(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5693090
(24)【登録日】2015年2月13日
(45)【発行日】2015年4月1日
(54)【発明の名称】基板のエンボス加工用装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/027 20060101AFI20150312BHJP
B29C 59/02 20060101ALI20150312BHJP
G03F 7/20 20060101ALI20150312BHJP
【FI】
H01L21/30 502D
B29C59/02 Z
G03F7/20 521
【請求項の数】14
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2010-185136(P2010-185136)
(22)【出願日】2010年8月20日
(65)【公開番号】特開2011-44715(P2011-44715A)
(43)【公開日】2011年3月3日
【審査請求日】2013年4月24日
(31)【優先権主張番号】09010779.8
(32)【優先日】2009年8月22日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】508333169
【氏名又は名称】エーファウ・グループ・エー・タルナー・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(72)【発明者】
【氏名】フリードリヒ・パウル・リンドナー
(72)【発明者】
【氏名】トーマス・グリンスナー
(72)【発明者】
【氏名】マルクス・ヴィンプリンガー
【審査官】
関口 英樹
(56)【参考文献】
【文献】
特開2005−101201(JP,A)
【文献】
特開2009−088376(JP,A)
【文献】
国際公開第2007/094213(WO,A1)
【文献】
特開2008−168641(JP,A)
【文献】
特開2005−286062(JP,A)
【文献】
特開2007−283674(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/027
B29C 53/00−53/84、57/00−59/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板(2)のエンボス加工用装置であって、
包囲された作業空間(13)を画定する側壁(7)、カバー(17)およびベースプレート(6)と、
前記包囲された作業空間(13)内に前記基板(2)を保持する少なくとも1つの受入手段(24)と、
前記包囲された作業空間(13)に少なくとも部分的に配置され、前記基板(2)を較正するための較正手段(22)と、
前記包囲された作業空間(13)に少なくとも部分的に配置され、エンボス加工プロセス中に前記基板(2)上に構造材料(1)をエンボス加工するためのエンボス加工手段(20)と、
前記包囲された作業空間(13)に少なくとも部分的に配置され、付与プロセス中に前記基板(2)に前記構造材料(1)を付与するための付与手段(21)であって、前記包囲された作業空間(13)に配置された少なくとも1つのノズル(12d)と、前記少なくとも1つのノズル(12d)を前記基板(2)の垂直方向に移動させるための付与アクチュエータ(11)と、を含む付与手段(21)と、
前記包囲された作業空間(13)を真空手段に選択的に接続するための真空ラインと、
を具備し、
前記構造材料(1)を前記基板(2)に付与する間、前記包囲された作業空間(13)の外側の気体圧力より低い気体圧力に前記基板(2)を晒すために、前記包囲された作業空間(13)は、前記付与プロセス中に前記真空手段に接続され、
前記包囲された作業空間(13)は、前記エンボス加工プロセスの前およびその間に、中断なく規定された雰囲気に晒される、
装置。
【請求項2】
前記規定された雰囲気は、前記包囲された作業空間(13)の外側の気体圧力より低い気体圧力を有し、前記規定された雰囲気は、気体がない、
請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記包囲された作業空間(13)は、前記真空ラインを介して、圧力または圧力プロファイルに晒される、
請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記エンボス加工プロセスにおけるいくつかのエンボス加工ステップで前記基板(2)にエンボス加工するステップアンドリピート装置として作製される、
請求項1から3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記エンボス加工手段(20)は、前記基板(2)の上にエンボス加工されるエンボス構造を備えたエンボスダイ(8)を有し、
前記エンボス構造は、ナノ構造またはナノ構造より小さい構造として作製される、
請求項1から4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記付与手段は、前記付与プロセス中に、前記構造材料(1)を前記基板(2)の表面区分に付与するためのいくつかの付与ステップを実行するように構成される、
請求項1から5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記少なくとも1つのノズル(12d)は、前記構造材料(1)を液滴形態で付与するためのものである、
請求項1から6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記付与手段(21)は、前記構造材料(1)を、スピン法、スクリーン印刷法、スプレー法またはピエゾ法で付与する手段を有する、
請求項1から7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記構造材料(1)は、規定された構造材料単位(1e)で前記エンボスダイ(8)の空隙(8k)に対応する構造領域にのみ付与されるように、前記付与プロセスを制御するための手段をさらに有する、
請求項1から8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記構造材料単位(1e)は、前記エンボスダイ(8)の前記対応する空隙(8k)より大きい体積を有する、
請求項9に記載の装置。
【請求項11】
基板(2)のエンボス加工方法であって、
前記方法は、
a)前記基板(2)を、包囲された作業空間(13)に少なくとも部分的に配置された較正手段(22)によって、付与手段(21)に対して較正するステップと、
b)前記包囲された作業空間(13)に配置された少なくとも1つのノズル(12d)と、前記少なくとも1つのノズル(12d)を前記基板(2)の垂直方向に移動させるための付与アクチュエータ(11)と、を含む前記付与手段(21)によって、付与プロセス中に、構造材料(1)を前記基板(2)に付与するステップと、
c)前記包囲された作業空間(13)を真空手段に選択的に接続するための真空ラインによって、前記構造材料(1)を前記基板(2)に付与する間、前記包囲された作業空間(13)の外側の気体圧力より低い気体圧力に前記基板(2)を晒すために、前記付与プロセス中に、前記包囲された作業空間(13)を前記真空手段に接続するステップと、
d)前記基板(2)を、前記較正手段(22)によって、前記包囲された作業空間(13)に少なくとも部分的に配置され、エンボス加工プロセス中に前記基板(2)上に前記構造材料(1)をエンボス加工するためのエンボス加工手段(20)に対して較正するステップと、
e)前記基板(2)に前記エンボス加工手段(20)によってエンボス加工するステップであって、前記エンボス加工プロセスの前およびその間に前記包囲された作業空間(13)に、中断なく規定された雰囲気が供給される、ステップと、
を含む方法。
【請求項12】
前記規定された雰囲気は、前記包囲された作業空間(13)の外側の気体圧力より低い気体圧力を有し、
前記規定された雰囲気は、気体がない、
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
ステップb)は、規定された雰囲気に、空気圧式方法、熱的方法、ピエゾ印刷、スクリーン印刷、スプレー法、または、スピン法によって行われる、
請求項11または12に記載の方法。
【請求項14】
ステップb)による前記付与プロセスは、エンボスダイ(8)の対応する空隙(8k)より大きい体積である規定された構造材料単位(1e)で、前記エンボスダイ(8)の空隙(8k)に対応する構造領域にのみ前記構造材料(1)が付与されるように制御される、
請求項11から13のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1に記載の装置と請求項13に記載の方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
たとえばポリマー基板、スピンオンオリゴマーまたはポリマーのホットエンボス加工、もしくはUVによるナノインプリント法等のエンボス加工方法は、「シングルステップ」法または「ステップアンドリピート」法として知られており、ステップアンドリピート法は、大型の基板、たとえば多くの個別ステップでエンボス加工される300mmシリコンウェハの製造に好適である。たとえば、活性領域がたとえば25mm×25mmである小型でより経済的な構造化された石英ガラスダイが、10nm未満の非常に高い分解能で、かつダイと基板との間の50nm未満の較正精度で、達成される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ナノメートルおよびミクロン(マイクロメートル)範囲の構造サイズを製造する既知のエンボス加工方法には、フォトレジストに気体が混入するという問題がある。それは、一方では、ダイと基板との間の密封された周囲空気から発生する可能性があり、他方では、レジストから漏出する溶剤から形成される可能性もある。
【0004】
したがって、本発明の目的は、ナノメートル範囲の非常に高い分解能に対しても、基板に対し、可能な限り欠陥のない構造を付与することができる方法および装置を発明することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、請求項1および請求項13の特徴によって達成される。本発明の有利な展開は、従属請求項に記載されている。明細書、特許請求の範囲および/または図面に記載されている特徴のうちの少なくとも2つのすべての組合せもまた、本発明の範囲内にある。
【0006】
本発明は、基板上に配置されている構造材料に構造をエンボス加工する決定的に重要なステップにおいて、規定された雰囲気を設定するという概念に基づいており、その規定された雰囲気は、特に気体圧力に関して装置を包囲する雰囲気と異なっている。これに関して、装置内にこのような規定された雰囲気を設定する手段がある。
【0007】
さらに、規定された雰囲気は、好ましくは圧力を設定しかつ/または調整する手段により、特に付近と異なる所定圧力を含むことができる。接触は既定圧力p
1で行われ、ダイの充填は既定圧力p
2で行われることが好ましい。ここで、p
1はp
2より小さいことが有利である。
【0008】
たとえば、上記手段は、少なくとも部分的にエンボス加工手段を保持する作業空間から所定流体および/または不純物を少なくとも大部分除去または排除するか、またはエンボス加工手段から分離された作業空間の領域においてそれらを濃縮するのに好適であり得る。
【0009】
構造材料における異物の混入が、上述した方法により大幅に低減するかまたは完全に排除される。
【0010】
本発明で請求する装置の1つの有利な構成では、規定された雰囲気は、作業空間の外部の気体圧力より低い気体圧力によって規定される。さらにより有利には、規定された雰囲気は、本質的に気体がなく、または作業空間を包囲する雰囲気に比較して気体濃度が非常に低く、さらにより好ましくは、作業空間には周囲空気がない。これを、たとえば、圧力が300ミリバール未満の真空の形態で達成することができ、作業空間から周囲空気を他の気体で事前に除去することも本発明の範囲内にある。規定された雰囲気は、特に好ましくはO
2含有量が3%未満、特に1%未満であり、さらにより好ましくは0.5%未満である。理想的には、作業空間においてO
2のない雰囲気が広がっている。
【0011】
真空ラインを介して、真空手段によって作業空間を既定された雰囲気としての真空に晒す場合には、さらに有利であり、この真空ラインは、作業空間を真空手段に接続する。
【0012】
装置が、エンボス加工プロセス内のいくつかのエンボス加工ステップで基板にエンボス加工するステップアンドリピート装置として作製される場合、小型の経済的なエンボスダイを用いる時には、非常に大きい基板を使用してもよい。エンボスダイは、基板上にエンボス加工されるエンボス構造を有しており、構造を最小化するために、対応するエンボス構造は、ナノ構造またはナノ構造より小さい構造として作製される。これにより、装置に含まれる構成要素および他の手段、特に較正手段は、提供されるナノ構造に従って正確に機能しなければならない。これに関して、規定された雰囲気は上述した手段に有益である。
【0013】
装置が、付与プロセスにおいて基板に構造材料を付与する、少なくとも部分的に作業空間に配置された付与手段を有することにより、上述した利点および構成を付与プロセスにも移すことができる。
【0014】
したがって、たとえば、付与プロセスが、構造材料を基板の表面区画に付与するためにいくつかの付与ステップに分割される場合に有利である。
【0015】
さらに、本発明の1つの有利な構成では、付与手段は、構造材料を液滴形態で付与するノズルを有する。別法として、付与手段は、構造材料をスピン法、スクリーン印刷法、スプレー法またはピエゾ法で付与する手段を有することができる。
【0016】
付与プロセスが、上述した規定された雰囲気で少なくとも部分的に行われることが可能であることにより、構造材料が付与される時に発生する気体混入、または構造材料に存在する溶剤の気化によって発生する気体混入の可能性を大幅に回避するかまたは完全に排除することができる。
【0017】
本発明の構成は、規定された構造材料単位でエンボスダイの空隙に対応する構造領域にのみ構造材料が付与されるように付与プロセスを制御できる点で、特に有利である。一方で、この方法は、構造材料の相当な量を節約することができ、他方で、基板に付与される構造の結果としての厚さ全体を最小化することができる。このように、特にエンボス加工プロセスに続く硬化プロセスおよびエッチングプロセスにおいて、処理時間がさらに最短化する。さらに、この方法により、残りの層の厚さが均一になる。この場合、特にこの形態における気体混入の危険を最小限にするために真空でエンボス加工することが特に有利である。
【0018】
ここで、構造材料単位が、エンボスダイの対応する空隙よりわずかに大きい体積、特に最大10%、好ましくは最大5%大きい体積である場合には、構造材料単位がエンボス加工プロセスにおいて空隙によって変位する場合に、隆起構造間の閉鎖した中間層として、余分な構造材料が隣接する隆起構造の間の連結部を形成するので、特に有利である。
【0019】
本発明で請求する基板、特に半導体基板またはウェハのエンボス加工方法は、最も一般的な実施形態において、
a)基板を、較正手段によって、付与プロセスにおいて基板に構造材料を付与する付与手段に対して較正するステップと、
b)付与手段によって、構造材料または構造材料の構造材料単位を基板に付与するステップと、
c)基板を、少なくとも部分的に作業空間に配置された較正手段によって、エンボス加工プロセスにおいて基板上に構造材料をエンボス加工する、少なくとも部分的に作業空間に配置されたエンボス加工手段に対して、較正するステップと、
d)基板にエンボス加工手段によってエンボス加工するステップであって、エンボス加工プロセスの前およびその間において作業空間に、特に中断なく規定された雰囲気が供給され得る、ステップと、を含む。
【0020】
ステップa)による較正プロセスを、作業空間において、特にステップc)による較正手段を用いて行うことができるが、別個のステップとして、作業空間の外部において行うことも可能であり、この場合、ステップb)もまた作業空間の外部で行われる。これは、構造材料の付与においてスピン法を用いる場合に特に有利であり得る。ここで、作業空間の外部で行われる構造材料の付与が、上述した規定された雰囲気と同様の規定された雰囲気において、特に可変圧力で行われる場合も有利である。
【0021】
ステップa)による較正とステップb)による付与とが作業空間で行われる限り、構造材料は、作業空間の上方部分から下に位置する基板に付与されることが有利である。
【0022】
エンボス加工手段もまた、作業空間の上方部分に位置することが有利であり、本発明の1つの有利な構成におけるエンボスダイは、付与手段の付与要素に対して平行に移動することができるように配置される。
【0023】
エンボスダイおよび/または付与要素の移動は、作業空間の外側からもたらされることが有利である。
【0024】
本発明の他の利点および実施可能な形態は、他の請求項、図面、明細書および図面に再現している。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明で請求する装置の一実施形態の略側面図である。
【
図2】エンボス加工直前の基板および構造材料ならびに本発明で請求するエンボスダイの概略図である。
【
図3】エンボス加工中の基板および構造材料ならびに本発明で請求するエンボスダイの概略図である。
【
図4】1つのエンボス加工ステップの後でありかつ硬化プロセスの後の本発明で請求するエンボス加工された基板の図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図において、同一の構成要素または同一の機能を有する構成要素を、同一の参照数字で識別する。
【0027】
図1は、一実施形態における本発明で請求する作業空間13を有する装置を示しており、この作業空間13は、側壁7、カバー17およびベースプレート6によって境界が画定されている。
【0028】
ベースプレート6の上には較正プレート5があり、この較正プレートは、ほぼ作業空間13の底部18全体にわたって延在している。
【0029】
較正ベースプレート5の上には、較正テーブル4があり、この較正テーブルは、較正テーブル4の上に特に固定されて位置する基板ホルダ3を、作業空間13内で特にエンボス加工手段20および付与手段21に向けて動かすために、特にX方向にガイドされて動くことが可能である。基板ホルダ3は、受入手段24の構成要素である。
【0030】
較正ベースプレート5および較正テーブル4は、較正手段22の構成要素であり、この較正手段は、上述した一連の移動を担う。さらに、較正手段22、特に較正テーブル4は、上に基板2が配置されている基板ホルダ3を、特に
図1に示すX方向と
図1から図面の紙面内を指すY方向とX方向およびY方向にわたる面Eにおける回転方向とにおいて、付与手段21に対して正確に較正し位置合せするように設計されている。ここで、位置決めおよび較正プロセスは、図示しない制御手段によって制御され、正確な位置合せは、基板2および/または基板ホルダ3の上の図示しないゲージマークを使用して行うことができる。
【0031】
付与手段21のノズル本体12のノズル12dのZ方向における位置決めおよび較正は、付与アクチュエータ11によって行っており、カバー17を貫通するノズル本体のアクチュエータロッド19は、この付与アクチュエータ11に横断方向に、したがって面Eに対して平行に取り付けられている。
【0032】
構造材料1は、ノズル12dによって、基板2のノズル本体12と対向する上部2oに付与される。付与は、ステップアンドリピートプロセスで行う、すなわち、上部2oには、構造材料1がいくつかのステップで供給される。その際、構造材料1の規定された構造材料単位1e(
図2参照)は、基板2の上部2oに付与され、そして後のエンボス加工プロセスにおいてエンボスダイ8の空隙8kに対応するように配置され、したがって、隆起構造15eとして後に硬化される構造領域のみに付与する。これに関して、付与手段21の個々の付与ステップがエンボス加工手段20の個々のエンボス加工ステップに対応する場合、有利である。したがって、ノズル12dは、特に、エンボスダイ8のエンボス加工面に対応する基板2の所定領域、または複数のこの領域を正確に覆う。
【0033】
基板2の上部2oに構造材料1または構造材料単位1eが完全に供給されるとすぐに、基板2は、エンボス加工手段20に対向して配置され、
図2および
図3に示すエンボス加工プロセスを行うためにエンボスダイ8に対して較正される。
【0034】
これもまた同様にステップアンドリピートプロセスで行い、エンボスダイ8を保持するダイ保持装置23とエンボスダイ23に作用するアクチュエータ10とによって、エンボスダイ8のエンボス加工力を構造材料1および基板2に加える。
【0035】
制御手段に接続された動力計セル9が、アクチュエータ10によって加えられる力および/または位置を測定する。また、3つのアクチュエータ10すべてを、位置制御してかつ/または力を制御して個々に使用してもよく、それにより、エンボス加工力を接触面の中心にシフトさせることにより、エッジ領域もまた均一にエンボス加工してもよい。
【0036】
図3に示すエンボスダイ8の基板2に対する位置において、硬化プロセスを、特に、フォトレジストである構造材料1のUV露光により、カバー17の入口である窓14を通して行う。
【0037】
アクチュエータ10によりエンボスダイ8を取り除いた後、
図4に示す硬化した構造材料15が基板2上に残っており、この硬化した構造材料は、隆起構造15eと中間層厚さ16の中間層15zとからなる。残っている中間層厚さ16は、基板2を構造化するために、基板2全体を完全にエンボス加工し硬化させた後に、エッチングプロセスによって除去される。隆起構造15eは、エッチングマスクとして使用される。
【0038】
基板2について、構造化される基板は、円形基板または矩形基板、たとえば半導体ウェハ、ガラスウェハ、セラミック基板またはポリマー基板であってもよい。
【0039】
基板ホルダ3を、たとえば粘着保持装置または静電保持装置としてもよい。
【0040】
エンボスダイ8を、たとえばホットエンボス加工、UVエンボス加工またはマイクロコンタクトプリンティングによって構造を打抜き加工またはエンボス加工するための、矩形ダイまたは円形ダイとしてもよい。
【0041】
しかしながら、エンボスダイ8はまた、少なくとも部分的に石英、ガラスおよび/または混成構造からなってもよく、エンボスダイ8を、キャリア、補償層および構造層またはキャリアおよび弾性構造層から形成してもよい。
【0042】
構造材料1は、たとえばUV光またはIR光によるレジストに対し、構造材料に応じて硬化する。
【0043】
ノズル12dは、液滴として付与される構造材料単位1eの体積が、エンボスダイ8の空隙8kの体積に一致するように正確な大きさとなるように構成されており、液滴濃度および液滴体積は、可能な限り小さい中間層厚さ16が残るように、充填されるべき空隙8kの体積に従って大きさが決められる。液滴体積を、一定であるように有利に設定することができ、より大きい空隙8kに対して空隙8kごとに数滴を付与する。基板材料単位1eの一定の液滴体積は、最小空隙8kに対応してもよく、より大きい空隙8kに対して複数の基板材料単位1eを付与する。
【0044】
硬化した構造材料15は、機能層として直接作用することができるが、上述したように、基板への構造転写用のエッチングマスクとして作用することも可能である。
【符号の説明】
【0045】
1 構造材料、1e 構造材料単位、2 基板、2o 上部、3 基板ホルダ、4 較正テーブル(X、Y方向および回転)、5 較正ベースプレート、6 ベースプレート、7 側壁、8 エンボスダイ、8k 空隙、9 動力計セル、10 アクチュエータ、11 付与アクチュエータ、12 ノズル本体、12d ノズル、13 作業空間、14 窓、15 硬化した構造材料、15e 隆起構造、15z 中間層、16 中間層厚さ、17 カバー、18 底部、19 アクチュエータロッド、20 エンボス加工手段、21 付与手段、22 較正手段、23 ダイ保持装置、24 受入手段