特許第5692779号(P5692779)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5692779
(24)【登録日】2015年2月13日
(45)【発行日】2015年4月1日
(54)【発明の名称】移動通信端末およびその制御方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 88/04 20090101AFI20150312BHJP
   H04W 4/12 20090101ALI20150312BHJP
   H04W 88/06 20090101ALI20150312BHJP
【FI】
   H04W88/04
   H04W4/12
   H04W88/06
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2010-212048(P2010-212048)
(22)【出願日】2010年9月22日
(65)【公開番号】特開2012-70142(P2012-70142A)
(43)【公開日】2012年4月5日
【審査請求日】2013年8月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】310006855
【氏名又は名称】NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123788
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100127454
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】瀬尾 高広
【審査官】 佐藤 敬介
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−125069(JP,A)
【文献】 特開2004−128589(JP,A)
【文献】 特開2009−100249(JP,A)
【文献】 特開2008−278053(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線LANを介して無線LAN端末と接続され、該無線LAN端末からの、接続先サーバを示す接続要求を受信すると、前記接続先サーバに接続を指示する旨の制御信号を出力するLAN通信部と、
無線基地局を介して、メールサーバを含む複数のサーバと接続し、前記制御信号に応じて前記接続先サーバと接続する無線通信部と、
前記制御信号に応じて接続された前記無線通信部と前記接続先サーバとの間で通信が行われない無通信状態となると、前記無線通信部の接続先を前記メールサーバに切り替える制御部と、を有し、
前記制御部は、前記無線通信部と前記メールサーバとの間で通信が行われない状態となると、前記無線通信部の接続先を前記接続先サーバに切り替え、該接続先の切り替え後、一定時間以上経過し、かつ、前記無通信状態となると、前記無線通信部の接続先を前記メールサーバに切り替えることを特徴とする移動通信端末。
【請求項2】
請求項1記載の移動通信端末であって、
前記制御部は、前記無通信状態が所定時間以上継続した場合に、前記無線通信部の接続先を切り替えることを特徴とする移動通信端末。
【請求項3】
無線LANを介して無線LAN端末と接続され、無線基地局を介して、メールサーバを含む複数のサーバと接続される移動通信端末の制御方法であって、
LAN通信部が、前記無線LAN端末からの、接続先サーバを示す接続要求を受信すると、前記接続先サーバに接続を指示する旨の制御信号を出力し、
無線通信部が、前記制御信号に応じて前記接続先サーバと接続し、
制御部が、前記制御信号に応じて接続された前記無線通信部と前記接続先サーバとの間で通信が行われない無通信状態となると、前記無線通信部の接続先を前記メールサーバに切り替え
前記制御部が、前記無線通信部と前記メールサーバとの間で通信が行われない状態となると、前記無線通信部の接続先を前記接続先サーバに切り替え、該接続先の切り替え後、一定時間以上経過し、かつ、無通信状態となると、前記無線通信部の接続先を前記メールサーバに切り替えるように指示することを特徴とする移動通信端末の制御方法。
【請求項4】
請求項記載の移動通信端末の制御方法であって、
前記制御部が、前記無通信状態が所定時間以上継続した場合に、前記無線通信部の接続先を切り替えることを特徴とする移動通信端末の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線アクセスポイント機能を備えた移動通信端末およびその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、無線LAN(Local Area Network)を介して外部ネットワーク上のサーバなどとの間でのデータの送受信を行う無線LAN端末が増加している。なお、無線LAN端末の例としては、PC(Personal Computer)、携帯ゲーム機、デジタルカメラなどがある。
【0003】
無線LANにおいては、無線LAN端末は、無線アクセスポイント装置に無線接続する。ここで、無線アクセスポイント装置とは、自装置に無線接続する無線LAN端末と外部ネットワーク上のサーバなどとの間でデータ転送を行う無線アクセスポイント機能を備えた装置である。従って、無線LAN端末は、無線アクセスポイント装置に接続可能なエリア内に存在しないと、データの送受信を行うことができないという問題がある。
【0004】
そこで、特許文献1(特開2002−125069号公報)には、無線アクセスポイント機能を備え、移動体通信網に接続する移動通信端末が開示されている。また、特許文献1には、無線LAN端末が移動通信端末を無線アクセスポイント装置として接続する構成が開示されている。このような接続を行うことにより、無線LAN端末は、無線アクセスポイント装置に接続可能なエリア内に存在しなくても、移動体通信網の電波が届く範囲にあれば、移動体通信網を介してデータを送受信できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−125069号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、無線アクセスポイント機能を備えた移動通信端末がサーバと接続するために用いる通信プロトコルは常に同じではない。
【0007】
例えば、無線LAN端末からの要求に応じて、外部ネットワーク上のWebページのデータの送受信などを行うコンテンツサーバと接続する場合、移動通信端末は、通信プロトコルとして、例えば、PPP(Point to Point Protocol)を用いる。
【0008】
また、一般に、移動通信事業者により、移動体通信網を介して移動通信端末とメールサーバとの間でメールの送受信を行うメールサービスが提供されている。ここで、メールの送受信を行うためにメールサーバと接続する場合、移動通信端末は、通信プロトコルとして、例えば、IP(Internet Protocol)を用いる。
【0009】
なお、移動通信事業者により提供されるメールサービスは、プッシュ型のメールサービス、すなわち、ユーザがメールを受信するための操作を行わなくても、自動的にメールが移動通信端末に送信されるメールサービスである。
【0010】
ここで、移動通信端末は、同時に複数の通信プロトコルを用いて複数のサーバと接続することはできない。従って、PPPを用いてコンテンツサーバと接続している場合、IPを用いてメールサーバと接続することはできず、自動的にメールを受信することができない。この場合、メールを受信するためには、コンテンツサーバとの接続を切断するなどの操作をユーザが行う必要があるため、利便性が悪いという課題があった。
【0011】
本発明の目的は、上述した課題を解決することができる移動通信端末およびその制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために本発明の移動通信端末は、
無線LANを介して無線LAN端末と接続され、該無線LAN端末からの、接続先サーバを示す接続要求を受信すると、前記接続先サーバに接続を指示する旨の制御信号を出力するLAN通信部と、
無線基地局を介して、メールサーバを含む複数のサーバと接続し、前記制御信号に応じて前記接続先サーバと接続する無線通信部と、
前記制御信号に応じて接続された前記無線通信部と前記接続先サーバとの間で通信が行われない無通信状態となると、前記無線通信部の接続先を前記メールサーバに切り替える制御部と、を有し、
前記制御部は、前記無線通信部と前記メールサーバとの間で通信が行われない状態となると、前記無線通信部の接続先を前記接続先サーバに切り替え、該接続先の切り替え後、一定時間以上経過し、かつ、前記無通信状態となると、前記無線通信部の接続先を前記メールサーバに切り替える。
【0013】
上記目的を達成するために本発明の移動通信端末の制御方法は、
無線LANを介して無線LAN端末と接続され、無線基地局を介して、メールサーバを含む複数のサーバと接続される移動通信端末の制御方法であって、
LAN通信部が、前記無線LAN端末からの、接続先サーバを示す接続要求を受信すると、前記接続先サーバに接続を指示する旨の制御信号を出力し、
無線通信部が、前記制御信号に応じて前記接続先サーバと接続し、
制御部が、前記制御信号に応じて接続された前記無線通信部と前記接続先サーバとの間で通信が行われない無通信状態となると、前記無線通信部の接続先を前記メールサーバに切り替え
前記制御部が、前記無線通信部と前記メールサーバとの間で通信が行われない状態となると、前記無線通信部の接続先を前記接続先サーバに切り替え、該接続先の切り替え後、一定時間以上経過し、かつ、無通信状態となると、前記無線通信部の接続先を前記メールサーバに切り替えるように指示する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、無線LAN端末からの、接続先サーバを示す接続要求を受信すると、その接続先サーバと接続し、接続先サーバとの間で無通信状態となると、接続先をメールサーバに切り替えるので、接続先サーバとの接続を切断するなどの操作をユーザが行うことなく、メールの送受信を行うことができ、利便性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態の移動通信端末が適用される通信システムの構成を示す図である。
図2】本発明の一実施形態の移動通信端末の構成を示すブロック図である。
図3図2に示す移動通信端末の動作を示すフローチャートである。
図4図2に示す移動通信端末の他の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。
【0017】
図1は、本発明の一実施形態の移動通信端末が適用される通信システムの構成の一例を示す図である。
【0018】
図1に示す通信システムは、移動通信端末10と、無線LAN端末20と、無線基地局30と、ゲートウェイサーバ40と、コンテンツサーバ50と、パケット交換局60と、メールサーバ70と、を有する。
【0019】
移動通信端末10は、無線アクセスポイント機能を備えており、例えば、無線LANの標準規格であるIEEE802.11b/gに準拠した通信方式により無線LAN端末20と接続する。さらに、移動通信端末10は、例えば、W−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)方式により無線基地局30と接続する。
【0020】
無線基地局30は、移動通信端末10と接続されるとともに、移動体通信網を介して、ゲートウェイサーバ40およびパケット交換局60と接続される。
【0021】
ゲートウェイサーバ40は、移動体通信網を介して無線基地局30と接続されるとともに、インターネット上のコンテンツサーバ50と接続され、移動体通信網側とインターネット側とを相互接続する。なお、移動体通信網やインターネットは、外部ネットワークの一例である。
【0022】
コンテンツサーバ50は、ゲートウェイサーバ40と接続され、例えば、Webページの閲覧やWebページへの書き込み要求に応じて、データの送受信を行う。
【0023】
パケット交換局60は、移動体通信網を介して無線基地局30およびメールサーバ70と接続され、移動通信端末10とメールサーバ70との間で送受信されるメールのデータの転送を行う。
【0024】
メールサーバ70は、移動体通信網を介してパケット交換局60と接続され、パケット交換局60および無線基地局30を経由して、移動通信端末10との間でメールのデータを送受信する。
【0025】
次に、移動通信端末10の構成について説明する。なお、無線LAN端末20、無線基地局30、ゲートウェイサーバ40、コンテンツサーバ50、パケット交換局60、および、メールサーバ70の構成は、当業者にとってよく知られており、また本発明とは直接関係しないので、詳細な説明は省略する。
【0026】
図2は、本実施形態の移動通信端末10の構成を示すブロック図である。なお、図2においては、簡略化のため、ゲートウェイサーバ40およびパケット交換局60を省略している。
【0027】
図2に示す移動通信端末10は、LAN通信部11と、無線通信部12と、制御部13と、を有する。
【0028】
LAN通信部11は、例えば、IEEE802.11b/gに準拠した通信方式により無線LAN端末20と接続し、無線LAN端末20との間でデータの送受信を行う。また、LAN通信部11は、無線通信部12と接続され、無線LAN端末20からの、接続先サーバを示す接続要求を受信すると、接続先サーバに接続を指示する旨の制御信号を無線通信部12に出力する。以下では、無線通信部12は、無線LAN端末20からの、コンテンツサーバ50を接続先サーバとする接続要求を受信し、無線通信部12にコンテンツサーバ50に接続を指示する旨の制御信号を出力したものとする。また、LAN通信部11は、無線LAN端末20からコンテンツサーバ50宛てのデータを受信すると、そのデータを無線通信部12に出力する。さらに、LAN通信部11は、無線通信部12から無線LAN端末20宛てのデータが出力されると、そのデータを無線LAN端末に送信する。
【0029】
無線通信部12は、例えば、W−CDMA方式により無線基地局30と接続し、LAN通信部11から出力された制御信号に応じて、無線基地局30に通信プロトコルとしてPPPを用いて自端末とコンテンツサーバ50との接続の確立を要求する。また、無線通信部12は、LAN通信部11が無線LAN端末20と接続されていない状態では、無線基地局30に通信プロトコルとしてIPを用いてコンテンツサーバ50やメールサーバ70との接続の確立を要求する。
【0030】
以下では、PPPを用いた移動通信端末10とコンテンツサーバ50との接続をPPP接続と称し、PPP接続によるデータの送受信をPPP通信と称する。また、IPを用いた移動通信端末10とメールサーバ70との接続をIP接続と称し、IP接続によるデータの送受信をIP通信と称する。
【0031】
さらに、無線通信部12は、無線基地局30とデータの送受信を行い、無線基地局30から無線LAN端末20宛てのデータを受信すると、そのデータをLAN通信部11に出力する。
【0032】
制御部13は、LAN通信部11に無線LAN端末20との接続、または、接続の切断を指示する。また、制御部13は、無線通信部12に接続先のサーバの切り替えを指示する。
【0033】
また、制御部13は、無線通信部12のデータの送受信状態をモニタする。
【0034】
次に、移動通信端末10の動作について説明する。
【0035】
図3は、無線LAN端末20が接続する場合の移動通信端末10の動作を示すフローチャートである。
【0036】
制御部13は、無線アクセスポイント機能を起動させる(ステップS101)。具体的には、制御部13は、LAN通信部11に無線LAN端末20と接続するように指示する。
【0037】
無線LAN端末20と接続するように制御部13から指示があると、LAN通信部11は、ビーコン(Beacon)と呼ばれる、移動通信端末10との接続に必要な情報を含む信号を一定周期で送信する(ステップS102)。
【0038】
無線LAN端末20は、ビーコンを受信すると接続要求を送信し、LAN通信部11は、その接続要求を受信すると、無線LAN端末20と接続する(ステップS103)。
【0039】
LAN通信部11と無線LAN端末20との接続が完了し、LAN通信部11は、無線LAN端末20からの、コンテンツサーバ50を接続サーバとする接続要求を受信すると、コンテンツサーバ50に接続を指示する旨の制御信号を無線通信部12に出力する。
【0040】
LAN通信部11から出力された制御信号に応じて、無線通信部12は、コンテンツサーバ50とPPP接続を確立するように無線基地局30に要求する。無線通信部12からの要求に応じて、無線基地局30およびゲートウェイサーバ40を経由してコンテンツサーバ50とPPP接続が確立されると(ステップS104)は、無線通信部12は、PPP通信を開始し(ステップS105)、LAN通信部11からコンテンツサーバ50宛のデータが出力されると、そのデータをコンテンツサーバ50に送信し、コンテンツサーバ50から無線LAN端末20宛のデータを受信すると、そのデータをLAN通信部11に出力し、LAN通信部11は、そのデータを無線LAN端末20に送信する。
【0041】
制御部13は、無線通信部12のデータの送受信状態をモニタし、PPP通信が終了すると(ステップS106)、データの送受信が行われていない無通信状態の継続時間を計測する。具体的には、制御部13は、タイマを備えており、無通信状態となると、タイマのリセット後(ステップS107)、その無通信状態の継続時間(t1)の計測を開始する。
【0042】
次に、制御部13は、無線LAN端末20とLAN通信部11との接続状態をモニタし(ステップS108)、無線LAN端末20とLAN通信部11との接続が切断されている場合には(ステップS108:YES)、処理を終了する。
【0043】
一方、無線LAN端末20とLAN通信部11との接続が切断されていない場合には(ステップS108:NO)、制御部13は、タイマによる計測時間t1が、所定時間T1を超えたか否かを判定する(ステップS109)。
【0044】
計測時間t1が所定時間T1を越える前に無線LAN端末20とコンテンツサーバ50との間でPPP通信を行う必要が生じると(ステップS109:NO)、ステップS105の処理に戻り、無線通信部12は、PPP通信を開始する。
【0045】
一方、計測時間t1が所定時間T1を越えると(ステップS108:YES)、制御部13は、無線通信部12に接続先をコンテンツサーバ50からメールサーバ70に切り替えるように指示する。無線通信部12は、制御部13からの指示に応じて、通信プロトコルをPPPからIPに切り替え(ステップS110)、無線基地局30にメールサーバ70とのIP接続の確立を指示する。無線通信部12からの要求に応じて、無線基地局30およびパケット交換局60を経由してメールサーバ70とIP接続が確立されると、無線通信部12は、IP通信を開始し、メールサーバ70とメールの送受信を行う(ステップS111)。
【0046】
無線通信部12と無線基地局30との間でデータの送受信が行われなくなり、IP通信が終了すると(ステップS112)、制御部13は、無線通信部12に接続先をメールサーバ70からコンテンツサーバ50に切り替えるように指示する。無線通信部12は、制御部13からの指示に応じて、通信プロトコルをIPからPPPに切り替え(ステップS113)、無線基地局30にコンテンツサーバ50とのPPP接続の確立を指示する。無線通信部12からの要求に応じて、再度、無線基地局30およびゲートウェイサーバ40を経由してコンテンツサーバ50とPPP接続が確立される。
【0047】
なお、制御部13は、無線通信部12に接続先を切り替えさせる際にも、LAN通信部11にビーコンを一定周期で送信させる。そのため、無線LAN端末20とLAN通信部11との接続は維持されたままとなる。
【0048】
このように本実施形態の移動通信端末10によれば、無線LAN端末20からの接続要求に応じて、コンテンツサーバ50とPPP接続され、そのPPP接続中に無通信状態となると、接続先をコンテンツサーバ50からメールサーバ70に切り替え、自動的にメールの送受信を行うため、利便性の向上を図ることができる。
【0049】
なお、図3においては、無通信状態の計測時間t1が所定時間T1を越えるたびに、接続先の切り替えを行うこととなり、頻繁に切り替えが発生することが考えられる。頻繁に接続先を切り替えることは、移動通信端末10の消費電力の観点から好ましくない。
【0050】
そこで、移動通信端末10は、図3とは異なる条件で接続先の切り替えを行うようにしてもよい。
【0051】
図4は、無線LAN端末20が接続する場合の移動通信端末10の他の動作を示すフローチャートである。なお、図4において、図3と同様の処理については同じ符号を付し、説明を省略する。
【0052】
制御部13は、ステップS113において、無線通信部12の接続先のメールサーバ70からコンテンツサーバ50への切り替えを指示すると、切り替え後の経過時間(t2)をタイマによりさらに計測する(ステップS201)。
【0053】
ステップS109において、計測時間t1が所定時間T1を越えると、制御部13は、計測時間t2が、一定時間T2を超えたか否かを判定する(ステップS202)。
【0054】
計測時間t2が一定時間T2を超えた場合(ステップS202:Yes)、制御部13は、無線通信部12に接続先をコンテンツサーバ50からメールサーバ70に切り替えるように指示する。無線通信部12は、制御部13からの指示に応じて、通信プロトコルのPPPからIPへの切り替え(ステップS110)、無線基地局30にメールサーバ70とのIP接続の確立を要求する。
【0055】
一方、計測時間t2が一定時間T2を超えていない場合(ステップS202:No)、ステップS105の処理に戻り、無線通信部12は、PPP通信を開始する。
【0056】
このように、無線通信部12の接続先の切り替え後の経過時間t2が一定時間を越えるまで、無線通信部12の接続先の切り替えを行わないようにすることで、頻繁に接続先の切り替えが起こるのを防ぎ、省電力化を図ることができる。
【符号の説明】
【0057】
10 移動通信端末
11 LAN通信部
12 無線通信部
13 制御部
20 無線LAN端末
30 無線基地局
40 ゲートウェイサーバ
50 コンテンツサーバ
60 パケット交換局
70 メールサーバ
図1
図2
図3
図4