(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
古紙を水と攪拌して離解するパルパーと、パルパーにおいて得られた古紙原料液中に散気して印刷成分を分離する脱墨槽と、古紙原料液を抄紙する抄紙装置とを有する古紙再生処理装置であって、
製造される再生紙の白色度を複数の異なる白色度のうちから選択する白色度選択手段と節約運転を選択する節約運転選択手段との少なくともいずれかと、制御部とが設けられ、
制御部は、白色度選択手段によって所定の白色度が選択されると、選択された白色度に応じて、古紙原料液が脱墨槽内で滞留する滞留時間と古紙原料液に添加する脱墨剤添加量と脱墨槽内への散気量との少なくとも1つの脱墨条件を制御し、節約運転選択手段によって節約運転が選択されると、パルパーにおいて得られた古紙原料液を、脱墨槽を通さずに、抄紙装置に供給するように制御し、
滞留時間の制御は古紙原料液をパルパーから脱墨槽に移送するポンプの回転速度を制御することにより行われることを特徴とする古紙再生処理装置。
白色度選択手段と、節約運転選択手段と、パルパー内の古紙原料液を脱墨槽に移送する移送手段と、パルパー内の古紙原料液を抄紙装置に移送するバイパス移送手段とが設けられ、
制御部は、白色度選択手段によって白色度が選択されると、移送手段により古紙原料液をパルパーから脱墨槽に移送するように制御し、節約運転選択手段によって節約運転が選択されると、バイパス移送手段により古紙原料液をパルパーから抄紙装置に移送するように制御することを特徴とする請求項1記載の古紙再生処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0025】
(第1の実施の形態)
以下、本発明の第1の実施の形態を、図面を参照して説明する。
図1は古紙再生処理装置1の構成を示す概略図であり、古紙再生処理装置1は古紙パルプ製造装置2と脱墨装置3と抄紙装置4と仕上げ装置5と排液処理装置6とを一体的に備える小型のものである。
【0026】
古紙パルプ製造装置2は、古紙7を離解して再生パルプを製造するものであり、脱墨装置3は、古紙パルプ製造装置2において製造された再生パルプを脱墨するものである。抄紙装置4は、脱墨装置3において得られた脱墨パルプ又は古紙パルプ製造装置2で製造された再生パルプのいずれかを含む古紙原料液を抄紙し、抄紙により得られた湿紙を乾燥するものである。仕上げ装置5は、抄紙装置4において湿紙を乾燥したものを裁断等することにより仕上げを行って再生紙8を得るものであり、排液処理装置6は脱墨装置3と抄紙装置4においてそれぞれ生じた排液を処理するものである。
(古紙パルプ製造装置2)
先ず、古紙パルプ製造装置2の構成を説明する。
図2,
図3は古紙パルプ製造装置2の内部構造を示す概略図である。古紙パルプ製造装置2は、古紙7を離解して再生パルプを製造するものであり、古紙投入部11とシュレッダー12と金属片除去部13と押圧部14とシュレッダータンク15と裁断紙量調整部16とパルパー17を備えている。
【0027】
古紙投入部11は、処理を行なう古紙7を古紙パルプ製造装置2内に投入するための開口部である。シュレッダー12は、投入された古紙7を裁断して再生パルプの製造に適した所定の大きさの裁断紙片20にするものである。金属片除去部13は、ステープラーの針等の金属類を取り除くものであり、マグネット等で構成されている。
【0028】
押圧部14は、シュレッダータンク15内の裁断紙片20を下向きに押圧して裁断紙片20の嵩高さを低減させる押圧部材22と、押圧部材22を昇降させる昇降手段23とを備えている。シュレッダータンク15は、裁断紙片20を一時的に貯留するものであり、排出口26には、シュレッダータンク15内の裁断紙片20を排出する排出装置27が設けられている。
【0029】
裁断紙量調整部16は、排出口26から排出される裁断紙片20を受け止める受け皿29と、受け皿29に受け止められた裁断紙片20の重量を計測する計測部30を備えている。受け皿29は、
図2に示した水平姿勢と、
図3に示したパルパー17へ向けて傾斜する傾斜姿勢とにわたって傾動自在である。また、受け皿29のパルパー17に隣接する側壁部29aは、
図2に示す立ち姿勢の通常位置と、
図3に示すパルパー17に向けて傾倒する傾倒位置とにわたって開閉可能に設けられ、受け皿29の傾動に伴って傾倒し、受け皿29の復動に伴って立ち姿勢に復帰するように構成されている。
【0030】
パルパー17は、古紙7の裁断紙片20を、水および離解促進剤の液体と攪拌し離解を行って再生パルプを製造するものである。パルパー17は、裁断紙片20が投入される攪拌槽32と、攪拌槽32に給水する給水部33と、攪拌槽32に離解促進剤を供給する離解促進剤供給部34とを備えている。
【0031】
攪拌槽32の底部には、裁断紙片20を給水部33から給水された水とともに攪拌して離解するための攪拌羽根35と、攪拌羽根35を回転駆動させるモータ等の駆動手段36と、槽内において生成された再生パルプ含有液37(古紙原料液の一例)を取り出す取出部38が設けられている。
【0032】
尚、再生パルプ含有液37とは、攪拌槽32内で裁断紙片20を離解することにより得られた再生パルプを含む液体のことであり、この再生パルプの他に、離解途中の古紙7と水と水中に取り出されたインク成分やトナー成分等の印刷成分と離解促進剤等を含む液体である。
(脱墨装置3)
次に、脱墨装置3の構成を説明する。
図1に示すように、脱墨装置3は、フローテーターと呼ばれ、古紙パルプ製造装置2の下流側(後段側)に設けられており、パルパー17において得られた再生パルプ含有液37中に散気して印刷成分を分離する脱墨槽39を備えている。
【0033】
図4,
図5に示すように、脱墨槽39の底部の前端部(一端部)には、攪拌槽32内の再生パルプ含有液37を脱墨槽39の内部に流入させる流入部40が設けられている。また、脱墨槽39の底部の後端部(他端部)には、脱墨処理された脱墨パルプを含む脱墨パルプ含有液(古紙原料液の一例)を脱墨槽39の外部に流出させる流出部41が設けられている。
【0034】
脱墨槽39内は仕切壁43によって複数の脱墨室44a〜44cに区画されており、仕切壁43の一部が開口することにより、全ての脱墨室44a〜44cが連通している。これにより、脱墨槽39内には、上流側の流入部40から各脱墨室44a〜44cを通って下流側の流出部41に至る流通経路が形成される。また、脱墨槽39には、槽内の液面の位置(以下、水位と記載)を検出する水位計53が設けられている。
【0035】
脱墨装置3には、脱墨槽39内に気泡45を噴出する散気手段46が備えられている。散気手段46は、脱墨槽39の底部に配置された平板状の第1〜第4気泡発生部材47a〜47dと、気泡発生部材47a〜47dに空気を供給する空気供給手段48とを有している。尚、気泡発生部材47a〜47dには多孔体等が用いられている。
【0036】
空気供給手段48は、空気を供給する複数のエアポンプ49a,49bと、エアポンプ49a,49bと気泡発生部材47a〜47dとの間に接続された複数の給気管50a〜50dとを有している。各給気管50a〜50dには第1〜第4給気用電磁弁51a〜51dが設けられている。尚、各給気用電磁弁51a〜51dは各気泡発生部材47a〜47dに対応しており、各給気用電磁弁51a〜51dを個々に開閉することにより、気泡45が各気泡発生部材47a〜47d毎に個別に発生する。
【0037】
パルパー17と脱墨槽39との間には、攪拌槽32内の再生パルプ含有液37を脱墨槽39に移送する移送手段54が設けられている。移送手段54は移送管路55と第1ポンプ56とを有している。移送管路55の上流側端部(一端部)は攪拌槽32の取出部38に接続されて連通し、移送管路55の下流側端部(他端部)は脱墨槽39の流入部40に接続されて連通している。第1ポンプ56は移送管路55の途中に設けられている。
【0038】
脱墨装置3には、脱墨槽39の上流側において再生パルプ含有液37に脱墨剤58を添加する脱墨剤添加手段59と、希釈水(水道水)を注入して再生パルプ含有液37を脱墨に適した所定の繊維濃度(例えば0.3〜1.0重量%程度)に希釈する再生パルプ希釈手段60とが設けられている。
【0039】
脱墨剤添加手段59は、脱墨剤58を貯留する脱墨剤タンク61と、移送管路55の途中と脱墨剤タンク61とに接続される脱墨剤投入配管62と、脱墨剤投入配管62に設けられた投入用ポンプ63および投入用電磁弁64とを有している。尚、脱墨剤58には界面活性剤等が用いられる。
【0040】
また、再生パルプ希釈手段60は、希釈水60aを貯留する希釈水タンク60bと、移送管路55の途中と希釈水タンク60bとに接続される希釈水注入配管60cと、希釈水注入配管60cに設けられた注水用ポンプ60dおよび注水用電磁弁60eとを有している。
(抄紙装置4)
次に、抄紙装置4の構成を説明する。
図1に示すように、抄紙装置4は、脱墨装置3の下流側(後段側)に設けられており、脱墨槽39において脱墨処理された脱墨パルプ含有液(古紙原料液)を抄紙するものであり、
図6に示すように、ヘッドボックス66とワイヤー部67と脱水部68とドライヤー部69を備えている。
【0041】
ヘッドボックス66は、脱墨槽39から排出された脱墨パルプ含有液(古紙原料液)をワイヤー部67に均一に供給するためのものである。また、ワイヤー部67は、無端状のメッシュベルト70を備えており、メッシュベルト70の網目によって脱墨パルプ含有液を濾過して脱水し、水分を比較的多く含んだ繊維の層である湿紙71を形成するためのものである。尚、
図4に示すように、ワイヤー部67には、メッシュベルト70を透過した濾過液(以下、白水79と記載)を回収して貯留する白水タンク72が備えられている。
【0042】
脱墨槽39の流出部41とヘッドボックス66との間には排出管路80が接続され、排出管路80には第2ポンプ81が設けられている。
図6に示すように、脱水部68は、無端状の吸水ベルト73と圧搾ローラ74とを備えており、湿紙71に含まれる水分を吸水ベルト73に吸水させ、さらに、圧搾ローラ74で圧搾して湿紙71を脱水するためのものである。ドライヤー部69は、回転ローラ75と、ヒータを内蔵した乾燥ローラ76と、これらローラ75,76間に掛け渡された搬送ベルト77を備えており、乾燥ローラ76で湿紙71を乾燥させて仕上げ前の再生紙78を得るためのものである。
【0043】
図4に示すように、移送手段54の移送管路55と抄紙装置4のヘッドボックス66との間には、パルパー17の攪拌槽32内の再生パルプ含有液37をヘッドボックス66に移送するバイパス移送管路83(バイパス移送手段の一例)が接続されている。
【0044】
バイパス移送管路83の上流側端部(一端部)は移送管路55に接続され、下流側端部(他端部)はヘッドボックス66に接続され連通している。
移送管路55とバイパス移送管路83との分岐部には、流れ方向を移送管路55とバイパス移送管路83とのいずれかに切換える切換手段84が設けられている。切換手段84は、移送管路55に設けられた第1切換用電磁弁85と、バイパス移送管路83に設けられた第2切換用電磁弁86とを有している。
【0045】
白水タンク72とバイパス移送管路83との間には、バイパス移送管路83内を流れる再生パルプ含有液37に白水タンク72内の白水79を供給して再生パルプ含有液37を希釈する希釈手段106が設けられている。希釈手段106は、白水タンク72とバイパス移送管路83との間に接続された希釈用管路107と、希釈用管路107に設けられた希釈用ポンプ108および希釈用電磁弁109とを備えている。
(仕上げ装置5)
次に、仕上げ装置5の構成を説明する。
図1に示すように、仕上げ装置5は、抄紙装置4の下流側(後段側)に設けられており、カレンダー部89とカット部90を備えている。
図6に示すように、カレンダー部89は、再生紙の平坦度を上げるためのプレスローラ91を備え、カット部90は再生紙を所定のサイズにカットする裁断刃(図示省略)を備えている。
(排液処理装置6)
次に、排液処理装置6の構成を説明する。
図1に示すように、排液処理装置6は脱墨排水タンク93と抄紙排水タンク94とを有している。汚染の程度が高く再利用が困難な脱墨排水タンク93内の排水は、必要に応じて所定の廃液処理を行なって無毒化した後、古紙再生処理装置1の外部に排出するように構成されている。また、汚染の程度が低く再利用が可能な抄紙排水タンク94内の排水は、フィルターを通してインクおよびトナー等を除去し、必要に応じて薬剤を添加し中和する等の処理を施した後、再度パルパー17へ供給し再利用可能に構成されている。
【0046】
また、
図4,
図7に示すように、古紙再生処理装置1には操作パネル96と制御部97が設けられている。操作パネル96には、製造される再生紙8に対して複数の異なる白色度を選択する白色度選択手段98と、節約運転を選択する節約運転選択手段99が設けられている。白色度選択手段98は、標準の白色度に対応する標準白色度選択用ボタン100(白色度選択用操作部の一例)と、標準の白色度よりも高い高白色度に対応する高白色度選択用ボタン101(白色度選択用操作部の一例)と、標準の白色度よりも低い低白色度に対応する低白色度選択用ボタン102(白色度選択用操作部の一例)とからなる。また、節約運転選択手段99は節約運転選択用ボタン103(節約運転選択用操作部の一例)からなる。
【0047】
制御部97は、水位計53の検出値と各選択用ボタン100〜103のオン・オフ操作とに基づいて、各ポンプ49a,49b,56,60d,63,81,108と各電磁弁51a〜51d,60e,64,85,86,109とを制御する。
(第1の実施の形態の作用)
以下、上記構成における作用を説明する。
【0048】
(1)先ず、古紙7を再生処理して、標準の白色度を有する再生紙8を製造する場合を、
図8に示したフローチャートに基づいて、以下に説明する。
この場合、使用者は、標準白色度選択用ボタン100を押し(S−1)、
図2に示すように、古紙7を古紙パルプ製造装置2の古紙投入部11から投入する。
【0049】
これにより、シュレッダー12が古紙7を所定の大きさの裁断紙片20に裁断し、金属片除去部13が金属類を除去し、裁断紙片20がシュレッダータンク15内に一時的に貯留される。この際、
図2の仮想線で示すように、昇降手段23によって押圧部材22を降下させ、押圧部材22で裁断紙片20を下向きに押圧して、裁断紙片20の嵩高さを低減することも可能である。
【0050】
次に、排出装置27が作動して、シュレッダータンク15内の裁断紙片20が排出口26から排出されて受け皿29に投下され、受け皿29内の裁断紙片20の重量が計測部30で計測される。計測部30による計測値が設定値に達した時点で排出装置27を停止し、
図3に示すように、駆動手段を駆動して受け皿29が傾斜姿勢に傾動し、側壁部29aが傾倒して裁断紙片20がパルパー17の攪拌槽32へ投入される。
【0051】
パルパー17では、上記裁断紙片20の投入に先立って、予め投入される裁断紙片20の量に応じた量の水を給水部33から攪拌槽32に供給しておき、駆動手段36を作動して攪拌羽根35を回転し、攪拌槽32内の水を攪拌しておく。
【0052】
このような状態で、上記のようにして裁断紙片20が投入されることにより、攪拌槽32内で裁断紙片20と水とを容易に混合することができる。そして、離解促進剤供給部34より離解促進剤を攪拌槽32に投入することにより、攪拌槽32内において裁断紙片20が水および離解促進剤と攪拌されて再生パルプ含有液37が形成される。
【0053】
そして、制御部97は、脱墨装置3において、脱墨の程度(度合い)が標準の程度になる標準脱墨処理を以下のようにして実行する(S−2)。
すなわち、
図4に示すように、制御部97は、第1ポンプ56と投入用ポンプ63とエアポンプ49a,49bとを駆動させるとともに、ひら第1切換用電磁弁85と投入用電磁弁64と第1〜第3給気用電磁弁51a〜51cとを開き、第2ポンプ81と希釈用ポンプ108とを停止しておき、第2切換用電磁弁86と第4給気用電磁弁51dと希釈用電磁弁109とを閉じておき、さらに、注水用ポンプ60dを駆動させるとともに注水用電磁弁60eを開く。
【0054】
これにより、攪拌槽32内の再生パルプ含有液37が移送管路55を通って脱墨槽39に導入され、この際、脱墨剤タンク61内の脱墨剤58が、脱墨剤投入配管62を通って、移送管路55内を流れる再生パルプ含有液37に添加されるとともに、希釈水タンク60b内の希釈水60aが、希釈水注入配管60cを通って、移送管路55内を流れる再生パルプ含有液37に注水される。これにより、移送管路55内を流れる再生パルプ含有液37が脱墨に適した所定の繊維濃度に希釈される。
【0055】
また、
図5に示すように、エアポンプ49a,49bの駆動により散気用の空気が第1〜第3気泡発生部材47a〜47cに供給され、第1〜第3気泡発生部材47a〜47cから脱墨槽39内の再生パルプ含有液37中に気泡45が噴出される。この際、脱墨槽39内の再生パルプ含有液37の水位が水位計53によって検出され、検出された水位が所定水位Wに達すると、制御部97は第2ポンプ81を駆動する。これにより、再生パルプ含有液37は、流入部40から脱墨槽39内に流入し、所定水位Wを保って脱墨室44a,44bを流れながら脱墨処理され、脱墨パルプを含む脱墨パルプ含有液(古紙原料液)として流出部41から流れ出る。
【0056】
この際、上記のように標準白色度選択用ボタン100により標準白色度が選択されているため、制御部97は第1ポンプ56と投入用ポンプ63とエアポンプ49a,49bとの各回転速度をそれぞれ所定の標準回転速度Rに制御する。
【0057】
これにより、
図8の(S−2)で示したように、再生パルプ含有液37が脱墨槽39内に滞留する滞留時間(すなわち再生パルプ含有液37が脱墨槽39内に流入してから脱墨槽39外に流出するまでの時間)が所定の標準滞留時間Tとなる。また、再生パルプ含有液37に添加される脱墨剤58の添加量が所定の標準添加量Aとなり、さらに、脱墨槽39内の再生パルプ含有液37に対する散気量が所定の標準散気量Bとなる。これにより標準脱墨処理が行なえる(S−2)。
【0058】
上記のような標準脱墨処理が完了すると、
図4に示すように、脱墨パルプ含有液(古紙原料液)は、脱墨槽39から排出配管80を通って抄紙装置4のヘッドボックス66に供給され、ヘッドボックス66からワイヤー部67に均一に供給される。ワイヤー部67に供給された脱墨パルプ含有液がメッシュベルト70によって脱水濾過されることで、湿紙71が形成される。この際、メッシュベルト70により濾過された白水79は白水タンク72内に貯留される。
【0059】
また、
図6に示すように、湿紙71の水分は脱水部68の吸水ベルト73に吸収され、さらに、湿紙71は、圧搾ローラ74で圧搾されて脱水され、その後、ドライヤー部69の乾燥ローラ76で乾燥される。これにより、仕上げ前の再生紙78が得られる。
【0060】
その後、仕上げ前の再生紙102は、ドライヤー部94から仕上げ装置5のカレンダー部103へ搬送され、プレスローラ105でプレスされて平坦度を上げられた後、カット部104において所定のサイズにカットされる。これにより、
図1に示すように、標準の白色度を有する再生紙8が製造される。
【0061】
(2)次に、古紙7を再生処理して、高白色度を有する再生紙8を製造する場合を以下に説明する。尚、上記(1)で記載した標準白色度を有する再生紙8を製造する場合の説明と重複する内容は省略する。
【0062】
この場合、使用者は、高白色度選択用ボタン101を押し(S−3)、
図2に示すように、古紙7を古紙パルプ製造装置2の古紙投入部11から投入する。これにより、制御部97は、脱墨装置3において、脱墨の程度が標準の程度よりも向上する高脱墨処理を以下のようにして実行する(S−4)。
【0063】
すなわち、
図4に示すように、制御部97は、第1〜第4給気用電磁弁51a〜51dを開き、さらに、第1ポンプ56の回転速度を標準回転速度Rよりも低い低回転速度RL(すなわちRL<R)に制御するとともに、投入用ポンプ63とエアポンプ49a,49bとの各回転速度をそれぞれ標準回転速度Rよりも高い高回転速度RH(すなわちRH>R)に制御する。
【0064】
これにより、滞留時間が標準滞留時間Tよりも長い延長滞留時間TL(すなわちTL>T)となる。また、再生パルプ含有液37に添加される脱墨剤58の添加量が標準添加量Aよりも多い第1添加量A1(すなわちA1>A)となる。さらに、第1〜第4気泡発生部材47a〜47dから脱墨槽39内の再生パルプ含有液37中に気泡45が噴出されるため、脱墨槽39内の再生パルプ含有液37に対する散気量が標準散気量Bよりも多い第1散気量B1(すなわちB1>B)となる。これにより高脱墨処理が行なえる(S−4)。
【0065】
上記のような高脱墨処理が完了すると、抄紙装置4において抄紙し、仕上げ装置5によって仕上げることにより、高白色度を有する再生紙8が製造される。
(3)次に、古紙7を再生処理して、低白色度を有する再生紙8を製造する場合を以下に説明する。尚、上記(1)で記載した標準白色度を有する再生紙8を製造する場合の説明と重複する内容は省略する。
【0066】
この場合、使用者は、低白色度選択用ボタン102を押し(S−5)、
図2に示すように、古紙7を古紙パルプ製造装置2の古紙投入部11から投入する。これにより、制御部97は、脱墨装置3において、脱墨の程度が標準の程度よりも低下する低脱墨処理を以下のようにして実行する(S−6)。
【0067】
すなわち、
図4に示すように、制御部97は、第1給気用電磁弁51aと第3給気用電磁弁51cとを開き、第2給気用電磁弁51bと第4給気用電磁弁51dとを閉じ、さらに、第1ポンプ56の回転速度を標準回転速度Rよりも高い高回転速度RHに制御するとともに、投入用ポンプ63とエアポンプ49a,49bとの各回転速度をそれぞれ標準回転速度Rよりも低い低回転速度RLに制御する。
【0068】
これにより、滞留時間が標準滞留時間Tよりも短い短縮滞留時間TS(すなわちTS<T)となる。また、再生パルプ含有液37に添加される脱墨剤58の添加量が標準添加量Aよりも少ない第2添加量A2(すなわちA2<A)となる。さらに、第1気泡発生部材47aと第3気泡発生部材47cとから脱墨槽39内の再生パルプ含有液37中に気泡45が噴出されるため、脱墨槽39内の再生パルプ含有液37に対する散気量が標準散気量Bよりも少ない第2散気量B2(すなわちB2<B)となる。これにより低脱墨処理が行なえる(S−6)。
【0069】
上記のような低脱墨処理が完了すると、抄紙装置4において抄紙し、仕上げ装置5によって仕上げることにより、低白色度を有する再生紙8が製造される。
(4)次に、再生紙8の白色度にはこだわらず、節約運転をして再生紙8を製造する場合を以下に説明する。尚、上記(1)で記載した標準白色度を有する再生紙8を製造する場合の説明と重複する内容は省略する。
【0070】
この場合、使用者は、節約運転選択用ボタン103を押し(S−7)、
図2に示すように、古紙7を古紙パルプ製造装置2の古紙投入部11から投入する。これにより、制御部97は節約運転を以下のようにして実行する(S−8)。
【0071】
すなわち、
図4に示すように、制御部97は、第1ポンプ56と希釈用ポンプ108とを駆動させるとともに、第2切換用電磁弁86と希釈用電磁弁109とを開き、第2ポンプ81と投入用ポンプ63とエアポンプ49a,49bとを停止し、第1切換用電磁弁85と投入用電磁弁64と第1〜第4給気用電磁弁51a〜51dとを閉じ、さらに、注水用ポンプ60dを停止させるとともに注水用電磁弁60eを閉じる。
【0072】
これにより、脱墨剤添加手段59による脱墨剤58の添加と再生パルプ希釈手段60による希釈水60aの注入とが停止し、攪拌槽32内の再生パルプ含有液37は、移送管路55からバイパス移送管路83を通って、抄紙装置4のヘッドボックス66に供給される。この際、白水タンク72内の白水79が希釈用管路107を通ってバイパス移送管路83に供給されるため、バイパス移送管路83を流れる再生パルプ含有液37(古紙原料液)のパルプ濃度は、白水79によって所定のパルプ濃度(例えば約0.5%)に希釈されてヘッドボックス66に供給され、抄紙装置4において抄紙される。
【0073】
尚、抄紙が未だ行われておらず、白水タンク72内に白水79を貯留していない場合は、予め、白水79の代わりに水道水を白水タンク72内に貯留しておく。
このように、パルパー17の攪拌槽32で得られた再生パルプ含有液37は、脱墨槽39で脱墨処理されず(S−8)、抄紙装置4で抄紙されるため、脱墨処理に要する電力(すなわち、第2ポンプ81と投入用ポンプ63とエアポンプ49a,49bと注水用ポンプ60dとを駆動させるための電力)を節約することができ、また、脱墨処理に要する時間が節約されるため、古紙7から再生紙8を製造するのに要する古紙再生処理時間が短縮され、さらに、脱墨剤58の使用量と希釈水60aの使用量とが低減される。また、脱墨処理の際に印刷成分と共にゴミとして排出される再生パルプの量が低減され、上記再生パルプを再生紙8の原料として有効利用することで環境にも配慮した節約運転が行える。
【0074】
上記実施の形態では、
図8に示すように、各選択用ボタン100〜102によって選択された白色度に応じて、移送手段54と脱墨剤添加手段59と散気手段46との全てを制御しているが、これら三つの脱墨手段のうちの少なくとも1つを制御し、これによって、滞留時間と脱墨剤58の添加量と散気量との三つの脱墨条件のうちの少なくとも1つにより脱墨の状態を調整してもよい。
【0075】
上記実施の形態では、
図5に示すように、脱墨槽39の底部に第1〜第4気泡発生部材47a〜47dを設けたが、気泡発生部材47a〜47dの個数は4個に限定されるものではなく、4個以外の複数個又は単数個であってもよい。また、エアポンプ49a,49bの台数と給気管50a〜50dの本数も同様である。
【0076】
さらに、標準脱墨処理の際、第1〜第3気泡発生部材47a〜47cの三個を用いて散気し、高脱墨処理の際、第1〜第4気泡発生部材47a〜47dの全てを用いて散気し、低脱墨処理の際、第1および第3気泡発生部材47a,47cのみの二個を用いて散気しているが、これら各脱墨処理の際に用いる気泡発生部材の個数および気泡発生箇所は上記のものに限定されることはなく、高脱墨処理の際に用いる気泡発生部材の個数を標準脱墨処理の際に用いる気泡発生部材の個数よりも多くし、低脱墨処理の際に用いる気泡発生部材の個数を標準脱墨処理の際に用いる気泡発生部材の個数よりも少なくすればよい。
【0077】
また、第1〜第4気泡発生部材47a〜47dを平板状に形成したが、平板状に限定されるものではなく、例えば回転自在な円筒状の散気管等を用いてもよい。
このように上記実施の形態では、脱墨処理の程度に応じて、空気が供給される気泡発生部材47a〜47dの個数を変えることにより、散気手段46の散気量を制御しているが、気泡発生部材47a〜47dに供給される空気の圧力と流速と供給時間との少なくとも1つを調節することによって散気手段46の散気量を制御してもよい。
【0078】
(第2の実施の形態)
以下、本発明の第2の実施の形態を、
図9,
図10を参照して説明する。
パルパー17には、攪拌槽32内の再生パルプ含有液37の着色度を検出する着色度検出手段42が設けられている。尚、着色度検出手段42には、エリアCCDイメージセンサー、ラインCCDイメージセンサー、CNOSイメージセンサー等の撮像素子が用いられる。また、古紙7の印字率が高いほど着色度が濃くなり、印字率が低いほど着色度が淡くなる。
【0079】
制御部97は、着色度検出手段42の検出値と水位計53の検出値と各選択用ボタン100〜103のオン・オフ操作とに基づいて、各ポンプ49a,49b,56,60d,63,81,108と各電磁弁51a〜51d,60e,64,85,86,109とを制御する。尚、制御部97は、各ポンプ49a,49b,56,63の回転速度をそれぞれ
図10に示すような複数の回転速度に制御する。
【0080】
また、制御部97には、予め、所定の標準着色度範囲と、標準着色度範囲よりも淡い淡着色度範囲と、標準着色度範囲よりも濃い濃着色度範囲とが設定されており、着色度検出手段42によって検出された着色度は制御部97において標準着色度範囲と淡着色度範囲と濃着色度範囲とのいずれかの範囲に属するように分類される。
【0081】
以下、上記構成における作用を説明する。
パルパー17で離解処理を行なった際、攪拌槽32内の再生パルプ含有液37の着色度が着色度検出手段42によって検出され、検出された着色度は標準着色度範囲と淡着色度範囲と濃着色度範囲とのいずれかの範囲に分類される。
【0082】
(1)例えば、検出された着色度が標準着色度範囲に属する場合、制御部97は上記第1の実施の形態と同様な標準脱墨処理と高脱墨処理と低脱墨処理と節約運転とを選択的に実行する。
【0083】
(2)また、検出された着色度が濃着色度範囲に属する場合、標準脱墨処理においては、第1ポンプ56の回転速度を標準回転速度Rよりも所定の比率(例えば10%)分だけ低い低標準回転速度R1に制御し、投入用ポンプ63とエアポンプ49a,49bとの各回転速度をそれぞれ標準回転速度Rよりも所定の比率(例えば10%)分だけ高い高標準回転速度R2に制御する。尚、低標準回転速度R1は低回転速度RLよりも高く、高標準回転速度R2は高回転速度RHよりも低い。
【0084】
これにより、滞留時間が標準滞留時間Tよりも所定時間だけ長くなるように補正され、脱墨剤58の添加量が標準添加量Aよりも所定量だけ増加するように補正され、散気量が標準散気量Bよりも所定量だけ増加するように補正される。このため、標準脱墨処理が促進され、印字率が標準より高い古紙7であっても、白色度が不足せず、所定の標準白色度を有する再生紙8を安定して製造することができる。
【0085】
(3)また、検出された着色度が淡着色度範囲に属する場合、標準脱墨処理においては、第1ポンプ56の回転速度を標準回転速度Rよりも所定の比率(例えば10%)分だけ高い高標準回転速度R2に制御し、投入用ポンプ63とエアポンプ49a,49bとの各回転速度をそれぞれ所定の標準回転速度Rよりも所定の比率(例えば10%)分だけ低い低標準回転速度R1に制御する。
【0086】
これにより、滞留時間が標準滞留時間Tよりも所定時間だけ短くなるように補正され、脱墨剤58の添加量が標準添加量Aよりも所定量だけ減少するように補正され、散気量が標準散気量Bよりも所定量だけ減少するように補正される。このため、標準脱墨処理が抑制され、印字率が標準より低い古紙7であっても、白色度が過剰にならず、所定の標準白色度を有する再生紙8を安定して製造することができる。
【0087】
(4)また、検出された着色度が濃着色度範囲に属する場合、高脱墨処理においては、第1ポンプ56の回転速度を低回転速度RLよりも所定の比率(例えば10%)分だけ低い第1低回転速度RL1に制御し、投入用ポンプ63とエアポンプ49a,49bとの各回転速度をそれぞれ高回転速度RHよりも所定の比率(例えば10%)分だけ高い第1高回転速度RH1に制御する。
【0088】
これにより、滞留時間が延長滞留時間TLよりも所定時間だけ長くなるように補正され、脱墨剤58の添加量が第1添加量A1よりも所定量だけ増加するように補正され、散気量が第1散気量B1よりも所定量だけ増加するように補正される。このため、高脱墨処理が促進され、印字率が標準より高い古紙7であっても、白色度が不足せず、所定の高白色度を有する再生紙8を安定して製造することができる。
【0089】
(5)また、検出された着色度が淡着色度範囲に属する場合、高脱墨処理においては、第1ポンプ56の回転速度を低回転速度RLよりも所定の比率(例えば10%)分だけ高い第2低回転速度RL2に制御し、投入用ポンプ63とエアポンプ49a,49bとの各回転速度をそれぞれ高回転速度RHよりも所定の比率(例えば10%)分だけ低い第2高回転速度RH2に制御する。尚、第2低回転速度RL2は標準回転速度Rよりも低く、第2高回転速度RH2は標準回転速度Rよりも高い。
【0090】
これにより、滞留時間が延長滞留時間TLよりも所定時間だけ短くなるように補正され、脱墨剤58の添加量が第1添加量A1よりも所定量だけ減少するように補正され、散気量が第1散気量B1よりも所定量だけ減少するように補正される。このため、高脱墨処理が抑制され、印字率が標準より低い古紙7であっても、白色度が過剰にならず、所定の高白色度を有する再生紙8を安定して製造することができる。
【0091】
(6)また、検出された着色度が濃着色度範囲に属する場合、低脱墨処理においては、第1ポンプ56の回転速度を高回転速度RHよりも所定の比率(例えば10%)分だけ低い第2高回転速度RH2に制御し、投入用ポンプ63とエアポンプ49a,49bとの各回転速度をそれぞれ低回転速度RLよりも所定の比率(例えば10%)分だけ高い第2低回転速度RL2に制御する。
【0092】
これにより、滞留時間が短縮滞留時間TSよりも所定時間だけ長くなるように補正され、脱墨剤58の添加量が第2添加量A2よりも所定量だけ増加するように補正され、散気量が第2散気量B2よりも所定量だけ増加するように補正される。このため、低脱墨処理が促進され、印字率が標準より高い古紙7であっても、白色度が不足せず、所定の低白色度を有する再生紙8を安定して製造することができる。
【0093】
(7)また、検出された着色度が淡着色度範囲に属する場合、低脱墨処理においては、第1ポンプ56の回転速度を高回転速度RHよりも所定の比率(例えば10%)分だけ高い第1高回転速度RH1に制御し、投入用ポンプ63とエアポンプ49a,49bとの各回転速度をそれぞれ低回転速度RLよりも所定の比率(例えば10%)分だけ低い第1低回転速度RL1に制御する。
【0094】
これにより、滞留時間が短縮滞留時間TSよりも所定時間だけ短くなるように補正され、脱墨剤58の添加量が第2添加量A2よりも所定量だけ減少するように補正され、散気量が第2散気量B2よりも所定量だけ減少するように補正される。このため、低脱墨処理が抑制され、印字率が標準より低い古紙7であっても、白色度が過剰にならず、所定の低白色度を有する再生紙8を安定して製造することができる。
【0095】
上記実施の形態では、パルパー17の攪拌槽32内の再生パルプ含有液37の着色度を着色度検出手段42で検出しているが、複数枚の古紙7を一枚ずつ搬送してパルパー17の攪拌槽32に投入する際に、各古紙7の印字率を印字率検出手段(エリアCCDイメージセンサー、ラインCCDイメージセンサー、CNOSイメージセンサー等の撮像素子)で検出してもよい。
【0096】
(第3の実施の形態)
以下、本発明の第3の実施の形態を、
図11を参照して説明する。
白水タンク72と移送管路55との間には、白水タンク72内の白水79を脱墨槽39に供給する白水供給手段111が設けられている。白水供給手段111は、白水タンク72と移送管路55の途中との間に接続された白水供給用管路112と、白水供給用管路112に設けられた白水供給用ポンプ113および白水供給用電磁弁114とを備えている。
【0097】
以下、上記構成における作用を説明する。
脱墨処理を行う際、攪拌槽32内の再生パルプ含有液37が移送管路55を通って脱墨槽39に導入される。このとき、脱墨槽39内の再生パルプ含有液37の水位が水位計53によって検出され、制御部97は白水供給用ポンプ113を駆動するとともに白水供給用電磁弁114を開く。
【0098】
これにより、白水タンク72内の白水79が、白水供給用管路112を通って移送管路55に供給され、移送管路55内の再生パルプ含有液37と共に脱墨槽39に流入する。これにより、脱墨槽39内の水位が所定水位Wに達するまでに要する水道水による希釈水の使用量を節約できる。
【0099】
さらに、脱墨槽39内の水位が所定水位Wに達した後も、上記のように白水タンク72内の白水79を脱墨槽39に供給し続けることにより、水道水の代わりに白水79を用いて再生パルプ含有液37を希釈することができるため、水道水を用いた希釈水の使用量をより一段と節約できる。
【0100】
これにより、上記第1および第2の実施の形態に示した水道水を用いた再生パルプ希釈手段60(
図4,
図9参照)が不要になる。
上記各実施の形態では、
図5に示すように、脱墨槽39内に二枚の仕切壁43を設けて、脱墨槽39内を三つの脱墨室44a〜44cに区画したが、仕切壁43を三枚以上の複数枚設けて、脱墨室を四つ以上の複数形成してもよい。また、仕切壁43を一枚設けて、脱墨室を二つ形成してもよい。
【0101】
上記各実施の形態では、標準の白色度を有する再生紙8を製造する場合、必ず標準白色度選択用ボタン100を押すこととしたが、標準白色度選択用ボタン100を押さなくても、古紙再生処理の開始を操作し、他の選択が無ければ、自動的に標準白色度のコースを選択するように制御してもよい。
【0102】
上記各実施の形態では、
図4,
図9,
図11に示すように、白色度選択用操作部の一例として、標準白色度選択用ボタン100と高白色度選択用ボタン101と低白色度選択用ボタン102とを設けて、三段階の白色度を選択しているが、三段階に限定されるものではなく、白色度選択用ボタンの個数を増減して、二段階又は四段階以上の複数段階の白色度を選択可能にしてもよい。
【0103】
また、白色度選択用操作部の一例として、白色度選択用ボタン100〜102を用いたが、このような押しボタンに限定されるものではなく、スイッチやタッチパネル等を用いてもよい。
【0104】
上記各実施の形態では、
図4,
図9,
図11に示すように、水位計53によって検出された水位が所定水位Wに達すると、第2ポンプ81を駆動して、脱墨槽39内の脱墨パルプ含有液を連続的に流出部41から流出させているが、流入部40から脱墨槽39内への液の流入および流出部41から脱墨槽39外への液の流出を一旦停止し、所定時間バッチ式で脱墨してもよく、バッチ処理時間により滞留時間を調整してもよい。
【0105】
上記各実施の形態では、
図4,
図9,
図11に示すように、操作パネル96に白色度選択手段98と節約運転選択手段99との双方を備えたが、いずれか片方のみを備えてもよい。
【0106】
上記各実施の形態では、
図4,
図9,
図11に示すように、脱墨剤添加手段59を、脱墨装置3に設けたが、パルパー17に設けてもよい。尚、パルパー17に設けることで、攪拌羽根35により脱墨剤58を再生パルプ含有液37中に十分に溶解させることができる。この場合、投入用ポンプ63は、回転速度による制御の他、回転速度を一定とし、駆動時間を調整することで、脱墨剤58のパルパー17への投入量を制御することも可能である。
【0107】
上記各実施の形態では、
図4,
図9,
図11に示すように、バイパス移送管路83の上流側端部を、移送管路55の途中に接続しているが、ポンプを介してパルパー17の攪拌槽32に接続してもよい。