【実施例】
【0036】
以下、本発明を実施例に基づき具体的に説明する。しかし、本発明は、これらの実施例に記載された範囲に限定されるものではない。
【0037】
[実施例1]
シリカ微粒子を含むシリカゾル(製品名:カタロイドSI-30、日揮触媒化成(株)、シリカ微粒子の平均粒子径:10.6nm、シリカ微粒子の比表面積:257m
2/g、SiO
2濃度;30.3重量%、Na
2O含有量;0.4重量%、分散媒;水)40g にエチルアルコール(林純薬工業、99%以上)1.2gを添加して、エチルアルコールを3重量%含むシリカ微粒子の水分散液を得た。
この水分散液に含まれるシリカ微粒子の平均粒子径は10.6nmで比表面積は257m
2/gであり、該水分散液に含まれるシリカ微粒子の固形分濃度は29.8重量%であった。
また、この水分散液に含まれるエチルアルコールは、該水分散液に含まれるシリカ微粒子の単位表面積当りに対して8.49×10
-6mol/m
2であった。
この水分散液を−2℃で凍結させた後、常温で解凍させたところ、シリカ微粒子は容易に再分散した。
解凍させた水分散液に含まれるシリカ微粒子の平均粒子径は約10.8nmで該水分散液は透明であった。
【0038】
[実施例2]
シリカ微粒子を含むシリカゾル(製品名:カタロイドSI-40、日揮触媒化成(株)、シリカ微粒子の平均粒子径:18.1nm、シリカ微粒子の比表面積:151m
2/g、SiO
2濃度:40.5重量%、Na
2O含有量:0.42重量%、分散媒;水)40g にエチルアルコール(林純薬工業、99%以上)1.2gを添加して、エチルアルコールを3重量%含むシリカ微粒子の水分散液を得た。
この水分散液に含まれるシリカ微粒子の平均粒子径は18.1nmで比表面積は約151m
2/gであり、該水分散液に含まれるシリカ微粒子の固形分濃度は39.7重量%であった。
また、この水分散液に含まれるエチルアルコールは、該水分散液に含まれるシリカ微粒子の単位表面積当りに対して1.08×10
-5mol/m
2であった。
この水分散ゾルを−2℃で凍結させた後、常温で解凍させたところ、容易に再分散した。
解凍させた水分散液に含まれるシリカ微粒子の平均粒子径は約18.5nmで該水分散液は透明であった。
【0039】
[実施例3]
シリカ微粒子を含むシリカゾル(製品名:SS(スフェリカスラリー)-120、日揮触媒化成(株)、シリカ微粒子の平均粒子径:120nm、シリカ微粒子の比表面積:23m
2/g、SiO
2濃度:18.6重量%、Na
2O含有量:0.07重量%、分散媒;水)40g にエチルアルコール(林純薬工業、99%以上)1.2gを添加して、エチルアルコールを3重量%含むシリカ微粒子の水分散液を得た。
この水分散液に含まれるシリカ微粒子の平均粒子径は120nm、比表面積は約23m
2/gであり、該水分散液に含まれるシリカ微粒子の固形分濃度は18.1重量%であった。
また、この水分散液に含まれるエチルアルコールは、該水分散液に含まれるシリカ微粒子の単位表面積当りに対して1.56×10
-4mol/m
2であった。
この水分散ゾルを−2℃で凍結させた後、常温で解凍させたところ、容易に再分散した。
解凍させた水分散液に含まれるシリカ微粒子の平均粒子径は約122nmで該水分散液は透明であった。
【0040】
[実施例4]
特開昭63−123807号公報に記載された方法、即ち、ケイ酸ソーダの水溶液を加熱しながらこれにケイ酸液とアルミン酸ナトリウム溶液とを添加したのちイオン交換する方法により、ケイ素とアルミニウムとを含む無機酸化物微粒子の水分散液を製造した。この無機酸化物微粒子の平均粒子径は7.2nm、比表面積は378m
2/g、該水分散液のSiO
2濃度は16.6重量%、Al
2O
3濃度:0.07重量%,Na
2O含有量:0.07重量%であった。この水分散液40g にエチルアルコール(林純薬工業、99%以上)1.2gを添加して、エチルアルコールを3重量%含む無機酸化物微粒子の水分散液を得た。
この水分散液に含まれる無機酸化物微粒子の平均粒子径は7.2nmで比表面積は約378m
2/gであり、該水分散液に含まれる無機酸化物微粒子の固形分濃度は15.8重量%であった。
また、この水分散液に含まれるエチルアルコールは、該水分散液に含まれる無機酸化物微粒子の単位表面積当りに対して1.09×10
-5mol/m
2であった。
この水分散液を−2℃で凍結させた後、常温で解凍させたところ、容易に再分散した。
解凍させた水分散液に含まれる無機酸化物微粒子の平均粒子径は約7.4nmで該水分散液は透明であった。
【0041】
[実施例5]
ケイ素とアルミニウムと銀を含む無機酸化物微粒子の水分散液(製品名:ATOMY BALL-(UA)、日揮触媒化成(株)、無機酸化物微粒子の平均粒子径:15nm、比表面積:143m
2/g、SiO
2濃度:1.03重量%、Al
2O
3濃度:0.37重量%,Na
2O含有量:0.01重量%,Ag
2O濃度:0.07重量%)40gにエチルアルコール(林純薬工業、99%以上)1.2gを添加して、エチルアルコールを3重量%含む無機酸化物微粒子の水分散液を得た。
この水分散液に含まれる無機酸化物微粒子の平均粒子径は15nmで表面積は約143m
2/gであり、該水分散液に含まれる無機酸化物微粒子の固形分濃度は、1.44重量%であった。
また、この水分散液に含まれるエチルアルコールは、該水分散液に含まれる無機酸化物微粒子の単位表面積当りに対して3.16×10
-4mol/m
2であった。
この水分散液を−2℃で凍結させた後、常温で解凍させたところ、容易に再分散した。
解凍させた水分散液に含まれる無機酸化物微粒子の平均粒子径は約15nmで該水分散液は透明であった。
【0042】
[実施例6]
チタニウムとケイ素と亜鉛を含む無機酸化物微粒子が分散した水分散液(製品名:ATOMY BALL-(20NTZ)20、日揮触媒化成(株)、平均粒子径:20nm、比表面積:100m
2/g、TiO
2濃度:18.0重量%、SiO
2濃度:1.6重量%、ZnO濃度;0.4重量%、Na
2O濃度0.04重量%)40g にエチルアルコール(林純薬工業、99%以上)1.2gを添加して、エチルアルコールを3重量%含む無機酸化物微粒子の水分散液を得た。
この水分散液に含まれる無機酸化物微粒子の平均粒子径は約20nmで比表面積は約100m
2/gであり、該水分散液に含まれる無機酸化物微粒子の固形分濃度は19.4重量%であった。
また、この水分散液に含まれるエチルアルコールは、該水分散液に含まれる無機酸化物微粒子の単位表面積当りに対して3.35×10
-5mol/m
2であった。
この水分散ゾルを−2℃で凍結させた後、常温で解凍させたところ、容易に再分散した。
解凍させた水分散液に含まれる無機酸化物微粒子の平均粒子径は約20nmで該水分散液は透明であった。
【0043】
[実施例7]
チタニウムとケイ素と亜鉛を含む無機酸化物微粒子が分散した水分散液(製品名:ATOMY BALL-(20NTZ)20、日揮触媒化成(株)、平均粒子径:20nm、比表面積:100m
2/g、TiO
2濃度:18.0重量%、SiO
2濃度:1.6重量%、ZnO濃度;0.4重量%、Na
2O濃度0.04重量%)40g にエチルアルコール(林純薬工業、99%以上)2.8gを添加して、エチルアルコールを7重量%含む無機酸化物微粒子の水分散液を得た。
この水分散液に含まれる無機酸化物微粒子の平均粒子径は約20nmで比表面積は約100m
2/gであり、該水分散液に含まれる無機酸化物微粒子の固形分濃度は18.7重量%であった。
また、この水分散液に含まれるエチルアルコールは、該水分散液に含まれる無機酸化物微粒子の単位表面積当りに対して7.86×10
-5mol/m
2であった。
この水分散液を−2℃で凍結させた後、常温で解凍させたところ、容易に再分散した。
解凍させた水分散液に含まれる無機酸化物微粒子の平均粒子径は約20nmで該水分散液は透明であった。
【0044】
[実施例8]
シリカ微粒子を含むシリカゾル(製品名:カタロイドSI-50、日揮触媒化成(株)、シリカ微粒子の平均粒子径:27.3nm、シリカ微粒子の比表面積:100m
2/g、SiO
2濃度:48.3重量%、Na
2O含有量:0.49重量%、分散媒;水)を純水で希釈し、(SiO
2濃度:9.7重量%、Na
2O含有量:0.1重量%)としたもの40gにエチルアルコール(林純薬工業、99%以上)1.2gを添加して、エチルアルコールを3重量%含むシリカ微粒子の水分散液を得た。
この水分散液に含まれるシリカ微粒子の平均粒子径は27.3nmで比表面積は約100m
2/gであり、固形分濃度は9.51重量%であった。
また、この水分散液に含まれるエチルアルコールは、該水分散液に含まれるシリカ微粒子の単位表面積当りに対して6.83×10
-5mol/m
2であった。
この水分散ゾルを−2℃で凍結させた後、常温で解凍させたところ容易に再分散した。
解凍させた水分散液に含まれるシリカ微粒子の平均粒子径は約27.2nmで該水分散液は透明であった。
【0045】
[実施例9]
シリカ微粒子を含むシリカゾル(製品名:カタロイドSI-50、日揮触媒化成(株)、シリカ微粒子の平均粒子径:27.3nm、比表面積:100m
2/g、SiO
2濃度:48.3重量%、Na
2O含有量:0.49重量%、分散媒;水)にイオン交換樹脂を添加して、Na
2O含有量が0.39重量%となるまでナトリウムイオンを除去したのち、イオン交換樹脂を分離して、得られたシリカゾル40gにエチルアルコール(林純薬工業、99%以上)1.2gを添加して、エチルアルコールを3重量%含むシリカ微粒子の水分散液を得た。
また、この水分散液に含まれるエチルアルコールは、該水分散液に含まれるシリカ微粒子の単位表面積当りに対して1.38×10
-5mol/m
2であった。
この水分散液に含まれるシリカ微粒子の平均粒子径は27.3nmで比表面積は約100m
2/gであり、固形分濃度は47.4重量%であった。
この水分散ゾルを−2℃で凍結させた後、常温で解凍させたところ、容易に再分散した。
解凍させた水分散液に含まれるシリカ微粒子の平均粒子径は約27.4nmで該水分散液は透明であった。
【0046】
[比較例1]
シリカ微粒子を含むシリカゾル(製品名:カタロイドSI-30、日揮触媒化成(株)、平均粒子径:10.6nm、比表面積:257m
2/g、SiO
2濃度:30.3重量%、Na
2O含有量:0.4重量%、分散媒;水)40gを−2℃で凍結させた後、常温で解凍させたところ、解凍後のシリカゾルは、シリカ微粒子が凝集体を形成し、沈殿した。
【0047】
[比較例2]
シリカ微粒子を含むシリカゾル(製品名:SS-120、日揮触媒化成(株)、平均粒子径:120nm、比表面積:23m
2/g、SiO
2濃度:18.6重量%、Na
2O含有量:0.07重量%、分散媒;水)40gを−2℃で凍結させた後、常温で解凍させたところ、解凍後の水分散液は、シリカ微粒子が凝集体を形成し、沈殿した。
【0048】
[比較例3]
ケイ素とアルミニウムと銀を含む無機酸化物微粒子の水分散液(製品名:ATOMY BALL-(UA)、日揮触媒化成(株)、平均粒子径:15nm、比表面積:143m
2/g、SiO
2濃度:1.03重量%、Al
2O
3濃度:0.37重量%,Na
2O含有量:0.01重量%,Ag
2O濃度:0.07重量%)40gを−2℃で凍結させた後、常温で解凍させたところ、解凍後の水分散液は、無機酸化物微粒子が凝集体を形成し、沈殿した。
【0049】
[比較例4]
チタニウムとケイ素と亜鉛を含む無機酸化物微粒子の水分散液(製品名:ATOMY BALL-(20NTZ)20、日揮触媒化成(株)、平均粒子径:20nm、比表面積:100m
2/g、TiO
2濃度:18.0重量%、SiO
2濃度:1.6重量%、ZnO濃度:0.4重量%、Na
2O濃度;0.04重量%)40gを−2℃で凍結させた後、常温で解凍させたところ、解凍後の水分散液は、無機酸化物微粒子が凝集体を形成し、沈殿した。
【0050】
[比較例5]
シリカ微粒子を含むシリカゾル(製品名:カタロイドSI-50、日揮触媒化成(株)、平均粒子径:27.3nm、比表面積:100m
2/g、SiO
2濃度:48.3重量%、Na
2O含有量:0.49重量%、分散媒;水)40gを−2℃で凍結させた後、常温で解凍させたところ、解凍後の水分散液は、シリカ微粒子が凝集体を形成し、沈殿した。
【0051】
実施例および比較例で調製した無機酸化物微粒子の水分散液の性状、および該水分散液の凍結、解凍後の性状を表1に示す。
表1より、無機酸化物微粒子の単位表面積当りのアルコール含有量が所定量範囲内にある水分散液、すなわち、実施例で調製した水分散液は、凍結および解凍を経た後でも透明で、無機酸化物微粒子の平均粒子径は凍結前と同じか、ほとんど変わらず、高い再分散性を発現することが示された。
【0052】
【表1】