(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5693100
(24)【登録日】2015年2月13日
(45)【発行日】2015年4月1日
(54)【発明の名称】乾燥食肉及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
A23L 1/31 20060101AFI20150312BHJP
A23B 4/03 20060101ALN20150312BHJP
【FI】
A23L1/31 A
!A23B4/04 501F
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2010-192325(P2010-192325)
(22)【出願日】2010年8月30日
(65)【公開番号】特開2012-44959(P2012-44959A)
(43)【公開日】2012年3月8日
【審査請求日】2013年7月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】592135063
【氏名又は名称】株式会社なとり
(74)【代理人】
【識別番号】100117787
【弁理士】
【氏名又は名称】勝沼 宏仁
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100107342
【弁理士】
【氏名又は名称】横田 修孝
(74)【代理人】
【識別番号】100111730
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 武泰
(74)【代理人】
【識別番号】100109841
【弁理士】
【氏名又は名称】堅田 健史
(72)【発明者】
【氏名】東 芳 郎
(72)【発明者】
【氏名】今屋敷 貞 雄
(72)【発明者】
【氏名】田 中 則 之
(72)【発明者】
【氏名】西 村 豊
【審査官】
櫛引 明佳
(56)【参考文献】
【文献】
特開2003−259839(JP,A)
【文献】
特開2009−268454(JP,A)
【文献】
特開2000−069903(JP,A)
【文献】
特開昭51−061663(JP,A)
【文献】
特開平07−265013(JP,A)
【文献】
特開平05−064568(JP,A)
【文献】
特開2005−087105(JP,A)
【文献】
特開昭53−029955(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L 1/31
A23B 4/03
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
食肉を用意し、
前記食肉を水蒸気加熱し、タンパク質を変性させ、
前記加熱した食肉を圧延して、圧延方向に前記食肉の繊維を解きほぐし、
前記圧延後の食肉を乾燥に付すことにより、Aw(水分活性)が0.60以上0.87未満であって、大きさが1.5cm2、厚みが5mmの前記乾燥食肉における咀嚼筋活動量(mV・秒)が4,000以上16,000以下である乾燥食肉を得ることを特徴とする、乾燥食肉の製造方法。
【請求項2】
前記食肉の水蒸気加熱の前に、食肉を乾燥に付すことをさらに含んでなる、請求項1に記載の乾燥食肉の製造方法。
【請求項3】
請求項1または2の方法により得られたことを特徴とする、乾燥食肉。
【発明の詳細な説明】
【0001】
発明の分野
本発明は、乾燥食肉の製造方法に関するものである。
【0002】
背景技術
鳥獣類、魚貝類等の食肉はその長期保存安定性、細菌による腐敗防止を図るため、乾燥処理が行われる。特に、乾燥肉製品にあっては、食肉は一般的にそれを構成するタンパク質、脂肪が変性、硬化する。このため、乾燥食肉の製品は通常、非常に硬く、肉本来の風味も損なうことがある。
【0003】
一方、近年の消費者の嗜好の変化により、消費者は硬いものより柔らかい乾燥食肉を好むことが多く見受けられる。このため、嗜好品製造業界にあっては、乾燥食肉の肉の風味を維持しつつ、その肉質を柔和する製造方法の開発が望まれていた。例えば、特開平8−38016号(特許文献1)では、外表面が螺旋凸部を有した二つの圧延ローラーを異なる回転速度で異なる回転方向により、食肉を圧延延伸させる方法が提案されている。
【0004】
しかしながら、本発明者等の知る限りでは、食肉本来の風味を損なわず、乾燥した食肉の肉質を柔軟化した乾燥食肉の製造方法は未だなされていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−38016号
【発明の概要】
【0006】
本発明者等は、今般、乾燥食肉の製造法において、水蒸気加熱でタンパク質を変性させ、一定方向に圧延することで、乾燥食肉の肉質が柔和になり、かつ、食肉本来の風味を維持した乾燥食肉が得られる、との知見を得た。本発明はかかる知見に基づくものである。
従って、本発明は、乾燥食肉の肉質を柔らかくし、食肉本来の繊維形状および風味を維持した乾燥食肉並びのその製造方法の提供を目的とするものである。
よって、本発明は、ソフトな食感に仕上げた乾燥食肉製品であって、
水蒸気加熱でタンパク質を変性させ圧延をし、圧延方向に食肉の繊維を解してなり、
大きさが1.5cm
2、厚みが5mmの前記乾燥食肉製品における筋活動量(mV・秒)が、4,000以上16,000以下である、乾燥食肉製品を提案する。
【0007】
本発明の好ましい別の態様によれば、乾燥食肉の製造方法を提案することができ、その製造方法は、
食肉を用意し、
第1の乾燥と、水蒸気加熱と、第2の乾燥をし、
第2の乾燥した食肉を圧延し、圧延方向に肉の繊維を解きほぐし、Aw(水分活性)が0.60以上0.87未満となるよう第3の乾燥に付し、
大きさが1.5cm
2、厚みが5mmの前記乾燥食肉製品における筋活動量(mV・秒)を4,000以上16,000以下にすることを含んでなるものである。
【0008】
定義
1.食肉
本発明にあって、「食肉」とは、動物の各種の、肉組織(肩、腿等)、内蔵(舌、胃等)、脂肪細胞等を含む概念のものをいう。食肉の具体例としては、鳥獣類、魚類、海獣類、軟体動物等が挙げられる。鳥獣類は家畜、家禽等も含まれるものであり、その具体例としては、牛、馬、豚、鳥、羊、めん牛、ウサギ、山羊、猪、鹿、熊等が挙げられる。海獣類の具体例としては、鯨、海豚、海豹、海馬等が挙げられ、軟体動物の具体例としては、鮹、烏賊等が挙げられる。これらの例は、本発明における「食肉」を例示列挙したものであり、本発明の範囲はこれらの例示に限定して解釈されるものではない。
【0009】
2.水分活性
純粋な水の水蒸気圧をP
0とし、食肉中に包含する水の水蒸気圧をPとしたき、下記式で表される数値をいう。
Aw(水分活性)=P/P
0
【0010】
3.筋電計
筋肉の収縮とともに発生する活動電位を波形として観測、記録する装置。噛むときの力を数値化することができ噛み応えを評価できる。食べ物を噛み始めてから咀嚼筋である咬筋、側頭筋の筋電位差(mV)と時間(秒)を測定し、数値化する。筋活動量は、mV・秒で表すことができる。
本発明にあっては、表面筋電位計測装置を用いて、大きさが1.5cm
2、厚みが5mmの試験片を用いた場合、筋活動量が、4,000以上16,000以下であり、好ましくは、下限値が4,000以上であり、上限値が10,000以下であるものが好ましい。表面筋電位計測装置としては市販品を使用することができ、例えば、Personal-EMG((有)追坂電子機器製:型番:P-EMG-0404A01-2W)を使用することができる。
本発明の処理を施した乾燥食肉と圧延を施さない乾燥食肉の筋活動量の比率は1倍以上5倍以下であり、好ましくは、下限値が1.5倍以上であるものが好ましい。また、本発明の処理を施した乾燥食肉と水蒸気加熱を施さない乾燥食肉の筋活動量の比率は1倍以上5倍以下であり、好ましくは、下限値が1.5倍以上であるものが好ましい。
【0011】
乾燥食肉
本発明による乾燥食肉は、そのAw(水分活性)が0.60以上0.87未満であり、好ましく下限値が0.80以上であり、上限値が0.87未満である。また、乾燥食肉には、一定方向に肉の繊維を解きほぐし、柔らかさ、ほぐれやすさ、食べやすさが付与されている。さらに、噛み応えも軽減されている。
【0013】
食肉(原料)
原料としての食肉は、生、冷凍したものいずれのものであっても好適に用いることができる。本発明の好ましい態様によれば、食肉は鳥獣類、魚類、海獣類、または軟体動物が好ましい。
食肉のスライス(薄切り)の厚さは、最終製品の用途を考慮して適宜定めることができるが、乾燥処理、蒸し処理を考えれば、その厚さが0mm超過30mm以下、好ましくは下限値が5mm以上であり、上限値が15mm以下で薄切りされることが好ましい。なお、薄切りされる形態もまた最終製品を考慮して適宜定めることができる。
【0014】
塩漬、熟成
本発明の好ましい態様によれば、食肉は第1の乾燥を行う前に、食肉を塩漬(および熟成)することが好ましい。
食肉の塩漬は、食肉の余分な水分等の排除、細菌類の除去等を行うことができるので好ましい。食肉の塩漬は、食肉の種類、肉質、量、厚さ等によって適宜定めることができる。食肉の塩漬は、食塩をそのまま食肉に付与してよく、その付与の仕方は、食肉と共に混転し、またはすり込み、たたき込んで行ってよい。また、食肉の塩漬は、食塩を添加剤とともに水に溶解させた塩漬剤に食肉を漬ける方法、及び塩漬剤を原料肉内に注入する方法で行ってよい。なお、ここで使用する添加剤は下記するものと同様であってよい。
【0015】
本発明の好ましい態様によれば、食肉を冷蔵庫等において低温熟成をおこなうことが好ましい。低温熟成は食肉の種類、肉質、量、厚さ等によって適宜定めることができる。本発明にあっては、食肉の低温熟成は食肉を塩漬またはスライス後塩漬した後に行うことが好ましい。本発明の好ましい態様によれば、低温熟成は0℃以上10℃以下の温度、好ましくは下限値が3℃以上であり上限値が5℃以下程度の温度で、72時間以上240時間以下で、好ましくは下限値が120時間以上であり、上限値が144時間以下で行うのが好ましい。
【0016】
第1の乾燥
第1の乾燥は、食肉の種類、肉質、量、厚さ等を考慮して適宜行うことができる。本発明の好ましい態様によれば、第1の乾燥は、原料としての食肉の厚さが10mm程度、その重量が70g程度の場合、50℃以上80℃以下程度の温度で、好ましくは下限値が60℃以上であり、上限値が70℃以下程度の温度で、20分以上60分以下で、好ましくは下限値が30分以上であり、上限値が40分以下程度で行うのが好ましい。第1の乾燥は、加熱、熱風、電磁加熱、凍結(冷蔵)乾燥等の通常行われる乾燥手法を用いてよい。また、乾燥は加圧条件下で行ってもよいが、大気圧下で行うのが好ましい。
【0017】
燻煙
第1の乾燥を行った食肉を燻煙し、特有の風味を付与することが可能となる。燻煙は、香りの良い木材(桜、楢等)を高温に熱した時に出る煙を食材に当てて風味付けをすると共に、殺菌・防腐成分を食材に浸透させる食品加工方法をいう。これには、熱燻、温燻、冷燻が挙げられるが、熱燻が好ましくは使用される。
燻煙は、原料としての食肉の厚さが10mm程度、その重量が65g程度の場合、50℃以上80℃以下程度の温度で、好ましくは下限値が60℃以上であり、上限値が70℃以下程度の温度で、2分以上30分以下で、好ましくは下限値が5分以上であり、上限値が15分以下程度で行うのが好ましい。
【0018】
水蒸気加熱
本発明にあっては、燻煙した食肉を水蒸気加熱(調理)する。本発明にあって、「水蒸気加熱」とは、溶媒を沸騰させて、発生する蒸気を利用し食品を加熱する行為をいい、また蒸気を利用して食品を煮るという概念をも含むものをいう。蒸気は水蒸気を用いることが好ましい。本発明において、蒸気は、6〜8kg/cm
2、好ましくは0.2kg/cm
2での圧力下で発生したものが好ましい。蒸気を発生させる装置は、一般慣用されているものが使用されてよく、例えばスチームチャンバーが挙げられる。本発明の好ましい態様によれば、温度が100℃以下、好ましくは80℃以下である蒸気が好ましくは利用される。本発明の好ましい態様によれば、原料としての食肉の厚さが10mm程度、その重量が60g程度の場合、80℃以上100℃以下程度の温度で、好ましくは下限値が95℃以上であり、上限値が100℃以下程度の温度で、5分以上60分以下で、好ましくは下限値が10分以上であり、上限値が20分以下程度で行うのが好ましい。
【0019】
第2の乾燥
第2の乾燥は、食肉の種類、肉質、量、厚さおよび第1の乾燥等を考慮して適宜行うことができる。本発明の好ましい態様によれば、第2の乾燥は原料としての食肉の厚さが10mm程度、その重量が60g程度の場合、50℃以上80℃以下程度の温度で、好ましくは下限値が60℃以上であり、上限値が70℃以下程度の温度で、30分以上120分以下で、好ましくは下限値が30分以上であり、上限値が60分以下程度で行うのが好ましい。第2の乾燥は第1の乾燥と同様の手段によって行ってよい。また、第2の乾燥は第1の乾燥の後に連続的に行って良く、同一の乾燥手段(機械)または別々の乾燥手段(機械)で行うことができる。
【0020】
圧延/切り込み
第2の乾燥した食肉を圧延し、一定方向(圧延方向)に肉の繊維を解きほぐし、柔らかさ、ほぐれやすさ、食べやすさを付与させ、また、噛み応えを軽減させることが可能となる。本発明にあっては、2つのローラーで繊維を解きほぐすことが好ましい。また、本発明にあっては、ローラーは平滑ローラーであり、ロールの表面に目や凹凸がないものが好ましくは使用する。繊維に沿って圧延し、形が崩れないとの効果を有する。食肉の厚さが10mm程度の場合、ロール幅は0.5mm以上3mm未満。1mm以上2mm未満が好ましい。
上記範囲内にあることにより、肉(繊維質)が必要以上に崩れてボロボロになることがなく、また、肉が伸びて、ほぐれ感、ソフト感を十分付与することが可能となる。ローラーの回転速度は適宜定めることが可能であり、また、ローラーは等速回転、差動回転であってもよい。ローラーはステンレス、鉄製など強度がある材質のものが好ましくは使用される。
【0021】
第3の乾燥
第3の乾燥は、食肉の種類、肉質、量、厚さおよび蒸し処理を考慮して行うことができるが、好ましくは食肉の水分活性値が0.80以上0.87未満となるように行われることが好ましい。本発明の好ましい態様によれば、第3の乾燥は原料としての食肉の厚さが5mm程度、その重量が55g程度の場合、50℃以上80℃以下程度の温度で、好ましくは下限値が60℃以上であり、上限値が70℃以下程度の温度で、30分以上120分以下で、好ましくは下限値が60分以上であり、上限値が90分以下程度で行うのが好ましい。第3の乾燥は第1又は第2の乾燥と同様の手段によって行ってよい。また、第3の乾燥は第1又は第2の乾燥の後に連続的に行って良く、同一の乾燥手段(機械)または別々の乾燥手段(機械)で行うことができる。そして、本発明にあっては、大きさが1.5cm
2、厚みが5mmの乾燥食肉製品における筋活動量(mV・秒)を4,000以上16,000以下、好ましくは、下限値が4,000以上であり、上限値が10,000以下であるものにすることを含んでなるものである。
【0022】
その他の処理
本発明の好ましい態様によれば、本発明の製造方法のいずれの工程の前後において、食肉に添加剤を付与することが好ましい。添加剤を付与することによって、需用者の嗜好にさらに合致させた乾燥食肉を提供することができる。添加剤の具体例としては食品衛生法に適合したものが好ましく、その具体例としては、調味料(砂糖、塩、醤油等)、香辛料、着色料、発色剤、香料、乳化剤、保存料、酸化防止剤、結着材料等が挙げられる。
【実施例】
【0023】
本発明の実施態様を以下の例に従って説明するが、本発明の範囲はこの例に限定して解釈されるものではない。
【0024】
実施例1(ポークジャーキー)
豚のヒレ肉を塩漬し、10mmにスライスし、80℃20分乾燥し、80℃5分燻煙し、100℃10分水蒸気加熱し、等速回転ローラーを使いロール幅2mmで圧延し、60℃60分で乾燥させた。Awが0.60以上0.87未満であることを確認し、実施例1とした(水分含有量33%、Aw0.83、塩分4.1%、pH6.0、厚み5mm)。
【0025】
比較例1(圧延なしポークジャーキー)
豚のヒレ肉を塩漬し、10mmにスライスし、80℃20分乾燥し、80℃5分燻煙し、100℃10分水蒸気加熱し、60℃240分で乾燥させ、圧延なしポークジャーキーを得た(水分含有量30%、Aw0.81、塩分5.0%、pH6.0、厚み5mm)。
【0026】
比較例2(水蒸気加熱なしポークジャーキー)
豚のヒレ肉を塩漬し、10mmにスライスし、80℃20分乾燥し、80℃5分燻煙し、等速回転ローラーを使いロール幅2mmで圧延し、60℃180分で乾燥させ、水蒸気加熱なしポークジャーキーを得た(水分含有量33%、Aw0.82、塩分4.9%、pH6.1、厚み5mm)。
【0027】
評価1:官能性評価試験
官能性評価試験は、20歳代から50歳代までの男女50名(男性25名、女性25名)をパネラーとして、実施例1と比較例1、2をそれぞれ下記評価により試験を行った。
5段階評価における平均値差検定試験
実施例1と、比較例1と、比較例2について、柔らかさ、ほぐれやすさ、食べやすさについて、下記5段階の評価値を集計しその平均値を得た。その結果は下記表1に記載した通りであった。表中の値が大きいほど各評価結果が好ましいことを示す。
評価値
評価5:非常に良いと感じた。
評価4:良いと感じた。
評価3:普通と感じた。
評価2:悪いと感じた。
評価1:非常に悪いと感じた。
【表1】
【0028】
評価2:筋活動量評価試験
筋活動量評価試験は、20歳代から30歳代までの男女10名(男性5名、女性5名)をパネラーとして、実施例1と比較例1、2をそれぞれ下記評価により試験を行った。
筋電計による噛み応え検定試験
実施例1と比較例1、2をそれぞれ一口大1.5cm
2 約1.5gにカットしテストサンプルとした。被験者の計測箇所(咬筋、側頭筋)にセンサーを貼り付け、筋電信号の検出し、増幅変換後、その信号を表面筋電位計測装置(筋電計)に通信する。テストサンプルの提供方法は、結果に偏りが出ないよう、試食の順番をランダムにした。テストサンプルを5回噛んだときの総筋活動量を集計し、その結果を下記表2に記載した。噛み応えの評価値を集計しその平均値を得て、その結果を下記表3に記載した。表中の値が小さいほど噛み応えが弱いことを示す。
【表2】
【表3】
【0029】
総合評価
官能性評価試験において、実施例1は、「柔らかく」「ほぐれやすく」「食べやすい」食感であり、また、筋電計による噛み応え検定試験では最も噛み応えが弱い結果であった。これらの点の評価が高く、比較例1及び2に比べ好まれていた。
【0030】
実施例2(ビーフジャーキー)
牛のモモ肉を塩漬し、10mmにスライスし、80℃30分乾燥し、100℃10分水蒸気加熱し、等速回転ローラーを使いロール幅2mmで圧延し、60℃90分で乾燥させた。Awが0.70以上0.87未満であることを確認し、実施例2とした(水分含有量26%、Aw0.81、塩分4.1%、pH6.1、厚み5mm)。
【0031】
比較例3(圧延なしビーフジャーキー)
牛のモモ肉を塩漬し、10mmにスライスし、80℃30分乾燥し、100℃10分水蒸気加熱し、60℃300分で乾燥させ、圧延なしビーフジャーキーを得た(水分含有量28%、Aw0.73、塩分6.7%、pH6.1、厚み5mm)。
【0032】
比較例4(水蒸気加熱なしビーフジャーキー)
牛のモモ肉を塩漬し、10mmにスライスし、80℃30分乾燥し、等速回転ローラーを使いロール幅2mmで圧延し、60℃240分で乾燥させ、水蒸気加熱なしビーフジャーキーを得た(水分含有量30%、Aw0.75、塩分6.6%、pH6.0、厚み5mm)。
【0033】
評価3:官能性評価試験
官能性評価試験は、20歳代から50歳代までの男女50名(男性25名、女性25名)をパネラーとして、実施例2と比較例3、4をそれぞれ下記評価により試験を行った。
段階評価における平均値差検定試験
実施例2,比較例3及び比較例4について、柔らかさ、ほぐれやすさ、食べやすさについて、下記5段階の評価値を集計しその平均値を得た。その結果は下記表4に記載した通りであった。表中の値が大きいほど各評価結果が好ましいことを示す。
評価値
評価5:非常に良いと感じた。
評価4:良いと感じた。
評価3:普通と感じた。
評価2:悪いと感じた。
評価1:非常に悪いと感じた。
【表4】
【0034】
評価4:筋活動量評価試験
筋活動量評価試験は、20歳代から30歳代までの男女10名(男性5名、女性5名)をパネラーとして、実施例2と比較例3、4をそれぞれ下記評価により試験を行った。
筋電計による噛み応え検定試験
実施例2,比較例3、比較例4をそれぞれ一口大1.5cm
2 約1.5gにカットしテストサンプルとした。被験者の計測箇所(咬筋、側頭筋)にセンサーを貼り付け、筋電信号の検出し、増幅変換後、その信号を表面筋電位計測装置(筋電計)に通信する。テストサンプルの提供方法は、結果に偏りが出ないよう、試食の順番をランダムにした。テストサンプルを5回噛んだときの総筋活動量を集計し、その結果は下記表5に記載した。また、咀嚼強度の評価値を集計しその平均値を得て、その結果を下記表6に記載した。表中の値が小さいほど咀嚼強度が弱いことを示す。
【表5】
【表6】
【0035】
総合評価
官能性評価試験において、実施例2は「柔らかく」「ほぐれやすく」「食べやすい」食感であり、また、筋電計による噛み応え検定試験では最も噛み応えが弱い結果であった。これらの点の評価が高く、実施例2は比較例3および比較例4に比べ好まれていた。