【実施例】
【0027】
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0028】
本実施例のルーバー材は、前板部1と、この前板部1の両側から後方へ連設突設する側板部2とから成る長尺材であって、この両側の側板部2の突出先端部間を取付用溝部4としたルーバー主体Aと、このルーバー主体A内に配設固定する補強体Bとから成り、このルーバー主体A内に補強体Bを配設固定した構成としている。
【0029】
具体的には、本実施例のルーバー主体Aは、
図2(a)に示すように、一枚のアルミ製の帯状長尺板材5を断面コ字状に折曲することで、前記前板部1の左右両側に前記側板部2が連設する構成とし、更に左右両側の側板部2の突出先端部を対向内側に折曲してこの折曲先端部3間を前記取付用溝部4としている。
【0030】
また、本実施例の補強体Bは、
図2(b)に示すように、一枚のアルミ製の帯状長尺板材6を断面コ字状に折曲することで、前記ルーバー主体Aの左右両側の側板部2の内面に重合する重合板部7と、両側の側板部2間に架設状態に配設する架設板部8とが連設する形状に構成し、更に左右両側の重合板部7の突出先端部を対向内側に折曲して、前記折曲先端部3より内側への突出度が小さい折曲先端部9を形成している。
【0031】
また、この補強体Bを構成する長尺板材6は、前記長尺板部5より左右幅の小さいものを採用して、前記重合板部7の前後幅が前記ルーバー主体Aの側板部2の前後幅より小さくなるように設定している。
【0032】
具体的には、重合板部7の前後幅が、前記ルーバー主体Aの側板部2の前後幅の1/2より小さい前後幅となるように前記長尺板材6の幅寸法を設定構成している。
【0033】
また、本実施例のルーバー主体Aと補強体Bとは、プレス機を用いて型成形している。
【0034】
また、ルーバー主体Aを構成する長尺板材5と、補強体Bを構成する長尺板材6とは、押し出し成形によって製造する従来品より板厚の薄い軽量なアルミ板を採用し、これによりルーバー材の総重量の軽量化を図っている。
【0035】
また、本実施例の、ルーバー主体A内への補強体Bの配設固定構造は、この補強体Bの重合板部7の突出先端部を前記ルーバー主体Aの側板部2の突出先端部に位置合わせして重合板部7を側板部2に重合固定するか、若しくは重合板部7の突出先端部を側板部2の突出先端部付近に配置して重合板部7を側板部2の内面に重合固定することでルーバー主体A内に補強体Bを固定した構造としている。
【0036】
具体的には、ルーバー主体Aの側板部2に補強体Bの重合板部7を重合した上で、側板部2の折曲先端部3に重合板部7の折曲先端部9を重合し、折曲先端部9より内側への突出度が大きい折曲先端部3を前記前板部1側に向けてカール加工して、この側板部2の折曲先端部3で折曲先端部9を巻き締めすることにより側板部2と重合板部7とを重合固定している。
【0037】
そして、この際、補強体Bの重合板部7の前後幅が、前記ルーバー主体Aの側板部2の前後幅の1/2より小さいことにより、架設板部8は構造的に脆弱な各側板部2の前後中間位置より突出先端側に架設して効果的な補強作用を発揮すると共に、ルーバー主体Aを後方から見た際に前記取付用溝部4から前記架設板部8の表面を視認できて、ルーバー主体Aの空洞内部が見えなくなるように構成している。
【0038】
また、本実施例では、前記ルーバー主体Aの前板部1と側板部2と折曲先端部3の表側面(外側に表出する面)を化粧面部10に形成すると共に、前記補強体Bの架設板部8と重合板部7の折曲先端部9の表側面(外側に表出する面)を化粧面部10に形成している。
【0039】
具体的には、図面は木目模様の化粧面部10に形成した場合を示している。
【0040】
従って、ルーバー主体Aを前方から見ると(本実施例のルーバー材を取付した建物を外側から見ると)、体裁の良い化粧面部10(木目模様)が見え、また、ルーバー主体Aを後方から見ても(建物の内側から本実施例のルーバー材を見ても)、取付用溝部4間に体裁の良い化粧面部10(木目模様)が見えて良好な景観が得られるようにしている。
【0041】
次に、取付用溝部4を利用した本実施例の建物への取付構造を説明する。
【0042】
具体的には、建物に固定される取付用桁材11と、本実施例のルーバー材の後側(ルーバー主体Aの後側)に被嵌当接可能な平断面コ字状の取付板部14に、ねじ込み板15を介して取付ボルト16が螺着された取付具13とを用いる。
【0043】
例えば、先ず取付具13の取付板部14をルーバー材の後側に被嵌当接し、建物に固定した取付用桁材11のボルト掛止部12に前記取付ボルト16を掛止した上でこの取付ボルト16を締付することにより、取付用桁材11に取付具13を介して本実施例のルーバー材を取付る構造としている。
【0044】
図中符号17は座金、18はルーバー主体Aの端部を閉塞するキャップである。
【0045】
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。