分離され、急速気化された蒸気流27と、急速気化液流26とを生じさせる。
【0029】
急速気化液流26は、流れ26の20%から80%、好ましくは25%から75%、最も好ましくは30%から70%が流れ28を経由して除去カラム70へ送られるように、流れ28と流れ29とに分割される。流れ29は、ポンプ72によって約
8963kPaG(1300psig
)まで圧送されて流れ30を形成し、流れ30は、交換器63において、吸収体の中間部への供給以前に、急速気化された溶媒流20から自己生成冷凍成分を使用して冷却される。流れ28は、超希薄溶媒流34Aからの残りの熱を使用して交換器68により加熱されて流れ32を形成し、流れ32は、交換器69において、圧縮器から放出された(または他の排熱源)排熱を使用して、約華氏80度から120度にさらに加熱されて流れ33を形成し、除去装置70に供給される。このような高い供給温度は、超低硫黄含有量の処理済みのガスを生じさせる必要のある除去処理を向上させるものであることが理解されるべきである。
【0030】
効果的な除去のために、約2%〜5%の高圧の処理済みガスである流れ44が、除去ガス流46として使用され、残りは流れ45としてパイプラインまたは他の送り先へ供給される。除去処理のエネルギー効率をさらにいっそう改善するため、高圧除去ガス流46は、圧力がJTバルブ78により降下されて流れ47を形成し、流れ47は、流れ34によって交換器71内で約華氏100度に加熱されて除去装置の底部に入る前に流れ48を形成する。JT冷却によって生じた冷凍成分は、超希薄溶媒を冷やす際に回収される。多くの場合、溶媒流への除去ガスは、約5〜30の容積比で維持される。典型的には、ストリッピング動作は、超低硫黄パイプライン仕様(2ppmv)に適合するよう供給ガスを処理するために使用され得る10ppmv未満のH
2S含有量を有する超希薄溶媒を生じさせることができる。CO
2成分は、0.1モル%以下に減少させることができる。最も典型的には、除去装置は接触装置、パッキングまたはトレイ、もしくは他の適切な酸性ガス除去用媒体を有する。
【0031】
除去装置は、酸性ガスが濃厚なオーバーヘッド蒸気35と、超希薄溶媒34とを生じさせる。超希薄溶媒34は、交換器71において、流れ47との交換によって冷やされて流れ34Aを形成し、流れ34Aは、さらに交換器68において冷やされて流れ41を形成し、その後、流れ41は、ポンプ73によって吸収体の圧力に圧送されて流れ42を形成し、流れ42は、吸収体57に入る前に冷却器74においてさらに冷やされる。オーバーヘッド蒸気は、圧縮器66によって約
621kPaG(90psig
)に圧縮されて流れ36を形成し、流れ36は、交換器79において冷やされて、流れ19と混合される前に流れ37を形成する。混合流38は、圧縮器67の低段階へ供給される。圧縮器67は、急速気化された蒸気流13および16をさらに圧縮して約
4482kPaG(650psig
)の圧縮蒸気流49を生成し、圧縮蒸気流49は、交換器72において、吸収体または供給ガスへのリサイクルの前に冷やされる。
【0032】
(真空ポンプ65から出される)CO
2流24および39は混合されて、EORに使用可能な流れ40を形成する。流れ40内の炭化水素含有量は、典型的には5モル%未満である。
【0033】
適切な供給ガスに関して、そのようなガスの圧力にはかなりばらつきがあることがあり、ガスの性質が少なくとも部分的に圧力を決めることになることが理解されるべきである。しかしながら、特に好ましくは、供給ガスは、少なくとも
2758kPaG(400psig
)、より典型的には少なくとも
5171kPaG(750psig
)、いっそうより典型的には少なくとも
6895kPaG(1000psig
)、最も典型的には少なくとも
8274kPaG(1200psig
)の圧力を有する。望ましい場合には、供給ガスの圧力を、供給ガスを単体でまたはリサイクルガスと組み合わせて圧縮する圧縮器を使用して上昇させてもよい。同様に、溶媒の性質にはかなりばらつきがあることがあり、すべての物理溶媒およびその混合物は、本明細書において使用に適したものとされる。当該技術において周知の物理溶媒は数多くあり、好ましい物理溶媒の例としては、FLUOR SOLVENT(商標)(炭酸プロピレン)、NMP(N−メチルピロリドン)、SELEXOL(商標)(ポリエチレングリコールのジメチルエーテル)、およびTBP(燐酸トリブチル)、および/または様々なポリエチレングリコールジアルキルエーテルなどが含まれる。選択的に、物理溶媒と同様の挙動修正を有する増強第三級アミン(例えば、ピペラジン)または他の溶媒もしくは溶媒の混合物といった他の溶媒を使用してもよい。化学的溶媒は一般に好ましくない。よって、特に適切な溶媒は、化学的溶媒以外のものを含む。
【0034】
濃厚な溶媒の急速気化は、数々の装置を使用して行なってもよく、すべての減圧装置が本明細書において使用に適していると一般的に考えられる。しかしながら、減圧量に関しては、(成果物の提供および/または冷却後の)濃厚な溶媒は、その圧力を、約20%から70%のメタン含有量を有する急速気化された蒸気を(好ましくは加熱せずに)放出するのに十分な圧力まで降下させるのが典型的には好ましい。このような蒸気は、吸収体へリサイクルされて、メタン損失を5%未満、最も好ましくは1%未満に最小化する。
【0035】
その結果、本発明の主題に係る構成は、アミンまたは他の物理溶媒または膜を含む従来の酸性ガス除去処理と比べて、全体のエネルギー消費および高酸性ガス除去(少なくとも10モル%、さらに典型的には少なくとも30モル%のCO
2と少なくとも0.5モル%、さらに典型的には1モル%のH
2S)に関する資本コストを大幅に削減するであろうと考えられる。さらに、検討された構成および処理は、典型的には外部加熱源を必要とせず、必要であれば、熱は供給ガスおよび/または圧縮熱(冷凍システムおよび/または供給ガス圧縮システムから生じてもよい)によって供給されるであろうから、エネルギー消費をさらに削減し、環境に対する影響をさらに軽減するものである。加えて、高度化された油回収プロジェクトにおいては、供給ガスにおける酸性ガス濃度が典型的には10%から60%まで上昇するという事態が頻繁に生じることに注意すべきである。検討された構成および処理は、このような変化に対して、実質的に同一の溶媒循環によって対応することができる。
【0036】
検討された方法および構成の他の利点としては、蒸気ボイラーまたは燃料ガス加熱などの支援オフサイトおよびユーティリティシステムをあまり必要としないという簡素さが挙げられる。例えば、高酸性ガスの供給ガスの処理のための構成は、冷却処理のために物理溶媒を急速気化することによる冷凍を利用することができ、冷却水消費を最小限にする。唯一のユーティリティ要件は電力であり、(必要であれば)周囲の空気または冷却水でさらに冷やしてもよく、環境に対する影響を大幅に軽減するものである。
【0037】
以上のように、改良された酸性ガス除去のための構成および方法についての特定の実施形態および応用を開示してきたが、本明細書における発明の概念から逸脱することなく、既述以外の数多くのさらなる変更が当業者にとって可能であることは明らかであろう。したがって、発明の主題は、添付の請求項の精神を除き、制限されるものではない。さらに、明細書および請求項双方を解釈するにあたり、すべての用語は、文脈と整合性のあるように、可能な限り最も広く解釈されるべきである。特に、「備える/含む(comprises)」「備える/含む(comprising)」は、要素、構成要素、またはステップを非排他的に述べたものと解釈されるべきであり、参照された要素、構成要素、またはステップを、明示的には参照されていない他の要素、構成要素、またはステップと共に存在、利用、または組み合わせてもよいことを示している。