【実施例】
【0019】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例、比較例中、部及び%は特に断らない限り重量基準である。
【0020】
改質剤1の製造
ショ糖1.0mol、ステアリン酸メチル0.7mol、パルミチン酸メチル0.3mol、炭酸カリウム3.0gを、DMSO3000.0gに溶解し、90〜100℃、減圧下で5時間反応させた。溶媒を留去後、精製、乾燥を経てショ糖脂肪酸エステルを得た。このエステル組成をゲル浸透クロマトグラフィー(検出器:Shodex社製RI−71、ポンプ:島津社製LC−6A、カラム:日本分光社製MEGAPAK GEL 201F、及び201FP、流速:3ml/min、溶離液:THF、以下、GPCという。)にて分析したところ、モノエステル50%、ジエステル35%、トリエステル15%、テトラエステル以上のポリエステル0%であった。
得られたショ糖脂肪酸エステルをメタノールに溶解した後、メタノールと同量のn−ヘキサンを加えて向流分配し、静置して二層に分離させn−ヘキサン層を分取した。n−ヘキサンを留去して、得られたショ糖脂肪酸エステルのエステル組成をGPCにて分析したところ、モノエステル24%、ジエステル60%、トリエステル16%、テトラエステル以上のポリエステルが0%であった。また、得られたショ糖脂肪酸エステルを加水分解して、脂肪酸組成をガスクロマトグラフィー(本体:Hewlett packard社製HP−5890、カラム:Agilent Technology社製DB−1 (内径0.53mm x 長さ15m x 膜厚 0.15 mm)、インジェクション温度:300℃、ディテクター温度:300℃、オーブン温度トレンド:100℃1分、300℃まで10℃/minで昇温、300℃5分、キャリアガス:ヘリウム、以下GCという。)にて分析したところ、ステアリン酸70%、パルミチン酸30%であった。
このようにして得られたショ糖脂肪酸エステルと、重量にしてショ糖脂肪酸エステルの3倍量のデキストリン(DE=22%)(三和澱粉工業社製サンデック#250)を、ショ糖脂肪酸エステルの20倍量の純水に室温で分散後、70℃で加熱溶解させた。その後、高圧ホモジナイザー(三丸機械工業社製ホモジナイザーH3−1B、15MPa)にて均質化し、噴霧乾燥(平野工業社製遠心噴霧乾燥装置SA−5型、乾燥条件:吸気温度150℃、排気温度70℃、スラリー供給速度:12L/h、アトマイザー回転速度18000rpm)してショ糖脂肪酸エステル製剤(ショ糖脂肪酸エステル25%、デキストリン75%)を得た。
【0021】
改質剤2の製造
改質剤1の脂肪酸メチルをパルミチン酸メチルのみとし、それ以外は同様の操作によってショ糖パルミチン酸エステルを得た(エステル組成:モノエステル25%、ジエステル55%、トリエステル20%、テトラエステル以上のポリエステルが0%、脂肪酸組成:パルミチン酸100%)。得られたショ糖脂肪酸エステルと、重量にしてショ糖脂肪酸エステルの1.5倍量のデキストリン(DE=26%)(三和澱粉工業社製サンデック#300)を、ショ糖脂肪酸エステルの10倍量の純水に室温で分散後、70℃で加熱溶解させた。その後、改質剤1と同様の条件で均質化及び噴霧乾燥を行いショ糖脂肪酸エステル製剤(ショ糖脂肪酸エステル40%、デキストリン60%)を得た。
【0022】
改質剤3の製造
実施例1の脂肪酸メチルをステアリン酸メチルのみとし、それ以外は同様の操作によってショ糖ステアリン酸エステル製剤を得た(エステル組成:モノエステル30%、ジエステル55%、トリエステル15%、テトラエステル以上のポリエステルが0%、脂肪酸組成:ステアリン酸100%)。得られたショ糖脂肪酸エステルと、重量にしてショ糖脂肪酸エステルの3倍量のデキストリン(DE=10%)(三和澱粉工業社製サンデック#100)と、同じく3倍量のD−ソルビトール(東和化成工業株式会社製ソルビットDP−50)を、ショ糖脂肪酸エステルの20倍量の純水に室温で分散後、70℃で加熱溶解させた。その後、改質剤1と同様の条件で均質化及び噴霧乾燥を行いショ糖脂肪酸エステル製剤(ショ糖脂肪酸エステル15%、D−ソルビトール85%)を得た。
【0023】
改質剤4の製造
ショ糖1.0mol、ステアリン酸メチル1.05mol、パルミチン酸メチル0.45 mol、炭酸カリウム6.0gを、DMSO 3000.0gに溶解し、90〜100℃、減圧下で5時間反応させた。溶媒を留去後、精製、乾燥を経てショ糖脂肪酸エステルを得た。このエステル組成をGPCにて分析したところ、モノエステル34%、ジエステル30%、トリエステル22%、テトラエステル以上のポリエステル14%であった。また、得られたショ糖脂肪酸エステルを加水分解して、脂肪酸組成をGCにて分析したところ、ステアリン酸70%、パルミチン酸30%であった。
このようにして得られたショ糖脂肪酸エステルと、重量にしてショ糖脂肪酸エステルの3倍量のデキストリン(DE=13%)(三和澱粉工業社製サンデック#100)を、ショ糖脂肪酸エステルの20倍量の純水に室温で分散後、70℃で加熱溶解させた。その後、改質剤1と同様の条件で均質化及び噴霧乾燥を行いショ糖脂肪酸エステル製剤(ショ糖脂肪酸エステル25%、デキストリン75%)を得た。
【0024】
改質剤5の製造
改質剤1で得られたショ糖脂肪酸エステルと、改質剤4で得られたショ糖脂肪酸エステルを混合し、脂肪酸組成がステアリン酸70%、パルミチン酸30%、エステル組成がモノエステル30 %、ジエステル42%、トリエステル20%、テトラエステル以上のポリエステル8%であるショ糖脂肪酸エステルを得た。
このようにして得られたショ糖脂肪酸エステルと、重量にしてショ糖脂肪酸エステルの0.82倍量のデキストリン(DE=30%)(三和澱粉工業社製サンデック#300)を、ショ糖脂肪酸エステルの7倍量の純水に室温で分散後、70℃で加熱溶解させた。その後、実施例1と同様の条件で均質化及び噴霧乾燥を行いショ糖脂肪酸エステル製剤(ショ糖脂肪酸エステル25%、デキストリン75%)を得た。
【0025】
改質剤6の製造
ショ糖1.0mol、ステアリン酸メチル1.4mol、パルミチン酸メチル0.6mol、炭酸カリウム6.0gを、DMSO 3000.0gに溶解し、90〜100℃、減圧下で6時間反応させた。溶媒を留去後、精製、乾燥を経てショ糖脂肪酸エステルを得た。このエステル組成をGPCにて分析したところ、モノエステル20%、ジエステル35%、トリエステル30%、テトラエステル以上のポリエステル15%であった。また、得られたショ糖脂肪酸エステルを加水分解して、脂肪酸組成をGCにて分析したところ、ステアリン酸70%、パルミチン酸30%であった。
このようにして得られたショ糖脂肪酸エステルと、重量にしてショ糖脂肪酸エステルの2.3倍量のデキストリン(DE=7%)(三和澱粉工業社製サンデック#70)を、ショ糖脂肪酸エステルの12倍量の純水に室温で分散後、70℃で加熱溶解させた。その後、改質剤1と同様の条件で均質化及び噴霧乾燥を行いショ糖脂肪酸エステル製剤(ショ糖脂肪酸エステル25%、デキストリン75%)を得た。
【0026】
改質剤7の製造
改質剤1と同様にして調製されたショ糖脂肪酸エステル(エステル組成:モノエステル24%、ジエステル60%、トリエステル16%、テトラエステル以上のポリエステルが0%、脂肪酸組成:ステアリン酸70%、パルミチン酸30%)をそのまま試験に供した。
【0027】
改質剤8の製造
改質剤2と同様にして調製されたショ糖パルミチン酸エステル(エステル組成:モノエステル25%、ジエステル55%、トリエステル20%、テトラエステル以上のポリエステルが0%、脂肪酸組成:パルミチン酸100%)を、そのまま試験に供した。
【0028】
改質剤9の製造
改質剤3と同様にして調製されたショ糖ステアリン酸エステル(エステル組成:モノエステル30%、ジエステル55%、トリエステル15%、テトラエステル以上のポリエステルが0%、脂肪酸組成:ステアリン酸70%、パルミチン酸30%)をそのまま試験に供した。
【0029】
改質剤10の製造
改質剤4と同様にして調製されたショ糖脂肪酸エステル(エステル組成:モノエステル34%、ジエステル29%、トリエステル22%、テトラエステル以上のポリエステル15%、脂肪酸組成:ステアリン酸70%、パルミチン酸30%)を、製剤化せずにそのまま試験に供した。
【0030】
改質剤11の製造
改質剤5と同様にして調製されたショ糖脂肪酸エステル(エステル組成:モノエステル30%、ジエステル42%、トリエステル20%、テトラエステル以上のポリエステル8%、脂肪酸組成:ステアリン酸70%、パルミチン酸30%)をそのまま試験に供した。
【0031】
改質剤12の製造
改質剤6と同様にして調製されたショ糖脂肪酸エステル(エステル組成:モノエステル20%、ジエステル35%、トリエステル30%、テトラエステル以上のポリエステル15%、脂肪酸組成:ステアリン酸70%、パルミチン酸30%)をそのまま試験に供した。
【0032】
改質剤13の製造
ショ糖2.0mol、ステアリン酸メチル0.7mol、パルミチン酸メチル0.3mol、炭酸カリウム3.0gを、DMSO 3000.0gに溶解し、90〜100℃、減圧下で5時間反応させた。溶媒を留去後、精製、乾燥を経てショ糖脂肪酸エステルを得た。このエステル組成をGPCにて分析したところ、モノエステル70%、ジエステル20%、トリエステル10%、テトラエステル以上のポリエステル0%であった。また、得られたショ糖脂肪酸エステルを加水分解して、脂肪酸組成をGCにて分析したところ、ステアリン酸70%、パルミチン酸30%であった。
このようにして得られたショ糖脂肪酸エステルをそのまま試験に供した。
【0033】
改質剤14の製造
改質剤4と同様にして調製されたショ糖脂肪酸エステル(エステル組成:モノエステル34%、ジエステル29%、トリエステル22%、テトラエステル以上のポリエステル15%、脂肪酸組成:ステアリン酸70%、パルミチン酸30%)と、重量にしてショ糖脂肪酸エステルの0.1倍量のデキストリン(DE=22%)(三和澱粉工業社製サンデック#250)を、ショ糖脂肪酸エステルの4.5倍量の純水に室温で分散後70℃で加熱溶解させた。改質剤1と同様の条件で均質化及び噴霧乾燥を行いショ糖脂肪酸エステル製剤(ショ糖脂肪酸エステル90%、デキストリン10%)を得た。
【0034】
改質剤15の製造
ショ糖1.5mol、ステアリン酸メチル0.7mol、パルミチン酸メチル0.3mol、炭酸カリウム3.0gを、DMSO3000.0gに溶解し、90〜100℃、減圧下で5時間反応させた。溶媒を留去後、精製、乾燥を経てショ糖脂肪酸エステルを得た。このエステル組成をGPCにて分析したところ、モノエステル52%、ジエステル32%、トリエステル12%、テトラエステル以上のポリエステル4%であった。また、得られたショ糖脂肪酸エステルを加水分解して、脂肪酸組成をGCにて分析したところ、ステアリン酸70%、パルミチン酸30%であった。
このようにして得られたショ糖脂肪酸エステルと、重量にしてショ糖脂肪酸エステルの3倍量のデキストリン(DE=26%)(三和澱粉工業社製サンデック#250)を、ショ糖脂肪酸エステルの20倍量の純水に室温で分散後、70℃で加熱溶解させた。その後、改質剤1と同様の条件で均質化及び噴霧乾燥を行いショ糖脂肪酸エステル製剤(ショ糖脂肪酸エステル25%、デキストリン75%)を得た。
【0035】
改質剤16の製造
ショ糖0.8mol、ステアリン酸メチル1.68mol、パルミチン酸メチル0.72mol、炭酸カリウム6.0gを、DMSO3000.0gに溶解し、90〜100℃、減圧下で7時間反応させた。溶媒を留去後、精製、乾燥を経てショ糖脂肪酸エステルを得た。このエステル組成をGPCにて分析したところ、モノエステル0%、ジエステル0%、トリエステル5%、テトラエステル以上のポリエステル95%であった。また、得られたショ糖脂肪酸エステルを加水分解して、脂肪酸組成をGCにて分析したところ、ステアリン酸70%、パルミチン酸30%であった。
このようにして得られたショ糖脂肪酸エステルをそのまま試験に供した。
【0036】
改質剤17の製造
ショ糖1.0mol、ラウリン酸メチル1.5mol、炭酸カリウム6.0gを、DMSO3000.0gに溶解し、90〜1.00℃、減圧下で5時間反応させた。溶媒を留去後、精製、乾燥を経てショ糖脂肪酸エステルを得た。このエステル組成をGPCにて分析したところ、モノエステル35%、ジエステル40%、トリエステル20%、テトラエステル以上のポリエステル5%であった。また、得られたショ糖脂肪酸エステルを加水分解して、脂肪酸組成をGCにて分析したところ、ラウリン酸100%であった。
このようにして得られたショ糖脂肪酸エステルをそのまま試験に供した。
【0037】
改質剤18の製造
ショ糖1.0mol、オレイン酸メチル0.9mol、リノール酸メチル0.6mol、炭酸カリウム6.0gを、DMSO3000.0gに溶解し、90〜100℃、減圧下で5時間反応させた。溶媒を留去後、精製、乾燥を経てショ糖脂肪酸エステルを得た。このエステル組成をGPCにて分析したところ、モノエステル0%、ジエステル40%、トリエステル40%、テトラエステル以上のポリエステル20%であった。また、得られたショ糖脂肪酸エステルを加水分解して、脂肪酸組成をGCにて分析したところ、オレイン酸60%、リノール酸40%であった。
このようにして得られたショ糖脂肪酸エステルをそのまま試験に供した。
【0038】
改質剤19の製造
実施例1と同様にして調製されたショ糖脂肪酸エステル(エステル組成:モノエステル24%、ジエステル60%、トリエステル16%、テトラエステル以上のポリエステルが0%、脂肪酸組成:ステアリン酸70%、パルミチン酸30%)と、重量にしてショ糖脂肪酸エステルの3倍量のデキストリン(DE=22%)(三和澱粉工業社製サンデック #250)を粉体混合し試験に供した。
上記実施例及び比較例のショ糖脂肪酸エステルとその製剤のエステル組成、及び脂肪酸組成を下記表1に示す。
【表1】
【0039】
(1)揚げ玉での評価
実施例1−1
薄力粉190部と改質剤1を0.6部混合して10℃に冷却した後、10℃の水310部を加えてミキサー(ホバートジャパン株式会社製ホバートフードミキサーN−50)でstage3で比重が0.7になるまで攪拌しバッターを調整した。得られた前記バッターの粘度、温度を測定したのち、175℃で45秒油ちょうして揚げ玉を調製した。
実施例1−2〜1−3、比較例1−1〜1−9
改質剤1をそれぞれ3、5、7、9、11、13、15〜19とした以外は実施例1−1と同様に揚げ玉を調整した。
揚げ玉の評価
油ちょう直後、及びそれから1時間後に、揚げ玉を食して食感を評価した。評価結果を下記表2に示した。
【表2】
食感の評価
5:非常にサクサクする
4:かなりサクサクする
3:ややサクサクする
2:あまりサクサクしない
1:全くサクサクしない
【0040】
(2)春巻きでの評価
実施例2−1
薄力粉132.5部、準強力粉105部、α化澱粉12.5部、改質剤1を1.5部プレミックスし5℃に冷却しプレミックスを調整した。また、水362.5部に食塩2.5部を加え、室温で攪拌して溶解させた後、5℃に冷却し食塩水を調整した。前記プレミックスに冷却した前記食塩水と大豆油(室温)12.5部を加え、ミキサー(ホバートジャパン株式会社製ホバートフードミキサーN−50)でStage2で12分間攪拌しバッターを調整した(5℃)。攪拌後、前記バッターを5℃で1時間静置した後、ホットプレートに薄く延ばして表面温度120℃で焼成し、縦約15cm、横約15cm、厚さ1〜2mmの春巻きの皮を調製した。市販の油ちょう用冷凍春巻きを解凍し、皮をはがして取り出した具材を調製した春巻きの皮で包み、180℃で5分間油ちょうした。
実施例2−2、参考例2−3、比較例2−1〜2−10
改質剤1をそれぞれ2、4、7、8、10、13〜19とした以外は実施例2−1と同様に春巻きを調整した。
春巻きの評価
油ちょう直後に以下の評価基準に基づき目視による外観(気泡によるでこぼこの状態)と食感を評価後、それから室温で1時間静置後に再び食して食感を評価した。評価結果を下記表3に示した。
外観の評価
5:でこぼこがなくなだらかである
4:あまりでこぼこしていない
3:ややでこぼこしている
2:かなりでこぼこしている
1:非常にでこぼこしている
食感の評価
5:非常にパリパリする
4:かなりパリパリする
3:ややパリパリする
2:あまりパリパリしない
1:全くパリパリしない
【表3】
【0041】
(3)コロッケでの評価
実施例3−1
中だねの配合と調製方法
マッシュポテト100部に食塩1.5部と胡椒少々を加え、80℃の温水275部を加えて手早く混ぜ合わせ中だねを調整した。得られた前記中だね90gを俵型にまとめ、5℃で一晩静置した。
バッターの配合と調製方法
薄力粉150部、コーンスターチ150部、改質剤1を3部プレミックスし、5℃に冷却し、水(5℃)400部を加え、ミキサー(ホバートジャパン株式会社製ホバートフードミキサーN−50)でstage3でバッターの比重が0.7g/mlになるまで攪拌してバッターを調整した。
コロッケの調製方法
前記中だね表面に薄力粉をまぶし、前記バッターを付着させ、さらに市販のパン粉(フライスター細目,フライスター製)を付着させた後、−30℃で一晩冷凍してから1.80℃の大豆白絞油で6分間揚げた。
実施例3−2、3−3、比較例3−1〜3−9
改質剤1をそれぞれ2、5、7、8、11、13、15〜19とした以外は実施例3−1と同様にコロッケを調整した。
コロッケの評価
6分間揚げた後、十分に油を切り、室温で30分静置後、および3時間静置後に食して下記評価基準に基づき食感を評価した。
評価結果を下記表4に示した。
食感の評価
5:非常にサクサクする
4:かなりサクサクする
3:ややサクサクする
2:あまりサクサクしない
1:全くサクサクしない
【表4】
【0042】
(4)天ぷらでの評価
実施例4−1
薄力粉200部、改質剤1を2部プレミックスし、5℃に冷却した。水300部と卵100部を混ぜ合わせ5℃に冷却した。前記プレミックスと水と卵の混合物をミキサー(ホバートジャパン株式会社製ホバートフードミキサーN−50)でstage3で1分間攪拌しバッターを調整した。エビ(ブラックタイガー、剥き身)に前記バッターを付着させ、180℃の大豆白絞油で3分間揚げた。
実施例4−3、参考例4−2、4−4、比較例4−1〜4−11
改質剤1をそれぞれ4〜6、7、10〜19とした以外は実施例4−1と同様に天ぷらを調整した。
天ぷらの評価
十分に油を切った直後と、室温で1時間静置後に食して下記評価基準に基づき食感を評価した。評価結果を下記表5に示した。
食感の評価
5:非常にサクサクする
4:かなりサクサクする
3:ややサクサクする
2:あまりサクサクしない
1:全くサクサクしない
【表5】
【0043】
(5)揚げパンでの評価
実施例5−1
強力粉1400部、薄力粉600部、上白糖600部、ドライイースト60部、改質剤1を1.4部プレミックスし、5℃に冷却した。また、水960部に食塩60部を加え、室温で攪拌して溶解させた後、5℃に冷却した。卵400部も5℃に冷却した。前記プレミックスに前記食塩水と前記卵を加え、ミキサー(関東混合機工業株式会社製カントーミキサーSS型71)にて低速で2分、中速で3分混捏しドウを調整した。更に、室温にしたマーガリン200部をドウに加え、さらに低速で1分、中速で10分間混捏した。前記ドウをボウルに移し、濡れ布巾で覆って23℃で20分静置後、前記ドウを100gに分割、麺棒で厚さ1cm程度に伸ばし、前記ドウのシートを円筒状にたたみ、たたんだ前記ドウを23℃で15分静置後、再度麺棒で厚さ1cm程度に伸ばしてガス抜きし、円筒状にたたんだ。たたんだ前記ドウを、33℃80%RHのホイロに30分間静置して発酵させ、十分に膨らんだことを確認後、170℃の大豆白絞油に入れて、両面を2分ずつ揚げた後、十分に油を切り揚げパンを作成した。
実施例5−2、参考例5−3、比較例5−1〜5−10
改質剤1をそれぞれ2、4、7、8、10、13〜19とした以外は実施例5−1と同様に揚げパンを作成した。
揚げパンの評価
油から出した前記揚げパンを、室温で30分静置した後、下記評価基準に基づき油っぽさと食感を評価し、さらに3時間後に再び食感を評価した。評価結果を下記表6に示した。
油っぽさの評価
5:油っぽくない
4:あまり油っぽくない
3:やや油っぽい
2:かなり油っぽい
1:非常に油っぽい
食感の評価
5:非常にサクミがある
4:かなりサクミがある
3:ややサクミがある
2:あまりサクミがない
1:全くサクミがない
【表6】
【0044】
(6)ケーキドーナッツでの評価
実施例6−1
強力粉180部、薄力粉120部、ベーキングパウダー12部、改質剤1を1.5部プレミックスした。ショートニング、卵、牛乳は室温とし、ショートニング13部に砂糖100部を加えてミキサー(ホバートジャパン株式会社製ホバートフードミキサーN−50)でstage 2で2分間混練後、卵50部とバニラエッセンスを加えて2分間混練し、牛乳115部を加えて2分間混練し、前記プレミックスを加えて5分間混練してドウを得た。このドウをボウルに移し、濡れ布巾で覆って5℃で30分間静置した後、ドウの厚さが1cmになるよう麺棒で伸ばした。直径5cm、内径2cmの抜き型によりドウを成型し、これを170℃の大豆白絞油で両面を2分ずつ揚げて、十分に油を切った。
実施例6−2、参考例6−3、比較例6−1〜6−10
改質剤1をそれぞれ2、4、7、9、10、13〜19とした以外は実施例6−1と同様にケーキドーナッツを作成した。
ケーキドーナッツの評価
油から出したケーキドーナッツを、室温で10分静置した後、油っぽさと食感を下記評価基準に基づき評価し、さらに3時間後に再び食感を評価した。評価結果を下記表7に示した。
油っぽさの評価
5:油っぽくない
4:あまり油っぽくない
3:やや油っぽい
2:かなり油っぽい
1:非常に油っぽい
食感の評価
5:非常にサクミがある
4:かなりサクミがある
3:ややサクミがある
2:あまりサクミがない
1:全くサクミがない
【表7】