(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数本の棒状物品からなる製品を、製袋器で筒状に形成される包装フィルムで包み込むと共に、その包装フィルムの所定位置をシール・カットして包装するピロー包装機本体と、
そのピロー包装機本体の上流側に配置され、前記製品をその長手方向を搬送方向に向けて搬送するとともに、前記ピロー包装機本体に順次供給する搬送供給コンベアと、
を備えたピロー包装機であって、
前記搬送供給コンベアの搬出端と、前記ピロー包装機本体の搬入側に設けられた前記製袋器との間に、昇降することで前記製品の下面に接触離反する渡り部材と、その渡り部材を昇降させる駆動源を有する渡り装置を設け、
その駆動源の駆動により前記渡り部材が上昇位置に至ると前記搬送供給コンベアから前記製袋器に移送中の前記製品の下面に前記渡り部材が接触し、前記搬送供給コンベアによる前記製品への搬送力が解除されて前記製品が前記ピロー包装機本体からの搬送力で運ばれる際には、前記駆動源の駆動により前記渡り部材が下降移動して前記製品に非接触となるようにしたこと特徴とするピロー包装機。
前記搬送供給コンベアは、前記搬送面を構成する前後に配置された複数枚のプレートを備えたプレートコンベアであることを特徴とする請求項1または2に記載のピロー包装機。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、この種の包装機は、搬送供給装置の搬送面に比べて、製袋器の底面を低い位置に設定している。これは、製袋器の構造上、プレートコンベア側に延長して隙間を埋めることができないため、搬送供給装置と製袋器の搬送面を面一にしていると製品が製袋器の下側に入り込む場合がある。これを防止するため製袋器のレベルを下げている。しかし、プレートがリターン側に回り込む際の周回する動きに製品が追随することによる角速度の影響や、段差による滑りによって製品にずれが生じてしまう。
【0007】
さらに、複数の棒状物品のうち、フィルムに接触している外周囲に位置するものはフィルムからの接触抵抗を受けてフィルムと同一速度で移動し、複数の棒状物品の中心部に位置するものは当該フィルムからの影響は少なく搬送供給装置からの搬送力や、段差による滑りにより前進移動しようとする力の影響を大きく受ける。その結果、複数の棒状物品は、場所により異なる搬送速度を受け、後端がそろわず、包装機本体でのエンドシール装置での噛み込みを招くおそれがある。その結果、特に、複数の棒状物品のうちの中央が速く移動して後端が揃わなくなる現象を生じるといった課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するために、本発明のピロー包装機は、(1)複数本の棒状物品からなる製品を、製袋器で筒状に形成される包装フィルムで包み込むと共に、その包装フィルムの所定位置をシール・カットして包装するピロー包装機本体と、そのピロー包装機本体の上流側に配置され、前記製品をその長手方向を搬送方向に向けて搬送するとともに、前記ピロー包装機本体に順次供給する搬送供給コンベアと、を備えたピロー包装機であって、前記搬送供給コンベアの搬出端と、前記ピロー包装機本体の搬入側に設けられた前記製袋器との間に、昇降することで前記製品の下面に接触離反する渡り部材
と、その渡り部材を昇降させる駆動源を有する渡り装置を設け、
その駆動源の駆動により前記渡り部材が上昇位置に至ると前記搬送供給コンベアから前記製袋器に移送中の前記製品の下面に前記渡り部材が接触し、前記搬送供給コンベアによる前記製品への搬送力が解除され
て前記製品が前記ピロー包装機本体からの搬送力で運ばれる際には、前記駆動源の駆動により前記渡り部材が下降移動して前記製品に非接触となるようにした。
【0009】
渡り装置が、昇降する渡り部材であるので、構成が簡単で小型に構成できる。昇降する駆動源としては、実施形態のようにシリンダで構成すると、装置構成が小型・簡易化できるばかりでなく、制御も容易になる。特に、下降位置では渡り部材の上面が製品と非接触になればよいので、ラフに設定でき、また、上昇位置も製品の下面に接触する所望位置にあればよいので、シリンダロッドが最も突出した際の上面の位置が、当該所望位置になるように設定すればよく調整も容易となる。
【0010】
この発明によれば、搬送供給コンベアの搬送面の前端から、製袋器までの距離がある程度有り、両者の間に空間が空いたとしても、その空間内に渡り部材が配置され、その渡り部材が上昇位置にあるときは製品の下面(底面)に接触してそれを支持できるため、空間内で落下することもなく確実に製品を製袋器側に移し替えることができる。しかも、上昇位置においては製品の下面(底面)に当接して抵抗となり、製品に制動力を与えることでずれを防止する。また、製品が搬送供給コンベアからの搬送力を受けなくなる際には渡り部材が下降して製品と非接触になるので、製袋器内に供給された製品の搬送の妨げにならない。
【0011】
また、製品に対する搬送供給コンベアからの搬送が解除される際(直前)に、渡り部材を下降させる。これにより、製品から渡り部材が離反するので、渡り部材は製品の搬送に対する抵抗要因とならず、スムーズに搬送することができる。
【0012】
搬送供給コンベアからの搬送力を製品が受けている間は、渡り部材は製品に接触して抵抗力を発揮している方がよいとともに、搬送供給コンベアからの搬送力を受けなくなり包装機本体側の搬送力のみ受けている製品にとっては、渡り部材と接触しない方がよい。そこで、搬送供給コンベアによる前記製品への搬送力が解除される際であるが、解除される瞬間、実際には直前とするのがよい。
【0013】
また、特に、乾麺等の比較的軽量な物品の場合、渡り部材のような固定系の部材からの接触抵抗もスムーズな搬送を阻害する要因になりかねず、しかも、製品長が長いと、接触している期間も長くなるが、搬送供給コンベアからの搬送力が解除される適宜のタイミングで非接触となることで、ピロー包装機本体上での製品のスムーズな搬送を確保できる。
【0014】
これに対し、渡り装置が、ベルトコンベア(渡りベルト)とすると、渡りベルトの搬送速度をピロー包装機本体における搬送速度に一致させることで抵抗成分となることはないが、装置が大型化し、搬送供給コンベアと製袋器の狭い空間内に配置するのが困難とある。
【0015】
(2)前記搬送面と、前記上昇位置に至った前記渡り部材の上面と、前記製袋器の底面は、面一に配置されるようにするとよい。本発明では、搬送供給コンベアと製袋器の間の空間内に渡り部材を配置することで、搬送供給コンベアから搬出される製品の下面がその渡り部材で支持されるため、そのまま真っ直ぐに下降することなく前進移動させることができる。よって、搬送供給コンベアの搬送面とも製袋器の底面が面一になっても、確実に製品を製袋器側に移動することができる。そして、搬送供給コンベアの搬送面と製袋器の底面の高さが等しくなることで、整体供給コンベアから搬出途中の製品がずり落ちて搬送供給コンベアの搬送速度よりも製品が速く移動することもなく、所望のタイミング・位置で製品を製袋器側に供給することができる。
【0016】
なお、上記の(1)の発明でも説明したとおり、上昇位置にある渡り部材は、製品の下面に接触して制動力を発揮するため、搬送供給コンベアの搬送面に対し、製袋器の底面の高さ位置を下にずらす設定をとることもできる。その場合には、好ましくは、上昇位置に至った渡り部材の上面は、搬送供給コンベアの搬送面の高さ以下であり、かつ、その搬送面の前端から製袋器の底面を結ぶ仮想線以上に位置するように設定されるようにするとよい。この条件を満たす位置であれば、搬送供給コンベアの搬送面の前端から突出した製品の先端下面は、上昇位置にある渡り部材の上面に確実かつスムーズに乗っかり、そのまま製袋器へと渡すことができるとともに、渡り部材は製品に対してある程度の制動力を与えるため、多少段差(製袋器側が低い)があっても、製品が滑り落ちてずれを生じることが抑制できる。
【0017】
(3)前記搬送供給コンベアは、前記搬送面を構成する前後に配置された複数枚のプレートを備えたプレートコンベアとすることができる。特にプレートコンベアの場合、プレートは搬送面の前端に至るとそこから回転しながら進行方向を変えて搬入側に戻る。そのプレートの下降移動に伴い、プレートに接触している製品の後端がプレートの移動と共に下降移動しようとするが、本発明では製品の下面に渡り部材が接触しており、係る下降移動が抑止される。よって、下降移動に伴う増速もせず、搬送供給コンベアが持つ本来の搬送速度で製品が供給され、複数の棒状物品の先端(後端)がそろった状態のまま製袋器側への移し替えができる。
【0018】
(4)上記の(3)の発明を前提とし、前記搬送供給コンベアは、前後方向で一定間隔ごとにその搬送面の上方に突出するように配置された位置決め板を備える。さらに、前記搬送途中の前記製品の前面に接触する位置決めプッシャーと、その位置決めプッシャーを移動させる移動手段と、を備えた位置揃え装置を設ける。そして、その移動手段は、前記製品の前面に接触した状態で相対的に後方に付勢することで、前記製品の後面を後方の前記位置決め板に接触させて位置決めするように移動させるようにするとよい。係る構成を採ると、搬送途中で確実に製品の後端位置を揃えることができ、そのままの姿勢でピロー包装機本体へ供給できる。搬送供給コンベアによる前記製品への搬送力が解除される際とは、位置決め板が製品から離反される際となる。
【0019】
(5)上記の(3)または(4)の発明を前提とし、搬送面上の横幅を規制するサイドガイド装置を備え、そのサイドガイド装置は、搬送面上に左右にそれぞれ配置され、複数の循環するサイドガイド部材(実施形態のサイドガイド板に対応)と、その複数のサイドガイド部材を前記搬送面の移動に同期させて前進移動させる手段(エンドレスチェーン12等)を備えると良い。この場合に、サイドガイド部材板の下端が前記搬送面に接触するように構成してもよいし、搬送面の下方に突出するように構成しても良い。サイドガイド部材も移動することで、搬送供給コンベア上において、製品をスムーズに搬送させることができる。
【0020】
ところで、特許文献1に開示された搬送供給装置は、物品搬送樋通路の形状が一定であり、搬送幅が変更できない。本発明は、このように搬送幅が変更できないものでも良いし、実施形態に示すように搬送幅か変更できるものでも良い。但し、搬送幅が一定のものを用いた場合、例えば、搬送する一纏めの長物棒状物品の本数が少なくなると、一纏めの長物棒状物品群の高さが低くなり、押送板で押しにくくなる。
【0021】
さらに、物品搬送樋通路の幅が一定であることから、次段のピロー包装機本体の製袋器の横幅も、その物品搬送樋通路の幅に対応するものとなり固定である。そのため、製袋器で筒状に整体された筒状フィルムも、横幅は一定となり、本数が少なくなった一纏めの長物棒状物品群は、横幅に対して高さの比が小さい偏平な形状となることから、製造される包装体も偏平となり、見た目が悪くなる。これにより、一纏めの長物棒状物品の総量に応じて、適切な状態・形態で搬送するようにしたいという課題がある。
【0022】
(1)′そこで、搬送幅を変えるためには、搬送供給コンベアを、複数本の棒状物品からなる製品をその長手方向を搬送方向に向けて搬送するコンベア装置と、そのコンベア装置の搬送面上の横幅を規制するサイドガイド装置と、を備え、そのサイドガイド装置は、搬送面上に左右にそれぞれ配置される複数の循環するサイドガイド板と、その複数のサイドガイド板を前記搬送面の移動に同期させて前進移動させる手段(エンドレスチェーン12等)と、左右に配置されるサイドガイド板の少なくとも一方を搬送方向と交差する方向に移動する手段(ハンドル等)と、を有し、前記サイドガイド板の下端が前記搬送面に接触するように構成するとよい。
【0023】
このようにすると、サイドガイド板の横方向の位置を変更できるので、搬送する製品を構成する棒状物品の量(本数)が多い場合には、サイドガイド板を進行方向外側に移動して一対のサイドガイド板間の間隔(搬送面の横幅)を広げ、製品が不必要に嵩が高くなるのを抑制できる。また、製品を構成する複数の物品の量が少ない場合には、逆にサイドガイド板を中央に寄せて両者の間隔を狭める設定とすることで、製品が横に広がって嵩が低く偏平になることもなく、縦横の比が適切な状態にすることができる。
【0024】
さらに、サイドガイド板の下端は、搬送面に接触しているので、サイドガイド板の荷重は、搬送面で支えられるため、そのサイドガイド板を移動させる駆動機構(実施形態ではエンドレスチェーン等)に対して下方へ過度の荷重がかからない。よって、エンドレスチェーン等の延びの問題を可及的に抑制でき、搬送装置の全長を長くしても、簡易な構成で実現・対応できる。さらにそのようにサイドガイド板の下端が搬送面に接触しているので、隙間が無いか、部分的・一時的に隙間が生じたとしても、ごく僅かであるとともに、1つの製品に接する複数のサイドガイド板の全てが、同時に接触面から大きく離反することはないので、製品が当該隙間内に入り込むことが可及的に抑制できる。さらにまた、サイドガイド板が搬送面に接触しつつ供に移動するため磨耗による異物の発生もない。
【0025】
なお、このように回転移動するサイドガイド板の下端を搬送面接触させるのではなく、搬送面よりも下方に突出させることもできる。この場合、サイドガイド板は、プレートの外側に位置させることになり、製品の横からの落下を防止するためには、搬送面の横幅に前後で適宜広狭を設け、狭い部分にサイドガイド板の下端を挿入する。これにより、サイドガイド板は前後に連続するのではなく、離散配置されることになり、棒状物品の幅方向の移動は、そのサイドガイド板により規制され、下方への落下は幅の広い部分(サイドガイド板の外側に突出する)で規制することができる。また、サイドガイド板と称しているが、平板に限ることはなく、棒状体でも良い。
【0026】
(2)′前記コンベア装置は、プレートコンベアであって、前記搬送面を構成する前後に配置された複数枚のプレートと、前後方向で一定間隔ごとにその搬送面の上方に突出するように配置された位置決め板とを備えるとよい。このようにすると、製品を位置決め板に接触させることで、前後に一定の間隔で製品を搬送することができる。位置決め板は、製品の先端(実施形態では、後端面)の全面に接触する寸法形状とする良い。
【0027】
(3)′前記搬送方向と交差する方向に移動するサイドガイド板は、少なくとも前記位置決め板の形成位置には設置しないようにした。このようにすると、サイドガイド板が搬送方向と交差する方向に移動したとしても、その移動範囲内で前記位置決め板と干渉しないですむ。よって、位置決め板の寸法形状を、一対のサイドガイド板間が最大幅に対応するものにすることで、サイドガイド板を移動して幅を調整しても位置決め板は共通のものを用いることができ、交換不要となる。
【0028】
(4)′上記の(2)′,(3)′の発明を前提とし、前記コンベア装置の上方に、位置揃え装置を設け、その位置揃え装置は、搬送途中の前記製品の前面に接触する位置決めプッシャーと、その位置決めプッシャーを移動させる移動手段と、を備え、その移動手段は、前記製品の前面に接触した状態で相対的に後方に付勢することで、前記製品の後面を後方の前記位置決め板に接触させて位置決めするように移動させるものとするとよい。このようにすると、搬送される前後の製品の間隔を確実に一定間隔ごとに揃えることができる。
【0029】
(5)′上記の(4)′の発明を前提とし、前記位置決め板の後方には、前記プレートコンベアを構成するプレートを設けずに空間を形成し、前記移動手段は、前記位置決めプッシャーの下端が、その空間内に入り込むようにするとよい。このようにすると、製品の下側まで完全に位置決めプッシャーが接触させることができ、後方に付勢して位置決めをすることができる。
【0030】
(6)′上記の(4)′または(5)′の発明を前提とし、前記移動手段は、前記位置決めプッシャーが前記製品に接触し後方へ付勢している区間では、その位置決めプッシャーを前記位置決め板の移動速度よりも遅い速度で前進移動するように制御するとよい。このようにすると、製品を後方に押し戻すことなく前進移動させながら位置決めをすることができるので、その製品が過度な力で位置決め板に接触することを抑制できる。
【0031】
(7)′前記コンベア装置の上方に、前記搬送面上に製品を供給する製品供給装置を設け、その製品供給装置は、開閉する底板と、その底板の上側空間を仕切るガイド部材とを備え、そのガイド部材は、少なくとも前記サイドガイド板の上方に設けたガイド部を有し、前記搬送方向と交差する方向に移動するサイドガイド板の上方に位置する前記ガイド部は、そのサイドガイド板の移動と追従して移動するものとするとよい。このようにすると、製品を底板の上に置くと、タイミングをあせて底板が開くことで搬送面への供給がスムーズに行える。しかも、横方向の幅を規制するガイド部(実施形態のサイドガイド棒36)が、ガイド板に合わせて横方向に移動することから、搬送面の幅方向全面に均一に供給することが可能となる。
【0032】
(8)′上記の(7)′の発明を前提とし、前記底板は、左右に開く一対の底板であり、前記移動するガイド部の位置に関係なく、開放状態は一定とするとよい。このようにすると、底板を開閉するための駆動機構・制御が簡易にすることができる。
【発明の効果】
【0033】
乾麺等の長物棒状物品をスムーズに搬送し、ピロー包装機本体に供給することができる。また、複数の長物状物品で構成される製品が、綺麗な状態を保ちながら移し替えできる。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図1,
図2は、本発明に係るピロー包装機の好適な一実施形態の全体図を示している。このピロー包装機1は、乾麺・スパゲッティ等の多数の長物棒状物品からなる被包装物となる製品2をピロー包装するピロー包装機本体3と、そのピロー包装機本体3の上流側に配置され、製品2を前後に所定の間隔をおいて搬送するとともにピロー包装機本体3に対して順次供給する搬送供給装置4と、それらピロー包装機本体3と搬送供給装置4の間に実装される渡り装置5と、を備えている。
【0036】
図3〜
図6は、搬送供給装置4の搬出側・渡り装置5並びにピロー包装機本体3の搬入側を拡大して示している。搬送供給装置4は、乾麺・スパゲッティ等の多数の長物棒状物品からなる被包装物となる製品2を、前後に所定の間隔をおいて長手方向を搬送方向に向けて搬送し、次段のピロー包装機本体3に対して順次供給するものである。また、本実施形態の製品2となる多数の長物棒状物品は、所定本数ごとにテープで束ねた長物棒状物品束2aを複数個配置した状態としている。もちろん、このように長物棒状物品束2aとするのではなく、全てがばらばらの状態(バラ麺)のものでもよい。
【0037】
ピロー包装機本体3は、搬送供給装置4の搬出側端に、製袋器3aを配置するとともに、搬送供給装置4の下方に原反ロール3bを配置し、その原反ロール3bから連続して繰り出した帯状フィルム3cを製袋器3aに供給し、そこにおいて筒状に製袋する。搬送供給装置4から搬出される製品2は、所定間隔ごとに製袋器3a内に供給されるので、筒状に製袋される帯状フィルム内に収納される。ピロー包装機本体3は、製袋器3aの下流側に、センターシール装置やエンドシール装置等の各構成部品を配置している。
【0038】
製品2を搬送する搬送面を構成する主搬送コンベア10は、プレートコンベアからなる。すなわち、搬送供給装置4の搬送方向の左右両側に、垂直面内で回転する一対のエンドレスチェーン12が配置される。この一対のエンドレスチェーン12は、搬送供給装置4の前後両端に配置されたスプロケット11,11′に掛け渡され、駆動モータ13に連携される前端側のスプロケット11から駆動力を得て、一体に回転する。そして、両エンドレスチェーン12間に掛け渡すように、多数の帯状のプレート15が取り付けられる。なお、図示の例では、前後端に一対のスプロケット11,11′を配置しているが、本実施形態では、搬送装置の全長を長くしているので、中間の適宜位置にエンドレスチェーン12にかみ合うスプロケットを配置するのを妨げない。また、駆動力は、前端側のスプロケット11のみとしているが、これも、後端側のスプロケット11′にも駆動力を与えても良いし、中間にスプロケットを設ける場合に、当該中間のスプロケットに駆動力を与えてもよい。
【0039】
このプレート15は、搬送方向と直交する方向に延びる細長な形状で、
図7に拡大して示すように、所定枚数(n枚)を前後に隙間無く並べて配置し、一定の面積からなる底のあいていない搬送面を構成する。さらに、プレート15を前後にn枚連続して配置したならば、所定長さ分だけプレート15を取り付けず、その所定長さ分をおいて再びプレート15をn枚分連続して配置するレイアウトを採る。これにより、
図7に示すように、n枚分連続したプレート15群の前後には、所定の空間Kが形成される。
【0040】
さらに、このn枚分のプレート15全体の全長は、製品2の全長よりも短くしている。これにより、n枚のプレート15からなる搬送面上に製品2を置いた状態では、製品2の一端が空間K内に位置することになる(
図8参照)。もちろん、このように製品2の全長の方を長くする設定は、必須のものではなく、両者の全長が同じでも良いし、逆に製品2の全長の方が短くても良い(但し、麺揃え装置がない場合)。
【0041】
この個々のプレート15のエンドレスチェーン12への連結は、
図9(b)に示すように、プレート15の両端を、エンドレスチェーン12に取り付けられたL字金具17上に支持させた状態で、ボルトナットで締結して固定することで行う。これにより、プレート15は、エンドレスチェーン12と一体化する。よって、搬送面を構成するプレート15は、そのエンドレスチェーン12の回転に伴い前進移動するので、そのプレート15の上に供給されて置かれた製品2は、プレート15の前進移動とともに前方へ搬送される。
【0042】
さらに、そのn枚連続したプレート15の進行方向後方側には、L型の位置決め板16が配置されている。この位置決め板16は、起立した垂直壁部16aと、その垂直壁部16aの下端から進行方向後方に向けて延びる基板部16bを備えた形状からなる。
図9(a)等に示すように、この位置決め板16は、基板部16bの下面両端に軸受けガイド部18を取り付け、その軸受けガイド部18の軸受け部18aに、エンドレスチェーン12の内側面に内側に向かって突出するように設けられた支持ピン19を装着する。これにより、支持ピン19を中心に、軸受けガイド部18ひいてはそれに連結された位置決め板16が回転可能となる。そして、軸受けガイド部18の下面がガイド面18bとなり、そのガイド面18bは、軸受けガイド部18の下方所定配置されたガイドレール20に接触した状態となる。この接触した状態では、軸受けガイド部18の回転が規制され、位置決め板16は、垂直壁部16aが起立した状態を維持する。
【0043】
一方、位置決め板16(ガイド面18b)がガイドレール20の未設置領域に至ると支えが無くなるので、位置決め板16は、支持ピン19を中心として垂直壁部16aが進行方向後方側に倒れるように回転する。このように姿勢が変更することで、搬送供給装置4の搬出側端と、次段のピロー包装機本体3(製袋器3a)との間隔を近づけることができる。
【0044】
本実施形態では、搬送面の横幅を規制するサイドガイド装置24を設けている。このサイドガイド装置24は、多数のプレート15で構成される搬送路の横幅を調整する装置である。このサイドガイド装置24は、
図2等に示すように、まずプレート15で構成される搬送路の左右両外側で、搬送供給装置4の前後端位置に設けられたスプロケット25,25′に水平平面内で回転するエンドレスチェーン26を掛け渡す。
図10,
図11等に示すように、そのエンドレスチェーン26に水平支持板27の一端を連結し、その水平支持板27の他端に下方に延びるようにサイドガイド板28を取り付ける。サイドガイド板28・水平支持板27は、前後に所定枚数連続して配置して1グループを形成し、前後のグループ同士の間には、未形成領域を設けている。具体的には、連続して配置されたプレート15の形成領域とほぼ同じ(若干狭い)領域にサイドガイド板28が位置するように形成され、プレート15の未形成領域にはサイドガイド板28も設けない設定としている。もちろん、プレート15の形成領域に対し、図示のものよりもより狭い範囲でサイドガイド板28を設けたり、プレート15の形成領域と完全に一致させたり、逆にプレート15の未形成領域側までサイドガイド板28を設けたりしても良い。さらに、製品2が長物棒状物品であることも相まって、サイドガイド板28は、必ずしも前後に連続して隙間無く配置するものに限ることはなく、前後に配置するサイドガイド板28は、間隔を置いて配置しても良い。
【0045】
さらに、サイドガイド板28の下端は、プレート15の表面に接触している。また、サイドガイド板28とプレート15の前進移動する速度は、同じに設定している。これにより、サイドガイド板28は、プレート15と同期して前進移動し、その際、その下端がプレート15に接触していることから、サイドガイド板28の荷重は、プレート15で支えられ、エンドレスチェーン26に対して下方への荷重がかからないか、かかったとしてもわずかとなる。また、戻り側において水平支持板27は受けレール上をスライドしつつ移動するため、水平支持板27及びサイドガイド板28の荷重は受けレールによって支持される。よって、エンドレスチェーン26の弛みが抑制でき、搬送供給装置4の全長が長いものでも、片側を1本のエンドレスチェーン26でもって構成することができる(短いエンドレスチェーンを一直線上に並ぶように複数配置する必要がない)。
【0046】
左右一対のサイドガイド板28は、プレート15の上に配置されることから、プレート15の上に供給され・搬送される製品2は、プレート15上でもって両サイドガイド板28の間の空間内に収まる。つまり、搬送面の横幅は、一対のサイドガイド板28の間隔で決定される。
【0047】
これらの左右に配置されたサイドガイド板28,水平支持板27,エンドレスチェーン26,スプロケット25,25′等をそれぞれ覆うカバーケース29が配置される。この左右のカバーケース29は、それぞれ対向する面、すなわち、搬送面10側の側面が開口しており、その開口面からサイドガイド板28の表面が露出し、製品2の横方向の移動を抑制し、搬送面の横幅を規制する。
【0048】
このカバーケース29は、内部に配置されるサイドガイド板28,水平支持板27,エンドレスチェーン26,スプロケット25,25′等と一体となって、横方向に移動可能となる。つまり、各カバーケース29は、
図6等に示すように、操作ハンドル30により回転するスクリューネジ等からなる動力伝達機構31に連携され、ハンドル30を正逆回転させると、互いに接近・離反する。これにより、両サイドガイド板28間の間隔が変更され、製品2の搬送面となる横幅が調整可能となる。
図10等は、サイドガイド板28は、プレート15の両端近傍に位置してサイドガイド板28が離反した状態を示しており(横幅最大)、
図5等はサイドガイド板28が中央へ移動して横幅が狭くなった状態を示している。
【0049】
このように本実施形態の搬送供給装置4は、一対のサイドガイド板28の横方向の位置を変更できるので、搬送する製品2を構成する細長棒状物品の量が多い場合には、サイドガイド板28を進行方向外側に移動して一対のサイドガイド板28間の間隔(搬送面の横幅)を広げ、不必要に嵩が高くなるのを抑制できる。また、製品2を構成する細長棒状物品の量が少ない場合には、逆にサイドガイド板28を中央に寄せて両者の間隔を狭める設定とする。これにより、製品2が、横に広がって嵩が低く偏平になることもなく、縦横の比が適切な状態にすることができる。もちろん、このサイドガイド板28の位置の調整は、細棒状物品の量に基づくものに限らず、最終的に製造する包装体の形態に合わせて行うこともできる。
【0050】
また、本実施形態では、ハンドル30を操作することで左右のサイドガイド板28が同期して接近/離反し、中心から両サイドガイド板28までの距離を等しくしたが、それぞれが独立して移動できるようになっていても良いし、片方のみが移動できるようになっていても良い。
【0051】
図1,
図2に示すように、搬送供給装置4の上流側近傍の上方位置には、被包装物供給装置35が配置されている。この被包装物供給装置35は、
図12〜
図16に拡大して示すように、開閉する左右一対の底板43と、その底板43の上方空間を矩形状に仕切るガイド部材とにより構成される製品2の一時貯留部と、底板43や所定のガイド部材を水平方向に移動させる駆動機構を備えている。そして、適宜のタイミングで底板43を水平方向に移動して底を開放することで、一時貯留部に貯留されていた被包装物を自然落下させ、下方に位置する主搬送コンベア10の所定位置に供給するものである。
【0052】
底板43は、主搬送コンベア10の左右両側に配置され、その左右両側端から中央に向かって水平平面内で延びるように櫛歯状に形成された複数本の底板片43aと、基端側(主搬送コンベア10の外側)に上方に向けて起立形成された連結板43bと、を備えている。対となる底板43の底板片43a同士は、同一直線状に配置され、両底板43が接近した状態では、その底板片43aの先端43a′は近接する(
図15等参照)。さらに、
図15に拡大して示すように、底板片43aの長さを交互に長短変えており、対向する両底板片43aの先端43a′の位置が、左右に交互にずれるようにしている。これにより、係る先端43a′が同一直線状にないので、製品2を構成する物品が、バラ麺のように非常に細い棒状物品であっても、一対の底板43(底板片43a)が接近して底が閉じた状態はもちろんのこと、底板43が離反しだして底板片43aの先端43a′が離れていったとしても、製品2を構成する細長棒状物品2aは、開き始めはいずれかの底板片43aに支えられるので、すぐに落下することはない。そして、底板片43aの先端43a′当時が大きく開き、底板43が完全に開放したときに、細長棒状物品2aは落下し、下方に位置する主搬送コンベア10上に供給される。
【0053】
このように、底板片43aの先端43a′がある程度離れるまでは、細長棒状物品が落下しないため、先端43a′同士がわずかに離れて隙間が生じた場合に、その隙間から落下しようとして細長棒状物品が中央に集中し、詰まったり、主搬送コンベア10上で中心側が集中して山状に盛り上がった姿態になることもない。よって、細長棒状物品は、スムーズに落下供給され、主搬送コンベア10のプレート15上に対し、幅方向で均等に供給される。
【0054】
この底板43を水平方向に往復移動させる駆動機構は、シリンダ40を用いている。すなわち、台座板37aの上面所定位置に起立された取付板41にシリンダ40を固定する。この台座板37aの下面所定位置に垂直方向に延びる第1連結部材37bを取り付け、さらにその第1連結部材37bの内側面下方部位と、搬送供給装置4の機枠42との間を第2連結部材37cで連結する。これにより、台座板37aは、機枠42に固定される。そして、この台座板37a上に固定支持されるシリンダ40のシリンダロッド40aの先端には、連結ロッド40bが取り付けられ、その連結ロッド40bの先端に、底板43の連結板43bに固定される。これにより、シリンダ40の動作に伴うシリンダロッド40aの往復移動に追従して、底板43も中心に向かって前後進移動し、互いに接近離反する。
【0055】
さらに本実施形態では、シリンダ40の動作に伴う底板43の中心に向かった前後進移動を、安定した姿勢で行うために、その移動方向と平行にガイドレール48を片側に2本平行に所定の距離を置いて配置する。さらに、そのガイドレール48に対し移動可能なスライダ49を取り付けるとともに、そのスライダ49と底板43の連結板43bとをL字金具49aを用いて連結する。連結板43bに対する取り付け位置は、中央部にシリンダ40に連係される連結ロッド40bが取り付けられ、両端にL字金具49bが取り付けられる。
【0056】
さらに本実施形態では、上述したようにサイドガイド板28が互いに接近離反することで、主搬送コンベア10上における搬送面(搬送路)の幅を調整可能としているが、底板43は、その搬送路の幅に関係なく大きく往復移動するようにしている。つまり、一対の底板43は、搬送路の最大幅に合わせて大きく開くことができるような設定としている。これにより、底板43を開閉するための駆動系が、簡易なシリンダで実現でき、制御・構成が簡略化できる。
【0057】
一方、底板43の上側空間を矩形状に仕切るガイド部材は、搬送方向前側に配置した固定位置決めガイド板45と、搬送方向後方側に配置した移動位置決めガイド板46と、搬送方向両側に配置したサイドガイド棒36と、有している。移動位置決めガイド板46は、搬送方向に沿って前後進移動する。これにより、
図13中実線で示すように、移動位置決めガイド板46を後退移動させて固定位置決めガイド板45との距離を製品2の全長に比べて十分長くすることで、製品2を比較的ラフに供給することが可能となる。そして、製品2を底板43上に供給した後、シリンダ47を動作させて移動位置決めガイド板46を前進移動させる(
図13中二点鎖線参照)。これにより、製品2を構成する多数の長物棒状物品は、移動位置決めガイド板46により前方に押され、前進した移動位置決めガイド板46と固定位置決めガイド板45との間の空間で前後方向の位置決めがなされる。
【0058】
また、サイドガイド棒36は、底板43の下方から上方に向けて突き抜けるように配置されており、具体的には、前後の底板片43aの間の空間内に挿入配置されている。つまり、サイドガイド棒36は、片側に複数本設置される。そして、各サイドガイド棒36は、底板43から上方に垂直方向に延びる本体部分36aと、その本体部分36aの上方につながり外側に傾斜する傾斜部分36bと、を備えている。そしてそれら複数のサイドガイド棒36の本体部部36aの下端は、平面略コ字状の連結プレート39に連結される。この連結プレート39は、水平方向で外側に向けて延び、その先端側でサイドガイド装置24のカバーケース29の天面29aに固定されている。そして、サイドガイド棒36(本体部分36a)は、サイドガイド板28の上方に設置されている。
【0059】
これにより、ハンドル30を操作してサイドガイド板28の位置が左右に移動したとしても、カバーケース29と一体となったサイドガイド棒36もその移動に追従して左右に移動する。例えば
図16中実線で示すように、サイドガイド板28が外側に位置している場合には、サイドガイド棒36も外側に位置し、同図中二点鎖線で示すようにサイドガイド板28が中央側に位置している場合には、サイドガイド棒36も中央側に位置する。
【0060】
そして、サイドガイド棒36により、底板43の上に貯留された製品2を構成する細長棒状物品の横方向の移動が規制される。よって、底板43の上に一時貯留された製品2の貯留空間の横幅と、サイドガイド板28間で規制されるプレート15上での横幅は、その幅寸法並びに配置位置がほぼ一致するため、一時貯留された製品2は、底板43が開くと、そのままスムーズにプレート15上に移ることになる。
【0061】
ところで、主搬送コンベア10の移動と、底板43を開放するタイミングは、主搬送コンベア10に設けた前後の位置決め板16間の領域が、底板43の下方に位置するときに行う。そして、落下供給された製品2が位置決め板16の上端に突き当たり、所望位置に供給されないことを抑止するため、前後の位置決め板16に対し、共に余裕がある離れた位置に落下するように調整される。そのため、主搬送コンベア10上を搬送される製品2の前後方向の位置はばらつきがあり、次段の製袋器3aに対して一定の間隔で供給することができなくなる。
【0062】
そこで、主搬送コンベア10の途中に、位置揃え装置50を設け、搬送途中の製品2の前端に接触し、これを相対的に後方に付勢することで、製品2の後端を後方の位置決め板16に接触させて位置決めをする。この位置揃え装置50の具体的な構成は、
図17以降に示すようになっている。
【0063】
すなわち、位置揃え装置50は、所定の軌跡で移動する位置決めプッシャー51を備え、その位置決めプッシャー51が、製品2の前端面と、その前方に位置する位置決め板16との間の空間K内に入り込み、製品2の前進移動に合わせ、相対的に後退することで、位置決めプッシャー51が製品2の全端面に接触し後方に向けて付勢する。そして、位置決めプッシャー51と、製品2の後方側に位置する位置決め板16との間の距離を徐々に狭めることで、最終的に両者16,51間で製品2を挟み込み、当該製品2の後端を後方の位置決め板16に接触させて位置決めする。さらに、両者16,51間で製品2を挟み込んだ際に、製品2が受ける衝撃を少なくするため、位置決めプッシャー51は、少なくとも製品2に接触した後は、製品2の移動速度よりは遅いものの前進移動するようにしている。係る動作を行うための駆動機構は、以下の通りである。
【0064】
まず、後端52aを回転中心として所定角度範囲内で正逆回転するアーム52を備え、このアーム52の側面にガイドレース52をネジにて固定すると共に、そのガイドレール53にスライダ54を移動自在に取り付ける。そして、このスライダ54に位置決めプッシャー51を取り付ける。これにより、アーム52が後端52aを中心に正逆回転すると、スライダ54ひいては位置決めプッシャー51が昇降移動し、スライダ54がガイドレール53に沿って往復移動すると、位置決めプッシャー51も搬送方向に沿って前後進移動する。そして、この昇降移動と、前後進移動を適宜のタイミングで行うことで、位置決めプッシャー51を所望の軌跡で移動させることができる。
【0065】
スライダ54をガイドレール53に沿って往復移動するのは、リンクとカムを用いている。つまり、スライダ54の上端54aには、第1連結棒56の一端が接続され、この第1連結棒56の他端は、第1レバー57の上端57aに連結される。第1レバー57は、下端にて回転軸59に連携され、その回転軸59を回転中心にして所定角度範囲内で正逆回転する。これにより、第1レバー57,第1連結棒56,スライダ54にてリンク機構が構成され、第1レバー57が正逆回転することで、第1連結棒56の先端つまりスライダ54が前後進移動する。
【0066】
一例を示すと、
図18(a)に示すように第1レバー57が進行方向前側に倒れた状態では、第1連結棒56も前方に位置することから、スライダ54ひいてはそれに接続された位置決めプッシャー51も前方に位置する。この状態から、第1レバー57が図中反時計方向に回転して進行方向後側に倒れた状態では、
図18(b)に示すように第1連結棒56も後方に引き戻されることからスライダ54ひいては位置決めプッシャー51が後方に移動する。
【0067】
そして、そのスライダ54の前後進移動は、ガイドレール53に案内されて、アーム52に沿って安定して行われる。また、この第1レバー57の正逆回転は、第1レバー57の中間地点に取り付けられた第1カムフロア58と、その第1カムフロア58が連携されたカム溝71aを備えた円板状の第1板カム71とによるカム機構により制御される。つまり、第1板カム71が回転すると、第1カムフロア58が符合しているカム溝71aの中心からの距離が変化するので、その変化に伴い第1レバー57が回転する。
【0068】
また、アーム52は、その後端52aに回転軸が連携され、その回転軸にバー62が連結される。これにより、アーム52とバー62が一体化し、L字状の形態となる。このバー62の先端に第2連結棒63の一端が接続され、この第2連結棒63の他端は、第2レバー64の上端64aに連結される。第2レバー64は、下端にて回転軸59に連携され、その回転軸59を回転中心にして所定角度範囲内で正逆回転する。これにより、第2レバー64,第2連結棒63,バー62,アーム52にてリンク機構が構成され、第2レバー64が正逆回転することで、アーム52は、後端52aを回転中心として、所定の角度範囲内で正逆回転する。
【0069】
一例を示すと、
図18に示すように第2レバー64が進行方向前側に倒れた状態では、第1連結棒63も前方に位置することから、バー62の下端が前方に押された結果、一体となったアーム52は後端52aを中心として前端が持ち上がった状態となる。この状態から、第2レバー64が図中反時計方向に回転して進行方向後側に倒れた状態では、
図21(a)等に示すように、第2連結棒63も後方に引き戻されることからバー62の下端も後方に移動し、それに伴い一体となったアーム52は後端52aを中心として時計方向に回転して前端が下降した状態となる。これにより、アーム52に取り付けられた位置決めプッシャー51が、昇降移動する。
【0070】
そして、この第2レバー64の正逆回転は、第2レバー64の中間地点に取り付けられた第2カムフロア65と、その第2カムフロア65が連携されたカム溝72aを備えた円板状の第2板カム72とによるカム機構により制御される。つまり、第2板カム72が回転すると、第2カムフロア65が符合しているカム溝72aの中心からの距離が変化するので、その変化に伴い第2レバー65が正逆回転する。
【0071】
そして、第1板カム71の上溝71aと、第2板カム72のカム溝72aの形状(軌跡)を適宜に設定することで、位置決めプッシャー51の前後進移動と、昇降移動がそれぞれ独立して制御され、その結果、位置決めプッシャー51が、以下に示すような所望の軌跡で移動し、製品2を位置決めすることができる。まず、
図18(a)に示すように、第1レバー57と第2レバー64がともに前方位置に位置し、スライダ54がアーム52の先端側に位置するとともに、アーム52の先端が上昇した姿勢を基準姿勢とする。この基準姿勢では、位置決めプッシャー51は、上方・前方に位置している。よって、位置決めプッシャー51は、製品2と干渉せず、主搬送コンベア10の搬送に伴い製品2は前進移動する。
【0072】
この状態から、
図18(b)に示すようにも第1レバー57が反時計方向に回転して第1レバー57が後方位置にくると、位置決めプッシャー51も後方に移動する。このとき、第2レバー64は、基準姿勢のままとなるので、位置決めプッシャー51は、斜めに傾斜は位置されたアーム52に沿ってやや下降移動しながら後退する。ただし、この状態では、位置決めプッシャー51の下端は、製品2に接触しない上方に位置しているので、製品2の搬送の邪魔はしない。
【0073】
次いで、
図19(a)→
図19(b)→
図20(a)に示すように、第2レバー64が反時計方向に回転するに従い、アーム52も時計方向に回転してその先端が徐々に下降する。よって、位置決めプッシャー51も徐々に下降移動し、前後の製品2の間の空間内に入り込む。このとき、主搬送コンベア10も動作し、搬送しているので、製品2が前進移動するので、製品2と位置決めプッシャー51との間が徐々に接近する。
【0074】
そして、
図20(a)に示すように位置決めプッシャー51が、製品2の前面に対向する位置まで下降移動したならば、第1レバー57を時計方向に回転させていき、スライダ54ひいては位置決めプッシャー51を前進移動させる(
図20(a)→
図20(b)→
図21(a)参照)。このとき位置決めプッシャー51の前進移動する速度は、製品2の移動速度よりも遅く設定してるので、位置決めプッシャー51と製品2の前面との距離が徐々に狭まり、接触後は、製品2は位置決めプッシャー51の移動速度で前進移動するため、後側の位置決め板16との速度差により製品2がその位置決め板16に接触し、位置決めされる。
【0075】
その後は、
図21(b)に示すように、第2レバー64が時計方向に回転し、アーム52を反時計方向に回転させ、位置決めプッシャー51を上昇移動させる。これにより、
図21(b)に示すように、位置決めプッシャー51の下端は、製品2よりも上方に位置し、後方の位置決め板16に接触指定値が揃った製品2は、主搬送コンベア10上でそのまま前進移動する。
【0076】
さらに
図22に拡大して示すように、本実施形態のサイドガイド板28の内面は、内方向に向って湾曲した形状になっている。つまり、中央部28aが突出した形態となっている。これは、下流側のスプロケット25において旋回する際に、製品2がサイドガイド板28の上流側角部28bに引っ掛かることを防止するためである。従って、サイドガイド板28の内面は、円弧状に形成し、その曲率半径は、下流側のスプロケット25で旋回する際のスプロケット25を中心としたサイドガイド板28の内面の回転半径と一致させている。或いは、曲率半径の方を小さくする設定としても良い。
【0077】
また、本実施形態の装置によれば、製品2の側方を複数のサイドガイド板28によりガイドしているため、装置の振動等によりサイドガイド板28がプレート15から浮き上がったとしても、サイドガイド板28のいずれかはプレート15に接触した状態を維持し、製品2がサイドガイド板28とプレート15との隙間に入り込むことを防止することができる。
【0078】
また、本実施形態では、図示するように、位置決めプッシャー51が製品2の前方を塞ぐような配置を採った際には、位置決めプッシャー51の下端位置は、製品2の下面(プレート15の上面)と一致するようにしたが、本発明はこれに限ることはなく、位置決めプッシャー51が空間K内に入り込むようにし、位置決めプッシャー51の下端が製品2の下面よりも下方に位置するようにしても良い。係る設定にした場合には、より確実に製品2の全体(特に、プレート15に接触している最下層の物品)に接触し、後方の位置決め板16に向けて付勢して位置決めをすることができる。そのため、例えば、本実施形態のように複数本の面を束ねるのではなく、個々の細棒状の物品がバラバラでプレート15に乗っかっているバラ麺の状態のものでも、確実に位置合わせを行えるので好ましい。また、逆の本実施形態のように、長物棒状物品束2aのように1つの束がある程度高さがあったり、1つの物品の厚さがある程度あるものの場合には、位置決めプッシャー51の下端位置は、プレート15から所定距離高い位置にすることもできる。
【0079】
一方、渡り装置5は、
図3〜
図6さらに
図23,
図24で拡大して示すように、搬送供給装置4の搬出端と、製袋器3aの間に形成される空間K1内に配置される。そして、
図25に概略図として示すように、製袋器3aの底面3a′の位置は、搬送供給装置4の主搬送コンベア10の搬送面10aの位置と同じ高さ(面一)にしている。
【0080】
搬送面を構成するプレート15は、取り付けられたエンドレスチェーン12とともにスプロケット11の径に沿って円弧状に移動し、一旦下降しリターン側を移動して上流側に戻る。そのため、水平な搬送面の前端から、少なくともスプロケット11の半径以上離して製袋器3aが配置され、さらに本実施形態では、サイドガイド装置24(下流側先端は主搬送コンベア10の先端よりもさらに前方に突出している)を配置したことも相まって、実際にはさらに一定のマージンを置くことから、
図25に示すように一定の距離t1だけ離れることになる。
【0081】
渡り装置5は、この距離t1だけ離れることで形成される空間K1内に、製品2の進行方向と直交する方向に延びる帯板状の渡り板81と、その渡り板81を昇降させるシリンダ82とを備えて構成される。
図23は、シリンダ82のシリンダロッドが本体内に収納されて渡り板81が下降位置に位置した状態を示している。この状態では、渡り板81は、主搬送コンベア10から製袋器3aに移送中の製品2に接触しない。一方、この状態からシリンダロットが突出し渡り板81が上昇移動し、
図25に示す上昇位置に至る。この上昇位置は、主搬送コンベア10の搬送面の前端と製袋器3aの底面3aを結ぶ線L上に渡り板81の上面が存在する位置関係になる。つまり、搬送コンベア10の搬送面10aと、渡り板81の上面と、製袋器3aの底面3a′は面一となる。
【0082】
渡り板81は、その上面の進行方向後方側(主搬送コンベア10側)がテーパ面81aとなり、進行方向前方側(製袋器3a側)が細幅の水平な受け面81bとなる。そして、この受け面81bが、搬送コンベア10から製袋器3aに移送中の製品2の下面に接触し、それ以上の下降を阻止する。
【0083】
渡り板81は、シリンダ82の動作に伴い、上記の上昇位置と下降位置の2つの位置を往復移動する。そして、その昇降動作のタイミングは、以下のようにしている。まず、主搬送コンベア10の先頭の製品2の先端がプレート15で形成される搬送面10aの前端から突出し、製袋器3a側に到達する前の所定タイミングで、渡り板81は、上昇位置に位置する。本実施形態では、
図26(a)に示すように、製品2の先端が搬送面10aの先端に到達する前にすでに上昇位置に至り、その状態で待機する。
【0084】
すると、製品2の搬送が進むと、製品2の先端は、搬送面10aの前端よりも前方に突出するが、搬送面10aの前端と製袋器3aの間に渡り板81が存在しているため、製品2の先端はその渡り板81に支持され、先端側が下がることなくスムーズに製袋器3a側に渡らせることができる(
図26(b)参照)。
【0085】
製品2は、主搬送コンベア10のプレート15の上に載っている間、その主搬送コンベア10から搬送力を受ける。一方、製品2は、その先端が製袋器3aの底面3a′側に至ると、製袋器3a内を通過して筒状に製袋される包装フィルムの上に乗ることになる。そして、包装フィルムは、ピロー包装機本体3の動作に従い搬送されるので、その包装フィルムに乗った製品2もその包装フィルムを介してピロー包装機本体3からの搬送力を受ける。
【0086】
図25(b)の状態からさらに主搬送コンベア10による搬送が進み、製品2が接触しているプレート15がスプロケット11の回転に伴い円弧状に下降移動しようとしても、渡り板81に乗っている製品2は、その大部分が渡り板81から製袋器3a側に位置していることもあり、プレート15の下降移動に追従して製品2の後端側が下降することもなく、主搬送コンベア10からは、最後まで搬送面10aを構成するプレート15・位置決め板16の移動速度のままの搬送力を受ける。よって、製品2が主搬送コンベア10から搬送力を受けている期間では、製品2に当接することで制動力を与え、製品2を構成する多数の長物棒状物品の後端を揃えた状態のまま製袋器3a内に供給することができる。
【0087】
そして、プレート15が離れる直前、即ち、主搬送コンベア10からの製品2に対する搬送力が無くなり、製品2がピロー包装機本体3からのみ搬送力を受けるようになるときは、渡り板81は下降して製品2から離反し、最終的に
図26(c)に示すように渡り板81は下降位置に至る。すなわち、渡り板81は、製品2に接触していると製品2の搬送に対して抵抗力を与えることになる。そのため、主搬送コンベア10から製袋器3aへの製品2の移し替えが完了した場合には、渡り板81を下降移動させて渡り板81が製品2に接触しないようにする。よって、その後、ピロー包装機本体3側に移った製品2は、包装フィルムと共に移動し、所定位置にて包装フィルムの適宜位置がシールされ、カットされることで、包装体が製造される。
【0088】
また、本実施形態では、渡り板81の上面にテーパ面81aを設けているので、仮に、サイドガイド装置24のサイドガイド板28が渡り板81に接触したとしても、サイドガイド板28はテーパ面81aに案内されてスムーズに外側に移動することができる。
【0089】
また、上記の実施形態では、搬送供給装置4は、サイドガイド装置24を設け、搬送供給装置4で搬送する製品2の幅を調整できるタイプにしているが、本発明はこれに限ることはなく、幅の調整できないものでも良い。また、幅の調整でできるものの場合、上記の構成に限られないのはもちろんである。